(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】通信システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 12/12 20210101AFI20240520BHJP
H04W 76/30 20180101ALI20240520BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240520BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20240520BHJP
H04W 12/082 20210101ALI20240520BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240520BHJP
【FI】
H04W12/12
H04W76/30
H04W76/10 130
H04W4/00 110
H04W12/082
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2020084022
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】挽地 篤志
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056681(JP,A)
【文献】特開2017-034380(JP,A)
【文献】特開2017-130910(JP,A)
【文献】特開2017-050780(JP,A)
【文献】特開2017-135517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置を含む通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は
、
無線通信可能な第1の無線通信手段と、
ダイレクト無線通信の情報に基づく画像をシートに形成する画像形成手段と、
前記第1の無線通信手段がアクセスポイントと接続する際に使用されるネットワーク情報を登録する登録手段と、
ダイレクト無線通信を
行う第1のダイレクト無線通
信手段と、
前記第1のダイレクト無線通信手段を停止する停止手段とを有し、
前記
第1のダイレクト無線通信
手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第2の通信装置に前
記ネットワーク情報を送
信し、
前記停止手段は、前記シートに前記画像が形成されてから所定の時間が経過したことによって、前記第1のダイレクト無線通信手段を停止し、
前記第2の通信装置は、
無線通信可能な第2の無線通信手段と、
画像を読み取る読取手段と、
前記画像が形成された
前記シート
が前記読取手段によって読み取
られることによって、前記
ダイレクト無線通信の情報を取得する取得手段と、
取得された前記
ダイレクト無線通信の情報に基づいて前記第1の通信装置
と前記ダイレクト無線通信
を行う第2のダイレクト無線通信手段
とを有し、
前記第2のダイレクト無線通信手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第1の通信装置から前
記ネットワーク情報を
受信し、
前記第2の無線通信手段は、受信された前
記ネットワーク情報に基づいて
前記アクセスポイントに接
続することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
第1の通信装置と第2の通信装置を含む通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
無線通信可能な第1の無線通信手段と、
ダイレクト無線通信の情報に基づく画像をシートに形成する画像形成手段と、
前記第1の無線通信手段がアクセスポイントと接続する際に使用されるネットワーク情報を登録する登録手段と、
ダイレクト無線通信を行う第1のダイレクト無線通信手段と、
前記第1のダイレクト無線通信手段を停止する停止手段とを有し、
前記第1のダイレクト無線通信手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第2の通信装置に前記ネットワーク情報を送信し、
前記停止手段は、前記第1のダイレクト無線通信手段が前記ダイレクト無線通信によって前記ネットワーク情報を送信した数が所定の数に達したことにより、前記第1のダイレクト無線通信手段を停止し、
前記第2の通信装置は、
無線通信可能な第2の無線通信手段と、
画像を読み取る読取手段と、
前記画像が形成された前記シートが前記読取手段によって読み取られることによって、前記ダイレクト無線通信の情報を取得する取得手段と、
取得された前記ダイレクト無線通信の情報に基づいて前記第1の通信装置と前記ダイレクト無線通信を行う第2のダイレクト無線通信手段とを有し、
前記第2のダイレクト無線通信手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第1の通信装置から前記ネットワーク情報を受信し、
前記第2の無線通信手段は、受信された前記ネットワーク情報に基づいて前記アクセスポイントに接続することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記
