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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】EGFR変異がんの処置
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20240520BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20240520BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240520BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240520BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240520BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K31/517
A61P35/00
A61P43/00 105
A61P43/00 121
C12N15/09 Z ZNA
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021506964
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019045919
(87)【国際公開番号】W WO2020033838
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】62/735,730
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/717,480
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515010246
【氏名又は名称】ブループリント メディシンズ コーポレイション
(73)【特許権者】
【識別番号】514291680
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハタ, アーロン
(72)【発明者】
【氏名】セクイスト, レシア
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ, ベニ ビー.
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-525464(JP,A)
【文献】国際公開第2017/100642(WO,A1)
【文献】Journal of Thoracic Oncology,2018年04月,Vol.13, No.4,pp.e49-e53
【文献】Nature Genetics,2012年,Vol.44, No.8,pp.852-860
【文献】Cancer Chemother Pharmacol,2017年,VOl.79,pp.923-932
【文献】CANCER RESEARCH,2018年07月,Vol.78, No.13_Supplement,Abstract CT043,https://dx.doi.org/10.1158/1538-7445.AM2018-CT043
【文献】JOURNAL OF CLINICAL ONCOLOGY,2018年03月20日,Vol.36, No.9,pp.841-849,https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2017.74.7576
【文献】Journal of Clinical Oncology,2017年,Vol.35, No.15_suppl,Abstract No.11583
【文献】Lancet Oncol,2016年,Vol.17,pp.1661-1671
【文献】Cancer Res,2017年,Vol.77, No.13_Supplement,Abstract No.4110
【文献】Nature Reviews Clinical Oncology,2018年03月,Vol.15,pp.151-167
【文献】LUNG CANCER,2015年09月,Vol.89, No.3,pp.357-359,https://dx.doi.org/10.1016/j.lungcan.2015.06.021
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
C12N 15/09
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EGFR変異性肺癌の処置を必要とする患者において前記EGFR変異性肺癌を処置するための組み合わせ物であって、治療有効量の少なくとも1種のRET阻害薬と、治療有効量の少なくとも1種のEGFR阻害薬とを含み、
前記EGFR変異性肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組み合わせ物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、請求項に記載の組み合わせ物。
【請求項3】
前記EGFR変異性肺癌が、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、請求項1又は2に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
前記EGFR変異性肺癌がさらに、CCDC6-RET融合により特徴づけられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
前記EGFR変異性肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
前記患者がヒトである、請求項1~のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項7】
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、請求項1~のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項8】
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され;
前記少なくとも1種のRET阻害薬が前記患者に1日1回経口投与されることを特徴とし;かつ
前記少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量が化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項10】
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択され;
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が前記患者に1日1回経口投与されることを特徴とし;かつ
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬の治療有効量がオシメルチニブ80mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
請求項2~9のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項11】
EGFR変異性非小細胞肺癌を処置するための組み合わせ物であって、少なくとも1種のRET阻害薬と、少なくとも1種のEGFR阻害薬とを含み、
前記EGFR変異性非小細胞肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、組み合わせ物。
【請求項12】
