(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】サーバー、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2020060760
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】井上 健太
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092569(JP,A)
【文献】特開2018-117234(JP,A)
【文献】特開2017-225027(JP,A)
【文献】特開2005-311729(JP,A)
【文献】特開2019-128715(JP,A)
【文献】特開2011-035742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 13/00
H04L 51/00 -51/58
67/00 -67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサービスにアクセス可能なWebサーバーであって、
送信対象の画像データに関する設定を行うための設定画面を、クライアント装置に対して提供する提供手段と、
前記設定画面で前記クライアント装置のユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定にしたがって、前記送信対象の画像データをクラウドサービスに送信する送信手段と、
前記設定画面で前記ユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定を、前記送信対象の画像データの種類と当該ユーザーの情報とに紐付けて記憶する記憶手段と、
前記提供手段は、新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する場合、前記記憶手段で記憶されている設定のうち、当該新たな送信対象となる画像データと同じ種類の画像データに紐づけられ、かつ、当該新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うユーザーと同じユーザーの情報に紐づけられて記憶されている設定を反映した状態で、前記新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する、
ことを特徴とするWebサーバー。
【請求項2】
前記記憶手段で記憶する設定は、画像データの送信先、ファイル名に設定する画像データ内の領域、画像データの保存ファイル形式の少なくともいずれかに関する設定が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載のWebサーバー。
【請求項3】
前記Webサーバーは画像形成装置と通信可能であり、前記画像データは前記画像形成装置で帳票を読み込むことで生成された画像データである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のWebサーバー。
【請求項4】
画像データと類似する画像データは同じ種類の画像データであると判定される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項5】
前記画像データの種類は、少なくとも画像データ内の文字領域の配置を基に決定される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項6】
前記設定画面で前記ユーザーから新たな送信対象となる画像データと同じ種類の画像データに関する設定を受け付けていない場合、前記提供手段は、前回、当該ユーザーから受け付けた画像データに関する設定の一部を反映した状態で前記設定画面を提供する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項7】
前記設定の一部とは、画像データの送信先と画像データの保存ファイル形式に関する設定である
ことを特徴とする請求項6に記載のWebサーバー。
【請求項8】
前記記憶されている設定を反映した状態で提供される設定画面とは、設定値が設定された状態の操作画面である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項9】
前記Webサーバーは、前記クライアント装置のユーザーを認証する認証手段をさらに有し、前記提供手段は前記認証手段で認証したユーザーに対応する前記
設定画面を提供する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項10】
前記提供手段は、前記認証手段で認証したユーザーに対応する前記記憶手段で記憶した設定を前記設定画面に反映させて提供する
ことを特徴とする請求項9に記載のWebサーバー。
【請求項11】
前記提供手段は、前記記憶手段が新たな送信対象となる画像データと同じ種類の画像データに関する設定を記憶していない場合、記憶していない旨を示す表示がされた状態の設定画面を提供する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のWebサーバー。
【請求項12】
クラウドサービスにアクセス可能なWebサーバーが実行する情報処理方法であって、
送信対象の画像データに関する設定を行うための設定画面を、クライアント装置に対して提供する提供工程と、
前記設定画面で前記クライアント装置のユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定にしたがって、前記送信対象の画像データをクラウドサービスに送信する送信工程と、
前記設定画面で前記ユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定を、前記送信対象の画像データの種類と当該ユーザーの情報とに紐付けて記憶する記憶工程と、
前記提供工程では、新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する場合、前記記憶工程で記憶されている設定のうち、当該新たな送信対象となる画像データと同じ種類の画像データに紐づけられ、かつ、当該新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うユーザーと同じユーザーの情報に紐づけられて記憶されている設定を反映した状態で、前記新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドストレージ等のサービスを提供するクラウドサービスに画像データを送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドストレージ等のサービスを提供するクラウドサービスと連携するMFPが増えている。例えばMFPでスキャンした画像をユーザーが指定したクラウドサービスに送信することができる。この時ユーザーはスキャンした画像を送信するクラウドサービスを指定したり、ファイル名を設定してからデータの送信処理を行う。ファイル名の設定をキーボード等を用いて行うことは手間がかかるため、特許文献1には、スキャン画像をプレビュー表示し、ユーザーにより選択された文字領域のOCR結果を、当該スキャン画像のファイル名やメタデータ等に用いる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、ファイル名を設定する手間を軽減できたとしても、依然としてユーザーは、スキャンした画像データを送信するたびに送信先のクラウドを指定したり、ファイル名に設定する文字領域を選択しなければならないため、設定操作の煩雑さを解消できていない。本発明の目的は、スキャンした画像データをクラウドサービスに送信する際の設定の操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