ダイレクト無線通信の情報は、前記
第1のダイレクト無線通信手段が起動している間のみ使用可能な前記第1の通信装置のネットワーク情報であることを特徴とする請求項1
または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前
記画像は、前記
ダイレクト無線通信の情報を変換したQRコードであることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項5】
前
記画像は、暗号化された前記
ダイレクト無線通信の情報を変換したQRコードであることを特徴とする請求項
1乃至3の何れか1つに記載の通信システム。
【請求項6】
前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置は、画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の通信システムの各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の通信装置は、ネットワークに参加することで様々な機能を利用することができる。オフィスの新設といった大量の通信装置を同一のネットワークに参加させる場合、それぞれの通信装置において手作業でネットワーク設定を行う必要があり、手間が生じる。このため、このような初期設置作業をサービスマンが代行するサービスが普及している。また、関連する技術として、特許文献1の技術が提案されている。特許文献1の技術は、QRコードをスキャンして取得したルーターのネットワーク情報を登録する。
【0003】
サービスマンによる初期設置作業をより効率化するために、特許文献1の技術を適用することが検討されている。すなわち、参加させるネットワークのネットワーク情報を変換したQRコードを印刷し、当該QRコードが印刷された用紙を各通信装置に読み込ませることでネットワーク設定を簡略化することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アクセスポイントと接続する際に使用される顧客のネットワーク情報を変換したQRコード(登録商標)を用紙に印刷し、各通信装置に読み込ませるためにこの用紙を持ち歩くと、例えば用紙の紛失等が発生した場合に、アクセスポイントと接続する際に使用される顧客のネットワーク情報が漏洩するといったセキュリティ上のリスクがある。このため、このようなリスクを抑制しつつ、初期設置作業の手間を軽減する方法が強く求められている。
【0006】
本発明の目的は、アクセスポイントと接続する際に使用されるネットワーク情報を漏洩するリスクを抑制しつつ、初期設置作業の手間を軽減することができる通信システム、通信システムの制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置を含む通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、無線通信可能な第1の無線通信手段と、前記ダイレクト無線通信の情報に基づく画像をシートに形成する画像形成手段と、前記第1の無線通信手段がアクセスポイントと接続する際に使用されるネットワーク情報を登録する登録手段と、ダイレクト無線通信を行う第1のダイレクト無線通信手段と、前記第1のダイレクト無線通信手段を停止する停止手段とを有し、前記第1のダイレクト無線通信手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第2の通信装置に前記ネットワーク情報を送信し、前記停止手段は、前記シートに前記画像が形成されてから所定の時間が経過したことによって、前記第1のダイレクト無線通信手段を停止し、前記第2の通信装置は、無線通信可能な第2の無線通信手段と、画像を読み取る読取手段と、前記画像が形成された前記シートが前記読取手段によって読み取られることによって、前記ダイレクト無線通信の情報を取得する取得手段と、取得された前記ダイレクト無線通信の情報に基づいて前記第1の通信装置と前記ダイレクト無線通信を行う第2のダイレクト無線通信手段とを有し、第2のダイレクト無線通信手段は、前記ダイレクト無線通信によって前記第1の通信装置から前記ネットワーク情報を受信し、前記第2の無線通信手段は、受信された前記ネットワーク情報に基づいて前記アクセスポイントに接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アクセスポイントと接続する際に使用されるネットワーク情報を漏洩するリスクを抑制しつつ、初期設置作業の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る通信装置としての画像形成装置の構成を概略的に示す構成図である。
【
図2】
図1のコントローラの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】画像形成装置の設置環境を説明するための図である。
【
図4】画像形成装置の初期設置作業を説明するための図である。
【
図5】
図3の通信システムの初期設定の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図6】
図3の通信システムにおける各画像形成装置のルーターへの接続状況を説明するための図である。
【
