(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240520BHJP
【FI】
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2020116594
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】池田 睦
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-014603(JP,A)
【文献】特開2012-141709(JP,A)
【文献】特開2015-138496(JP,A)
【文献】特表2015-520894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0088847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G06F 40/00 -40/197
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページを表示させるための第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントとは異なる第2のコンポーネントとが含まれるアプリケーションを実行する情報処理装置であって、
前記第1のコンポーネントで表示されるWebページにおいて、外部から取得される外部フォントであって、複数の外部フォントの使用が規定されている場合、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを、当該Webページにおける前記複数の外部フォントそれぞれの使用態様に基づいて、前記複数の外部フォントから選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記外部フォントを用いて前記第2のコンポーネントにおける描画を行う描画手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントそれぞれが適用された文字列の表示サイズに基づいて、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントそれぞれが適用された文字列の文字サイズと文字数の積に基づいて、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを選択することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントそれぞれが適用された文字列に施された装飾に基づいて、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを選択することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントそれぞれが適用された文字列の表示サイズと、当該文字列に施された装飾に基づく係数との積に基づいて、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記装飾は、下線、太字、文字色、文字の背景色またはアニメーションであることを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを前記複数の外部フォントから一つ選択することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アプリケーションに、第3のコンポーネントが含まれる場合、前記選択手段は、前記第2のコンポーネントと前記第3のコンポーネントとで、互いに異なる前記外部フォントを、使用するフォントとして選択することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記選択手段は、前記第2のコンポーネントおよび前記第3のコンポーネントにて表示される文字列の表示サイズおよび当該文字列に施される装飾に基づいて、前記第2のコンポーネントと前記第3のコンポーネントとで、互いに異なる前記外部フォントを、使用するフォントとして選択することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントに含まれる第1の外部フォントが適用される第1の文字列の表示サイズと当該第1の文字列に施される装飾に基づく係数との積が、前記Webページにおいて、前記複数の外部フォントに含まれる第2の外部フォントが適用される第2の文字列の表示サイズと当該第2の文字列に施される装飾に基づく係数との積より大きく、かつ、
前記第2のコンポーネントにて表示される第3の文字列の表示サイズと当該第3の文字列に施される装飾に基づく係数との積が、前記第3のコンポーネントにて表示される第4の文字列の表示サイズと当該第4の文字列に施される装飾に基づく係数との積より大きい場合、
前記選択手段は、前記第1の外部フォントを前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォント
として選択し、前記第2の外部フォントを前記第3のコンポーネントにおいて使用するフォント
として選択することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1のコンポーネントは、WebViewであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2のコンポーネントは、Webページを表示しないGUI部品であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記アプリケーションは、ブラウザアプリケーションであり、