クラウドサービスにアクセス可能なWebサーバーであって、送信対象の画像データに関する設定を行うための設定画面を、クライアント装置に対して提供する提供手段と、前記設定画面で前記クライアント装置のユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定にしたがって、前記送信対象の画像データをクラウドサービスに送信する送信手段と、前記設定画面で前記ユーザーから受け付けた前記送信対象の画像データに関する設定を、前記送信対象の画像データの種類と当該ユーザーの情報とに紐付けて記憶する記憶手段と、前記提供手段は、新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する場合、前記記憶手段で記憶されている設定のうち、当該新たな送信対象となる画像データと同じ種類の画像データに紐づけられ、かつ、当該新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うユーザーと同じユーザーの情報に紐づけられて記憶されている設定を反映した状態で、前記新たな送信対象となる画像データに関する設定を行うための設定画面を提供する、ことを特徴とするWebサーバー。
【発明の効果】
【0006】
ユーザーが画像データをクラウドサービスに送信する設定を行う際に、当該ユーザーが過去に行った似た画像データの設定を反映させるため、設定を行う際の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】クライアントPC及びMFP連携サービスのハードウェア構成図である。
【
図5A】各機器間の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5B】各機器間の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図6】MFPが表示する画面の一例を示す図である。
【
図7】クライアントPCが表示するスキャン済み帳票一覧画面の一例を示す図である。
【
図8】クライアントPCが表示する送信先クラウドストレージサービス編集画面の一例を示す図である。
【
図9】クライアントPCが表示する送信先フォルダー編集画面の一例を示す図である。
【
図10】クライアントPCが表示する出力設定編集画面の一例を示す図である。
【
図11】クライアントPCが表示する編集画面の一例を示す図である。
【
図12】クライアントPCが表示するメタデータが表示されたスキャン済み帳票一覧画面の一例を示す図である。
【
図13】本システムにおけるMFP連携サービスが行う画像解析処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図14】本システムにおけるMFP連携サービスが行う解析結果情報の一部の保存データの一例を示す図である。
【
図15】本システムにおけるMFP連携サービスが行う分類したスキャン済み帳票の表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図16】本システムにおけるMFP連携サービスが行うスキャン済み帳票の設定保存時の処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図17】本システムにおけるMFP連携サービスが行うメタデータありのクラウドストレージサービスを設定している場合に、送信先または送信先フォルダーを変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図18】本システムにおけるMFP連携サービスが行うスキャン済み帳票の送信時の処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図19】本システムにおけるMFP連携サービスが保管する学習データの管理構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0009】
(第一実施形態)
<全体構成>
図1は、本システムの全体構成を示す図である。画像処理システムは、MFP(Multifunction Peripheral)110、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)111、MFP連携サービス120およびクラウドストレージ130を含む。MFP110及びクライアントPC111は、LAN(Local Area Network)経由でインターネット上の各種サービスを提供するサーバーに対して通信可能に接続されている。
【0010】
MFP110は、スキャナやプリンタといった複数の機能を有する複合機であり、画像形成装置の一例である。クライアントPC111はMFP連携サービス120に対して依頼したサービスの提供を受ける情報処理装置である。MFP連携サービス(Webサーバー)120は、MFP110でスキャンした画像ファイルを自サーバー上に保存したり、別のストレージサービス等のファイル保存が可能なサービスに転送したりする機能を持つサービスの一例である。クラウドストレージ(サービス)130は、インターネットを介して受信したファイルを保存したり、外部装置がウェブブラウザを介してファイルを取得したりすることができるサービスである。クラウドストレージは、130だけに限らず、複数存在する。
【0011】
本実施形態の画像処理システムは、MFP110、クライアントPC111、MFP連携サービス120およびクラウドストレージ130からなる構成としているがこれに限定されない。例えば、MFP110がクライアントPC111やMFP連携サービス120の役割を兼ね備えてもよい。また、MFP連携サービス120はインターネット上ではなくLAN上のサーバーに配置した接続形態であってもよい。また、クラウドストレージ130はメールサーバーなどに置き換えて、スキャンした画像をメールに添付し送信してもよい。
【0012】
<MFPのハードウェア構成>
図2は、MFP110のハードウェア構成図である。MFP110は、制御部210、操作部220、プリンタ部221、スキャナ部222、モデム223で構成される。制御部210は、以下の各部211~219で構成され、MFP110全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して、読取/印刷/通信などMFP110が有する各種機能を実行・制御する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、本実施例では1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはHDD214)を用いて後述のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、これに限定されない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはHDDを協働させて各処理を実行してもよい。HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する大容量記憶部である。操作部I/F215は、操作部220と制御部210とを接続するインタフェースである。操作部220には、タッチパネルやキーボードなどが備えられており、ユーザーによる操作/入力/指示を受け付ける。プリンタI/F216は、プリンタ部221と制御部210とを接続するインタフェースである。印刷用の画像データはプリンタI/F216を介して制御部210からプリンタ部221へ転送され、記録媒体上に印刷される。スキャナI/F217は、スキャナ部222と制御部210とを接続するインタフェースである。スキャナ部222は、不図示の原稿台やADF(Auto Document Feeder)にセットされた原稿を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。MFP110は、スキャナ部222で生成された画像データをプリンタ部221から印刷出力(コピー)する他、ファイル送信またはメール送信することができる。モデムI/F218は、モデム223と制御部210とを接続するインタフェースである。モデム223は、PSTN上のファクシミリ装置との間で画像データをファクシミリ通信する。ネットワークI/F219は、制御部210(MFP110)をLANに接続するインタフェースである。MFP110は、ネットワークI/F219を用いてインターネット上の各サービスに画像データや情報を送信したり、各種情報を受信したりする。
