(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】画像内で群衆の中の人間を識別する方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240520BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
(21)【出願番号】P 2021008096
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2024-01-19
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴィンツェル
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0283798(US,A1)
【文献】特開2019-071050(JP,A)
【文献】Xu et al.,“An Efficient Crowd Estimation Method Using Convolutional Neural Network with Thermal Images”,2019 IEEE International Conference on Signal, Information and Data Processing (ICSIDP)[online],IEEE,2019年,pp.1-6,[検索日 2024.4.5], インターネット:<URL: https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=9172971&tag=1>,DOI: 10.1109/ICSIDP47821.2019.9172971
【文献】松本信幸 外1名,カメラで撮影した群集の画像から人数を正確に計測する技術,画像ラボ,日本,日本工業出版株式会社,2017年03月10日,第28巻 第3号,pp.58~62
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
CSDB(日本国特許庁)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間識別システム(1)によって実行される、画像内で群衆の中の人間を識別する方法であって、
物体を検出し分類することによって、人間(2)として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を、人の目のレベルと見なされる本質的に前方を見据えた角度で、および/またはそれよりわずかに上方からシーンを撮像するのに適合されたサーマルカメラ(10)で得られた画像(3)内で確認し(1001)、
この方法は、
前記画像(3)内の1つまたはそれ以上の検出された人間(2)に含まれず、所定の強度範囲内の強度を有する隣接する画素の少なくとも第1の分類(4)を確認し(1002)、
コンピュータビジョン技術および/または画像処理によって、前記画像(3)内の前記少なくとも第1の分類(4)の分類画素領域(40)を決定し(1003)、
前記画像(3)内の垂直位置(y)と対応する人間の頭部の予想画素領域(x
expected)のサイズおよび形態との間の関係を示すデータによって表される頭部サイズ基準データ(5)に基づいて、前記画像(3)内の前記分類画素領域(40)の少なくとも第1の垂直位置(y
expected)について、前記少なくとも第1の垂直位置(y
expected)における人間の頭部の予想画素領域(x
expected)のサイズおよび形態を決定し(1004)、
前記分類画素領域(40)の少なくとも人間の頭部に似ている部分を前記少なくとも第1の垂直位置(y
expected)についての前記予想される頭部画素領域(x
expected)と比較し(1005)、さらに
前記比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超える場合に、前記少なくとも第1の分類(4)が少なくとも第1の重複する人間(6)を含むと決定する(1006)こと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記適合性閾値を超える比較の数値に基づいて、前記少なくとも第1の分類(4)における重複する人間(6)の数を推定する(1007)ことをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の検出された人間(2)に前記重複する人間(6)の数を加えることにより、前記画像(3)内の人間の総数を推定する(1008)ことをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも第1の分類(4)を確認すること(1002)は、前記強度範囲が、1つまたはそれ以上の検出された人間(2)のうちの少なくとも1つ(21、22)の強度測定に基づくことを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記頭部サイズ基準データ(5)は、検出された人間(2)のうちの2つ(21,22)またはそれ以上について、前記画像(3)内の検出された人間(21,22)の頭部(212、222)のそれぞれの垂直位置(y
1、y
2)と画素領域(x
1、x
2)のマッピングに基づく請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記頭部サイズ基準データ(5)は、前記マッピングからの補間に基づく請求項5に記載の方法。
【請求項7】
画像内で群衆の中の人間を識別する人間識別システム(1)であって、前記人間識別システム(1)は、
物体を検出し分類することによって、人間(2)として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を、人の目のレベルと見なされる本質的に前を見据えた角度で、および/またはそれよりわずかに上方からシーンを撮像するのに適合されたサーマルカメラ(10)で得られた画像(3)内で確認する(1001)ための人間確認ユニット(101)と、