図7】本実施の形態の画像形成装置が印刷するQRコードの一例を示す図である。
【
図8】本実施の形態の画像形成装置の操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図6の画像形成装置によって実行されるルーター情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図9のステップS912のルーター情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】本実施の形態の画像形成装置の操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信装置としての画像形成装置101の構成を概略的に示す構成図である。
図1において、画像形成装置101は、スキャナ装置102、コントローラ103、プリンタ装置104、操作部105、HDD106、及びFAX装置107を備える。コントローラ103は、スキャナ装置102、プリンタ装置104、操作部105、HDD106、及びFAX装置107と接続されている。
【0012】
画像形成装置101は、例えば、複合機であり、スキャン機能、データ通信機能を備える。例えば、画像形成装置101は、LAN108経由でコンピュータ109とデータを送受信する。また、画像形成装置101は、LAN108経由でコンピュータ109から画像形成装置101の操作指示やジョブの実行指示を受け付ける。
【0013】
画像形成装置101は、更に複写機能、画像送信機能、画像保存機能、画像印刷機能等を備える。複写機能は、スキャナ装置102が読み込んだ画像をプリンタ装置104が印刷し、コントローラ103が当該画像をHDD106に記録する機能である。画像送信機能は、スキャナ装置102が読み込んだ画像をコントローラ103がLAN108経由でコンピュータ109へ送信する機能である。画像保存機能は、スキャナ装置102が読み込んだ画像をコントローラ103がHDD106に記録し、必要に応じて当該画像を外部装置へ送信する若しくは上記画像をプリンタ装置104によって印刷する機能である。画像印刷機能は、コントローラ103がコンピュータ109から受信したPDL(Page Description Language)データ等を解析し、PDLデータから得られた情報に基づいてプリンタ装置104が印刷する機能である。
【0014】
スキャナ装置102は、原稿給紙ユニット121及びスキャナユニット122を備える。原稿給紙ユニット121は、原稿を自動的に給紙する。スキャナユニット122は、原稿を光学的に読み取って得られた情報をデジタル画像データに変換する。変換されたデジタル画像データは、コントローラ103へ送信される。
【0015】
プリンタ装置104は、デジタル画像データを用紙(シート)に印刷する。プリンタ装置104は、給紙ユニット142、マーキングユニット141、及び排紙ユニット143を備える。給紙ユニット142は、用紙束から一枚ずつ用紙を給紙する。マーキングユニット141は、給紙ユニット142が給紙した用紙に画像データを印刷する。排紙ユニット143は、印刷済みの用紙を排紙する。
【0016】
操作部105は、画像形成装置101を操作するためのユーザI/Fである。例えば、ユーザは、操作部105を操作してジョブの実行指示等を入力する。また、操作部105は、後述する
図8の表示部801を備える。表示部801には、画像形成装置101の設定情報等が表示される。HDD106は、デジタル画像データや制御プログラム等を記憶する。FAX装置107は、電話回線等を介してデジタル画像データを外部装置と送受信する。コントローラ103は、接続された各ユニットに指示することで、ジョブを実行する。
【0017】
図2は、
図1のコントローラ103の構成を概略的に示すブロック図である。
図2において、コントローラ103は、メインボード200及びサブボード220を備える。メインボード200は、汎用的なCPUシステムである。メインボード200は、メインCPU201、ブートロム202、メモリ203、バスコントローラ204、不揮発性メモリ205、ディスクコントローラ206を備える。メインボード200は、更にフラッシュディスク207、USBコントローラ208、通信インターフェース210(通信制御手段)、及びRTC211を備える。メインボード200の外部には、USBメモリ209、操作部105、HDD106等が接続されている。
【0018】
メインCPU201は、メインボード200全体を制御する。ブートロム202は、ブートプログラムを格納する。メモリ203は、メインCPU201のワークメモリとして使用される。バスコントローラ204は、外部バスとのブリッジ機能を持つ。不揮発性メモリ205は、電力の供給が停止されてもデータを保持可能な記憶デバイスである。ディスクコントローラ206は、フラッシュディスク207やHDD106にデータを書き込む制御又はフラッシュディスク207やHDD106からデータを読み出す制御を行う。フラッシュディスク207は、半導体デバイスで構成された比較的小容量なストレージ装置、例えば、SSDである。USBコントローラ208は、画像形成装置101に接続されたUSBデバイス、例えば、USBメモリ209との通信を制御する。通信インターフェース210は、画像形成装置101が外部装置とデータ通信を行うためのモジュールであり、無線通信機能を備える。