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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】粒子製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/08 20060101AFI20240520BHJP
   B22F 9/28 20060101ALI20240520BHJP
   H05H 1/30 20060101ALN20240520BHJP
【FI】
B01J19/08 K
B22F9/28 Z
H05H1/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020103988
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021194611
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】小牧 久
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118882(JP,A)
【文献】特開2016-136551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/08
B22F 9/00- 9/30
B22F 1/065
H05H 1/00- 1/54
B01J 2/00- 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを発生させて材料を蒸発または溶融させるプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部に着脱可能な第1チャンバーと、
前記第1チャンバーに着脱可能な第2チャンバーと、
前記第1チャンバーを移動させる第1移動機構と、
前記第2チャンバーを移動させる第2移動機構と、
を含み、
前記第1移動機構は、
前記第1チャンバーを支持する第1支持部材と、
前記第1支持部材が移動可能に取り付けられた第1レールと、
を有し、
前記第2移動機構は、
前記第2チャンバーを支持する第2支持部材と、
前記第2支持部材が移動可能に取り付けられた第2レールと、
を有し、
前記第1レールは、鉛直方向に延びる第1部分と、前記鉛直方向と交差する方向に延びる第2部分と、を有し、
前記第2レールは、前記鉛直方向に延びる第3部分と、前記鉛直方向と交差する方向に延びる第4部分と、を有している、粒子製造装置。
【請求項2】
請求項において、
前記プラズマ発生部の下に前記第1チャンバーが位置し、
前記第1チャンバーの下に前記第2チャンバーが位置し、
前記第1チャンバーおよび前記第2チャンバーを下方向に移動させたときに、前記第1チャンバーが前記第1部分に案内されて下方向に移動する距離は、前記第2チャンバーが前記第3部分に案内されて下方向に移動する距離よりも短い、粒子製造装置。
【請求項3】
請求項またはにおいて、
前記第1チャンバーおよび前記第2チャンバーを昇降させるリフターを含む、粒子製造
装置。
【請求項4】
請求項において、
前記リフターで前記第1チャンバーおよび前記第2チャンバーを下げたときに、
前記第1チャンバーは、前記第1部分に案内されて下方向に移動し、
前記第2チャンバーは、前記第3部分に案内されて下方向に移動して、前記第1チャンバーと分離される、粒子製造装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか1項において、
前記第1支持部材は、前記第1チャンバーを回転可能に支持している、粒子製造装置。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれか1項において、
前記第2チャンバーの後段に配置された冷却器と、
前記冷却器の後段に配置された回収容器と、
を含む、粒子製造装置。
【請求項7】
請求項において、
前記回収容器は、
収容部と、
前記収容部の入口を気密に封止するバルブと、
を有する、粒子製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱プラズマを用いて、材料を蒸発または溶融させて粒子を製造する粒子製造装置が知られている。このような粒子製造装置では、例えば、金属などの粉末をプラズマ中で蒸発させて急冷することによって、ナノ粒子を製造することができる。また、このような粒子製造装置では、例えば、粉末をプラズマ中で溶融させて急冷することによって、球状粒子を製造することができる。
【0003】
このように粒子製造装置では、プラズマ中で材料を蒸発または溶融させて生成されたガスや粒子などを急冷しなければならない。例えば、特許文献1では、水冷チャンバーを用いて、ガスや粒子などを冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-118882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水冷チャンバーの内壁には、粒子などが付着する。そのため、製造された粒子を回収した後に、水冷チャンバーの内壁に付着した粒子を取り除かなければならない。例えば、高出力のプラズマ発生装置を用いた場合には、水冷チャンバーが長くなる。このように水冷チャンバーが長い場合には、水冷チャンバーの内壁に付着した粒子を取り除くことが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る粒子製造装置の一態様は、
プラズマを発生させて材料を蒸発または溶融させるプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部に着脱可能な第1チャンバーと、
前記第1チャンバーに着脱可能な第2チャンバーと、
前記第1チャンバーを移動させる第1移動機構と、
前記第2チャンバーを移動させる第2移動機構と、
を含み、
前記第1移動機構は、
前記第1チャンバーを支持する第1支持部材と、
前記第1支持部材が移動可能に取り付けられた第1レールと、
を有し、
前記第2移動機構は、
前記第2チャンバーを支持する第2支持部材と、
前記第2支持部材が移動可能に取り付けられた第2レールと、
を有し、
前記第1レールは、鉛直方向に延びる第1部分と、前記鉛直方向と交差する方向に延びる第2部分と、を有し、
前記第2レールは、前記鉛直方向に延びる第3部分と、前記鉛直方向と交差する方向に延びる第4部分と、を有している
【0007】
このような粒子製造装置では、第1チャンバーが第1支持部材によって支持されているため、第1チャンバーのクリーニングの際に、作業者が第1チャンバーを支持しなくてもよい。第2チャンバーについても同様である。したがって、このような粒子製造装置では、容易に、チャンバーをクリーニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る粒子製造装置の構成を示す図。
図2】実施形態に係る粒子製造装置の構成を示す図。
図3】実施形態に係る粒子製造装置の構成を示す図。
図4】フィルターの逆洗を説明するための図。
図5】フィルターの逆洗を説明するための図。
図6】フィルターの逆洗を説明するための図。
図7】第1移動機構の構成を示す図。
図8】第1移動機構の構成を示す図。
図9】第1移動機構の動作を説明するための図。
図10】第1移動機構の動作を説明するための図。
図11】第1移動機構の動作を説明するための図。
図12】第1移動機構の動作を説明するための図。
図13】冷却板の移動機構の構成を示す図。
図14】冷却板の移動機構の構成を示す図。
図15】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図16】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図17】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図18】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図19】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図20】第1ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図21】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図22】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図23】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図24】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図25】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図26】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図27】第2ユニットのクリーニング方法を説明するための図。
