IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルパイン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車載装置、方法 図1
  • 特許-車載装置、方法 図2
  • 特許-車載装置、方法 図3
  • 特許-車載装置、方法 図4
  • 特許-車載装置、方法 図5
  • 特許-車載装置、方法 図6
  • 特許-車載装置、方法 図7
  • 特許-車載装置、方法 図8
  • 特許-車載装置、方法 図9
  • 特許-車載装置、方法 図10
  • 特許-車載装置、方法 図11
  • 特許-車載装置、方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】車載装置、方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/04 20060101AFI20240520BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240520BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B60R16/04 X
H02J7/02 V
H02J7/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020067001
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021160672
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】助川 諒
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-005788(JP,A)
【文献】特開2013-198262(JP,A)
【文献】特開2015-061332(JP,A)
【文献】特開2014-050228(JP,A)
【文献】特開2017-077847(JP,A)
【文献】特開2015-176443(JP,A)
【文献】特開2018-074673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/04
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB機器と有線で通信した場合に前記USB機器を充電できる車載装置であって、
前記USB機器から該USB機器の充電能力を受信する通信部と、
前記充電能力の方が自機の給電能力よりも大きい場合、その旨のメッセージを表示し、又は音声で出力する出力部と、
を有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記充電能力の方が前記自機の給電能力よりも大きい場合、前記その旨のメッセージとして前記USB機器の充電能力を活用できていない旨を出力することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記充電能力の方が前記自機の給電能力よりも大きい場合、前記その旨のメッセージとして前記USB機器の最大の充電能力情報を表示するか又は音声で出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記充電能力の方が前記自機の給電能力よりも大きい場合、前記その旨のメッセージとして前記USB機器の最大の充電能力情報と前記車載装置の最大の充電能力情報を表示するか又は音声で出力することを特徴とする請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記車載装置と前記USB機器が、供給又は受給する電圧、及び電力の方向を取り交わすネゴシエーションを行うことで決定した、前記車載装置が前記USB機器に給電する給電能力情報を表示するか又は音声で出力することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
前記USB機器の機能又は情報を、通信を介して利用する機能が前記車載装置において使用されているか否かを判断する使用機能判断部を有し、
前記出力部は、前記充電能力の方が自機の給電能力よりも大きい場合であり、かつ、前記使用機能判断部が前記機能を使用していないと判断した場合、前記その旨のメッセージを表示するか又は音声で出力することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項7】
前記USB機器の充電能力を活用できる充電装置を提案する提案部を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記充電能力の方が前記自機の給電能力よりも小さい場合、前記充電能力の方が前記自機の給電能力よりも小さい旨を出力することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項9】
USB機器と有線で通信した場合に前記USB機器を充電できる車載装置が行う方法であって、
通信部が、前記USB機器から該USB機器の充電能力を受信するステップと、
出力部が、前記充電能力の方が自機の給電能力よりも大きい場合、その旨のメッセージを表示し、又は音声で出力するステップと、