この人間識別システムは、
前記画像(3)内の1つまたはそれ以上の検出された人間(2)に含まれず、所定の強度範囲内の強度を有する隣接する画素の少なくとも第1の分類(4)を確認する(1002)ための分類確認ユニット(102)と、
コンピュータビジョン技術および/または画像処理によって、前記画像(3)内の前記少なくとも第1の分類(4)の分類画素領域(40)を決定する(1003)ように適合された領域決定ユニット(103)と、
前記画像(3)内の垂直位置(y)と対応する人間の頭部の予想画素領域(x
expected)のサイズおよび形態との間の関係を示すデータによって表され
る頭部サイズ基準データ(5)に基づいて、前記画像(3)内の前記分類画素領域(40)の少なくとも第1の垂直位置(y
expected)について、前記少なくとも第1の垂直位置(y
expected)における人間の頭部の予想画素領域(x
expected)のサイズおよび形態を決定する(1004)ための予想領域決定ユニット(104)と、
前記分類画素領域(40)の少なくとも人間の頭部に似ている部分を前記少なくとも第1の垂直位置(y
expected)についての前記予想される頭部画素領域(x
expected)と比較する(1005)ための比較ユニット(105)と、さらに
前記比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超える場合に、前記少なくとも第1の分類(4)が少なくとも第1の重複する人間(6)を含むと決定する(1006)ための適合性決定ユニット(106)と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記適合性閾値を超える比較の数値に基づいて、前記少なくとも第1の分類(4)における重複する人間(6)の数を推定する(1007)ための数推定ユニット(107)をさらに備える請求項7に記載の人間識別システム(1)。
【請求項9】
1つまたはそれ以上の検出された人間(2)に前記重複する人間(6)の数を加えることにより、前記画像(3)内の人間の総数を推定する(1008)ための総数推定ユニット(108)をさらに備える請求項7または8に記載の人間識別システム(1)。
【請求項10】
前記分類確認ユニット(102)は、1つまたはそれ以上の検出された人間(2)のうちの少なくとも1つ(21、22)の強度測定に基づく前記強度範囲に適合される請求項7~9のいずれか一項に記載の人間識別システム(1)。
【請求項11】
前記頭部サイズ基準データ(5)は、検出された人間(2)のうちの2つ(21、22)またはそれ以上について、前記画像(3)内の検出された人間(21、22)の頭部(212、222)のそれぞれの垂直位置(y
1、y
2)と画素領域(x
1、x
2)のマッピングに基づく請求項7~10のいずれか一項に記載の人間識別システム(1)。
【請求項12】
前記頭部サイズ基準データ(5)は、前記マッピングからの補間に基づく請求項11に記載の人間識別システム(1)。
【請求項13】
請求項7~12のいずれか一項に記載の人間識別システム(1)を備えるサーマルカメラ(10)。
【請求項14】
コンピュータ可読媒体または搬送波に格納された請求項1~6のいずれか一項に記載の方法のステップをコンピュータまたはプロセッサに実行させるように配置されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品を格納した不揮発性コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像内の群衆の中の人間を識別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な理由で、画像内に現れる人々を数えようと試みる必要性および/または関心があり得る。画像は、監視カメラのようなカメラが撮像した画像、例えば、部屋、オープンエリア、および/またはオープンスペースの人々の任意のシーンの画像であってもよい。
【0003】
例えば、コンピュータビジョン技術は、画像内の人数の推定値を提供することができる。検出器のような移動ウィンドウを使用して、画像内の人を確認し、どれだけの人が存在するかを数えることができ、これは、低レベルの特徴を抽出することができる検出のために十分に訓練された分類器を必要とすることがある。しかしながら、これらの技術は、顔を検出するためにはうまく働くかもしれないが、一般に、いくつかの目標物体(ここでは人間)がはっきりと見えない混雑した画像ではうまく働かない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本明細書の実施形態の目的は、改善されたおよび/または代替の方法で、画像内で群衆の中の人々を識別するための取り組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、本明細書に開示される主題によって達成することができる。実施形態は、添付の特許請求の範囲、以下の説明および図面に記載されている。
【0006】
開示された主題は、人間識別システムによって実行される、群衆の中の人間を画像内で識別するための方法に関する。人間識別システムは、本質的に前方視の角度でシーンを撮像するように適合されたサーマルカメラから導出された画像内で人間として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を確認する。人間識別システムは、さらに、所定の強度範囲内の強度を有する、1つまたはそれ以上の検出された人間に含まれない、画像内の隣接する画素の少なくとも第1の分類を確認する。さらに、人間識別システムは、画像内の少なくとも第1の分類の分類画素領域を決定する。さらに、人間識別システムは、少なくとも第1の垂直位置において、頭部サイズ基準データに基づいて、画像内の少なくとも第1の垂直位置において、人間の頭部の予想される画素領域を決定する。人間識別システムは、さらに、少なくとも第1の垂直位置について、分類画素領域の少なくとも一部と予測される頭部画素領域とを比較する。さらに、人間識別システムは、前記比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超える場合、少なくとも第1の分類が少なくとも第1の人間を含むと判定する。
