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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】服薬支援装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
A61J7/04 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020204487
(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公開番号】P2021122726
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2020019409
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502090688
【氏名又は名称】宮坂 義政
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 義政
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-010288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0254931(US,A1)
【文献】国際公開第2015/076021(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬を収容する複数の薬ケースと、
前記複数の薬ケースを積み重ねて収納し、予め設定されている複数の服薬可能時間帯の各々に対応して設けられ、かつ正面から見て横方向直線上に配列される複数のカセットと、
前記服薬可能時間帯に基づき、各前記カセットの最下段に収納されている前記薬ケースを前記カセットから送り出す薬ケース送り出し機構と、
を有し、
前記カセットは、上端部の正面側に前記薬ケースを挿入することが可能な薬ケース挿入口、及び下端部の正面側に前記薬ケースを取り出すことが可能な薬ケース取り出し口を有し
前記薬ケースは、前記カセット内で自然落下可能に収納されており、
前記薬ケース送り出し機構は、前記薬ケースを支持しつつ前記カセット内に収納する初期位置から取り出し可能な位置に前記薬ケースを移送する薬ケース支持プレートを有し、前記薬ケースを前記カセットから送り出した後に、前記服薬可能時間帯を過ぎた時点で前記薬ケース支持プレートを前記初期位置に戻すように構成されており、
前記薬ケース支持プレートは、前記薬ケースのケース送り出し方向前方側の位置を規制する前方側位置規制部と、後方側の位置を規制する後方側位置規制部とを有しており、
前記服薬可能時間帯においては、前記後方側位置規制部は、前記カセット内に収納されている前記薬ケースの平面の中央部付近に位置し、高さが前記薬ケースの厚みの1/2以上であり、上部先端部が前記薬ケース取り出し口の上縁部より低くなるよう構成されている、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の服薬支援装置において、
前記薬ケースは、ヒンジ部によって接続された薬収容部を有するケース本体とケース蓋とが一体に成形され、
前記ケース蓋の側方には、前記薬ケースを持ち上げることが可能な摘み部が突出され、前記摘み部は、前記カセットに収容したときに、前記カセットに設けられたスリットから外側に突出している、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項3】
請求項に記載の服薬支援装置において、
前記薬ケースは、前記ケース本体と前記ケース蓋とを開閉可能に固定する嵌合部をさらに有し、
前記嵌合部は、前記摘み部を摘まんで前記薬ケースを持ち上げる際に、前記薬が収容されている状態で前記ケース蓋が開かず、服薬する際には容易に開けることが可能な嵌合力を有している、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項4】
請求項に記載の服薬支援装置において、
前記ケース本体は、前記薬収容部を分割する複数の仕切り板を有し、
前記仕切り板は、前記ケース本体に対し着脱可能である、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の服薬支援装置において、
前記服薬可能時間帯として、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つの服薬可能時間帯の少なくとも一つが予め設定されており、
前記服薬可能時間帯に対応して、前記カセットを選択するモード切換えスイッチをさらに有し、
前記モード切換えスイッチには、開閉可能な開閉蓋が設けられている、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の服薬支援装置において、
前記薬ケースは、前記4つの服薬可能時間帯に対応する前記カセット毎に色分けされている、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の服薬支援装置において、
前記複数のカセットの上面にトレイが載置され、
前記トレイは、前記複数のカセットの上方を固定している、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の服薬支援装置において、
現在時刻を表示する表示部及び時刻を設定する時刻設定部を含む時刻制御系と、前記薬ケース送り出し機構を駆動するモータ及びモータ制御部を含む駆動系とをさらに有し、
前記時刻制御系及び前記駆動系の2系統それぞれに電力を供給する電源を有し、
前記電源は、一次電池又は二次電池である、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の服薬支援装置において、
前記薬ケース挿入口を開閉することが可能なシャッターと、
水平方向に延長され軸方向に進退可能であり前記シャッターに係合する軸部材と、
前記軸部材の垂直上方側に進退可能であり、前記軸部材の段部に係合し前記シャッターが前記薬ケース挿入口を閉鎖する状態に維持することが可能な位置に前記軸部材の位置を規制する磁性体からなる位置規制軸と、
前記位置規制軸を磁気吸引し、前記段部と前記位置規制軸との係合を解除するマグネットキーと、
前記段部と前記位置規制軸との係合が解除されたときに、前記軸部材と前記シャッターとの係合を解除する位置に前記軸部材を移動させるコイルバネと、
を有している、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項10】
請求項に記載の服薬支援装置において、
