(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】清掃具収納ケース
(51)【国際特許分類】
A47L 13/51 20060101AFI20240520BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
A47L13/51
A47L13/20 B
(21)【出願番号】P 2020175492
(22)【出願日】2020-10-19
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 伴
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-313301(JP,A)
【文献】特開平08-309303(JP,A)
【文献】特開2016-209456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/51
A47L 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在に連結可能であり、閉止すると筒形状となる第1半部と第2半部とから成り、該第1半部、第2半部を閉止した筒形状における一方の端部は清掃具を挿脱する開口部とされ、他方の端部は閉鎖部とされる清掃具収納ケースであって、
前記第1半部、第2半部の前記開口部近傍の内側面には、それぞれ枠部が形成されており、
前記第1半部、第2半部の前記枠部に、立毛布帛材をそれぞれ取り付け、取り外し可能に配置し、
前記枠部の内側形状と前記立毛布帛材は、略一致する形状をしており、
前記第1半部、第2半部の前記枠部にそれぞれ嵌合した前記立毛布帛材は、前記清掃具を抜き出す方向にのみ強い摩擦力が生ずることを特徴とする清掃具収納ケース。
【請求項2】
前記形状は前記清掃具を挿脱する方向と直交する方向を中心線とした場合に、中心線を境界とした左右の形が非対称であることを特徴とする請求項1に記載の清掃具収納ケース。
【請求項3】
前記第1半部、第2半部は、前記第1半部、第2半部の長手方向又は短手方向の端辺同士を連結体を介して開閉自在に連結していることを特徴とする請求項1
又は2に記載の清掃具収納ケース。
【請求項4】
前記第1半部、第2半部を閉止した際の前記第1半部、第2半部の前記立毛布帛材同士の間隙は、前記清掃具の清掃体の厚みよりも狭いことを特徴とする請求項1
~3の何れか1項に記載の清掃具収納ケース。
【請求項5】
前記閉鎖部から前記立毛布帛材に至る前記第1半部、第2半部における長さは、前記清掃体の長手方向の長さよりも大きいことを特徴とする請求項
4に記載の清掃具収納ケース。
【請求項6】
前記第1半部、第2半部の長手方向の端辺には、前記第1半部、第2半部同士の閉止状態を保持するロック機構を設けたことを特徴とする請求項1~
5の何れか1項に記載の清掃具収納ケース。
【請求項7】
前記立毛布帛材は1方向を向いている立毛材により強い摩擦力が生じ、該立毛材は前記立毛布帛材の表面及び裏面の両面に配置されていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の清掃具収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ、毛髪、埃等を捕集する清掃具を収納する清掃具収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、全周に亘って繊維毛で覆われた清掃モップ部を柄部の先端側に有する清掃具を、挿入して収納する有底筒状の収納スタンドが開示されている。清掃具の清掃モップ部によって、被清掃面に付着した塵埃等を効果的に捕集できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の収納スタンドは、側壁が内方に凸状に湾曲して形成されているため、収納スタンドから清掃具を取り出す際に、清掃モップ部に付着した塵埃等が舞い上がり難い構造をしている。
【0005】
しかし、清掃時に捕集した清掃モップ部に付着し続ける塵埃については、定期的に叩いたりして取り除く必要がある。静電気により清掃モップ部に付着した塵埃等は、清掃モップ部から取り除き難いという問題がある。
【0006】
