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特許7490562自動車シートに取り付け可能なチャイルドシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】自動車シートに取り付け可能なチャイルドシート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20240520BHJP
   B60N 2/809 20180101ALI20240520BHJP
   B60N 2/841 20180101ALI20240520BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20240520BHJP
   B60N 2/888 20180101ALI20240520BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/809
B60N2/841
A47C7/38
B60N2/888
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020550811
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019056752
(87)【国際公開番号】W WO2019179968
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】202018101575.3
(32)【優先日】2018-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニューブライト、ケント
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-093025(JP,A)
【文献】特表2009-530176(JP,A)
【文献】特開2001-191825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
B60N 2/809
B60N 2/841
A47C 7/38
B60N 2/888
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車シートに取り付け可能なチャイルドシートであって、
シートエリア(10)と、
背もたれ(11)と、
ヘッドレスト(13)と、
前記背もたれ(11)に関連する前記ヘッドレスト(13)の傾斜を調整するためのヘッドレスト傾斜調整装置(23)と、を備え、
前記傾斜は、最大直立位置と最大傾斜位置との間の範囲にあり、
少なくとも前記最大傾斜位置での前記ヘッドレストは、後進方向に傾斜され、
前記ヘッドレスト(13)は、前記傾斜の調整と一緒に前記ヘッドレスト(13)と共回転するサイドチーク(18)を備える、自動車シートに取り付け可能なチャイルドシート。
【請求項2】
前記ヘッドレスト(13)は、少なくとも1つのベルトガイド(19)を備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項3】
前記ヘッドレスト(13)は、高さ調整可能である、又は高さ調整可能に取り付けられている、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項4】
前記ヘッドレスト(13)とその前記ベルトガイド(19)は、前記ヘッドレスト(13)が、現状の傾斜の位置と比較してより急な傾斜の位置に移動が可能な状態であるとき、ベルトによって加えられる引張力が所定値を超えた場合に、より急な傾斜の位置に移動するように構成される、ことを特徴とする、請求項2に記載のチャイルドシート。
【請求項5】
前記ヘッドレスト(13)は、前記ベルトによって加えられる引張力が所定値を超えた場合に、現状の傾斜の位置と比較して最も急な傾斜の位置に移動するように構成される、ことを特徴とする、請求項4に記載のチャイルドシート。
【請求項6】
前記ヘッドレスト(13)は、現状の傾斜の位置と比較してより急な傾斜の位置に移動が可能な状態であるとき、慣性力が所定値を超えた場合に、より急な傾斜の位置に移動するように構成又は取り付けられている、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項7】
前記ヘッドレスト(13)は、慣性力が所定値を超えた場合に、現状の傾斜の位置と比較して最も急な傾斜の位置に移動するように構成される、ことを特徴とする、請求項6に記載のチャイルドシート。
【請求項8】
前記背もたれ(11)の傾斜は、前記シートエリア(10)及び/又はベース(12)に関連して調整可能である、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項9】
前記背もたれ(11)は、前記背もたれ(11)の傾斜の変化が前記ヘッドレスト(13)の傾斜の変化をもたらす、及び/又は前記ヘッドレスト(13)の傾斜の変化が前記背もたれ(11)の傾斜の変化をもたらすような方法で前記ヘッドレスト(13)に結合されている、ことを特徴とする、請求項8に記載のチャイルドシート。
【請求項10】
前記ヘッドレスト(13)の少なくとも3つの異なる傾斜は、調整可能であり、及び/又は傾斜調整の角度範囲は、少なくとも3°、及び/又は最大で20°である、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項11】
前記ヘッドレスト(13)及び前記背もたれ(11)を接続するための、少なくとも1つの第1(25)及び/又は第2(37)の接続装置、少なくとも1若しくはちょうど1の自由度で移動可能な、及び/又は第3(22)の接続装置、及び/又は、少なくとも1つの第1(28、29)の及び/又は第2(38、39)のロック装置が設けられ、