本実施の形態では、メインCPU201は、例えば、通信インターフェース210を制御して、無線LAN通信を行う(無線通信可能)。無線LAN通信では、画像形成装置101が外部装置とアクセスポイントを介して、LAN108に含まれる外部装置と無線通信を行う。また、メインCPU201は、HDD106等に格納されたWifiダイレクトモジュール212を用いて、ダイレクト無線通信を行う。ダイレクト無線通信では、画像形成装置101が外部装置とアクセスポイントを介すことなく直接無線通信を行う。ダイレクト無線通信は、例えば、Wifi機器同士がアクセスポイントを介すことなく直接無線通信を行うWifiダイレクトである。Wifiダイレクトでは、2.4Ghz帯又は5Ghz帯の電波が使用され、画像形成装置101は、10メートル~数十メートル程度離れたWifi機器とも通信可能である。なお、本実施の形態では、通信インターフェース210は、ダイレクト無線通信と無線LAN通信を同時動作可能な構成であっても良く、また、ダイレクト無線通信と無線LAN通信を同時動作不可能な構成であっても良い。RTC211は、時計機能を備える。
【0019】
サブボード220は、メインボード200より小さい汎用CPUシステムと、画像処理ハードウェアで構成される。汎用CPUシステムは、例えば、サブCPU221、メモリ223、バスコントローラ224、不揮発性メモリ225である。画像処理ハードウェアは、例えば、画像処理プロセッサ227、及びエンジンコントローラ226a,226bである。サブボード220の外部には、スキャナ装置102、プリンタ装置104、FAX装置107等が接続されている。
【0020】
サブCPU221は、サブボード220全体を制御する。また、サブCPU221は、サブボード220に接続されたFAX装置107を直接制御する。メモリ223は、サブCPU221のワークメモリとして使用される。バスコントローラ224は、外部バスとのブリッジ機能を持つ。不揮発性メモリ225は、電力の供給が停止されてもデータを保持可能な記憶デバイスである。画像処理プロセッサ227は、リアルタイムデジタル画像データ処理を行う。エンジンコントローラ226aは、サブボード220に接続されたプリンタ装置104とのデジタル画像データの受け渡しを制御する。エンジンコントローラ226bは、サブボード220に接続されたスキャナ装置102とのデジタル画像データの受け渡しを制御する。なお、
図2では、メインボード200及びサブボード220の構成が簡略化して示されており、メインボード200及びサブボード220の構成は、この構成に限られない。例えば、メインボード200及びサブボード220において、CPUの周辺ハードウェアとして、チップセット、バスブリッジ、クロックジェネレータ等が更に設けられていても良い。
【0021】
次に、コントローラ103の動作について、用紙に画像を複写する処理を例に説明する。
【0022】
ユーザが操作部105に画像複写処理の実行指示を入力すると、メインCPU201がサブCPU221を介してスキャナ装置102に画像読み取り命令を送信する。スキャナ装置102は、画像読み取り命令を受信すると、原稿を光学的に読み取って得られた情報をデジタル画像データに変換し、エンジンコントローラ226bを介して画像処理プロセッサ227へ上記デジタル画像データを送信する。画像処理プロセッサ227は、受信したデジタル画像データを、サブCPU221を介してメモリ223へDMA転送して、当該デジタル画像データをメモリ223に一時的に保存する。
【0023】
メインCPU201は、デジタル画像データの大半又は全てがメモリ223に格納されたことを確認すると、サブCPU221へデジタル画像データの出力を指示する。この指示を受けたサブCPU221は、デジタル画像データが格納されたメモリ223のアドレスを含む指示を画像処理プロセッサ227へ送信する。メモリ223上のデジタル画像データは、プリンタ装置104が出力する同期信号に従って、画像処理プロセッサ227及びエンジンコントローラ226aを介してプリンタ装置104へ送信される。プリンタ装置104は、受信したデジタル画像データを用紙に印刷する。
【0024】
複数部を印刷する場合、メインCPU201は、メモリ223に格納されたデジタル画像データをHDD106に保存する。これにより、2部目以降を印刷する際にはスキャナ装置102から取得しなくても、HDD106やメモリ223からプリンタ装置104へ印刷対象となるデジタル画像データを送信可能となる。
【0025】
ところで、上述した画像形成装置101と同じ機能及び構成の複数の画像形成装置101a~101nを含む
図3の通信システム300を導入する場合、例えば、サービスマンが、複数の画像形成装置101a~101nの設置場所(以下、「ユーザ環境」という。)に出向き、初期設置作業を行う。初期設置作業では、サービスマンは、複数の画像形成装置101a~101nの初期設定を行う。初期設定は、例えば、アクセスポイントとしてのルーター301であってユーザ環境において無線LAN通信を行うためのルーター301に各画像形成装置101a~101nを接続するためのネットワーク設定、アプリケーションのインストール、機能開放ライセンスの設定を含む。
【0026】
また、別の方法として、