【0007】
開示された主題は、さらに、群衆の中の人間を識別する画像内の人間識別システムに関する。人間識別システムは、本質的に前方視の角度でシーンを撮像するように構成されたサーマルカメラから導出された画像内で、人間として分類された1つまたはそれ以上の検出物体を確認するための-および/または適合された-人間確認ユニットを備える。人間識別システムは、さらに、所定の強度範囲内の強度を有する、1つまたはそれ以上の検出された人間に含まれていない、画像内の隣接する画素の少なくとも第1の分類を確認するための、および/または識別するように適合された分類識別ユニットに関する。さらに、人間識別システムは、少なくとも第1の垂直位置における人間頭部の分類画素領域を決定するための-および/または適合された領域決定ユニットを備える。人間識別システムは、さらに、頭部サイズ基準データに基づいて、少なくとも第1の垂直位置における人間の頭部の予想画素領域を、画像内の少なくとも第1の垂直位置に対して決定するための、および/または、決定するために適合された、予想領域決定ユニットを備える。さらに、人間識別システムは、少なくとも第1の垂直位置について、分類画素領域の少なくとも一部を予測される頭部画素領域と比較するための-および/または適合された-比較ユニットを備える。人間識別システムはさらに、比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超えるときに、少なくとも第1の分類が少なくとも第1の人間を含むことを決定するための、および/または決定するように適合された適合性決定ユニットを備える。
【0008】
さらに、開示される主題は、本明細書に記載される人間識別システムを備えるサーマルカメラに関する。
【0009】
さらに、開示された主題は、コンピュータ可読媒体または搬送波に格納された、本明細書で説明された人間識別システムのステップをコンピュータまたはプロセッサに実行させるように構成されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品に関する。
【0010】
開示される主題は、さらに、前記コンピュータプログラム製品を格納した不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0011】
これにより、人が混み合った画像内で、ある人物と別の人物とを識別することができる手法が導入される。すなわち、本質的に前方視の角度でシーンを撮像するようになっているサーマルカメラから導出された映像において、人間として分類された1つまたはそれ以上の検出物体が確認されるため、サーマルカメラ映像において検出され、人間として分類される物体が認められる。サーマルカメラを使用することにより、さらに、影、バックライト、暗さ、カモフラージュされたオブジェクトなどの光条件に関する潜在的な問題を軽減することができる。さらに、1つまたはそれ以上の検出された人間に含まれていない、所定の強度範囲内の強度を有する画像内の隣接する画素の少なくとも第1の分類が確認されるので、人間に対応する強度などの特定の強度を有する、すでに検出された人間を除く、画像内の隣接する画素の領域を承認することができ、したがって、人間が少なくとも第1の分類内に存在することができることを示すことができる。すなわち、画像内の少なくとも第1の分類の分類画素領域が決定されるので、所定の範囲内にあると特定された隣接画素の領域分布が確立される。さらに、画像内の少なくとも第1の垂直位置に対して、頭部サイズ基準データに基づいて決定されるので、少なくとも第1の垂直位置における人間の頭部の予想画素領域は、頭部サイズ基準データと対向することによって、画像内の1つまたはそれ以上の垂直位置に対して、人間の頭部のそれぞれの予想画素領域形成およびサイズが確立される。すなわち、低い値を例示する垂直位置は、高い値を例示する垂直位置と比較して、サーマルカメラに対する近さを示すことができ、それによって、例示的な低い値を示す垂直位置における人間の頭部の画素領域は、高い値を例示する垂直位置よりも大きいサイズが予想され得る。従って、頭部サイズ基準データは、それぞれの1つまたはそれ以上の垂直位置に関する予想画素領域に関して、1つまたはそれ以上の垂直位置と、人間の頭部の対応する予想サイズおよび形態との間のマッピングを含み、従って、それぞれの垂直位置においてそれぞれの予想頭部サイズを決定することを可能にする。さらに、分類画素領域の少なくとも一部が、少なくとも第1の垂直位置についての予想される頭部画素領域と比較されるので、分類画素領域の画素の選択された領域は、1つまたはそれ以上の垂直位置についての人間の頭部のそれぞれの予想される画素領域と比較される。さらに、少なくとも第1の分類は、前記比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超えるときに、少なくとも第1の重複する人間を含むと判定されるので、比較アクティビティが、少なくとも部分的に人間の頭部に類似する領域などの分類画素領域の領域と、予想される頭部サイズとの間の最小適合性のためのレベルを設定する閾値の1つまたはそれ以上の超過につながり、画像内の少なくとも第1の分類が1つまたはそれ以上の重複する人間を含むことを条件として、確立することができる。したがって、例えば、一般に知られている物体検出によって、および/または識別することが困難で、混雑した画像内で識別することができない人々は、導入された概念によって識別することができる。
