(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
H01R13/64
(21)【出願番号】P 2020203588
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】森下 雲也
(72)【発明者】
【氏名】小幡 雄介
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-026085(JP,A)
【文献】特開2020-077563(JP,A)
【文献】特表2010-511993(JP,A)
【文献】実開平02-056371(JP,U)
【文献】特開平10-177880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0054244(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0043444(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、第1ハウジングを備えており、
前記第1ハウジングには、第1ロック部と、ストッパとが設けられており、
前記第2コネクタは、第2ハウジングと、嵌合検知部材と、シフト機構とを備えており、
前記第2ハウジングは、前後方向に沿って前記第2ハウジングの前方に位置する前記第1ハウジングと嵌合可能であり、
前記第2ハウジングには、第2ロック部が設けられており、
前記第2ロック部は、ロック位置と、解除位置とを取りうるものであり、
前記第2ロック部が前記ロック位置にあるとき、前記第1ロック部と前記第2ロック部とは、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合状態をロックし、
前記嵌合検知部材は、前記第2ハウジングに対して規制位置と許容位置との間で前記前後方向に相対移動可能であり、
前記許容位置は、前記前後方向において前記規制位置の後方に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記第2ロック部は、前記ロック位置から前記解除位置への移動を規制されており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記第2ロック部は、前記ロック位置から前記解除位置への移動を許容されており、
前記嵌合検知部材は、当接部を有しており、
前記当接部は、前記シフト機構の操作により前記前後方向と交差する方向に移動するものであり、
前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合を開始するとき、前記当接部は、前記前後方向に延びる仮想直線上であって前記ストッパを通る仮想直線上に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にある状態において前記第1ハウジングに対して前記第2ハウジングを嵌合させると、前記当接部が前記ストッパに突き当たり、前記嵌合検知部材は前記規制位置から前記許容位置に向かって移動し、
前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合が完了したとき、前記嵌合検知部材は前記許容位置に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にある状態において前記シフト機構を操作すると、前記当接部は、前記仮想直線上からずれた位置に移動し、
前記当接部が前記仮想直線上からずれた状態において前記嵌合検知部材を前記前後方向における前方に押すと、前記嵌合検知部材は、前記許容位置から前記規制位置に移動する
コネクタ組立体。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部は、ロック爪と、解除操作部とを有しており、
前記第2ロック部は、初期状態において前記ロック位置に位置しており、
前記解除操作部を押下すると、前記ロック爪は前記前後方向と直交する上下方向における上方に移動し、前記第2ロック部は前記解除位置に移動し、
前記嵌合検知部材は、規制部を有しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記解除操作部の前記上下方向における下方に位置しており、前記解除操作部の押下を規制しており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記規制部は前記解除操作部の前記前後方向における後方に位置しており、前記解除操作部の押下は許容されている
コネクタ組立体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ハウジングには、ガイド部が設けられており、
前記嵌合検知部材には、被ガイド部と、シフト操作部とが設けられており、
前記ガイド部及び前記被ガイド部の一方は、前記前後方向に延びる突条であり、
前記ガイド部及び前記被ガイド部の残りの一方は、前記前後方向に延びるガイドレールであって前記突条をガイドするガイドレールであり、
前記ガイド部と前記被ガイド部とは、前記嵌合検知部材の前記規制位置と前記許容位置との間の移動をガイドしており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記シフト操作部は、前記前後方向と直交する直交方向における操作を規制されており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記シフト操作部は、前記直交方向に操作可能となっており、
前記ガイド部、前記被ガイド部及び前記シフト操作部は、前記シフト機構を構成しており、
前記シフト操作部が前記直交方向に操作されると、前記当接部は前記前後方向と交差する方向へ移動する
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部の移動方向は、前記直交方向である
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ハウジングは、抜け止め部を有しており、
前記嵌合検知部材は、被抜け止め部を有しており、
前記抜け止め部と前記被抜け止め部とは、前記嵌合検知部材が前記第2ハウジングに対して前記許容位置より前記前後方向における後方へ移動することを防止する
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のコネクタ組立体であって、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあり且つ前記当接部が前記ストッパに突き当たっているとき、前記第2ロック部は、前記第1ロック部から前記前後方向に離れて位置している
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項2記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部には、移動規制突起が設けられており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記移動規制突起は、前記当接部の前記前後方向における前方に位置しており、前記第2ロック部が前記ロック位置にあるときも前記解除位置にあるときでさえも、前記嵌合検知部材の前記規制位置への移動を規制しており、
前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する嵌合が完了していない状態において、前記嵌合検知部材を前記前後方向において前方に移動させると、前記嵌合が完了するまで前記嵌合検知部材に前記移動規制突起が押され、
前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する嵌合が完了し且つ前記第2ロック部が前記ロック位置にある状態において前記シフト機構を操作して前記当接部を移動させると、前記移動規制突起による前記規制が解除される
コネクタ組立体。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタ組立体であって、
前記嵌合検知部材には、斜面が形成されており、
前記斜面は、前記当接部の前記前後方向における後方に位置しており、
前記嵌合検知部材を前記規制位置から前記許容位置に移動させると、前記斜面が前記移動規制突起に当たって前記当接部が前記上下方向における上方に移動し、前記当接部は前記移動規制突起を乗り越えて前記移動規制突起の前記前後方向における後方に移動する
コネクタ組立体。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部は、支点部を有しており、
前記第2ロック部は、前記支点部を支点としてシーソー運動可能となっており、
前記ロック爪は、前記前後方向において前記支点部より前方に位置しており、
前記解除操作部は、前記前後方向において前記支点部より後方に位置しており、
前記移動規制突起は、前記支点部より前記ロック爪に近い
コネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタと、嵌合検知部材を備える第2コネクタとを備えるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
図60から
図63までを参照して、特許文献1は、この種のコネクタ組立体900を開示している。コネクタ組立体900は、第1コネクタ910と、第2コネクタ920とを備えている。第1コネクタ910は、第1ハウジング912を備えている。第1ハウジング912には、第1ロック部913が設けられている。第2コネクタ920は、第2ハウジング922と、位置決め保証装置(嵌合検知部材)926とを備えている。第2ハウジング922は、X方向に沿って第1ハウジング912と嵌合可能である。第2ハウジング922には、第2ロック部923と、横断片924とが設けられている。第2ロック部923は、