前記マグネットキーは、前記服薬支援装置とは切り離して保管することが可能である、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服薬支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常的に服薬する場合、薬の「飲み忘れ」、「飲みすぎ」、或いは「飲み間違い」をすることが少なからずあり、服薬効果を損なう虞がある。そこで、このような薬の「飲み忘れ」、「飲みすぎ」、或いは「飲み間違い」をなくすために種々の装置が提案されている。例えば、特許文献1には、薬の「飲み忘れ」、「飲みすぎ」、或いは「飲み間違い」を回避するための服薬支援装置が開示されている。この服薬支援装置は、4個のカセットのそれぞれに、1週間分、すなわち7個の薬ケースを収納し、予め設定されている服薬指定時刻になると、決められた薬が収納されている薬ケースを排出することが可能な位置にカセットを回転し、服薬対象の薬ケースをカセットから排出するというものである。4個のカセットはそれぞれ、4つの服薬指定時刻である「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」に対応して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-10597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような服薬支援装置を使用することによって、薬の「飲み忘れ」、「飲みすぎ」、或いは「飲み間違い」を抑えることが期待できる。服薬支援装置は常に適切に扱わなければならないものであるから、服薬する人、服薬を支援する人が簡単な操作で指定の薬を指定時間内に服薬を可能にすることが求められる。しかしながら、上記服薬支援装置においては、服薬指定時刻になったときに、そのことを音声などで報知しているが、入力ボタンを押すという服薬受付け操作をしなければ薬ケースを受取ることができないという課題がある。つまり、入力ボタンを押し忘れると服薬することができない。
【0005】
また、薬ケースをカセットにセットする際に、装置本体の蓋を開け、すでにセットされているカセットを取り出した後に、薬ケースをカセットに収納してから装置本体にカセットをセットし、さらに蓋を閉めるというような服薬のための準備段階における煩わしさがある。また、カセットは服薬可能時間帯に対応して4種類あり、それぞれのカセットを装置本体の特定の開口部にセットしなければならないことから、蓋を開けたときの開口部に合うカセットを4個のカセットのうちから選択してセットをする煩わしさがある。
【0006】
さらに、服薬した後に空になった薬ケースは、1週間後に上記服薬準備作業と同じ作業を経なければ、カセットにセットすることができないことから、薬ケースに薬をいれるまでの期間に紛失する虞や、そのまま放置することによる衛生面の課題もある。さらに、上記服薬支援装置は、薬ケースを排出する位置が1箇所のため、服薬指定時刻になったときに4個のカセットを服薬対象の薬ケースを排出可能な位置に回転させなければならない。そのための駆動装置及び制御系などが複雑になることからコスト高になってしまい、手軽に導入することが難しいという課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題の少なくとも一つを解決するためになされたもので、簡単な操作で薬ケースをカセットに収納し、特別な操作をすることなしに、指定の服薬可能時間帯に指定の薬ケースを間違いなく取り出し服薬することが可能な簡単な構造の服薬支援装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明の服薬支援装置は、薬を収容する複数の薬ケースと、前記複数の薬ケースを積み重ねて収納し、予め設定されている複数の服薬可能時間帯の各々に対応して設けられ、かつ直線上に配列される複数のカセットと、前記服薬可能時間帯に基づき、各前記カセットの最下段に収納されている前記薬ケースを前記カセットから送り出す薬ケース送り出し機構と、を有し、前記カセットは、上端部の正面側に前記薬ケースを挿入することが可能な薬ケース挿入口、及び下端部の正面側に前記薬ケースを取り出すことが可能な薬ケース取り出し口を有していることを特徴とする。
【0009】
[2]本発明の服薬支援装置においては、前記薬ケースは、前記カセット内で自然落下可能に収納されており、前記薬ケース送り出し機構は、前記薬ケースを支持しつつ前記カセット内に収納する初期位置から取り出し可能な位置に前記薬ケースを移送する薬ケース支持プレートを有し、前記薬ケースを前記カセットから送り出した後に、前記服薬可能時間帯を過ぎた時点で、前記薬ケース支持プレートを前記初期位置に戻すように構成されていることが好ましい。
【0010】
[3]本発明の服薬支援装置においては、前記薬ケース支持プレートは、前記薬ケースのケース送り出し方向前方側の位置を規制する前方側位置規制部と、後方側の位置を規制する後方側位置規制部とを有しており、前記服薬可能時間帯においては、前記後方側位置規制部は、前記カセット内に収納されている前記薬ケースの平面の中央部付近にあり、高さが前記薬ケースの厚みの1/2以上であり、上部先端部が前記薬ケース取り出し口の上縁部より低くなるよう構成されていることが好ましい。
【0011】
[4]本発明の服薬支援装置においては、前記薬ケースは、ヒンジ部によって接続された薬収容部を有するケース本体とケース蓋とが一体に成形され、前記ケース蓋の側方には、前記薬ケースを持ち上げることが可能な摘み部が突出され、前記摘み部は、前記カセットに収容したときに、前記カセットに設けられたスリットから外側に突出していることが好ましい。
【0012】
[5]本発明の服薬支援装置においては、前記薬ケースは、前記ケース本体と前記ケース蓋とを開閉可能に固定する嵌合部をさらに有し、前記嵌合部は、前記摘み部を摘まんで前記薬ケースを持ち上げる際に、薬が収容されている状態で前記ケース蓋が開かず、服薬する際には容易に開けることが可能な嵌合力を有していることが好ましい。
【0013】
[6]本発明の服薬支援装置においては、前記ケース本体は、前記薬収容部を分割する複数の仕切り板を有し、前記仕切り板は前記ケース本体に対して着脱可能であることが好ましい。
【0014】
[7]本発明の服薬支援装置においては、前記服薬可能時間帯として、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つの服薬可能時間帯の少なくとも一つが予め設定されており、前記服薬可能時間帯に対応して、前記カセットを選択するモード切り替えスイッチをさらに有し、前記モード切り替えスイッチには、開閉可能な開閉蓋が設けられていることが好ましい。
【0015】
[8]本発明の服薬支援装置においては、前記薬ケースは、前記4つの服薬可能時間帯に対応する前記カセット毎に色分けされていることが好ましい。
【0016】
[9]本発明の服薬支援装置においては、前記複数のカセットの上面にトレイが載置され、前記トレイは、前記複数のカセットの上方を固定していることが好ましい。
【0017】
[10]本発明の服薬支援装置においては、現在時刻を表示する表示部及び時刻を設定する時刻設定部を含む時刻制御系と、前記薬ケース送り出し機構を駆動するモータ及びモータ制御部を含む駆動系とをさらに有し、前記時刻制御系及び前記駆動系の2系統それぞれに電力を供給する電源を有し、前記電源は、一次電池又は二次電池であることが好ましい。
【0018】