前記第1のロック装置(28、29)及び/又は前記第1の接続装置(25)は、前記第3の接続装置(22)の近くに配置され、及び/又は、
前記第2のロック装置(38、39a、39b)及び/又は前記第2の接続装置(37)は、前記第3の接続装置(22)から離れて配置され、及び/又は、
前記第1のロック装置(28、29)及び/又は前記第1の接続装置(25)は、前記ヘッドレスト(13)及び/又は前記サイドチーク(17a)の高さの最大の半分に配置され、及び/又は
前記第2のロック装置(38、39a、39b)及び/又は前記第2の接続装置(37)は、前記ヘッドレスト(13)及び/又は前記サイドチーク(17a)の高さの少なくとも半分に配置され、
前記背もたれ(11)に関連する前記第3の接続装置(22)の相対位置は、傾斜が変更された場合に同じままであり、
前記第1(28、29)及び/又は前記第2(38、39a、39b)のロック装置及び/又は前記第1(25)及び/又は前記第2(37)の接続装置は、前記第3の接続装置(22)の上に配置され、
前記第1の接続装置(25)は、少なくとも1つのリンクガイドを有し、及び/又は
前記第1のロック装置(28、29)は、少なくとも1つのロック窪み(28)及び/又は少なくとも1つのロック突起(29)を有し、及び/又は
前記第2の接続装置(37)及び/又は前記第2のロック装置(38、39a、39b)は、少なくとも1つの伸縮可能及び折り畳み可能部分を有し、及び/又は
前記第1のロック装置(28、29)は、前記第1の接続装置(25)にまたは前記第1の接続装置(25)の近くに配置され、及び/又は少なくとも部分的に前記第1の接続装置(25)に統合され、
前記第2の接続手段(37)及び前記第2のロック手段は、共通の接続及びロック手段によって形成される、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項12】
前記第3の接続装置(22)は、前記ヘッドレスト(13)と前記背もたれ(11)を接続するための自在軸受けである、ことを特徴とする、請求項11に記載のチャイルドシート。
【請求項13】
前記ヘッドレスト(13)は、後部ヘッドレスト部分(18)及び前部ヘッドレスト部分(17)を有し、
前記前部ヘッドレスト部分(17)及び前記後部ヘッドレスト部分(18)は、それぞれ異なる、構造的に区切られた要素によって形成され、及び/又は
前記第1(25)及び/又は前記第2(27)及び/又は前記第3(22)の接続装置及び/又は前記第1(28、29)及び/又は前記第2(38、39a、39b)のロック装置が前記後部ヘッドレスト部分(18)に配置され、及び/又は
前記前部ヘッドレスト部分(17)は、前記サイドチーク(17a)を形成する、ことを特徴とする、請求項11に記載のチャイルドシート。
【請求項14】
前記少なくとも1つのベルトガイド(19)は、前記サイドチーク(17a)の下に少なくとも部分的に配置されている、ことを特徴とする、請求項2に記載のチャイルドシート。
【請求項15】
少なくとも1つの傾斜調整のロックは、特に復元ばねによる、復元力に対する前記ヘッドレスト(13)又は前記ヘッドレスト(13)の一部の変位によって解放でき、及び/又は、
少なくとも1つの傾斜設定のロックは、前記ヘッドレスト(13)又は前記ヘッドレスト(13)の一部の変位によって、少なくとも構成要素ごとに上方に解放でき、
前記背もたれ(11)に設けられている又はそれに接続されている1つ又は複数のロック窪み(28)は、上向きに開かれ、及び/又は前記ヘッドレスト(13)に設けられている又はそれに接続されている1つ又は複数のロック開口は、下向きに開かれ、
前記変位は、力によってもたらされ得る、ことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項16】
前記力は、引張力及び/又は慣性力である、ことを特徴とする、請求項15に記載のチャイルドシート。
【請求項17】
少なくとも1つの傾斜調整のロックは、特に復元ばねによる、復元力に対する前記ヘッドレスト(13)又は前記ヘッドレスト(13)の一部の変位によって解放でき、及び/又は、
少なくとも1つの傾斜設定のロックは、前記ヘッドレスト(13)又は前記ヘッドレスト(13)の一部の変位によって、少なくとも構成要素ごとに上方に解放でき、
前記背もたれ(11)に設けられている又はそれに接続されている1つ又は複数のロック窪み(28)は、上向きに開かれ、及び/又は前記ヘッドレスト(13)に設けられている又はそれに接続されている1つ又は複数のロック開口は、下向きに開かれ、
前記変位は、前記ベルトガイド(19)にガイドされるベルトの牽引力によってもたらされ得る、ことを特徴とする、請求項2に記載のチャイルドシート。
【請求項18】
前記力は、ハンドル(36)を介して加えられる、ことを特徴とする請求項15に記載のチャイルドシート。
【請求項19】
前記ハンドル(36)を介して加えられる力は上向きである、ことを特徴とする請求項18に記載のチャイルドシート。
【請求項20】
請求項1に記載のチャイルドシート及び安全ベルトを有するシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のチャイルドシートを有し、又は請求項20に記載のシステムを有する、自動車。
【請求項22】
請求項1に記載のチャイルドシートのヘッドレスト(13)の傾斜を調整する方法であって、前記ヘッドレスト(13)の前記傾斜は、前記背もたれ(11)に関連して変更し、作動装置(35、36)及び/又は前記ヘッドレスト(13)の慣性力及び/又はベルトガイド(19)内のベルトの引張力が前記ヘッドレスト(13)の傾斜を調整するために使用される、請求項1に記載のチャイルドシートのヘッドレスト(13)の傾斜を調整する方法。
【請求項23】
