(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、および方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240520BHJP
G06F 21/33 20130101ALI20240520BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 L
G06F21/33
(21)【出願番号】P 2020114217
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】早川 武志
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-072730(JP,A)
【文献】特開2013-250760(JP,A)
【文献】特開2017-142766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 21/00
21/30 -21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャン機能を備える画像処理装置であって、
前記画像処理装置からクラウドサービスを利用するために、該画像処理装置に対応するウェブサイトを介してクラウドサービスを選択したうえで発行される確認用コードを入力するための入力手段と、
前記ウェブサイトを提供するサーバに対して、前記確認用コードを送信する送信手段と、
前記サーバで前記確認用コードに紐づき複数のクラウドサービスが管理されていた場合に、各クラウドサービスについて、前記画像処理装置でクラウドサービスを選択して利用する際に前記画像処理装置で表示される表示名の入力を受付ける受付手段と、
前記確認用コードに紐づき管理されていた複数のクラウドサービスのそれぞれについて受け付けた表示名を紐づけて保存する保存手段と、
前記保存手段は、前記受付手段が少なくともいずれかのクラウドサービスについて、さらに識別コードの入力を受付けた場合には、該クラウドサービスについて、表示名と識別コードとを紐づけて保存することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記サーバから、前記確認用コードに対応する前記複数のクラウドサービスのそれぞれを利用する際に必要なアクセストークンを取得する取得手段をさらに有し、
保存手段は、該クラウドサービスについて、さらに前記取得されたアクセストークンも紐づけて保存することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記複数のクラウドサービスについて、同じ表示名を利用する設定を受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記確認用コードを入力する前に、1つ
のクラウドサービスの利用のための処理を行うためのボタンと、複数のクラウドサービスの利用のための処理をまとめて行うためのボタンと、を選択させる選択手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数のクラウドサービスには、前記スキャン機能により得られたデータを保存するためのストレージサービスが含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数のクラウドサービスには、前記スキャン機能により得られたデータをファクス送信するためのファクスサービスが含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
スキャン機能を備える画像処理装置における方法であって、
前記画像処理装置からクラウドサービスを利用するために、該画像処理装置に対応するウェブサイトを介してクラウドサービスを選択したうえで発行される確認用コードを入力するための入力工程と、
前記ウェブサイトを提供するサーバに対して、前記確認用コードを送信する送信工程と、
前記サーバで前記確認用コードに紐づき複数のクラウドサービスが管理されていた場合に、各クラウドサービスについて、前記画像処理装置でクラウドサービスを選択して利用する際に前記画像処理装置で表示される表示名の入力を受付ける受付工程と、
前記確認用コードに紐づき管理されていた複数のクラウドサービスのそれぞれについて受け付けた表示名を紐づけて保存する保存工程と、
前記保存工程では、少なくともいずれかのクラウドサービスについて、さらに識別コードの入力を受付けた場合には、該クラウドサービスについて、表示名と識別コードとが紐づけて保存されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像処理装置で、ネットワークを介して提供されるクラウドサービスを利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやプリント、スキャナ機能を備える複合機などの画像処理装置では、ネットワークを介して提供されるクラウドサービスを利用することができるようになってきている。
【0003】