[11]本発明の服薬支援装置は、薬を収容する複数の薬ケースと、前記複数の薬ケースを積み重ねて収納し、予め設定されている複数の服薬可能時間帯の各々に対応して設けられ、かつ正面から見て横方向直線上に配列される複数のカセットと、前記服薬可能時間帯に基づき、各前記カセットの最下段に収納されている前記薬ケースを前記カセットから送り出す薬ケース送り出し機構と、を有し、前記カセットは、上端部の正面側に前記薬ケースを挿入することが可能な薬ケース挿入口、及び下端部の正面側に前記薬ケースを取り出すことが可能な薬ケース取り出し口を有する服薬支援装置であって、前記薬ケース挿入口を開閉することが可能なシャッターと、水平方向に延長され軸方向に進退可能であり前記シャッターに係合する軸部材と、前記軸部材の垂直上方側に進退可能であり、前記軸部材の段部に係合し前記シャッターが前記薬ケース挿入口を閉鎖する状態に維持することが可能な位置に前記軸部材の位置を規制する磁性体からなる位置規制軸と、前記位置規制軸を磁気吸引し、前記段部と前記位置規制軸との係合を解除するマグネットキーと、前記段部と前記位置規制軸との係合が解除されたときに、前記軸部材と前記シャッターとの係合を解除する位置に前記軸部材を移動させるコイルバネと、を有している、ことを特徴とする。
【0019】
[12]本発明の服薬支援装置においては、前記マグネットキーは、前記服薬支援装置とは切り離して保管することが可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡単に薬ケースをカセットに収納することが可能であり、特別な操作をすることなしに、指定の服薬可能時間帯に指定の薬ケースを間違いなく取り出し服薬することが可能であり、かつ簡単な構造の服薬支援装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】服薬支援装置1を正面上方側から見た斜視図である。
図2】コントローラ2の主要な構成を示すブロック図である。
図3】操作盤部13の構成例を説明する図である。
図4】モード切換えスイッチ22の構成の1例を示す説明図である。
図5】薬ケース送り出し機構15の構成を示す断面図である。
図6】薬ケース7Gをカセット3から取り出す状況を簡略化して説明する図である。
図7】薬ケース7Gをカセット3から取り出した後の状態を示す図である。
図8】薬ケース7の構成例を示す図である。
図9】服薬支援装置1を使用する服薬方法を説明する説明図である。
図10】服薬支援装置1Aを正面上方側から見た斜視図である。
図11】ロック装置81の構成を示す断面図である。
図12】シャッター80がロックされている状態を表す断面図である。
図13】シャッター80のロック解除の方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る服薬支援装置1及び服薬支援装置1Aについて図1図13を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図面は、機能及び作用を説明するものであって実際とは縮尺や拡大などが異なる模式図である。
【0023】
(服薬支援装置1の構成)
図1は、服薬支援装置1を正面上方側から見た斜視図である。服薬支援装置1は、駆動部や制御部が格納されるコントローラ2と、コントローラ2の上部に図示横方向に整列して固定されるカセット3A,3B,3C,3Dとから構成されている。カセット3Aには「朝」に服薬する薬が収容された薬ケース7A~7Gが高さ方向に積み重ねて収納されている。同様に、カセット3Bには「昼」に服薬する薬が収容される薬ケース7A~7Gが収納されている。カセット3Cには「夕」に服薬する薬が収容される薬ケース7A~7Gが収納され、カセット3Dには就寝前(「寝」と表示)に服薬する薬が収容される薬ケース7A~7Gが収納される。カセット3A~3Dは、コントローラ2の上板部6に固定される。なお、カセット3A~3Dを共通に説明できる場合にはカセット3と記載することがある。また、薬ケース7A~7Gを共通に説明できる場合には薬ケース7と記載することがある。
【0024】
薬ケース7A~7Gは、1週間分の服薬に対応するものであり、各カセットに収容する薬ケース7A~7Gは同じ構成であり、共通に使用することが可能である。但し、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つの服薬可能時間帯において服薬する薬の種類が異なる場合には、4つの服薬可能時間帯毎に服薬する薬と薬ケースとを認識し易くすることから、カセット毎に薬ケース7の色を変えることが好ましい。ここでいう服薬可能時間帯とは、カセット3から薬ケース7を送り出す時刻(服薬指定時刻)から、例えば2時間経過まで薬ケース7をカセット3から取り出すことが可能な状態を維持している時間である。服薬する人は服薬指定時刻に服薬支援装置1の前に居なくても服薬可能時間帯のうちのどこかで薬ケース7をカセット3から取り出して服薬することができる。
【0025】
また、服薬指定時刻の一般例としては、服薬者の日常の生活パターンに合わせ、予め「朝」を午前7時、「昼」を午前11時、「夕」を午後5時とし、「寝」を午後9時に設定しておく。従って、服薬可能時間帯は、「朝」が朝食後の午前7時から午前9時まで、「昼」が昼食後の午前11時から午後1時まで、「夕」が夕食後の午後5時から午後7時まで、「寝」は午後9時から午後11時までとなる。これらの服薬可能時間帯は一般的な1例であって、服薬者の日常生活、特に食事時刻に合わせて予めプログラムの一部として設定しておくものである。服薬者は、これらの服薬可能時間帯で服薬すればよく、特段の服薬支援装置1の操作は不要である。薬ケース7は、カセット3の内側にセットした姿勢のまま自然落下することが可能な大きさ及び形状に設定されている。
【0026】
なお、本例においては、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」用に4個のカセット3A~3Dが設けられているが、薬の種類や服薬方法などによって「朝」、「昼」及び「夕」の3個にすることや、いずれか1個にすることも可能である。カセット3を4個設ける構成にしておいて、そのうちのいずれかを選択して使用することも可能である。使用するカセット3の選択は、服薬方法を決める段階で予め選択しておく。なお、使用するカセット3の選択方法については、図4を参照して説明する。
【0027】
各カセットは、上端部の正面側に薬ケース7を挿入することが可能な薬ケース挿入口10を有し、下端部の正面側に薬ケース7を取り出すことが可能な薬ケース取り出し口11を有している。図1は、カセット3Aの最下部にある薬ケース7Gが薬ケース取り出し口11から取り出すことが可能な位置に移送されている状況を表している。薬ケース7Gは、薬ケース支持プレート9によって正面壁3aに対する前後の位置が規制されている。
【0028】
カセット3の正面壁3aには、薬ケース挿入口10と薬ケース取り出し口11とを連通するスリット12が形成されている。各薬ケースは摘み部8を有しており、摘み部8はスリット12内で正面壁3aより外側に突出し、スリット12内を自在に通過できるように構成されている。従って、カセット3に薬ケース7を収納した状態で摘み部8を摘まんで薬ケース7を上下に移動させることができる。すなわち、摘み部8を摘まんでカセット3の途中にある薬ケース7を薬ケース挿入口10から取り出すことが可能であり、薬ケース挿入口10から薬ケース7を挿入しカセット3の下方側に移動させることが可能である。