図63に示されるロック位置と、
図61に示される解除位置とを取りうるものである。第2ロック部923は、ストップウイング9232を有している。第2ロック部923がロック位置にあるとき、第1ロック部913と第2ロック部923とは、第1ハウジング912に対する第2ハウジング922の嵌合状態をロックする。嵌合検知部材926は、第2ハウジング922に対して、
図60に示される許容位置と、
図63に示される規制位置との間でX方向に相対移動可能となっている。嵌合検知部材926は、ストップアーム9262と、ブロッキング舌片9264とを有している。
【0003】
図61を参照して、嵌合検知部材926が許容位置にあるとき、第2ロック部923は、ロック位置から解除位置への移動を許容されている。第1ハウジング912に対する第2ハウジング922の嵌合途中において嵌合検知部材926が許容位置にあるとき、嵌合検知部材926のストップアーム9262は、第2ロック部923のストップウイング9232の-X側に位置しており、嵌合検知部材926は規制位置に移動することができない。
図62を参照して、第1ハウジング912に対する第2ハウジング922の嵌合が完了した状態において嵌合検知部材926が許容位置にあるとき、嵌合検知部材926のストップアーム9262は、第2ロック部923のストップウイング9232の+Z側に位置しており、嵌合検知部材926は規制位置に移動することができる。
図63を参照して、嵌合検知部材926が規制位置にあるとき、嵌合検知部材926のブロッキング舌片9264は第2ハウジング922の横断片924の-Z側に位置しており、これにより第2ロック部923はロック位置から解除位置への移動を規制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のコネクタ組立体900においては、第1コネクタ910と第2コネクタ920とを嵌合する際、嵌合検知部材926に対して力を加えることにより、第1コネクタ910と第2コネクタ920との嵌合操作と嵌合検知部材926の移動操作とを連続的に行うことが可能となっている。ここで、この嵌合操作と移動操作とを操作者が連続的に行った場合、第1コネクタ910と第2コネクタ920との嵌合が完了した際の係止感と、嵌合検知部材926が許容位置から規制位置へ移動した際の係止感とを、操作者はほぼ同時に知覚する。このため、第1コネクタ910に対する第2コネクタ920の嵌合が未完了の状態において嵌合検知部材926が許容位置から規制位置に誤って移動してしまうような不具合が発生した場合、第1コネクタ910に対する第2コネクタ920の嵌合が未完了であることを操作者が認識することができない。
【0006】
そこで本発明は、第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合操作と嵌合検知部材の移動操作とが別個独立しており、何らかの要因で第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合が未完了であった場合、操作者が確実に把握できるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
第1コネクタと、第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、第1ハウジングを備えており、
前記第1ハウジングには、第1ロック部と、ストッパとが設けられており、
前記第2コネクタは、第2ハウジングと、嵌合検知部材と、シフト機構とを備えており、
前記第2ハウジングは、前後方向に沿って前記第2ハウジングの前方に位置する前記第1ハウジングと嵌合可能であり、
前記第2ハウジングには、第2ロック部が設けられており、
前記第2ロック部は、ロック位置と、解除位置とを取りうるものであり、
前記第2ロック部が前記ロック位置にあるとき、前記第1ロック部と前記第2ロック部とは、前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合状態をロックし、
前記嵌合検知部材は、前記第2ハウジングに対して規制位置と許容位置との間で前記前後方向に相対移動可能であり、
前記許容位置は、前記前後方向において前記規制位置の後方に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記第2ロック部は、前記ロック位置から前記解除位置への移動を規制されており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記第2ロック部は、前記ロック位置から前記解除位置への移動を許容されており、
前記嵌合検知部材は、当接部を有しており、
前記当接部は、前記シフト機構の操作により前記前後方向と交差する方向に移動するものであり、
前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合を開始するとき、前記当接部は、前記前後方向に延びる仮想直線上であって前記ストッパを通る仮想直線上に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にある状態において前記第1ハウジングに対して前記第2ハウジングを嵌合させると、前記当接部が前記ストッパに突き当たり、前記嵌合検知部材は前記規制位置から前記許容位置に向かって移動し、
前記第1ハウジングに対する前記第2ハウジングの嵌合が完了したとき、前記嵌合検知部材は前記許容位置に位置しており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にある状態において前記シフト機構を操作すると、前記当接部は、前記仮想直線上からずれた位置に移動し、
前記当接部が前記仮想直線上からずれた状態において前記嵌合検知部材を前記前後方向における前方に押すと、前記嵌合検知部材は、前記許容位置から前記規制位置に移動する
コネクタ組立体を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部は、ロック爪と、解除操作部とを有しており、
前記第2ロック部は、初期状態において前記ロック位置に位置しており、
前記解除操作部を押下すると、前記ロック爪は前記前後方向と直交する上下方向における上方に移動し、前記第2ロック部は前記解除位置に移動し、
前記嵌合検知部材は、規制部を有しており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記解除操作部の前記上下方向における下方に位置しており、前記解除操作部の押下を規制しており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記規制部は前記解除操作部の前記前後方向における後方に位置しており、前記解除操作部の押下は許容されている
コネクタ組立体を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記第2ハウジングには、ガイド部が設けられており、
前記嵌合検知部材には、被ガイド部と、シフト操作部とが設けられており、
前記ガイド部及び前記被ガイド部の一方は、前記前後方向に延びる突条であり、
前記ガイド部及び前記被ガイド部の残りの一方は、前記前後方向に延びるガイドレールであって前記突条をガイドするガイドレールであり、
前記ガイド部と前記被ガイド部とは、前記嵌合検知部材の前記規制位置と前記許容位置との間の移動をガイドしており、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあるとき、前記シフト操作部は、前記前後方向と直交する直交方向における操作を規制されており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記シフト操作部は、前記直交方向に操作可能となっており、
前記ガイド部、前記被ガイド部及び前記シフト操作部は、前記シフト機構を構成しており、
前記シフト操作部が前記直交方向に操作されると、前記当接部は前記前後方向と交差する方向へ移動する
コネクタ組立体を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のコネクタ組立体として、第3のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部の移動方向は、前記直交方向である
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のコネクタ組立体として、第1から第4までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記第2ハウジングは、抜け止め部を有しており、
前記嵌合検知部材は、被抜け止め部を有しており、
前記抜け止め部と前記被抜け止め部とは、前記嵌合検知部材が前記第2ハウジングに対して前記許容位置より前記前後方向における後方へ移動することを防止する
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のコネクタ組立体として、第1から第5までのいずれかのコネクタ組立体であって、
前記嵌合検知部材が前記規制位置にあり且つ前記当接部が前記ストッパに突き当たっているとき、前記第2ロック部は、前記第1ロック部から前記前後方向に離れて位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のコネクタ組立体として、第2のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部には、移動規制突起が設けられており、