【0012】
その理由のために、改善されたおよび/または代替的な方法で、画像内で、群衆の中の人々を識別するための取り組みが提供される。
【0013】
上述の方法の技術的特徴および対応する利点は、以下でさらに詳細に論じられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
特定の特徴および利点を含む、非限定的な実施形態の様々な態様は、以下の詳細な説明および添付の図面から容易に理解されるであろう。
【
図1】本開示の実施形態による例示的な人間識別システムに関する概略図を示す。
【
図2】本開示の実施形態による例示的な人間識別システムに関する概略図を示す。
【
図3】本開示の実施形態による例示的な人間識別システムを示す概略ブロック図を示す。
【
図4】本開示の実施形態による人間識別システムによって実行される例示的な方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の非限定的な実施形態を、本開示の現在の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、より完全に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。参照文字と同様に、全体を通して同じ要素を参照する。図面中のいくつかのボックスの破線は、これらの単位または行為がオプションであり、必須ではないことを示す。
【0016】
以下では、画像内で群衆の中の人間を識別することに関連する本明細書の実施形態によれば、人が混み合った画像内のある人物を別の人物から識別することを可能にする取り組みが開示される。
【0017】
ここで、図面を参照し、特に、
図1~2は、本開示の実施形態による人間識別システム1を例示する概略図である。人間識別システム1は、群衆の中の人間を画像内で識別するように適合され、かつ/または構成される。
【0018】
「人間識別システム」とは、「人間検出システム」、「独特な頭部決定システム」および/または単に「評価システム」または「制御システム」を指し得、一方、「群衆の中の人間を画像内で識別するため」という語句は、「群衆の中の個別の人間または人間頭部を画像内で識別するため」、「近接した人間および/または少なくとも部分的に重複する人間を画像内で識別するため」、「画像内で1人の人間を少なくとも部分的に重複する他の人間から識別するため」および/または「群衆画像内の人間を識別するため」を指し得、他方、「群衆」という語句は、「人の群衆」を指し得る。
【0019】
人間識別システム1は、サーマルカメラ10(
図3に示す)と関連していてもよく、また、任意に含んでいてもよい。従って、サーマルカメラ10の使用により、影、バックライト、暗さ、カモフラージュされた物体等の光条件に関する潜在的な問題を軽減することができる。
【0020】
サーマルカメラ10は、人を含むすべての物体から絶えず放射される熱に少なくとも部分的に基づいて画像を生成する任意の-例えば公知の-サーマルカメラを意味することができる。サーマルカメラ10-可視光と赤外線、IR、カメラを組み合わせたものとみなされてもよい-は、さらに、可視光と組み合わせてIR放射を使用して画像を作成することをサポートする任意のカメラ、すなわち、中波長赤外線、MWIR、および/または長波長赤外線、LWIR帯域などのIR範囲の少なくとも一部に感度があり、可視光範囲の少なくとも一部に感度があることと組み合わせて、IR放射を使用して画像を作成することをサポートする任意のカメラを意味することができる。
【0021】
サーマルカメラ10は、一例によれば、例えば例示的な監視システム(図示せず)の一部である追加の構成要素を備えるサーマルカメラ装置(図示せず)に含まれてもよい。したがって、一例によれば、「人を識別するシステムを含むサーマルカメラ」という言葉は、「人を識別するシステムを含むサーマルカメラ構成」および/または「人を識別するシステムを含む監視システムのサーマルカメラ」を指し得る。
【0022】
人間識別システム1は、例えば、人間確認ユニット101(
図3に示され、さらに説明される)によって、本質的に前方視の角度でシーンを撮像するように構成されたサーマルカメラ10から導出された画像3において、人間として分類された1つまたはそれ以上の検出物体2を確認するように適合および/または構成される。これにより、サーマルカメラ画像3内で検出され、人間2として分類される物体を承認することができる。
図1の例では、第1の検出された人間21および第2の検出された人間22が、例示的な方法で確認される。
【0023】
人間2として検出され分類された物体は、例えば、一連のヒストグラム勾配、HoGs、アルゴリズムを用いて、一般的に知られているコンピュータビジョン技術、画像処理、物体検出および/または分類器からのサポートなどの、任意の方法、例えば、公知の方法で、検出され、分類されていてもよいし、または任意の方法で分類されていてもよい。人間2として分類され検出された物体の数は、手元の画像3によって自然に変化することがあり、数十、数百、または数千までの人間2の範囲に及ぶことがある。しかしながら、人間2として分類され検出された物体が画像3において確認可能および/または確認されない状況が生じてもよく、その理由は、人間2として分類され検出された物体が、人間2として分類された「潜在的な」検出された物体と考えられてもよいからであり、他方、「画像」という語句は、任意のサイズの、例えば、画素の形態の、および/または任意の画質の、任意のカメラで撮像された画像を指してもよいことに留意されたい。
【0024】