【0013】
<クライアントPC、MFP連携サービス(サーバ)のハードウェア構成>
図3は、クライアントPC111及びMFP連携サービス120のハードウェア構成図である。クライアントPC111及びMFP連携サービス120は、CPU311、ROM312、RAM313、HDD314及びネットワークI/F315で構成される。CPU311は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行することで、全体の動作を制御する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラムを記憶する大容量記憶部である。ネットワークI/F315は、MFP連携サービス120をインターネットに接続するインタフェースである。MFP連携サービス120およびクラウドストレージ130は、ネットワークI/F315を介して他の装置(MFP110など)から処理リスエストを受けて各種情報を送受信する。
【0014】
<画像処理システムのソフトウェア構成>
図4は、本実施例に係る画像処理システムのソフトウェア構成図である。MFP110は、ネイティブ機能部410と追加機能部420の大きく2つに分けられる。MFP110のROM212やHDD214に記憶されているプログラムを、CPU211がRAM213に読み出し、実行することで各機能部は実現される。ネイティブ機能部410に含まれる各部はMFP110に標準的に備えられたものであるのに対し、追加機能部420はMFP110に追加インストールされたアプリケーションである。追加機能部420はJava(登録商標)をベースとしたアプリケーションであり、MFP110への機能追加を容易に実現できる。なお、MFP110には図示しない他の追加アプリケーションがインストールされていても良い。
【0015】
ネイティブ機能部410は、スキャン実行部411および画像データ保存部412を有する。追加機能部420は、表示制御部421、スキャン指示部422、連携サービスリクエスト部423を有する。
【0016】
表示制御部421は、MFP110の操作部220のタッチパネル機能を有する液晶表示部に、ユーザーによる操作を受け付けるためのUI(user interface)画面を表示する。例えば、MFP連携サービス120へアクセスするための認証情報の入力、スキャン設定、ならびに、スキャン開始の操作を受け付ける操作画面を表示する。スキャン指示部422は、UI画面を介して入力されたユーザー指示に応じたスキャン設定を用いてスキャン実行部411にスキャン処理を要求する。
【0017】
スキャン実行部411は、スキャン指示部422からのスキャン設定を含んだスキャン要求を受け取る。スキャン実行部411は、スキャン要求に従い、スキャナI/F217を介してスキャナ部222で、原稿台ガラスに置かれた原稿を読み取ることでスキャン画像データを生成する。生成したスキャン画像データは、画像データ保存部412に送られる。スキャン実行部411は、保存したスキャン画像データを一意に示すスキャン画像識別子をスキャン指示部422へ送る。スキャン画像識別子はMFP110においてスキャンした画像を一意に識別するための番号や記号、アルファベットなどである(不図示)。画像データ保存部412は、スキャン実行部411から受け取ったスキャン画像データをHDD214に保存する。
【0018】
スキャン指示部422は、スキャン実行部411から受け取ったスキャン画像識別子に対応するスキャン画像データを画像データ保存部412から取得する。スキャン指示部422は、MFP連携サービス120で取得したスキャン画像データを処理する指示を連携サービスリクエスト部423に要求する。
【0019】
連携サービスリクエスト部423は、MFP連携サービス120に対して各種処理の要求を行う。例えば、ログイン、スキャン画像の解析などの要求を行う。MFP連携サービス120とのやり取りはRESTやSOAPなどのプロトコルを使用するが、その他の通信手段を用いてもよい。
【0020】
MFP連携サービス120は、リクエスト制御部431、画像処理部432、クラウドストレージアクセス部433、データ管理部434、表示制御部435を有する。
【0021】
リクエスト制御部431は、外部装置からの要求を受信できる状態で待機している。処理要求を受けると要求に応じて適宜、画像処理部432、クラウドストレージアクセス部433、データ管理部434に処理を指示する。たとえばMFP110からのログイン要求に応じてログイン処理を行う。
【0022】
画像処理部432は、画像データ内の文字領域解析、OCR(Optical Character Recognition)、類似帳票判定(後述の
図5のS516の処理で説明する)、画像の回転や傾き補正などの画像に対する認識処理や画像の加工処理を行う。
【0023】
クラウドストレージアクセス部433は、クラウドストレージの機能(ストレージサービス)を提供するクラウドサービスに対して処理要求を送信する。クラウドサービスは一般的にRESTやSOAPなどのプロトコルで、クラウドストレージにファイルを保存したり、保存したファイルを外部装置から取得したりするための様々なインタフェースを公開している。クラウドストレージアクセス部433は、公開されたクラウドストレージのインタフェースを使用してクラウドストレージの操作を行う。
【0024】
データ管理部434は、MFP連携サービス120で管理するユーザー情報や各種設定データ等を保持する。
【0025】
表示制御部435は、インターネット経由で接続されたPCやモバイル等の別端末(不図示)上で動作しているウェブブラウザからのリクエストを受けて画面表示に必要な画面構成情報(HTML、CSS等)を返す。ユーザーは、ウェブブラウザで表示される画面経由でMFP連携サービス120に登録しているユーザー情報を確認したり、スキャンする際の設定を変更したりする。
【0026】
なお
図4ではMFP110に追加機能部420をインストールする構成の例について説明したが、本件はこの構成に限定せず、クライアントPC111に追加機能部420の機能が含まれていても構わない。
【0027】
<全体の処理の流れ>
図5は、MFP110でスキャンした画像をファイル化してクラウドストレージに送信する際の各装置間の処理の流れを示すシーケンス図である。
図5AはユーザーがMFP110でスキャンアプリを利用して帳票をスキャンし、MFP連携サービス120に帳票データが送信されるまでのシーケンス図を示す。
図5BはMFP連携サービス120に送信された帳票データをクライアントPC111で閲覧、操作しクラウドストレージ130に送信するまでのシーケンス図を示す。ここでは、各装置間のやり取りを中心に説明する。
【0028】
MFP110は、提供する各機能を実行するためのボタンを並べたメイン画面をタッチパネル上に表示する。
【0029】
MFP110は、スキャンした帳票をクラウドストレージに送信するための追加アプリケーション(以降、スキャンアプリと呼ぶ)をインストールすることで、当該アプリケーションの機能を使用するボタンがMFP110のメイン画面に表示される。このボタンを押すとスキャンした帳票をMFP連携サービス120に送信するために必要な画面が表示される。
【0030】
S501においてMFP101は、MFP連携サービス120にアクセスするための認証情報を入力するログイン画面(不図示)を表示する。S502でユーザーがログインに必要なユーザー名とパスワードを入力し、MFP110はログイン要求をMFP連携サービス120に送信する。S503においてMFP連携サービス120は、ログイン要求に含まれるユーザー名とパスワードが正しいか検証し、正しければアクセストークンをMFP110に返す。以降、MFP110からMFP連携サービス120に対して行う各種リクエストにはこのアクセストークンが含まれ、この情報により処理対象のユーザーを特定することができる。ユーザー認証の方法は一般的に公知な手法(Basic認証、Digest認証、OAuthを用いた認可等)を用いて行う。
【0031】