前記嵌合検知部材が前記許容位置にあるとき、前記移動規制突起は、前記当接部の前記前後方向における前方に位置しており、前記第2ロック部が前記ロック位置にあるときも前記解除位置にあるときでさえも、前記嵌合検知部材の前記規制位置への移動を規制しており、
前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する嵌合が完了していない状態において、前記嵌合検知部材を前記前後方向において前方に移動させると、前記嵌合が完了するまで前記嵌合検知部材に前記移動規制突起が押され、
前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する嵌合が完了し且つ前記第2ロック部が前記ロック位置にある状態において前記シフト機構を操作して前記当接部を移動させると、前記移動規制突起による前記規制が解除される
コネクタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のコネクタ組立体として、第7のコネクタ組立体であって、
前記嵌合検知部材には、斜面が形成されており、
前記斜面は、前記当接部の前記前後方向における後方に位置しており、
前記嵌合検知部材を前記規制位置から前記許容位置に移動させると、前記斜面が前記移動規制突起に当たって前記当接部が前記上下方向における上方に移動し、前記当接部は前記移動規制突起を乗り越えて前記移動規制突起の前記前後方向における後方に移動する
コネクタ組立体を提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のコネクタ組立体として、第7又は第8のコネクタ組立体であって、
前記第2ロック部は、支点部を有しており、
前記第2ロック部は、前記支点部を支点としてシーソー運動可能となっており、
前記ロック爪は、前記前後方向において前記支点部より前方に位置しており、
前記解除操作部は、前記前後方向において前記支点部より後方に位置しており、
前記移動規制突起は、前記支点部より前記ロック爪に近い
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のコネクタ組立体は、以下のように構成されている:嵌合検知部材が規制位置にある状態において第1ハウジングに対して第2ハウジングを嵌合させると、当接部がストッパに突き当たり、嵌合検知部材は規制位置から許容位置に向かって移動する;第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合が完了したとき、嵌合検知部材は許容位置に位置している。これにより、本発明のコネクタ組立体においては、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合が完了した後に、嵌合検知部材を許容位置から規制位置に必ず移動させるように構成されている。即ち、第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合操作と、嵌合検知部材の許容位置から規制位置への移動操作とが、別個独立した操作となっている。従って、本発明のコネクタ組立体においては、何らかの要因で第1コネクタに対する第2コネクタの嵌合が未完了であった場合、操作者が確実に把握できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体を示す側面図である。図において、第1コネクタと第2コネクタとは嵌合しておらず、第2コネクタの嵌合検知部材は規制位置に位置している。
【
図2】
図1のコネクタ組立体をA-A線に沿って示す断面図である。
【
図4】
図3のコネクタ組立体をB-B線に沿って示す断面図である。
【
図5】
図3のコネクタ組立体をC-C線に沿って示す断面図である。
【
図6】
図3のコネクタ組立体をD-D線に沿って示す断面図である。
【
図7】
図1のコネクタ組立体を示す別の側面図である。図において、第2コネクタは第1コネクタと嵌合途中であり、嵌合検知部材は規制位置に位置している。
【
図8】
図7のコネクタ組立体をE-E線に沿って示す断面図である。
【
図10】
図9のコネクタ組立体をF-F線に沿って示す断面図である。
【
図11】
図9のコネクタ組立体をG-G線に沿って示す断面図である。
【
図12】
図9のコネクタ組立体をH-H線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図13】
図9のコネクタ組立体をI-I線に沿って示す断面図である。
【
図14】
図1のコネクタ組立体を示す更に別の側面図である。図において、第1コネクタの第1ロック部と第2コネクタの第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材は許容位置に位置している。
【
図15】
図14のコネクタ組立体をJ-J線に沿って示す断面図である。
【
図17】
図16のコネクタ組立体をK-K線に沿って示す断面図である。
【
図18】
図16のコネクタ組立体をL-L線に沿って示す断面図である。
【
図19】
図16のコネクタ組立体をM-M線に沿って示す断面図である。
【
図20】
図16のコネクタ組立体をN-N線に沿って示す断面図である。
【
図21】
図1のコネクタ組立体を示す更に別の側面図である。図において、第1コネクタの第1ロック部と第2コネクタの第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材のシフト操作部は押下されている。
【
図22】
図21のコネクタ組立体をO-O線に沿って示す断面図である。
【
図24】
図23のコネクタ組立体をP-P線に沿って示す断面図である。
【
図25】
図23のコネクタ組立体をQ-Q線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図26】
図23のコネクタ組立体をR-R線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図27】
図1のコネクタ組立体を示す更に別の側面図である。図において、第1コネクタの第1ロック部と第2コネクタの第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材は規制位置に位置している。
【
図28】
図27のコネクタ組立体をS-S線に沿って示す断面図である。
【
図30】
図29のコネクタ組立体をT-T線に沿って示す断面図である。
【
図31】
図29のコネクタ組立体をU-U線に沿って示す断面図である。
【
図32】
図29のコネクタ組立体をV-V線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図33】
図1のコネクタ組立体を示す更に別の側面図である。図において、第1コネクタの第1ロック部と第2コネクタの第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材は規制位置から許容位置に向けて移動し始めている。
【
図34】
図33のコネクタ組立体をW-W線に沿って示す断面図である。
【
図36】
図35のコネクタ組立体をAA-AA線に沿って示す断面図である。
【
図37】
図35のコネクタ組立体をAB-AB線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図38】
図35のコネクタ組立体をAC-AC線に沿って示す断面図である。
【
図39】
図1のコネクタ組立体を示す背面図である。図において、嵌合検知部材は許容位置に位置しており、第2ロック部は解除位置に位置している。
【
図40】
図39のコネクタ組立体をAD-AD線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図41】
図1のコネクタ組立体を示す別の背面図である。図において、第2ロック部は、ロック位置と解除位置との間に位置しており、第1ロック部と第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしていない。また、嵌合検知部材は、許容位置と規制位置との間に位置している。
【
図42】
図41のコネクタ組立体をAE-AE線に沿って示す断面図である。
【
図43】
図41のコネクタ組立体をAF-AF線に沿って示す断面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
【
図44】
図41のコネクタ組立体をAG-AG線に沿って示す断面図である。
【
図45】
図1のコネクタ組立体に含まれる第2コネクタを示す斜視図である。図において、嵌合検知部材は許容位置に位置している。
【
図47】
図45の第2コネクタを示す別の斜視図である。図において、嵌合検知部材は規制位置に位置している。
【
図50】
図49の第2コネクタに含まれる嵌合検知部材を示す斜視図である。
【
図54】
図49の第2コネクタに含まれるシュラウドカバーを示す上面図である。
【
図56】
図1のコネクタ組立体に含まれる第1コネクタを示す斜視図である。
【
図60】特許文献1のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図61】
図60のコネクタ組立体を示す断面図である。図において、第1ロック部と第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしていない。
【
図62】
図60のコネクタ組立体を示す別の断面図である。図において、第1ロック部と第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材は許容位置に位置している。
【
図63】