サーマルカメラ10がシーンを撮像するように適合され、および/または構成される本質的に前方視の角度は、サーマルカメラ10の任意の位置によって表すことができ、ここで、前記サーマルカメラ19は、例えば上面図とは対照的に、本質的に側面図から、および/またはわずかに下向きの傾斜から、前記シーン内の潜在的な人々を撮像することができる。したがって、本質的に前方視の角度は、本質的に人間の目の高さで、および/または人間の目の高さよりもわずかに上から、たとえば地面および/または床から1メートル未満から数メートルまでの範囲にわたるサーマルカメラ10の位置を示すと考えられるものでシーンを撮像するサーマルカメラ10によって表すことができる。一例によれば、「前方視の角度」という語句は、「わずかに上方の前方視の角度」を指し得、従って、サーマルカメラ10は、シーンを撮像するように適合され得、その後、その潜在的な人が、例えば、ゼロを超えてから45度までの範囲の、わずかに下方への傾斜および/または傾斜からであることを示す。一方、シーンは、例えば、部屋、オープンエリア、オープンスペース等の任意の周囲によって表されてもよい。
【0025】
「人間として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を確認する」という語句は、「人間として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を認識し、選別し、除去し、ブロックし、および/またはブラックリストにのせる」ことを指し得る。一例によれば、前記語句は、さらに、「人間として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を数える」および/または「1つまたはそれ以上の検出された物体を人間として分類する」ことを指し得る。一方で、「検出された物体」は、「潜在的な検出された物体」および/または単に「物体」を指し得、「画像」は、「カメラ画像」、「サーマルカメラ画像」、「温度および視覚光画像の組み合わせ」および/または「画像フレーム」を指し得る。「サーマルカメラから得られたおよび/または取り込まれた画像」および/または単に「サーマルカメラからの画像および/またはサーマルカメラによって撮像された画像」を指し得る。「本質的に人間の目のレベルで、および/またはわずかな下向きの傾斜で」および/または単に「前方視の角度で、および/またはわずかな下向きの傾斜で」を指し得る。さらに、「シーン」は「周囲」を指し得、「シーンを撮像するように適合されたサーマルカメラ」は「シーンの画像を撮像するように適合されたサーマルカメラ」を指し得る。一例によれば、「本質的に前方視の角度でシーンを撮像するように適合されたサーマルカメラから導出された画像で」という語句は、「サーマルカメラから導出された本質的に前方視の角度のシーンの画像で」を指し得る。
【0026】
図2にさらに示されるように、人間識別システム1は、例えば、分類確認ユニット102(
図3に示され、さらに説明される)によって、所定の強度範囲内の強度を有する、1つまたはそれ以上の検出された人間2に含まれない、画像3内の隣接する画素の少なくとも第1の分類4を確認するように適合され、および/または構成される。これにより、-既に検出された人間2を除いて-、人間に対応する強度のような特定の強度の画像3内の隣接する画素4の領域が認識され、したがって、人間が少なくとも第1の分類4内に存在し得ることを示すことができる。
図1を例示すると、例示的な方法で、第1の分類4のみが確認される。しかしながら、他の例示的な画像(図示せず)では、隣接する画素のさらなる別個の分類分けが、当然、確認および/または確認可能であってもよいことに留意されたい。
【0027】
隣接する画素の少なくとも第1の分類4の確認は、コンピュータビジョン技術および/または画像処理からのサポートなど、任意の、たとえば既知の方法で達成することができる。すなわち、異なる物体から反射されるかまたは省略される赤外線エネルギーの強度の相対的な差が検出され、画像3に表示されるので、人間および/または人間の頭部の強度に対応する強度を含むような所定の強度範囲が確認される。強度範囲は、人間および/または人間の頭部の強度および/またはサーマルシグネチャを表すことができる任意の範囲を指し得る。さらに、強度範囲は、例えば、人間識別システム1、サーマルカメラ10、遠隔サーバ等に予め記憶されていてもよい。
【0028】
しかしながら、任意選択的に、強度範囲は、例えば
図1の例示において、第1の検出された人間21および第2の検出された人間のような、1つまたはそれ以上の検出された人間2のうちの少なくとも1つの強度測定211、221に基づいてもよい。それによって、1つまたはそれ以上の既に検出された人間2の強度は、強度範囲、例えば、前記強度測定221、221および/またはその統計的強度測定に本質的に等しい、および/またはその周辺に及ぶ強度範囲を定義するための基礎を形成することができる。「強度測定に基づく」とは、「強度測定から導出される」、「統計的強度測定に基づく」、および/または「強度値に基づく」ことを指し得る。
【0029】
「隣接する画素の少なくとも第1の分類を確認する」という語句は、「本質的に隣接する画素の少なくとも第1の分類を確認する」および/または「認識する、選択する、選別する、および/または隣接する画素の少なくとも第1の分類を除外する」ことを指し得る。一方、「分類する」は、「区域」、「領域」、「分布」および/または「関心の分類」を指し得るが、「隣接する画素」は、「隣接する画素」を指し得る。さらに、「1つまたはそれ以上の検出された人間に含まれない」という語句は、「人間に分類された1つまたはそれ以上の検出されたオ物体に含まれない」、「1つまたはそれ以上の検出された人間の画素を含まない」および/または「検出された人間を除く」を指し得る。一方、「事前決定可能な強度範囲」は、「人間および/または人間の頭部強度および/またはサーマルシグネチャに対応する、および/または同義語を有する事前決定可能な強度範囲」を指し得る。または、単に「人間の頭部強度範囲」を指し得る。
【0030】
人間識別システム1は、さらに、例えば、領域決定ユニット103(
図3に示され、さらに説明される)によって、画像3内の少なくとも第1の分類4の分類画素領域40を決定するように適合され、かつ/または構成される。それにより、隣接する画素4の予め決定可能な範囲内にあると確認される領域分布40-輪郭として描かれた