化合物1が200mg~400mgの量で存在する、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項13】
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、請求項11又は12に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
オシメルチニブが80mgの量で存在する、請求項13に記載の組み合わせ物。
【請求項15】
EGFR変異性肺癌に罹患している患者を処置する方法における使用のための組み合わせ物であって、前記組み合わせ物は、少なくとも1種のEGFR阻害薬と、少なくとも1種のRET阻害薬とを含み、
前記EGFR変異性肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択され、
前記方法は:
(a)前記患者から生体試料を得ること;
(b)前記生体試料において前記少なくとも1つのRET融合の存在を検出すること;及び
(c)前記患者に、前記組み合わせ物を投与すること
を含む、前記組み合わせ物。
【請求項16】
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、請求項15に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記EGFR変異性肺癌が、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、請求項15又は16に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
前記少なくとも1つのRET融合がCCDC6-RET融合である、請求項15~17のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項19】
前記EGFR変異性肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、請求項15~18のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
前記患者がヒトである、請求項15~19のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、請求項15~20のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、請求項15~21のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項23】
EGFR変異性肺癌の処置を必要とする患者において前記EGFR変異性肺癌を処置するための組成物であって、前記組成物は、少なくとも1種のRET阻害薬を含み、前記組成物は、前記患者に、少なくとも1種のEGFR阻害薬と組み合わせて投与され
前記EGFR変異性肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組成物。
【請求項24】
EGFR変異性肺癌の処置を必要とする患者において前記EGFR変異性肺癌を処置するための組成物であって、前記組成物は、少なくとも1種のEGFR阻害薬を含み、前記組成物は、前記患者に、少なくとも1種のRET阻害薬と組み合わせて投与され
前記EGFR変異性肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組成物。
【請求項25】
EGFR変異性非小細胞肺癌を処置するための組成物であって、少なくとも1種のRET阻害薬を含、前記組成物は、少なくとも1種のEGFR阻害薬と組み合わせて投与され、
前記EGFR変異性非小細胞肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組成物。
【請求項26】
EGFR変異性非小細胞肺癌を処置するための組成物であって、少なくとも1種のEGFR阻害薬を含み、前記組成物は、少なくとも1種のRET阻害薬と組み合わせて投与され
前記EGFR変異性非小細胞肺癌が、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられており、前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組成物。
【請求項27】
EGFR変異性肺癌に罹患している患者を処置する方法における使用のための組成物であって、前記EGFR変異性肺癌は、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられ、前記組成物は、少なくとも1種のEGFR阻害薬を含み、前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択され、前記方法は:
(a)前記患者から生体試料を得ること;
(b)前記生体試料において少なくとも1つのRET融合の存在を検出すること;及び
(c)前記患者に、少なくとも1種のRET阻害薬と組み合わせて前記組成物を投与すること
を含み、
前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、
【化1】

前記組成物。
【請求項28】
EGFR変異性肺癌に罹患している患者を処置する方法における使用のための組成物であって、前記EGFR変異性肺癌は、少なくとも1つのRET融合によりさらに特徴付けられ、前記組成物は、少なくとも1種のRET阻害薬を含み、
前記少なくとも1種のRET阻害薬が、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され、
【化1】

前記方法は:
(a)前記患者から生体試料を得ること;
(b)前記生体試料において前記少なくとも1つのRET融合の存在を検出すること;及び
(c)前記患者に、少なくとも1種のEGFR阻害薬と組み合わせて前記組成物を投与すること
を含み、
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が、オシメルチニブ及びアファチニブ並びにそれらの薬学的に許容される塩から選択される、前記組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年8月10日出願の米国特許出願第62/717,480号;及び2018年9月24日出願の米国特許出願第62/735,730号の優先権及び利益を請求するものであり;それぞれの内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、米国国立衛生研究所により授与されたグラント番号CA137008及びCA197389に下づく政府支援で成された。政府は本発明に一定の権利を有する。
【0003】
本開示は、EGFR変異がんの処置を必要とする患者においてEGFR変異がんを処置するための方法であって、患者に治療有効量の少なくとも1種のRET阻害薬、例えば、少なくとも1種の選択的RET阻害薬と、治療有効量の少なくとも1種のEGFR阻害薬とを患者に投与することによる上記方法に関する。例えば、本開示は、少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがあり、かつ場合によっては、少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する患者においてEGFR変異がんを処置するための方法に関する。本開示はまた、少なくとも1種のRET阻害薬、例えば、少なくとも1種の選択的RET阻害薬と、少なくとも1種のEGFR阻害薬とを含む併用療法に関する。一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される選択的RET阻害薬である。一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は、オシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される。