図60のコネクタ組立体を示す更に別の断面図である。図において、第1ロック部と第2ロック部とは、第1ハウジングに対する第2ハウジングの嵌合状態をロックしており、嵌合検知部材は規制位置に位置している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示されるように、本発明の実施の形態のコネクタ組立体10は、第1コネクタ100と、第2コネクタ200とを備えている。第1コネクタ100と第2コネクタ200とは、前後方向に沿って互いに嵌合可能となっている。本実施の形態において、前後方向は、X方向である。ここで、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。
【0019】
図57に示されるように、本実施の形態の第1コネクタ100は、第1ハウジング110と、第1端子150とを備えている。
【0020】
図56を参照して、本実施の形態の第1ハウジング110は、絶縁体からなるものである。第1ハウジング110には、ソケットハウジング収容部111と、上面1112と、2つの第1ロック部112と、2つのストッパ114とが設けられている。
【0021】
図56に示されるように、本実施の形態のソケットハウジング収容部111は、後端が開口し、且つ、前後方向に延びる空間である。
【0022】
図56に示されるように、本実施の形態の上面1112は、
ソケットハウジング収容部111の上下方向における上端を規定している。上面1112は、上下方向と直交する平板形状を有している。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。
【0023】
図56に示されるように、本実施の形態の第1ロック部112の夫々は、第1ハウジング110の左右方向における中央付近に位置している。本実施の形態において、左右方向はY方向である。ここで、右方を+Y方向とし、左方を-Y方向とする。第1ロック部112は、上面1112に設けられている。第1ロック部112は、上面1112から上下方向における上方に延びている。また、第1ロック部112は、前後方向に延びている。
【0024】
図56及び
図58に示されるように、第1ロック部112の夫々は、第1ロック面1122と、上面1124と、斜面1126とを有している。
【0025】
図56に示されるように、本実施の形態の第1ロック面1122は、第1ロック部112の前後方向における前端を規定している。第1ロック面1122は、前後方向と直交する平面である。
【0026】
図57に示されるように、本実施の形態の上面1124は、第1ロック部112の上下方向における上端を規定している。上面1124は、上下方向と直交する平面である。
【0027】
図58に示されるように、本実施の形態の斜面1126は、前後方向における上面1124の後方に位置している。
図56に示されるように、斜面1126は、前後方向と斜交する平面である。斜面1126は、前方及び上方に延びている。
【0028】
図58に示されるように、本実施の形態のストッパ114の夫々は、上面1112に設けられている。ストッパ114は、第1ロック部112の左右方向外側に位置している。
図56に示されるように、ストッパ114は、上面1112から上下方向における上方に延びている。また、ストッパ114は、前後方向に延びている。
【0029】
図57を参照して、本実施の形態の第1端子150は、金属製であり、所謂ピンコンタクトである。
【0030】
図6に示されるように、本実施の形態の第2コネクタ200は、第2ハウジング300と、嵌合検知部材400と、シフト機構500と、第2端子250とを備えている。
【0031】
図6及び
図32を参照して、本実施の形態の第2ハウジング300は、前後方向に沿って第2ハウジング300の前方に位置する第1ハウジング110と嵌合可能となっている。
図49に示されるように、第2ハウジング300は、シュラウドカバー302と、ソケットハウジング304とで構成されている。
【0032】
図49、
図54及び
図55に示されるように、本実施の形態シュラウドカバー302は、第1ハウジング収容部3022と、天板3023と、抑制部3024と、ガイド部330と、2つの突起340と、2つの弾性部360と、2つの孔部370とを有している。即ち、第2ハウジング300にはガイド部330が設けられている。
【0033】
図49に示されるように、本実施の形態の第1ハウジング収容部3022は、前端が開口し、且つ、前後方向に延びる空間である。
【0034】
図55に示されるように、本実施の形態の天板3023は、シュラウドカバー302の上端を規定している。天板3023は、上下方向と直交する平板形状を有している。
【0035】
図49に示されるように、本実施の形態の抑制部3024は、上下方向において第1ハウジング収容部3022
の上方に位置している。抑制部3024は、天板3023の下面の一部である。
【0036】
図55に示されるように、本実施の形態のガイド部330は、前後方向に延びるガイドレールである。ガイド部330は、シュラウドカバー302の後端において開口している。
【0037】
図54に示されるように、本実施の形態の突起340は、左右方向外側に突出している。突起340は、弾性部360と夫々対応している。突起340は、対応する弾性部360から左右方向外側に突出している。突起340は、抜け止め部350と、傾斜部355とを有している。即ち、第2ハウジング300は、抜け止め部350を有している。
【0038】
図54に示されるように、本実施の形態の抜け止め部350は、シュラウドカバー302の後方部分に位置している。抜け止め部350は、突起340の前後方向における前端を規定している。抜け止め部350は、前後方向と直交する平面である。
【0039】
図54に示されるように、本実施の形態の傾斜部355は、抜け止め部350の前後方向における後方に位置している。傾斜部355は、後方且つ左右方向外側に向いている。傾斜部355は、前方且つ左右方向外側に延びている。
【0040】
図54に示されるように、本実施の形態の弾性部360は、シュラウドカバー302の後端から前方に延びている。弾性部360は、弾性変形可能となっている。即ち、弾性部360は、突起340を弾性支持している。
【0041】
図54に示されるように、本実施の形態の孔部370は、前後方向に延びる長孔である。孔部370は、弾性部360と夫々対応している。孔部370は、対応する弾性部360の左右方向内側に位置している。
【0042】
上述のように、弾性部360は、弾性変形可能となっており、弾性部360の左右方向内側には孔部370が位置している。これにより、弾性部360は、左右方向内側に弾性変形可能となっており、突起340は、左右方向内側に移動可能となっている。
【0043】
図6に示されるように、本実施の形態ソケットハウジング304は、シュラウドカバー302に固定されている。
図49に示されるように、ソケットハウジング304には、第2ロック部310が設けられている。即ち、第2ハウジング300には、第2ロック部310が設けられている。
【0044】
図20及び
図40に示されるように、
本実施の形態の第2ロック部310は、ロック位置LPと、解除位置RPとを取りうるものである。第2ロック部310は、上下方向に移動可能となっている。なお本発明はこれに限定されず、例えば、第2ロック部310の移動方向は左右方向であってもよい。即ち、第2ロック部310は、前後方向と直交する直交方向に移動可能となっていればよい。換言すれば、第2ロック部310の移動方向は、直交方向であればよい。第2ロック部310は、初期状態においてロック位置LPに位置している。
図15及び
図20を参照して、第2ロック部310がロック位置LPにあるとき、第1ロック部112と第2ロック部310とは、第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合状態をロックする。
【0045】
図49に示されるように、第2ロック部310は、ロック爪312と、解除操作部314と、弾性支持部317とを有している。
【0046】
図49に示されるように、本実施の形態のロック爪312は、第2ロック部310の前後方向における前端に位置している。
図20及び
図40を参照して、第2ロック部310がロック位置LPにあるときのロック爪312の位置は、第2ロック部310が解除位置RPにあるときのロック爪312の位置よりも下方に位置している。
【0047】
図40に示されるように、ロック爪312は、第2ロック面3122と、下面3124と、前端3126とを有している。
【0048】
図40に示されるように、本実施の形態の第2ロック面3122は、前後方向において後方を向いた面である。第2ロック面3122は、ロック爪312の前後方向における後端を規定している。
【0049】
図40に示されるように、本実施の形態の下面3124は、上下方向において下方を向いた面である。下面3124は、ロック爪312の上下方向における下端を規定している。
【0050】
図40に示されるように、本実施の形態の前端3126は、ロック爪312の前後方向における前端に位置している。前端3126は、第2ロック部310の前端でもある。
【0051】
図49に示されるように、本実施の形態の解除操作部314は、第2ロック部310の後端を規定している。
図20及び
図40を参照して、解除操作部314を押下すると、ロック爪312は前後方向と直交する上下方向における上方に移動し、第2ロック部310は解除位置RPに移動する。より詳しくは、解除操作部314を押下すると、ロック爪312は前後方向と直交する上下方向における上方に移動し、第2ロック部310はロック位置LPから解除位置RPに移動する。
【0052】
図49に示されるように、本実施の形態の弾性支持部317は、前後方向に延びている。弾性支持部317は、前後方向においてロック爪312の後方に位置している。弾性支持部317は、前後方向において、解除操作部314の前方に位置している。弾性支持部317は弾性変形可能となっている。