図28】第1回収容器から密閉容器に粒子を移す様子を説明するための図。
図29】第1回収容器から密閉容器に粒子を移す様子を説明するための図。
図30】第1ユニットのフレームの変形例を説明するための図。
図31】第2ユニットのフレームの変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. 粒子製造装置
まず、本発明の一実施形態に係る粒子製造装置について図面を参照しながら説明する。図1図3は、本実施形態に係る粒子製造装置100の構成を示す図である。なお、図1は、粒子製造装置100の正面を示し、図2は、粒子製造装置100の第1ユニット100aの側面を示し、図3は、粒子製造装置100の第2ユニット100bの側面を示している。
【0011】
粒子製造装置100は、プラズマを発生し材料を蒸発または溶融させて、粒子を製造する。製造される粒子は、例えば、ナノ粒子、球状粒子、コアシェル構造の粒子などである。
【0012】
例えば、原料の粉末として金属粉末を使用し、プラズマ用ガスをアルゴンや、アルゴンと水素の混合ガス、あるいはアルゴンとヘリウムの混合ガスなどとすれば、金属のナノ粒子を製造でき、プラズマ用ガスを酸素や窒素などとすれば、金属酸化物や金属窒化物のナノ粒子を製造できる。また、例えば、複雑な形状の粉末を、熱プラズマ中で表面を溶融させて球状化することで、真球に近い球状粒子を製造できる。また、例えば、コアとなる溶融させた粉末の周りに、熱プラズマ中で蒸発させた別の材料を成膜することで、コアシェル構造の粒子を製造できる。
【0013】
粒子製造装置100は、図1に示すように、第1ユニット100aと、第2ユニット100bと、を有する。
【0014】
1.1. 第1ユニット
第1ユニット100aは、プラズマ発生部2と、第1チャンバー11と、第2チャンバー12と、第3チャンバー13と、第4チャンバー14と、冷却器20と、チーズ管30と、第1回収容器40と、リフター50と、第1チャンバー11を移動させる第1移動機構110と、第2チャンバー12を移動させる第2移動機構120と、第3チャンバー13を移動させる第3移動機構130と、第4チャンバー14を移動させる第4移動機構140と、を含む。
【0015】
プラズマ発生部2は、プラズマを発生し材料を蒸発または溶融させる。プラズマ発生部2は、例えば、絶縁管と、絶縁管の外周に巻かれた誘導コイルと、粉末供給用水冷プローブと、プラズマガス供給フランジと、を備えている。プラズマ発生部2では、絶縁管の中にアルゴンなどのガスを供給し、絶縁管の外周に巻かれた誘導コイルに高周波電流を供給する。これにより、誘導加熱の原理に基づき絶縁管内に熱プラズマが発生する。発生した熱プラズマの中心に、粉末供給用水冷プローブから粉末や、液体、ガスを供給すると、これらは瞬時に蒸発または溶融する。
【0016】
第1チャンバー11、第2チャンバー12、第3チャンバー13、および第4チャンバー14は、プラズマ発生部2で生成されたガスや粒子などを通過させて冷却する。このように、粒子製造装置100では、4段のチャンバーが、鉛直方向に配列されている。これにより、1つの長いチャンバーを用いた場合と比べて、チャンバーのクリーニングが容易である。
【0017】
第1チャンバー11は、例えば、水冷式のチャンバーである。第1チャンバー11は、プラズマ発生部2から出たプラズマフレームを目視にて確認できるように、例えば、透明石英管製の2重管を有している。2重管の内管の外側と外管の内側との間の空間には、冷却水が流れている。第2チャンバー12、第3チャンバー13、および第4チャンバー14も、第1チャンバー11と同様に、水冷式のチャンバーであり、ステンレス製の2重管を有している。
【0018】
第1チャンバー11は、プラズマ発生部2に対して着脱可能である。例えば、第1チャンバー11は、手締めボルトなどでプラズマ発生部2に接続されている。このボルトを外すことで、第1チャンバー11を、プラズマ発生部2から取り外すことができる。プラズマ発生部2と第1チャンバー11との接続部分は、Oリングなどで封止されている。なお、第1チャンバー11とプラズマ発生部2の接続は、着脱可能であれば特に限定されず、例えば、第1チャンバー11とプラズマ発生部2を、カプラを用いて接続してもよい。
【0019】
第2チャンバー12は、第1チャンバー11に対して着脱可能である。第3チャンバー13は、第2チャンバー12に対して着脱可能である。第4チャンバー14は、第3チャンバー13に対して着脱可能である。これらの隣り合うチャンバー間は、上述した第1チ
ャンバー11とプラズマ発生部2の間と同様に、Oリングで封止され、ボルトやカプラによって接続されている。
【0020】
冷却器20は、4段のチャンバーの後段に配置されている。図示の例では、冷却器20は、第4チャンバー14に接続されている。
【0021】
冷却器20は、4段のチャンバーを通過したガスや粒子などを冷却する。冷却器20は、例えば、水冷式の冷却器である。冷却器20は、第1冷却板21、第2冷却板22、第3冷却板23、第4冷却板24、第5冷却板25、および第6冷却板26を有している。第1冷却板21、第2冷却板22、第3冷却板23、第4冷却板24、第5冷却板25、および第6冷却板26は、鉛直方向にこの順で配列されている。第1冷却板21、第3冷却板23、および第5冷却板25は、中央部に1つの貫通孔を有している。第2冷却板22、第4冷却板24、および第6冷却板26は、周縁部に4つの貫通孔を有している。これにより、上下に隣接する冷却板で貫通孔の位置が変わるので、ガスや粒子などが通る流路を長くすることができる。これにより、効率よく、ガスや粒子などを冷却することができる。
【0022】
冷却器20は、第4チャンバー14に対して着脱可能である。すなわち、第1冷却板21は、第4チャンバー14に対して着脱可能である。また、第2冷却板22は、第1冷却板21に対して着脱可能である。第3冷却板23は、第2冷却板22に対して着脱可能である。第4冷却板24は、第3冷却板23に対して着脱可能である。第5冷却板25は、第4冷却板24に対して着脱可能である。第6冷却板26は、第5冷却板25に対して着脱可能である。
【0023】
チーズ管30は、第1開口31aおよび第2開口31bを有する第1管32を有している。第1管32は、第1開口31aから第2開口31bまで鉛直方向に延びている。チーズ管30は、さらに、第3開口33を有する第2管34を有している。第2管34は、第1管32から分岐している。第1管32は、冷却器20と第1回収容器40とを接続している。第1開口31aには冷却器20が接続され、第2開口31bには第1回収容器40が接続されている。第2管34には、接続管36が接続されている。第2管34は、水平方向に延びている。
【0024】
接続管36は、第1ユニット100aと第2ユニット100bを接続している。接続管36は、第1ユニット100aのチーズ管30と第2ユニット100bのチーズ管66を接続している。接続管36は、例えば、ステンレス製のジャバラ管である。
【0025】
冷却器20で冷却された粒子のうち比較的質量が大きい粒子は、粒子自体の質量によって落下し、第1管32を通って、第1回収容器40に溜まる。例えば、溶融させて得られた球状粒子は、質量が大きいため、粒子自体の質量によって落下し、第1回収容器40に溜まる。
【0026】
また、冷却器20で冷却されたガスや、比較的質量が小さい粒子は、接続管36を通って、チーズ管66に流れる。例えば、ナノ粒子は、質量が小さいため、粒子自体の質量によって落下せずに、ガスとともに、接続管36を通って、チーズ管66に流れる。
【0027】
チーズ管30は、冷却器20に対して着脱可能である。チーズ管30と冷却器20の間は、上述した第1チャンバー11とプラズマ発生部2の間と同様に、Oリングで封止され、ボルトやカプラによって接続されている。
【0028】
第1回収容器40は、材料を溶融させ冷却することで生成された粒子を回収する。冷却
器20を通過した粒子は、粒子自体の質量によって落下し、第1回収容器40に溜まる。第1回収容器40は、粒子を収容する収容部42と、収容部42の入口を気密に封止するバルブ44と、を有している。第1回収容器40は、バルブ44を有するため、回収された粒子を大気に暴露することなく、グローブボックス内に搬送できる。
【0029】
第1回収容器40は、チーズ管30に対して着脱可能である。第1回収容器40とチーズ管30の間は、上述した第1チャンバー11とプラズマ発生部2の間と同様に、Oリングで封止され、ボルトやカプラによって接続されている。
【0030】
リフター50は、第1チャンバー11、第2チャンバー12、第3チャンバー13、第4チャンバー14、冷却器20、チーズ管30、および第1回収容器40を昇降させる。リフター50は、第1回収容器40の下に配置されている。リフター50と第1回収容器40との間には、バネ52が配置されている。リフター50は、キャスター54を有している。
【0031】
第1移動機構110は、第1チャンバー11を、他のチャンバーと独立して移動させる。第1移動機構110は、第1チャンバー11を支持する第1支持部材112と、第1支持部材112を案内する第1レール114と、を有している。図1では、第1支持部材112および第1レール114の対が、第1チャンバー11の左右にそれぞれ設けられている。図2に示すように、第1レール114は、鉛直方向に延びる鉛直部分114a(第1部分)と、水平方向に延びる水平部分114b(第2部分)と、を有している。