【背景技術】
【0004】
トランスフェクション時再構成(RET)受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、神経膠細胞系由来神経栄養因子(GDNF)及びGDNFファミリー受容体-α(GFRα)と共に、いくつかの神経、神経内分泌、及び尿生殖器組織種の発生、成熟、及び維持に必要とされる。しかしながら、RETの異常な活性化を、多数の固形腫瘍にわたる腫瘍成長及び増殖の重大な駆動因子として関係づける証拠が増えている(Mulligan LM.,Nat.Rev.Cancer,14:173-186(2014))。
【0005】
NSCLCの1~2%において、発癌性RET再構成が同定されている(Lipson,D.et al.,Nat.Med.18:382-384(2012);Takeuchi,K.et al,Nat.Med.18:378-381(2012);Stransky,N.et al.,Nat.Commun.5:4846 (2014))。発癌性RET再構成は、腫瘍形成を促進する構成的活性型キナーゼを生成する。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及びc-ros発癌遺伝子(ROS)1-再構成NSCLCと同様に、RET-再構成NSCLCは典型的には腺癌組織像を有し(時には扁平上皮も)、若年の非喫煙患者で生じる。本明細書に記載の(1S,4R)-N-((S)-1-(6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)エチル)-1-メトキシ-4-(4-メチル-6-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド(化合物1)は、RETキナーゼ及び発癌性RET変異体の強力かつ選択的な阻害薬である。細胞系において、化合物1は、低ナノモル効力でRET発癌性変異体のキナーゼ活性を阻害する。化合物1でのインビボ用量依存的抗腫瘍有効性が、いくつかのRET駆動モデルにおいて実証されている。特に、ファースト・イン・ヒューマン試験において、化合物1は、著しいオフターゲット毒性を伴うことなく、RET改変を有するNSCLC患者において永続的臨床応答を誘導した(Subbiah,V.et al.Cancer Disc(Apr.15,2018、先にオンラインで発行))。化合物1は現在、甲状腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、及び他の進行性固形腫瘍などのRET駆動悪性病変を有する患者の処置において使用するために調査されている。
【0006】
RET融合も、EGFR変異がんのうちのいくつかの症例に関与し得る(Schrock,A.B.et al.,J.Thorac.Oncol doi:10.1016/j.jtho.2018.05.027(2018年6月5日オンライン出版)を参照されたい)。ある種のEGFR阻害薬ががん、例えば、非小細胞肺癌の処置において承認されているが(オシメルチニブ)、EGFR阻害薬治療に進んだ患者の一部は、獲得薬物抵抗性を引き起こす獲得遺伝子融合を有する。以前に記録されたEGFRのT790Mゲートキーパー変異が「欠失」した状況では、EGFR TKI抵抗性に関連するRET融合(Oxnard,G.R.et al.,JAMA Oncology doi 10.1001/jamaoncol.2018.2969(2018年8月2日オンライン出版)及びKaren L.Reckamp et al.,Analysis of Cell-Free DNA from 32,991 Advanced Cancers Reveals Novel Co-Occurring Activating RET Alterations and Oncogenic Signaling Pathway Aberrations at AACR Annual Meeting 2018(Apr.15,2018)を参照されたい)、例えばCCDC6-RETが、最も頻繁に生じる。
【0007】
RET融合により促進されるEGFR TKI抵抗性は、EGFR変異患者においてMET増幅により促進されるバイパストラック抵抗性に類似する。MET増幅を伴う症例では、前臨床及び臨床の両方の証拠が、EGFR及びMETの両方を阻害することによる強い応答を示している(Engleman,J.A.et al,Science 316:1039-43(2007);Gainor,J.F.et al,J.Thorac.Oncol.11(7):e83-e85(2016);Ahn,M.et al,J.Thorac.Oncol.12(11S2):pS1768(2017))。
しかしながら、EGFR TKI抵抗性を有する多くの患者では、処置の選択肢は非常に限られ、多くの事例で、がんはチェックされずに進行する。したがって、ある種のがんにおける単独治療または二重阻害薬治療(MET阻害薬と共に)としてのEGFR TKIを含むEGFR阻害薬の有効性、さらには、ある種のがんにおけるRET阻害薬の可能性にも関わらず、がんにおいて、よりさらに有効な処置プロトコルが依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Mulligan LM.,Nat.Rev.Cancer,14:173-186(2014)
【文献】Lipson,D.et al.,Nat.Med.18:382-384(2012)
【文献】Takeuchi,K.et al,Nat.Med.18:378-381(2012)
【文献】Stransky,N.et al.,Nat.Commun.5:4846 (2014)
【文献】Subbiah,V.et al.Cancer Disc(Apr.15,2018、先にオンラインで発行))
【文献】Schrock,A.B.et al.,J.Thorac.Oncol doi:10.1016/j.jtho.2018.05.027(2018年6月5日オンライン出版)
【文献】Oxnard,G.R.et al.,JAMA Oncology doi 10.1001/jamaoncol.2018.2969(2018年8月2日オンライン出版)
【文献】Karen L.Reckamp et al.,Analysis of Cell-Free DNA from 32,991 Advanced Cancers Reveals Novel Co-Occurring Activating RET Alterations and Oncogenic Signaling Pathway Aberrations at AACR Annual Meeting 2018(Apr.15,2018)
【文献】Engleman,J.A.et al,Science 316:1039-43(2007)
【文献】Gainor,J.F.et al,J.Thorac.Oncol.11(7):e83-e85(2016)
【文献】Ahn,M.et al,J.Thorac.Oncol.12(11S2):pS1768(2017)
【発明の概要】
【0009】
次の開示で、EGFR変異がんの処置を必要とする患者においてEGFR変異がんを処置するための方法であって、患者に治療有効量の少なくとも1種のRET阻害薬と、治療有効量の少なくとも1種のEGFR阻害薬とを患者に投与することによる上記方法を記載する。例えば、一部の実施形態では、患者は、少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある。一部の実施形態では、患者は、少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する。
【0010】