【0053】
図2に示されるように、本実施の形態の第2ロック部310には、2つの移動規制突起316が設けられている。
【0054】
図2に示されるように、本実施の形態の移動規制突起316の夫々は、左右方向外側に突出している。移動規制突起316は、第2ロック部310の左右方向両側に夫々位置している。移動規制突起316は、第2ロック部310の前後方向における前端付近に位置している。移動規制突起316は、前後方向においてロック爪312の後方に位置している。
図49に示されるように、移動規制突起316は、弾性支持部317の左右方向外端から左右方向外側に突出している。移動規制突起316は、前後方向において解除操作部314の前方に位置している。解除操作部314を押下すると、移動規制突起316は前後方向と直交する上下方向における上方に移動する。
【0055】
図43に示されるように、移動規制突起316は、斜面3162と、上面3163と、後面3168とを有している。
【0056】
図43に示されるように、本実施の形態の斜面3162は、前後方向と交差する平面である。斜面3162は、前後方向における前方且つ上下方向における下方に延びている。斜面3162は、前方且つ上方に向いている。
【0057】
図43に示されるように、本実施の形態の上面3163は、移動規制突起316の上下方向における上端を規定している。上面3163は、上下方向と交差する平面である。上面3163は、上下方向において上方を向いている。
【0058】
図43に示されるように、本実施の形態の後面3168は、移動規制突起316の前後方向における後端を規定している。後面3168は、前後方向と交差する平面である。後面3168は、前後方向における後方を向いている。
【0059】
図6に示されるように、本実施の形態の第2ロック部310は、支点部318を有している。
【0060】
図13に示されるように、支点部318は、第2ロック部310の前後方向における中央付近に位置している。
図13及び
図40を参照して、第2ロック部310は、支点部318を支点としてシーソー運動可能となっている。
図49に示されるように、ロック爪312は、前後方向において支点部318より前方に位置している。解除操作部314は、前後方向において支点部318より後方に位置している。移動規制突起316は、支点部318とロック爪312との間に位置している。移動規制突起316は、支点部318よりロック爪312に近い。
【0061】
図49を参照して、本実施の形態の嵌合検知部材400は、樹脂製である。
図2を参照して、嵌合検知部材400は、シュラウドカバー302に取り付けられている。
図1及び
図14を参照して、本実施の形態の嵌合検知部材400は、第2ハウジング300に対して規制位置RGPと許容位置ALPとの間で前後方向に相対移動可能となっている。ここで、許容位置ALPは、前後方向において規制位置RGPの後方に位置している。
【0062】
図50に示されるように、嵌合検知部材400は、2つの腕部405と、2つの突出部410とを有している。
【0063】
図49に示されるように、本実施の形態の腕部405の夫々は、前後方向において前方に延びている。腕部405の夫々は、上面406を有している。上面406は、上下方向における上方に向いている。
【0064】
図50に示されるように、本実施の形態の突出部410は、腕部405と夫々対応している。突出部410は、対応する腕部405の前端に位置している。突出部410は、対応する腕部405の前端から下方に突出している。
【0065】
図50及び
図52に示されるように、突出部410は、当接部412と、第1下面413と、前側傾斜部416と、後側傾斜部418と、第2下面419とを有している。即ち、嵌合検知部材400は、当接部412を有している。
【0066】
図50に示されるように、本実施の形態の当接部412は、前後方向において前方を向いている。当接部412は、突出部410の前後方向における前端を規定している。即ち、当接部412は、嵌合検知部材400の前端を規定している。当接部412は、前後方向と直交する平面である。
【0067】
図50に示されるように、本実施の形態の第1下面413は、上下方向において下方を向いている。第1下面413は、突出部410の上下方向における下端を規定している。
第1下面413は、上下方向と直交する平面である。
【0068】
図53に示されるように、本実施の形態の前側傾斜部416は、前後方向における当接部412の後方に位置している。前側傾斜部416は、上下方向における当接部412の下方に位置している。前側傾斜部416は、前後方向における第1下面413の前方に位置している。前側傾斜部416は、上下方向における第1下面413の上方に位置している。前側傾斜部416は、前方及び下方を向いている。前側傾斜部416は、前方及び上方に延びている。
【0069】
図53に示されるように、本実施の形態の後側傾斜部418は、前後方向における当接部412の後方に位置している。後側傾斜部418は、上下方向において、当接部412の下方に位置している。後側傾斜部418は、前後方向において、第1下面413の後方に位置している。後側傾斜部418は、上下方向において、第1下面413の上方に位置している。後側傾斜部418は、後方及び下方を向いている。
後側傾斜部418は、後方及び上方に延びている。
【0070】
図52に示されるように、本実施の形態の第2下面419は、嵌合検知部材400の前端に位置している。第2下面419は、左右方向において第1下面413の内側に位置している。
図50に示されるように、第2下面419は、上下方向において下方を向いている。第2下面419は、上下方向と直交する平面である。第2下面419は、上下方向において第1下面413の上方に位置している。
【0071】
図49及び
図52に示されるように、嵌合検知部材400は、規制部420と、クリック突起430と、被抜け止め部460を有している。
【0072】
図49に示されるように、本実施の形態の規制部420は、嵌合検知部材400の前後方向における後端付近に位置している。規制部420は、前後方向において腕部405の後方に位置している。規制部420は、略平板形状を有している。
【0073】
図6に示されるように、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、規制部420は、解除操作部314の上下方向における下方に位置しており、解除操作部314の押下を規制している。即ち、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、第2ロック部310は、ロック位置LPから
図40に示される解除位置RPへの移動を規制されている。
【0074】
図40に示されるように、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、規制部420は解除操作部314の前後方向における後方に位置しており、解除操作部314の押下は許容されている。即ち、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、第2ロック部310は、
図6に示されるロック位置LPから解除位置RPへの移動を許容されている。
【0075】
図52に示されるように、本実施の形態のクリック突起430は、前後方向において被抜け止め部460の後方に位置している。クリック突起430は、前側傾斜部432と、後側傾斜部434とを有している。
【0076】
図52に示されるように、本実施の形態の前側傾斜部432は、前方且つ左右方向内側を向いている。前側傾斜部432は、前方且つ左右方向外側に延びている。前側傾斜部432は、前後方向において被抜け止め部460の後方に位置している。
【0077】
図52に示されるように、本実施の形態の後側傾斜部434は、後方且つ左右方向内側を向いている。後側傾斜部434は、後方且つ左右方向外側に延びている。後側傾斜部434は、前後方向において前側傾斜部432の後方に位置している。
【0078】
図52に示されるように、本実施の形態の被抜け止め部460は、嵌合検知部材400の前後方向における中央付近に位置している。
図50に示されるように、被抜け止め部460は、上下方向において腕部405の下方に位置している。
図49及び
図50を参照して、被抜け止め部460は、上下方向において規制部420の下方に位置している。
図52に示されるように、被抜け止め部460は、前後方向においてクリック突起430の前方に位置している。被抜け止め部460は、左右方向において突出部410の第1下面413の内側に位置している。被抜け止め部460は、前後方向における後方を向いている。被抜け止め部460は、前後方向と直交する平面である。
【0079】
図19に示されるように、抜け止め部350と被抜け止め部460とは、嵌合検知部材400が第2ハウジング300に対して許容位置ALPより前後方向における後方へ移動することを防止している。
【0080】
図53に示されるように、嵌合検知部材400には、被ガイド部440と、シフト操作部450とが設けられている。
【0081】
図50に示されるように、本実施の形態の被ガイド部440は、前後方向に延びる突条である。
図10及び
図17を参照して、ガイド部330と被ガイド部440とは、嵌合検知部材400の規制位置RGPと許容位置ALPとの間の移動をガイドしている。なお、被ガイド部440及びガイド部330の上下方向のサイズは、被ガイド部440がガイド部330にスムーズにガイドされる程度の大きさである。
【0082】