前記作動装置(35、36)は、手動で操作可能である、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車シートに取り付け可能であるチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、自動車シートに取り付け可能なチャイルドシートが一般的に知られている。このようなチャイルドシートはヘッドレストを有し、車のベルトシステムに取り付けるように設計され得ることも知られている。通常、チャイルドシートは、少なくとも1つのシートシェル又はシートエリアと背もたれとを有している。本発明によるチャイルドシートは、原則として、これらの機能も有している。
【0003】
さらに、本発明の文脈において、「チャイルドシート」という用語は、「古典的な」チャイルドシート及び幼児用キャリア(infant carriers)の総称として理解されるべきであることに留意されたい。しかしながら、好ましくは、本発明のチャイルドシートは、シートエリアから構造的に分離された背もたれを有する(古典的な)チャイルドシート(より大きな子供のための、例えば、グループI/II及び/又はIIIチャイルドシート)であり、必要に応じて、それの傾斜は、シートエリアに関して変化させることができる。構造的描写は、ねじれ(kink)又は同様のものによって形成され得る。しかしながら、一般に(特定の文脈で特に明記されない限り)チャイルドシートは常に「チャイルドシート、特に幼児用キャリア(infant carrier)」の記載の省略形、又は本発明の範囲内で、チャイルドシートを対象とした機能は、原則として幼児用キャリア(infant carrier)にも適用でき、その逆も同様である(特に明記しない限り)。同じことが「子供」という用語にも当てはまり、これは、子供、及び赤ちゃん、及び幼児の総称としても理解される。いわゆる「幼児用キャリア」は、しばしば、赤ちゃん又は子供を保持するためのワンピースシェル(one-piece shell)(のみ)を有し、分離したベルトシステム、必要に応じてヘッドレスト、及び必要に応じて他の構成要素を含み得る。(構造的に分離された)背もたれの代わりに、そのような「幼児用キャリア」は、子供の臀部を収容することができる「シートエリア」に接続された後部を有する。
【0004】
チャイルドシートの子供は、車の3点式ベルト、又はチャイルドシート自体に設けられたベルト(例えば、5点式ベルト、胸ベルトなど)によって固定されることが一般的に知られている。ベルトは、骨盤の反対側に向かってシートの子供の1つの肩に通すことができる。しかしながら、2つのベルトが設けられることもでき、それらのそれぞれが1つの肩に通される。
【0005】
加えて、最先端技術は、一般に、高さ調整可能なヘッドレストを含む。ヘッドレストの高さ調整は、特にチャイルドシートを(成長する)子供のそれぞれのサイズに適合させるのに役立つ。しかしながら、既知のヘッドレストの適合性は、改善が必要であると考えられる。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、比較的高いレベルの快適さを特徴とするヘッドレストを有するチャイルドシートを提案することである。
【0007】
この目的は、自動車シートに取り付け可能なチャイルドシートによって解決され、チャイルドシートは、シートエリア、背もたれ、ヘッドレスト、及び背もたれに関連するヘッドレストの傾斜を調整するための(少なくとも)1つのヘッドレスト傾斜調整装置を有する。これは、ヘッドレストの傾斜を適切に調整することを許可する(特に、子供がアクティブにできる平らな位置若しくは静止位置、又は平らでない位置若しくは直立位置)。特に、ヘッドレストは、好ましくは(統合された)ベルトガイドを有するべきであり、ここで、次に、ヘッドレストの傾斜の背もたれに関連する可能な調整は、少なくとも1つの(この場合は共回転する)ベルトガイドを含む。
【0008】
本発明の第1の核になるアイデアは、背もたれに関連するその傾斜に関して調整可能であるヘッドレストを提案することである。第2の特に好ましい態様は、そのような傾斜調整可能なヘッドレストが少なくとも1つのベルトガイドを有することである。ベルトガイドは、ヘッドレストの傾斜が変更されたときに、ヘッドレストの一部としてヘッドレストと一緒に旋回させることができる。ヘッドレストの傾斜を変更することで、(例えば衝撃があった場合に)子供の身体に作用する力も異なり、これは、ベルトガイドもヘッドレストの傾斜の変化に伴って旋回するという事実によって考慮されることが認識されていた。これは、発生する力の変化が少なくとも部分的に補償され得ることを意味する。したがって、全体として、比較的高い安全要件を満たす快適なヘッドレストが提案されている。
【0009】
ベルトガイドは、例えば、窪み及び/又は開口(スリット)の形状のレセプタクルであり、これは、安全ベルトの部分を収容又はガイドすることを許容する。さらに、ベルトガイドは、ねじ山を付けることが可能なように構成することができるが、(意図的ではない)ベルトガイドの緩みは、少なくともよりに困難になる。対応するブロック装置(blocking device)(例えば、特にベルトガイドのU字型断面のU脚の内側に突起の形状で)が設けられ得る。原則として、ベルトガイドの断面は、U字型にすることができる。U字型の断面は、下肢及び上肢を持つように設計され得る。次に、ブロック装置(設けられている場合)は、好ましくは下肢に設けられる。U字形は、U字脚がU脚の間の距離の少なくとも2倍の大きさになるように、比較的細長くすることができる。上記の共回転ベルトガイドの代替として、又はそれに追加して、ヘッドレストが傾斜について調整されたときに共回転しない、すなわち、回転固定されたままである、少なくとも1つのベルトガイドも設けられ得る(及び、例えば、背もたれ、特にヘッドレスト取り付け要素に設けられるか、又は必要に応じて、それに直接接続され、ヘッドレストの高さを調整するために設けられ得る)。必要に応じて、ヘッドレストは、ヘッドレストと一緒に回転(旋回)するベルトガイドを有していない場合もある。これは、衝撃状態にベルトガイドを介してヘッドレストの旋回部分に力が伝達されるのを防止し、これは、安全性の観点から有利であり得る。