【0032】
図2に示すように、鉛直部分114aは、2本のレール部材115a,115bで構成されている。水平部分114bは、2本のレール部材115c,115dで構成されている。第1支持部材112が鉛直部分114aを移動するときには、第1支持部材112の車輪112aはレール部材115aとレール部材115bで挟まれる。これにより、第1支持部材112の左右方向の移動が制限される。また、第1支持部材112が水平部分114bを移動するときには、車輪112aはレール部材115cとレール部材115dで挟まれる。これにより、第1支持部材112の上下方向の移動が制限される。
【0033】
第2移動機構120は、第2チャンバー12を、他のチャンバーと独立して移動させる。第2移動機構120は、第2チャンバー12を支持する第2支持部材122と、第2支持部材122を案内する第2レール124と、を有している。図1では、第2支持部材122および第2レール124の対が、第2チャンバー12の左右にそれぞれ設けられている。図2に示すように、第2レール124は、鉛直方向に延びる鉛直部分124a(第3部分)と、水平方向に延びる水平部分124b(第4部分)と、を有している。
【0034】
図2に示すように、鉛直部分124aは、2本のレール部材125a,125bで構成されている。水平部分124bは、2本のレール部材125c,125dで構成されている。第2支持部材122が鉛直部分124aを移動するときには、第2支持部材122の車輪122aはレール部材125aとレール部材125bで挟まれる。これにより、第2支持部材122の左右方向の移動が制限される。また、第2支持部材122が水平部分124bを移動するときには、車輪122aはレール部材125cとレール部材125dで挟まれる。これにより、第2支持部材122の上下方向の移動が制限される。
【0035】
第3移動機構130は、第3チャンバー13を、他のチャンバーと独立して移動させる。第3移動機構130は、第3チャンバー13を支持する第3支持部材132と、第3支持部材132を案内する第3レール134と、を有している。図1では、第3支持部材132および第3レール134の対が、第3チャンバー13の左右にそれぞれ設けられている。図2に示すように、第3レール134は、鉛直方向に延びる鉛直部分134aと、水
平方向に延びる水平部分134bと、を有している。
【0036】
図2に示すように、鉛直部分134aは、2本のレール部材135a,135bで構成されている。水平部分134bは、2本のレール部材135c,135dで構成されている。第3支持部材132が鉛直部分134aを移動するときには、第3支持部材132の車輪132aはレール部材135aとレール部材135bで挟まれる。これにより、第3支持部材132の左右方向の移動が制限される。また、第3支持部材132が水平部分134bを移動するときには、車輪132aはレール部材135cとレール部材135dで挟まれる。これにより、第3支持部材132の上下方向の移動が制限される。
【0037】
第4移動機構140は、第4チャンバー14を、他のチャンバーと独立して移動させる。第4移動機構140は、第4チャンバー14を支持する第4支持部材142と、第4支持部材142を案内する第4レール144と、を有している。図1では、第4支持部材142および第4レール144の対が、第4チャンバー14の左右にそれぞれ設けられている。図2に示すように、第4レール144は、鉛直方向に延びる鉛直部分144aと、水平方向に延びる水平部分144bと、を有している。
【0038】
図2に示すように、鉛直部分144aは、2本のレール部材145a,145bで構成されている。水平部分144bは、2本のレール部材145c,145dで構成されている。第4支持部材142が鉛直部分144aを移動するときには、第4支持部材142の車輪142aはレール部材145aとレール部材145bで挟まれる。これにより、第4支持部材142の左右方向の移動が制限される。また、第4支持部材142が水平部分144bを移動するときには、車輪142aはレール部材145cとレール部材145dで挟まれる。これにより、第4支持部材142の上下方向の移動が制限される。
【0039】
なお、ここでは、第1レール114が鉛直部分114aと水平部分114bとを有する場合について説明するが、第1レール114は、水平部分114bを有する場合に限定されず、鉛直部分114aに交差する方向に延びる部分があればよい。他のチャンバーの移動機構についても同様である。
【0040】
第1レール114、第2レール124、第3レール134、および第4レール144は、フレーム4aに設けられている。フレーム4aは、第1ユニット100aを構成する各部材を支持している。
【0041】
図1に示すように、上下方向において、第1支持部材112の車輪112aと第1レール114の水平部分114bとの間の最短距離をL1とし、第2支持部材122の車輪122aと第2レール124の水平部分124bとの間の最短距離をL2とし、第3支持部材132の車輪132aと第3レール134の水平部分134bとの間の最短距離をL3とし、第4支持部材142の車輪142aと第4レール144の水平部分144bとの間の最短距離をL4とした場合、L1<L2<L3<L4となる。
【0042】
図1に示す例では、距離L1は、第1支持部材112の上下の2つの車輪112aのうちの下側の車輪112aの下端と、水平部分124bのレール部材115cの上端と、の間の距離である。距離L2、距離L3、および距離L4についても同様である。
【0043】
距離L1は、後述する図16図18に示すように、第1~第4チャンバーを独立して切り離すときに、第1チャンバー11が鉛直部分114aに案内されて下方向に移動する距離に相当する。同様に、距離L2は、第1~第4チャンバーを独立して切り離すときに、第2チャンバー12が鉛直部分124aに案内されて下方向に移動する距離に相当する。同様に、距離L3は、第1~第4チャンバーを独立して切り離すときに、第3チャンバ
ー13が鉛直部分134aに案内されて下方向に移動する距離に相当する。同様に、距離L4は、第1~第4チャンバーを独立して切り離すときに、第4チャンバー14が鉛直部分144aに案内されて下方向に移動する距離に相当する。
【0044】
L1<L2<L3<L4の関係を満たすことによって、後述する図16図18に示すように、第1~第4チャンバーを独立して切り離すことができる。
【0045】
図1図3には図示しないが、後述する図13および図14に示すように、粒子製造装置100は、第1冷却板21を移動させる第1冷却板移動機構210、第2冷却板22を移動させる第2冷却板移動機構220、第3冷却板23を移動させる第3冷却板移動機構230、第4冷却板24を移動させる第4冷却板移動機構240、第5冷却板25を移動させる第5冷却板移動機構250、および第6冷却板26を移動させる第6冷却板移動機構260を含む。これらの移動機構については後述する。
【0046】
1.2. 第2ユニット
第2ユニット100bは、フィルター60と、フィルター容器61と、フランジ62と、ロート64と、チーズ管66と、第2回収容器70と、リフター80と、真空排気装置90と、逆洗機構92と、フィルター容器61を移動させるフィルター容器移動機構310と、フランジ62を移動させるフランジ移動機構320と、ロート64を移動させるロート移動機構330と、を含む。
【0047】
チーズ管66には、接続管36からガスや粒子が流れ込む。チーズ管66は、鉛直方向において、互いに対向する上部開口66aと、下部開口66bと、を有する。チーズ管66の上部開口66aには、ロート64が接続され、チーズ管66の下部開口66bには、第2回収容器70が接続されている。
【0048】
チーズ管66に入ってきた質量で自然落下し難いナノ粒子やガスは、チーズ管66の上方に接続されたロート64に流れる。
【0049】
ロート64は、チーズ管66とフランジ62との間に配置されている。ロート64は、チーズ管66とフランジ62とを接続している。ロート64のフランジ62側の径は、ロート64のチーズ管66側の径よりも大きい。
【0050】
フィルター60は、ガス中に含まれる粒子(例えばナノ粒子)をトラップする。フィルター60は、例えば、布製のフィルターである。フィルター60は、細長い袋状になっており、開口側は、フランジ62に固定されている。フィルター60の閉口側は、フィルター容器61の蓋61aの裏に取り付けられたバネ61bに固定されている。
【0051】
フィルター60は、フィルター容器61に収容されている。フィルター容器61には、複数のフィルター60が収容されている。フィルター容器61は、フレーム4bに接続されている蓋61aにボルトまたはカプラで取り付けられている。フランジ62は、フィルター容器61に接続されている。
【0052】
フィルター容器61には、真空排気装置90が接続されている。フィルター容器61の上部の蓋61aは、真空排気装置90に接続される排気口を有している。
【0053】
