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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】シールドマシン用地中レーダ
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/88 20060101AFI20240520BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240520BHJP
   G01V 3/12 20060101ALI20240520BHJP
   E21D 9/093 20060101ALI20240520BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G01S13/88 200
G01S7/02 210
G01V3/12 B
E21D9/093 F
H01Q21/24
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021014901
(22)【出願日】2021-02-02
(65)【公開番号】P2022118406
(43)【公開日】2022-08-15
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501254955
【氏名又は名称】川崎地質株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】山田 茂治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 潔
(72)【発明者】
【氏名】野津 俊光
(72)【発明者】
【氏名】石川 康宏
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-010238(JP,A)
【文献】特開平08-094737(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106199597(CN,A)
【文献】谷口 徹ら,「電磁波による切羽前方探知方法の開発(その2)」,戸田建設技術研究報告,Vol.16,1990年03月20日,pp.111-120
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
G01V 3/12
E21D 9/093
H01Q 21/24
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
複数本の前記アームの中の少なくとも1本に、前記アームが伸びる方向に複数個の前記アンテナが配備されていて、
複数個の前記アンテナの中に、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナと
が含まれている
シールドマシン用地中レーダ。
【請求項2】
前記第一のアンテナと、前記第二のアンテナとが前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている請求項1記載のシールドマシン用地中レーダ。
【請求項3】
前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている前記第一のアンテナと前記第二のアンテナとの組み合わせが少なくとも二組存在している請求項2記載のシールドマシン用地中レーダ。
【請求項4】
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
複数本の前記アームの中の少なくとも1本に、前記アームが伸びる方向に複数個の前記アンテナが配備されていて、
複数個の前記アンテナの中に、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に対して斜交する第三のアンテナと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に斜交する第四のアンテナであって前記第三のアンテナとは異なる角度で前記アームが伸びる方向に斜交する、あるいは前記第三のアンテナとは異なる方向から前記アームが伸びる方向に斜交する第四のアンテナと
が含まれている
シールドマシン用地中レーダ。
【請求項5】
前記第三のアンテナと、前記第四のアンテナとが前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている請求項記載のシールドマシン用地中レーダ。
【請求項6】
前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている前記第三のアンテナと前記第四のアンテナとの組み合わせが少なくとも二組存在している請求項5記載のシールドマシン用地中レーダ。
【請求項7】
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナが一の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置され、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナが他の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置されていて、