を行うことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、及び、充電提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートは、当初、PC(Personal Computer)にプリンターなどの周辺機器を接続するために規格化されたが、その後、車両、家電、携帯電話、スマートフォン、MP3プレーヤ等、多くの機器に搭載されるようになった。また、USBポートの特徴の1つにホスト(周辺機器でなくPCなどの本体。主に給電側をいう。)がUSB機器(周辺機器。主に受電側をいう。)を充電する充電能力があり、単に充電のためにのみUSB機器がホストに接続される場合も多い。
【0003】
充電の際に効率よくUSB機器が充電されるように、ホストとデバイスの間で電力に関する情報交換を行う技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、USB充電装置がマスターコントローラに充電装置能力情報を提供し、マスターコントローラは、充電装置能力情報とデバイス充電能力情報とで最適な充電マッチに選択し、USB充電装置の電力供給レベルを設定するため構成情報をUSB充電装置に送信する充電方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、USB機器の充電能力を活用できていないことを出力できないという問題があった。そもそも初期のバージョンであるUSB1.1では0.75WでしかUSB機器が充電されなかったが、その後、USBのバージョンがUSB2.0、3.0、3.1と新しくなると2.5W、4.5Wの電力でUSB機器の充電が可能になった。また、USBには独立したUSB-PD(USB Power Delivery)という充電規格も策定され、5V/3A~20V/5Aの範囲の充電が可能になった。また、USB-PDに対応した充電装置も販売されており、車両に搭載されているシガーソケットに差し込むことでUSB-PDに対応してUSB機器を充電できる。
【0006】
図1(a)は、シガーソケットに差し込まれて使用する充電装置301の斜視図を示す。この充電装置301は18Wにしか対応していないが、今後は30W、40Wに対応した充電装置が増えてくると予想される。
【0007】
このため、ユーザーが充電目的でスマートフォン等のUSB機器をホストに接続した場合、ユーザーが期待する電力と、実際の電力が乖離する場合が生じている。例えば、ホストは最大でも10.5Wしか供給できないのに、USB機器がUSB-PDに対応しており、ユーザーがUSB-PDで可能な18W、30W、又は40W等でUSB機器が充電されることを期待するような場合がある。しかし、実際には、ユーザーの想定を下回った充電量(約1/2~1/4)でしか充電されない。
【0008】
例えば、ホストが車載装置であって、運転終了後、ユーザーがバッテリー残量を確認すると、思っていたより増えていないことに困惑するおそれがある。充電方式の知識のないユーザーの場合、車載装置には何ら不具合がないのに、「ナビに繋ぐと充電が遅い」という潜在的な不満を車載装置に持つおそれがある。
【0009】
図1(b)に示すように、スマートフォン302側で現在どのような充電が行われているか表示する機種も存在する。図1(b)では急速充電中と表示されている。これによりユーザーは充電速度を確認できるが、USB機器の充電能力を活用できていないことはユーザーに通知されていない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、USB機器の充電能力を活用できていないことを出力できる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題に鑑み、本発明は、USB機器と有線で通信した場合に前記USB機器を充電できる車載装置であって、前記USB機器から該USB機器の充電能力を受信する通信部と、 前記充電能力の方が自機の給電能力よりも大きい場合、その旨のメッセージを表示し、又は音声で出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
USB機器の充電能力を活用できていないことを出力できる車載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】充電装置の一例、及び、充電速度の表示例を示す図である。
図2】車載装置によるメッセージの出力例を示す図である。
図3】車載装置とUSB機器の構成図の一例である。
図4】Type-Cポートのピンの配置を模式的に示す図である。
図5】USB Type-CケーブルでUFPがFDPに接続された場合のCC1、CC2の等価回路を示す図である。
図6】車載装置のソフトウェア構成例を示す図である。
図7】ネゴシエーションによってソースとシンクが充電能力を決定する手順を示すシーケンス図の一例である。
図8】Source_Capabilitiesで通知される充電能力の一例を示す図である。
図9】車載装置が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。
図10】車載装置のディスプレイに表示されたUSB機器の充電能力を活用できていない旨のメッセージの一例である。
図11】車載装置の提案部が表示するUSB機器の充電能力を活用できる充電装置の情報の一例を示す図である。
図12】給電能力の方が充電能力よりも大きい場合に、車載装置のディスプレイに表示されたUSB機器の充電能力を活用できていない旨のメッセージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態の一例として車載装置と車載装置が行う充電提案方法について説明する。