真空排気装置90は、粒子製造装置100の全体を真空排気する。当然ながら、真空排気装置90によって、フィルター容器61内も排気される。真空排気装置90でフィルター容器61内の空間を排気することによって、チーズ管66からのガスやナノ粒子などがフィルター60を通過する。
【0054】
また、真空排気装置90がフィルター容器61内を排気することによって、フィルター容器61に接続されている第2ユニット100b内の空間、および第1ユニット100a内の空間が排気される。これにより、第1ユニット100a内の空間および第2ユニット100b内の空間が真空状態となる。真空排気装置90は、フィルター容器61に接続されているため、第2ユニット100b内の空間の圧力は、第1ユニット100a内の空間の圧力よりも低い。
【0055】
さらに、フィルター容器61には、逆洗機構92が接続されている。ここで、フィルター60の内側にトラップされた粒子は、フィルター60に溜まって塊状になる。さらに粒子が溜まり続けると、フィルター60が目詰まりして、装置が停止してしまう可能性がある。そのため、フィルター容器61内を一時的に加圧する逆洗を行うことによって、フィルター60内から塊状になって目詰まりの原因となった粒子を取り除き、第2回収容器70に落下させる。逆洗機構92は、アルゴンガスなどをパルス的にフィルター容器61に供給して、フィルター容器61内を一時的に加圧する。これにより、フィルター60が一時的にしぼむが、フィルター60は蓋61aにバネ61bで繋がっているため、強制的にフィルター60が引き戻される。これにより、フィルター60内から目詰まりの原因となった粒子を取り除くことができる。粒子製造装置100では、第1ユニット100aとは異なる空間で圧力変動を加えるため、熱プラズマによる粒子製造を停止することなく、連続的な製造が可能となる。
【0056】
第2回収容器70は、チーズ管66に接続されている。
【0057】
リフター80は、フィルター容器61、フランジ62、ロート64、チーズ管66、および第2回収容器70を昇降させる。リフター80は、第2回収容器70の下に配置されている。リフター80と第2回収容器70との間には、バネ82が配置されている。リフター80は、キャスター84を有している。
【0058】
フィルター容器61は、蓋61aに対して着脱可能である。フランジ62は、フィルター容器61に対して着脱可能である。ロート64は、フランジ62に対して着脱可能である。チーズ管66は、ロート64に対して着脱可能である。第2回収容器70は、チーズ管66に対して着脱可能である。これらの間は、上述した第1チャンバー11とプラズマ発生部2の間と同様に、Oリングで封止され、ボルトやカプラによって接続されている。
【0059】
フィルター容器移動機構310は、フィルター容器61を独立して移動させる。フィルター容器移動機構310は、フィルター容器61を支持するフィルター容器支持部材312と、フィルター容器支持部材312を案内する第5レール314と、を有している。図1では、フィルター容器支持部材312および第5レール314の対が、フィルター容器61の左右にそれぞれ設けられている。図3に示すように、第5レール314は、鉛直方向に延びる鉛直部分314aと、水平方向に延びる水平部分314bと、を有している。
【0060】
図3に示すように、鉛直部分314aは、2本のレール部材315a,315bで構成されている。水平部分314bは、2本のレール部材315c,315dで構成されている。フィルター容器支持部材312が鉛直部分314aを移動するときには、フィルター容器支持部材312の車輪312aはレール部材315aとレール部材315bで挟まれる。これにより、フィルター容器支持部材312の左右方向の移動が制限される。また、フィルター容器支持部材312が水平部分314bを移動するときには、車輪312aはレール部材315cとレール部材315dで挟まれる。これにより、フィルター容器支持部材312の上下方向の移動が制限される。
【0061】
フランジ移動機構320は、フランジ62を独立して移動させる。フランジ移動機構320は、フランジ62を支持するフランジ支持部材322と、フランジ支持部材322を案内する第6レール324と、を有している。図1では、フランジ支持部材322および第6レール324の対が、フランジ62の左右にそれぞれ設けられている。図3に示すように、第6レール324は、鉛直方向に延びる鉛直部分324aと、水平方向に延びる水平部分324bと、を有している。
【0062】
図3に示すように、鉛直部分324aは、2本のレール部材325a,325bで構成されている。水平部分324bは、2本のレール部材325c,325dで構成されている。フランジ支持部材322が鉛直部分324aを移動するときには、フランジ支持部材322の車輪322aはレール部材325aとレール部材325bで挟まれる。これにより、フランジ支持部材322の左右方向の移動が制限される。また、フランジ支持部材322が水平部分324bを移動するときには、車輪322aはレール部材325cとレール部材325dで挟まれる。これにより、フランジ支持部材322の上下方向の移動が制限される。
【0063】
ロート移動機構330は、ロート64を独立して移動させる。ロート移動機構330は、ロート64を支持するロート支持部材332と、ロート支持部材332を案内する第7レール334と、を有している。図1では、ロート支持部材332および第7レール334の対が、ロート64の左右にそれぞれ設けられている。図3に示すように、第7レール334は、鉛直方向に延びる鉛直部分334aと、水平方向に延びる水平部分334bと、を有している。
【0064】
図3に示すように、鉛直部分334aは、2本のレール部材335a,335bで構成されている。水平部分334bは、2本のレール部材335c,335dで構成されている。ロート支持部材332が鉛直部分334aを移動するときには、ロート支持部材332の車輪332aはレール部材335aとレール部材335bで挟まれる。これにより、ロート支持部材332の左右方向の移動が制限される。また、ロート支持部材332が水平部分334bを移動するときには、車輪332aはレール部材335cとレール部材335dで挟まれる。これにより、ロート支持部材332の上下方向の移動が制限される。
【0065】
第5レール314、第6レール324、および第7レール334は、第2ユニット100bを構成する各部材を支持するためのフレーム4bに設けられている。
【0066】
図1に示すように、上下方向において、フィルター容器支持部材312の車輪312aと第5レール314の水平部分314bとの間の最短距離をL5とし、フランジ支持部材322の車輪322aと第6レール324の水平部分324bとの間の最短距離をL6とし、ロート支持部材332の車輪332aと第7レール334の水平部分334bとの間の最短距離をL7とした場合、L5<L6<L7となる。
【0067】
図1に示す例では、距離L5は、フィルター容器支持部材312の上下の2つの車輪312aのうちの下側の車輪312aの下端と、水平部分314bのレール部材315cの上端と、の間の距離である。距離L6および距離L7についても同様である。
【0068】
L5<L6<L7の関係を満たすことによって、後述する図21図27に示すように、フィルター容器61、フランジ62、ロート64を独立して切り離すことができる。
【0069】
2. 粒子製造方法
次に、粒子製造装置100における粒子の製造方法について説明する。以下では、粒子製造装置100における粒子製造方法として、球状粒子を製造する場合について説明する
【0070】
粒子製造装置100では、真空排気装置90を動作させて、第1ユニット100a内の空間および第2ユニット100b内の空間を真空状態とする。すなわち、プラズマ発生部2内、第1~第4チャンバー内、冷却器20内、チーズ管30内、第1回収容器40内、接続管36内、チーズ管66内、第2回収容器70内、ロート64内、フランジ62内、フィルター容器61内を真空状態とする。
【0071】
さらに、逆洗機構92を構成する部品として、フィルター容器61内にパルス的に大量のアルゴンなどのガスを噴出するためのガスタンク92aがあり、この中も真空排気装置90によって、空気を除去し、高濃度のアルゴンなどを充填できるようになっている。
【0072】
そして、プラズマ発生部2において、熱プラズマを発生させて材料を溶融または蒸発させる。ここでは、プラズマ発生部2で発生させた熱プラズマ中に複雑な形状の粉末を供給することによって、粉末の表面を溶融させて球状化させる。このとき、プラズマ発生部2のガスの温度は、例えば、数千度以上となる。
【0073】
プラズマ発生部2で生成されたガスや粒子は、第1チャンバー11、第2チャンバー12、第3チャンバー13、および第4チャンバー14を通過し、冷却される。粒子製造装置100では、4段のチャンバーを有し、溶融した粒子が機械的な接触を殆ど受けないまま自然落下するため、プラズマ発生部2で発生した粒子を十分に冷却できる。
【0074】
例えば、チャンバーの長さが短い場合、プラズマ発生部2で生成された粒子は十分に冷却されずに、冷却器20に達してしまう。この場合、粒子は、冷却器20の上面に扁平した膜状に溶着したり冷却器20に積もって不定形の堆積物となったりして、球状粒子が得られない。