【0029】
カセット3A~3Dの上面にはトレイ70が固定されている。言い換えれば、カセット3A~3Dをまとめてトレイ70で固定することによって、カセット3A~3Dの固定を補強することが可能となる。なお、トレイ70には、例えば、老眼鏡や診察券などを置くことができ、空になった薬ケース7などの保管場所にすることが可能である。なお、カセット3が3個構成に場合には、3個に対応するサイズのトレイ70を固定する構成にする。コントローラ2の正面側には、操作盤部13が配置されている。操作盤部13の構成については、図3を参照して説明する。
【0030】
図2は、コントローラ2の主要な構成を示すブロック図である。コントローラ2は、時刻制御系20として、時刻設定部21、モード切り替えスイッチ22、表示部23、記憶部24及びタイマー25を有している。時刻設定部21は、現在時刻を設定したり、修正したりする機能を有する。モード切り替えスイッチ22は、カセット3A~3Dから実際に使用する服薬対象のカセットを選択する切換えスイッチである。表示部23は現在時刻を表示する液晶ディスプレイなどの光学表示手段であり、「時・分」を表示する。記憶部24には、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」のいずれか又は全部の服薬指定時刻と服薬可能時間帯(服薬可能となる時刻から服薬停止時刻までの範囲)が記憶されている。タイマー25は、コントローラ2の時刻及び服薬可能時間帯を制御する。
【0031】
駆動系としては、モータ制御部26、カセット3A~3Dそれぞれに対応するモータMo、及びリミットスイッチ48,49を有している。モータ制御部26は、記憶部24が記憶している服薬指定時刻と服薬可能時間帯、及びモード切り替えスイッチ22で設定されるカセット3のうちの駆動対象となるモータMoを駆動する。モータMoは、カセット3A~3Dの個々に配設される薬ケース送り出し機構15(図5参照)を駆動する。リミットスイッチ48,49は、薬ケース支持プレート9の往復移動位置、つまり薬ケース7の移送位置を規制する。モード切り替えスイッチ22の構成は図4を参照し、薬ケース送り出し機構15の構成及び作用は図5図7を参照して説明する。
【0032】
なお、時刻制御系20及び駆動系は、それぞれ電源として乾電池27,28を個別に有している。電源としては、乾電池などの一次電池の他、二次電池を使用することが可能である。時刻制御系20及び駆動系それぞれに適切に対応する規格の乾電池27,28を使用することによって電池寿命を長くすることが可能となる。駆動系は、カセット3が4個の場合に、モータMoを1日に薬ケース支持プレート9を4往復駆動させることになる。時刻制御系20においては、時刻表示を通常時は非表示とし、時刻設定のときだけに表示すれば電池寿命を長くすることが可能となる。本例においては、毎日4つの服薬可能時間帯で服薬する場合に単一乾電池で2年以上電池交換が不要であることが確認できた。従来の服薬支援装置のように商用交流電源を使用する場合には、コンセントや電源コードが必要となり、服薬支援装置の設置場所が限定されてしまう。しかし、電源として乾電池などを使用することによって服薬支援装置1の設置場所が限定されない。
【0033】
図3は、操作盤部13の構成例を説明する図である。操作盤部13は、コントローラ2の正面側に配置されている。操作盤部13には、図示左方側からモード切換えスイッチ22、表示部23及び時刻設定部21の順に配列されている。モード切換えスイッチ22は、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の服薬可能時間帯のいずれかを選択するものであって、通常は開閉蓋31によって切換え操作ができないようにしている。表示部23は、「時」表示部32と「分」表示部33とから構成され、現在時刻を表示する。時刻表示/設定ボタン34は、現在時刻を設定又は修正することを可能にするボタンであり、時刻表示/設定ボタン34を押すことによって、「時」「分」が点滅し、時刻設定が可能になっていることを認識できる。
【0034】
「時」「分」が点滅している状況で時刻ダウンボタン35を押せば表示時刻が遅れ、時刻アップボタン36を押せば表示時刻が進む。現在時刻に達したところで確定ボタン37を押すことによって現在時刻が確定する。再度、現在時刻を修正する場合には、上記の時刻表示/設定ボタン34の押し操作から確定ボタン37の押し操作までを行う。現在時刻が確定したところで、表示部23を消灯すようにプログラムすれば電池寿命を延ばしことが可能となる。なお、現在時刻を表示する時計を電波時計にすれば、時刻設定作業が不要となる。
【0035】
操作盤部13には、モータ動作ランプ38及び電池交換ランプ39が備えられている。モータ動作ランプ38は、モータMoが駆動しているときに点灯する。このモータ動作ランプ38は、通常動作時の確認及び動作検収のために備えられている。一方、電池交換ランプ39は、乾電池27,28のいずれかが所定の電圧以下になり、電池交換時期が近づいたことを知らせる。
【0036】
図4は、モード切換えスイッチ22の構成の1例を示す説明図である。図4は、開閉蓋31(図3参照)を開けた状態を表している。モード切換えスイッチ22は、4個のスイッチ40A~40Dで構成されている。各スイッチは、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の服薬可能時間帯毎に設けられており、例えばロッカースイッチやスライドスイッチなどの、スイッチが「入(ON)」の状態と「切(OFF)」の状態になっていることが一目で認識可能な形態のスイッチを用いることが好ましい。図4は、4つの服薬可能時間帯の全てが「入(ON)」となっていて、4つの服薬可能時間帯において服薬が可能となっている例を表している。続いて、図5図7を参照して薬ケース送り出し機構15の構成及び作用について説明する。
【0037】
図5は、薬ケース送り出し機構15の構成を示す断面図である。なお、図5は全部の薬ケースがカセット3に収納されている状態の下方側の一部を表し、服薬指定時刻前の初期状態を表している。最下層にある薬ケース7Gは、カセット3の内側に薬ケース支持プレート9によって支持されている。薬ケース支持プレート9は、カセット3の正面側に前方位置規制部9a、裏面側に後方側位置規制部9bを有し、両者で薬ケース7Gの位置を規制している。薬ケース支持プレート9は、コントローラ2の上板部6に沿って移動可能であり、薬ケース7Gの上面が薬ケース取り出し口11の上縁部11aより低い位置にあることから薬ケース支持プレート9と共にカセット3の外側に移動することが可能である。
【0038】
カセット3と薬ケース7との間には、薬ケース7がセットされた姿勢を維持しながら自然落下可能な隙間14a,14bが設けられている。裏面側の隙間14aは、後方側位置規制部9bが入り込める寸法となる。後方側位置規制部9bの高さは、薬ケース7の厚みの1/2以上の高さで薬ケース取り出し口11の上縁部11aよりも低く設定される。上板部6の下方側には、薬ケース送り出し機構15が配設されている。
【0039】