【0015】
<処理の概略>
まず、図2を参照して、USB機器の充電能力を活用できていないことを車載装置が出力する処理の概略を説明する。図2は、車載装置50によるメッセージの出力例を示す。車載装置50の一部、又は、車載装置50の周辺にはUSBポート310が設置されている。USBポート310は車載装置50と接続されている。スマートフォンなどのUSB機器20が内蔵するバッテリーを充電したい運転者などのユーザーがUSBケーブル311でUSBポート310に接続する。
【0016】
車載装置50はUSB機器20が接続されたことを検出して、車載装置50の給電能力とUSB機器20の充電能力を比較する。そして車載装置50の給電能力よりも大きい充電能力をUSB機器20が有している場合、車載装置50はUSB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する。
【0017】
例えば図2では、車載装置50のディスプレイ54に、「お使いのUSB機器は車載装置よりも高い充電能力を持っています。より高速に充電するには別の充電装置を使用することをおすすめします。」と表示されている。
【0018】
したがって、ユーザーはUSB機器本来の充電能力による充電速度を期待できないことを把握できる。ユーザーとしては充電したのにバッテリー残量が思っていたより増えていない理由が分かるため、シガーソケットタイプの充電装置を購入するなどの対応が可能になる。
【0019】
<用語について>
USB機器とは、USBポートを有し、外部からの充電が可能な機器をいう。データ通信が可能でなくてもよい。
【0020】
充電能力とは安全に充電できる電力であり、給電能力は安全に給電できる電力である。
【0021】
所定の関係とは充電能力と給電能力の大小の関係をいう。本実施形態では充電能力が給電能力より大きいことをいう。しかし、わずかに大きい場合は含めず、例えば1.5倍~2倍以上の場合に所定の関係があると判断してもよい。
【0022】
また、充電能力が給電能力より小さい場合でも、その旨を出力してよい。ユーザーはUSB機器20の充電能力が最大に活かされていることを把握できる。
【0023】
<構成例>
図2を参照して、車載装置50について補足して説明する。図2は、車載装置50の車両への搭載例を示す図である。車載装置50は、例えば、図2に示すように、ディスプレイ54を車室内に向けて、車両のセンターコンソールやダッシュボード等に設置される。また、車載装置50の全面や側面、又は、車室内には車載装置50と接続されているUSBポート310が配置されている。USBポート310の位置はUSBケーブル311が届く範囲で自由度があるので、センターコンソールやダッシュボードに配置されなくてもよい。
【0024】
車載装置50は車両に搭載されており、進行方向を案内する機能を有する場合にはナビゲーション装置と呼ばれる場合がある。車載装置50は出発地から目的地までの経路を検索して道路地図に設定し、ディスプレイ54に表示された電子地図に経路と現在地を表示したり、経路に基づいて進路変更の手前で音声案内や電子地図上のアニメーションなどで適切な進路を案内したりする。この他、車載装置50は、AV(Audio Visual)の再生機能、インターネットとの通信機能、スマートフォンとの通信機能等を有していてよい。
【0025】
この車載装置50の機能のうち経路の検索を、ネットワークを介して接続したサーバ装置が行ってもよい。サーバ装置は経路情報や電子地図などを車載装置50に送信する。
【0026】
また、車載装置50がスマートフォンと通信する場合、スマートフォンに搭載されるアプリがナビ画面等を生成し、このアプリが生成するナビ画面を車載装置50が通信で取得して表示することができる。このようなアプリとしてCarPlay(登録商標)やAndroid Auto(登録商標)等が知られている。
【0027】
このようにスマートフォン等と連携する場合、車載装置50はディスプレイオーディオ(又はコネクティッドオーディオ)と呼ばれる装置であってもよい。ディスプレイオーディオはナビゲーションの機能を搭載せずに主にAV機能と通信機能を提供する装置である。
【0028】
また、車載装置50は、車載された状態と携帯可能な状態の切り替えが可能であってよい。つまり、車載装置50は、車両に対し脱着可能であってよい。
【0029】
本実施形態のUSB機器20は、USBポート及びバッテリーへの充電能力を有していればよい。本実施形態では一例として、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC等を例に説明するが、これらに限られるものではない。
【0030】
<車載装置とUSB機器の構成>
図3は、車載装置50とUSB機器20の構成図の一例を示す。車載装置50は、本体機能部51、ホストコントローラ52、電源装置53、ディスプレイ54、及び、USBポート55を有する。USBポート55はいわゆるメス型のポートであり、USBケーブル10が有するオス側の端子が脱着可能に接続されるようになっている。USBポート55には種々の形状がある。例えば、Type-A、Type-B、Type-C、mini-A、mini-B、Micro-A、Micro-B、3.0Micro-Bなどがある。本実施形態ではどの形状のUSBポートにも適用できるが、一例として、Type-Cについて説明する。Type-Cは給電規格の一つであるUSB-PDに対応している場合がある。Type-Cだからと言って、必ずしもUSB-PDに対応しているとは限らない。また、どの形状のUSBポートであってもUSB-PDと同等の給電規格、又は、車載装置50に固有の充電電圧に対応している場合もある。