図4に示すように、サービスマンが、ユーザ環境とは別の場所(以下、「導入準備環境」という。)で各画像形成装置101a~101nの初期設定を予め行い、初期設定済みの画像形成装置101a~101nをユーザ環境に設置することも考えられる。しかし、上述した何れの方法においても、ユーザが、初期設定に必要となる情報をサービスマンに提示する必要がある。初期設定に必要となる情報には、ユーザ環境で使用するルーター301のSSID、パスワード、暗号方式といった外部への漏洩を避けたい重要な情報が含まれており、このような情報をサービスマンに提示するのはセキュリティ上好ましくない。また、上述した何れの方法においても、サービスマンが画像形成装置101a~101nの初期設定を一台ずつ行う必要があり、初期設定に要する作業工数が増える。
【0027】
初期設定の作業効率を向上する方法として、例えば、ルーター301のSSID、パスワード、暗号方式といったルーター情報を変換したQRコードを用紙に印刷する方法が提案されている。サービスマンは、画像形成装置101a~101nに上記QRコードを読み取らせてルーター情報を設定する。しかし、ルーター情報を変換したQRコードを用紙に印刷する方法では、スマートフォンやタブレット端末等のQRコードを読み取り可能な装置を用いて、上記用紙から誰でもルーター情報を取得できてしまうため、ルーター情報が漏洩するリスクが極めて高くなる。このため、ルーター情報を漏洩するリスクを抑制しつつ、初期設置作業の手間を軽減する方法が強く求められている。
【0028】
これに対し、本実施の形態では、ルーター情報が設定された画像形成装置101aが、ダイレクト無線通信の通信設定情報を変換したQRコードを用紙に印刷する。ルーター情報が設定されていない画像形成装置101bは、QRコードが印刷された用紙を読み取って取得したダイレクト無線通信の通信設定情報に基づいて、画像形成装置101aとダイレクト無線通信を確立する。さらに、画像形成装置101bは、ダイレクト無線通信によって画像形成装置101aからルーター情報を取得し、取得したルーター情報に基づいて画像形成装置101aと無線LAN通信を開始する。
【0029】
図5は、
図3の通信システム300の初期設定の流れを説明するためのシーケンス図である。
図5では、画像形成装置101a~101nのうち、
図6に示すように、初期設定が完了した画像形成装置101aのみがルーター301に接続されていることとし、一例として、画像形成装置101bの初期設定を行うこととする。なお、上述したように、画像形成装置101a~101nは、画像形成装置101と同様の構成であり、以下では、画像形成装置101aの構成要素について、画像形成装置101の構成要素の末尾に「a」を付して説明する。また、画像形成装置101bの構成要素について、画像形成装置101の構成要素の末尾に「b」を付して説明する。
【0030】
図5において、まず、画像形成装置101aは、サービスマン等の作業者による指示に従って、Wifiダイレクトモジュール212を起動する(ステップS501)。次いで、画像形成装置101aは、Wifiダイレクトの通信設定情報をQRコードに変換する。なお、QRコードの形式は、例えば、数十文字まで表現可能なVersion4の形式(例えば、
図7(a)を参照。)や、千文字以上表現可能なVersion40の形式(例えば、
図7(b)を参照。)等の何れの形式であっても良い。Wifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトに用いられる画像形成装置101aのSSID、パスワード、暗号方式に関する情報であり、上記ルーター情報とは異なる。また、Wifiダイレクトの通信設定情報に含まれる画像形成装置101aのSSID及びパスワードは、Wifiダイレクトモジュール212aが起動する毎に異なる値が発行される。すなわち、画像形成装置101aのWifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトモジュール212aが起動している間のみ使用可能な情報である。次いで、画像形成装置101aは、上記QRコードを用紙に印刷する(ステップS502)(画像形成制御手段)。
【0031】
一方、画像形成装置101bでは、操作部105bにおけるタッチパネル式の
図8(a)の表示部801bに、ルーター情報設定画面802bが表示される。ルーター情報設定画面802bは、ネットワーク設定方法選択領域803b、メッセージ表示領域804b、及び設定開始ボタン805bを含む。ネットワーク設定方法選択領域803bでは、画像形成装置101bのネットワーク設定の方法が設定される。作業者がネットワーク設定方法選択領域803bにおいてWifiダイレクトによるネットワーク設定を選択した場合、メッセージ表示領域804bには、QRコードが印刷された用紙(以下、「QRコード印刷用紙」という。)を画像形成装置101bにセットすることを促すメッセージが表示される。
【0032】
作業者が画像形成装置101aによって印刷されたQRコード印刷用紙を画像形成装置101bにセットして設定開始ボタン805bを選択すると、画像形成装置101bは、QRコード印刷用紙をスキャンして(ステップS503)(読取手段)、QRコード印刷用紙からWifiダイレクトの通信設定情報を取得する。画像形成装置101bは、取得したWifiダイレクトの通信設定情報を用いて、画像形成装置101aへWifiダイレクトの確立を要求する(ステップS504)。この要求を受けた画像形成装置101aは、画像形成装置101bとWifiダイレクトを確立する(ダイレクト無線通信確立手段)。これにより、画像形成装置101bは、画像形成装置101aとWifiダイレクトによるデータ通信を実施可能となる。画像形成装置101aとWifiダイレクトを確立すると、画像形成装置101bでは、メッセージ表示領域804bに、
