(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】照明装置、照明システム、照明方法および停電検出装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20240520BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240520BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20240520BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240520BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/19
H05B47/13
H05B47/11
(21)【出願番号】P 2020140387
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】尾山 和也
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-211558(JP,A)
【文献】特開2010-154003(JP,A)
【文献】特開2013-229298(JP,A)
【文献】特開2008-040863(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0082539(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0141914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、
前記停電検出部によって停電が検出された場合、前記発光部を点灯させるように制御する制御部と
、
交流電圧から直流電圧を生成する電源部と、
前記電源部から直流電圧が供給されない場合に、直流電圧を供給する二次電池システムと、を備え、
前記制御部は、
前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記停電検出部によって前記電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、
前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記停電検出部によって前記電波が検出されない場合、停電になっていると判断する、照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記停電検出部が前記外部機器から当該外部機器の識別情報を受信できない場合に停電であると判定する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記停電検出部によって停電が検出された場合、前記二次電池システムからの直流電圧を前記発光部に供給して点灯させる、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明装置はさらに、当該照明装置が設置される場所の照度を検知する照度センサを備え、
前記制御部は、前記照度センサからの照度データに基づいて、前記発光部の明るさを制御する、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記照度センサからの照度データが第1の所定値以上の場合、前記発光部を消灯させる、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記照度センサからの照度データが前記第1の所定値未満の場合、前記二次電池システムの電池残量が第2の所定値よりも多ければ、前記発光部を第1の明るさで点灯させ、前記二次電池システムの電池残量が前記第2の所定値以下であれば、前記発光部を前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさで点灯させる、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記照明装置はさらに、人を検知する人感センサを備え、
前記制御部は、前記照度センサからの照度データが第1の所定値未満の場合、前記人感センサによって人が検知されれば、前記発光部を点灯させる、請求項4に記載の照明装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記照度センサからの照度データが前記第1の所定値未満の場合、前記人感センサによって人が検知されなければ、前記発光部を消灯させる、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
照明装置と外部機器とを備える、照明システムであって、
前記照明装置は、
発光部と、
前記外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、
前記停電検出部によって停電が検出された場合、前記発光部を点灯させるように制御する制御部と
、
交流電圧から直流電圧を生成する電源部と、
前記電源部から直流電圧が供給されない場合に、直流電圧を供給する二次電池システムと、を備え、
前記制御部は、
前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記停電検出部によって前記電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、
前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記停電検出部によって前記電波が検出されない場合、停電になっていると判断する、照明システム。
【請求項10】
外部機器からの電波の有無によって停電を検出するステップと、
停電が検出された場合、照明を点灯させるように制御するステップとを含
み、
前記制御するステップにおいて、
交流電圧から直流電圧を生成する電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、
前記電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ前記電波が検出されない場合、停電になっていると判断する、照明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、照明システム、照明方法および停電検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等においては、停電時に点灯する非常灯を設置する義務がある。これによって、災害等による停電時でも非常灯による最低限の明るさが確保され、人々の安全に寄与することができる。