【0010】
基本的に、傾斜の変化は、少なくとも本質的に水平な軸の周りの回転移動(回転)である。
【0011】
好ましくは、ヘッドレストは、傾斜調整と一緒に共回転するサイドチーク(side cheeks)を有する。したがって、特に、サイドチーク(side cheeks)は、(サイドチーク(side cheeks)が、例えば、さらに外側に若しくはさらに内側に折りたたまれ得るか、又はヘッドレストの他の構成要素に関連して少なくとも本質的に垂直な軸について旋回され得る可能性を排除しない)ヘッドレストの不可欠な部分である。サイドチーク(side cheeks)の保護機能は、ヘッドレストの傾斜に関係なく、少なくとも本質的に変化しないため、上記のサイドチーク(side cheeks)の上記の共回転は、一方では快適さを改善し、他方では比較的高いレベルの安全性を保証する。
【0012】
一実施形態では、ヘッドレスト(背もたれの反対側)は、高さ調整可能性であり、及び/又は高さ調整可能に取り付けられている。特に、ヘッドレストは、ヘッドレストベース部分に接続することができ、これは、次に、背もたれ内で、又は背もたれに関連して、例えば、滑るように移動することができる。1つ又は複数(例えば、少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも5つ)の異なる高さ位置をロックするために、適切なロック装置(locking devices)が、適切に提供され得る。
【0013】
ヘッドレスト、特にそのベルトガイドは、ベルト(安全ベルト)、特に車両ベルトによって加えられる(所定の)慣性力を超えたときに、(より急な傾斜が可能な状態、又はヘッドレストがさらに上昇可能な傾斜位置にある状態の)ヘッドレストがより急な、特に最も急な、傾斜位置に移動するように構成され得る。これは、特に急激な原則とその結果生じる牽引力がベルトを通してヘッドレストに採用する場合に、ヘッドレストが(最大)直立位置に移動するたことを保証し、そのため、子供の頭は、ヘッドレストによって比較的早く捕らえられ、それがブレーキングプロセス(braking process(s))の後又は途中で再度後方に(背もたれに向かって)跳ね返るときに、それが最大まで前方に回転される。これは、跳ね返ったときのこともの頭の動きの経路を減少し、怪我のリストを減少する。特に、これは、チャイルドシートの安全性を増大する。ここ及び以下の移動可能性とは、特に、(不可逆的な)損害が発生しないような方法で移動を行うことができることを意味する。あるいは、特定の力の閾値が超えられたときに(おそらく少なくとも部分的に不可逆であるか、又は構造破壊が接続された状態で)移動を可能する意図的な弱点(例えば、所定の破壊点及び/又は所定の座屈点)が設けられることも可能である。
【0014】
代替的又は追加的に、ヘッドレストは、好ましくは少なくとも2g(gは重力加速度を示す)、より好ましくは少なくとも4g及び/又は好ましくは最大12g、より好ましくは最大9gである所定の慣性力を超えるとときに、(より急な傾斜が可能である状態で)それが(より急な傾斜が可能である状態で)より急な、特に最も急な傾斜位置に移動されるように構成及び取り付けられ得る。したがって、ヘッドレストは、特に減速プロセス(例えば、衝突の場合)に起因するか、又は一方ではヘッドレストが移動し続け(又は「移動したい」)、他方ではチャイルドシート全体、特に背もたれが減速されるという事実に起因する、慣性力が少なくとも比例的に、より急な又は最も急な傾斜位置を係合させるように構成することができる。したがって、この慣性力は、(特定の力の閾値を超えた場合に)、ヘッドレストをより急な(最も急な)傾斜位置に移動するために(おそらくベルトガイドに作用するベルトの力と組み合わせて)十分なはずである。これは、(衝突などのブレーキ操作の場合)子供の頭が比較的小さな範囲でしか後方に移動できないようにするもう1つの効果的な方法であり、チャイルドシートの安全性を増大する。
【0015】
(上記の慣性力及び/又は上記のベルトの引張力に起因する)変位は、例えば、特定の傾斜位置のロックが特定の力を超えるまでのみ保持され、この力を超えたときに道を譲る(又は解放される)ことで実現できる。代替的又は追加的に、保持装置の(他の)復元及び/又は保持力は、上記の力の閾値を超えるまでのみ傾斜位置が(しっかりと)保持されるように設定され得る。
【0016】
背もたれの傾斜は、シートエリア及び/又はシートベース(設けられている場合)に関連して調整可能であることが好ましい。さらに好ましくは、(シートエリア及び/又はベースに関連する)背もたれの傾斜の変化が(ヘッドレストに関連する)ヘッドレストの傾斜の変化に(自動的に)つながるように、及び/又はその逆になるように、背もたれがヘッドレストに結合されている。これは、(背もたれに関連してより平らな向きとヘッドレストのより平らな向きとで)子供が休むことができる休憩位置と、背もたれが比較的急に設置され、ヘッドレストも背もたれに関して比較的急に設置される少なくとも1つのさらなる位置とを比較的簡単な方法で調整することが可能であり、その場合、子供は、例えば、目覚めた状態である。全体として、これは、チャイルドシートの操作を簡素化する。
【0017】
(背もたれに関連する)ヘッドレストの傾斜は、少なくとも(又はちょうど)2つ又は少なくとも(又はちょうど)3つ又は少なくとも(又はちょうど)4つ又は少なくとも(又はちょうど)5つ又はそれ以上の異なる傾斜位置に設定することができる。
【0018】