【0031】
本体機能部51は、車載装置50の全体を制御する制御装置である。本体機能部51は、スマートフォン等のUSB機器20が接続されると、車載装置50とUSB機器20の充電能力に応じて、USB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する。あるいは最適な充電方法を提案する。例えば、後述するネゴシエーションにより得られたUSB機器20が対応する充電能力(パワールール)を、ホストコントローラ52を介して受け取って、自分が供給できる給電能力(パワールール)と比較することで、充電に関する種々の提案を出力できる。
【0032】
ホストコントローラ52は、USBの規格に従って、USB機器20との間でデータ通信を行う。USB機器20から送信されたデータは本体機能部51に送信される。また、ホストコントローラ52は、USB機器20に対する電力供給を制御する。本実施形態では、ホストコントローラ52とデバイスコントローラ22が通信して(ネゴシエーションして)、充電時に供給する電力の大きさだけでなく、供給する方向も決定できる(適宜、切り替えることができる)。
【0033】
電源装置53は、車両側の主に12Vの電源に接続されており、車載装置50の動作に必要な電力を供給する機能を有すると共に、ホストコントローラ52に電力を供給する。ホストコントローラ52は、ネゴシエーションにより決まった電圧に電源装置53の電圧を降圧又は昇圧して、USBケーブル10を介して電力をUSB機器20に供給する。なお、ホストコントローラ52は、論理回路で構築されたハードウェアであるとして説明するが、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0034】
一方、USB機器20は、USBポート21、デバイスコントローラ22、バッテリー制御部23、及び、バッテリー24を有している。なお、USB機器20の本来の機能(スマートフォンなどの機能)については省略している。
【0035】
USB機器20のUSBポート21もメス型であり、USBケーブル10が有するオス側の端子が脱着可能に接続されるようになっている。なお、USBポート21の形状はホスト側とデバイス側で異なっている場合がある。
【0036】
デバイスコントローラ22は、USBの規格に従って、車載装置50のホストコントローラ52との間でデータ通信を行い、また、車載装置50から電力供給を受ける。なお、デバイスコントローラ22は、論理回路で構築されたハードウェアであるが、ソフトウェアにより実現してもよい。
【0037】
バッテリー制御部23は、車載装置50から供給された電力を引き込んでバッテリー24の充電制御を行う。また、バッテリー制御部23は、バッテリー24の充電量を検出する充電量検出部としても機能する。バッテリー制御部23は、例えば、バッテリー24の充放電電流に基づいて、バッテリー24のSOC(State of charge)を算出する。バッテリー制御部23は、バッテリー24の充電電流と、放電電流とそれぞれ積算し、その差分値に基づいてSOCを算出する。なお、SOCの算出は、バッテリー24の端子電圧等に基づいて算出しても良い。
【0038】
USB機器20は、USBケーブル10を介して、例えば、車載装置50にコンテンツを送信して、車載装置50のディスプレイ54やスピーカからコンテンツを出力する。ホストとUSB機器20の通信規格の1つである、メディア転送プロトコル(MTP:Media Transfer Protocol)やCarPlay(登録商標)やAndroid Auto(登録商標)等に対応していてもよい。
【0039】
このようにUSB機器20はデータ通信及びバッテリー24の充電の際に、車載装置50とUSBケーブル10を介して接続される。したがって、以下の使い方がある。
1.コンテンツを再生しながら(USB機器20の機能を使用しながら)充電する
2.コンテンツを再生することなく(USB機器20の機能を使用せず)充電のみ行う
なお、USB機器20と車載装置50はBluetooth(登録商標)などの無線で通信することもできる。USBケーブル10が接続されている場合(有線接続の場合)、一般に、同時に無線通信は行われない。ただし、有線通信と無線通信を同時に行うことができるUSB機器20及び車載装置50の場合、無線通信しながら充電が行われる。
【0040】
<Type-Cポートのピンの配置>
図4は、Type-Cポートのピンの配置を模式的に示す。図4(a)と図4(c)はケーブル側(オス側)の配置であり、図4(b)は本体側(メス側)の配置である。図4(a)と図4(c)はUSBケーブル10の上下が逆に挿抜された場合に対応したピン配置である。図4(b)に示すようにピンの配置がほぼ「点対称」であるため、ユーザーがUSBケーブルの上下を入れ替えて接続しても該当の信号ピンと接続できる。
【0041】
各ピンの信号割り当ては以下のようになる。USBポートの上段のピンを左から順にA1~A12、下段のピンを右からB1~B12とする。
A1,A12、B1、B12:グラウンド線である(GND)。
A2,A3、B2,B3:USB3.0の転送モードで使用されるデータの送信線である(TX1、TX2)。