更には、収納スタンド内に落下した塵埃等を除去する際に、静電気により収納スタンドの内壁に塵埃等が貼り付いてしまうことがあり、収納スタンド内の塵埃等が除去しきれないという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、清掃具を出し入れする際に、清掃体に付着した塵埃等を取り除き、ケース内部に溜まった塵埃等を簡便に除去することが可能な清掃具収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る清掃具収納ケースは、開閉自在に連結可能であり、閉止すると筒形状となる第1半部と第2半部とから成り、該第1半部、第2半部を閉止した筒形状における一方の端部は清掃具を挿脱する開口部とされ、他方の端部は閉鎖部とされる清掃具収納ケースであって、前記第1半部、第2半部の前記開口部近傍の内側面には、それぞれ枠部が形成されており、前記第1半部、第2半部の前記枠部に、立毛布帛材をそれぞれ取り付け、取り外し可能に配置し、前記枠部の内側形状と前記立毛布帛材は、略一致する形状をしており、前記第1半部、第2半部の前記枠部にそれぞれ嵌合した前記立毛布帛材は、前記清掃具を抜き出す方向にのみ強い摩擦力が生ずることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る清掃具収納ケースは、開口部近傍に配置した立毛布帛材により清掃具の清掃体に付着した塵埃等が取り除かれると共に、ケース内部に溜まった塵埃等を、第1、第2半部を開放することで簡便に除去することが可能である。また、立毛布帛材の掃除も第1、第2半部を開放することで簡便に行うことができ、立毛布帛材の交換も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】清掃具収納ケース及び清掃具の分解斜視図である。
【
図2】清掃具収納ケースを開放した状態の斜視図である。
【
図3】清掃具収納ケースを閉止して清掃具を収納した状態の斜視図である。
【
図5】清掃具収納ケースに清掃具を収納した状態の側方断面図である。
【
図6】清掃具収納ケースから清掃具を引き出している状態の側方断面図である。
【
図7】清掃具収納ケースから清掃具を引き出した状態の側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の清掃具収納ケース及び清掃具収納ケースに収納される清掃具の分解斜視図、
図2は清掃具収納ケースの開放状態の斜視図、
図3は清掃具収納ケースを閉止し、清掃具を収納した状態の斜視図である。
【0012】
清掃具収納ケース1は合わせて閉止すると、有底の角筒状となる第1半部1aと第2半部1bとから成り、例えば合成樹脂による射出成型等で一体として製造される。清掃具収納ケース1は角筒状以外に、楕円筒状等の適宜の筒形状を採用でき、第1半部1aと第2半部1bの長手方向の一方の端辺同士は、薄肉厚のヒンジ部1cにより開閉自在に連結されている。
【0013】
第1半部1aと第2半部1bの長手方向の他方の端辺同士には、互いに嵌め込んで閉止状態を保持する一対のロック機構が形成されている。このロック機構は、一端側に設けた鉤状の係止片1dと、他端側に設け、係止片1dと係止する凹状の被係止部1eとから形成されている。係止片1dは第1半部1a及び第2半部1bの何れに設けてもよく、同様に被係止部1eも第2半部1b及び第1半部1aの何れに設けてもよい。
【0014】
第1半部1aと第2半部1bの長手方向の中央であって、一対の係止片1d又は被係止部1eの中間には、それぞれ指掛け用の凹状の段差形状をした指掛け部1fが設けられている。
【0015】
また、第1半部1a及び第2半部1bの長手方向の端辺と直交する短手方向の一方の端部の近傍であって、後述する開口部近傍の内側面には、立毛布帛材2を嵌め込んで固定するための矩形状の枠部1gがそれぞれ形成されている。枠部1gの開口部側の角部は、嵌め込むべき立毛布帛材2の方向を合わせるために隅切りされている。
【0016】
第1半部1a及び第2半部1bの短手方向の他方の端部には、それぞれ壁部1hが立設しており、第1半部1a及び第2半部1bを閉止した際に、壁部1h同士の先端が接することで、後述する閉鎖部が形成される。
【0017】
また、
図1では連結体であるヒンジ部1cを、第1半部1aと第2半部1bの長手方向に沿うように配置しているが、ヒンジ部1cに代えて、第1半部1aと第2半部1bの壁部1hの先端同士を連結するようにヒンジ部を配置してもよい。更には、これらのように、第1半部1aと第2半部1bとを連結体を介して連結する構造ではなく、連結体を設けずに第1半部1aと第2半部1bとを分離できる構造にしても支障はない。