図1を例示すると-が確立される。
【0031】
分類画素領域40の決定は、コンピュータビジョン技術および/または画像処理からのサポートなど、任意の、たとえば既知の方法で達成することができる。さらに、隣接する画素の分類画素領域40は、シーン内で、人および/または人々、または所定の強度範囲内の強度を有する潜在的な他の物体に自然に応じて、任意の(例えば、不規則な)形状および/または形成であってもよい。語句「分類画素領域を決定する」は、「分類画素領域を計算および/または推定する」ことを指し得るが、一方、「画素領域」は、「画素領域分布」を指し得る。
【0032】
さらに、人間識別システム1は、例えば、予想領域決定ユニット104(
図3に示され、さらに説明される)によって、頭部サイズ基準データ5、少なくとも第1の垂直位置y
expectectedにおける人間の頭部の予想画素領域x
expectedに基づいて、画像3内の少なくとも第1の垂直位置y
expectedを決定するように適合および/または構成される。それによって、頭部サイズ基準データ5と比較することによって、画像3内の1つまたはそれ以上の垂直位置yに対する人間の頭部のそれぞれの予想画素領域x形状およびサイズが確立される。すなわち、例示的な垂直位置と比較して、低値垂直位置yが、サーマルカメラ10に対する近さを示すことができ、それによって、例示的な低値垂直位置yにおける人の頭部の画素領域xは、例示的な低値垂直位置yが例示的な高値垂直位置yに対する大きさよりも大きいことが予想され得る。したがって、頭部サイズ基準データ5は、1つまたはそれ以上の垂直位置yと、1つまたはそれ以上の垂直位置yのそれぞれについての予想画素面積xに関する人間の頭部の対応する予想サイズおよび形態との間のマッピングを含み、したがって、それぞれの垂直位置y
expectedで予想されるそれぞれの予想頭部サイズxを決定することを可能にする。
【0033】
少なくとも第1の垂直位置yexpectedは、画像3内の任意の垂直位置yによって表すことができる。さらに、頭部サイズ基準データ5は、画像3内の垂直位置yと、対応する予想画素領域xまたは人間の頭部との間の関係を示す任意のデータによって表すことができる。頭部サイズ基準データ5は、例えば、データテーブルに含まれてもよく、さらに、例えば、人間識別システム1、サーマルカメラ10、リモートサーバ等に記憶されてもよく、さらに、例えば、予め記憶されてもよい。
【0034】
「予想画素領域を決定する」という語句は、「予想画素領域を導出する、取得する、計算する、および/または補間する」ことを指し得、「頭部サイズ基準データに基づいて決定する」は、「頭部サイズ基準データに対峙することによって決定する」および/または「前記画像内の垂直位置と人間の頭の対応する予想画素領域との間の関係を示すデータから決定する」ことを指し得、さらに、「頭部サイズ基準データ」という語句は、「頭部画素領域基準データ」および/または「頭部サイズマッピングデータ」を指し得、「データ」は、「マッピング情報」を指し得る。一方、「予想」画素領域は、「予想対応」画素領域および/または「推定および/または計算された」画素領域を指し得る。
【0035】
任意選択的に、
図1に例示されるように、頭部サイズ基準データ5は、検出された人間2のうちの2つである21、22またはそれ以上について、画像3内の検出された人間21、22の頭部212、222のそれぞれの垂直位置y
1、y
2および画素領域x
1、x
2のマッピングに基づくことができる。さらに任意選択で、頭部サイズ基準データ5は、前記マッピングからの補間に基づくことができる。これにより、第1の決定された垂直位置y
1における検出された人間21の頭部212の第1の決定された頭部サイズ画素領域x
1と、第2の決定された垂直位置y
2における検出された人間22の頭部222の少なくとも第2の決定された頭部サイズ画素領域x
2とが、頭部サイズ基準データ5の基礎を形成することができる。頭部サイズ基準データ5は、例えば、
図1を例示する例示的な座標面に描かれるように、第1の頭部サイズ画素領域x
1/第1の垂直位置y
1と少なくとも第2の頭部サイズ画素領域x
2/第2の垂直位置y
2との間の、線形グラフ50-または本質的に線形グラフ-に依存してもよい。検出された人間21、22のマッピングされた垂直位置y
1、y
2は、例えば、
図1に例示されるように、それぞれの頭部212、222の下端で、あるいは、例えば、それぞれの頭部212、222の上端で、または仮定された目の高さで、適切と見なされるように、検出された人間21、22のそれぞれの延長部、すなわち、前記検出された人間21、22の高さに沿って選択されてもよい。さらに、「マッピング」は「関連付け」および/または「接続」を指し得、「マッピングに基づく」は「計算された、および/または「垂直位置および画素領域」のマッピングから導出された」を指し得、一方、「垂直頭部位置および垂直頭部サイズ画素領域」を指し得る。
【0036】
図2に例示されるように、人間識別システム1は、さらに、例えば、比較ユニット105(
図3に示され、さらに説明される)によって、分類画素領域40の少なくとも一部と、予想される少なくとも第1の垂直位置y
expectedに対して予想される頭部画素領域x
expectedとを比較するように適合および/または構成される。これにより、分類画素領域40の画素の選択された領域が、1つまたはそれ以上の垂直位置y
expectedについて人間の頭部に予想されるそれぞれの予想画素領域x
expectedと比較される。
【0037】