【0075】
粒子製造装置100では、4段のチャンバーを有するため、プラズマ発生部2で溶融した粒子を十分に冷却して、機械的な接触無く固化させることができる。これにより、真球に近い球状粒子を得ることができる。4段のチャンバーを通過したガスや粒子は、冷却器20で冷却されて常温となる。
【0076】
ここで、第2ユニット100b内の圧力は、第1ユニット100a内の圧力よりも低い。そのため、冷却器20で冷却されたガスは、チーズ管30の第2管34および接続管36を通ってチーズ管66に流れる。また、溶融せず蒸発してしまったナノ粒子は、タバコの煙のように質量が小さいため、落下せずに、ガスとともに、第2管34および接続管36を通って、チーズ管66に流れる。これに対して、比較的質量の大きい球状粒子は、粒子自体の質量によって落下し、第1回収容器40に溜まる。
【0077】
チーズ管66では、ガス、および、ガス中に含まれるナノ粒子などは、ロート64を通りフィルター60の内側に流れる。
【0078】
フィルター60では、ガスは通過して外部に排気され、ナノ粒子などがフィルター60の内側にトラップされる。粒子製造装置100では、逆洗機構92が、定期的に、逆洗を行い、フィルター60の内側にトラップされた粒子を除去する。逆洗によって、フィルター60内から除去された粒子は落下し、第2回収容器70に溜まる。
【0079】
上記の工程により、第1回収容器40で、球状粒子を回収できる。
【0080】
第1回収容器40は、バルブ44を有する。バルブ44を閉じた後に、第1回収容器4
0をチーズ管30から取り外すことによって、回収された球状粒子を大気に曝すことなく搬送できる。
【0081】
図4図6は、フィルター60の逆洗を説明するための図である。
【0082】
逆洗機構92は、図4に示すように、ガスタンク92aと、バルブ92bと、を有する。また、真空排気装置90とフィルター容器61との間には、バルブ91が設けられている。
【0083】
まず始めに、真空排気装置90を駆動したまま、バルブ91とバルブ92bを開き、ガスタンク92a内の空気を除去しておく。次に、ガスタンク92aに、アルゴンなどの加圧されたガスを充填する。
【0084】
次に、フィルター60の内側に大量の粒子Pがトラップされた状態で、バルブ91を瞬時に閉じて直ぐ、バルブ92bを瞬時に開く。これにより、図5に示すように、フィルター容器61内が一気に加圧され、フィルター60が萎む。次に、図6に示すように、バルブ92bを瞬時に閉じた後、バルブ91を瞬時に開く。これにより、フィルター容器61内が減圧され、フィルター60が膨らむ。このフィルター容器61内の加圧とフィルター容器61内の減圧をパルス的に繰り返すことによって、フィルター60の内側にトラップされた粒子Pが除去されて、第2回収容器70に落下する。
【0085】
例えば、真空排気装置90内には粒子製造装置100内の真空を一定に保つ圧力コントロールバルブがあり、真空排気装置90は、そのバルブの開度を監視する。真空排気装置90は、一定の真空が保てなくなる開度まで到達した時の信号を受け、逆洗機構92を働かせる。これにより、粒子の製造工程が停止せずに長時間の連続製造運転が可能となる。
【0086】
3. 第1ユニットのクリーニング
3.1. チャンバーの移動機構
図7および図8は、第1移動機構110の構成を示す図である。なお、図7および図8には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。なお、Z軸は、鉛直方向に平行な軸である。
【0087】
第1支持部材112は、2つの車輪112aと、第1チャンバー11に接続された支持軸112bと、2つの車輪112aと支持軸112bを接続する接続部材112cと、を有している。
【0088】
2つの車輪112aは、第1レール114上を移動する。1つの支持軸112bに対して2つの車輪112aを有することにより、第1チャンバー11が傾くことを防ぐことができる。車輪112aは、レール部材115aとレール部材115bに挟まれた状態で第1レール114の鉛直部分114aを移動する。また、車輪112aは、レール部材115cとレール部材115dに挟まれた状態で第1レール114の水平部分114bを移動する。
【0089】
車輪112aには脱落防止用の溝が形成されている。支持軸112bは、接続部材112cに回転可能に取り付けられている。そのため、第1チャンバー11は、支持軸112bを回転軸として、回転可能である。さらに、図示はしないが、第1移動機構110は、第1チャンバー11の回転角度を任意の角度に固定可能なロック機構を有している。
【0090】
第1レール114は、上述したように、鉛直部分114aと、水平部分114bと、を有している。鉛直部分114aが水平部分114bに接続される接続部分6では、2本の
レール部材115a、115bのうちの一方(図示の例では、レール部材115a)が外側(+X方向側)にずれている。そのため、接続部分6では、他の部分に比べて、レール部材115aとレール部材115bの間隔が拡がっている。
【0091】
図9図12は、第1移動機構110の動作を説明するための図である。
【0092】
例えば、第1チャンバー11を下に移動させると、図9に示すように、下の車輪112aが水平部分114bに乗る。そして、下の車輪112aは、水平部分114bを+X方向に移動し、接続部分6に当たる。この結果、上の車輪112aが下の車輪112aを軸として反時計まわりに回転し、上の車輪112aも水平部分114bに乗る。したがって、図10に示すように、2つの車輪112aが水平部分114bに乗り、レール部材115cとレール部材115dに挟まれ、上下方向の移動が制限される。第1支持部材112は、水平部分114bのレール部材115cとレール部材115dに案内されて水平方向にのみ移動可能となる。
【0093】
なお、車輪112aは上下とも同じ形状をしているので、始めに接触した車輪112aが左側に移動し、レール部材115cとレール部材115dに挟まれ、上の車輪112aが右回転して接続部分6に沿って、レール部材115cに乗っても構わない。車輪112aは、どのような移動をしたとしても、同じ結果が得られる。
【0094】
また、図11に示すように、2つの車輪112aが水平部分114bに乗り、かつ、右側の車輪112aが接続部分6に突き当たった状態で、第1チャンバー11を上に移動させる。これにより、図12に示すように、接続部分6に突き当たった状態の右側の車輪112aは、接続部分6に沿って上に移動するが、左側の車輪112aは、水平部分114bのレール部材115c,115dに挟まって上に移動できない。そのため、接続部分6に沿って移動する右側の車輪112aは、左側の車輪112aを軸として回転することによって上に移動し、左側の車輪112aは+X方向に移動する。この結果、2つの車輪112aは、鉛直方向に並び、鉛直部分114aのレール部材115a,115bに嵌まる。したがって、第1支持部材112は、鉛直部分114aに案内されて上に移動可能となる。
【0095】
ここでは、第1移動機構110について説明したが、第2移動機構120、第3移動機構130、および第4移動機構140についても第1移動機構110と同様の構成を有し、同様に動作する。
【0096】
3.2. 冷却板移動機構
図13および図14は、冷却板の移動機構の構成を示す図である。図13および図14は、各冷却板の支持部材を、レールに乗せた状態を図示している。なお、図13および図14には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
【0097】
第1冷却板移動機構210は、第1冷却板21を、他の冷却板と独立して移動させる。第1冷却板移動機構210は、第1冷却板21を支持する第1冷却板支持部材212と、第1冷却板支持部材212を案内するレール214と、を有している。図13では、第1冷却板支持部材212およびレール214の対が、第1冷却板21の左右にそれぞれ設けられている。第1冷却板支持部材212は、車輪212aと、車輪212aと第1冷却板21を接続する支持軸212bと、を有している。支持軸212bは、第1冷却板21を回転可能に支持する。レール214は、水平方向に延びている。
【0098】
第2冷却板移動機構220は、第2冷却板22を、他の冷却板と独立して移動させる。第2冷却板移動機構220は、第2冷却板22を支持する第2冷却板支持部材222と、
第2冷却板支持部材222を案内するレール224と、を有している。図13では、第2冷却板支持部材222およびレール224の対が、第2冷却板22の左右にそれぞれ設けられている。第2冷却板支持部材222は、車輪222aと、車輪222aと第2冷却板22を接続する支持軸222bと、を有している。支持軸222bは、第2冷却板22を回転可能に支持する。レール224は、水平方向に延びている。
【0099】
第3冷却板移動機構230は、第3冷却板23を、他の冷却板と独立して移動させる。第3冷却板移動機構230は、第3冷却板23を支持する第3冷却板支持部材232と、第3冷却板支持部材232を案内するレール234と、を有している。図13では、第3冷却板支持部材232およびレール234の対が、第3冷却板23の左右にそれぞれ設けられている。第3冷却板支持部材232は、車輪232aと、車輪232aと第3冷却板23を接続する支持軸232bと、を有している。支持軸232bは、第3冷却板23を回転可能に支持する。レール234は、水平方向に延びている。