【0018】
また、第1半部1aと第2半部1bの壁部1hの先端同士を連結する構造、又は第1半部1aと第2半部1bとを分離可能とする構造を採用した場合には、ロック機構は第1半部1aと第2半部1bの長手方向の両端辺に形成することになる。
【0019】
立毛布帛材2は、1方向を向いている立毛材により、強い方向性を有する布帛体であり、この立毛材は立毛布帛材2の表面及び裏面の両面に配置されている。立毛材は立毛布帛材2の表面だけに配置するようにしてもよい。
【0020】
1方向に対して強い摩擦力が生ずる立毛材は、例えば20°から70°の角度で一方向に向いている素材が採用され、素材はポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート等のフィラメント繊維等が用いられる。また、立毛材の単糸繊度は5~40デニールのものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0021】
図2に示す矩形状の立毛布帛材2は、内側方向に向けて上述の角度で立毛されており、立毛布帛材2の接触体は、清掃具収納ケース1の内側から外側への移動のみに対して、強い摩擦力が生ずることになる。
【0022】
また、立毛布帛材2の一辺の両端には、切欠部2aが設けられており、これらの切欠部2aと、第1半部1a及び第2半部1bの開口部1i近傍の内側面に沿って設けた枠部1gの隅切り個所とを合致させて、それぞれ嵌め込むことで、立毛布帛材2を清掃具収納ケース1に取り付ける。
【0023】
このように枠部1gの内側形状と立毛布帛材2とは、略一致する形状をしており、これらの形状は清掃具収納ケース1に対して、清掃具3を挿脱する方向と直交する方向を中心線とした場合に、この中心線を境界とした左右の形が非対称であればよい。つまり、立毛布帛材2の切欠部2a及び枠部1gの隅切り個所が1組だけの形状や、隅切りに代えて凹部、凸部を設ける形状にしてもよい。
【0024】
このような形状を採用することで、取付方向を間違えることなく枠部1gに取り付けられた立毛布帛材2は、清掃具3を清掃具収納ケース1から抜き出す方向に移動させた場合にのみ、強い摩擦力が生ずるように配置されることになる。
【0025】
図2に示す状態から、
図3に示すように第1半部1aと第2半部1bとをヒンジ部を介して閉止すると、清掃具収納ケース1は角筒形状となる。角筒形状の一方の端部は、清掃具3を挿脱するための開口部1iとされ、角筒形状の他方の端部は、1対の壁部1hから成る閉鎖部1jとされる。この角筒形状とした清掃具収納ケース1内に、清掃具3の清掃体を収納する。
【0026】
清掃具3は硬質素材である合成樹脂材等から成る芯材部3aと、繊維毛等の毛状体で覆われた清掃体3bとから構成されており、芯材部3aは手で把持する把持部3cと、この把持部3cと連続し、清掃体3bを取り付ける清掃体取付部3dとから構成されている。把持部3cの後端には、保管時にフック等に係止可能な係止孔部3eが形成されている。
【0027】
図4は開口部1iから挿脱する清掃具3の構造を説明する斜視図であり、清掃体3bは、表面を前述の繊維毛等の毛状体で覆われたテープ状の清掃条体3fから構成されている。この1本の清掃条体3fを図示のように清掃体取付部3dに螺旋状に隙間なく巻き付けて取り付けることで、清掃体3bを成形している。
【0028】
清掃体取付部3dは、把持部3cの長手方向に平行する一対の棒状の主条部3gと、この一対の主条部3g間を連結し、把持部3cの長手方向に等間隔に複数個配置された第1、第2の連結部3h、3iとから構成されている。
【0029】
清掃体取付部3dは、把持部3cの長手方向に平行する一対の棒状の主条部3gと、この一対の主条部3g間を連結する第1、第2の連結部3h、3iとから構成されている。
【0030】
第1の連結部3hは主条部3gに対して、一方である上側に等間隔で複数の連結片3jを立設したものであり、第2の連結部3iは主条部3gに対して、他方である下側に等間隔で複数の連結片3jを立設したものである。第1、第2の連結部3h、3iの連結片3jは、一対の主条部3gから主条部3gの長手方向に直交する方向に沿って延在している。
【0031】
また、第1、第2の連結部3h、3iの連結片3jは同形状であり、略半円環状をしている。第1、第2の連結部3h、3iは楕円環状等の湾曲した形状を適宜に用いることができる。