一の前記アームに配置されている複数個の前記第一のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と、
他の前記アームに配置されている複数個の前記第二のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と
が互い違いになるように異なるようになっていることで、前記シールドマシンの前記回転カッターの前記アームが回転したときに複数個の前記第一のアンテナの回転軌跡と、複数個の前記第二のアンテナの回転軌跡とが一致しない
シールドマシン用複合配列地中レーダ。
【請求項8】
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナが1本の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置されている形態の2本の第一アンテナ配備アームと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナが1本の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置され形態の2本の第二アンテナ配備アームと
を備えていて、
前記回転カッターが前記回転中心軸を中心として回転するときに、
2本の前記第一アンテナ配備アームにそれぞれ配備されている複数個の前記第一のアンテナの回転軌跡が一致せず、
2本の前記第二アンテナ配備アームにそれぞれ配備されている複数個の前記第二のアンテナの回転軌跡が一致しない
配置構造になっているシールドマシン用複合配列地中レーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中レーダ装置に関し、特に、アンテナをシールドマシンの前面に配置して前記シールドマシン前方の前面近傍を障害物探査するシールドマシン用地中レーダに関する。
【背景技術】
【0002】
地中探査に用いられる地中レーダシステムについては従来から種々提案されている。本願出願人も検出物標の分解能を維持しつつ探査深度の増大を図ることができるチャープ式マルチ地中レーダシステムを提案している(特許文献1)。
【0003】
本願出願人が提案した特許文献1のチャープ式マルチ地中レーダシステムは、長い時間送信信号を送信することから高出力が得られ、探査深度の増加を可能にするチャープ波を用い、パルス波が長いパルス波であることから、分解能を向上させるため受信回路においてインパルスに変換する機構(パルス圧縮回路)を採用し、チャープ信号を圧縮することで高分解能で探査深度の深い地中レーダシステムを実現し、従来のパルス式地中レーダと同等以上の狭いインパルスを得て、検出物標、例えば、埋設物や、比誘電率又は導電率の異なる境界面などの分解能を維持し、従来のパルス式地中レーダに比較してパルス幅を広くした分に相当する探査深度の増大を得ることを可能にしたものである。
【0004】
シールドマシン用地中レーダとしては、シールドマシンのカッターフェース面に電磁レーダのアンテナを配置し、トンネル掘削した切羽面の前方の地中にレーダ信号(発信波)を発信し、地盤内から反射して戻ってきた受信波を受信し、波形処理を行うことでトンネル切羽前方の地質探査を行う提案がされている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-100944号公報
【文献】特開平10-2184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シールドマシンでは、回転カッターのアームがシールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている。図1にその一例の概要を示しているが、図1では、シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に8本のアーム1、2、3、3、4、5、6、7、8が伸びている。
【0007】
そして、シールドマシン用地中レーダ装置では、前記アームに進行方向前方の前面にある障害物探査のため地中レーダ装置のアンテナが配備されるのが一般的である。
【0008】
図2は、シールドマシンの回転中心軸から放射状に延びている回転カッターの複数本のアーム1~8の中の1本に地中レーダ装置のアンテナ200が1セットだけ取り付けられている状態を説明する一部を省略した正面図である。
【0009】
地中レーダ装置のアンテナ200には広帯域のダイポールアンテナが使用される。ダイポールアンテナには偏波面が存在する。そこで、障害物が細長いもの(例えば、H鋼のような、鉄製の杭)であって、当該細長いものが伸びている方向と、アンテナ200の軸方向とが平行であると、当該細長いものの探査では反射波が検出されやすくなる。
【0010】
図3を用いてこれを説明すると、アンテナエレメント101、102の軸101a、102aの方向と細長い障害物(H鋼)100が伸びる方向とが平行の位置関係で、図中のθ=0°になる図3(a)、(b)図示の場合には反射波のレベルが大きく得られ、反射波が検出されやすくなる。
【0011】