図10を参照して、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、被ガイド部440のほぼ全ての部分は、ガイド部330に収容されている。即ち、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、ガイド部330と被ガイド部440とは、前後方向において重なる部分が多くなっている。一方、
図17を参照して、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、被ガイド部440の大半は、ガイド部330に収容されておらず、ガイド部330の後方において外部に露出している。即ち、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、ガイド部330と被ガイド部440とは、前後方向において重なる部分が少なくなっている。
【0083】
上述のように、本実施の形態の第2コネクタ200において、ガイド部330は、前後方向に延びるガイドレールであり、被ガイド部440は前後方向に延びる突条であったが、本発明はこれに限定されない。即ち、ガイド部330及び被ガイド部440の一方が前後方向に延びる突条であり、ガイド部330及び被ガイド部440の残りの一方が前後方向に延びるガイドレールであって突条をガイドするガイドレールであればよい。
【0084】
図53に示されるように、シフト操作部450は、嵌合検知部材400の前後方向における後端に位置している。シフト操作部450が上下方向に操作されると、当接部412は前後方向と直交する上下方向へ移動する。なお、本発明はこれに限定されず、シフト操作部450が前後方向と直交する直交方向に操作されると、当接部412は前後方向と交差する方向へ移動するように構成されていてもよい。
【0085】
上述のように、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、ガイド部330と被ガイド部440とは、前後方向において重なる部分が多くなっていることから、被ガイド部440の後端はガイド部330に対して上下方向に殆ど動くことができず、シフト操作部450の前後方向と直交する上下方向への操作は規制されている状態となっている。なお、本発明はこれに限定されず、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるとき、シフト操作部450は、前後方向と直交する直交方向における操作を規制されていてもよい。
【0086】
上述のように、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、ガイド部330と被ガイド部440とは、前後方向において重なる部分が少なくなっていることから、被ガイド部440の後端はガイド部330に対して上下方向に大きく動くことができ、シフト操作部450は、前後方向と直交する上下方向に操作可能となっている。なお、本発明はこれに限定されず、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、シフト操作部450は、直交方向に操作可能となっていてもよい。具体的には、当接部412を前後方向と交差する方向へ移動させることができるのであれば、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるときのシフト操作部450の操作方向は、例えば左右方向であってもよい。
【0087】
上述のように、被ガイド部440とガイド部330の上下方向のサイズは、被ガイド部440がガイド部330にスムーズにガイドされる程度の大きさであることから、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるときは、シフト操作部450を押下してもシフト操作部450は多少がたつくだけでほぼ動けないが、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるときは、シフト操作部450を押下した際のシフト操作部450の移動可能な距離が大きくなっている。
【0088】
図10を参照して、シフト機構500は、ガイド部330、被ガイド部440及びシフト操作部450によって構成されている。即ち、ガイド部330、被ガイド部440及びシフト操作部450は、シフト機構500を構成している。
図18、
図25及び
図26を参照して、当接部412は、シフト機構500の操作により前後方向と交差する方向に移動する。より詳しくは、当接部412は、シフト機構500のシフト操作部450を押下することにより上方に移動する。
【0089】
図52に示されるように、嵌合検知部材400には、斜面414が形成されている。
【0090】
図52に示されるように、本実施の形態の斜面414は、当接部412の前後方向における後方に位置している。斜面414は、被ガイド部440の左右方向内側に位置している。斜面414は、突出部410の第1下面413の左右方向内側に位置している。斜面414は、左右方向においてクリック突起430と同じ位置に位置している。斜面414は、前後方向において第2下面419の後方に位置している。
図12に示されるように、斜面414は、後方且つ下方を向いている。斜面414は、後方且つ上方に延びている。斜面414は、前後方向と斜交する平面である。
【0091】
図6を参照して、本実施の形態第2端子250は、金属製であり、所謂ソケットコンタクトである。第2端子250は、ソケットハウジング304に保持されている。
図20を参照して、第2端子250は、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが互いに嵌合した際に第1端子150と接続される。
【0092】
(嵌合操作)
第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合操作及びこれに伴うコネクタ組立体10の各部位の挙動について以下に詳述する。
【0093】
まず、
図2を参照して、嵌合検知部材400が規制位置RGPにある第2コネクタ200を、第1コネクタ100に対して前後方向における後方に配置する。このとき、第2コネクタ200の当接部412は、前後方向において、第1コネクタ100のストッパ114の後方に位置しており、且つ、ストッパ114と対向している。即ち、第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合を開始するとき、当接部412は、前後方向に延びる仮想直線IL上であってストッパ114を通る仮想直線IL上に位置している。
【0094】
この状態において、第2ハウジング300を第1ハウジング110に対して前後方向に近づくように前方に相対移動させると、第2コネクタ200の第1ハウジング収容部3022は、第1コネクタ100の第1ハウジング110の一部を収容し、且つ、第1コネクタ100の第1ハウジング110のソケットハウジング収容部111は、第2コネクタ200のソケットハウジング304の一部を収容する。即ち、コネクタ組立体10は、
図7から
図13までに示される嵌合開始状態となる。
【0095】
嵌合開始状態において、第2コネクタ200の第2端子250は、第1コネクタ100の第1端子150と接続されていない。また、嵌合開始状態において、当接部412は、前後方向において、ストッパ114の後方に位置し、且つストッパ114に突き当たっている。更に、嵌合開始状態において、嵌合検知部材400のクリック突起430は、前後方向においてシュラウドカバー302の抜け止め部350の前方に位置している。加えて、嵌合開始状態において、第2ロック部310のロック爪312の前端3126と第1ロック部112とは前後方向おいて接していない。換言すれば、嵌合開始状態において、第2ロック部310のロック爪312の前端3126は、第1ロック部112に対して空間をあけて前後方向における後方に位置している。即ち、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあり且つ当接部412がストッパ114に突き当たっているとき、第2ロック部310は、第1ロック部112から前後方向に離れて位置している。
【0096】
嵌合開始状態にあるコネクタ組立体10において、第2ハウジング300を第1ハウジング110に対して更に近づくように前方に相対移動させると、嵌合検知部材400は、第2ハウジング300に対して前後方向における後方に相対移動し、第2コネクタ200の第2ロック部310のロック爪312の前端3126は、第1コネクタ100の第1ロック部112の斜面1126(
図56参照)と前後方向において接触する。このとき、嵌合検知部材400の規制部420は第2ロック部310の解除操作部314の下方に位置しており、解除操作部314の押下は依然として規制された状態にある。
【0097】
この状態において第2ハウジング300を第1ハウジング110に対して更に近づくように前方に相対移動させると、嵌合検知部材400は、第2ハウジング300に対して前後方向において更に後方に相対移動し、ロック爪312の前端3126が上方に持ち上げられて、第2ロック部310の弾性支持部317が弾性変形する。このとき、嵌合検知部材400の突出部410の斜面414は、前後方向において第2ロック部310の移動規制突起316の斜面3162と当たって、突出部410は上方に持ち上げられる。
【0098】
第2ロック部310の弾性支持部317が弾性変形した上述の状態から第2ハウジング300を第1ハウジング110に対して更に近づくように前方に相対移動させると、ロック爪312の下面3124が第1ロック部112の上面1124(
図56参照)に乗り上げ、また、嵌合検知部材400の突出部410の第2下面419が第2ロック部310の移動規制突起316の上面3163上に乗り上げる。この状態から第2ハウジング300を第1ハウジング110に対して更に近づくように前方に相対移動させると、ロック爪312は、第1ロック部112を乗り越えて前方に移動し、また、嵌合検知部材400の突出部410は、第2ロック部310の移動規制突起316を乗り越えて後方に移動する。これにより、コネクタ組立体10は、