傾斜調整の可能な角度範囲(すなわち、ヘッドレストの最も急な位置での角度と最も平らな位置での角度との間の差)は、少なくとも3°、好ましくは少なくとも8°、より好ましくは少なくとも12°、より好ましく少なくとも15°及び/又は最大で30°、好ましく最大で22°であり得る。
【0019】
最大の平らな傾斜位置での(ヘッドレスト又はそのヘッドレストの)角度は、(垂直に関連して―シートの使用の位置で―背もたれの傾斜自体が調整可能である場合、最大の直立した背もたれの場合)少なくとも12°、好ましくは少なくとも24°及び/又は最大で45°、好ましくは最大で35°であり得る。最大の直立した位置での角度は、好ましくは(垂直に関して)少なくとも0°、より好ましくは少なくとも6°、さらにより好ましくは少なくとも10°及び/又は最大で20°、好ましくは最大で15°である。一般に、ヘッドレストは、シートを使用する位置で、垂直に関して最大の平らな傾斜位置で(少なくとも)後方に傾けられている。これも、最大の直立した位置にも当てはまり得るため、一般に(特定の位置に関係なく)ヘッドレストは、常に(多かれ少なかれ)垂直に関して後方に傾けられている。ヘッドレストがいくつかの(特に3つ以上の)傾斜設定で調整(ロック)できる場合、個別の位置の間の角距離は、少なくとも4°、好ましくは少なくとも7°、及び/又は最大で16°、好ましくは16°、好ましくは最大で12°であり得る。
【0020】
少なくとも1つの第1の、及び/又は少なくとも1つの第2の、及び/又は少なくとも1つの第3の接続装置は、ヘッドレストを背もたれに接続するために、設けられ得る。
【0021】
さらに、少なくとも1つの第1の、及び/又は少なくとも1つの第2の、及び/又は少なくとも1つの第3のロック装置(locking device)は、ヘッドレストの角度調整可能位置をロックするために、設けられ得る。
【0022】
第1の、及び/又は第2の接続装置は、好ましくは、(特に、少なくとも1つ又は正確に1つの自由度で)可動であるように構成されている。本発明の可動設計により、特に、それぞれの場合に互いに接続された部品は、互いに関連して移動(特に旋回)することができ、しかしながら、それによって、この移動は、(少なくとも1つのブロック装置(blocking device)、少なくとも1つの停止などによって)特に制限されることが理解されるべきである。第3の接続装置は、好ましくは(固定又は動かない)自在軸受け(swivel bearing)として設計されている。
【0023】
第1のロック装置(locking device)及び/又は第1の接続装置は、好ましくは、第3の接続装置(自在軸受け)の近くに配置される。「近くに」配置されるとは、特に、12cm未満、好ましくは8cm未満である、それぞれの装置の間の距離で配置されることを意味する。距離が決定される限りにおいて、接続又はロック装置(locking device)を生成する対応する表面部の間の距離は、特に、重要でなければならない。検討中のそれぞれの表面の間の最小の距離は、距離として考慮されるべきである。
【0024】
第1のロック装置(locking device)及び/又は第1の接続装置が自在軸受けの近くに配置されている場合、対応する(追加の)接続又はロックは、構造的に簡単な方法で実行することができる。特に、対応する装置が比較的近くに配置されている場合、(旋回移動の場合)提供される移動の自由が比較的小さいままであることができることを利用することができる。
【0025】
第2の接続装置は、好ましくは、第3の接続装置(自在軸受け)から離れて配置される。代替的又は追加的に、第2のロック装置(locking device)もまた、第3の接続装置(自在軸受け)から離れて配置される。遠隔配置は、特に、それぞれの装置の間の距離が6cmよりも大きく、好ましくは10cmよりも大きい配置を意味する。このような(遠隔)配置では、傾斜の位置は特に正確にすることができる。
【0026】
第1のロック装置(locking device)及び/又は第1の接続装置は、ヘッドレスト及び/又はサイドチーク(side cheeks)の高さの最大の半分に配置され得る。代替的、又は追加的に、第2のロック装置(locking device)及び/又は第2の接続装置は、ヘッドレスト及び/又はサイドチーク(side cheeks)の高さの少なくとも半分に配置され得る。代替的、又は追加的に、第2のロック装置(locking device)及び/又は第2の接続装置は、ヘッドレスト及び/又はサイドチーク(side cheeks)の高さの少なくとも4分の3に配置することができる。
【0027】
背もたれに関連する自在軸受けの相対的な旋回位置は、好ましくは、傾斜が変更された場合でも同じままである。したがって、自在軸受けは、(それ自体)背もたれに関連して旋回移動することができない(しかしながら、例えば、対応する可動ベアリング要素によって、並進で移動可能であり得る。)
第1及び/又は第2のロック装置(locking device)及び/又は第1及び又は第2の接続装置は、好ましくは、(自在軸受けの)第3の接続装置の上に配置され得る。
【0028】
第1の接続装置は、好ましくは、少なくとも1つのリンクガイド(link guide)を有する。
【0029】
第1のロック装置(locking device)は、好ましくは、少なくとも1つのロック窪み(locking recess)及び/又は少なくとも1つのロック突起(locking projection)を有する。
【0030】