薬ケース送り出し機構15は、モータMoと、モータMoのモータ軸に連結されるねじ軸50、ねじ軸50に螺合する柱状のナット51、及びモータMoとねじ軸50の端部とを支持するモータプレート52を有している。モータプレート52は、ベースプレート42に固定される。薬ケース支持プレート9には、ナット51側に向かう駆動軸45が固定されており、駆動軸45は、上板部6に設けられた長孔6aとプレート41に設けられた長孔41aを貫通し、凹部45aがナット51に嵌合する。ねじ軸50を一方に回転すると、ナット51が正面側に移動し、駆動軸45を介して薬ケース支持プレート9を正面側に移動させる。ねじ軸を逆方向に回転するとナット51が裏面側に移動し、駆動軸45を介して薬ケース支持プレート9を裏面側に移動させる。
【0040】
薬ケース支持プレート9には、上板部6の長孔6aとプレート41の長孔41aとを貫通する軸部材46,47が固定されている。軸部材46,47は、薬ケース支持プレート9と共に移動し、軸部材46がリミットスイッチ48をONする位置(薬ケース7Gが取り出せる位置)まで移動したところでモータMoを停止する。軸部材47がリミットスイッチ49をONする位置(初期位置)まで移動したところでモータMoを停止する。次に、薬ケース7Gをカセット3から取り出す状況について図6を参照して説明する。
【0041】
図6は、薬ケース7Gをカセット3から取り出す状況を簡略化して説明する図である。図5を参照しながら説明する。図6は、軸部材46がリミットスイッチ48をONする位置まで移動して停止したところを表しており、薬ケース支持プレート9は、後方側位置規制部9bがカセット3(薬ケース7F)の中央付近まで移動した状態であって、薬ケース7Gの長さの約半分がカセット3から外側に出ている。そして、摘み部8又は薬ケース7Gの側面を持って矢印方向に引き出せば、薬ケース7Gをカセット3から取り出し、服薬することが可能となる。
【0042】
薬ケース7Gを取り出す直前まで、薬ケース7F~7Aは薬ケース7Gに載っていることから位置は変わらない。薬ケース7Gをカセット3から取り出すと薬ケース7Fが後方位置規制部9bに当接する位置まで落下する。薬ケース7Gの上方にある各薬ケースも追従して落下する。このことについて図7を参照して説明する。
【0043】
図7は、薬ケース7Gをカセット3から取り出した後の状態を示す図である。すなわち、図7に示す状態は、服薬可能時間帯内における状態である。服薬可能時間帯内においては、薬ケース支持プレート9の後方側位置規制部9bは、カセット内に収納されている薬ケース7Fの平面方向の中央部にあり、後方側位置規制部9bの高さは薬ケース7の厚みの1/2以上であり、薬ケース取り出し口11の上縁部11aより低い高さに設定されている。従って、薬ケース7Fをカセット3から取り出すことは不可能であり、薬ケース7Fが後方側位置規制部9bを支点にして傾いたとしても、薬ケース7Fがカセット3との間でロックし落下できなくなることはない。服薬可能時間帯を過ぎて薬ケース支持プレート9をカセット3内の初期位置に移動すれば(図中二点鎖線で示す)、薬ケース7Fは薬ケース支持プレート9の前方側位置規制部9aと後方側位置規制部9bとの間に落下する。従って、服薬可能時間帯になれば、薬ケース7F内の薬を服薬することが可能な状態となる。続いて、薬ケース7の構成について図8を参照して説明する。
【0044】
図8は、薬ケース7の構成例を示す図である。図8(a)は、ケース本体60とケース蓋61を展開した平面図であり、図8(b)はケース蓋61を閉めた状態を示す断面図、図8(c)は、図8(b)の嵌合部68を拡大して詳細に示す部分断面図である。薬ケース7は、ヒンジ部62によって接続されたケース本体60とケース蓋61とが半透明の材料で一体に成形されている。ケース蓋61の側方には、薬ケース7を持ち上げたり、ヒンジ部62を支点にしてケース本体60からケース蓋61を開いたり、閉めたりする摘み部8が突出している。なお、薬ケース7を、透明又は半透明のプラスチック樹脂などで形成すれば、薬ケース7内に薬が入っているかどうかの確認が可能となる。
【0045】
ケース本体60は、上方が解放された容器であって、底部60aと側壁部60bとで囲まれた空間が薬収容部63である。側壁部60bの内側上縁部には凸条部64が形成されている。また、側壁部60bの対向する2辺の内側の同じ位置に、仕切り板支持部65が内側に突出している。仕切り板支持部65には縦方向(厚み方向)に溝が形成されており、この溝に仕切り板66を挿着することが可能となっている。仕切り板66は、凸条部64より飛び出さない。図8に示す例は、仕切り板66を3枚挿着することが可能であり、薬収容部63を薬収容部63A,63B,63C,63Dに4分割する例である。仕切り板66はケース本体60に対して容易に着脱可能な構成である。
【0046】
一つの薬ケース7に1日分の薬を収容する場合には、仕切り板66は不要である。2日分の薬を収容する場合には薬収容部63の中央に1枚の仕切り板66を装着する。このような場合には、仕切られた一方に収容された薬を服用した後に、その薬ケース7をカセット3の薬ケース挿入口10に戻しておく。このようにすれば、一つのカセット3に2週間分の薬を収容することが可能である。同様に、薬収容部63を4分割すれば、一つのカセット3に4週間分の薬を収容しておくことが可能となる。
【0047】
ケース蓋61には、底部61aから突出した側壁部61bの外側上縁部に凸条部67が形成されている。ケース蓋61を閉じたときに、ケース蓋61の凸条部67とケース本体60の凸条部64とが嵌合し、薬収容部63に埃などが入らないようにしている。ケース本体60とケース蓋61との間には、節度感(クリック感ということがある)を有して開いたり、閉めたりすることが可能な嵌合部68が設けられている。
【0048】
図8(c)に示すように、嵌合部68は、ケース本体60に設けられた突起部60cとケース蓋61に設けられた突起部61cとで構成される。図8(c)に示すように、突起部60c,61cは、ケース本体60とケース蓋61を重ね合わせたときに同じ位置で1種のフック構造となり、突起部60c,61cの弾性を利用することでケース蓋61の開閉時の節度感が得られる。嵌合部68は、摘み部8を摘まんで持ち上げる際に、薬が収容されている状態でケース蓋61が開かず、服薬する際には容易に開けることが可能な嵌合力を有している。ここでいう嵌合力は、摘み部8を摘まんでケース蓋61を開けるときの力である。薬収容部63に薬を収容したときの薬ケース7を含む重量は20数グラムであることから、嵌合力は、例えば、30グラムから50グラムの範囲とすればよい。なお、摘み部8の先端には、下方側に突出する爪部8aが設けられており、ケース蓋61を開きやすくしている。
【0049】
続いて、服薬支援装置1を使用する服薬方法について図9を参照して説明する。
【0050】
図9は、服薬支援装置1を使用する服薬方法を説明する説明図である。服薬支援装置1には、予め服薬可能時間帯が設定されている。図1に示す服薬支援装置1を参照しながら説明する。服薬可能時間帯を1日目の「朝」にした例を説明する。「朝」の服薬指定時刻(午前7時)になると薬ケース7Gがカセット3Aから押し出される。服薬可能時間帯(午前9時までの2時間)は、薬ケース7Gを取り出すことが可能時間帯である。そこで、服薬者は、薬ケース7Gがカセット3Aから取り出し可能な位置に押し出されているか確認する(ステップS10)。薬ケース7Gが取り出し可能な状態になっていれば(YES)、服薬者は薬ケース7Gをカセット3Aから取り出し(ステップS11)、ケース蓋61を開けて薬を取り出す(ステップS12)。薬ケース7Gが取り出し可能な状態になっていなければ(NO)、服薬者又は服薬支援者は服薬可能時間帯に達するまで待つ。但し、服薬可能時間帯は2時間あるので2時間のうちに薬ケース7Gを取り出せばよい。