図8(b)に示すように、Wifiダイレクトを確立したことを示すメッセージが表示される。
【0033】
次いで、画像形成装置101bは、Wifiダイレクトにより、ルーター情報の要求通知を画像形成装置101aへ送信する(ステップS505)。
【0034】
この要求通知を受信した画像形成装置101aは、当該画像形成装置101aに既に登録されたルーター情報を画像形成装置101bへ送信する(ステップS506)。
【0035】
画像形成装置101bは、取得したルーター情報を登録する(ステップS507)。これにより、画像形成装置101bは、ルーター301と接続され、ルーター301を介した無線LAN通信を実施可能となる。画像形成装置101bは、ルーター301との接続を完了すると、その旨を示す接続完了通知を画像形成装置101aへ送信する(ステップS508)。接続完了通知を受けた画像形成装置101aは、Wifiダイレクトモジュール212aを停止する(ステップS509)。これにより、画像形成装置101aと画像形成装置101bとのWifiダイレクトが切断される。これ以降、ステップS502にて印刷されたQRコード印刷用紙から読み取った画像形成装置101aのWifiダイレクトの通信設定情報を用いても、画像形成装置101bは、画像形成装置101aとWifiダイレクトを確立することができない。
【0036】
このようにして、本実施の形態では、作業者は画像形成装置101bの操作部105にルーター情報を入力することなく、画像形成装置101bのネットワーク設定を容易に行うことができる。また、上述したQRコード印刷用紙を用いたネットワーク設定の作業が容易であるため、サービスマンではなく、例えば、ユーザ環境の管理者が通信システム300における画像形成装置101aのネットワーク設定を行い、ユーザ環境におけるルーター情報を知らない画像形成装置の利用者が他の画像形成装置のネットワーク設定を行うことも可能である。
【0037】
図9は、
図6の画像形成装置101bによって実行されるルーター情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図9の処理では、画像形成装置101bが、Wifiダイレクトにより、画像形成装置101aからルーター情報を取得し、取得したルーター情報を他の画像形成装置に送信する。
図9の処理は、画像形成装置101bのコントローラ103bがHDD106b等に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
図9の処理は、操作部105bの表示部801bに表示されたメッセージに従って作業者がQRコード印刷用紙を画像形成装置101bにセットし、更に設定開始ボタン805bを選択した際に実行される。以下では、一例として、画像形成装置101aが印刷したQRコード印刷用紙がセットされたこととする。
【0038】
図9において、コントローラ103bは、セットされたQRコード印刷用紙をスキャンし(ステップS901)、QRコード印刷用紙から画像形成装置101aのWifiダイレクトの通信設定情報を取得する(ステップS902)。次いで、コントローラ103bは、Wifiダイレクトモジュール212bを起動し、取得したWifiダイレクトの通信設定情報を用いて、画像形成装置101aとWifiダイレクトを確立する(ステップS903)。これにより、画像形成装置101bは、画像形成装置101aとWifiダイレクトによるデータ通信を実施可能となる。次いで、コントローラ103bは、Wifiダイレクトにより、ルーター情報の要求通知を画像形成装置101aへ送信する(ステップS904)。
【0039】
次いで、コントローラ103bは、上記要求通知に応じて画像形成装置101aが送信したルーター情報を受信し(ステップS905)、受信したルーター情報を登録する(ステップS906)。次いで、コントローラ103bは、登録したルーター情報に対応するルーター301と接続を成功したか否かを判別する(ステップS907)。
【0040】
ステップS907の判別の結果、ルーター301と接続を失敗した場合、コントローラ103bは、操作部105bの表示部801bにエラー画面を表示する(ステップS908)。また、コントローラ103bは、Wifiダイレクトモジュール212bを停止し、ルーター301と接続を失敗した旨を示す接続失敗通知を画像形成装置101aへ送信する(ステップS910)。接続失敗通知を受信した画像形成装置101aは、Wifiダイレクトモジュール212aを停止する。その後、ルーター情報設定処理は終了する。
【0041】
ステップS907の判別の結果、ルーター301と接続を成功した場合、コントローラ103bは、ルーター301と接続を完了した旨を示す接続完了通知を画像形成装置101aへ送信する(ステップS910)。接続完了通知を受信した画像形成装置101aは、予め行われた設定に基づいて、Wifiダイレクトモジュール212aを停止する、若しくは別の画像形成装置からWifiダイレクトの確立の要求を受けるまで待機する。
【0042】