MFP110は、ログイン処理が完了したら、S504でMPF110が利用できるアプリケーションをメイン画面(不図示)に表示する。ユーザーがメイン画面でスキャンアプリを押下するとS505でスキャンアプリ起動の要求がMFP110からMFP連携サービス120に対して送信される。MFP連携サービス120はログインユーザーが利用できるスキャン処理のボタン選択画面を表示するために必要な情報をMFP連携サービス120のHDDから取得し、MFP110に送信する。S506でMFP110はMFP連携サービス120から受信した情報で
図6(a)のスキャンボタン選択画面を表示する。
図6(a)の601~604はMFPサービス連携120に登録されているスキャンボタンの内、ログインユーザーが利用できるボタンである。スキャンボタンには2種類あり、1つはスキャンしたデータの送信先のクラウドサービスや送信先フォルダー、出力設定、ファイル名などを、クライアントPC111から設定できる601のボタン(以降、設定なしボタンと呼ぶ)である。もう一つは、あらかじめ送信先のクラウドサービスやスキャン設定などをMFP連携サービス120に設定しておく602、603、604のボタン(以降、設定付きボタン)がある。602-604の設定付きボタンはユーザーやMFP110の管理者が必要な組み合わせの設定を必要な数だけMFP連携サービス120に登録しておく必要がある。601の設定なしボタンはMFP連携サービスであらかじめ設定する必要はないため、ユーザーに対して1つ、ボタンが表示されることになる。したがって、管理者などが事前にMPF連携サービス120にボタン登録をしていなくても、ユーザーに対してスキャンアプリの機能を利用させることができる。また、ユーザーも管理者に頼らず、自身が必要な設定をスキャン後に指定することができる。本実施例では以降、ユーザーが601の設定なしボタンを利用するとして詳細に説明する。
【0032】
ユーザーが601の設定なしボタンを選択するとS507で601の設定なしボタンにデフォルトで設定されているスキャン設定をMFP110がMFP連携サービス120に対して要求する。MFP連携サービス120はスキャン設定要求に対して、601の設定なしボタンのデフォルトのスキャン設定とスキャン設定画面表示に必要な情報をMFP連携サービス120のHDDから取得しMFP110に送信する。S508でMFP110は受信した情報で
図6(b)のスキャン設定画面を表示する。605はスキャンを実行するボタンである。606はカラー、解像度、画質、両面、原稿サイズ混載、濃度、原稿サイズなどのスキャン設定の変更を受け付ける領域である。607はスキャンした原稿のプレビューが表示される。608は表示されたプレビューのページ送りやページの回転、ページの削除、ページの追加(追加のスキャン)を行うボタンである。609はスキャンボタン選択画面に戻るボタンである。各種スキャンの読み込みに関する設定を行い、原稿台ガラスまたはADFにスキャンする対象の紙帳票を置き、605の「スキャン」ボタンを押すとS509でMFP110はスキャンを実行して紙帳票を電子化した画像データが生成される。S610はスキャンしたデータを次の処理に進めるボタンである。S610の「次へ」ボタンが押下されると、S510でスキャン処理中画面をMFP110が表示する。そして、S511でS509のスキャン処理で生成した画像とともにスキャン画像の解析要求をMFP連携サービス120に送信する。MFP連携サービス120が受信したスキャン画像は、クラウドストレージへ送信されるまでの間、MFP連携サービス120内のHDDで保持される。MFP連携サービス120は、スキャン画像の解析要求をMFP110から受信するとS512において、MFP連携サービス120の画像処理部432で画像解析を開始する。その後、MFP連携サービス120は、画像解析処理の終了を待たずに、MFP連携サービス120に依頼した解析を一意に示す識別子である”processId”をMFP110に返す。MFP連携サービス120は、画像解析処理において、まずS514で画像内に存在する文字領域を解析し、S515ですべての文字領域に対して文字認識処理を行う。そして、S516で帳票内の文字領域の配置情報を利用して、S503でログインしたユーザーが過去にスキャンした画像の配置情報と今回スキャンした画像の配置情報を比較し類似した文字領域の配置を持つ画像をスキャンしたかどうかを判定する。この処理を類似帳票判定という。MFP連携サービス120は、類似帳票判定で、対象となるスキャン画像が過去にスキャンした画像と類似する場合は、その画像の類似画像で設定された設定情報を示す情報を付与してMFP連携サービス120のHDDに保存する。類似する画像がなかった場合、MFP連携サービス120はスキャンした画像全体の文字領域の情報と類似画像がないことを示す情報を保存する。この判定で使用する過去のスキャン画像の情報は後述するS534やS540、S543の処理によりユーザーに紐付けて保存、蓄積するものとする。
【0033】
なおS514~S516の処理の詳細については
図13で説明を行う。
【0034】
MFP110は、S517でS511のレスポンスで受け取った”processId”を使用してMFP連携サービス120に定期的(例えば数百ミリ秒から数ミリ秒程度毎など)に”processId”に対応する画像解析の処理状況の確認を行う。図では省略するが、S517の処理はMFP連携サービス120の画像処理完了のレスポンスが取得できるまで継続して行う。MFP連携サービス120は、S511の処理状況確認の要求を受けると”processId”に対応する処理の状況を確認し、レスポンスを返す。
【0035】
レスポンスの”status”に現在の処理状況を示す文字列が格納される。例えば”status”が”processing”の時は、MFP連携サービス120で処理が行われている最中であることを示し、”completed”の時は処理が完了している状態であることを示す。なお、処理が失敗した場合に”failed”など、この他のステータスが返ることもある。
【0036】
S517において処理の完了をMFP101が検知すると、S518でスキャンが完了したことを示すメッセージをMFP110の画面に表示して、S508のスキャン設定画面表示に戻る。スキャンすべき帳票が複数ある場合は、複数部の帳票を繰り返しスキャンする(S508からS518までの処理を繰り返し行う)ことができる。また、スキャンする前にスキャンした文書を固定ページ数や仕切り紙を用いて分割する設定を指示することで、複数の帳票をまとめて一度にスキャンして複数の帳票に分割することもできる。
【0037】
S518の後、ユーザーはスキャンして生成した帳票の送信先クラウドストレージサービス、送信先フォルダー、出力設定、ファイル名、メタデータを設定し、クラウドストレージサービス130に送信する処理をクライアントPC111で行う。図示していないが、クライアントPC111からMPF連携サービス120にアクセスする際に、MFP110と同様にログインの処理を行い、ユーザーは自身でスキャンしたスキャン済み帳票に対して処理を行う。
【0038】
図5BのS519においてスキャンした帳票の一覧を確認するためのスキャン済み帳票一覧画面をクライアントPC111は、MFP連携サービス120から取得し表示する。