画素領域の比較は、任意の数の垂直位置yについて繰り返すことができる。さらに、比較アクティビティは、コンピュータビジョン技術および/または画像処理からのサポートなど、任意の、たとえば既知の方法で達成することができる。他方、分類画素領域40の少なくとも一部は、分類画素領域40の任意の領域によって表されてもよく、さらに、適切および/または実現可能であると考えられる任意のサイズ、形態および/または形状であってもよい。例えば、分類画素領域40の1つまたはそれ以上の領域は、少なくともある程度、-あらかじめ決定可能な範囲に-人間の頭部をエントリーするまで、比較のために選択されてもよい。「少なくとも一部を比較する」という語句は、「少なくとも領域を比較する」および/または「少なくとも1つまたはそれ以上の領域を比較する」を指し得、「予想される頭部画素領域」は、「予想される頭部サイズの画素領域」および/または「人間の頭部の予想される画素領域」を指し得る。
【0038】
さらに、人間識別システム1は、例えば、適合性決定ユニット106(
図3に示され、さらに説明される)によって、前記比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超えるときに、少なくとも第1の分類4が少なくとも第1の重複する人間6を含むことを決定するように適合され、かつ/または構成される。それによって、比較アクティビティが、人間の頭部に少なくとも部分的に類似する領域のような分類画素領域40の領域と、予想される頭部サイズxとの間の最小適合性のためのレベルを設定する閾値の1つまたはそれ以上の超過につながるならば、画像3における少なくとも第1の分類4は、1つまたはそれ以上の重複する人間6を含むことが確立されてもよい。したがって、例えば、一般的に知られている物体検出によって、および/または識別することが困難で、混雑した画像3において識別することができない人々は、導入された概念によって識別することができる。
【0039】
図2を例示すると、一致閾値は、潜在的に多数の比較のうちの3つの場合を例示することにより、適合閾値を超えていると判断することができ、頭部に類似する領域-後に第1の重複する人間61として確認されるもの-第1の垂直位置y
expected,において予想される頭部サイズ画素領域x
expectedを持ち、同様の方法で、第2の重複する人間62と第3の重複する人間63を確認し、それぞれの予想される頭部サイズ画素領域xをそれぞれ第2および第3の垂直位置yに有することができる。
【0040】
所定の適合性閾値は、適切および/または実行可能と考えられる任意の値に設定されてもよく、例えば、重複する人間6を含む少なくとも第1の分類4を考慮するために超える必要がある、分類画素領域40の領域と予想される頭部サイズxとの間の一致のレベル、程度および/または率を示す。したがって、適合性閾値は、例えば、少なくとも50パーセント、少なくとも70パーセント、または少なくとも90パーセントの一致によって表すことができる。語句「少なくとも第1の分類が含むことを決定すること」は、「少なくとも第1の分類が含むことを推定および/または結論付けること」を指し得、一方、「重複する人間」は、「少なくとも部分的に重複する人間」および/または「前記画像内で重複する人間」を指し得る。一方、「時」は、「すべき」および/または「条件付き」を指し得、「比較」は、「活動を比較すること」を指し得る。さらに、「事前に決定可能な適合性閾値」は、「事前に決定可能な類似性閾値」、「事前に決定可能な頭部一致閾値」および/または単に「適合性閾値」を指し得る。
【0041】
任意選択で、人間識別システム1は、例えば、任意選択の数推定ユニット107(
図3に示され、さらに説明される)によって、適合性閾値を超える比較の数に基づいて、少なくとも第1の分類4内の重複する人間6の数を推定するように適合され、かつ/または構成されてもよい。それによって、適合性閾値を超えるたびに数えることによって-これは、重複する人間6が少なくとも第1の分類4に含まれると決定される-数と等しくてもよい、少なくとも第1の分類4における重複する人間6の数が推定されてもよい。
図2を例示すると、3つの重複する人間61、62、63が例示的な方法で描かれている。「数を推定する」という語句は、「数を決定する」および/または「数を計算する」ことを指し得、「前記適合性閾値を超える比較の数に基づいて」は、「前記適合性閾値を超える比較の数を数えることによって」を指し得る。
【0042】
さらに任意選択で、人間識別システム1は、-例えば、任意選択の総数推定ユニット108(
図3に示され、さらに説明される)によって-、1つまたはそれ以上の検出された人間2に重複する人間6の数を加えることによって、画像3内の人間の総数を推定するように適合され、かつ/または構成されてもよい。これにより、群衆の画像3内の人の総数の推定を支援する手法が提供される。
図12の例では、2つの検出された人間21、22が、3つの重複する人間61、62、63と共に、例示的な方法で描かれており、したがって、合計で例示的な5人の人間の総数になる。「総数を推定する」という語句は、「総数を決定する」および/または「総数を計算する」ことを指し得る。
【0043】
本開示の実施形態による例示的な人間識別システム1を示す概略ブロック図である
図3にさらに示されるように、人間識別システム1は、人間確認ユニット101、分類確認ユニット102、領域決定ユニット103、予想領域決定ユニット104、比較ユニット105、適合性決定ユニット106、任意選択の数推定ユニット107、および/または任意選択の総数推定ユニット108を備えることができ、これらはすべて、既に上でより詳細に説明されている。さらに、群衆の中の人間-