また、画像処理装置でスキャンしたデータをクラウドサービスに送信することができる。特許文献1では、PC上のスキャンアプリが、ワークフローで定義された、USBなどで接続されるスキャナで読み取った画像データの取得と、画像データのクラウドサーバへのアップロードとを含む一連の処理を実行する。PCは、ユーザのアカウント情報をクラウドサーバに送信して、該クラウドサーバからアクセストークンを取得しておく。スキャンアプリは、このアクセストークンとともに画像データをクラウドサーバへアップロードする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年ではクラウドサービスの種類が増え、また、画像処理装置から用途によってそれらクラウドサービスを使い分けることもある。そのような際には、画像処理装置に、複数のクラウドサービスを利用するために、それらについて同様の登録処理を複数回、繰り返して行うことになり、それが手間であることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スキャン機能を備える画像処理装置であって、前記画像処理装置からクラウドサービスを利用するために、該画像処理装置に対応するウェブサイトを介してクラウドサービスを選択したうえで発行される確認用コードを入力するための入力手段と、前記ウェブサイトを提供するサーバに対して、前記確認用コードを送信する送信手段と、前記サーバで前記確認用コードに紐づき複数のクラウドサービスが管理されていた場合に、各クラウドサービスについて、前記画像処理装置でクラウドサービスを選択して利用する際に前記画像処理装置で表示される表示名の入力を受付ける受付手段と、
前記確認用コードに紐づき管理されていた複数のクラウドサービスのそれぞれについて受け付けた表示名を紐づけて保存する保存手段と、前記保存手段は、前記受付手段が少なくともいずれかのクラウドサービスについて、さらに識別コードの入力を受付けた場合には、該クラウドサービスについて、表示名と識別コードとを紐づけて保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像処理装置から複数のクラウドサービスを利用するために行われる、画像処理装置での事前の登録処理における操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システム構成と、画像処理装置のブロック構成と、を示す図である。
【
図2】Webサーバにおける、クラウドサービスの使用を開始するためのIDの発行に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図3】Webサーバとクラウドサービスとの間で行われるソーシャルログインのための処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】複合機における、クラウドサービスの利用登録のための処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】Webサーバが提供するクラウドサービスを選択するための画面の例である。
【
図6】ソーシャルログインのためのアカウントを選択するための画面の例である。
【
図7】クラウドサービスの選択を続けるか問合わせるための画面の例である。
【
図8】Webサーバが提供する登録IDの発行完了の画面の例である。
【
図9】複合機における、利用するクラウドサービス一覧画面の例である。
【
図10】複合機における、登録IDを受付けるための画面の例である。
【
図11】複合機で利用するクラウドサービスを選択するための画面の例である。
【
図12】複合機における、表示名とPINの入力を受付けるための画面の例である。
【
図13】複合機における、複数のクラウドサービス間で同じ表示名とPINを使用するかを問合わせる画面の例である。
【
図14】複合機における、クラウドサービスの登録完了を通知する画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施例に適応可能なシステム構成と、システムに含まれる画像処理装置のブロック構成と、を示す図である。
【0011】
101は、画像処理装置の一例であるスキャン機能やプリント機能を備える複合機である。複合機101は、ハードウェア構成として103~111に示す構成を備えており、各構成はシステムバス102に接続されている。また、複合機101は、ディスプレイ112やタッチパネル113も備えている。ROM104にはオペレーティングシステム及び、複合機各機能を制御するソフトウェアが格納されており、CPU103で実行される。RAM105は、本発明を実現するためのプログラムを含む、様々なプログラムを実行するためのワークメモリエリアである。また、RAM105は、ネットワーク通信によりWebサーバから取得してきたデータやWebサービスにアクセスするための認証情報などを一時記憶するためのメモリでもある。記憶装置110は不揮発性の記憶装置であり、複合機の再起動後も保持しておく必要のある各種動作モード設定や、稼働ログなどが記憶される。
【0012】