図7は、クライアントPC111で表示するスキャン済み帳票一覧画面の一例を示したものである。701~703はユーザーがMFP110でスキャンした帳票のデータである。704はスキャン済み帳票一覧画面で選択されているスキャン済み帳票に設定されている情報(以降、ジョブプロパティと呼ぶ)を表示するエリアである。705は送信先のクラウドストレージサービスを設定する画面を表示するボタンである。706は705のボタンで送信先のクラウドストレージサービスを設定した後に、送信先のクラウドストレージサービスの中の送信先フォルダーを設定する画面を表示するボタンである。707はスキャン帳票を保存する際の保存ファイル形式などの出力設定を設定する画面を表示するボタンである。708はスキャン済み帳票のプレビュー画像内に含まれる文字を使用してファイル名など設定する編集画面を表示するボタンである。709は直接テキストを入力してファイル名を設定するボタンである。710は必要な設定が完了した後、設定を保存または、設定した送信先にスキャン済み帳票を送信するボタンである。設定の内容に応じてボタン名は「保存」または「送信」に切り替わる。保存または送信に必要な設定がされていない場合には、無効状態で表示される。711はスキャン済み帳票を送信するボタンである。712は編集画面を表示する編集ボタンである。この編集画面はスキャン済み帳票のプレビュー画像内の文字列を選択して入力する画面であり、後述するファイル名の入力やメタデータの入力に使用する。713は選択したスキャン帳票のデータを削除するボタンである。714はまだ表示されていないスキャン済み帳票がMFP連携サービス120にある場合に有効状態となるリストの更新ボタンである。714をクリックすることでスキャン済み一覧画面を更新し、現在、MFP連携サービス120に保持されているスキャン済み帳票をすべて表示する。715はスキャン済み帳票が類似帳票判定で類似帳票なしと判定された場合に表示されるタグである。ここでは701に対応する帳票は類似帳票がないため、学習したデータがなく「未学習」と表示される。この図では701のスキャン済み帳票が選択されており、701のスキャン済み帳票に対するジョブプロパティ704が表示されている。715で未学習のタグが付いていることから、ユーザーは、今まで701で示す帳票に類似する帳票をスキャンしたことが無いことがわかる。類似する帳票をスキャンしていた場合は、ジョブプロパティ704の各設定には当該類似した帳票に対してユーザーが過去行った設定が反映される。しかし、ここでは、類似帳票がないためジョブプロパティ704の各設定ボタンには初期値が表示される。この例では送信先のクラウドサービスは未設定、送信先フォルダーも未設定、出力設定はクラウド圧縮PDF、ファイル名は空を初期値として表示している。このように設定なしボタンでスキャンした帳票の内、類似帳票がない(未学習)帳票は、後から送信先のクラウドストレージサービスなどの設定を一つずつ設定できる。まず初めにユーザーが送信先ボタン705をクリックすると、S520で送信先編集の処理がMFP連携サービス120に送信される。そしてクライアントPC111はMFP連携サービス120から画面情報を受け取り、
図8の送信先設定画面が表示する。
【0039】
801は設定対象のスキャン済み帳票がわかるように、スキャン済み帳票の情報が表示される。802は選択可能なクラウドストレージ130が示されている。803は選択したクラウドストレージ130を送信先として保存するボタンである。ユーザーが802から一つのクラウドストレージサービスを選択し、保存ボタン803をクリックすると、S521で選択した送信先の情報がMFP連携サービス120に送信される。S522でMFP連携サービス120はユーザーが選択したクラウドストレージサービス130にアクセス可能かを確認する。ユーザーに対してクラウドストレージサービス130のアクセスに必要な認証情報がMFP連携サービス120にある場合、MFP連携サービス120は受け取ったクラウドストレージサービス130をこのスキャン済み帳票の送信先として保存する。ユーザーに対してクラウドストレージサービス130のアクセスに必要な認証情報がMFP連携サービス120に記憶されていない場合、クラウドストレージサービスへの認証が必要であることを表示する。その後、クラウドストレージサービス130のログイン画面を表示し、ユーザーがログインすることで、クラウドストレージサービス130の接続に必要な認証情報をMFP連携サービス120に保存する。接続の確認後、MFP連携サービス120はスキャン済み帳票の送信先として選択されたクラウドストレージサービス130を保存する。S523が完了すると、設定した送信先クラウドストレージサービスの情報を更新した状態の
図7のスキャン済み帳票一覧画面をクライアントPC111が表示する。701の送信先クラウドストレージサービスを表示する列や、705のボタン内に設定した内容が反映される。この時、送信先として選択されたクラウドストレージサービス130がメタデータ情報を持たないクラウドストレージサービスだった場合、710のボタン名が「保存」から「送信」に変更される。メタデータ情報を持つクラウドストレージサービスだった場合は710のボタン名は「保存」のままとなる。705の送信先の設定が完了すると、706の送信先フォルダーの設定が無効状態から有効状態に変わる。ユーザーが706のボタンをクリックすると、S524で、送信先フォルダーの編集画面の要求がMFP連携サービス120に送信される。S525でMFP連携サービス120はユーザーに対するクラウドストレージストレージサービス130への認証情報を使用して、クラウドストレージサービス130からフォルダー情報を取得する。その後、MFP連携サービス120は取得したフォルダー情報が表示される送信先フォルダー編集画面をクライアントPC111に送信し、クライアントPC111が表示する。
図9が送信先フォルダー編集画面である。901は801と同様に編集対象のスキャン済み帳票が表示される。902は選択中の送信先フォルダーのパスをプレビューとして表示する。903はクラウドストレージサービス130から取得したフォルダー情報をツリービューなどで表示する。ユーザーは903に表示されるフォルダーをクリックして、送信先フォルダーを選択する。904は選択したフォルダーを送信先フォルダーとして保存するボタンである。ユーザーが903でフォルダーを指定し、保存ボタン904をクリックすると、S526でユーザーが選択した送信先フォルダーの情報がMFP連携サービス120に送信される。S527でMPF連携サービス120は受け取った送信先フォルダーをスキャン済み帳票の送信先フォルダーとして保存する。MFP連携サービス120は送信先フォルダーを更新した画面をクライアントPC111に送信する。クライアントPC111は送信先フォルダーを更新した
図7のスキャン済み帳票一覧画面を表示する。この時、705~707までが設定済み、かつ、705の送信先がメタデータありのクラウドストレージサービス130の場合、710の「保存」ボタンが無効状態から有効状態に変わる。ユーザーが707をクリックすると、S530で出力設定編集画面の要求がMFP連携サービス120に送信される。MFP連携サービス120は出力設定編集画面をクライアントPC111に送信し、クライアントPC111が表示する。
図10が出力設定編集画面の一例である。1001は801および901と同様に編集対象のスキャン済み帳票の情報が表示される。1002は選択可能な出力設定が表示される。この例では保存ファイル形式が表示されており、初期値としてクラウド圧縮PDFが選択状態である。ユーザーが、1002から出力設定を選択し、保存ボタン1003をクリックすると、S529で、ユーザーが選択した出力設定の情報がMFP連携サービス120に送信される。MFP連携サービス120は受け取った出力設定をスキャン済み帳票の出力設定として保存し、更新した画面に必要な情報をクライアントPC111に送信する。クライアントPC111は出力設定が更新された
図7のスキャン済み帳票一覧画面を表示する。ユーザーが708のファイル名の編集ボタンをクリックすると、S531でファイル名編集画面の要求がMFP連携サービス120に送信される。MFP連携サービス120はスキャン済み帳票のプレビュー画像や、文字領域の座標、文字認識結果など、編集画面に必要な情報をクライアントPC111に送信する。そして、クライアントPC111は編集画面を表示する。
図11が編集画面の一例である。
図11(a)は、まだスキャン済み帳票のプレビュー画像内からファイル名に使用する文字列を選択していない場合の画面の一例である。1101はスキャン済み帳票のプレビューである。ファイル名などに使用したい文字列をクリックすることで、その文字領域に対応した文字列を抽出し、ファイル名として追加できる。後述するが文字列に使用した領域を学習することで、次回から同じフォーマットの帳票(類似帳票)の場合、同じ文字領域の文字列を使用して自動でファイル名を付けることがきる。1102は編集をキャンセルしてスキャン済み帳票一覧画面に戻るボタンである。1103は選択した文字領域を保存するボタンである。1104は、設定されたファイル名が表示される領域を示す。本例ではファイル名に設定可能な文字領域を3つまでとしているが、無制限にしてもよいし、別途上限値を設定できるようにしても良い。ユーザーがプレビュー画像内の文字列を一つ選択した状態が