【0003】
一方、一般家庭においては、非常灯を設置する義務がなく、次のようなデメリットがあるため家庭内に非常灯が設置されることは現状ほぼない。非常灯は火災時のある程度の熱でも点灯するようにする必要がある等の規格があり、これを確保するためには高価となってしまう。したがって、これを家庭で購入するには負担が大きくなる。
【0004】
また、非常灯は常時点灯であり、家庭内に非常灯を設置すると、夜には利用者が眩しい等の不具合があり、例えば、寝室に非常灯を設置した場合、利用者が眠れなくなることも起こり得る。また、電力が無駄になるといった問題もある。
【0005】
また、非常灯は、電源供給停止でバッテリ駆動に切り替わるため、家庭用の100Vの交流電源(以下、AC(Alternating Current)電源と呼ぶ。)のオン/オフを切り替える壁スイッチ等の電源スイッチでオフにできず、家庭に設置するには不向きである。
【0006】
停電時に明るさを確保することは、家庭でも重要であるにもかかわらず、実際には家庭用の照明装置は殆ど対応していない。また、非常用に別途照明装置を設置したりすることは、機器代、工事費等の負担が大きくなる。また、家庭内の各場所に設置する場合には、複数台の照明装置が必要になり、機器代、工事費等の負担がさらに大きくなる。
【0007】
これらに関連する技術として、下記の特許文献1および特許文献2に開示された家庭用の照明装置に関する発明がある。特許文献1は、誘導灯や非常灯のように常用の電源が停電したときに2次電池などの非常用の電源でランプを点灯する非常用照明システムに関する。この非常用照明システムには、アドレスによって識別される複数の照明装置が備えられる。
【0008】
これら複数の照明装置の各々には、配置場所に応じて点検の必要性の優先順位が付与されており、優先順位の高い照明装置に異常が発生したときに、当該照明装置が自ら電波による送受信部を用いて異常をリモコンに送信する。リモコンは、異常信号を送信した照明装置のアドレスを表示部に表示し、優先順位の低い照明装置は、リモコンからの点検結果要求信号を受けたときに点検手段による点検結果を互いの通信部を介してリモコンに送信する。
【0009】
特許文献2は、停電状態を検出する停電検出方法等に関する。この停電検出方法によれば、屋内配線の接地側の配線及び電気機器の電源スイッチが介設された否接地側の配線の線間容量誘導と線間電磁誘導とにより発生する微弱な電圧の少なくとも一方を否停電時に電源スイッチのOFF状態で検出した基準電圧状態と、線間容量誘導と線間電磁誘導とにより発生する微弱な電圧の少なくとも一方を監視し検出した監視電圧状態とを比較することにより停電を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2007-220688号公報(2007年8月30日公開)
【文献】特開2014-082910号公報(2014年5月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の特許文献1に開示された非常用照明システムにおいては、リモコンが優先順位の高い照明装置に異常が発生したことを検知すると、優先順位の低い照明装置から点検結果を受信するようにしたので、点検者は、保守を容易に行うことができる。しかしながら、非常用照明システム全体の設定が必要である等の理由から、家庭における照明装置に適用することは難しい。
【0012】
また、特許文献2に開示された停電検出方法においては、停電を検出するために電圧を監視する特別な装置が必要になるため、コストがかかるといった問題がある。また、電源スイッチを、停電を検出する部分を含んだ電源スイッチに置き換える必要があるため、工事が必要になるといった問題がある。
【0013】
本発明の一態様は、停電であるか否かを特別な工事なしで検出でき、非常灯としても使用することが可能な照明装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、発光部と、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、停電検出部によって停電が検出された場合、発光部を点灯させるように制御する制御部と、交流電圧から直流電圧を生成する電源部と、電源部から直流電圧が供給されない場合に、直流電圧を供給する二次電池システムと、を備え、制御部は、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ停電検出部によって電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ停電検出部によって電波が検出されない場合、停電になっていると判断する。
【0015】
本発明の一態様に係る照明システムは、照明装置と外部機器とを備える、照明システムであって、照明装置は、発光部と、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、停電検出部によって停電が検出された場合、発光部を点灯させるように制御する制御部と、交流電圧から直流電圧を生成する電源部と、電源部から直流電圧が供給されない場合に、直流電圧を供給する二次電池システムと、を備え、制御部は、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ停電検出部によって電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ停電検出部によって電波が検出されない場合、停電になっていると判断する。
【0016】
本発明の一態様に係る照明方法は、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するステップと、停電が検出された場合、発光部を点灯させるように制御するステップとを含み、制御するステップにおいて、交流電圧から直流電圧を生成する電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ電波が検出された場合、照明装置の電源スイッチがOFFになっており、停電ではないと判断し、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ電波が検出されない場合、停電になっていると判断する。
【0017】
本発明の一態様に係る停電検出装置は、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、停電であるか否かを特別な工事なしで検出でき、非常灯としても使用することが可能な照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態1に係る照明システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】通常時における照明装置の動作の一例を示す図である。