図3-を識別するための本明細書において、プロセッサ109(ここではCPUと表記する)のような1つまたはそれ以上のプロセッサを介して、本明細書の実施形態の機能および動作を実行するためのコンピュータプログラムコードと共に実施することができる。前記プログラムコードは、コンピュータプログラム製品として、例えば、人間識別システム1に搭載されたときに本明細書の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムコードを搬送するデータキャリアの形態で提供することもできる。このようなキャリアの一つは、CD-ROMディスクおよび/またはハードドライブの形態であってもよいが、他のデータキャリアで実現可能である。さらに、コンピュータプログラムコードは、サーバ上に純粋なプログラムコードとして提供され、人間識別システム1にダウンロードされてもよい。人間識別システム1は、1つまたはそれ以上のメモリユニットを備えるメモリ110をさらに備えることができる。メモリ110は、例えば、情報を記憶し、さらに、人間識別システム1において実行されるときに本明細書の方法を実行するために、データ、構成、スケジューリング、およびアプリケーションを記憶するために使用されるように構成されてもよい。例えば、コンピュータプログラムコードは、組み込みプロセッサ109のファームウェア、フラッシュメモリ110に記憶されたファームウェア、および/またはオフボードサーバなどからワイヤレスでダウンロードされたファームウェアに実装されてもよい。さらに、前記ユニット101~108、オプションのプロセッサ109、および/またはオプションのメモリ110は、少なくとも部分的に、サーマルカメラ10に含まれ、関連付けられ、および/または接続されてもよく、および/または、例えば、オプションとして前記サーマルカメラ10を備える監視システムに接続されてもよい。当業者はまた、上述の前記ユニット101~108は、アナログ回路およびデジタル回路の組合せ、および/または、例えば、メモリ110などのメモリに記憶されたソフトウェアおよび/またはファームウェアで構成され、プロセッサ109などの1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行されるときに本明細書で説明されるように実行する1つまたはそれ以上のプロセッサを指してもよいことを理解するであろう。これらのプロセッサのうちの1つまたはそれ以上、ならびに他のデジタルハードウェアは、単一の特定用途向け集積回路、ASIC、またはいくつかのプロセッサに含まれてもよく、さまざまなデジタルハードウェアは、個別にパッケージ化されていても、システムオンチップ、ソックに組み立てられていても、いくつかの別個の構成要素の間で分散されていてもよいことを理解するであろう。
【0044】
図4は、本開示の実施形態による人間識別システム1によって実行される例示的な方法を示す流れ図である。前記方法は、画像内で、群衆の中の人間を識別するためのものである。連続的に繰り返すことができる例示的な方法は、
図1~3を支持して論じられる以下の行為のうちの1つまたはそれ以上を含む。さらに、行為は、任意の適切な順序で取られてもよく、および/または、1つまたはそれ以上の行為は、適用可能な場合、同時に、および/または、代替の順序で実行されてもよい。例えば、行為1004は、行為1002および/または行為1003と同時におよび/またはその前に実行されてもよい。
【0045】
行為1001
行為1001において、人間識別システム1は、-例えば、人間確認ユニット101からの支援により-、本質的に前方視の角度でシーンを撮像するように適合されたサーマルカメラ10から導出された画像3において人間2として分類された1つまたはそれ以上の検出された物体を確認する。
【0046】
行為1002
行為1002において、人間識別システム1は、-例えば、分類確認ユニット102からの支援により-、1つまたはそれ以上の検出された人間2に含まれておらず、所定の強度範囲内の強度を有する、画像3内の隣接する画素の少なくとも第1の分類4を確認する。
【0047】
行為1003
行為1003において、人間識別システム1は、-例えば、領域決定ユニット103からの支援により-、画像3内の少なくとも第1の分類4の分類画素領域40を決定する。
【0048】
行為1004
行為1004において、人間識別システム1は、頭部サイズ基準データ5に基づいて、-例えば、予想領域決定ユニット104からの支援により-画像3における少なくとも第1の垂直位置yexpectedにおける人間の頭部の予想画素領域xexpectcedを基に、少なくとも第1の垂直位置yexpectedを決定する。
【0049】
行為1005
行動1005において、人間識別システム1は、-例えば、比較ユニット105からの支援により-、分類画素領域40の少なくとも一部と、少なくとも第1の垂直位置yexpected-に対する予想される頭部画素領域xexpectedとを比較する。
【0050】
行為1006
行為1006において、人間識別システム1は、-例えば、適合性判定ユニット106からの支援により-、行為1005の比較から得られる少なくとも第1の比較が所定の適合性閾値を超えたときに、少なくとも第1の分類4が少なくとも第1の重複する人間6を含むことを判定する。
【0051】
行為1007
任意の行為1007において、人間識別システム1は、-例えば、任意選択の数推定ユニット107からの支援によって-、適合性閾値を超える比較の数に基づいて、少なくとも第1の分類4内の重複する人間6の数を推定することができる。
【0052】
行為1008
任意の行為1008では、人間識別システム1は、-例えば、任意の総数推定ユニット108からの支援によって-、1つまたはそれ以上の検出された人間2に重複する人間6の数を加算することによって、画像3内の人間の総数を推定することができる。
【0053】
当業者は、本開示が決して上記の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正および変形が可能である。さらに、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴の寸法は、明確にするために誇張されている場合があることに留意されたい。代わりに、本明細書の実施形態の原理を説明することに重点が置かれる。さらに、特許請求の範囲では、「有する」という語は、他の要素または工程を除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。