一方、アンテナエレメント101、102の軸101a、102aの方向と細長い障害物(H鋼)100が伸びる方向とが直交する位置関係で、図中のθ=90°になる図3(c)、(d)図示の場合には反射波のレベルがほとんど得られなくなり、反射波を検出しづらくなる。
【0012】
また、図3(e)図示のようにアンテナエレメント101、102の軸101a、102aの方向と細長い障害物(H鋼)100が伸びる方向とが斜めになるときには反射波のレベルが弱くなる。例えば、図3(e)図示のように図中のθ=45°の角度関係で斜めになっていると、検出レベルは、図3(a)、(b)図示のようにアンテナエレメント101、102の軸101a、102aの方向と細長い障害物(H鋼)100が伸びる方向とが平行の位置関係であるときの検出レベルの1/2の検出レベルになる。
【0013】
シールドマシンの回転カッターは回転中心軸を中心として周方向に回転しながら前方方向に進行することから前述したように回転カッターのアームに取り付けられたアンテナも同時に回転中心軸を中心として周方向に回転する。
【0014】
このため、一般的に地面に鉛直に埋設されている細長い障害物(例えば、H鋼のような、鉄製の杭)が伸びる方向と、アンテナの軸方向とは、当該細長い障害物の位置によってその角度関係が平行になったり、斜めになったり、直交関係になったりする。上述したように、この角度関係が平行の時、反射波が大きく、斜めの関係の時は反射波が弱くなり、直交するときは反射波のレベルがほとんど得られなくなり、反射波を検出しづらくなる。
【0015】
そこで、図2図示のように、回転カッターのアーム1に地中レーダ装置のアンテナ200が1セットだけ取り付けられているシールドマシン用地中レーダ装置では、シールドマシン進行方向前方の前面に存在している障害物(図4では直線状に伸びるH鋼)が伸びている方向との関係で、障害物を検出可能であったり、検出レベルが低下してしまったり、障害物を検出しづらい状態になることがある。
【0016】
例えば、図2でシールドマシン回転カッターのアーム1に配備されているアンテナ200は、周方向への回転角度が0°、90°、180°、270°になるように周方向に回転していくにつれて、図4に符号201で示している領域で回転中心軸を中心として周方向に回転する。
【0017】
そこで、H鋼100bについては符号112で示している箇所でアンテナ200がH鋼100bと対向し、ここでは、H鋼100bが伸びる方向とアンテナの軸方向とが平行になるので検出可能になる。
【0018】
H鋼100dについては符号115で示している箇所でアンテナ200がH鋼100dに向き合うことになるが、ここでも、H鋼100bが伸びる方向とアンテナの軸方向とが平行になるので検出可能になる。
【0019】
H鋼100dについては符号115で示している箇所でアンテナ200がH鋼100dに向き合うことになるが、ここでも、H鋼100bが伸びる方向とアンテナの軸方向とが平行になるので検出可能になる
H鋼100aについては符号110で示している箇所でアンテナ200がH鋼100aに向き合うことになるが、ここでは、H鋼100aが伸びる方向とアンテナの軸方向とが直交する位置関係になる。このため、符号110で示している箇所ではH鋼100aからの反射波のレベルがほとんど得られなくなり、反射波を検出しづらくなる。
【0020】
なお、H鋼100aについては、引き続き、符号111で示している箇所までアンテナ200がH鋼100aに向き合うことになるが、斜め関係で向き合うことになるので、検出レベルが低い状態での検出可能ということになる。
【0021】
H鋼100cについては符号113、114で示している箇所でアンテナ200がH鋼100cに向き合うことになるが、斜め関係で向き合うので、符号113、114で示しているいずれの箇所でも検出レベルが低い状態での検出可能ということになる。
【0022】
そこで、本発明は、シールドマシンの回転カッターのアームが回転中心軸を中心にして周方向に回転することに応じて当該アームに取り付けられている地中レーダ装置のアンテナが同じく回転カッターの回転中心軸を中心にして周方向に回転することになっても、シールドマシン進行方向前方の前面で種々の方向に伸びて存在している障害物(例えば、H鋼)をより確実に検出できるシールドマシン用地中レーダを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
[1]
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
複数本の前記アームの中の少なくとも1本に、前記アームが伸びる方向に複数個の前記アンテナが配備されている
シールドマシン用地中レーダ。
【0024】
[2]
複数個の前記アンテナの中に、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナと
が含まれている[1]のシールドマシン用地中レーダ。
【0025】
[3]
前記第一のアンテナと、前記第二のアンテナとが前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている[2]のシールドマシン用地中レーダ。
【0026】
[4]
前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている前記第一のアンテナと前記第二のアンテナとの組み合わせが少なくとも二組存在している[3]のシールドマシン用地中レーダ。