前記第1および第2のコンポーネントは、タブであり、
前記選択手段は、前記第2のコンポーネントのタブタイトルで使用するフォントを選択することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記選択手段により選択された前記外部フォントを前記アプリケーションの説明文に適用することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記選択手段は、前記Webページのコードにおいて、初めに記載された前記外部フォントを前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントとして選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記外部フォントは、Webフォントであることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
Webページを表示させるための第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントとは異なる第2のコンポーネントとが含まれるアプリケーションを実行する情報処理装置による情報処理方法であって、
前記第1のコンポーネントで表示されるWebページにおいて、外部から取得される外部フォントであって、複数の外部フォントの使用が規定されている場合、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを、当該Webページにおける前記複数の外部フォントそれぞれの使用態様に基づいて、前記複数の外部フォントから選択する選択工程と、
前記選択工程において選択された前記外部フォントを用いて前記第2のコンポーネントにおける描画を行う描画工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータを請求項1から16のいずれか1項に記載の情報処理装置として動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webページを表示するための処理に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、Webブラウザ(以下、ブラウザ)を搭載し、そのブラウザ上でWebページを閲覧できる機能を有する装置が普及している。またブラウザと同等の機能を持ち、装置上のアプリケーションを構成する要素として利用可能なWebViewと呼ばれるGUI部品(GUIコンポーネント)がある。WebViewは、アプリケーション内でWebページを表示できる機能のことである。装置上のアプリケーションは、このWebViewを利用してアプリケーション画面上でブラウザと同等の表現や機能を実現できる。
【0003】
他方で、Webページの表現方法として、外部サーバに格納された外部フォントを利用するWebフォントと呼ばれる仕組みがある。ここで外部フォントとは、Webフォントの仕組みで利用するために外部サーバ上に配置されたフォントを指す。
【0004】
WebフォントはCSS Fonts Module Level 3標準仕様で策定された技術である。なお、CSSはCascading Style Sheetsの略であり、CSSは、Webページの装飾・スタイルを指定するスタイルシートの仕様である。
【0005】
特許文献1において、アプリケーション画面において、WebView以外のGUI部品にも外部フォントを適用する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、WebViewでWebフォントの仕組みを利用した場合、WebView以外のGUI部品にその外部フォントを適用することで、アプリケーション内の各部品のフォントを統一していた。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、WebViewで複数種類の外部フォントを利用する場合が想定されておらず、WebView以外のGUI部品に複数種類の外部フォントから適切な外部フォントを選択する点において改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を鑑み、本発明に係る情報処理装置は、Webページを表示させるための第1のコンポーネントにおける複数の外部フォントの使用形態に基づいて、第2のコンポーネントで使用する外部フォントを選択する。
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、Webページを表示させるための第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントとは異なる第2のコンポーネントとが含まれるアプリケーションを実行する情報処理装置であって、