NetworkController106は、複合機の通信制御を行う。無線通信なども含まれる。印刷制御部107は複合機のプリント機能による印刷に関する制御を行っている。表示制御部108は、複合機にて出力する情報の制御を行っている。入力制御部109は、複合機のボタンやタッチパネル113にてユーザが指示した情報の制御を行っている。スキャナ制御部111は複合機のスキャン機能に関する制御を行っている。これらの印刷制御部107、表示制御部108、入力制御部109、スキャナ制御部111を利用して、複合機のさまざまな情報をユーザに提供する。
【0013】
また、複合機101は、NetworkController106を介しインターネット114に接続することができる。Webサーバ115は、複合機を利用するためのWebサイトやサービスが用意されている。クラウドサービス116は、インターネットを介しストレージなどを利用できるサービスのひとつである。例えば、クラウドサービス116は、複合機101でスキャンしたデータを保存して、閲覧可能に管理するストレージサービスである。クラウドサービス117は、クラウドサービス116とは異なるクラウドサービスのひとつである。例えば、クラウドサービス117は、ファイル形式などに依存せずにノート形式でデータを管理するサービスである。なお、複合機101は、不図示の他のクラウドサービスとも連携すること可能である。
【0014】
Webサーバ115、クラウドサービス116、117は、以下のような一般的なハードウェア構成(不図示)を備える情報処理装置によって、後述の処理を実現するためのプログラムを実行することで実現される。
【0015】
情報処理装置は、ハードウェア構成として、CPU、RAM、ROM、HDDなどの記憶手段、およびネットワークインタフェースなどを少なくとも備える。CPUは、RAMをワークエリアとして、ROM及び記憶手段に格納されたOSや各種プログラムを実行する。ネットワークインタフェースは、インターネット114等のネットワークに接続し、各種通信を実現する。
【0016】
なお、Webサーバ115、クラウドサービス116、117は、クラウドコンピューティング技術によって実現することも可能である。その場合は、上述のような構成を備える情報処理装置を1以上用いて構築されたデータセンターで提供されるハードウェアおよびソフトウェアのリソース上で動作する仮想マシンなどを用いて、本発明に係るプログラムが実行されることになる。
【0017】
図2は、Webサーバ115における、クラウドサービスの使用を開始するためのIDの発行に関する処理を説明するためのフローチャートである。ここで発行されたIDは、複合機101からで利用される。
【0018】
S201において、Webサーバ115は、インターネット114を介し、Webサーバ115が提供するID発行サービスへのアクセスを受け付ける。このアクセスは、ユーザがウェブブラウザを利用して、複合機の開発元や販売元の企業が提供するウェブサイトなどを通じて行われる。
【0019】
S202において、Webサーバ115は、ユーザが複合機で利用するクラウドサービスの選択を受け付ける。例えば、ID発行サービス501が、
図5に示す画面を提供することで、選択を受け付ける。
【0020】
図5において、502はウェブブラウザのアドレス入力部であり、ID発行サービス501にアクセスするためのURLが設定されている。ID発行サービス501が提供する画面を介して、ユーザは、複合機で使用することができるクラウドサービスを1つ以上選択することができる。503、504、505、506は、選択可能なクラウドサービスをあらわすボタンである。本実施例では、複合機のユーザが良く使用する、スキャン機能で得られたデータを保存できるストレージサービスなどを含む複数のサービスから、任意のクラウドサービスが1以上選択されることを想定している。複数のクラウドサービスには、ほかにも、プリントサービス、スキャンで得られた画像データをファクス送信するファクスサービスなどが含まれる。
【0021】
S203において、Webサーバ115は、ユーザにS202で選択されたクラウドサービスに対する認証をうながす。これは、ソーシャルログインと呼ばれる技術を利用するためである。
図3で、S203のサブルーチンについて、詳細に説明する。Webサーバ115は、この処理により、選択クラウドサービスからアクセストークを取得することができる。
【0022】
図6は、ソーシャルログインを実現する際にウェブブラウザに表示される画面601の例である。ユーザによりクラウドサービスが選択された場合にこの画面が表示される。画面601にはアカウント選択部602があり、クラウドサービスでの認証に使用するアカウントをユーザに選択させる。
【0023】
S204において、Webサーバ115は、
図7で示すように、ユーザに他のクラウドサービスも利用するか、クラウドサービスの選択を終了するかを問い合わせる画面(701)を表示する。画面701には、他のクラウドサービスも利用したい場合に選択するためのボタン702と、選択を終了するためのボタン703が用意されている。この画面を介して受け付けたユーザ選択が、他のクラウドサービスを利用するとの選択であった場合はS202へ戻る。クラウドサービスの選択を終了する選択を受け付けた場合にはS205に進む。