【0032】
主条部3gの把持部3c側の基部から先端に向かって、第1の連結部3hの連結片3jと第2の連結部3iの連結片3jとは、交互になるように配置されている。つまり、第1の連結部3hの連結片3j間の空隙個所の主条部3gに第2の連結部3iの連結片3jが配置され、第2の連結部3iの連結片3j間の空隙個所に主条部3gに第1の連結部3hの連結片3jが配置されている。
【0033】
このように、第1の連結部3hの連結片3j間に空隙個所を、及び第2の連結部3hの連結片3j間に空隙個所を設けることで、清掃体取付部3dは第1の連結部3h及び第2の連結部3iの立設方向に柔軟に湾曲可能となる。
【0034】
また、主条部3gに第1の連結部3hと第2の連結部3iとを交互に配置することで、清掃体取付部3dを湾曲させた際に、主条部3gの伸長する個所を連結片3jにより補強することができる。従って、清掃体取付部3dの湾曲を繰り返しても、主条部3gに亀裂が入ったり、折れたりすることはない。
【0035】
また、連結片3jは略半円環状であるため、毛状体が短い清掃体3bを清掃体取付部3dを取り付けても、清掃体3b全体は厚みを有することになる。従って、清掃体3bの毛状体は短くて済み、毛状体に対して深く塵埃Dが絡みつくことがなくなるので、立毛布帛材2の摩擦力で十分に清掃体3b表面に付着した塵埃Dを除去することが可能である。
【0036】
更に、第1、第2の連結部3h、3iの半円環内の空隙により、上方からの圧力に対して変形し易くなり、狭い個所を掃除する際に清掃体取付部3dを変形させながら、清掃体3bを挿入させることが可能である。
【0037】
清掃体取付部3dに取り付けた清掃体3bの横断面の大きさは、角筒状とした清掃具収納ケース1の開口部1iと略同一寸法とされている。また、第1半部1a及び第2半部1bの閉止状態では、上下に配置された立毛布帛材2は、角筒状の清掃具収納ケース1の上端部の内側面に沿って配置されている。
【0038】
上下に配置された立毛布帛材2同士の間隙は、清掃具3の清掃体3bの横断面の厚みよりも、例えば立毛布帛材2の厚さ分だけ若干狭く形成されている。更に、角筒状の清掃具収納ケース1における閉鎖部1jから立毛布帛材2に至る長さは、清掃体3bの長手方向の長さよりも大きくなるように形成されている。
【0039】
このように構成された清掃具収納ケース1を使用するに際して、先ず
図2に示すように予め開放状態の第1半部1a及び第2半部1bの開口部1i近傍の内側面に沿って、新品又は清浄な状態の立毛布帛材2を、枠部1gにそれぞれ嵌め込んで取り付けておく。
【0040】
、清掃具3の収納及び取り出しを行うに際しては、
図3に示すように第1半部1a及び第2半部1bをヒンジ部1cを中心軸として回動させて閉止し、係止片1d及び被係止部1eから成る一対のロック機構によって互いに嵌め込んで固定し、閉止されて形成された角筒形状を保持するようにする。
【0041】
図3に示すように清掃具3を閉止された角筒形状の清掃具収納ケース1に収納する場合には、清掃具3の清掃体3b側を清掃具収納ケース1の開口部1iから角筒内に挿入する。このときには清掃具3の清掃体3bと清掃具収納ケース1の立毛布帛材2との間には、強い摩擦力は発生せず、抵抗感なく円滑に清掃具3を清掃具収納ケース1の角筒内に挿入することができる。
【0042】
清掃具3を使用して掃除をした後に、捕集したゴミ、毛髪等の塵埃Dが表面に付着した清掃体3bを収納する場合であっても、塵埃Dが表面に付着した状態のまま、円滑に清掃体3bを清掃具収納ケース1内に収納することができる。
【0043】
図5は角筒形状の清掃具収納ケース1に清掃具3を収納した状態の側方断面図である。
図5に示すように、清掃具3を清掃具収納ケース1内に収納完了した状態では、角筒形状の清掃具収納ケース1に開口部1iから挿入した清掃具3は、清掃具3の清掃体取付部3dも含めた清掃体3bを完全に角筒内に収納し、清掃具3の把持部3cの一部のみが清掃具収納ケース1の開口部1iから外部に露出している。
【0044】
そして、
図3、
図5に示す状態で清掃具3の保管を行うことになり、塵埃Dが表面に付着した清掃体3bは外部に露出することなく、清掃具収納ケース1内に完全に収納される。清掃体3bに付着した塵埃Dの一部は、静電気が弱まったり、持ち運びによる振動等により清掃具収納ケース1に落下する。これらの清掃具収納ケース1内で落下した塵埃Dは、清掃具収納ケース1を多少傾けたとしても立毛布帛材2に引っ掛かるため、開口部1iから飛散することはない。