前記第1のコンポーネントで表示されるWebページにおいて、外部から取得される外部フォントであって、複数の外部フォントの使用が規定されている場合、前記第2のコンポーネントにおいて使用するフォントを、当該Webページにおける前記複数の外部フォントそれぞれの使用態様に基づいて、前記複数の外部フォントから選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記外部フォントを用いて前記第2のコンポーネントにおける描画を行う描画手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、Webページを表示させるための第1のコンポーネントにおける複数の外部フォントの使用形態に基づいて、第2のコンポーネントで使用する外部フォントを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置の処理の流れを示したフローチャートである。
【
図4】CSSによりWebフォントがHTML要素に適用される場合のコード例と描画例とを示す図である。
【
図5】装飾情報と係数との関係の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態によるアプリケーションの表示例である。
【
図7】変形例1の処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】変形例1によるアプリケーションの表示例である。
【
図9】変形例2の処理の流れを示したフローチャートである。
【
図10】変形例2によるアプリケーションの表示例である。
【
図11】変形例2-2の処理の流れを示したフローチャートである。
【
図12】変形例2-2によるアプリケーションを起動するためのアイコンとの説明文を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施形態の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一な構成については、同じ符号を付して説明する。
【0014】
本実施形態では、Webページが利用する外部フォントの中からWebView以外のGUI部品が利用する外部フォントを、WebViewにおける外部フォント(Webフォント)の使用態様に基づいて適切に選択する。なお、GUI部品(GUIコンポーネント)とは、ボタン、テキストボックスやウィンドウなどGUI(グラフィカルインターフェース)において画面を構成する部品である。GUI部品は、ウィジェットとも呼ばれる。
【0015】
本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成について、
図1を参照して説明する。
図1において、101は情報処理装置100全体を制御するCentral Processing Unit(CPU)である。102は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。103は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。
【0016】
104は保持するデータや供給されたデータを表示するためのインタフェースである。105は101~104の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。ユーザからの操作を受けてデータを入力するマウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどの入力デバイスとのインタフェース等があってもよい。
【0017】
また情報処理装置100にハードディスクなどの記憶装置を別途設けてもよい。あるいは情報処理装置100から着脱可能なフレキシブルディスク(FD)やCompact Disk(CD)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカード、メモリカードなどを含む外部記憶装置等があってもよい。さらにインターネットなどのネットワーク回線に接続するためのネットワークインターフェイス等があってもよい。
【0018】
情報処理装置100の機能構成について、
図2を参照して説明する。以降に示す機能構成は、CPU101がROM102や外部記憶装置に記憶されるプログラムを読み込み実行することにより情報の演算および加工、各ハードウェアの制御を行うことで実現される。なお、各機能構成をASICやFPGAなどのハードウェアにより実現してもよい。
【0019】
図2において、解釈部202は、Webページ201を解析し、さらに実行する。ここで、解釈部202の利用形態は、WebViewでもよいし、ブラウザアプリケーションでもよい。なお、Webページ201は外部サーバから送られてくるデータであっても良いし、装置上に保存されているデータであってもよい。
【0020】
適用要素取得部203は解釈部202がWebページ201を解析した情報をもとに、Webフォントが適用されたHTML要素を取得する。表示サイズ算出部204は、適用要素取得部203から得られたHTML要素を基に、Webフォントが適用された文字列の表示サイズを算出する。装飾情報取得部205は、適用要素取得部203から得られたHTML要素を基に、HTML要素に施された装飾情報を取得する。印象度算出部206は、WebViewなどにより表示されるWebページにおけるWebフォントの使用態様に基づいて、Webページを表示しないGUI部品に適用するWebフォントを選択するための情報である印象度を算出する。印象度算出部206は、表示サイズ算出部204で得られた表示サイズと、205で得られた装飾情報をもとに印象度を算出する。なお、印象度とは、WebページにおけるWebフォントの使用態様が印象的かどうかの度合いを示すものである。外部フォント通知部207は、印象度算出部206の結果をもとに、WebView以外のGUI部品に外部フォントを通知する。