【
図3】停電時における照明装置の動作の一例を示す図である。
【
図4】照明装置を制御するリモコンの外観例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る照明システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態2に係る照明システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】停電時における照明装置の動作の一例を示す図である。
【
図8】停電時における照明装置の動作の他の一例を示す図である。
【
図9】停電時における照明装置の動作のさらに他の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係る照明システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同一の部材には同一の符号を付し、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらの詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
<照明システム100の機能的構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る照明システム100の機能的構成を示すブロック図である。照明システム100は、照明装置1と、無線LAN(Local Area Network)ルータ2とを含む。外部機器の一例として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)機能を有する無線LANルータの場合について説明するが、これに限られるものではなく、照明装置1と無線によって通信可能であり、家庭内のAC電源で動作する外部機器であればよい。なお、無線LANルータ2は、バッテリによる駆動は行わないものとする。
【0022】
照明装置1は、LED(Light Emitting Device)発光部11と、無線通信部(停電検出部)12と、コントローラ(制御部)13と、AC電源部14と、二次電池システム15と、Ir(Infrared Ray)受信部16と、照度センサ17とを含む。なお、照明装置1は、ローゼット式のシーリングライト、ペンダントライトやダウンライト等、家庭で使用できる照明であればよい。
【0023】
LED発光部11は、明るさを変更可能な機能を有しており、コントローラ13からの制御信号を受け、照明装置1が設置される部屋等をコントローラ13からの制御に応じた明るさで照らすことができる。
【0024】
無線通信部(停電検出部)12は、Wi-Fi(登録商標)インタフェース等によって構成され、無線LANルータ2との間で無線通信を行う。無線通信部12は、無線LANルータ2からの電波が受信可能か否かをコントローラ13に送る。コントローラ13は、この通信可否や後述のSSID(Service Set IDentifier)で停電がどうかを判断する。なお、この無線通信部12が、通信可否で停電か否かを判定したり、SSIDの値を比較したりして、停電か否かを判定し、コントローラ13に送るようにしてもよい。
【0025】
AC電源部14は、図示しない壁スイッチ等の電源スイッチがONの場合には、AC電源を受け、照明装置1内の各部に供給する直流電圧を生成して出力する。また、AC電源部14は、壁スイッチがOFFの場合には、AC電源の供給を受けられずに、照明装置1内の各部への直流電圧の供給を停止する。
【0026】
二次電池システム15は、AC電源部14から直流電圧の供給がある場合には充電を行い、AC電源部14から直流電圧の供給が停止した場合(電源スイッチがOFFの場合、または停電状態の場合)には、照明装置1内の各部に直流電圧の供給を行う。なお、電源スイッチがOFFの場合、または停電状態の場合、二次電池システム15は、少なくともコントローラ13に直流電圧を供給し、コントローラ13が、他の部分への直流電圧の供給を制御するものとする。
【0027】
Ir受信部16は、後述のリモコンからの赤外線信号を受信することにより、リモコンからの指示を受け、指示内容をコントローラ13に出力する。照度センサ17は、コントローラ13からの指示に応じて、照明装置1が設置された部屋等の照度を検知し、コントローラ13に照度データを出力する。
【0028】
コントローラ13は、AC電源部14から直流電圧が供給されている状態、すなわち、通常時にはAC電源部14から出力される直流電圧を二次電池システム15に供給して充電させると共に、少なくとも無線通信部12およびIr受信部16に直流電圧を供給して動作させる。
【0029】
また、コントローラ13は、通常時において、Ir受信部16を介してリモコンからの指示を受けると、その指示内容に応じて各部を制御する。例えば、コントローラ13は、LED発光部11の点灯、消灯、明るさの変更等の指示を受けると、その指示内容に応じてLED発光部11を制御する。
【0030】
また、コントローラ13は、通常時において、無線通信部12を制御して、無線LANルータ2との間で無線通信を行うことにより、無線LANルータ2を介して外部のインターネット等の通信ネットワークに接続することも可能である。コントローラ13は、無線通信部12が無線LANルータ2から電波を正常に受信している場合は、通常状態(停電状態ではない)と判断する。また、コントローラ13は、無線通信部12を介して無線LANルータ2からSSIDを受信し、家庭内に設置された無線LANルータ2を特定するための識別情報として保持する。
【0031】
一方、コントローラ13は、AC電源部14からの直流電圧の供給が停止されると、二次電池システム15からの直流電圧の供給を受けて動作する。コントローラ13は、定期的に無線通信部12に二次電池システム15からの直流電圧を供給するように制御を行い、無線通信部12を動作させる。そして、コントローラ13は、無線通信部12を制御して、無線LANルータ2から電波を受信できるか否かを判断する。
【0032】
無線LANルータ2から電波を受信できている場合には、単に電源スイッチがOFFになったものと判断する。このとき、無線通信部12を制御して、無線LANルータ2からSSIDを受信して、家庭内に配置される無線LANルータ2のSSIDと比較することにより、家庭内の無線LANルータ2からの電波であるか否かを判定するようにしてもよい。これにより、停電状態ではないことをより正確に判断することができる。