例示的に、一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、選択的RET阻害薬、例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、化合物1は、患者に1日1回経口投与される。一部の実施形態では、患者に1日1回投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、患者に1日1回投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg~300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0011】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、アレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、SL-1001、TPX-0046、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0012】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、アレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0013】
一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は、オシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、オシメルチニブ及び/または少なくとも1種のその薬学的に許容される塩は、患者に1日1回経口投与される。一部の実施形態では、患者に1日1回投与される少なくとも1種のEGFR阻害薬の治療有効量は、オシメルチニブ80mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0014】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L858R、Δex19、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1つのEGFR変異により特徴づけられる。加えて、一部の実施形態では、EGFR変異がんは、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、少なくとも2つのEGFR変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、3つのEGFR変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんはさらに、少なくとも1つのRET改変、例えば、CCDC6-RET融合により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、肺癌、例えば、小細胞肺癌(SCLC)または非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0015】
次の開示ではまた、少なくとも1種のRET阻害薬、例えば、化合物1及び/またはその薬学的に許容される塩などの少なくとも1種の選択的RET阻害薬と、少なくとも1種のEGFR阻害薬、例えば、オシメルチニブ及び/または上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩とを含む併用療法を記載する。
【0016】
少なくとも1種のRET阻害薬を少なくとも1種のEGFR阻害薬と組み合わせて用いて、EGFR変異がんに罹患している患者、例えば、ヒトを処置することは、EGFR TKIに対する獲得薬物抵抗性を有する患者における治療成績を改善し得る。
【0017】
本開示の例示的実施形態にはさらに、次が含まれる:
1. EGFR変異がんの処置を必要とする患者において上記EGFR変異がんを処置するための方法であって、上記患者に、治療有効量の少なくとも1種のRET阻害薬と、治療有効量の少なくとも1種のEGFR阻害薬とを投与することを含む、上記方法。
2. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1に記載の方法。
3. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が、アレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、SL-1001、TPX-0046、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY 73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1に記載の方法。
4. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、実施形態1に記載の方法。
5. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
7. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
8. 上記EGFR変異がんが、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
9. 上記EGFR変異がんがさらに、少なくとも1種のRET融合により特徴づけられる、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
10. 上記EGFR変異がんがさらに、CCDC6-RET融合により特徴づけられる、実施形態9に記載の方法。
11. 上記EGFR変異がんが肺癌である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
12. 上記肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、実施形態11に記載の方法。
13. 上記患者がヒトである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14. 上記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
15. 上記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
16. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され;
上記少なくとも1種のRET阻害薬が患者に1日1回経口投与され;かつ
上記少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量が化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
実施形態1、2、及び4~15のいずれか1つに記載の方法。
17. 上記少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量が化合物1 200mg~300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、実施形態16に記載の方法。
18. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択され;
上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が患者に1日1回経口投与され;かつ
上記少なくとも1種のEGFR阻害薬の治療有効量がオシメルチニブ80mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
実施形態7~17のいずれか1つに記載の方法。