【0027】
[5]
複数個の前記アンテナの中に、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に対して斜交する第三のアンテナと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に斜交する第四のアンテナであって前記第三のアンテナとは異なる角度で前記アームが伸びる方向に斜交する、あるいは前記第三のアンテナとは異なる方向から前記アームが伸びる方向に斜交する第四のアンテナと
が含まれている[1]のシールドマシン用地中レーダ。
【0028】
[6]
前記第三のアンテナと、前記第四のアンテナとが前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている[5]のシールドマシン用地中レーダ。
【0029】
[7]
前記アームが伸びる方向で交互に前記アームに配置されている前記第三のアンテナと前記第四のアンテナとの組み合わせが少なくとも二組存在している[6]のシールドマシン用地中レーダ。
【0030】
[8]
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナが一の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置され、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナが他の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置され
ているシールドマシン用複合配列地中レーダ。
【0031】
[9]
一の前記アームに配置されている複数個の前記第一のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と、
他の前記アームに配置されている複数個の前記第二のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と
が同一である[8]のシールドマシン用複合配列地中レーダ。
【0032】
[10]
一の前記アームに配置されている複数個の前記第一のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と、
他の前記アームに配置されている複数個の前記第二のアンテナが前記アームに配置されている半径方向位置と
が互い違いになるように異なるようになっていることで、前記シールドマシンの前記回転カッターの前記アームが回転したときに複数個の前記第一のアンテナの回転軌跡と、複数個の前記第二のアンテナの回転軌跡とが一致しない[8]のシールドマシン用複合配列地中レーダ。
【0033】
[11]
シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダであって、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向と平行である第一のアンテナが1本の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置されている形態の2本の第一アンテナ配備アームと、
前記アンテナの軸の向きが前記アームが伸びる方向に直交する第二のアンテナが1本の前記アームに前記アームが伸びる方向で複数個配置され形態の2本の第二アンテナ配備アームと
を備えていて、
前記回転カッターが前記回転中心軸を中心として回転するときに、
2本の前記第一アンテナ配備アームにそれぞれ配備されている複数個の前記第一のアンテナの回転軌跡が一致せず、
2本の前記第二アンテナ配備アームにそれぞれ配備されている複数個の前記第二のアンテナの回転軌跡が一致しない
配置構造になっているシールドマシン用複合配列地中レーダ。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、シールドマシンの回転カッターのアームが回転中心軸を中心にして周方向に回転することに応じて当該アームに取り付けられている地中レーダ装置のアンテナが同じく回転カッターの回転中心軸を中心にして周方向に回転することになっても、シールドマシン進行方向前方の前面で種々の方向に伸びて存在している障害物(例えば、H鋼)をより確実に検出できるシールドマシン用地中レーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】シールドマシン前面の構造の一例を表す一部を省略した正面図。
図2図1図示の構造のシールドマシンで回転中心軸から放射状に延びている回転カッターの複数本のアームの中の1本に地中レーダ装置のアンテナが1セットだけ取り付けられている状態を説明する一部を省略した正面図。
図3】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、シールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(H鋼)が伸びる方向と、シールドマシンのアームに配備されている1個のアンテナの軸の方向とに応じて障害物(H鋼)の検出に差が生じることを説明する図。