【0051】
そして、薬を飲み(ステップS13)、空になった薬ケース7Gを薬ケース挿入口10からカセット3Aに戻す。「昼」以降も同様な手順で服薬する。なお、服薬後の薬ケース7Gは、服薬可能時間帯には薬ケース7Aが薬ケース挿入口10にあるためカセット3Aに戻すことができない。そこで一旦、トレイ70に薬ケース7Gを置いておき、「朝」の服薬可能時間帯が過ぎた時点、例えば、カセット3Bの服薬可能時間帯に戻すようにしてもよい。服薬可能時間帯に薬ケース7Gが取り出されないと、服薬可能時間帯の終了時に薬ケース7Gは、カセット3A内に戻される。1週間後に、各薬ケースに薬を補充する際に薬が残っていれば、飲み忘れがあったことを認識できる。
【0052】
以上説明した服薬支援装置1は、薬を収容する薬ケース7(7A~7G)と、薬ケース7A~7Gを積み重ねて収納し、予め設定されている複数の服薬可能時間帯の各々に対応して設けられ、かつ正面から見て横方向直線上に配列されるカセット3(3A~3D)を有している。服薬支援装置1は、服薬可能時間帯に基づき、各カセットの最下段に収納されている薬ケース7をカセット3から送り出す薬ケース送り出し機構15と、を有している。カセット3は、上端部の正面側に薬ケース7を挿入することが可能な薬ケース挿入口10、及び下端部の正面側に薬ケース7を取り出すことが可能な薬ケース取り出し口11を有している。
【0053】
上記服薬支援装置1によれば、予め設定されている服薬可能時間帯(服薬指定時刻)に達すると、薬ケース送り出し機構15は、カセット3から薬ケース7を取り出すことが可能な位置まで移送する。服薬者は、その薬ケース7をカセット3から取り出し服薬することが可能となる。つまり、服薬者は、薬ケース7が取り出し可能な位置にあれば、特別な操作をすることなしに、指定の服薬可能時間帯に指定の薬ケース7を間違いなく取り出し服薬することができる。また、薬ケース7は、薬ケース挿入口10からカセット3に簡単に収納することができる。
【0054】
また、服薬支援装置1は、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つの服薬可能時間帯毎にカセット3A~3Dを有し、それぞれに対応する薬ケース送り出し機構15を有する構成である。従って、従来技術は薬ケースを排出する位置が1箇所のため、服薬可能時間帯になったときに4個のカセットを服薬対象の薬ケースが排出可能な位置に回転させなければならないために、構造が複雑になりコストの低減は困難であることに対して、簡単な構造でコストを低減することによって導入しやすい服薬支援装置1を実現することが可能となる。
【0055】
薬ケース7は、カセット3内を自然落下可能に収納されている。薬ケース送り出し機構15は、薬ケース7を支持しつつカセット3内に収納する初期位置から取り出し可能な位置に薬ケース7を移送する薬ケース支持プレート9を有し、薬ケース7をカセット3から送り出した後に、服薬可能時間帯を過ぎた時点で薬ケース支持プレート9を初期位置に戻すように構成されている。
【0056】
薬ケース送り出し機構15は、薬ケース7をカセット3内の初期位置から、薬ケース7を取り出すことが可能な位置に移送する。服薬可能時間帯においてはその状態を維持することから、服薬者は服薬可能時間帯(2時間)のうちのどこかで服薬することができる。服薬者が服薬を忘れた際には、服薬支援者は薬ケース7が残っていることを見つけて服薬を促すことも可能となる。服薬可能時間帯を過ぎた時点で、薬ケース支持プレート9は初期位置に復帰する。この際、薬ケース7が取り出されていれば、次の日の服薬対象の薬ケース7を移送する準備が自動的に整う。服薬時間帯を過ぎた時点で薬ケース7が、まだ薬ケース支持プレート9上に残っている場合も、薬ケース支持プレート9は薬ケース7を保持した状態で初期位置に戻る。このことによって、決められた服薬可能時間帯以外において服薬することを防ぐことが可能となる。
【0057】
また、薬ケース支持プレート9は、薬ケース7のケース送り出し方向前方側の位置を規制する前方側位置規制部9aと、後方側の位置を規制する後方側位置規制部9bとを有している。服薬可能時間帯においては、後方側位置規制部9bは、カセット3内に収納されている前記薬ケースの平面の中央部付近にあり、高さが薬ケース7の厚みの1/2以上であり、上端先端部が薬ケース取り出し口11の上縁部11aより低くなるよう構成されている。
【0058】
服薬可能時間帯において薬ケース7を取り出すと、次の取り出し対象の薬ケース7は、後方側位置規制部9bに当接するまで落下する。この際、薬ケース7の中央付近で後方側位置規制部9bによって支持されることになり、後方側位置規制部9bを支点にして傾くが、後方側位置規制部9bの高さを薬ケース7の厚みの1/2以上、薬ケース取り出し口11の上縁部11aより低く構成することによって、薬ケース7が傾くことによってカセット3との間で薬ケース7がロックし落下しなくなることを防止できる。また、服薬可能時間帯においては、取りした薬ケース7の上部にある薬ケース7は取り出すことができないことから、薬の飲みすぎを防止できる。
【0059】
また、薬ケース7は、ヒンジ部62によって接続された薬収容部63を有するケース本体60とケース蓋61とが一体に成形されている。ケース蓋61の側方には、薬ケース7を持ち上げることが可能な摘み部8が突出され、この摘み部8は、前記カセットに収容したときにカセット3に設けられたスリット12から外側に突出している。
【0060】
ケース本体とケース蓋61は、プラスチックなどの樹脂で一体成形されたものである。一般の薬ケースはケース本体とケース蓋を2体構成とすることが多いが、一体成形によってコストを低減することが可能となる。また、ケース本体60とケース蓋61が一体となっていることから、ケース蓋61の開閉が容易にでき、一方を紛失してしまうことなどを防ぐこともできる。また、摘み部8をスリット12から外側に突出させていることから、カセット3に薬ケース7を収納した状態で、摘み部8を摘まんで薬ケース7を上下に移動させることができる。このことによって、カセット3に収納した薬ケース7を薬ケース挿入口10から下方側に移動させることや、カセット3に収納されている薬ケース7を薬ケース挿入口10から取り出すことが容易に可能となる。従って、従来の服薬支援装置のような煩わしい作業をせずに、薬ケース7をカセット3にセットすることが可能となる。
【0061】
また、薬ケース7は、ケース本体60とケース蓋61とを開閉可能に固定する嵌合部68をさらに有し、嵌合部68は、摘み部8を摘まんで持ち上げる際に、薬が収容されている状態でケース蓋61が開かず、服薬する際には容易にケース蓋61を開けることが可能な嵌合力を有している。
【0062】