【0033】
<通常時における照明装置1の動作>
図2は、通常時における照明装置1の動作の一例を示す図である。コントローラ13は、AC電源部14がAC電源の供給を受けていない場合、すなわち、ACなしの場合、無線通信部12を制御して無線LANルータ2からの電波を受信させる。無線通信部12は、無線LANルータ2から電波を受信できる場合には、単に電源スイッチがOFFになっていると判断し、コントローラ13は、LED発光部11を消灯すると共に、定期的に無線通信部12に直流電圧を供給して、無線通信部12に無線LANルータ2の通信モニタを行わせる。
【0034】
また、コントローラ13は、AC電源部14がAC電源の供給を受けている場合、すなわち、ACありの場合、LED発光部11を点灯する。この場合、特に、無線LANルータ2からの電波の有無を判断する必要はない。
【0035】
<停電時における照明装置1の動作>
図3は、停電時における照明装置1の動作の一例を示す図である。コントローラ13は、AC電源部14がAC電源の供給を受けていない場合、すなわち、ACなしの場合であり、かつ無線LANルータ2から電波を受信できていない場合、停電状態であると判断する。コントローラ13は、二次電池システム15を制御して、LED発光部11に電源供給を行わせ、LED発光部11を点灯するように制御する。
【0036】
このとき、コントローラ13は、二次電池システム15を制御して、照度センサ17に直流電圧を供給して動作させる。照度センサ17は、コントローラ13からの要求に応じて、部屋等の明るさを検知し、その照度データをコントローラ13に出力する。コントローラ13は、照度センサ17から受けた照度データに応じて、LED発光部11を制御する。
【0037】
コントローラ13は、照度センサ17からの照度データによって、周囲が明るいと判断した場合、LED発光部11を消灯すると共に、定期的に無線通信部12に直流電圧を供給して、無線通信部12に無線LANルータ2の通信モニタを行わせる。
【0038】
また、コントローラ13は、照度センサ17からの照度データによって、周囲が暗いと判断した場合、LED発光部11を暗く(弱で)点灯させると共に、定期的に無線通信部12に直流電圧を供給して、無線通信部12に無線LANルータ2の通信モニタを行わせる。
【0039】
図4は、照明装置1を制御するリモコンの外観例を示す図である。このリモコン3は、固定モードおよび自動モード(停電か否かを自動で判定するモード)における設定が可能である。また、コントローラ13は、リモコン3から最後に受信した信号を記憶する。
【0040】
固定モードは、停電時で無い場合において、または停電時において、消灯ボタン31または全灯ボタン32、更には電源スイッチで指定された通りに動作させるモードである。停電ではなく、単に電源スイッチでOFFした場合や、停電でない場合に固定モードの消灯ボタン31でOFFにした場合も、照明装置1を消灯させる。また、壁スイッチでOFFからONになった場合は、照明装置1を点灯させる。
【0041】
動作モードが後述の通常モードであっても停電モードであっても、固定モードの全灯ボタン32が押下されれば全灯となり、消灯ボタン31が押下されれば消灯となる。停電の場合でも、全灯ボタン32が押下されれば電池がなくなるまで全灯となる。
【0042】
また、停電時に固定モードの消灯ボタン31でOFFにした場合は、停電復帰時に勝手に点灯しないように、電源スイッチがONになりACが供給された場合でも、消灯のままとする。
【0043】
さらに、この場合は、電源スイッチを素早くOFFからONにした場合は点灯とする等、強制的に点灯できる機能を付加する。
【0044】
自動モードは、無線通信部12によって停電が検出された場合に起動する。リモコン3の自動モードの各ボタンは、自動モードの際の動作を選択するボタンである。
【0045】
停電時において、消灯状態で、自動モード点灯ボタン33が押下されると、前回の設定で照明装置1が点灯し、後述のように自動的に動作を選択して点灯が行われることになる。また、消灯ボタン34が押下されると、照明装置1が消灯し、停電中は何らかの操作(電源ONを含む)があるまでOFFとなる。したがって、停電から復帰した場合に、電源スイッチがONなら最後に点灯していた状態でONに、電源スイッチがOFFなら消灯のままとなる。
【0046】
最大ボタン35が押下されると、自動モードにおける最大の明るさで照明装置1が点灯する。明るくボタン36が押下されると、今の明るさよりも1段階明るく照明装置1が点灯する(ただし、最大を超えない明るさで点灯する)。暗くボタン37が押下されると、今の明るさよりも1段階暗く照明装置1が点灯する。また、常夜灯ボタン38が押下されると、一般的な常夜灯の明るさで照明装置1が点灯する。これらのボタン33~38が押下されると、その状態が保持される。この状態は、照明装置1のコントローラ13にも保持され、停電状態になったときにその状態で自動モードが開始される。また、消灯の場合は、消灯の前に点灯していた状態も記憶する。自動モードの各ボタン33~38の詳細は、後述の
図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
なお、自動モード点灯33を除く、リモコン3の自動モードの各ボタンは、通常時(停電でなくAC供給がある場合)には、単にその明るさで照明装置1が点灯することを指示するのに用いられてもよい。例えば、通常時に最大ボタン35が押下された場合に、照明装置1は最大の明るさ(全灯状態)で点灯するように構成されていてもよい。
【0048】
<照明システム100の処理フロー>
図5は、本発明の実施形態1に係る照明システム100の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、コントローラ13は、動作モードを確認し、通常モードであるか否かを判定する(S1)。動作モードは、停電状態ではない通常モードと、停電状態である停電モードとの2つがある。
【0049】
上述のように、コントローラ13は、動作モードが通常モードの場合(S1,Yes)、ステップS2以降の処理を行う。また、コントローラ13は、動作モードが停電モードの場合(S1,No)、
図10に示す停電中の処理に進む。この停電中の処理の詳細は、後述する。なお、動作モードは、初期状態では通常モードが設定されている。
【0050】
ステップS2において、コントローラ13は、AC電源部14にAC電源が供給されているか否かを判定する。AC電源部14にAC電源が供給されていれば(S2,Yes)、通常動作を行う(S3)。そして、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0051】