図14から
図20までに示される嵌合完了状態となり、嵌合検知部材400は許容位置ALPに到達する。即ち、第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合が完了したとき、嵌合検知部材400は許容位置ALPに位置している。換言すれば、第1コネクタ100に対する第2コネクタ200の嵌合が完了したとき、嵌合検知部材400は許容位置ALPに位置している。
【0099】
以上纏めると、嵌合検知部材400が規制位置RGPにある状態において第1ハウジング110に対して第2ハウジング300を嵌合させると、当接部412がストッパ114に突き当たり、嵌合検知部材400は規制位置RGPから許容位置ALPに向かって移動することとなる。また、嵌合検知部材400を規制位置RGPから許容位置ALPに移動させると、斜面414が移動規制突起316に当たって当接部412が上下方向における上方に移動し、当接部412は移動規制突起316を乗り越えて移動規制突起316の前後方向における後方に移動することとなる。
【0100】
上述の嵌合完了状態において、第2ロック部310は、ロック位置LPにある。また、嵌合完了状態において、嵌合検知部材400のクリック突起430は、前後方向においてシュラウドカバー302の抜け止め部350の後方に位置している。更に、嵌合完了状態において、ロック爪312の第2ロック面3122は、第1ロック部112の第1ロック面1122の前後方向における前方に位置しており、前後方向において対向している。即ち、嵌合完了状態において、第1ロック部112と第2ロック部310とは、第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合状態をロックしている。
【0101】
嵌合完了状態において、嵌合検知部材400の突出部410の当接部412は、移動規制突起316の後面3168の前後方向における後方に位置しており、前後方向において対向している。また、嵌合完了状態において、抜け止め部350は、前後方向において被抜け止め部460の後方に位置している。更に、嵌合完了状態において、第2コネクタ200の第2端子250は、第1コネクタ100の第1端子150と接続されている。上述のように、嵌合完了状態において嵌合検知部材400は許容位置ALPにあることから、嵌合完了状態において、規制部420は解除操作部314の前後方向における後方に位置しており、解除操作部314の押下は許容されている。なお、嵌合完了状態において、当接部412は、依然として、前後方向において、ストッパ114の後方に位置し、且つストッパ114と接触している。
【0102】
上述のように、嵌合完了状態において、嵌合検知部材400は許容位置ALPにあり、第2ロック部310はロック位置LPにあり、嵌合検知部材400の突出部410の当接部412は、移動規制突起316の後面3168の前後方向における後方に位置しており、前後方向において対向している。これにより、仮に、嵌合完了状態において嵌合検知部材400を第2ハウジング300に対して前方に相対移動させたとしても、当接部412が移動規制突起316の後面3168に後方から突き当り、嵌合検知部材400の第2ハウジング300に対する前方への相対移動が妨げられる。即ち、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、移動規制突起316は、当接部412の前後方向における前方に位置しており、第2ロック部310がロック位置LPにあるとき、嵌合検知部材400の規制位置RGPへの移動を規制している。
【0103】
ここで、嵌合開始状態から嵌合完了状態に移行する過程において、嵌合検知部材400のクリック突起430の後側傾斜部434(
図52参照)は、シュラウドカバー302の抜け止め部350と接触するが、弾性部360(
図54参照)が
左右方向内側に弾性変形して突起340が
左右方向内側に移動するため、クリック突起430は抜け止め部350の後方に移動することができるようになっている。
【0104】
上述の嵌合完了状態において嵌合検知部材400のシフト操作部450を押下すると、当接部412は、移動規制突起316の上下方向における上方に移動し、
図21から
図26までに示される規制解除状態となる。即ち、嵌合検知部材400が許容位置ALPにある状態においてシフト機構500を操作すると、当接部412は、仮想直線IL上からずれた位置に移動することとなる。
【0105】
この規制解除状態において、当接部412は、移動規制突起316の後面3168の上下方向における上方に位置し、後面3168と前後方向において対向していない。これにより、規制解除状態において嵌合検知部材400を第2ハウジング300に対して前方に相対移動させると、当接部412は移動規制突起316に突き当らず、嵌合検知部材400の第2ハウジング300に対する前方への相対移動は妨げられない。即ち、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了し且つ第2ロック部310がロック位置LPにある状態においてシフト機構500を操作して当接部412を移動させると、移動規制突起316による上記規制が解除される。なお、この規制解除状態において、突出部410の当接部412及び前側傾斜部416は、ストッパ114の後側傾斜部1148と前後方向において接触している。
【0106】
この規制解除状態の嵌合検知部材400に対して前方に向かう力を加えると、突出部410の第2下面419は、移動規制突起316の上面3163上を通過し、突出部410の第1下面413は、ストッパ114の上面1144に乗り上げる。
【0107】
この状態から更に嵌合検知部材400に対して前方に向かう力を加え続けると、突出部410の斜面414は、移動規制突起316の斜面3162の前方に移動し、また、突出部410は、ストッパ114を乗り越えて前方に移動する。これにより、コネクタ組立体10は、
図27から
図32までに示される嵌合検知状態となり、嵌合検知部材400は規制位置RGPに到達する。即ち、当接部412が仮想直線IL上からずれた状態において嵌合検知部材400を前後方向における前方に押すと、嵌合検知部材400は、許容位置ALPから規制位置RGPに移動する。
【0108】
嵌合検知状態において、嵌合検知部材400のクリック突起430は、前後方向においてシュラウドカバー302の抜け止め部350の前方に位置している。また、嵌合検知状態において、当接部412は、前後方向において、ストッパ114の前方に位置しており、ストッパ114と対向していない。更に、嵌合検知状態において、規制部420は、第2ロック部310の解除操作部314の下方に位置しており、解除操作部314の押下を規制している。
【0109】
ここで、嵌合完了状態から嵌合検知状態に移行する過程において、嵌合検知部材400のクリック突起430の前側傾斜部432(
図52参照)は、シュラウドカバー302の傾斜部355(
図54参照)と接触してクリック感が生じるため、嵌合検知部材400の操作者は、嵌合検知部材400が許容位置ALPから規制位置RGPまでの間を移動中であることを明確に認識することができるようになっている。なお、上述の嵌合開始状態から嵌合完了状態に移行する過程におけるクリック突起430の後側傾斜部434と抜け止め部350との接触と同様に、クリック突起430の前側傾斜部432とシュラウドカバー302の傾斜部355との接触の際、弾性部360(
図54参照)が
左右方向内側に弾性変形して突起340が
左右方向内側に移動する。これにより、クリック突起430は抜け止め部350の前方に移動することができるようになっている。
【0110】
また、嵌合完了状態から嵌合検知状態に移行する過程において、嵌合検知部材400の腕部405の上面406の一部が、シュラウドカバー302の抑制部3024に上下方向において下方から突き当たり、腕部405の過度な上方への移動が抑制されている。
【0111】
以上、嵌合検知部材400が規制位置RGPにある第2コネクタ200を第1コネクタ100に対して後方に配置した場合の嵌合操作及びコネクタ組立体10の各部位の挙動について説明したが、嵌合検知部材400が許容位置ALPにある第2コネクタ200を第1コネクタ100に対して後方に配置した場合の嵌合操作及びコネクタ組立体10の各部位の挙動についても、嵌合開始状態から嵌合完了状態に移行する過程において嵌合検知部材400が第2ハウジング300に対して相対移動しない点を除いて同様である。なお、上述のような、嵌合検知部材400が許容位置ALPにある第2コネクタ200を第1コネクタ100に嵌合する場合、コネクタ組立体10が嵌合完了状態に到達する前、即ち、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了していない未完了状態において、嵌合検知部材400を第2ハウジング300に対して許容位置ALPから規制位置RGPに向けて誤って移動させるような特殊状況も想定されるが、このような特殊状況におけるコネクタ組立体10の各部位の挙動については後述する。
【0112】
なお、嵌合開始状態にあるコネクタ組立体10において、規制位置RGPにある嵌合検知部材400と第2ハウジング300とを同時に第1ハウジング110に対して前方に押し込もうとしても、上述のように嵌合検知部材400の当接部412が第1ハウジング110のストッパ114に後方から突き当たっていることから、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合は完了せず、コネクタ組立体10が嵌合完了状態に移行することはない。即ち、本実施のコネクタ組立体10においては、嵌合検知部材400が規制位置RGPにある状態でコネクタ組立体10が嵌合完了状態に移行することが避けられている。