A10,A11、B10,B11:USB3.0の転送モードで使用されるデータの受信線である(RX1,RX2)。
A4,A9,B4,B9:バス電力線である(Vbus)。最大100Wの電力を供給できる。
A5,B5:コンフィギュレーションチャンネル(CC1、CC2)である。ホスト(DFP:Downstream Facing Port。デフォルトではホストとして機能し電力を供給する側)と(UFP:Upstreaming Facing Port。デフォルトでデバイスとして機能し電力を受ける側)とを判別するための信号線である。CC1、CC2のどちらか一方はケーブル側のVconnとなってUSBケーブルに電力を供給する。
A8,B8:サイド信号線(例えばオーディオ)である(SBU1,SBU2)。
A6,A7,B6,B7:USB2.0の転送モードで使用されるUSB作動信号線である。
【0042】
<電力の供給側と受電側の判断>
次に、図5を参照して、DFPとUFPの判別方法を説明する。図5は、USB Type-CケーブルでUFPがFDPに接続された場合のCC1、CC2の等価回路を示す。USBケーブル10のCC線は、DFP側でCC1と、UFP側でCC2とそれぞれ接続している。
【0043】
(1) USBケーブル10がDFP71及びUFP72に接続される前、DFP71はプルアップ抵抗RpによりCC1、CC2共に5Vと見なしている。一方、UFP72はプルダウン抵抗RdによりCC1,CC2共に0Vと見なしている。
【0044】
(2) USBケーブル10がDFP71、UFP72にそれぞれに接続されると、DFP71のCC1はUSBケーブル10のCC線を介してUFP72のCC2に接続され、DFP71のプルアップ抵抗RpとUFP72のプルダウン抵抗Rdの抵抗分圧により一定の電圧をDFP71及びUFP72が検知する。
【0045】
(3) 一方、DFP71のCC2はUSBケーブル10のVconnに接続され、USBケーブル10内の抵抗RaとDFP71のプルアップ抵抗Rpとの分圧で決まった電圧をDFP71が検知する。DFP71はCC1とCC2の電圧の違いに応じて、Rp-Rd接続となっているCC1をCC信号として扱い、Rp-Ra接続となっているCC2をVconnとして扱う。
【0046】
(4) DFP71はプルダウン抵抗Rdの接続によりUFP72が接続されたことを検知して、Vbusをオンに変え、まずはデフォルトの5Vを供給する。UFP72は、プルアップ抵抗Rpの存在と、Vbusが供給されていることにより、DFP71との接続を確立する。
【0047】
このように、DFP71とUFP72のCC1,CC2のどちらか一方がVconnなって、USBケーブル10に電力を供給できる。
【0048】
Type-CのUSBケーブルではUSB-PDの仕様を取り入れることで、デフォルトの3A(又は1.5A)・5V(15W又は7.5W)から、最大5A・20V(100W)までの電力を供給することが可能である。ホスト(DFP)からデバイス(UFP)に一方通行で供給するのではなく、ホストとデバイス間で、供給・受給する電圧、方向などを取り交わすネゴシエーションが行われる。ただし、このようなネゴシエーションはType-Cでなくても行うことができる。
【0049】
電力を供給する側のUSBポートを「ソース(Source:SRC)」と呼び、電力を受け取る側のUSBポートを「シンク(Sink:SNK)」と呼ぶ。これらの能力を持ったホスト又はデバイスをそれぞれ「プロバイダー(Provider)」「コンシューマ(Consumer)」と呼ぶ。このロールはパワーデリバリという観点からの呼称であり、機能としての呼称である「DFP」「UFP」とは独立している。
【0050】
<ソフトウェア構成>
次に、図6を参照して車載装置50のソフトウェア構成について説明する。図6は、車載装置50のソフトウェア構成例を示す図である。USB機器20では一般的なオペレーティングシステム32上で各種のアプリケーション31が動作している。また、USBケーブル10で通信するためにオペレーティングシステム32がデバイスドライバー33を有している。なお、オペレーティングシステム32としては、Android(登録商標)又はiOS(登録商標)が知られているがこれらには限られない。
【0051】
同様に、車載装置50は、オペレーティングシステム67上で各種のアプリケーションが動作している。オペレーティングシステム67は、例えばLinux(登録商標)、UNIX(登録商標)、Windows(登録商標)、Android(登録商標)等をベースに開発された専用のものであるが、これらには限られない。USBケーブル10で通信するためにオペレーティングシステム67がデバイスドライバー68を有している。
【0052】
オペレーティングシステム67上ではコンテンツ再生アプリ66及び本体アプリ61が動作している。これらはアプリケーションの一例であり、この他、ナビアプリ、AVアプリ、Webブラウザ等が動作していてよい。コンテンツ再生アプリ66は、USB機器20から送信された音楽や動画などのコンテンツデータを再生するアプリである。本体アプリ61は、USB機器20の充電能力を活用できていないことを出力するアプリである。
【0053】
車載装置50にUSBケーブル10(及びUSB機器20)が接続されると、まずUSBポート55に応じて用意されているUSBバスドライバーが接続を検出する。これにより車載装置50のオペレーティングシステム67はUSB機器20からディスクリプターを取得しディスクリプターによって、USB機器20がどのようなUSB機器20であるかを検出する。USB機器20の種類を特定できるとオペレーティングシステム67はUSB機器20に応じたデバイスドライバー68を呼び出す。なお、同様の処理をUSB機器20側も行う。