また、AC電源部14にAC電源が供給されていなければ(S2,No)、コントローラ13は、無線通信部12を制御してSSIDを取得させる。無線通信部12が、無線LANルータ2のSSIDを取得できれば(S4,Yes)、コントローラ13は、単に電源スイッチがOFFになっていると判断し、LED発光部11を消灯し(S5)、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0052】
また、無線通信部12が、無線LANルータ2のSSIDを取得できなければ(S4,No)、コントローラ13は停電であると判断し、動作モードを停電モードとし、タイマをスタートさせて(S7),ステップS8以降の処理を行う。このとき、コントローラ13は、並行して別タスクを実行し、音声等で停電発生を知らせる(S6)。
【0053】
ステップS8において、コントローラ13は、通常点灯であるか否かを判定する。通常点灯であれば(S8,Yes)、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0054】
また、リモコン3の自動モード点灯ボタン33が押下されていれば、通常点灯でないと判断し(S8,No)、コントローラ13は、照度センサ17を制御して部屋等の照度データを取得する。コントローラ13は、照度センサ17から取得した照度データが所定値以上の場合、すなわち部屋内が明るいと判断した場合(S9,No)、そのままステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。これによって、二次電池システム15の無駄な電力消費を削減する。
【0055】
また、コントローラ13は、照度センサ17から取得した照度データが所定値以下の場合、すなわち部屋内が暗いと判断した場合(S9,Yes)、通常点灯よりも暗い明るさで、例えば、通常点灯の10%程度の明るさでLED発光部11を点灯し(S10)、ステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る照明システム100によれば、無線通信部12が無線LANルータ2からの電波の有無によって停電であるか否かを判定するようにした。よって宅内の配線に、特別な工事をしなくても、照明装置1が停電の判定を行うことが可能となった。しかも既設の壁スイッチ等の電源スイッチはそのままで、通常時におけるLED発光部11のオン/オフの指示に利用することができる。
【0057】
また、コントローラ13は、無線通信部12によって停電であると判定された場合に、LED発光部11の点灯を制御するようにしたので、停電時に非常灯として使用することが可能となった。
【0058】
また、コントローラ13は、停電時に照度センサ17からの照度データに応じて、LED発光部11の明るさを制御するようにしたので、二次電池システム15の電力消費を削減することが可能となった。
【0059】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態1において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を繰り返さない。
【0060】
<照明システム100’の機能的構成>
図6は、本発明の実施形態2に係る照明システム100’の機能的構成を示すブロック図である。実施形態2に係る照明装置1’は、
図1に示す実施形態1に係る照明装置1と比較して、人感センサ18、マイク22およびスピーカ23が追加され、無線通信部12が、無線通信部12を含んだコミュニケーションユニット19に置換されている点が異なる。
【0061】
コミュニケーションユニット19は、無線通信部12と、5Gインタフェース20と、音声I/F21とを含む。5Gインタフェース20は、スマートフォン等で使用される第5世代移動通信システムの無線通信方式を適用した通信インタフェースであり、基地局(MN(Master Node)、SN(Secondary Node))を介して、インターネット等の通信ネットワークとの間で通信を可能とする。
【0062】
音声I/F21は、マイク22によって集音された音声データ等を入力し、音声データ等を再生してスピーカ23を介して出力する。たとえば、マイク22から入力された音声データを5Gインタフェース20を介して送信し、5Gインタフェース20を介して受信した音声データ等を再生し、スピーカ23を介して出力することにより、通話機能を実現する。
【0063】
人感センサ18は、部屋内に人がいるか否かを検知する。コントローラ13は、停電時に人感センサ18に二次電池システム15からの直流電圧を供給し、人感センサ18に部屋内に人がいるか否かを検知させる。
【0064】
ローカル接続ポイント41は、上述の無線LANルータ2等に相当し、例えば、インターネット等の通信ネットワークに接続された各種システム42との間で通信を行うことが可能である。
【0065】
図7は、停電時における照明装置1’の動作の一例を示す図である。コントローラ13は、無線通信部12が無線LANルータ2から電波を受信できていない場合、停電状態であると判断する。コントローラ13は、AC電源部14がAC電源の供給を受けることができないため、二次電池システム15を制御して、照度センサ17に電源供給を行わせ、照度センサ17に部屋内の照度データを取得させる。
【0066】
コントローラ13は、照度センサ17によって取得された照度データが所定値以上であれば、すなわち部屋内が明るければ、LED発光部11を消灯させると共に、コミュニケーションユニット19に二次電池システム15からの電力供給を行い、コミュニケーションユニット19に通信モニタ(無線LANルータ2からの電波を受信できるか否か)を行わせる。
【0067】
また、コントローラ13は、照度センサ17によって取得された照度データが所定値以下であれば、すなわち部屋内が暗ければ、二次電池システム15の電池残量を確認し、電池残量が多ければLED発光部11を明るく(強で)点灯させると共に、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせる。
【0068】
また、コントローラ13は、二次電池システム15の電池残量を確認し、電池残量が少なければLED発光部11を暗く(弱で)点灯させるか点滅させると共に、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせる。
【0069】
図8は、停電時における照明装置1’の動作の他の一例を示す図である。コントローラ13は、無線通信部12が無線LANルータ2から電波を受信できていない場合、停電状態であると判断する。コントローラ13は、AC電源部14がAC電源の供給を受けることができないため、二次電池システム15を制御して、照度センサ17に電源供給を行わせ、照度センサ17に部屋内の照度データを取得させる。