第2の接続装置及び/又は第2のロック装置(locking device)は、好ましくは、少なくとも1つの伸縮可能及び折り畳み可能な部分、特にジョイント部分、好ましくはトグルレバー部分(toggle lever part)を有する。伸縮可能な、且つ折り畳み可能な部分は、特に、ヘッドレストの最大の直立した位置で最大に引き伸ばされ、ヘッドレストの最大の平らな位置で最大に折り畳まれるように構成される。伸縮可能な、且つ折り畳み可能な部分は、好ましくは、ジョイントを介して互いに接続され、且つそのそれぞれの遠位端部が一方でヘッドレスト、及び他方で背もたれに接続される、少なくとも2つの(硬い)ロッドを有する。次に、延長した構造からより延長していない(折り畳まれた)構造への移行は、特に、ジョイント(又はその構成要素)が折り畳まれるように(例えば、対応する作動装置を介して)ジョイントのエリアに引張力又は圧縮力が加えられるように行うことができる。これは、特に簡単な方法で傾斜位置の変更を許可する。好ましくは、最大の伸長位置は、例えば、トグルレバー構造(toggle lever configuration)によってロックされる。これは、接続及びロック装置(locking device)を設けることが特に容易になる。
【0031】
第1のロック装置(locking device)は、好ましくは、第1の可動接続装置に(又は少なくともその近くに)配置され、及び/又は第1の可動接続装置に少なくとも部分的に統合される。「近くに」配置されるとは、特に、第1のロック装置(locking device)が、第1の(可動)接続装置から、3cm未満、好ましくは1cm未満に配置される、配置を意味する。ロック装置(locking device)の接続装置への(少なくとも部分的な)統合は、第1のロック装置(locking device)及び第1の接続装置が少なくとも部分的に同じ要素によって形成されることを意味する。同じ要素(構成要素)は、この点で2つの機能であり得る。
【0032】
第2の接続装置及び第2のロック装置(locking device)は、好ましくは、共通の接続及びロック装置(locking device)によって、特に上記の伸縮可能な、且つ折り畳み可能な部分、特に関節部分、好ましくはトグルレバー部分(toggle lever part)によって、形成される。対応するトグルジョイントロック装置(toggle-joint locking device)は、好ましくは、手動の作動力によって克服することができる。
【0033】
実施形態では、ヘッドレストは、後部レッドヘッドレスト部分及び前部ヘッドレスト部分を有し得る。前部ヘッドレスト部分と後部ヘッドレスト部分とは、好ましくは、異なる(構造的に区切られた)要素によって形成される。構造的区切りは、好ましくは、ステップ又は他の不連続エンベロープ及び/又は非モノリシック接続、又は2つの部分の材料及び/又は形状及び/又は力接続により、特に、幾何学的区切りであると理解される。
【0034】
第1の及び/又は第2の及び/又は第3の接続装置、及び/又は第1の及び/又は第2のロック装置(locking device)は、後部ヘッドレスト部分に配置され得る。前部ヘッドレスト部分は、サイドチーク(side cheeks)を部分的又は完全に取り囲み、適切な場合は、後部ヘッドレストを取り囲み得る(これに対して、子供の後頭部を置くことができる)。代替的に、又は追加的に、後部ヘッドレスト部分は、部分的に又は完全に後部ヘッドレストを形成することができる。
【0035】
前部ヘッドレスト部の高さは、後部ヘッドレスト部分の高さの少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.5倍であり得る。後部ヘッドレスト部分は、背もたれから離れる方向に(最も急な傾斜位置で)少なくとも3cm、好ましくは少なくとも5cm及び/又は最大で10cmの延長を有し得る。
【0036】
少なくとも1つベルトガイドは、好ましくは、(それぞれの)サイドチーク(side cheeks)の下に部分的に又は完全に配置される。特に、1つのベルトガイドは、各サイドチーク(side cheek)の下(少なくとも部分的に下)に配置することができる。
【0037】
少なくとも1つの傾斜調整のロックは、特に、復元ばねによる復元力に対するヘッドレスト又は前記ヘッドレスト(13)の一部の変位によって解放され得る。これは、ロックされた状態が(外力によって解放されない限り)有効になっていることを保証するための簡単な方法である。
【0038】
少なくとも1つの傾斜調整のロックは、好ましくは、ヘッドレスト又はヘッドレストの一部(例えば、引っ張り棒(drawbar))の変位によって、好ましくは、少なくとも構成要素に関して上方に開放することができる。背もたれに設けられている、又は背もたれに接続されている可能性のある1つ又は複数のロック窪み(locking recesses)は、好ましくは、上向きに開口している。代替的又は追加的に、ヘッドレストに設けられた1つ又は複数のロック開口(locking openings)は、好ましくは下向きに開口している。
【0039】
変位は、好ましくは、上向きのハンドルを介して加えられる力、特に引張力によって、及び/又は(例えば、急ブレーキの場合)ベルトガイドに案内されるベルトの慣性力及び/又は牽引力によって、好ましくは、もたらされ得る。
【0040】
上記の課題は、上記のタイプのチャイルドシートと安全ベルトを有するシステムによってさらに解決される。
【0041】
上記の課題は、上記のタイプのチャイルドシート又は上記のシステムを有する自動車によってさらに解決される。
【0042】
さらに、上記の課題は、上記のタイプのチャイルドシートのヘッドレストの傾斜を調整する方法によって解決され、ここで、ヘッドレストの傾斜は、好ましくは、特に手動で操作される作動装置及び/又はヘッドレストの慣性力及び/又はベルトガイド内のベルトの引張力を使用して、背もたれに関連して変更される。さらなる手続きの特徴が、チャイルドシート又はシステムの上記の説明から生じる。
【0043】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項から生じる。
【0044】