【0021】
図3は本実施形態の情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図3および以降で示すフローチャートにおける各ステップの処理は、CPU101がROM102や外部記憶装置に記憶されるプログラムを読み込み実行することにより情報の演算や加工および各ハードウェアの制御を行うことで実現される。なお、
図4および以降に示すフローチャートにおける各ステップの処理の一部ないし全部を一つまたは複数のASICやFPGAなどのハードウェアにより実現する構成としてもよい。
図3に示すフローチャートは、Webページを表示させるためのGUI部品と、Webページを表示せず、Webページ以外のコンテンツを表示するためのGUI部品とが含まれるアプリケーションを情報処理装置100が実行する際に開始される。
【0022】
まず、情報処理装置100は、解釈部202にて、Webページを表示させるためのGUI部品で表示されるWebページ201を読み込む(S301)。ここで、Webページ201はHTML文書、JavaScript(登録商標)、CSSファイル、外部フォント、画像などを含む。
【0023】
続いて、解釈部202は、Webページ201のHTML文書の上から順にHTML要素を解析する(S302)。次に、情報処理装置100は、CSSによってWebフォントが適用された要素があるか否か判断する(S303)。なお、Webフォントは、外部サーバ上に配置され、情報処理装置100が標準として対応している標準フォントとは異なるフォントを指す。また、情報処理装置100は、S303において、Webページ201に規定されるWebフォントの種類の数を判定し、その数が複数であれば、S304に処理を進める構成としてもよい。Webページ201に規定されるWebフォントの種類の数が一つであれば以降の処理を省略し、そのWebフォントを、Webページを表示せず、Webページ以外のコンテンツを表示するためのGUI部品に提供するフォントとして決定してもよい。
【0024】
S303の結果、Webフォントが適用されたHTML要素だった場合、情報処理装置100は、適用要素取得部203にて、そのHTML要素を取得する(S304)。一方で、S303の結果、Webフォントが適用されたHTML要素でなかった場合、情報処理装置100は、次のHTML要素を解析する。
【0025】
ここで、CSSによりWebフォントがHTML要素に適用された例を
図4に示す。
図4は新年初売りイベントの告知ページの例である。
図4(A)に、コードの記載例を示す。
図4(A)に示す記載例では、HTML要素に対する装飾を指定するstyle要素が1個、Webページ上に文字列を表示するdiv要素が5個ある。なお、divは、要素をブロックレベル要素としてグループ化することができるタグである。idがsubとなっているdiv要素が、ヘッダ領域とフッタ領域を意味する。一方で、idがmainとなっているdiv要素で囲まれた箇所が、本文領域を意味する。
図4(A)をブラウザアプリケーションで描画すると、
図4(B)のような見た目になる。
図4(B)を見て分かる通り、ヘッダ領域とフッタ領域よりも、本文領域の方が、印象が強い。
【0026】
図4(A)のstyle要素の記述を見ると、idがsubの要素に対して、font-familyをSub Fontと指定している。またidがmainの要素に対して、font-familyをMain Fontと指定している。これらのfont-familyは、@font-faceの記述により、それぞれ外部フォントとして、sub.ttfとmain.ttfが指定されている。
図4(A)に記載のWebページを解析すると、S303の結果、本実施形態では全てのdiv要素が、Webフォントが適用されたHTML要素と判断される。
【0027】
続いて、情報処理装置100は、表示サイズ算出部204にて、S304で取得したHTML要素である文字列の表示サイズを算出する(S305)。本実施形態では、表示サイズの算出には、文字サイズと文字数の積を利用する。
図4(A)の例で表示サイズを算出すると、最初のdiv要素の文字サイズは10pxであり、文字数は空白文字を含めて15文字である。よって、表示サイズは10×15=150と算出される。一方で、2つ目のdiv要素の文字サイズは24pxであり、文字数は子要素のdiv要素の文字数を合計すると40文字である。よって、表示サイズは24×40=960となる。
【0028】
なお、上述した表示サイズの算出方法は、一例であり、これ以外の算出方法であっても良い。例えば、表示サイズを領域の面積を求める構成としてもよい。また解釈部202が内部メモリに表示サイズを保持している場合、それを取得しても良い。
【0029】
続いて、情報処理装置100は、装飾情報取得部205にて、S304で取得したHTML要素である文字列に施された装飾情報を取得する(S306)。
図4(A)の例で示すと、最初のdiv要素には装飾情報がなく、2つ目のdiv要素には、font-weight: bold;が指定されている。font-weight: bold;は太字を示すため、装飾情報として太字が取得される。装飾情報取得部205が取得する装飾情報の一例としては、下線、太字、文字色、文字の背景色、アニメーションなどである。
【0030】