嵌合力は、摘み部8を摘まんでケース蓋61を開けるときの力である。嵌合力を適切に設定することによって、無意識にケース蓋61が開いて薬を落としてしまうことを防止し、服薬時にはケース蓋61を容易に開けたり、閉めたりすることができる。
【0063】
また、ケース本体60は、薬収容部63を分割する複数の仕切り板66を有し、仕切り板66は、ケース本体60に対し着脱可能である。仕切り板66によって薬収容部63を2分割すれば、本例においては2週間分の薬をカセット3に収納することが可能であり、4分割にすれば、4週間分の薬をカセット3に収納することが可能となり、服薬準備作業の手間を省くことができる。仕切り板66は、ケース本体60に対して着脱可能であることから、服薬条件や薬の量及び服薬者の健康状態によって薬収容部63を適宜に分割することが可能となる。
【0064】
服薬支援装置1は、服薬可能時間帯として、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つの服薬可能時間帯の少なくとも一つが予め設定されており、服薬可能時間帯に対応してカセット3を選択するモード切換えスイッチ22をさらに有し、モード切換えスイッチ22には、開閉可能な開閉蓋31が設けられている。
【0065】
服薬可能時間帯は、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の4つのいずれかを設定することが可能である。指定された服薬可能時間帯は、モード切換えスイッチ22によって設定可能である。例えば、「朝」、「昼」及び「夕」の3回服薬するとすれば、モード切り替えスイッチ22のスイッチ40A~40Cを「入」にしておけば、「朝」、「昼」及び「夕」の服薬可能時間帯に服薬可能となる。或いは、「朝」及び「夕」の2回服薬するとすれば、スイッチ40A及びスイッチ40Cを「入」にしておけば、「朝」及び「夕」の服薬可能時間帯に服薬可能となる。この切換えは、服薬開始時に設定しておけばよく、都度設定する必要はない。従って、切換えが必要になるまでは、開閉蓋31を閉じておくことによって、予期せずにモード切換えが行われることを防止することができる。
【0066】
また、薬ケース7は、4つの服薬可能時間帯に対応するカセット毎に色分けすることが好ましい。つまり、「朝」、「昼」、「夕」及び「寝」の服薬可能時間帯毎に薬ケース7の色を変えることによって、4つの服薬可能時間帯毎に対応した薬ケース7を収容することが可能となる。勿論、全ての薬ケース7の色を統一してもよい。
【0067】
また、服薬支援装置1においては、複数のカセット3の上面にトレイ70が載置され、トレイ70は、複数のカセット3の上方を固定している。図1に示すようにカセット3の一つひとつは、縦長の柱状であって、下端部だけコントローラ2に固定する構成では不安定である。そこで、トレイ70をカセット3A~3D(又は3A~3C)のセットで上方を固定することによって、カセット3A~3Dの固定を補強することが可能となる。トレイ70には、例えば老眼鏡や診察券などを置くことができ、空になった薬ケース7などの保管場所にすることも可能となる。
【0068】
また、服薬支援装置1は、現在時刻を表示する表示部23及び時刻を設定する時刻設定部21を含む時刻制御系20と、薬ケース送り出し機構15を駆動するモータMo及びモータ制御部26を含む駆動系とをさらに有し、時刻制御系20及び駆動系の2系統それぞれに電力を供給する電源27,28を有し、電源は、一次電池又は二次電池であることが好ましい。
【0069】
時刻制御系20及び駆動系は、それぞれ電源として乾電池27,28を個別に有している。電源としては、乾電池などの一次電池の他、二次電池とすることが可能である。時刻制御系20及び駆動系それぞれに対応する規格の乾電池27,28を使用することによって電池寿命を長くすることが可能となる。従来の服薬支援装置のように商用交流電源を使用する場合には、コンセントや電源コードが必要となり、服薬支援装置の設置場所が限定されてしまう。しかし、乾電池などを使用することによって服薬支援装置1の設置場所が限定されないという利点がある。
【0070】
以上説明した服薬支援装置1においては、服薬可能時間帯はプログラムの一部として予め設定されているが、ユーザー(服薬者又は服薬支援者)が任意の時間帯に設定する構成にすることも可能である。
【0071】
(服薬支援装置1Aの構成)
図10は、服薬支援装置1Aを正面上方側から見た斜視図である。服薬支援装置1Aは、図1図9において説明した服薬支援装置1に、薬ケース挿入口10を開閉することが可能なシャッター80、及び薬ケース挿入口10を解放することが可能な状態と薬ケース挿入口10を閉鎖する状態とに規制するロック装置81を装備したものである。なお、服薬支援装置1と同じ構成部品には、図1と同じ符号を付している。
【0072】
シャッター80は、平面視して略コの字形状を有し、カセット3A~3Dの各薬ケース挿入口10の一部を覆うシャッター部82、シャッター部82の図示左右両端からトレイ70の左右両側に沿って伸びる支持部83で構成されている。シャッター80は、支持部83において支持軸84によってトレイ70に取り付けられる。シャッター80は、支持軸84を回転軸として図の紙面側から見て反時計回りに回転させると薬ケース挿入口10を解放することが可能となり、解放した状態から時計回りに回転すると薬ケース挿入口10を閉じることが可能となるように構成されている。なお、シャッター80を閉じたときに、薬ケース挿入口10は開口面積が縮小されるため薬ケース7を挿入したり、取り出したりすることができなくなる。シャッター部82にはカセット毎に開口部85が設けられており、服薬時間帯である「朝」、「昼」、「夜」、「寝」を認識できるようにしている。ロック装置81の構成及び作用については、図11図13を参照して説明する。なお、図10に示す例においては、ロック装置81は1か所に配置されているが、トレイ70の左右両側の2か所に配置することが可能である。
【0073】
図11は、ロック装置81の構成を示す断面図である。なお、図11は、シャッター80がロックされていない初期状態を表し、二点鎖線で示すシャッター80は初期状態のときを表し、点線で示すシャッター80は図示矢印方向に回動させた状態を表している。以下の説明においては、図示右方を服薬支援装置1Aの前方側(正面側)、左方を後方側とし、カセット3Aを代表例として説明する。ロック装置81は、前後方向に進退可能な軸部材90、軸部材90の両先端部を支持する枠体91、軸部材90の軸方向の位置を規制する位置規制軸92、及び軸部材90を後方側に付勢するコイルバネ93によって構成されている。軸部材90には、ワッシャー94が嵌着されており、コイルバネ93はワッシャー94が枠体91の壁91aに当接するまで軸部材90を付勢している。
【0074】
枠体91の挿通孔91b内に配置される位置規制軸92は、軸部材90の軸方向中央部の段部95に乗り上げているため、軸部材90の移動を妨げることはない。なお、位置規制軸92は磁性体で形成され、軸部材90に当接するまで自重によって挿通孔91b内を落下する。なお、枠体91と位置規制軸92の間に弾性部材を配置し、位置規制軸92を軸部材90に付勢するようにしてもよい。枠体91は、トレイ70の底部に設けられた凹部96内に嵌着されている。軸部材90は、コイルバネ93によって後方側に付勢されていることから、前方側端部90aはシャッター部82に設けられた係止孔97から離れた位置にあって、シャッター80の動作を妨げない。シャッター80を手で初期状態から反時計回りに回動すると、薬ケース挿入口10が解放され、薬ケース7A~7Gをカセット3Aに挿入したり、カセット3Aから取り出したりすることが可能になる。