【0070】
コントローラ13は、照度センサ17によって取得された照度データが所定値以上であれば、すなわち部屋内が明るければ、LED発光部11を消灯させると共に、コミュニケーションユニット19に二次電池システム15からの電力供給を行い、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせる。
【0071】
また、コントローラ13は、照度センサ17によって取得された照度データが所定値以下であれば、すなわち部屋内が暗ければ、二次電池システム15を制御して、人感センサ18に電源供給を行わせ、人感センサ18に部屋内に人がいるか否かを検知させる。部屋内に人がいなければ、コントローラ13は、LED発光部11を消灯させると共に、コミュニケーションユニット19に二次電池システム15からの電力供給を行い、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせる。
【0072】
また、部屋内に人がいれば、コントローラ13は、LED発光部11を制御することにより、暗く(弱で)点灯させると共に、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせる。
【0073】
図9は、停電時における照明装置1’の動作のさらに他の一例を示す図である。
図8に示す動作と同様であるが、停電時において、部屋内が暗く、人がいる場合に、コントローラ13は、LED発光部11を制御することにより、暗く(弱で)点灯させる。そして、コントローラ13は、コミュニケーションユニット19に通信モニタを行わせると共に、例えば、5Gインタフェース20を介して指定連絡先に人がいることを自動で連絡する。この指定連絡先は、予め登録されているものとする。
【0074】
<照明システム100’の処理フロー>
図10は、本発明の実施形態2に係る照明システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。
図10に示す処理手順は、
図5に示す処理手順のステップS1において動作モードが停電モードと判定された場合の処理を示している。
【0075】
停電モードは、停電モードA、停電モードB、全灯モード、消灯モードおよびOFFモードの5つがある。停電モードAは、停電モード時に人感センサ18が部屋内に人がいることを検知した場合のモードである。停電モードBは、停電モード時に人感センサ18が部屋内に人がいないことを検知した場合のモードである。全灯モードは、停電時にLED発光部11を全灯で点灯させるモードである。消灯モードは、停電時に固定モードの消灯ボタン31が操作された場合に、LED発光部11を消灯させるモードである。また、OFFモードは、停電時に自動モードの消灯ボタン34が操作された場合に、LED発光部11を消灯させるモードである。
【0076】
まず、コントローラ13は、AC電源部14にAC電源が供給されているか否かを判定する(S11)。AC電源が供給されていれば(S11,Yes)、コントローラ13は、停電から回復したものとして動作モードを通常モードにし(S12)、
図5のステップS1に戻り以降の処理を繰り返す。
【0077】
また、コントローラ13は、AC電源部14にAC電源が供給されていなければ(S11,No)、動作モードが停電モードAであるか否かを判定する(S13)。ここで、停電モードAは、部屋内に人がいる場合にある程度の明るさを確保するモードである。
【0078】
停電モードAが設定されている場合(S13,Yes)、コントローラ13は、点灯時間、電池残量および周囲の明るさで点灯強度を決定し、その明るさとなるようにLED発光部11を制御する(S20)。
【0079】
例えば、コントローラ13がタイマをスタートし、最初の5分はリモコン3に設定される最終の状態で点灯し、それ以降は周囲が明るければ消灯する。また、周囲が暗く、電池残量が50%以上であれば、コントローラ13は、タイマが1時間となるまで最大の明るさの70%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。また、タイマが1時間経過した以降は最大の明るさの40%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。
【0080】
また、周囲が暗く、電池残量が50%未満であれば、コントローラ13は、タイマが1時間となるまで最大の明るさの50%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。また、タイマが1時間経過した以降は最大の明るさの20%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。
【0081】
停電モードAが設定されていない場合(S13,No)、コントローラ13は、停電モードBが設定されているか否かを判定する(S14)。ここで、停電モードBは、部屋内に人がいない場合であり、停電モードAよりも暗い明るさでLED発光部11を制御するモードである。
【0082】
停電モードBが設定されている場合(S14,Yes)、コントローラ13は、点灯時間、電池残量または周囲の明るさで点灯強度を決定し、その明るさとなるようにLED発光部11を制御する(S21)。
【0083】
例えば、コントローラ13がタイマをスタートし、最初の5分はリモコン3に設定される最終の状態で点灯し、それ以降は周囲が明るければ消灯する。また、周囲が暗く、電池残量が50%以上であれば、コントローラ13は、タイマが10分となるまで最大の明るさの50%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。また、タイマが10分経過した以降は最大の明るさの10%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。
【0084】
また、周囲が暗く、電池残量が50%未満であれば、コントローラ13は、タイマが10分となるまで最大の明るさの15%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。また、タイマが10分経過した以降は最大の明るさの1%かリモコン3に設定される明るさのどちらか暗い方でLED発光部11を点灯する。
【0085】
停電モードBが設定されていない場合(S14,No)、コントローラ13は、全灯モードが設定されているか否かを判定する(S15)。全灯モードが設定されていなければ(S15,No)、コントローラ13は、消灯モードが設定されているか否かを判定する(S16)。
【0086】