【0100】
第4冷却板移動機構240は、第4冷却板24を、他の冷却板と独立して移動させる。第4冷却板移動機構240は、第4冷却板24を支持する第4冷却板支持部材242と、第4冷却板支持部材242を案内するレール244と、を有している。図13では、第4冷却板支持部材242およびレール244の対が、第4冷却板24の左右にそれぞれ設けられている。第4冷却板支持部材242は、車輪242aと、車輪242aと第4冷却板24を接続する支持軸242bと、を有している。支持軸242bは、第4冷却板24を回転可能に支持する。レール244は、水平方向に延びている。
【0101】
第5冷却板移動機構250は、第5冷却板25を、他の冷却板と独立して移動させる。第5冷却板移動機構250は、第5冷却板25を支持する第5冷却板支持部材252と、第5冷却板支持部材252を案内するレール254と、を有している。図13では、第5冷却板支持部材252およびレール254の対が、第5冷却板25の左右にそれぞれ設けられている。第5冷却板支持部材252は、車輪252aと、車輪252aと第5冷却板25を接続する支持軸252bと、を有している。支持軸252bは、第5冷却板25を回転可能に支持する。レール254は、水平方向に延びている。
【0102】
第6冷却板移動機構260は、第6冷却板26を、他の冷却板と独立して移動させる。第6冷却板移動機構260は、第6冷却板26を支持する第6冷却板支持部材262と、第6冷却板支持部材262を案内するレール264と、を有している。図13では、第6冷却板支持部材262およびレール264の対が、第6冷却板26の左右にそれぞれ設けられている。第6冷却板支持部材262は、車輪262aと、車輪262aと第6冷却板26を接続する支持軸262bと、を有している。支持軸262bは、第6冷却板26を回転可能に支持する。レール264は、水平方向に延びている。
【0103】
第1冷却板21用のレール214、第2冷却板22用のレール224、第3冷却板23用のレール234、第4冷却板24用のレール244、第5冷却板25用のレール254、および第6冷却板26用のレール264は、フレーム4bに設けられている。
【0104】
第1冷却板移動機構210において、2つの車輪212aの間隔I2は、第4レール144(図2参照)が設けられているフレーム4aの間隔I4よりも小さい。そのため、2つの車輪212aは、第4レール144に乗らない。このことは、他の冷却板移動機構においても同様である。
【0105】
図1図3に示す状態から、冷却器20を下に移動させると、まず、第1冷却板支持部材212の車輪212aが、レール214に乗る。
【0106】
さらに、冷却器20を下に移動させ、かつ、左方向に移動させると、第2冷却板支持部材222の車輪222aが、レール224に乗る。さらに、冷却器20を下に移動させ、かつ、左方向に移動させると、第3冷却板支持部材232の車輪232aが、レール234に乗る。さらに、冷却器20を下に移動させ、かつ、左方向に移動させると、第4冷却板支持部材242の車輪242aが、レール244に乗る。さらに、冷却器20を下に移動させ、かつ、左方向に移動させると、第5冷却板支持部材252の車輪252aが、レール254に乗る。さらに、冷却器20を下に移動させ、かつ、左方向に移動させると、第6冷却板支持部材262の車輪262aが、レール264に乗る。
【0107】
3.3. 第1ユニットのクリーニング方法
図15図20は、第1ユニット100aのクリーニング方法を説明するための図である。
【0108】
まず、図15図18に示すように、4段のチャンバーを切り離す。
【0109】
具体的には、まず、図15に示すように、プラズマ発生部2と第1チャンバー11を接続するボルトを外す。同様に、第1チャンバー11と第2チャンバー12を接続するボルト、第2チャンバー12と第3チャンバー13を接続するボルト、第3チャンバー13と第4チャンバー14を接続するボルト、第4チャンバー14と冷却器20を接続するボルト、冷却器20とチーズ管30を接続するボルト、およびチーズ管30と第1回収容器40を接続するボルトを外す。
【0110】
次に、図16に示すように、リフター50を降下させる。これにより、第1チャンバー11を支持する第1支持部材112の車輪112aが第1レール114の鉛直部分114aに案内されて第1チャンバー11が下に移動する。第1チャンバー11と同様に、第2チャンバー12、第3チャンバー13、第4チャンバー14も、下に移動する。また、冷却器20、チーズ管30、および第1回収容器40も下に移動する。
【0111】
リフター50を降下させることにより、第1チャンバー11がプラズマ発生部2から切り離される。そして、第1支持部材112の車輪112aが、第1レール114の水平部分114bに乗る。これにより、リフター50を降下させても、第1チャンバー11は下に移動しない。
【0112】
さらに、リフター50を降下させると、図17に示すように、第2チャンバー12が第1チャンバー11と切り離される。そして、第2支持部材122の車輪122aが、第2レール124の水平部分124bに乗る。これにより、リフター50を降下させても、第2チャンバー12は下に移動しない。
【0113】
さらに、リフター50を降下させると、第3チャンバー13が第2チャンバー12と切り離される。そして、図18に示すように、第3支持部材132の車輪132aが、第3レール134の水平部分134bに乗る。これにより、リフター50を降下させても、第3チャンバー13は下に移動しない。
【0114】
さらに、リフター50を降下させると、第4チャンバー14が第3チャンバー13と切り離される。そして、第4支持部材142の車輪142aが、第4レール144の水平部分144bに乗る。これにより、リフター50を降下させても、第4チャンバー14は下に移動しない。
【0115】
さらに、リフター50を降下させると、冷却器20が第4チャンバー14から切り離される。
【0116】
以上のようにして、4段のチャンバーをすべて切り離すことができる。
【0117】
次に、図19に示すように、6つの冷却板を切り離す。
【0118】
図18に示す状態から、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、図19に示すように、第1冷却板支持部材212の車輪212aがレール214に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第1冷却板21は下に移動しない。
【0119】
さらに、リフター50を降下させると、第2冷却板22が第1冷却板21から切り離される。そして、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、第2冷却板支持部材222の車輪222aがレール224に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第2冷却板22は下に移動しない。
【0120】
さらに、リフター50を降下させると、第3冷却板23が第2冷却板22から切り離される。そして、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、第3冷却板支持部材232の車輪232aがレール234に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第3冷却板23は下に移動しない。
【0121】
さらに、リフター50を降下させると、第4冷却板24が第3冷却板23から切り離される。そして、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、第4冷却板支持部材242の車輪242aがレール244に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第4冷却板24は下に移動しない。
【0122】
さらに、リフター50を降下させると、第5冷却板25が第4冷却板24から切り離される。そして、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、第5冷却板支持部材252の車輪252aがレール254に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第5冷却板25は下に移動しない。
【0123】
さらに、リフター50を降下させると、第6冷却板26が第5冷却板25から切り離される。そして、さらに、リフター50を降下させ、かつ、リフター50を左方向に移動させると、第6冷却板支持部材262の車輪262aがレール264に乗る。これにより、リフター50を降下させても、第6冷却板26は下に移動しない。
【0124】
以上のようにして、6つの冷却板をすべて切り離すことができる。
【0125】
次に、図20に示すように、4つのチャンバーおよび6つの冷却板をクリーニングする。
【0126】
まず、第1チャンバー11をクリーニングする。例えば、第1チャンバー11内外の付着物を、ハケやヘラなどで除去したり、掃除機で吸い取ったりすることで、第1チャンバー11をクリーニングすることができる。