【0024】
S205において、Webサーバ115は、S202からS204の処理で選択された1以上のクラウドサービスを複合機から利用するために必要となる登録IDを発行する。登録IDは11桁程度の数字であらわす確認用コードである。本実施例では、複数サービスが選択されていた場合の登録IDを、とくに、「複数サービス登録ID」と呼ぶ場合もある。
【0025】
S205において、Webサーバ115は、登録IDと、ユーザから選択された1以上のクラウドサービスのそれぞれから取得できたアクセストークンと、を紐付けて保存する。
【0026】
S207において、Webサーバ115は、ID発行サービスとして提供する画面上にS205で発行した登録IDを表示することで、そのユーザに登録IDを提示し、そして、本処理を終了する。
図8は、S207の処理の一例で、ID発行サービスが提供する登録IDの発行完了を示す画面801である。この画面で、Webサーバ115のID発行サービスにより発行された登録ID802が表示される。画面801では、クラウドサービスA、クラウドサーサービスBの2つに対して共通に利用する1つの登録IDが発行されたことを示している。なお、電子メールなど、他の手段で、ユーザに登録IDを同様の情報を提示してもよい。また、1つのクラウドサーサービスしか選択されなかった場合であっても、同様に、発行された登録IDがユーザに提示されることになる。
【0027】
図3は、前述したS203における処理のシーケンスを説明するための図である。
【0028】
S301において、Webサーバ115は、S202で選択されたクラウドサービス116に対しリクエストトークンの要求を行う。S302において、クラウドサービス116は、リクエストトークンを発行し、URLをWebサーバ115に送信する。次にS303において、Webサーバ115は、S302より受け取ったURLにリダイレクトを行う。S304において、クラウドサービス116は、認証画面を表示する。ここでは、リダイレクトにより、ユーザが利用しているウェブブラウザのアクセス先がWebサーバ115からクラウドサービス116に切り替わり、クラウドサービス116が提供する認証画面がそのウェブブラウザが表示される。
【0029】
S305において、ユ-ザは表示された認証画面に対して、アカウント情報、パスワードの入力を行う。クラウドサービス116は、認証画面を介して入力されたアカウント情報及びパスワードを用いた認証処理を実行することになる。
【0030】
S306において、クラウドサービス116は、Webサーバ115に対するリダイレクトを行う。S307において、Webサーバ115は、クラウドサービス116にアクセストークンの要求を行う。S308において、クラウドサービス116は、前述の認証処理が成功していたことに応じて、アクセストークンの発行を行う。S309において、Webサーバ115は、クラウドサービス116から発行されたアクセストークンを受信して、自身の記憶手段に保存する。
【0031】
図4は、複合機101における、クラウドサービスの利用登録のための処理を説明するためのフローチャートである。本処理は、複合機101のCPU103がRAM105を用いてプログラムを実行することにより実現される処理である。
【0032】
S401で、複合機101は、表示制御部108によって、
図9で示すように、複合機で利用可能なクラウドサービス一覧を含む画面901を表示して、ユーザからの選択を受け付ける。この画面における選択項目には、各クラウドサービス902、903、904に加えて、複数サービスを一括登録するための複数サービス登録IDを使用するための複数登録ボタン905という選択肢を設けている。
【0033】
S402において、複合機101は、複数登録ボタン905の選択が行われたかどうかを判定する。複数登録ボタン905の選択が行われていた場合はS403に進み、1つのクラウドサービスに対応するボタンの選択が行われていた場合はS411に進む。
【0034】
S411において、複合機101は、表示制御部108により
図10で示す登録IDの受付画面1001を表示して、ユーザからの登録IDの入力を受付ける。ユーザは、S207で提示された登録IDを入力欄1002に入力する。S412において、複合機101は、入力された登録IDを、NetworkController106を介してWebサーバ115に送信する。Webサーバ115で入力された登録IDを照合し、その結果として、複合機101は、Webサーバ115から、その登録IDに紐づけて保存されていたアクセストークンを取得する。
【0035】
その後、複合機101は、表示制御部108により
図12で示す画面1201を表示する。S413において、複合機101は、複合機における表示名のユーザ入力を、入力欄1202を介して受付ける。この表示名は、今後、ユーザがそのクラウドサービスを利用する際に、そのクラウドサービスにおける保存先(アカウント)の複合機101での選択のために利用される。この「表示名」は、複合機101を利用するユーザでクラウドサービスのデータ保存先を把握するために用いる情報で、クラウドサービス上で用いているアカウント名などと一致させる必要はない。S414において、複合機101は、今後、ユーザがそのクラウドサービスを利用する際に用いる識別コードのユーザ入力を、入力欄1203を介して受付ける。ここで利用される識別コードの例は、PIN(Personal Identification Number)コードである。なお、PINの入力は任意でよい。PINが入力されなかった場合は、それ以降、複合機101からPINなしで、アクセストークンを用いたクラウドサービスの利用が行われることになる。