【0045】
続いて、清掃具3を使用して掃除を行う場合には、清掃具3の把持部3cを手で把持して、清掃具収納ケース1から清掃具3を外部に引き出す。
図6及び
図7は角筒形状の清掃具収納ケース1から清掃具3を引き出す過程を順次に説明した側方断面図であり、
図6は清掃具収納ケース1から清掃具3を外部に引き出している最中の状態を示し、
図7は清掃具収納ケース1から清掃具3を外部に引き出し終えた状態を示している。
【0046】
清掃具3の清掃体3bを
図5に示す完全に清掃具収納ケース1内に収納した状態から、清掃具3の把持部3cを手で把持して、
図6に示す状態まで清掃具収納ケース1の開口部1iから清掃具3を外部に向けて引き出すと、清掃具3の清掃体3bの根元の外周面から清掃具収納ケース1の立毛布帛材2に接触し、清掃体3bと立毛布帛材2との間には強い摩擦力が発生する。
【0047】
この摩擦力によって、清掃体3bの表面に付着している塵埃Dは、立毛布帛材2側に剥ぎ取られて、清浄な状態の清掃体3bのみが清掃具収納ケース1の外部に露出してゆく。そして、
図7に示すように清掃具3を清掃具収納ケース1から外部に完全に引き出すと、清掃体3b全体が清浄な状態となる。立毛布帛材2側に剥ぎ取られた塵埃Dは清掃具収納ケース1内に残留し、清掃具収納ケース1から外部に飛び散ることはない。
【0048】
なお、
図5~
図7では横置きにした清掃具収納ケース1から清掃具3を引き出すように図示しているが、清掃具3を引き出す際は、縦置きにした清掃具収納ケース1から清掃具3を引き出すことが好ましい。清掃具収納ケース1を縦置きにすることで、清掃体3bの表面に付着した塵埃Dは、先ず立毛布帛材2の角部に引っ掛かり閉鎖部1jに落下する。続いて、清掃体3bの表面に残った塵埃Dは、立毛布帛材2により剥ぎ取られることになる。
【0049】
また、清掃具収納ケース1から清掃具3を繰り返し挿脱すると、清掃具収納ケース1内に残留した塵埃D及び立毛布帛材2に付着した塵埃Dが徐々に増加することになる。従って、定期的に指掛け部1fに指を掛けて、第1半部1a及び第2半部1bの係止片1d及び被係止部1eのロック状態を解除した後に、ヒンジ部1cによって第1半部1a及び第2半部1bを開放し、内部に残留した塵埃D及び立毛布帛材2に付着した塵埃Dを除去する。
【0050】
また、開放した第1半部1a及び第2半部1bの内側面には、静電気により塵埃Dが貼り付いていることがあるので、第1半部1a及び第2半部1bの内側面を水洗い等で洗浄ことが好ましい。
【0051】
更に、立毛布帛材2を繰り返して使い続けると摩擦力が低下するので、塵埃Dの捕集力が弱まった場合には、立毛布帛材2を第1半部1a及び第2半部1bから取り外して、塵埃Dが付着した表面を裏返して、塵埃Dが付着していない裏面を表面にして取り付けて使用する。立毛布帛材2の裏面も捕集力が弱まった際には、立毛布帛材2を第1半部1a及び第2半部1bから取り外して、水洗い等のよる清掃や交換を行えばよい。
【0052】
なお、立毛布帛材2を取り付ける際に、立毛布帛材2の切欠部2a及び枠部1gの隅切り個所を一致して取り付けることで、立毛布帛材2の取付方向を間違えることはない。
【0053】
このように、本実施例の清掃具収納ケース1は、清掃具収納ケース1に収納されている清掃具3を、把持部3cを手で掴んで清掃具収納ケース1から外部に引き出すだけで、清浄な状態の清掃体3bを容易に得ることができ、掃除を効果的且つ効率的に行うことができる。また、清掃具収納ケース1内に残留した塵埃D及び立毛布帛材2に付着した塵埃Dは、第1半部1a及び第2半部1bを開放することで、簡単に外部へ廃棄することができる。
【0054】
更に、清掃具3を繰り返して挿脱して、立毛布帛材2がゴミや埃等で汚れた場合にも、同様に第1半部1a及び第2半部1bを開放して、内部に残留した塵埃D及び立毛布帛材2に付着した塵埃Dを簡便に除去することが可能である。また、立毛布帛材2の掃除も第1半部1a及び第2半部1bを開放することで簡便に行うことができ、立毛布帛材2の交換も容易である。
【符号の説明】
【0055】
1 清掃具収納ケース
1a 第1半部
1b 第2半部
1c ヒンジ部
1d 係止片
1e 被係止部
1g 枠部
1h 壁部
1i 開口部
1j 閉鎖部
2 立毛布帛材
2a 切欠部
3 清掃具
3a 芯材部
3b 清掃体
3c 把持部