消灯モードが設定されていなければ(S16,No)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、何らかの点灯動作の操作(全灯ボタン32、自動モードのボタン33~38の操作)があったか否かを判定する(S17)。何らかの点灯動作の操作がなければ(S17,No)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0087】
また、自動モードの操作(ボタン33~38の操作)があれば(S17,Yes(自動))、ステップS32に処理が進む。また、全灯の操作(全灯ボタン32の操作)があれば(S17,Yes(全灯))、ステップS23に処理が進む。
【0088】
全灯モードが設定されている場合(S15,Yes)、または、消灯モードが設定されている場合(S16、Yes)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、何らかの固定モードの操作(消灯ボタン31、全灯ボタン32の操作)があったか否かを判定する(S18)。固定モードの消灯操作があった場合(S18,Yes(固定の消灯))、ステップS26に処理が進む。また、固定モードの全灯操作があった場合(S18,Yes(固定の全灯))、ステップS23に処理が進む。
【0089】
また、何らかの固定モードの操作がなければ(S18,No)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、何らかの自動モードの点灯動作の操作(ボタン35~38の操作)があったか否かを判定する(S19)。何らかの自動モードの点灯動作の操作がなければ(S19,No)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0090】
また、自動モードの消灯動作の操作(消灯ボタン34の操作)があれば(S19,Yes(自動の消灯))、ステップS29に処理が進む。また、自動モードのその他の操作があれば(S19,Yes(その他自動操作))、ステップS32に処理が進む。
【0091】
ステップS22において、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、固定モードの全灯動作の操作があったか否かを判定する。固定モードの全灯動作の操作があれば(S22,Yes)、コントローラ13は、LED発光部11を制御して全灯にし(S23)、動作モードを全灯モードに変更し(S24)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。したがって、必要であれば、短時間でも最大の明るさでLED発光部11を点灯させることができる。
【0092】
固定モードの全灯動作の操作がなければ(S22,No)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、固定モードの消灯操作(消灯ボタン31の操作)があったか否かを判定する(S25)。固定モードの消灯操作があれば(S25,Yes)、コントローラ13は、LED発光部11を制御して消灯し(S26)、動作モードを消灯モードに変更し(S27)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。したがって、ユーザが必要としない場合には、LED発光部11を消灯させることができる。
【0093】
固定モードの消灯操作がなければ(S25,No)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、自動モードの消灯操作(消灯ボタン34の操作)があったか否かを判定する(S28)。自動モードの消灯操作があれば(S28,Yes)、コントローラ13は、LED発光部11を制御して消灯し(S29)、動作モードをOFFモードに変更し(S30)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。このOFFモードは、停電の間は消灯するモードである。
【0094】
なお、消灯モードは通常の消灯であり、停電から回復してAC供給がある場合にはLED発光部11を点灯させる。一方、OFFモードは自動モードでの消灯であり、停電から回復してAC供給がある場合でも、LED発光部11はOFFのままとなる。
【0095】
自動モードの消灯操作がなければ(S28,No)、コントローラ13は、リモコン3の操作情報を参照して、その他の何らかの操作(ボタン35~38の操作)があったか否かを判定する(S31)。その他の何らかの操作があれば(S31,Yes)、コントローラ13は、可能な限りリモコン3によって操作される点灯状態でLED発光部11を発光させる(S32)。この処理によって、停電時でもリモコン3によってLED発光部11の明るさを変更することができる。
【0096】
自動モードの消灯操作があれば(S28,Yes)、コントローラ13は、タイマをクリアしてスタートさせ、人感センサ18を制御して5分間だけ人がいるか否かを検知する(S34)。人がいない場合(S34,No)、コントローラ13は、動作モードを停電モードBに変更し(S35)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。また、人がいる場合(S34,Yes)、コントローラ13は、動作モードを停電モードAに変更し(S36)、
図5のステップS1に戻って以降の処理を繰り返す。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る照明システム100’によれば、停電時に部屋内が暗く、電池残量が多い場合、コントローラ13はLED発光部11を制御して明るく点灯させる。また、停電時に部屋内が暗く、電池残量が少ない場合、コントローラ13はLED発光部11を制御して暗く点灯させるようにした。したがって、二次電池システム15の電池残量が少ない場合に、消費電力を削減することが可能となった。
【0098】
また、停電時に部屋内が暗く、人がいない場合、コントローラ13はLED発光部11を制御して消灯させる。したがって、人がいない場合にLED発光部11を消灯させることができ、消費電力を削減することが可能となった。
【0099】
また、停電時に部屋内が暗く、人がいる場合、コントローラ13はLED発光部11を制御して暗く点灯させるようにした。したがって、人がいる場合でもLED発光部11を暗く点灯させることにより、消費電力を削減することが可能となった。なお、
図1に示されるような、人感センサを備えない照明装置1の構成の場合には、
図10に示された照明システムの処理手順から、停電モードAと停電モードBの区別が適宜省略された処理手順となる。
【0100】
<ソフトウェアによる実現例>