次いで、コントローラ103bは、他の装置にルーター情報を送信するか否かをユーザに選択させるための選択画面(不図示)を操作部105bの表示部801bに表示させる。次いで、コントローラ103bは、この選択画面におけるユーザの選択に基づいて、他の装置にルーター情報を送信するか否かを判別する(ステップS911)。
【0043】
ステップS911の判別の結果、他の装置にルーター情報を送信しない場合、コントローラ103bは、Wifiダイレクトモジュール212bを停止し、ルーター情報設定処理は終了する。ステップS911の判別の結果、他の装置にルーター情報を送信する場合、コントローラ103bは、後述する
図10のルーター情報送信処理を実行し(ステップS912)、ルーター情報設定処理は終了する。
【0044】
図10は、
図9のステップS912のルーター情報送信処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図10の処理の開始時には、画像形成装置101bのWifiダイレクトモジュール212bが起動している。
【0045】
図10において、コントローラ103bは、操作部105bの表示部801bに
図11(a)のルーター情報送信指示画面1101bを表示させる(ステップS1001)。ルーター情報送信指示画面1101bは、送信台数設定領域1102b、表示領域1103b、及び送信開始ボタン1104bを含む。送信台数設定領域1102bでは、画像形成装置101bがルーター情報を送信する装置の台数が設定される。表示領域1103bには、ルーター301のSSID、パスワード、暗号方式といったステップS906にて登録されたルーター情報の具体値が表示される。送信台数設定領域1102bに画像形成装置101bがルーター情報を送信する装置の台数が設定された状態で送信開始ボタン1104bが選択されると、表示部801bにおいて、ルーター情報送信指示画面1101bが
図11(b)の出力指示画面1105bに切り替わる。
【0046】
出力指示画面1105bは、残り台数表示領域1106b、表示領域1107b、及び用紙出力ボタン1108bを含む。残り台数表示領域1106bには、画像形成装置101bがルーター情報を送信する装置の残り台数が表示される。表示領域1107bには、他の装置からのWifiダイレクトの確立の要求待ち状態であることを示すメッセージが表示される。用紙出力ボタン1108bは、QRコード印刷用紙の出力を指示するためのボタンである。作業者が用紙出力ボタン1108bを選択すると、コントローラ103bは、画像形成装置101bのWifiダイレクトの通信設定情報を変換したQRコードを用紙に印刷する(ステップS1002)。画像形成装置101bのWifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトに用いられる画像形成装置101bのSSID、パスワード、暗号方式に関する情報であり、上記ルーター情報や上述した画像形成装置101aのWifiダイレクトの通信設定情報とは異なる。また、画像形成装置101bのSSID及びパスワードは、Wifiダイレクトモジュール212bが起動する毎に異なる値が発行される。すなわち、画像形成装置101bのWifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトモジュール212bが起動している間のみ使用可能な情報である。
【0047】
次いで、コントローラ103bは、タイマー(不図示)を設定し(ステップS1003)、他の装置からWifiダイレクトの確立の要求を受けたか否かを判別する(ステップS1004)。ステップS1004の判別は、予め設定された時刻や所定の間隔で定期的に行われる。
【0048】
ステップS1004の判別の結果、他の装置、例えば、画像形成装置101cからWifiダイレクトの確立の要求を受けた場合、コントローラ103bは、画像形成装置101cとWifiダイレクトを確立する。また、コントローラ103bは、画像形成装置101cからWifiダイレクトによってルーター情報の要求通知を受信すると、画像形成装置101cへWifiダイレクトによってルーター情報を送信する(ステップS1005)。次いで、コントローラ103bは、ルーター情報を送信した装置の台数を示す台数カウント値をインクリメントする(ステップS1006)。次いで、コントローラ103bは、台数カウント値が送信台数設定領域1102bに設定された所定の台数に達したか否かを判別する(ステップS1007)。
【0049】
ステップS1007の判別の結果、台数カウント値が上記所定の台数に達しない場合、ルーター情報送信処理はステップS1004に戻る。ステップS1007の判別の結果、台数カウント値が上記所定の台数に達した場合、コントローラ103bは、Wifiダイレクトモジュール212bを停止し(ステップS1008)、ルーター情報送信処理は終了する。
【0050】
ステップS1004の判別の結果、他の装置からWifiダイレクトの確立の要求を受けない場合、コントローラ103bは、ステップS1003にて設定されたタイマーがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS1009)。
【0051】