図4】回転カッターの複数本のアームの中の1本に地中レーダ装置のアンテナが1セットだけ取り付けられている図2図示の形態のシールドマシン用地中レーダでシールドマシン進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(H鋼)を検出する際に、細長い障害物(H鋼)が存在している位置、その伸びる方向に応じて検出に差が生じることを説明する図。
図5】本発明の一実施形態に係るアンテナの配置形態を説明する一部を省略した正面図。
図6図5図示の実施形態に採用されているアンテナのアンテナエレメントの一例を説明する図。
図7図5において複数個のアンテナが配備されているアーム部を説明する一部を省略した正面図。
図8】本発明の他の実施形態に係るアンテナの配置形態を説明する一部を省略した正面図。
図9】本発明の他の実施形態に係るアンテナの配置形態を説明する一部を省略した正面図。
図10図5図7図示の実施形態とは異なる配置形式で複数個のアンテナがアーム部に配備される例を説明する一部を省略した正面図。
図11図5図7図示の実施形態とは異なる配置形式で複数個のアンテナがアーム部に配備される他の例を説明する一部を省略した正面図。
図12図5図7図示の実施形態とは異なる配置形式で複数個のアンテナがアーム部に配備される他の例を説明する一部を省略した正面図。
図13図5図7図示の実施形態とは異なる配置形式で複数個のアンテナがアーム部に配備される他の例を説明する一部を省略した正面図。
図14図5図7図示の実施形態で複数個のアンテナがアーム部に配置されているシールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(H鋼)が存在している位置と、それが伸びている方向の検出状態を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
シールドマシンの回転カッターのアームが回転中心軸を中心にして周方向に回転することに応じて当該アームに取り付けられている地中レーダ装置のアンテナが回転カッターの回転中心軸を中心にして周方向に回転することになる場合、図3(a)~(e)を用いて説明したように、シールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(H鋼)が伸びる方向と、シールドマシンのアームに配備されているアンテナの軸の方向との位置関係に応じて障害物(H鋼)の検出レベルに差が生じる。
【0037】
本願の発明者は、この現象に着眼し、シールドマシンの回転カッターのアームが伸びる方向で当該アームに複数個のアンテナを配置することで、種々の位置関係でシールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(例えば、H鋼のような、鉄製の杭)を効果的に検出できるようにしたものである。
【0038】
シールドマシンの回転カッターのアームが回転したときに障害物として予想しているH鋼とアームに配備されているアンテナとの位置関係がどのように変化しても、アームが伸びる方向で当該アームに複数個配置されているアンテナの中のいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できるようにしたものである。種々の位置関係でシールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物(例えば、H鋼のような、鉄製の杭)を、アームが伸びる方向で当該アームに複数個配備されているアンテナの中のいずれかで検出することが可能になる。
【0039】
このように、この実施形態のシールドマシン用地中レーダは、シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されている形態のものであって、複数本のアームの中の少なくとも1本に、アームが伸びる方向で複数個のアンテナが配備されている構造を採用しているものである。
【0040】
これによって、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに障害物として予想しているH鋼とアームに配備されているアンテナとの位置関係がどのように変化しても、アームが伸びる方向で当該アームに複数個配置されているアンテナの中のいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できるようにしている。
【0041】
この場合、複数個配置される各アンテナのアンテナ軸が伸びる方向をそれぞれ異ならせることで検出効率を高めることができる。
【0042】
例えば、アンテナ軸が伸びる方向がアームが伸びる方向と直交するアンテナと、アンテナ軸が伸びる方向がアームが伸びる方向に平行であるアンテナとを採用し、しかも、それぞれ、複数個採用して、アンテナが伸びる方向で、交互に配置することができる。
【0043】
あるいは、アンテナ軸が伸びる方向がアームが伸びる方向に斜交するアンテナと、アンテナ軸が伸びる方向がアームが伸びる方向に斜交するアンテナであるが前者のアンテナとは異なる角度、あるいは異なる方向で斜交しているアンテナとが採用されて、しかも、それぞれ、複数個採用されて、アンテナが伸びる方向で、交互に配置されている、等の実施形態にすることができる。
【0044】
シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに障害物として予想しているH鋼とアームに配備されているアンテナとの位置関係がどのように変化しても、アームが伸びる方向で当該アームに複数個配置されているアンテナの中のいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できるようにする目的が達成されるように、種々の配置形式を採用可能である。
【0045】
この実施形態のシールドマシン用地中レーダの地中レーダ装置としては、従来公知の種々の方式を採用することができる。例えば、チャープ式地中レーダ装置である。この他にも、従来公知のパルス式地中レーダ装置、FMCW方式地中レーダ装置を使用することもできる。
【0046】
いずれも従来公知の方式の地中レーダ装置であり、この実施形態では、本発明の特徴になっている、シールドマシンの回転カッターのアームへのアンテナの配置形式ついてのみ説明し、その他の従来公知の構造、機構の説明は省略する。
【0047】
図5は、シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームに地中レーダのアンテナが配備されているシールドマシン用地中レーダの実施形態に係るアンテナ配置形態の一例を説明する一部を省略した正面図である。
【0048】
図5図示の実施形態ではシールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に8本の回転カッターのアーム1、2、3、4、5、6、7、8が伸びている。
【0049】
この複数本のアーム1~8の中の少なくとも1本にアームが伸びる方向で複数個のアンテナが配備されているものである。図5では、アーム1に地中レーダ装置のアンテナ10、11、12、13が、アーム1が伸びる方向で互いの間に所定の間隔をあけて配備されている。
【0050】
図5は、アンテナの軸の向きがアーム1が伸びる方向と平行である第一のアンテナと、アンテナの軸の向きがアーム1が伸びる方向に直交する第二のアンテナとが、アーム1が伸びる方向で交互に複数個ずつアーム1に配置されている実施形態の一例を示すものである。
【0051】
図6で説明しているように、アンテナ10のアンテナエレメントではアンテナの軸10a、10bは、図6で左右方向に伸びている。
【0052】
そこで、図7に拡大して示したように、図5図示の実施形態では、アンテナ10、アンテナ12は、その軸の向きが、アーム1が伸びる方向と直交している第二のアンテナに相当し、アンテナ11、アンテナ13は、その軸の向きが、アーム1が伸びる方向と平行になっている第一のアンテナに相当する。
【0053】
図5図示の実施形態は、アンテナの軸の向きがアーム1が伸びる方向と平行である第一のアンテナ(アンテナ11、アンテナ13)と、アンテナの軸の向きがアーム1が伸びる方向に直交する第二のアンテナ(アンテナ10、アンテナ12)とが、アーム1が伸びる方向で交互に2個ずつアーム1に配備されているものである。
【0054】
図5図示のように、アーム1が伸びる方向で交互に配置されている第一のアンテナ(アンテナ11、アンテナ13)と第二のアンテナ(アンテナ10、アンテナ12)との組み合わせが少なくとも2組存在する構成にすることが障害物検出レベルを高める上で有利である。
【0055】
図14は、図5図示のアンテナ配置構成になっているこの実施形態のシールドマシン用地中レーダで、回転カッターのアームが回転中心軸を中心にして周方向に回転するときに、シールドマシン進行方向前方の前面に存在している障害物(H鋼100e、100f、100g、100h、100i、100j)がどのように検出されるかを説明するものである。
【0056】
図5におけるアンテナ10は、回転中心軸を中心として図14に符号202で示している領域を周方向に回転し、アンテナ11は、回転中心軸を中心として図14に符号203で示している領域を周方向に回転し、アンテナ12は、回転中心軸を中心として図14に符号204で示している領域を周方向に回転し、アンテナ13は、回転中心軸を中心として図14に符号205で示している領域を周方向に回転する。
【0057】
図3(a)~(e)を用いて説明したように、アンテナの軸の方向と細長い障害物(H鋼)が伸びる方向とが平行の位置関係になると反射波のレベルが大きく得られて反射波が検出されやすくなり、アンテナの軸の方向と細長い障害物(H鋼)が伸びる方向とが直交する位置関係になると反射波のレベルがほとんど得られなくなって反射波を検出しづらくなり、アンテナの軸の方向と細長い障害物(H鋼)が伸びる方向とが斜めになるときには反射波のレベルが弱くなる。
【0058】
そこで、H鋼100eについては、アンテナ10が対向する符号116、123で示される箇所及び、アンテナ12が対向する符号118、121で示される箇所では検出しづらいが、アンテナ11が対向する符号117、122で示される箇所及び、アンテナ13が対向する符号119、120で示される箇所では検出可能になる。
【0059】
H鋼100fについては、アンテナ10が対向する符号124、128で示される箇所及び、アンテナ11が対向する符号125、127で示される箇所では検出しづらいが、アンテナ12が対向する符号126で示される箇所では検出可能になる。
【0060】
H鋼100gについては、アンテナ10が対向する符号129、130で示される箇所で検出可能になる。
【0061】