【0054】
デバイスドライバー68はオペレーティングシステムのAPI(Application Interface)をアプリケーション(コンテンツ再生アプリ66及び本体アプリ61)に対し提供する。アプリケーションはAPIに対してデータを書き込むことによってUSB機器20に対しデータを送信でき、APIからデータを読み取ることでUSB機器20からデータを受信することができる。したがって、デバイスドライバー33,68は、車載装置50とUSB機器20の間でデータ通信を行う通信部となる。
【0055】
以上のような仕組みで本体アプリ61はUSB機器20から充電能力を取得することができる。本体アプリ61は充電能力判断部62、使用機能判断部63、出力部64、及び、提案部65を有している。充電能力判断部62は、USB機器20の充電能力と車載装置50の充電能力を比較し、車載装置50が出力できる給電能力よりも大きい充電能力をUSB機器20が有しているか否かを判断する。
【0056】
使用機能判断部63は、ユーザーがUSB接続で使用する機能を使用しているか否かを判断する。詳細は後述する。出力部64は、充電能力判断部62と使用機能判断部63の判断結果に応じて、USB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する。提案部65は、ユーザーが使用する上で好適な充電装置を提案する。
【0057】
<ユーザーがUSB接続で使用する機能を使用しているか否かの判断>
ユーザーがUSB機器20をUSBケーブル10で車載装置50に接続する目的には以下の3つがあると考えられる。
(i) USB機器20を充電したいだけ。
(ii) USB機器20を充電しながらUSB機器20と通信しUSB機器20の機能を使用したい。
(iii) USB機器20と通信したいだけ。
【0058】
(i)の場合、車載装置50がユーザーにUSB機器20の充電能力を活用できていないことを通知することで、ユーザーはUSB機器20を別の充電装置に接続することなどが可能になる。これに対し(ii)(iii)の場合は、そもそもユーザーはUSB機器20を車載装置50に接続して、車載装置50でUSB機器20の機能や情報を利用したいので、USB機器20を別の充電装置に接続することができない可能性がある。したがって、車載装置50がユーザーにUSB機器20の充電能力を活用できていないことを通知する必要性が低い。
【0059】
そこで、使用機能判断部63は、ユーザーがUSB接続で使用する機能を使用しているか否かの判断し、使用していない場合にだけ、出力部64がUSB機器20の充電能力を活用できていないことを出力することが好ましい。こうすることで、ユーザーが出力を煩わしく感じることを抑制できる。
【0060】
なお、USB機器20と車載装置50を接続させてユーザーが使用する機能には、USB機器20の音楽や動画を再生する機能がある。例えば、メディア転送プロトコルで転送されるコンテンツの再生、又は、Bluetooth(登録商標)で送信される音楽の再生である。あるいは、CarPlay(登録商標)、Android Auto(登録商標)もUSB接続で使用する機能である。また、Alexa(登録商標)による音声認識もUSB機器20を車載装置50に接続させて車載装置50が使用する機能である。
【0061】
この他、Wi-Fiテザリングによる車載装置50のアプリケーション等のアップデート、又は、電話機能などもUSB機器20を車載装置50に接続して車載装置50が使用する機能である。
【0062】
これらの機能は、有線と無線の何れでも使用できる。したがって、単に有線接続か無線接続かを判断しても、使用機能判断部63はUSB接続で使用する機能が使用されているかどうかを判断できない。
【0063】
使用機能判断部63にはUSB接続で使用する機能に対応したアプリケーション(例えば、コンテンツ再生アプリ66)が予め登録されており、オペレーティングシステム67に登録しているアプリケーションの動作状況を問い合わせることで、USB接続で使用する機能が使用されているか否かを判断する。
【0064】
上記のようにユーザーがUSB機器20を車載装置50に接続する方法としては、USBケーブル10の他、無線による接続可能なので、これらについて場合分けして説明する。
A.USBケーブルのみで接続
車載装置50がUSB機器20で使用する機能を使用している場合と、USB機器20で使用する機能を使用していない場合がある。
B.無線のみで接続している
USB機器20は無線では充電できないので、USB機器20で使用する機能を使用しているかどうかを判断する必要がない。
C.USBケーブル+無線での接続
USBケーブルと無線の両方で同時に通信が可能な場合は希であるが、この場合、無線接続で足りるのにユーザーがUSBケーブル10を車載装置50に接続しているのだから、充電目的である可能性がある。したがって、USB機器20で使用する機能を無線で使用しているか否か判断される。
【0065】
なお、有線接続か無線接続かは、使用機能判断部63がオペレーティングシステム67に問い合わせることで判断できる。
【0066】
<ネゴシエーション>
図7は、ネゴシエーションによってソースとシンクが充電能力を決定する手順を示すシーケンス図の一例である。図7のソース(DFP)は例えば車載装置50であり、シンク(UFP)がUSB機器20に対応する。