【0127】
ここで、第1チャンバー11は、第1支持部材112によって支持されているため、第1チャンバー11のクリーニングの際に、作業者が第1チャンバー11を支持しなくてもよい。また、第1チャンバー11は、第1移動機構110によって、他のチャンバーと独立して移動可能である。そのため、第1レール114の水平部分114bの任意の位置に、第1チャンバー11を配置して、第1チャンバー11のクリーニングを行うことができる。このとき、車輪112aは、レール部材115cとレール部材115dで挟まれてい
るため、第1支持部材112は、車輪112aを脱輪させることなく、水平部分114bを移動可能である。さらに、第1支持部材112では、支持軸112bを接続する接続部材112cによって第1チャンバー11が回転可能になるため、第1チャンバー11を任意の向きにして、クリーニングを行うことができる。さらに、第1移動機構110は、第1チャンバー11の回転角度を任意の角度に固定できる。また、第1移動機構110は、第1チャンバー11の角度の固定を解除して、再度、第1チャンバー11を回転させることもできる。
【0128】
第2チャンバー12、第3チャンバー13、および第4チャンバー14についても、第1チャンバー11と同様にクリーニングする。この時、真空シールとなるOリングやその溝も、クリーニングして付着物を除去する。
【0129】
次に、第1冷却板21をクリーニングする。例えば、第1冷却板21内外の付着物を、ハケやヘラなどで除去したり、掃除機で吸い取ったりすることで、第1冷却板21をクリーニングすることができる。
【0130】
第1冷却板21は、第1冷却板支持部材212によって支持されているため、第1冷却板21のクリーニングの際に、作業者が第1冷却板21を支持しなくてもよい。また、第1冷却板21は、第1冷却板移動機構210によって、他の冷却板と独立して移動可能である。そのため、レール214の任意の位置に第1冷却板21を配置して、第1冷却板21のクリーニングを行うことができる。さらに、第1冷却板支持部材212では、車輪212aによって、第1冷却板21が回転可能になるため、第1冷却板21を任意の向きにして、クリーニングを行うことができる。
【0131】
第2冷却板22、第3冷却板23、第4冷却板24、第5冷却板25、および第6冷却板26についても、第1冷却板21と同様にクリーニングを行う。この時、真空シールとなるOリングやその溝も、クリーニングして付着物を除去する。
【0132】
以上の工程により、第1ユニット100aのクリーニングを行うことができる。
【0133】
3.4. 第1ユニットの組み立て
次に、第1ユニット100aの組み立て方法について説明する。
【0134】
6つの冷却板は、上述した切り離し方法と逆の手順で組み立てることができる。
【0135】
また、4段のチャンバーは、上述した切り離し方法と逆の手順で組み立てることができる。具体的には、図11に示すように、第1支持部材112の右側の車輪112aが接続部分6に突き当たるように、第1チャンバー11を配置する。第2チャンバー12、第3チャンバー13、および第4チャンバー14も同様に配置する。そして、リフター50を上昇させる。これにより、4段のチャンバーが組み立てられる。
【0136】
4. 第2ユニットのクリーニング
図21図27は、第2ユニット100bのクリーニング方法を説明するための図である。
【0137】
4.1. 移動機構
図21に示すように、フィルター容器移動機構310は、上述したようにフィルター容器61を支持するフィルター容器支持部材312と、フィルター容器支持部材312を案内する第5レール314と、を有している。第5レール314は、鉛直方向に延びる鉛直部分314aと、水平方向に延びる水平部分314bと、を有している。鉛直部分314
aは、2本のレール部材315a,315bで構成され、水平部分314bは、2本のレール部材315c,315dで構成されている。
【0138】
フィルター容器移動機構310は、上述した第1移動機構110と同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、フィルター容器支持部材312は、2つの車輪312aと、フィルター容器61に接続された支持軸と、2つの車輪312aと支持軸を接続する接続部材と、を有している。支持軸は、フィルター容器61を回転可能に支持する。さらに、フィルター容器支持部材312は、フィルター容器61の回転角度を任意の角度で固定するロック機構を有している。
【0139】
フランジ移動機構320およびロート移動機構330についても、上述した第1移動機構110と同様の構成を有し、同様に動作する。
【0140】
4.2. 第2ユニットのクリーニング方法
まず、図21に示すように、フィルター容器61とフランジ62を接続するボルトを外す。同様に、フランジ62とロート64を接続するボルト、ロート64とチーズ管66を接続するボルト、チーズ管66と第2回収容器70を接続するボルトを外す。
【0141】
次に、図22に示すように、リフター80を降下させる。これにより、フランジ62を支持するフランジ支持部材322の車輪322aが第5レール314の鉛直部分314aに案内されてフランジ62が下に移動する。同様に、ロート64が下に移動する。また、第2回収容器70も下に移動する。
【0142】
リフター80を降下させることにより、フランジ62がフィルター容器61から切り離される。これにより、フィルター60とフランジ62の接続部分が露出するため、フィルター60をフランジ62から取り外す。
【0143】
さらに、リフター80を降下させると、図23に示すように、フランジ支持部材322の車輪322aが第6レール324の水平部分324bに乗る。これにより、リフター80を降下させてもフランジ62は下に移動しない。
【0144】
さらに、リフター80を降下させると、ロート64がフランジ62から切り離される。そして、ロート支持部材332の車輪332aが、第7レール334の水平部分334bに乗る。これにより、リフター80を降下させてもロート64は下に移動しない。
【0145】
このようにして、フィルター容器61、フランジ62、ロート64がすべて切り離される。
【0146】
次に、図24および図25に示すように、フランジ62をクリーニングする。
【0147】
フランジ62は、フランジ支持部材322によって支持されているため、フランジ62のクリーニングの際に、作業者がフランジ62を支持しなくてもよい。また、フランジ62は、フランジ移動機構320によって、独立して移動可能である。そのため、第6レール324の水平部分324bの任意の位置にフランジ62を配置して、フランジ62のクリーニングを行うことができる。このとき、車輪322aは、レール部材325cとレール部材325dで挟まれているため、フランジ支持部材322は、車輪322aを脱輪させることなく、水平部分324bを移動可能である。さらに、フランジ支持部材322では、接続部材によってフランジ62が回転可能になるため、図25に示すように、フランジ62を任意の向きにして、クリーニングを行うことができる。また、フランジ62の回転角度を任意の角度に固定することも可能である。
【0148】
次に、図26に示すように、ロート64をクリーニングする。ロート64のクリーニングは、フランジ62のクリーニングと同様に行われる。
【0149】
次に、図27に示すように、フィルター容器61をクリーニングする。具体的には、まず、フランジ62およびロート64を、図21に示すもとの状態に戻す。次に、フレーム4bに固定されている蓋とフィルター容器61を接続するボルトを外す。次に、リフター80を降下させる。リフター80を降下させると、フィルター容器61がフレーム4bに固定されている蓋61aから切り離される。そして、フィルター容器支持部材312の車輪312aが、第5レール314の水平部分314bに乗る。そして、フィルター容器61をクリーニングする。フィルター容器61のクリーニングは、フランジ62のクリーニングと同様に行われる。
【0150】
以上の工程により、第2ユニット100bのクリーニングを行うことができる。
【0151】
4.3. 第2ユニットの組み立て
次に、第2ユニット100bの組み立て方法について説明する。
【0152】
フィルター容器61、フランジ62、およびロート64は、上述した切り離し方法と逆の手順で組み立てることができる。
【0153】
5. 作用効果
粒子製造装置100は、第1チャンバー11を移動させる第1移動機構110と、第2チャンバー12を移動させる第2移動機構120と、を含む。また、第1移動機構110は、第1チャンバー11を支持する第1支持部材112と、第1支持部材112が移動可能に取り付けられた第1レール114と、を有し、第2移動機構120は、第2チャンバー12を支持する第2支持部材122と、第2支持部材122が移動可能に取り付けられた第2レール124と、を有する。
【0154】
このように、粒子製造装置100では、第1チャンバー11が第1支持部材112によって支持されているため、第1チャンバー11のクリーニングの際に、作業者が第1チャンバー11を支持しなくてもよい。第2チャンバー12についても同様である。したがって、粒子製造装置100では、容易に、チャンバーをクリーニングすることができる。