H鋼100hについては、アンテナ10が符号131、134で示される箇所で対向し、アンテナ11が符号132、133で示される箇所で対向することになるが、いずれの箇所においても検出レベルが低いものになる。
【0062】
H鋼100iについては、アンテナ10が符号135、136で示される箇所で対向することになるが、いずれの箇所においても検出レベルが低いものになる。
【0063】
H鋼100jについては、アンテナ10が対向する符号137で示される箇所及び、アンテナ12が対向する符号139で示される箇所では検出しづらいが、アンテナ11が対向する符号138で示される箇所及び、アンテナ13が対向する符号140で示される箇所では検出可能になる。
【0064】
このように、シールドマシンの回転カッターのアームが回転したときに障害物として予想しているH鋼とアームに配備されているアンテナとの位置関係がどのように変化しても、アームが伸びる方向で当該アームに複数個配置されているアンテナのなかのいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できるようにしている。
【0065】
この実施形態で使用するアンテナの周波数は、探知したい距離に合わせて50MHzから20GHzの範囲で対応可能な広帯域アンテナを選定して使用することで前方の探知距離を選択可能にすることができる。
【0066】
上述したように、アンテナ10のアンテナエレメントとしては図6図示の構造のものが採用され、この寸法を目的に応じて変更、調整することで目的の性能を満たすアンテナを構成することができる。
【0067】
図10図13は、いずれも上述した図5図7図示の実施形態とは異なる配置形式で複数個のアンテナがアーム部に配備される例を説明する一部を省略した正面図である。
【0068】
図10の実施形態では、アーム1に、アーム1が伸びる方向で互いの間に所定の間隔をあけている複数個のアンテナ14、15、16、17が配備されている。アンテナ14、15、16、17はいずれもその軸が伸びる向きがアーム1が伸びる方向に直交する配置になっている。
【0069】
図11の実施形態では、アーム1に、アーム1が伸びる方向で互いの間に所定の間隔をあけている複数個のアンテナ18、19、20、21が配備されている。アンテナ18、19、20、21はいずれもその軸が伸びる向きがアーム1が伸びる方向と平行になっている。
【0070】
図12の実施形態では、アーム1に、アーム1が伸びる方向で互いの間に所定の間隔をあけている複数個のアンテナ22、23、24、25、26、27が配備されている。アンテナ22、23、24、25、26、27はいずれもその軸が伸びる向きがアーム1が伸びる方向に直交する配置になっている。
【0071】
アーム1が伸びる半径方向で外側に配置されるアンテナ22、23は、これらよりも内側に配置されるアンテナ24、25、26、27よりも小型になっている。
【0072】
図13の実施形態では、アーム1に、アーム1が伸びる方向で互いの間に所定の間隔をあけている複数個のアンテナ28、29、30、31、32、33が配備されている。アンテナ28、29、30、31、32、33はいずれもその軸が伸びる向きがアーム1が伸びる方向と平行になっている。
【0073】
アンテナ28、29、30、31、32、33は、図5図7図示の実施形態におけるアンテナ11、13より小型になっている。
【0074】
小型のアンテナを採用することで、より多くのアンテナを、アーム1の伸びる方向で、互いの間に所定の間隔をあけて、アーム1に配備することが可能になる。アンテナの形状が小さくなると高い周波数を用いることができ、使用波長が短くなる。これにより障害物の位置検出精度は向上する。また、より多くのアンテナを配備することで障害物の位置検出精度を向上させることもできる。
【0075】
ただし、高い周波数は、媒質の減衰を低い周波数より受けることから探査距離が短くなる。そこで、アンテナを小型化してより多くのアンテナを配置できるようにするかどうかは、探査の目的に応じて種々に変更、採用することができる。
【0076】
上述した種々の配置形式で、複数のアンテナが少なくとも1本のアームに、当該アームが伸びる方向で配備されていることで、上述したように、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに、複数個のアンテナの中のいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できるが、例えば、このような構造のアームが、シールドマシン回転カッターの複数本のアームに採用されていれば、更に多くのアンテナの中のいずれかのアンテナで効率的にH鋼の反射波を検出できることになる。
【0077】
この場合、このような構造の複数本のアームの各アームに複数個のアンテナが配置される半径方向の位置が、各アームごとに異なるようにすれば、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに、複数個のアンテナの中のいずれかのアンテナでH鋼の反射波を検出できる効率をより高めることができる。
【0078】
図8図9は、複数個のアンテナが、アームが伸びる方向で、互いの間に所定の間隔をあけて配備されている形式のアームが、シールドマシン回転カッターのアームの中の複数本に採用されている実施形態の一例を説明するものである。