【0067】
S1、S2:車載装置50はUSBケーブル10のIDをチェックし、3Aを超える電流に対応しているかどうかを確認する。
【0068】
S3:車載装置50はSource_CapabilitiesをUSB機器20に送信して対応可能な給電能力を通知する。Source_Capabilitiesの一例を図8に示す。
【0069】
S4:USB機器20は車載装置50が提示した対応可能な給電能力から、自機が対応する最大の充電能力を要求する。この時、USB機器20は自分のSource_Capabilitiesを車載装置50に通知する。したがって、互いにSource_Capabilitiesを交換できる。
【0070】
S5:車載装置50はAcceptを返信して、要求された充電能力に対応できることを通知する。
【0071】
S6:また、車載装置50はその後PS_RDYを通知して、バス電力線であるVbusをオンにする。
【0072】
図8は、Source_Capabilitiesで通知される充電能力の一例を示す。なお、図8はUSB-PDで規定されているパワールールであり、図8に示す以外の充電能力が通知されてもよい。シンクとソースは、このようなパワールールのうち、15W(3A、5V),45W(3A、15V)など、自分が対応している全ての充電能力を通知する。
【0073】
<車載装置の処理の流れ>
次に、図9を参照して、車載装置50がUSB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する処理の流れについて説明する。図9は車載装置50が行う処理を説明するフローチャート図の一例である。
【0074】
まず、図8にて説明したように、車載装置50がUSB機器20から対応している充電能力を取得する(S11)。充電能力判断部62はデバイスドライバー68を介して充電能力を受信する。自機である車載装置50の給電能力は、予めデータとして保持していてもよいし、デバイスドライバー68から取得してもよい。
【0075】
充電能力判断部62はUSB機器20の充電能力が車載装置50の給電能力よりも大きいか否かを判断する(S12)。USB機器20が複数の充電能力を有し、車載装置50が複数の給電能力を有している場合、車載装置50の給電能力を大きい順に特定し、特定した給電能力と同じ充電能力をUSB機器20が持っているかを判断する。
【0076】
ステップS12の判断がNoの場合、出力部64がUSB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する必要がないので、図9の処理は終了する。
【0077】
ステップS12の判断がYesの場合、使用機能判断部63はUSB接続で使用する機能が使用されているか否かを判断する(S13)。使用機能判断部63は、A.USBケーブルのみで接続、又は、C.USBケーブル+無線での接続、されている場合、USB機器20で使用する機能を使用しているか否かをオペレーティングシステム67に問い合わせることなどにより判断する。
【0078】
ステップS13の判断がNoの場合、USB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する(S14)。ステップS13の判断がYesの場合、USB機器20の充電能力を活用できていないことを出力する必要性は低いが、出力してもよい。
【0079】
また、出力部64は、ディスプレイ54にメッセージを出力する他、音声メッセージを出力してもよいし、ユーザーのメールアドレス宛に送信してもよい。
【0080】
図10は、車載装置50のディスプレイ54に表示されたUSB機器20の充電能力を活用できていない旨のメッセージの一例である。
【0081】
まず図10(a)には、
「USB機器が接続されました。
充電モード:「7.5W」」
というメッセージ330が表示されている。これは図8で説明したネゴシエーションの結果、車載装置50とUSB機器20が同意した充電電力である。実際の充電電力を車載装置50が表示することで、ユーザーはどのくらいの電力で充電されているかを把握できる。更に、予想される満充電までの時間を表示してもよい。なお、「7.5W」はネゴシエーションにより決定された充電電力なので、車載装置50の最大の充電能力である。
【0082】
図10(b)には、
「お使いのUSB機器は30Wの充電モードで使用可能です。充電のみが目的であれば、30W対応の充電装置を使用することをおすすめします。」
というメッセージ340が表示されている。ユーザーは現在の充電電力(車載装置50の最大の充電能力)が7.5Wなのに、自分のUSB機器20が30Wの充電に対応していることを把握できる。また、USB機器20の充電能力を活用できていないことを知って、充電装置を購入することなどを検討できる。
【0083】
図10(a)と図10(b)は別々の画面であるが、車載装置50はこれらを1つの画面で表示してもよい。車載装置50の最大の給電能力とUSB機器20の最大の充電能力を同時に表示すると、ユーザーは、USB機器20の充電能力を活用できていないことを把握しやすくなる。
【0084】
図10(b)にはメッセージ340と共に、「詳しく」ボタン341、OK「ボタン」342、「2度と表示しない」ボタン343が表示されている。OK「ボタン」342は、車載装置50にメッセージ340を消去させるためのボタンである。「2度と表示しない」ボタン343は、車載装置50にメッセージ340を消去させ、かつ、図10(b)のメッセージ340を今後、車載装置50に表示させないためのボタンである。