【0155】
粒子製造装置100では、第1レール114は、鉛直方向に延びる鉛直部分114aと、水平方向に延びる水平部分114bと、を有する。また、第2レール124は、鉛直方向に延びる鉛直部分124aと、水平方向に延びる水平部分124bと、を有している。
【0156】
そのため、粒子製造装置100では、第1チャンバー11を上下方向に移動させたり、第1チャンバー11を水平方向に移動させたりすることができる。また、第2チャンバー12を上下方向に移動させたり、第2チャンバー12を水平方向に移動させたりすることができる。したがって、粒子製造装置100では、容易に、チャンバーをクリーニングできる。
【0157】
粒子製造装置100では、プラズマ発生部2の下に第1チャンバー11が位置し、第1チャンバー11の下に第2チャンバー12が位置し、第1チャンバー11および第2チャンバー12を下方向に移動させたときに、第1チャンバー11が第1レール114の鉛直部分114aに案内されて下方向に移動する距離は、第2チャンバー12が第2レール124の鉛直部分124aに案内されて下方向に移動する距離よりも短い(L1<L2)。そのため、粒子製造装置100では、第1チャンバー11および第2チャンバー12を下
に移動させることで、第2チャンバー12を第1チャンバー11から切り離すことができる。
【0158】
また、粒子製造装置100では、上述したように、L1<L2<L3<L4を満たすため、4段のチャンバーを下に移動させることで、各チャンバーを切り離すことができる。
【0159】
粒子製造装置100では、リフター50を含む。例えば、粒子製造装置100では、リフター50で第1チャンバー11および第2チャンバー12を下げたときに、第1チャンバー11は、鉛直部分114aに案内されて下方向に移動し、第2チャンバー12は、鉛直部分124aに案内されて下方向に移動して、第1チャンバー11と分離される。そのため、粒子製造装置100では、容易に、チャンバーをクリーニングできる。
【0160】
粒子製造装置100では、第1支持部材112は、第1チャンバー11を回転可能に支持するため、第1チャンバー11を任意の向きにして、クリーニングを行うことができる。さらに、第1支持部材112は、ロック機構を備えており、第1チャンバー11の回転角度を任意の角度で固定することが可能である。そのため、粒子製造装置100では、容易に、第1チャンバー11をクリーニングできる。
【0161】
粒子製造装置100は、第2チャンバー12の後段に配置された冷却器20と、冷却器20の後段に配置された第1回収容器40と、を含む。また、第1回収容器40は、粒子を収容する収容部42と、収容部42の入口を気密に封止するバルブ44と、を有する。そのため、粒子製造装置100では、回収された粒子を大気に暴露することなく、グローブボックス内に搬送できる。
【0162】
図28および図29は、第1回収容器40から密閉容器1004に粒子を移す様子を説明するための図である。
【0163】
接続管1002や、密閉容器1004、グローブボックス1000内は、例えばアルゴンや窒素などの酸素以外の高純度ガス雰囲気で置換してあり、水分濃度および酸素濃度が所定の値以下となっている。
【0164】
チャンバー内を大気に暴露する前に、第1回収容器40のバルブ44を閉じ、図28に示すように、第1回収容器40を180°回転させて、グローブボックス1000の接続管1002に取り付ける。このとき、第1回収容器40は、バルブ44が下、収容部42が上となるように取り付けられる。接続管1002は、グローブボックス1000の内と外を接続するための管である。
【0165】
グローブボックス1000内では、接続管1002に密閉容器1004が接続されている。この状態でバルブ44を開く。これにより、第1回収容器40内の粒子が、密閉容器1004に落下する。このとき、第1回収容器40を振動させて、内部に付着した粉末を落下させてもよい。
【0166】
図29に示すように、密閉容器1004に所定の量の粒子が収容されたところで、接続管1002から密閉容器1004を外し、密閉容器1004に蓋をする。これにより、粒子を大気に触れることなく、密閉容器1004に収容できる。
【0167】
6. 変形例
図30は、第1ユニット100aのフレーム4aの変形例を説明するための図である。
【0168】
図30に示すように、フレーム4aの支柱5は、伸縮可能に構成されていてもよい。例
えば、支柱5は、下から順に、第1支柱部材5a、第2支柱部材5b、第3支柱部材5cからなり、第3支柱部材5c内に、第1支柱部材5aおよび第2支柱部材5bが収容可能となっていてもよい。図30に示すように、フレーム4aを縮めた状態で、支柱5間に補強板8を取り付けてもよい。
【0169】
フレーム4aの支柱5を伸縮可能とすることによって、粒子製造装置100の輸送、組み立てが容易になる。
【0170】
図31は、第2ユニット100bのフレーム4bの変形例を説明するための図である。
【0171】
図31に示すように、フレーム4bの支柱7は、伸縮可能に構成されていてもよい。例えば、支柱7は、下から順に、第1支柱部材7a、第2支柱部材7b、第3支柱部材7cからなり、第3支柱部材7c内に、第1支柱部材7aおよび第2支柱部材7bが収容可能となっていてもよい。図31に示すように、フレーム4bを縮めた状態で、支柱7間に補強板8を取り付けてもよい。
【0172】
フレーム4bの支柱7を伸縮可能とすることによって、粒子製造装置100の輸送、組み立てが容易になる。
【0173】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0174】
2…プラズマ発生部、4a…フレーム、4b…フレーム、5…支柱、5a…第1支柱部材、5b…第2支柱部材、5c…第3支柱部材、6…接続部分、7…支柱、7a…第1支柱部材、7b…第2支柱部材、7c…第3支柱部材、8…補強板、11…第1チャンバー、12…第2チャンバー、13…第3チャンバー、14…第4チャンバー、20…冷却器、21…第1冷却板、22…第2冷却板、23…第3冷却板、24…第4冷却板、25…第5冷却板、26…第6冷却板、30…チーズ管、31a…第1開口、31b…第2開口、32…第1管、33…第3開口、34…第2管、36…接続管、40…第1回収容器、42…収容部、44…バルブ、50…リフター、52…バネ、54…キャスター、60…フィルター、61…フィルター容器、61a…蓋、61b…バネ、62…フランジ、64…ロート、66…チーズ管、66a…上部開口、66b…下部開口、70…第2回収容器、80…リフター、82…バネ、84…キャスター、90…真空排気装置、91…バルブ、92…逆洗機構、92a…ガスタンク、92b…バルブ、100…粒子製造装置、100a…第1ユニット、100b…第2ユニット、110…第1移動機構、112…第1支持部材、112a…車輪、112b…支持軸、112c…接続部材、114…第1レール、114a…鉛直部分、114b…水平部分、115a,115b,115c,115d…レール部材、120…第2移動機構、122…第2支持部材、124…第2レール、124a…鉛直部分、124b…水平部分、125a,125b,125c,125d…レール部材、130…第3移動機構、132…第3支持部材、134…第3レール、134a…鉛直部分、134b…水平部分、135a,135b,135c,135d…レール部材、140…第4移動機構、142…第4支持部材、144…第4レール、144a…鉛直部分、144b…水平部分、145a,145b,145c,145d…レール部材、210…第1冷却板移動機構、212…第1冷却板支持部材、212a…車輪、212b
…支持軸、214…レール、220…第2冷却板移動機構、222…第2冷却板支持部材、222a…車輪、222b…支持軸、224…レール、230…第3冷却板移動機構、232…第3冷却板支持部材、232a…車輪、232b…支持軸、234…レール、240…第4冷却板移動機構、242…第4冷却板支持部材、242a…車輪、242b…支持軸、244…レール、250…第5冷却板移動機構、252…第5冷却板支持部材、252a…車輪、252b…支持軸、254…レール、260…第6冷却板移動機構、262…第6冷却板支持部材、262a…車輪、262b…支持軸、264…レール、310…フィルター容器移動機構、312…フィルター容器支持部材、314…第5レール、314a…鉛直部分、314b…水平部分、315a,315b,315c,315d…レール部材、320…フランジ移動機構、322…フランジ支持部材、324…第6レール、324a…鉛直部分、324b…水平部分、325a,325b,325c,325d…レール部材、330…ロート移動機構、332…ロート支持部材、334…第7レール、334a…鉛直部分、334b…水平部分、335a,335b,335c,335d…レール部材、1000…グローブボックス、1002…接続管、1004…密閉容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図28
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