一般に、着座(seating)エリア及び/又は背もたれに関連するヘッドレストの位置は、特に背もたれに沿って、及び/又は着座(seating)エリアに向かう、又は着座(seating)エリアから離れる方向に移動することによって可変(調整可能)であり得る。ヘッドレストは、ヘッドレストが(少なくとも実質的に)について回転することを許可する自在軸受けによって背もたれに接続され得る。さらに、ロック装置(locking devices)は、ヘッドレストを少なくとも2つ(又は3つ以上)の回転位置に固定(ロック)するために、背もたれ及び/又はヘッドレストに設けられ得る。それぞれのロック装置(locking device)は、自在軸受けに統合され得るか、又は自在軸受け上に(直接)配置され得るか、又は自在軸受けから離れて設けられ得る。(それぞれの)ロック装置(locking device)は、1つ又は複数のレセプタクル(窪み)と係合するように構成された少なくとも1つのロック要素(locking element)(例えば、突起、特にピン、又はロッド)を有し得る。例えば、ラッチ要素(latching element)は、対応する装置、例えば、(特に、複数の歯を有する)歯と係合するように構成されたロッド又はバーの形状であり得る。
【0045】
ヘッドレストは、少なくとも1つの他の接続装置によって(自在軸受けに追加して)背もたれに接続され得る。この少なくとも1つのさらなる接続装置は、ヘッドレストの回転のために少なくとも1つの移動の自由度(好ましくはちょうど1つの移動の自由度)を有し得る。一実施形態では、少なくとも1つのさらなる接続装置は、ガイド装置(例えば、溝の中で走り得る突起、特にピン)又はレール機構又は関節接続(など)を有し得る。好ましくは、少なくとも1つのロック装置(locking device)は、さらなる接続装置に統合されるか、又は少なくとも1つのさらなる接続装置に(直接)取り付けられる。
【0046】
以下で、本発明は、図でより詳細に説明される実施形態によって説明される。図は、次のことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、チャイルドシートの側面図を示している。
図2図2は、図1によるチャイルドシートの詳細な図を示している。
図3図3は、ヘッドレストの異なる位置での図2による詳細な図を示している。
図4図4は、ヘッドレストの異なる位置での図2及び図3による詳細な図を示している。
図5図5は、本発明によるチャイルドシートの別のバージョンの図2に類似した詳細な図を示している。
図6図6は、ヘッドレストの異なる位置での図5による詳細な図を示している。
図7図7は、ヘッドレストの逸脱した位置での図5及び図6による詳細な図を示している。
図8図8は、さらに詳細な図5のヘッドレストの詳細な図を示している。
図9図9は、チャイルドシートの別のバージョンによる図2に類似した詳細な図を示している。
図10図10は、ヘッドレストの異なる位置での図9による詳細な図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の説明では、同一及び同一に表示される部品に同じ参照記号が使用されている。
【0049】
図1は、本発明によるチャイルドシートの側面図を示している。チャイルドシートは、シート部10、背もたれ11、(任意の)ベース12、及びヘッドレスト13を有する。ヘッドレスト13は、背もたれ11に接続されている。背もたれ11は、(任意で)少なくとも1つの(例えば、折り畳み可能な)側面衝撃保護要素14及び少なくとも1つの背もたれベルトガイド15を有する。シートエリア10は、少なくとも1つのシートエリアベルトガイド16を有する。
【0050】
図2は、チャイルドシートの第1の設計による、ヘッドレスト13及びヘッドレスト13に隣接する背もたれ11の部分を示している。ヘッドレスト13は、(別個の部分として、又は前部部分17の一部として構成され得る)前部ヘッドレスト部分17、後部ヘッドレスト部分18、及びヘッドレストベルトガイド19を有する。前部ヘッドレスト部分17は、サイドチーク(side cheeks)17aを有する(そのうちの1つのみが図2に示されている)。サイドチーク(side cheeks)17aの下には、(2つの)ヘッドレストベルトガイド19が対応してある(これにより、図では、描画面に関連して前部ベルトガイドは省略されている)。
【0051】
可動支持要素20は、背もたれ11に配置され、これは、背もたれの本体21に関連して(高さ-)変位可能に取り付けられている。支持要素20は、柔軟(弾性)に設計され得る。具体的には、支持要素20は、本体21に関連して上下(背もたれの内側又は上)に移動させることができる。これは、ヘッドレスト13を背もたれ11の本体21に関連して移動させることを許可する。
【0052】
さらに、ヘッドレスト13は、自在軸受け22(=第3の接続装置)を介して支持要素20に枢動可能に取り付けられている。特に、ヘッドレスト傾斜調整装置23の少なくとも1つの旋回要素23aは、自在軸受け22の旋回軸22aについて旋回(回転)することができ、その結果、ヘッドレスト全体が旋回することができる。
【0053】
これは、図3及び図4にさらに示されている。図2において、ヘッドレスト13のヘッドバックレスト(head-backrest)24は、(およそ)背もたれ11と平行である。図3では、ヘッドバックレスト(head-backrest)24(したがって、ヘッドレスト13全体)は、(背もたれ11に関連して)後方に傾斜している。図4では、ヘッドバックレスト(head-backrest)24又はヘッドレスト13が、さらに後方に傾斜している。図2による構造は、例えば、子供が目覚めているときに、選択され得る。図4による構造は、特に子供が休んでいるときに、選択され得る。図3は、図2及び図4に示されるように、休んでいる又は活動中の子供への適合の間の妥協点を表す中間位置である。
【0054】