照明装置1および1’の制御ブロック(特にコントローラ13)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0101】
後者の場合、コントローラ13は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0102】
<まとめ>
本発明の態様1に係る照明装置は、発光部と、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、停電検出部によって停電が検出された場合、発光部を点灯させるように制御する制御部とを備える。
【0103】
上記の構成によれば、停電検出部が、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するので、特別な工事なしで停電を検出することができ、非常灯としても使用することが可能となる。
【0104】
本発明の態様2に係る照明装置は、上記態様1において、制御部は、停電検出部が外部機器から当該外部機器の識別情報を受信できない場合に停電であると判定する。
【0105】
上記の構成によれば、自宅に設置された外部機器からの電波であるか否かを判定でき、停電であるか否かをより正確に判定することが可能となる。
【0106】
本発明の態様3に係る照明装置は、上記態様1または2において、照明装置はさらに、交流電圧から直流電圧を生成する電源部と、電源部から直流電圧が供給されない場合に、直流電圧を供給する二次電池システムとを備え、制御部は、電源部からの直流電圧の供給が停止し、かつ停電検出部によって停電が検出された場合、二次電池システムからの直流電圧を発光部に供給して点灯させる。
【0107】
上記の構成によれば、制御部は、停電検出部によって停電が検出された場合、二次電池システムからの直流電圧を発光部に供給して点灯させるので、停電時において非常灯として使用することが可能となる。
【0108】
本発明の態様4に係る照明装置は、上記態様3において、照明装置はさらに、当該照明装置が設置される場所の照度を検知する照度センサを備え、制御部は、照度センサからの照度データに基づいて、発光部の明るさを制御する。
【0109】
上記の構成によれば、制御部は、照度センサからの照度データに基づいて、発光部の明るさを制御するので、照明装置が設置される部屋等の明るさに応じて発光部の明るさを調整することが可能となる。
【0110】
本発明の態様5に係る照明装置は、上記態様4において、制御部は、照度センサからの照度データが第1の所定値以上の場合、発光部を消灯させる。
【0111】
上記の構成によれば、照明装置が設置される部屋等の明るさが第1の所定値以上、すなわち明るければ発光部を消灯させるので、二次電池システムから供給される電力の消費を抑えることが可能となる。
【0112】
本発明の態様6に係る照明装置は、上記態様5において、制御部は、照度センサからの照度データが第1の所定値未満の場合、二次電池システムの電池残量が第2の所定値よりも多ければ、発光部を第1の明るさで点灯させ、二次電池システムの電池残量が第2の所定値以下であれば、発光部を第1の明るさよりも暗い第2の明るさで点灯させる。
【0113】
上記の構成によれば、制御部は、二次電池システムの電池残量が少なければ、発光部を第1の明るさよりも暗い第2の明るさで点灯させるようにしたので、二次電池システムの消費電力を削減することが可能となる。
【0114】
本発明の態様7に係る照明装置は、上記態様4において、照明装置はさらに、人を検知する人感センサを備え、制御部は、照度センサからの照度データが第1の所定値未満の場合、人感センサによって人が検知されれば、発光部を点灯させる。
【0115】
上記の構成によれば、停電時に人がいる部屋等が暗い場合に、ある程度の明るさを確保することが可能となる。
【0116】
本発明の態様8に係る照明装置は、上記態様7において、制御部は、照度センサからの照度データが第1の所定値未満の場合、人感センサによって人が検知されなければ、発光部を消灯させる。
【0117】
上記の構成によれば、停電時に部屋等に人がいない場合、二次電池システムの電力消費を削減することが可能となる。
【0118】
本発明の態様9に係る照明システムは、照明装置と外部機器とを備える、照明システムであって、照明装置は、発光部と、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部と、停電検出部によって停電が検出された場合、発光部を点灯させるように制御する制御部とを備える。
【0119】
上記の構成によれば、停電検出部が、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するので、特別な工事なしで停電を検出することができ、非常灯としても使用することが可能となる。
【0120】
本発明の態様10に係る照明方法は、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するステップと、停電が検出された場合、照明を点灯させるように制御するステップとを含む。
【0121】
上記の構成によれば、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するので、特別な工事なしで停電を検出することができ、非常灯としても使用することが可能となる。
【0122】
本発明の態様11に係る停電検出装置は、外部機器からの電波の有無によって停電を検出する停電検出部を備える。
【0123】
上記の構成によれば、外部機器からの電波の有無によって停電を検出するので、特別な工事なしで停電を検出することが可能となる。
【0124】
本発明の各態様に係る照明装置1および1’は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記照明装置1および1’が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記照明装置1および1’をコンピュータにて実現させる照明装置1および1’のコントローラ、制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0125】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0126】
1,1’ 照明装置
2 無線LANルータ
3 リモコン
11 LED発光部
12 無線通信部(停電検出部)
13 コントローラ(制御部)
14 AC電源部
15 二次電池システム
16 Ir受信部
17 照度センサ
18 人感センサ
19 コミュニケーションユニット
20 5Gインタフェース
21 音声I/F
22 マイク
23 スピーカ
41 ローカル接続ポイント
42 各種システム
100,100’ 照明システム