続いて、情報処理装置100は、解釈部202にて、HTML要素の解析が終了したか否か判断する(S307)。S307の判断の結果、解析が終了していない場合、処理をS302に移す。一方で、解析が終了した場合、情報処理装置100は、印象度算出部206にて、外部フォントごとに印象度を算出する(S308)。印象度は表示サイズと装飾情報による係数の積を利用する。また外部フォントを指定されたHTML要素が複数存在する場合、外部フォントごとにそれぞれの印象度を合算する。なお、同一の外部フォントが指定されたHTML要素が複数存在する場合、これらのうち最も高い印象度を当該外部フォントの印象度とする構成としてもよい。
【0031】
ここで、装飾情報ごとの係数を
図5に示す。例えば、
図5で太字は係数が1.2である。よって、HTML要素にfont-weight: bold;が指定された場合、係数が1.2となる。HTML要素に指定できる装飾情報には表示位置、太字、文字の色、文字の背景色、アニメーションなどがある。これらの情報を選択的に印象度の算出に用いても良い。また、装飾情報の内容によって係数を変えてもよい。例えば、文字色が赤色の場合、係数を1.5とし、青色の場合は、係数を1.4とするように、装飾情報の種別のみならず、装飾情報の内容に応じて係数を変えてもよい。また、一つの要素に複数の装飾情報が規定されていた場合、これらの係数をそれぞれ乗じた値を、印象度の算出に用いてもよいし、複数の装飾情報の係数のうち最も大きい値を印象度の算出に用いてもよい。
【0032】
図4(A)の例で印象度を算出すると、外部フォントであるsub.ttfが指定されている最初のdiv要素の印象度は、表示サイズが150であり装飾情報はないため、印象度は150×1.0=150となる。さらに最後のdiv要素にもsub.ttfが指定されており、表示サイズが150であり装飾情報はないため、印象度は150×1.0=150となる。sub.ttfの印象度はこれらの合計で150×2=300となる。
【0033】
一方で、idがmainに指定され、外部フォントであるmain.ttfが指定されている2つ目のdiv要素は装飾情報としてfont-weight: bold;(太字)が指定されているので、係数は1.2となる。よってmain.ttfの印象度は表示サイズと装飾情報による係数の積で、960×1.2=1152となる。
【0034】
続いて、情報処理装置100は、外部フォント通知部207にて、WebView以外のGUI部品に通知する外部フォントを決定する(S309)。
図4(A)の例で判断すると、sub.ttfの印象度は300であり、main.ttfの印象度が1152であるため、main.ttfをWebView以外のGUI部品に通知する。
【0035】
情報処理装置100は、外部フォント通知部207にて通知した外部フォントをWebView以外のGUI部品にも適用して描画し、アプリケーションの画面を表示させる。
【0036】
ここで、本実施形態を適用した場合の表示例を、
図6を用いて示す。
図6(B)は本実施形態を適用した場合の表示例である。612はWebViewであり、613~615はWebView以外のGUI部品である。612に表示されたWebページは
図4のWebページと同じである。本実施形態を適用した場合、WebView612の中で、印象度が高く、最も見た目の印象が強いと考えられる本文領域の外部フォント(main.ttf)が613~615に適用される。
【0037】
このように、複数のWebフォントを利用するWebViewを含むアプリケーションにおいて、印象度が高いWebフォントをWebView以外のGUI部品にも適用する。これにより、アプリケーションにおいて、WebViewでは、Webフォントが使われ、WebView以外では、標準フォントが使用されるということがなくなり、統一感を向上させることができる。また、複数のWebフォントのうち、表示サイズや装飾により注目すべき領域にある文字に適用されているWebフォントをWebView以外のGUI部品にも適用するため、Webページのデザインの意図をアプリケーション全体で維持することが可能となる。
【0038】
なお、上述の説明において、Webフォントの使用態様として表示サイズと装飾情報とを併用して、複数のWebフォントのうち、WebView以外のGUI部品に適用するフォントを決定する構成としたが、これに限られず他の使用態様を用いてもよい。例えば、表示サイズまたは装飾情報のうちのいずれか一方のみを用いて、複数のWebフォントのうち、WebView以外のGUI部品に適用するフォントを決定する構成としてよい。
【0039】
また、例えば、表示サイズおよび装飾情報以外の情報を用いて複数のWebフォントのうち、WebView以外のGUI部品に適用するフォントを決定する構成としてよい。例えば、コード上で初めに記載されたWebフォントを、WebView以外のGUI部品に適用するフォントを決定する構成としてよい。
【0040】
図6(A)は、コード上で初めに記載されたWebフォントを、WebView以外のGUI部品に適用するフォントとした場合の表示例である。
図6(A)において、601はWebViewを利用したアプリケーションである。602はWebViewであり、603~605はWebView以外のGUI部品である。602に表示されたWebページは
図4のWebページと同じである。WebView602に表示されるWebページの先頭はヘッダ領域であるあるため、ヘッダ領域で利用される外部フォントが603~605に適用される。
【0041】