19. 少なくとも1種のRET阻害薬と、少なくとも1種のEGFR阻害薬とを含む、併用療法。
20. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態19に記載の併用療法。
21. 上記少なくとも1種のRET阻害薬がアレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、SL-1001、TPX-0046、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、実施形態19に記載の併用療法。
22. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、実施形態19に記載の併用療法。
23. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、実施形態19~22のいずれか1つに記載の併用療法。
24. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、実施形態19~22のいずれか1つに記載の併用療法。
25. 化合物1が200mg~400mgの量で存在する、実施形態20に記載の併用療法。
26. 化合物1が200mg~300mgの量で存在する、実施形態20に記載の併用療法。
27. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態19~22、25、または26のいずれか1つに記載の併用療法。
28. オシメルチニブが80mgの量で存在する、実施形態27に記載の併用療法。
29. EGFR変異がんに罹患している患者を処置するための方法であって:
(a)上記患者から生体試料を得ること;
(b)上記生体試料において少なくとも1つのRET融合の存在または非存在を検出すること;及び
(c)少なくとも1つのRET融合が検出されたら、上記患者に、少なくとも1種のEGFR阻害薬と、少なくとも1種のRET阻害薬とを含む併用療法を投与すること
を含む、上記方法。
30. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態29に記載の方法。
31. 上記少なくとも1種のRET阻害薬がアレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、SL-1001、TPX-0046、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、実施形態29に記載の方法。
32. 上記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、実施形態29に記載の方法。
33. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、実施形態29~32のいずれか1つに記載の方法。
34. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、実施形態29~32のいずれか1つに記載の方法。
35. 上記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、実施形態29~32のいずれか1つに記載の方法。
36. 上記EGFR変異がんが、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、実施形態29~35のいずれか1つに記載の方法。
37. 上記少なくとも1つのRET融合がCCDC6-RET融合である、実施形態29~36のいずれか1つに記載の方法。
38. 上記EGFR変異がんが肺癌である、実施形態29~37のいずれか1つに記載の方法。
39. 上記肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、実施形態38に記載の方法。
40. 上記患者がヒトである、実施形態29~39のいずれか1つに記載の方法。
41. 上記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、実施形態29~40のいずれか1つに記載の方法。
42. 上記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、実施形態29~41のいずれか1つに記載の方法。
【0018】
上記実施形態は、本明細書で論述する概念の選択を紹介するために提供するものである。これらの実施形態は、本開示の発明の主題の本質的特徴を同定する、または本開示の発明の主題の範囲を限定することを意図したものではない。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
EGFR変異がんの処置を必要とする患者において前記EGFR変異がんを処置するための方法であって、前記患者に、治療有効量の少なくとも1種のRET阻害薬と、治療有効量の少なくとも1種のEGFR阻害薬とを投与することを含む、前記方法。
(項目2)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が、アレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、TPX-0046、SL-1001、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記EGFR変異がんが、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記EGFR変異がんがさらに、少なくとも1つのRET融合により特徴づけられる、項目1~8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記EGFR変異がんがさらに、CCDC6-RET融合により特徴づけられる、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記EGFR変異がんが肺癌である、項目1~10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記患者がヒトである、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、項目1~13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、項目1~14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択され;
前記少なくとも1種のRET阻害薬が前記患者に1日1回経口投与され;かつ
前記少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量が化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
項目1、2、及び4~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量が化合物1 200mg~300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択され;
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が前記患者に1日1回経口投与され;かつ
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬の治療有効量がオシメルチニブ80mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である、
項目7~17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
少なくとも1種のRET阻害薬と、少なくとも1種のEGFR阻害薬とを含む、併用療法。