【0075】
図12は、シャッター80がロックされている状態を表す断面図である。図11で示した初期状態において、位置規制軸92が段部95を乗り越えるまで指などで軸部材90の後方側端面90bを前方側(図の太い矢印方向)に押すと、軸部材90の前方側端部90aがシャッター部82の係止孔97に挿通される。位置規制軸92は、挿通孔91b内を自重で落下し段部95の後方側に係合する。軸部材90は、コイルバネ93の弾性力で段部95の後方側が位置規制軸92に付勢されていることから、図11に示す初期状態(薬ケース挿入口10を解放することが可能な状態)に戻すことができない。なお、位置規制軸92が段部95を乗り越えるときには節度感があることから、シャッター80がロックされたことを認識することができる。このような状態においては、薬ケース挿入口10に薬ケース7Aを挿入することは勿論、取り出すことはできなくなる。ロック解除の方法については、図13を参照して説明する。
【0076】
図13は、シャッター80のロック解除の方法を示す断面図である。図11及び図12を参照しながら説明する。シャッター80のロック解除は、マグネットキー100を使用して行う。マグネットキー100は、キー本体101及びキー本体101から突設される棒状のマグネット102で構成されている。キー本体101はマグネット102の反対側に、指などで摘みやすい形状の突起部103を有している。
【0077】
シャッター80のロック状態において(図12参照)、マグネット102を枠体91の挿通孔91bに連通する貫通孔104に差し込む。位置規制軸92は磁性体であることからマグネット102によって上方に吸引され、軸部材90の段部95と位置規制軸92との係合が解除される。軸部材90は、コイルバネ93によって初期位置(図11参照)まで戻される。そのことによって、軸部材90とシャッター80(シャッター部82)の係止孔97との係合が解除され、シャッター80を回動することが可能な状態となる。マグネットキー100を抜き取れば、位置規制軸92は、自重で落下し図11で示す軸部材90の段部95の外周に乗った状態となり、薬ケース挿入口10を解放することが可能な状態が維持される。なお、位置規制軸92を下方側に付勢する弾性部材を使用する構成においては、弾性部材の付勢力は、マグネット102の吸引力より小さく設定される。
【0078】
マグネットキー100は、使用しないときには服薬支援装置1Aと切り離して保管することが可能である。例えば、マグネットキー100をトレイ70上に置いておいてもよく、服薬支援者が保管するようにしてもよい。
【0079】
以上説明した服薬支援装置1Aは、薬を収容する薬ケース7A~7Gと、薬ケース7A~7Gを積み重ねて収納し、予め設定されている複数の服薬可能時間帯の各々に対応して設けられ、かつ正面から見て横方向直線上に配列されるカセット3A~7Dと、服薬可能時間帯に基づき、カセット3A~3Dの最下段に収納されている薬ケース7をカセット3A~7Dから送り出す薬ケース送り出し機構15と、を有している。カセット3A~3Dは、上端部の正面側に薬ケース7A~7Gを挿入することが可能な薬ケース挿入口10、及び下端部の正面側に薬ケース7A~7Gを取り出すことが可能な薬ケース取り出し口11を有している。服薬支援装置1Aは、薬ケース挿入口10を開閉することが可能なシャッター80と、水平方向に延長され軸方向に進退可能でありシャッター80に係合する軸部材90と、軸部材90の垂直上方側に進退可能であり、軸部材90の段部95に係合しシャッター80が薬ケース挿入口10を閉鎖する状態に維持することが可能な位置に軸部材90の位置を規制する磁性体からなる位置規制軸92と、を有している。さらに、服薬支援装置1Aは、位置規制軸92を磁気吸引し、段部95と位置規制軸92との係合を解除するマグネットキー100と、段部95と位置規制軸92との係合が解除されたときに、軸部材90のシャッター80との係合を解除する位置に軸部材90を移動させるコイルバネ93とを有している。
【0080】
このような構成の服薬支援装置1Aは、薬ケース挿入口10を閉鎖するシャッター80及びロック装置81を有することによって、服薬対象時間帯以外の時間帯に薬ケース挿入口から薬ケース7を取り出すことや、指定の服薬対象ではない薬ケースを薬ケース挿入口10から取り出してしまうことを防ぐことが可能となる。
【0081】
また、ロック装置81は、シャッター80を閉じた状態で軸部材90を指で押すことによってシャッター80をロックし、マグネットキー100を枠体92に挿し込むだけでロックを解除することが可能となる。このことによって、誰でも簡単な操作でシャッター80をロックしたり、ロックを解除したりすることが可能となる。
【0082】
また、マグネットキー100は、服薬支援装置1Aとは切り離して保管することが可能である。例えば、マグネットキー100をトレイ70上に置いておいてもよく、服薬支援者が保管するようにしてもよい。或いは、服薬者又は服薬支援者が1週間分の薬ケース7A~7Gをセットした後にシャッター80をロックし、服薬支援者がマグネットキー100を服薬支援装置1Aから離れた定位置に保管することによって、間違えた薬の服薬リスクを抑えることが可能となる。
【0083】
なお、以上説明したロック装置81は、服薬支援装置1Aに適合させたものであるが、蝶番(ヒンジ)を用いた片開き又は両開きの扉又は蓋を有する家具、小物入れ、箱などの物品の出し入れを行い、時として扉や蓋をロックしたり、開錠したりすることを容易に行えることが便利となるようなものに応用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1,1A…服薬支援装置、2…コントローラ、3,3A~3D…カセット、7,7A~7G…薬ケース、8…摘み部、9…薬ケース支持プレート、9a…前方位置規制部、9b…後方位置規制部、10…薬ケース挿入口、11…薬ケース取り出し口、11a…上縁部、12…スリット、13…操作盤部、15…薬ケース送り出し機構、20…時刻制御系、21…時刻設定部、22…モード切換えスイッチ、23…表示部、26…モータ制御部、27,28…電池(電源)、31…開閉蓋、32…「時」表示部、33…「分」表示部、34…時刻表示/設定ボタン、35…時刻ダウンボタン、36…時刻アップボタン、37…確定ボタン、38…モータ動作ランプ、39…電池交換ランプ、60…ケース本体、61…ケース蓋、62…ヒンジ部、63…薬収容部、66…仕切り板、68…嵌合部、70…トレイ、80…シャッター、81…ロック装置、82…シャッター部、83…支持部、84…支持軸、85…開口部、90…軸部材、91…枠体、91b…挿通孔、92…位置規制軸、93…コイルバネ、95…段部、97…係止孔、100…マグネットキー、102…マグネット、103…突起部、104…貫通孔、Mo…モータ
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