ステップS1005の判別の結果、上記タイマーがタイムアウトした場合、ルーター情報送信処理はステップS1008に進む。すなわち、本実施の形態では、QRコード印刷用紙を印刷してから所定の時間が経過した場合、Wifiダイレクトモジュール212bが停止される。ステップS1009の判別の結果、上記タイマーがタイムアウトしない場合、ルーター情報送信処理はステップS1004に戻る。
【0052】
上述した
図10の処理を画像形成装置101c~101nに対して行うことで、作業者は画像形成装置101c~101nの各操作部にルーター情報を入力することなく、画像形成装置101c~101nのネットワーク設定を容易に行うことができる。
【0053】
上述した実施の形態によれば、ルーター情報が登録された画像形成装置101bが、画像形成装置101bのWifiダイレクトの通信設定情報を変換したQRコードを用紙に印刷する。ルーター情報が設定されていない画像形成装置101cは、QRコードが印刷された用紙を読み取って取得した画像形成装置101bのWifiダイレクトの通信設定情報に基づいて、画像形成装置101bとWifiダイレクトを確立する。さらに、画像形成装置101cは、Wifiダイレクトによって画像形成装置101bからルーター情報を取得し、取得したルーター情報に基づいて画像形成装置101bと無線LAN通信を行う。このように、作業者は画像形成装置101cの操作部105cにルーター情報を入力することなく、画像形成装置101cのネットワーク設定を容易に行うことができ、もって、初期設置作業の手間を軽減することができる。また、QRコード印刷用紙には、少なくともルーター情報が変換されたQRコードが含まれないので、ルーター情報を漏洩するリスクを抑制することができる。すなわち、本実施の形態では、ルーター情報を漏洩するリスクを抑制しつつ、初期設置作業の手間を軽減することができる。
【0054】
また、上述した実施の形態では、Wifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトに用いられるネットワーク情報である。これにより、無線LAN通信に必要となる情報が漏洩するリスクを抑制することができる。
【0055】
さらに、上述した実施の形態では、Wifiダイレクトの通信設定情報は、Wifiダイレクトモジュール212bが起動している間のみ使用可能な画像形成装置101bのネットワーク情報である。これにより、Wifiダイレクトの通信設定情報が漏洩するリスクを抑制することができる。
【0056】
上述した実施の形態では、ルーター情報を送信した装置の台数が予め設定された所定の台数に達した場合、Wifiダイレクトモジュール212bが停止される。これにより、ユーザが指定した台数の装置へのルーター情報の送信を完了した際にQRコード印刷用紙から読み取ったWifiダイレクトの通信設定情報を使用できなくすることができる。
【0057】
また、上述した実施の形態では、QRコード印刷用紙を印刷してから所定の時間が経過した場合、Wifiダイレクトモジュール212bが停止される。これにより、印刷してから所定の時間が経過したQRコード印刷用紙から読み取ったWifiダイレクトの通信設定情報を使用できなくすることができる。
【0058】
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、初期設定済みの画像形成装置101aが、Wifiダイレクトモジュール212aを起動し、
図9のルーター情報送信処理を実行しても良い。
【0059】
上述した実施の形態では、ダイレクト無線通信がWifiダイレクトである場合について説明したが、ダイレクト無線通信はWifiダイレクトに限られない。例えば、ダイレクト無線通信は、Bluetoothによる無線通信であっても良い。
【0060】
また、上述した実施の形態では、ダイレクト無線通信がBluetoothによる無線通信である場合、画像形成装置101が、通信インターフェース210の他に、Bluetoothによる無線通信を行うための他の通信インターフェースを備える構成であっても良い。
【0061】
上述した実施の形態では、暗号化されたWifiダイレクトの通信設定情報をQRコードに変換し、当該QRコードが印刷されたQRコード印刷用紙を出力しても良い。暗号化されたWifiダイレクトの通信設定情報を変換したQRコードを印刷することにより、QRコード印刷用紙を読み取ってWifiダイレクトの通信設定情報を取得できたとしても、当該Wifiダイレクトの通信設定情報が暗号化されているため、Wifiダイレクトの通信設定情報の漏洩リスクを抑制することができる。
【0062】
上述した実施の形態では、画像形成装置101がカメラを備える場合には、スキャナ装置102ではなく、上記カメラを用いてQRコードを読み取っても良い。
【0063】
上述した実施の形態では、作業者が操作するスマートフォンやタブレット端末等が、QRコード印刷用紙を読み取ってWifiダイレクトの通信設定情報を取得し、当該Wifiダイレクトの通信設定情報をNFCによる近距離無線通信により、QRコード印刷用紙を印刷した装置以外の装置に送信しても良い。
【0064】
本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0065】
300 通信システム
101a~101n 画像形成装置
103a,103b コントローラ
102 スキャナ装置
104 プリンタ装置
210 通信インターフェース
212,212a,212b Wifiダイレクトモジュール