【0036】
S403において、複合機101は、表示制御部108により登録IDの受付画面1001を表示して、ユーザからの登録IDの入力を受付ける。ユーザは、S207で提示された「複数サービス登録ID」を入力欄1002に入力する。
【0037】
S404において、複合機101は、S403で入力された複数サービス登録IDを、NetworkController106を介してWebサーバ115に送信する。Webサーバ115ではその複数サービス登録IDが照合され、その結果として、複合機101は、Webサーバ115から、その複数サービス登録IDに紐づけて保存されていた複数のアクセストークンを取得する。
【0038】
次にS405において、複合機101は、表示制御部108により
図11で示す複数サービス登録IDに対応する複数のクラウドサービスの一覧を含む画面1101を表示する。ユーザに、この画面1101では、複数サービス登録IDに対応する複数のクラウドサービス1102、1103が選択可能になっており、対応しないクラウドサービス1104は選択不可状態になっている。対応しないクラウドサービスは非表示としてもよい。
【0039】
画面1101での選択の後、複合機101は、表示制御部108により
図12で示す画面1201を表示する。S406において、複合機は、画面1101で選択されたクラウドサービスについての表示名を、入力欄1203を介して受付ける。さらに、S407において、画面1101で選択されたクラウドサービスについてのPINを、入力欄1203を介して受付ける。なお、PINの入力は任意でよい。表示名とPINの入力については、S413、S414と同様である。
【0040】
S408において、複合機101は、複数サービス登録IDに対応する複数のクラウドサービスの中で、画面1101を介して未選択のクラウドサービスがあるかどうかを判定する。未選択のクラウドサービスがある場合はS409に進み、無い場合にはS410に進む。
【0041】
S409において、複合機101は、S406、S407で受け付けた表示名、PINを、複数サービス登録IDに対応する他のクラウドサービスでも使用するかどうかを、表示制御部108により
図13で示す画面1301を表示することで、問合わせる。画面1301では、他のクラウドサービスでも同じ情報を使用することを選択するボタン1302と、使用しないことを選択するボタン1303が配置されている。ボタン1302が選択された場合にはS410に進み、ボタン1303が選択された場合にはS405に戻る。複数のクラウドサービスの利用時に、同じ表示名、PINを利用するで、ユーザは、複合機101からいずれのクラウドサービスを利用する際にも、同じ入力で、事前取得したアクセストークンを用いたサービス利用が実現できる。つまり、複合機101からのクラウドサービスの利用において、他人に自分のアカウントを利用されにくくなるといったセキュリティと、サービスごとの複数の表示名とPINの組合せを覚える必要がないといった利便性とが向上する。
【0042】
S410において、複合機101は、表示名、PINとアクアセストークンを紐付けて、記憶装置110に保存する。S415において、複合機101は、表示制御部108により
図14で示す登録完了を示す画面1401を表示し、本処理を終了する。画面1401は、2つのクラウドサービスが利用できるようになったことを示している。
【0043】
(他の実施例)
本発明は、上述した実施形態を適宜組み合わせることにより構成された装置あるいはシステムやその方法も含まれるものとする。
【0044】
ここで、本発明は、上述した実施形態の機能を実現する1以上のソフトウェア(プログラム)を実行する主体となる装置あるいはシステムである。また、その装置あるいはシステムで実行される上述した実施形態を実現するための方法も本発明の一つである。また、そのプログラムは、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給され、そのシステム或いは装置の1以上のコンピュータ(CPUやMPU等)によりそのプログラムが1以上のメモリーに読み出され、実行される。つまり、本発明の一つとして、さらにそのプログラム自体、あるいは該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な各種記憶媒体も含むものとする。また、上述した実施形態の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても、本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0045】
101 複合機
114 インターネット
115 Webサーバ
116、117 クラウドサービス