本実施形態によれば、アプリケーションのGUI部品であるWebViewにおいて複数の外部フォントが使用される場合、WebViewにおけるWebフォントの使用態様に基づいて選択した外部フォントを、他のGUI部品に適用することができる。具体的には、本実施形態では、WebViewにおいて使用される複数の外部フォントのうち、表示サイズが大きいまたは/および装飾されているような見た目の印象が強い領域の外部フォントを他のGUI部品に適用する。このようにすることで、複数の外部フォントを使用するWebViewと他のGUI部品により構成されるアプリケーションであっても、適切な外部フォントを他のGUI部品に適用され、アプリケーション全体で統一感を向上させることができる。
【0042】
<変形例1>
変形例1では、WebView以外のGUI部品が利用する外部フォントに、Webページが利用する外部フォントの中から、WebView以外のGUI部品にそれぞれ異なる外部フォントを選択する。具体的には、Webページが利用する外部フォントと、WebView以外のGUI部品を、それぞれ印象度の大きい順に並べ、外部フォントが同一順位の部品に適用されるようにする。
【0043】
図7は、変形例1における処理の流れを示すフローチャートである。
図7において、
図4と同じ処理を行うステップについては、
図4と同一の符号を付している。
図7においてS301~S308の処理は、
図4で説明した処理と同様のため、その詳細な説明は省略する。
【0044】
変形例1では、S308で印象度を算出した後、情報処理装置100は、WebView以外のGUI部品の印象度を算出する(S701)。ここで、印象度の算出方法は、上述した方法と同様として説明を行うが、別の算出方法を用いても良い。
【0045】
図6を例に、GUI部品の印象度の算出について説明すると、GUI部品603に表示される文字列の文字数は7文字で、フォントサイズは10pxなので、GUI部品603の印象度は7×10=70となる。GUI部品604も同様に計算すると印象度は70である。またGUI部品605に表示される文字列の文字数は23文字であり、フォントサイズは16pxなので、GUI部品の印象度は23×16=368となる。よって、印象度が高い順に並べると、GUI部品605、GUI部品603、GUI部品604の順となる。
【0046】
続いて、情報処理装置100は、外部フォント通知部207にて、WebView以外のGUI部品に対して、個別に外部フォントを通知する(S702)。
図4(A)の例で判断すると、sub.ttfの印象度は300であり、main.ttfの印象度が806.4であるため、603と604にsub.ttfを通知し、605にmain.ttfを通知する。
【0047】
なお、603と604の印象度が仮に異なる場合、603にsub.ttfを適用してもmain.ttfを適用してもよい。即ち、Webフォントの数とWebView以外のGUI部品の数が相違したり、WebView以外のGUI部品の印象度がそれぞれ同じ値ではなかったりする場合、一つのWebフォントを複数のGUI部品に適用してもよい。また、Webフォントの数とWebView以外のGUI部品の数が相違したり、WebView以外のGUI部品の印象度がそれぞれ同じ値ではなかったりする場合、WebView以外のGUI部品に適用しないWebフォントがあってもよい。
【0048】
ここで、変形例1によるWebViewを利用したアプリケーションの表示例を、
図8を用いて示す。
図8(A)は、
図6(B)と同一である。
図8(B)は変形例1を適用した場合の表示例である。
図8(A)と
図8(B)の違いは、613と614の外部フォントがmain.ttfであるのに対して、813と814の外部フォントがsub.ttfとなっている。
【0049】
本変形例によれば、WebViewで表示するWebページの外部フォントと、WebView以外のGUI部品の外部フォントの印象度を合わせることにより、視覚的な印象の強さに合わせた外部フォントの指定が可能となる。
【0050】
また、本変形例によれば、WebViewとWebページを表示しない複数のGUI部品とが含まれるアプリケーションにおいて、Webページを表示しない複数のGUI部品それぞれに、互いに異なり、より適した外部フォントを適用することが可能となる。
【0051】
なお、GUI部品ごとに適用するWebフォントを選択する構成としたが、GUI部品内のHTML要素ごとに適用するWebフォントを選択する構成としてもよい。
【0052】
<変形例2>
変形例2では、ブラウザアプリケーションのタブに表示するタイトル文字列に適用するフォントを外部フォントにする。
【0053】
図9は本変形例2の処理の流れを示すフローチャートである。変形例2ではまず、情報処理装置100は、ブラウザアプリケーションを起動する(S901)。続いて、情報処理装置100は、Webページを解析していないタブがあるか判断する(S902)。判断の結果、解析していないタブがない場合、処理を終了する。一方で解析していないタブがある場合、処理をS301に移す。その後、S309までの処理を実施する。続いて、情報処理装置100は、タブタイトルのフォントにS309で選択された外部フォントを指定する(S903)。その後、処理をS902に移す。
【0054】
図10は変形例2を適用した場合のブラウザアプリケーションの見た目である。1001~1003はブラウザアプリケーションのタブである。1001と1003は色が同一であるが、1002は色が異なる。これは1002がユーザによって選択された事を示す。1004はWebページであり、1005はWebページの中でWebフォントを適用されたHTML要素のセットである。1005は
図4(A)と同一の構成とする。
【0055】