自在軸受け22上及び/又は内において、ボルト(特に突起又はピン)などのロック装置(locking device)(図示せず)は、設けられる可能性があり、これは、例えば、背もたれの1つ又は複数の溝及び/又は窪みと連携して、(少なくとも2つ、好ましくは少なくとも又はちょうど3つの)異なる傾斜位置でのロックを許可し得る。
【0055】
図5-8は、基本的に図2-4による実施形態に対応するが、特に、(図2-4に示されていない)(ただし、設けられていてもよい)上記のロック装置(locking device)がなく、(自在軸受け22に追加して)さらなる接続装置、すなわち第1の接続装置25を有する実施形態を示す。
【0056】
第1の接続装置25は、一端部26(固定位置)で背もたれ11に接続されている。端部26の反対側の端部27に、第1の接続装置25(図8も参照)は、ロック歯(locking teeth)29によって規定される(少なくとも部分的にロック窪みとして形成される)ロック位置(locking positions)28を有する。第1の接続装置25は、対応する第1のロック装置(locking device)(又はその一部)を形成する。ロック位置(locking positions)28は、ロックロッドの受容を許可する。
【0057】
後部ヘッドレスト部分18は、第1の接続装置25の(図8を参照)窪み(リンク)32内でスライドできるスライドピン(sliding pin)31を有する。スライドピン(sliding pin)31は、好ましくは、それを固定するために(従って、背もたれとヘッドレストとの間の接続をさらに固定するために)窪み32の外側に配置されたヘッド31aを有する。窪み32(リンク)は、溝又はスロットであり得る。さらに、窪み(リンク)33(例えば、溝又はスロット)もまた(代替的又は追加的に)、後部ヘッドレスト部分18に設けられ、その中で、例えば、(図8の破線で示される)ピン又はロッド34がスライドすることができ、したがって、可動でありながら安全な接続を作成することもできる。
【0058】
ヘッドバックレスト(head-backrest)24の領域には(図5及び8を参照)、ヘッドレスト13の傾斜が調整できるように、(好ましくはそれを上方に引っ張ることによって)ロックロッド(locking rod)30を対応するロック位置(locking position)28から持ち上げさせる作動装置35が設けられている。作動装置35は、好ましくは、この目的のために(突起の形状の)作動ハンドル36を有する。作動装置35を引っ張る(持ち上げる)ことにより、ロックがロックロッド(locking rod)30によって解放されることが可能であり、その結果、第1の接続装置25は、ヘッドレスト13に関連して移動することができる。さらに、後部ヘッドレスト部分18に、ロックロッド(locking rod)30を移動することができ、(それぞれの場合で)(1つの)ロック位置(locking position)28と整列することができる(図示されていない)窪みが設けられ得る。
【0059】
好ましくは、作動装置35は、戻り装置(特に戻りばね)の力に逆らってロック状態から解放状態にシフトすることができ、その結果、作動装置の作動なしの(自動的な)ロック状態が想定される。
【0060】
図5に示される状態は、(背もたれに関連するロックロッド30の移動をブロックする)(ちょうど)1つのロック歯(locking teeth)29と、(図8を参照。背もたれから離れるスライドピン31の移動を防止する)窪み32の前端部と、によってロックされ得る。同様に、図7に示される状態は、2つのロック歯(locking teeth)29の間のちょうど1つの(すなわち、最後尾の)ロック歯ロックロッド(locking tooth locking rod)30によってロックされ得る。
【0061】
図9及び10は、(詳細に)チャイルドシートのさらなる実施形態を示す。ヘッドレスト13は、(適用できる場合、図2-4に関連して説明されているが詳細には示されていないロック装置(locking devices)なしで、及び/又は図5-8に示されている第1の接続装置なしで)図2-4及び/又は5-8に示されるような実施形態の全ての部品及び特徴を有し得る。さらに、図9及び10によるヘッドレスト13は、関節接続としてヘッドレスト13及び背もたれ11を接続し、(2つのジョイント要素39a、39bの間の)少なくとも1つのジョイント38を有する、第2の接続装置37を有し得る。第2の接続装置37は、図9による状態及び/又は図10による状態及び/又は1つ又は複数の中間状態をロックすることができるように構成され得る。この目的のために、第2の接続装置37は、例えば、トグルレバー機構を有し得る。
【0062】
この時点で、上記のすべての部品は、それ自体で、及び任意の組み合わせで、特に図面に示されている詳細を見ると、本発明に不可欠であるとみなされることに留意されたい。これの変更は当業者によく知られている。
【0063】
参照符号
10 シートエリア
11 背もたれ
12 ベース
13 ヘッドレスト
14 側面衝撃保護要素
15 背もたれベルトガイド
16 シートベルトガイド
17 前部ヘッドレスト部分
17a サイドチーク(side cheeks)
18 後部ヘッドレスト部分
19 (ヘッドレスト)ベルトガイド
20 支持要素
21 本体
22 自在軸受け
23 ヘッドレスト傾斜調整装置
23a 旋回要素
24 ヘッドバックレスト
25 第1の接続装置
26 端部
27 端部
28 ロック位置(locking position)
29 ロック歯(locking tooth)
30 ロックロッド(locking rod)
31 スピンドルピン
32 窪み
33 窪み
34 ピン又はロッド
35 作動装置
36 作動ハンドル
37 第2の接続装置
38 ジョイント
39a ジョイント要素
39b ジョイント要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10