図11(b)である。1105で示すように選択した文字列がわかるように選択枠が表示される。選択中であることがわかれば枠ではなく、半透過の色で塗りつぶすなどでもよい。ユーザーがプレビュー画像中の文字列を選択すると708に選択した文字列の領域を切り出した画像が表示される。さらに709の領域にプレビューで選択した領域の文字列が値として入る。1106は選択中の文字列を解除するボタンである。1106のボタンをクリックすると1105の選択中の表示、1105に対応する708の画像と709の文字列の値が削除される。ユーザーがさらにプレビュー内の文字列をクリックすると
図11(c)のようになる。選択した文字列の領域に対応する画像が708の領域の一つ目に追加した画像の下に追加される。さらに、二つ目に追加した文字列の値が709に追加される。この時、一つ目の値と二つ目の値は区切りがわかりやすいようにアンダーバー、スペース、ハイフンなどの区切り文字でつないでも良い。
図11(c)の例ではアンダーバーを使用している。さらにユーザーが三つ目の文字列をプレビュー内で選択した場合、
図11(d)になる。708に選択した三つ目の文字領域が表示され、709にその領域の文字列の値が追加される。追加された文字列の値が文字列の画像と一致していない場合や、ユーザーが任意の文字列を追加したい場合は709の編集ボタンをクリックすることで、直接値を編集または追加することができる。ユーザーが保存ボタン1103をクリックすると、S532で選択したファイル名の情報がMFP連携サービス120へ送信される。S533でMPF連携サービス120は、選択中のスキャン済み帳票のファイル名を保存する。さらにS534で、ここまで設定した送信先、送信先フォルダー、出力設定、ファイル名に使用した文字領域等の設定情報をスキャン済み帳票の種類を一意に表すformID(詳細は後述する)とユーザー情報に関連付けて保存する。つまり
図19に示す
図19は設定情報管理テーブル(詳細は後述する)が生成、もしくは更新される。この保存のタイミングは、送信先、ファイル名等、各設定をユーザーが行ったタイミングであっても良いし、保存ボタン710をユーザーが押下したタイミングでもよい。ここで、ユーザー情報にも関連付けたのは、ユーザー毎に保存するファイル名や送信先が異なるケースが想定されるからである。しかしこれのみに限定する必要はなく、formIDのみに関連付けてもよいし、その他の情報に関連付ける、もしくはどの情報に関連付けるか設定できるようにしても良い。formIDとユーザーに関連付けて保存した情報は、次回同じ種類の帳票だと判定された場合に今回保存した設定が自動で付与されるため、同じユーザーが同じ種類の帳票に対して、何度も同じような設定をする手間を軽減することができる。また、S534の情報保存時に、今回保存対象と同じformIDの情報がMPF連携サービス120に既に保存されている場合は、今回保存した情報で上書きする。ここで上書きするか否かをユーザーに都度確認するようにしても良い。
【0040】
S535~S540の処理はメタデータがあるクラウドストレージサービス130を帳票データの送信先に設定している場合に発生する処理である。S523の送信先の保存と、S527の送信先フォルダーの保存が実行されると、
図7のスキャン済み帳票一覧画面で、保存ボタン710が有効状態になる。それ以降に、保存ボタン710をクリックすると、S535のメタデータ要求がMFP連携サービス120に送信される。S536で、MFP連携サービス120はクラウドストレージサービス130に対して設定されている送信先フォルダーのメタデータ取得の要求を出す。クラウドストレージサービス130は送信先フォルダーに設定されているメタデータ情報をMFP連携サービス120に送信する。MFP連携サービス120はメタデータ情報を表示するために必要な情報をクライアントPC111に送信する。クライアントPC111はメタデータ情報を704のジョブプロパティエリアに表示する。
図12がメタデータ情報を表示したジョブプロパティエリアの一例である。ここで710の「保存」ボタンは、「送信」ボタンに変わる。1201は705の送信先設定ボタンと706の送信先フォルダー設定ボタンが、ボタンではなくなり、設定値の表示のみに切り替わっている。これは、メタデータ表示後に、ユーザーが安易に送信先や送信先フォルダーを変更しないようにするためである。1202は送信先クラウドストレージサービスや送信先フォルダーを編集する場合に使用するボタンである。このボタン1202をクリックすると、表示されたメタデータがクリアされる旨の確認メッセージがクライアントPC111上でユーザーに対して表示される。ユーザーが問題ないことを確認すると、1201は元の705と706のボタンに戻り、再度設定できるようになる。この時、710の「送信」ボタンは再び「保存」ボタンに戻る。1203とS1204は選択した送信先フォルダーに設定されているメタデータである。1203は文字列の値を入力するメタデータの例で、ファイル名と同様にスキャン済み帳票画像内の文字列を選択し入力することもできる。S1204は日付のメタデータの例で、編集ボタンをクリックすることでカレンダーが表示され、日付を変更できる。メタデータの値や種類はクラウドストレージサービス130に依存するため、今回例としてあげたメタデータに限らない。1203でユーザーがプレビュー画像内の文字列をメタデータの値として入力する場合、ユーザーは1203をクリックする。そうするとクライアントPC111はS537でメタデータ編集画面の要求がMPF連携サービス120に送信し
図11の編集画面を表示する。表示された画面でユーザーは、プレビュー画像内の文字列を選択し、1103の保存をクリックすると、S538で設定されたメタデータの情報がMFP連携サービス120に送信される。S539で、送信されたメタデータがスキャン済み帳票に対して保存される。さらに、S540でMPF連携サービス120は、変更された設定情報をformIDとユーザーに関連付けて保存する。MFP連携サービス120は情報を更新した画面に必要な情報をクライアントPC111に送信し、クライアントPC111はスキャン済み帳票一覧画面を表示する。710の送信ボタンをクリックすると、S541で送信対象のデータの送信処理をMFP連携サービス120が実行する。MFP連携サービス120はS542で設定された出力設定やファイル名でファイルを生成する。MFP連携サービス120はS543で変更された設定がある場合はformIDとユーザーに関連付けて当該変更を保存する。S544においてMFP連携サービス120は生成したファイルを設定された送信先クラウドストレージサービスおよび送信先フォルダーに対して、入力されたメタデータを付与して送信する。送信が完了するとMFP連携サービス120はクライアントPC111に送信が完了したことを通知し、クライアントPC111は送信が完了したことをユーザーに通知する。送信が完了したスキャン済み帳票はスキャン済み帳票一覧画面から削除される。また、S543の処理以降、MFP連携サービス120はS545で、今回設定した設定情報の内、送信先クラウドストレージサービスと出力設定に関する情報を保存しておく。そして、次回以降、類似帳票なしのスキャン済み帳票に対して、S545で保存した設定内容が反映されるようにする。送信先クラウドストレージサービスや出力設定は帳票の種類が違っても変更することが少ないと想定されるため、初期値として設定することでユーザーが類似帳票なしの帳票に対して設定を行う負荷を軽減することができる。以降は各処理の詳細な説明を行う。
【0041】
<設定なしボタンおよび設定ありボタンの設定情報管理>
図19は設定情報管理テーブルである。設定情報管理テーブルはユーザーがスキャンした帳票に対して設定した送信先クラウドや出力先等の設定情報を帳票の種類ごとに保持しておくテーブルであり、MFP連携サービス120のデータ管理部434が保持している。