【0085】
「詳しく」ボタン341は、USB機器20の充電能力を活用できる充電装置の情報を車載装置50が表示するためのボタンである。
【0086】
図11は、「詳しく」ボタン341の押下により、車載装置50の提案部65が表示するUSB機器20の充電能力を活用できる充電装置の情報の一例を示す図である。提案部65は「詳しく」ボタン341にリンクされている(関連付けられている)URLに接続する。このURLは、USB機器20の充電能力を活用できる充電装置の情報を表示するWebページである。更に、図11ではこのURLがECサイト(通信販売サイト)である。したがって、このUSB機器20に最適な充電方法を提案できる。
【0087】
提案部65は、予め、パワールールの各充電能力「15W、27W、30W、45W、60W、100W」に対応した充電装置の情報を表示するURLを保持している。そして、「詳しく」ボタン341が押下されると、USB機器20の最大の充電能力に対応している充電装置を販売するURL(又は単に紹介するURLでもよい)に接続する。URLに接続するのでなく、車載装置50が内部的に保持する情報を表示してもよい。
【0088】
なお、より好ましくは、車載装置50が搭載されている車両の車種に適合した充電装置を提案部65が提案するとよい。このためには、車載装置50が搭載されている車両の種別を車載装置50が保持しておくとよい。あるいは、ユーザーからの車種の入力を受け付けてもよい。提案部は車種ごとに、パワールールの各充電能力に対応した充電装置の情報を表示するURLを保持しておき、車種及びUSB機器20の最大の充電能力に対応している充電装置を提案する。
【0089】
<<給電能力の方が充電能力よりも大きい場合>>
図12は、給電能力の方が充電能力よりも大きい場合に、車載装置50のディスプレイ54に表示されたUSB機器20の充電能力を活用できていない旨のメッセージの一例である。なお、図12の説明では主に図10との相違を説明する。
【0090】
まず図12(a)には、
「USB機器が接続されました。
充電モード:「15W」」
というメッセージ350が表示されている。これは図8で説明したネゴシエーションの結果、車載装置50とUSB機器20が同意した充電電力である。なお、「15W」はネゴシエーションにより決定された充電電力なので、USB機器20の最大の充電能力である。
【0091】
図12(b)には、
「お使いのUSB機器は最大15Wの充電モードが使用可能です。最大の充電能力が活用されていますが、ナビは最大40Wの給電が可能です。」
というメッセージ360が表示されている。ユーザーは現在の充電電力が15Wであるが、車載装置50は40Wの給電に対応していることを把握できる。したがって、自分のUSB機器20の充電能力が低いために、充電に時間がかかることを把握できる。
【0092】
また、図12では給電能力の方が充電能力よりも大きい場合に車載装置50がメッセージを出力しているが、給電能力と充電能力が同じ場合にメッセージを出力してもよい。例えば、
「給電能力が15Wですが、充電能力も15Wです。
車載装置とUSB機器の充電能力を最大に発揮しています」
と言うメッセージを表示する。ユーザーは給電能力と充電能力に無駄がないことを確認できる。
【0093】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の車載装置50は、USB機器20の充電能力の方が車載装置50の給電能力より大きい場合、USB機器20の充電能力を活用できていない旨を出力することで、ユーザーはUSB機器20本来の充電能力による充電速度を期待できないことを把握できる。また、代替の高速な充電装置が提案されるので、シガーソケットタイプの充電装置を購入するなどの対応が可能になる。
【0094】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0095】
例えば、本実施形態では車載装置50が、USB機器20の充電能力を活用できていない旨を出力したが、USB機器20が表示してもよい。この場合、車載装置50はUSB機器20の充電能力を活用できていない旨をUSB機器20に送信する。
【0096】
また、本実施形態では、車載装置50がUSB機器20に充電する場合を説明したが、USB機器20が他のUSB機器20に充電する場合にも、USB機器20の充電能力を活用できていない旨を出力できる。すなわち、USBポートで充電できる機器であれば本実施形態を適用できる。例えば、車載装置50はPC(Personal Computer)でもよいし、スマートフォン、タブレット端末等、でもよい。
【0097】
また、車載装置50は車両に搭載されるだけではなく、バイク、自転車又は船など移動体に搭載されてよい。
【0098】
また、図6などの構成例は、車載装置50の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、車載装置50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【符号の説明】
【0099】
10 USBケーブル
20 USB機器
23 バッテリー制御部
24 バッテリー
31 アプリケーション
32 オペレーティングシステム
33 デバイスドライバー
50 車載装置
61 本体アプリ
66 コンテンツ再生アプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12