1005の中で最も印象度の高い部品に指定された外部フォントはmain.ttfである。そのため、S309によってmain.ttfが選択され、S903にて、1002のタイトル文字列のフォントに、main.ttfが指定される。
【0056】
<変形例2-2>
変形例2-2では、Webページと連携する複数のアプリケーションを備えた装置のユーザインタフェースのトップ画面において、Webフォントを適用する例を示す。
【0057】
図11は変形例2-2のフローチャートである。変形例2-2ではまず、情報処理装置100が起動される(S1101)。続いて、情報処理装置100は、Webページを解析していないアプリケーションがあるか判断する(S1102)。判断の結果、解析していないアプリケーションがない場合、処理を終了する。一方で解析していないアプリケーションがある場合、処理をS301に移す。その後、S301~S309までの処理を実施する。続いて、情報処理装置100は、アプリケーションの説明文のフォントにS309で選択された外部フォントを指定する(S1203)。その後、処理をS902に移す。
【0058】
図12は本実施形態を適用した場合の装置のユーザインタフェースのトップ画面の見た目である。1201はトップ画面であり、1202はアプリケーションの起動アイコンを示す。この起動アイコンをユーザが押下すると、装置はそれに関連付けられたアプリケーションを起動する。1203はアプリケーションを簡潔に示す画像であり、1204はアプリケーションの簡潔な説明文である。
【0059】
1202を押下すると、
図8の811のコンテンツが起動する。
図8で最も印象度の高い外部フォントはmain.ttfである。そのため、S309によってmain.ttfが選択され、S1103にて、1204のアプリケーションの簡潔な説明文のフォントに、main.ttfが指定される。変形例2-2を適用すると、
図12に示す通り、アプリケーション毎に異なるフォントで説明文を表示することができる。
【0060】
以上、上述した実施形態によれば、外部フォントを使ったHTML要素の印象度に応じて、アプリケーションで利用するフォントを選択することができる。これによりアプリケーションの表現力を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、アプリケーションのGUI部品であるWebViewで複数の外部フォントが使用される場合、WebView以外のGUI部品に適切に選択した外部フォントを適用し、アプリケーション全体で統一感を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、外部フォントを使ったHTML要素の印象度に応じて、アプリケーションで利用するフォントを選択することができる。これによりアプリケーションの表現力を向上させることができる。
【0063】
また、例えば、イベントの告知サイトや企業のホームページでは、ヘッダ領域、本文領域、フッタ領域をそれぞれ分けて構成する事が多い。このとき、Webフォントを利用してヘッダ領域、本文領域、フッタ領域に、それぞれ異なる外部フォントが適用されているとする。ヘッダ領域やフッタ領域は、通常、本文領域に比べて文字サイズを小さくして目立たなくすることが多い。一方で本文領域は他の領域に比べて文字サイズを大きくして目出たせることが多い。このとき本実施形態によれば、Webページ中で最も印象が強い本文領域の外部フォントをWebView以外のGUI部品に適用することができる。
【0064】
一方で、ホームページのヘッダ領域やフッタ領域の外部フォントは、小さい領域内で情報をコンパイクトに表現できるように工夫されている場合がある。この場合、WebView以外のGUI部品でも、表示領域が小さい部品については、本文領域の外部フォントよりも、ヘッダ領域やフッタ領域の外部フォントが適している。
【0065】
本実施形態によれば、WebViewで複数種類の外部フォントを利用する際に、Webフォントを利用する部品の見た目の印象の強さに応じて、WebView以外のGUI部品に外部フォントを適用することができる。
【0066】
他方で、Webページ作成者はWebフォントを利用することで、あらゆる装置上で文字の見た目を統一することができ、Webページを展開する企業のブランド力向上や、Webページ開発工数の低減に繋がっている。
【0067】
しかしWebフォントをWebViewで利用すること考えた場合、WebViewの領域上でしか外部フォントが適用されない。このため、WebViewとそれ以外のGUI部品とを併用して表示すると、フォントが統一されないという課題を本実施形態によれば解決することができる。
【0068】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0069】
なお、上述した各処理部のうち印象度算出部206等については、その代わりとして、機械学習された学習済みモデルを代わりに用いて処理しても良い。その場合には、例えば、その処理部への入力データと出力データとの組合せを学習データとして複数個準備し、それらから機械学習によって知識を獲得し、獲得した知識に基づいて入力データに対する出力データを結果として出力する学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、例えばニューラルネットワークモデルで構成可能である。そして、その学習済みモデルは、前記処理部と同等の処理をするためのプログラムとして、CPUあるいはGPUなどと協働で動作することにより、前記処理部の処理を行う。なお、上記学習済みモデルは、必要に応じて一定の処理後に更新しても良い。