図6(a)の設定なしボタンと設定ありボタンでは、MFP連携サービス120における設定情報の管理形式が異なる。S1910、S1920は設定なしボタンの管理テーブルを示しており、ボタンおよびユーザーに関連付けて設定情報を保持する。帳票の種類を一意に示すformIDごとにテーブルが作成される。userAの場合1910と1920の2つのformIDに対してテーブルが作成されている。1901列は、テーブルに紐付くユーザー名を示す。1902列は、formIDに対応する帳票に対してユーザーが過去に設定した送信先クラウドストレージサービスが示される。1903列は送信先フォルダー、1904列は出力設定、1905列は文字領域の配置情報、つまりファイル名に使用した文字領域の位置情報が示される。userAがformID:“aaaaaaaa-ffff-49ab-acf8-55558888eeee”に類似した帳票をスキャンすると、管理テーブル1910で示される送信先クラウドサービス等の設定情報が当該帳票に対する設定として反映されるようになる。管理テーブルはuserAがスキャンを行い、設定情報を指定するたびに更新される。
【0042】
1930は、設定ありボタンに対応する管理テーブルの一例である。管理テーブル1910、1920と異なり、テーブルはユーザーと紐付いていない。つまり、どのユーザーがスキャン、設定情報の指定を実行しても管理テーブル1930は更新される。
【0043】
ここでは、formIDに対応する設定情報は1行のみで定義しており、ユーザーがスキャン、設定情報の指定を行うたびにテーブルが更新される例を示した。つまりユーザーは新しい帳票をスキャンする時、当該帳票と類似した帳票において為された直近の設定情報を反映することができる。formIDに対応する設定情報は1行である必要は無く、スキャン、設定情報の指定を行うたびに新しく設定情報が追加されるようにしても良い。そして設定情報の使用頻度等から反映する設定情報を決めるようにしても良い。
【0044】
<帳票分類処理>
図13は、本システムにおける画像処理部432が行う画像解析処理の詳細を示すフローチャートである。各処理はMFP連携サービス120のROM312やHDD314に記憶されているプログラムを、CPU311がRAM313に読み出し、実行することで実現される。本フローは
図5におけるS512でMFP連携サービス120の画像処理部432がリクエスト制御部431から画像処理のリクエストを受信した後に、画像処理部432で実行されるS514からS516の処理の詳細を示した図である。
【0045】
はじめにS1301において、画像処理部432はS509でスキャンした帳票の文字領域を解析し、帳票内の文字領域群を取得する。そして、S1302で、S1301で解析して検出したすべての文字列領域に対して文字認識処理を行う。S1303で画像処理部432は、S1301,S1302で検出した情報を使用して類似帳票判定を行う。類似判定は、文字領域の配置情報等を利用して、以前スキャンした画像の配置情報と今回スキャンした画像の配置情報を比較する。そして類似した文字領域の配置を持つ過去にスキャンした画像が有れば、類似帳票ありと判定する。つまり今回解析した帳票のformIDと同じformIDの設定管理情報テーブルをMFP連携サービス120が保持しているか否か判定する。
【0046】
判定の結果、S1304において類似する帳票が見つかった場合、S1305に進む。S1305では、類似帳票に紐付けて保存している設定情報(つまりS534等でformIDに紐付けて保存した設定情報)から解析結果情報を生成する。解析結果情報とは、類似帳票で設定された送信先クラウドサーバやファイル名に使用する画像内の文字列に関する情報である。類似帳票でファイル名に使用されている文字領域の情報を取得し、今回スキャンした画像に対して同様の位置にある文字領域を検知して、その領域の文字列を取得する。
【0047】
S1304で類似帳票が見つからなかった場合は、S1306に進む。S1306では、今回スキャンした画像を新しい帳票(つまり類似帳票なし)として新たに登録する。登録した情報は次回以降に
図13の解析処理を行うときに類似帳票判定する帳票情報の一つとして使用される。S1307で解析結果情報を生成する。ここでは類似帳票が無いため、ファイル名に設定する文字列等は取得していない。S1308では、S1305またはS1307で生成した解析結果情報をMFP連携サービス120内のHDDに保存する。
【0048】
図14にMFP連携サービス120内のHDDに保存される解析結果情報の一例を示す。”matched”は、類似帳票判定により、解析対象の画像と以前にスキャンした画像とが類似するか否かを示す値が格納される。類似帳票があった場合は”TRUE”となり、なかった場合は”FALSE”となる。”TRUE”か”FALSE”の判定は、過去にスキャンした画像の配置情報と今回スキャンした画像の配置情報の一致度合を0~1までの実数値であらわして判断する。値が大きいほど類似した帳票であり、特定の閾値を超えたか否かで”TRUE”か”FALSE”かを決定する。”formID”は、その帳票の種類を一意に示す値が格納される。類似帳票であれば同じformIDが割り振られる。”destination”は類似する帳票があった場合に、過去の類似帳票で設定した送信先クラウドストレージサービスが追加される。”folderPath”は類似する帳票があった場合に、過去の類似帳票で設定した送信先フォルダーのパスが追加される。このパスはクラウドストレージサービス130の保存先のフォルダーを一意に示すものであり、URLなど対象のクラウドストレージサービス130が認識できる形式となる。”outputSetting”は類似する帳票があった場合に、過去の類似帳票で設定した出力設定が追加される。”fileRegion”は類似する帳票があった場合に、過去の類似帳票でファイル名に使用した文字領域と一致すると判断された文字領域の文字列が追加される。図示していないが、解析結果情報にはスキャンした帳票の文字領域の座標や幅、高さ、各文字領域の文字列が含まれており、過去の類似帳票の文字領域の情報と比較することで同じ位置に該当する文字領域かどうかを判定する。本実施例ではファイル名に使用できる文字領域を三つまでとしているため、”fileRegion0”, “fileRegion1”, “fileRegion2”の三つを図示している。ファイル名として表示される際は、fileRegion0~3の値が区切り文字でつないだ形で表示される。”duplicateNum”はファイル名が重複した場合に、同名のファイル名になることを防ぐために付与されるユニークな値である。”metaData”は設定された送信先がメタデータを有するクラウドストレージサービスの場合、かつ、類似帳票で過去に設定されたメタデータに関する情報から入力できる値がある場合に追加される。ファイル名同様にスキャン済み帳票の文字列をメタデータに使用していた場合は、同じ文字領域があると判断された場合に、その値が追加される。S1401行はメタデータがないクラウドストレージにおいて、類似帳票があると判断された場合の解析結果情報の一部の例を示す。類似する帳票(つまりformIDが同じ)で設定された送信先クラウドサービスや出力情報が設定されている。S1402行はメタデータがある場合のクラウドストレージにおいて、類似帳票があると判断された場合の解析結果の一部の例を示す。S1403は類似帳票がないと判断された場合の解析結果の一例を示す。S1401、S1402からわかるように類似帳票があると判断された場合、そのformIDで過去に保存した設定や入力情報(
図19の設定情報管理テーブル)を基にスキャン済み帳票のジョブプロパティ情報が追加される。S1403からわかるように類似帳票がないと判断された場合は、過去の設定および入力情報がないため、後述するMFP連携サービス120が保有する初期値が設定される。
【0049】
<類似判定したスキャン済み帳票の表示処理>
S519で送信対象のスキャン済み帳票一覧画面が要求されたときに、MFP連携サービス120がスキャン済み帳票一覧画面表示に必要な情報を取得し、クライアントPC111に送信するまでのフローを
図15に示す。各処理はMFP連携サービス120のROM312やHDD314に記憶されているプログラムを、CPU311がRAM313に読み出し、実行することで実現される。MFP連携サービス120はS519のスキャン済み帳票一覧画面の取得要求をクライアントPC111から受けると、現在MFP連携サービス120が保有しているスキャン済み帳票の一覧とその解析結果情報を参照する。ここで参照するのはMFP連携サービス120で認証されたユーザーに対応する情報である。
【0050】
まずS1501に示すように、この処理はMFP連携サービス120が現在保有しているスキャン済み帳票分繰り返される。S1502で表示制御部435はスキャン済み帳票に類似帳票があるかどうかを判断する。その判断は