【0079】
図8では、アーム3に配備されている複数個のアンテナ34、35、36、37は、いずれも、そのアンテナ軸が伸びる方向が、アーム3が伸びる方向と平行になっているものである。一方、アーム7に配備されている複数個のアンテナ37、38、39、40、41は、いずれも、そのアンテナの軸が伸びる方向が、アーム7が伸びる方向に直交しているものである。
【0080】
アーム3にアンテナ34、35、36、37がそれぞれ配備されている半径方向位置(すなわち、シールドマシン前面の回転中心軸からの半径方向の位置)と、アーム7にアンテナ37、38、39、40、41がそれぞれ配備されている半径方向位置(すなわち、シールドマシン前面の回転中心軸からの半径方向の位置)とが同一である場合でも、シールドマシン回転カッターのアームが回転すると、シールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物に対しては、アンテナの軸が半径方向と平行に伸びるアンテナと、アンテナの軸が半径方向と直交して伸びるアンテナとが、交互に対向することになる。
【0081】
これによって、細長い障害物の反射波を検出できる効率を高めることができる。
【0082】
また、図8には示されていないが、アーム3に複数個(例えば、4個)配備されるアンテナも、アーム7に複数個(例えば、4個)配備されるアンテナも、いずれも、アーム3、7が伸びる方向(即ち半径方向)に対して、同一の方向に伸びているものであったとしても、アーム3に複数個(例えば、4個)配備されるアンテナそれぞれの半径方向位置(すなわち、シールドマシン前面の回転中心軸からの半径方向の位置)と、アーム7に複数個(例えば、4個)配備されるアンテナそれぞれの半径方向位置(すなわち、シールドマシン前面の回転中心軸からの半径方向の位置)とが互い違いになるように、異なるようになっていれば、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに、アーム3に配備されているアンテナの回転軌跡と、アーム7に配備されているアンテナの回転軌跡が一致しないことになる。
【0083】
これによって、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに、細長い障害物の反射波を検出できる効率を高めることができる。
【0084】
図9の実施形態は、配備されるアンテナの数を更に増やしたものである。
【0085】
アーム1に配備されている複数個のアンテナ41、42、43、44、45、46は、いずれも、そのアンテナ軸が伸びる方向が、アーム1が伸びる方向に直交している。アーム3に配備されている複数個のアンテナ47、48、49、50、51、52は、いずれも、そのアンテナ軸が伸びる方向が、アーム1が伸びる方向に直交している。
【0086】
アーム5に配備されている複数個のアンテナ53、54、55、56、57、58は、いずれも、そのアンテナ軸が伸びる方向が、アーム5が伸びる方向に平行になっている。
【0087】
アーム7に配備されている複数個のアンテナ59、60、61、62、63、64は、いずれも、そのアンテナ軸が伸びる方向が、アーム5が伸びる方向に平行になっている。
【0088】
図8を用いて説明したように、各アームに配備されている各アンテナの半径方向位置がそれぞれ同一であっても、シールドマシン回転カッターのアームが回転すると、シールドマシンの進行方向前方の前面に存在している細長い障害物に対しては、アンテナの軸が半径方向と平行に伸びるアンテナと、アンテナの軸が半径方向と直交して伸びるアンテナとが、それぞれ、2回、対向することになる。これによって、細長い障害物の反射波を検出できる効率を高めることができる。
【0089】
また、図9には図示していないが、各アームに配備されている各アンテナの半径方向位置がそれぞれ他のアームに配備されている各アンテナの半径方向位置と互いに異なるようにしておけば、シールドマシン回転カッターのアームが回転したときに、各アンテナの回転軌跡はそれぞれ異なるものになり、細長い障害物の反射波を検出できる効率を高めることができる。
【0090】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、シールドマシン進行方向前方の前面で種々の方向に伸びて存在している障害物を検出するシールドマシン用地中レーダで説明しているが、更に、掘削後の空洞の有無を確認するためのアンテナが、シールドマシンの上面に、別途に配備されている形態にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のシールドマシン用地中レーダによれば、シールドマシン前面でその回転中心軸から放射状に複数本伸びている回転カッターのアームの中の少なくとも1本に、前記アームが伸びる方向で複数個のアンテナが配備されていることから、シールドマシン回転カッターのアームが回転する時に全面を探査できるようなる。そこで、シールドマシン前方に障害物を発見するまで安心してシールドマシンは通常スピードで掘進できる。障害物を発見した場合、それに対処する掘進スピードでゆっくり掘削し、シールドマシンのカッターを損傷することなく、効率的な掘削が期待できるようになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14