【0113】
(特殊状況におけるコネクタ組立体の各部位の挙動)
上述のように、通常の嵌合操作においては、嵌合検知部材400が規制位置RGPにある第2コネクタ200を第1コネクタ100に対して後方に配置したうえで嵌合を開始するため、第2コネクタ200の第1コネクタ100に対する嵌合が完了していない未完了状態においては、嵌合検知部材400は規制位置RGPにある。しかしながら、通常の嵌合操作と異なり、嵌合検知部材400が規制位置RGPに戻されておらず許容位置ALPにある第2コネクタ200を、第1コネクタ100に対して後方に配置して嵌合を開始するような場合、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが未完了状態にあっても、嵌合検知部材400が許容位置ALPに依然として位置していることとなる。このような通常と異なる特異状態にあるコネクタ組立体10において嵌合検知部材400を許容位置ALPから規制位置RGPに向けて移動させた場合における、コネクタ組立体10の各部位の挙動を以下に詳述する。
【0114】
特異状態のコネクタ組立体10において嵌合検知部材400をシフト操作部450を押下しながら前方に移動させた場合、コネクタ組立体10は、
図41から
図44までの移動規制状態となる。この移動規制状態において、移動規制突起316は、当接部412の前後方向における前方に位置しており、移動規制突起316の後面3168は、当接部412と前後方向において接触している。また、この移動規制状態において、嵌合検知部材400は、依然として許容位置ALPに位置しており、第2ロック部310は、解除位置RPに位置している。即ち、移動規制状態において、嵌合検知部材400は、許容位置ALPから規制位置RGPへの移動を規制されている。
【0115】
換言すると、嵌合検知部材400が許容位置ALPにあるとき、移動規制突起316は、当接部412の前後方向における前方に位置しており、第2ロック部310が解除位置RPにあるときでさえも、嵌合検知部材400の規制位置RGPへの移動を規制している。
【0116】
この移動規制状態において嵌合検知部材400を更に前方に移動させると、移動規制突起316は、嵌合検知部材400によって前方に押されて、第2ロック部310は、嵌合検知部材400と共に第1コネクタ100に対して前方に相対移動する。
【0117】
嵌合検知部材400を更に前方に移動させると、第2ロック面3122が前後方向において第1ロック面1122と同じ位置に到達する。このとき、弾性支持部317は元の形状に復帰して第2ロック部310のロック爪312は下方に移動し、第2ロック部310はロック位置LP(
図20参照)に移動する。これにより、ロック爪312の第2ロック面3122は、第1ロック部112の第1ロック面1122の前後方向における前方に位置し、前後方向において対向することとなる。即ち、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了する。
【0118】
以上纏めると、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了していない状態において、嵌合検知部材400を前後方向において前方に移動させると、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了するまで嵌合検知部材400に移動規制突起316が押されることとなる。
【0119】
なお、第2ハウジング300の第1ハウジング110に対する嵌合が完了した後は、上述の通常の嵌合操作と同様に、シフト操作部450を押下しながら嵌合検知部材400を前方に移動させることにより、嵌合検知部材400は規制位置RGPに到達することができ、コネクタ組立体10は嵌合検知状態に移行することができる。
【0120】
本実施の形態のコネクタ組立体10は、上述のように構成されていることにより、第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合が未完了の状態において嵌合検知部材400が許容位置ALPから規制位置RGPに向けて誤って移動されたとしても、嵌合検知部材400が規制位置RGPに到達する前に第1ハウジング110に対する第2ハウジング300の嵌合が必ず完了するようになっている。
【0121】
(嵌合解除操作)
第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合を解除する操作について以下に詳述する。
【0122】
上述の嵌合検知状態において嵌合検知部材400に対して後方に向かう力を加えると、
図33から
図38までに示される解除開始状態となる。解除開始状態において、突出部410の後側傾斜部418は、ストッパ114の前側傾斜部1146と前後方向において接触している。なお、解除開始状態において、突出部410の斜面414は、依然として移動規制突起316の斜面3162の前方に位置している。
【0123】
解除開始状態において嵌合検知部材400に対して更に後方に向かう力を加え続けると、当接部412は、ストッパ114を乗り越えて後方に移動するとともに、移動規制突起316の上方を通過して後方に移動し、嵌合検知部材400は許容位置ALPに到達する。即ち、コネクタ組立体10は、
図14から
図20までに示される嵌合完了状態となる。
【0124】
なお、解除開始状態から嵌合完了状態に移行する過程において、嵌合検知部材400の腕部405の上面406の一部が、シュラウドカバー302の抑制部3024に上下方向において下方から突き当たり、腕部405の過度な上方への移動が抑制されている。
【0125】
嵌合完了状態のコネクタ組立体10において、第2ロック部310の解除操作部314を押下して第2ロック部310を解除位置RP(
図40参照)に移動しながら第2コネクタ200を第1コネクタ100に対して後方に相対移動する。これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200との嵌合は解除される。
【0126】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0127】
本実施の形態のコネクタ組立体10においては、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるときの第2ロック部310のロック位置LPから解除位置RPへの移動規制は、規制部420が解除操作部314の上下方向における下方に位置して解除操作部314の押下を規制することにより実現されていたが、本発明はこれに限定されない。即ち、嵌合検知部材400が規制位置RGPにあるときの第2ロック部310のロック位置LPから解除位置RPへの移動規制を、規制部420がロック爪312の上方に位置してロック爪312の上昇を規制することにより実現してもよい。
【0128】
本実施の形態の第2コネクタ200において、第2ロック部310がロック位置LPにあるときのロック爪312の位置は、第2ロック部310が解除位置RPにあるときのロック爪312の位置よりも下方に位置していたが、本発明はこれに限定されない。即ち、第2ロック部310がロック位置LPにあるときのロック爪312の位置が、第2ロック部310が解除位置RPにあるときのロック爪312の位置よりも上方に位置するように、第2コネクタ200が構成されていてもよい。
【0129】
本実施の形態のコネクタ組立体10においては、当接部412が移動規制突起316の上方に移動することにより規制解除状態となっていたが、本発明はこれに限定されない。即ち、移動規制突起316による上記規制が解除されるのであれば、当接部412の移動方向は、前後方向と交差する方向である限り、特に限定されない。
【0130】
本実施の形態の第2コネクタ200において、クリック突起430及び被抜け止め部460は嵌合検知部材400に設けられており、抜け止め部350はシュラウドカバー302に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、逆の構成であってもよい。即ち、シュラウドカバー302にクリック突起430及び被抜け止め部460が設けられており、嵌合検知部材400に抜け止め部350が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0131】
10 コネクタ組立体
100 第1コネクタ
110 第1ハウジング
111 ソケットハウジング収容部
1112 上面
112 第1ロック部
1122 第1ロック面
1124 上面
1126 斜面
114 ストッパ
1144 上面
1146 前側傾斜部
1148 後側傾斜部
150 第1端子
200 第2コネクタ
250 第2端子
300 第2ハウジング
302 シュラウドカバー
3022 第1ハウジング収容部
3023 天板
3024 抑制部
304 ソケットハウジング
310 第2ロック部
312 ロック爪
3122 第2ロック面
3124 下面
3126 前端
314 解除操作部
316 移動規制突起
3162 斜面
3163 上面
3168 後面
317 弾性支持部
318 支点部
330 ガイド部(ガイドレール)
340 突起
350 抜け止め部
355 傾斜部
360 弾性部
370 孔部
400 嵌合検知部材
405 腕部
406 上面
410 突出部
412 当接部
413 第1下面
414 斜面
416 前側傾斜部
418 後側傾斜部
419 第2下面
420 規制部
430 クリック突起
432 前側傾斜部
434 後側傾斜部
440 被ガイド部(突条)
450 シフト操作部
460 被抜け止め部
500 シフト機構
ALP 許容位置
IL 仮想直線
LP ロック位置
RGP 規制位置
RP 解除位置