図14の解析結果情報の”mached”が”TRUE”か”FALSE”かで判断し、”FALSE”の場合は類似帳票なしのためS1503の判定に進む。S1503では後述するユーザーが最後に(前回)送信した設定が保存されているかどうかを判断する。ユーザーが過去に一度でもスキャン済み帳票をクラウドストレージサービス130に送信したことがあればS544で設定の一部が初期値として保存されている。そのため、初めてスキャン済み帳票を送信する場合はS1504で設定なしボタンの初期値が取得され、S1507でスキャン済み帳票の設定値として保存される。具体的な設定なしのボタンの初期値としては、出力設定のみ初期値が反映され、その他の設定がなされていな状態で保存される。S1503で最後にユーザーが送信した設定がある場合はS1505でユーザーが最後に送信した設定の内、送信先クラウドサービスと出力設定が反映され、そのほかの設定は設定されない状態で保存される。S1502で類似帳票ありの場合はS1506で解析結果情報から取得した設定値がスキャン済み帳票に対して保存される。
図5Bや
図15では図示していないが、メタデータに対してクラウドストレージサービス130の初期値がある場合や、MFP連携サービス120が参照できる情報が入力されるように別途設定されている場合は、その情報もスキャン済み帳票に対して保存する。なお、接続先のクラウドストレージサービス130にアクセスできなくなっている場合や、送信先フォルダーがない場合は、その設定値は保存せず、エラー箇所を通知しても良い。すべてのスキャン済み帳票の処理が完了するとS1508でクライアントPC111に対して帳票に対して保存された設定値を含む情報が送信される。
【0051】
<スキャン済み帳票の設定保存時の処理>
スキャン済み帳票一覧画面の保存ボタン710や編集画面の保存ボタン1103がクリックされた場合には、設定変更された内容に応じて、スキャン済み帳票に対する設定の保存と、類似帳票の設定情報の保存が実行される。つまり
図19の設定情報管理テーブルの情報が更新され、次回以降、類似するスキャン済み帳票には、更新された設定の反映が実行される。
図16にスキャン済み帳票に対する設定保存のフローを示す。各処理はMFP連携サービス120のROM312やHDD314に記憶されているプログラムを、CPU311がRAM313に読み出し、実行することで実現される。
【0052】
保存ボタンが押下されると、S1601でスキャン済み帳票に対して設定した内容が保存される。S1602で設定された内容にメタデータがあるクラウドストレージサービスを示す情報が含まれるか否かを判断する。メタデータがあるクラウドストレージサービスを示す情報がない場合、S1603に進み、そうでない場合はS1608に進む。S1608でメタデータが取得済みかどうかを判断する。メタデータが未取得の場合、S1609でメタデータを取得しS1603に進む。メタデータを取得している場合、S1603にそのまま進むメタデータを取得した場合もS1603以降の処理は同じであるが、S1604以降の処理に取得したメタデータを含めた処理も加わる。ここで説明した処理は
図5のS532や、S535、S538の処理に伴うS533および534、S536、S539および540の処理に相当する。
【0053】
S1603で今回、帳票に対して保存した設定の内、類似帳票の設定情報管理テーブルに関係する設定が変更されたかどうかを判断する。設定が変更されていない場合は処理を終了し、設定が変更されている場合は、S1604で、設定した内容を次回以降の類似帳票の設定として保存する。つまり
図19の設定情報管理テーブルが更新される。更新される設定値は対応するformIDのテーブルの送信先クラウドストレージサービス、送信先フォルダー、出力設定、ファイル名で使用した文字領域等である。次にS1605でMFP連携サービス120が現時点で保持しているスキャン済み帳票一覧に、設定を変更した帳票と類似する帳票があるかどうかを判断する。類似帳票がない場合は、設定保存の処理は終了となる。類似帳票がある場合は、S1606で新しく更新した設定情報管理テーブルの内容を、スキャン済み帳票の設定に反映させる。最後にS1607で今回設定したスキャン済み帳票の設定値の内、送信先クラウドストレージサービスと、出力設定をユーザーの初期値として保存する。このユーザーの初期値はユーザーに関連付けて保存され、次回以降、設定なしボタンでスキャンし、類似帳票なしと判断されたスキャン済み帳票の初期値として使用される。
【0054】
<メタデータありの送信先または送信先フォルダーを変更する処理>
図12において送信先クラウドストレージサービスおよび送信先フォルダーを変更する送信先変更ボタン1202がクリックされた場合のMFP連携サービス120の処理を
図17に示す。
【0055】
ユーザーが送信先変更ボタン1202をクリックするとS1701でメタデータがクリアされるが問題ないかの確認メッセージ(不図示)がクライアントPC111上に表示される。S1702でユーザーがOK(不図示)をクリックしたことを表示制御部421が検知すると、S1703で設定されているメタデータが破棄される。つまり、クラウドストレージサービス130から取得したメタデータはスキャン済み帳票の設定から削除される。次にS1704で、MFP連携サービス120からクライアントPCに画面の更新情報が送信される。クライアントPC111が画面の更新情報を受け取ると画面は次のように変更される。ジョブプロパティエリア704からメタデータの表示が削除される。710の送信ボタンが保存ボタンに変更される。1201の設定値の表示と1202の送信先変更ボタンが、705の送信先クラウドストレージサービスボタンと706の送信先フォルダーボタンに戻る。以降、ユーザーは再度、送信先クラウドストレージまたは送信先フォルダーを変更できるようになる。
【0056】
<スキャン済み帳票の送信時の処理>
図18にMFP連携サービス120がスキャン済み帳票に設定された情報を使用して、ファイルを生成し、設定された送信先に送信するフローを示す。このフローは
図5BのS541~S545までの処理に相当する。各処理はMFP連携サービス120のROM312やHDD314に記憶されているプログラムを、CPU311がRAM313に読み出し、実行することで実現される。送信ボタン712が押下されると、S1801でMFP連携サービス120はジョブプロパティ704で示される設定情報をスキャン済み帳票に対して保存する。この処理は
図16で示した保存処理以降に変更がなければスキップされる。S1802で設定された出力設定およびファイル名でファイルが生成される。S1803で、クラウドストレージアクセス部433はS1802で生成されたファイルを設定された送信先クラウドストレージサービスのフォルダーに送信する。この時、メタデータの設定値もある場合は同時に送信される。そしてスキャン済み帳票がクラウドストレージサービス130に保存される。S1804で、今回送信したスキャン済み帳票の設定と、類似帳票の設定情報(つまり今回送信した帳票に対応するformIDの設定情報管理テーブル)を比較する。設定に変更がない場合は、送信の処理を完了する。設定に変更がある場合は、S1805で設定した内容を次回の類似帳票の設定として保存する。S1805からS1808までの処理は、
図16のS1604からS1607の処理と同じである。
【0057】
以上の実施形態により、スキャンした帳票をクラウドストレージに送信する場合のユーザーの操作性を向上させることができる。従来であればユーザーはスキャンデータ送信のたびに、送信先クラウドストレージの設定、出力設定等を行わなければならなかった。しかし本実施形態によると過去に似た帳票をスキャンして送信している場合は、新しく帳票をスキャンして送信する場合に、当該過去に設定された内容を反映することができるためユーザーが新たに設定を行う手間を省くことができる。
【0058】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。その処理は、上述した実施例の機能を実現させるソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。