(項目20)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目19に記載の併用療法。
(項目21)
前記少なくとも1種のRET阻害薬がアレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、TPX-0046、SL-1001、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、項目19に記載の併用療法。
(項目22)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、項目19に記載の併用療法。
(項目23)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、項目19~22のいずれか1項に記載の併用療法。
(項目24)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、項目19~22のいずれか1項に記載の併用療法。
(項目25)
化合物1が200mg~400mgの量で存在する、項目20に記載の併用療法。
(項目26)
化合物1が200mg~300mgの量で存在する、項目20に記載の併用療法。
(項目27)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目19~22、25、または26のいずれか1項に記載の併用療法。
(項目28)
オシメルチニブが80mgの量で存在する、項目27に記載の併用療法。
(項目29)
EGFR変異がんに罹患している患者を処置するための方法であって:
(a)前記患者から生体試料を得ること;
(b)前記生体試料において少なくとも1つのRET融合の存在または非存在を検出すること;及び
(c)少なくとも1つのRET融合が検出されたら、前記患者に、少なくとも1種のEGFR阻害薬と、少なくとも1種のRET阻害薬とを含む併用療法を投与すること
を含む、前記方法。
(項目30)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記少なくとも1種のRET阻害薬がアレクチニブ、アパチニブ、BOS172738(DS-5010)、カボザンチニブ(XL184)、ドビチニブ(TKI258)、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、TPX-0046、SL-1001、ニンテダニブ、ポナチニブ、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RXDX-105、バンデタニブ、XL999、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記少なくとも1種のRET阻害薬が選択的RET阻害薬である、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬がオシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される、項目29~32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が選択的EGFR阻害薬である、項目29~32のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記少なくとも1種のEGFR阻害薬が第3世代EGFR阻害薬である、項目29~32のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記EGFR変異がんが、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる、項目29~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記少なくとも1つのRET融合がCCDC6-RET融合である、項目29~36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記EGFR変異がんが肺癌である、項目29~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記肺癌が小細胞肺癌及び非小細胞肺癌から選択される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記患者がヒトである、項目29~39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬で以前に処置されたことがある、項目29~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記患者が少なくとも1種のEGFR阻害薬に対する獲得抵抗性を有する、項目29~41のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】1日1回の化合物1 200mg及び1日1回のオシメルチニブ80mgでの2週間の処置、続く、1日1回の化合物1 300mg及び1日1回のオシメルチニブ80mgでの6週間の処置の後の、EGFR del19及び獲得CCDC6-RET融合を有する60歳女性における78%のRECIST腫瘍の縮小を示すスキャンである。胸部の連続冠状造影コンピュータ断層撮影画像は、ベースライン(左側)で見られる右下葉肺腫瘤及び胸膜小結節形成部(矢印)を、化合物1及びオシメルチニブでの8週間の処置後の部分的応答(右側)と共に示している。
図2】CCDC6-RET発現細胞系モデルが、PC9(EGFR del19)及びMGH134(EGFR L858R/T790M)細胞のレンチウイルス感染により生成したことが示されている。LC2/ad細胞及びPC9CCDC6-RETもしくはMGH134CCDC6-RET細胞からのCCDC6-RET融合遺伝子または内部標準TBP転写物をRT-PCRにより増幅した。
図3】オシメルチニブの存在または非存在下でのPC9CCDC6-RETもしくはMGH134CCDC6-RET細胞での細胞増殖データが示されている。CCDC6-RET遺伝子融合を発現するPC9及びMGH134細胞または空のベクター(EV)を1μMオシメルチニブまたはビヒクル(VEH)で処理し、細胞増殖を5日間にわたって決定した(処置の開始時と比較しての比)。示されているデータは、3つの独立した生物学的反復試験の平均±s.e.m.である。
図4A】100nMアファチニブ、1μMオシメルチニブ、化合物1、またはそれらの組み合わせで6時間にわたって処理され、かつ抗体でのウエスタンブロット法のために収集されたPC9EV及びPC9CCDC6-RET細胞でのウエスタンブロットである。
図4B】1μMオシメルチニブ、カボザンチニブ、及び化合物1またはそれらの組み合わせで6時間にわたって処理され、かつ指示抗体でのウエスタンブロット法のために収集されたMGH134EV及びMGH134CCDC6-RET細胞でのウエスタンブロットである。
図4C】化合物1、または1μM化合物1の存在もしくは非存在下のアファチニブもしくはオシメルチニブで処理されたPC9EV及びPC9CCDC6-RET細胞での72時間後の細胞生存率が示されている。同じ化合物1データが、比較を目的として両方のパネルに再プロットされている。データは、ビヒクル処理対照に対するパーセンテージとして示されており、3つの独立した生物学的反復試験の平均±s.e.mである。
図5A】100nMアファチニブ、1μMオシメルチニブ、カボザンチニブ、またはそれらの組み合わせで6時間にわたって処理され、かつウエスタンブロット分析のために収集されたPC9EV及びPC9CCDC6-RET細胞でのウエスタンブロットである。
図5B】カボザンチニブ、または1μMカボザンチニブ(CAB)の存在もしくは非存在下のアファチニブもしくはオシメルチニブで処理されたPC9EV及びPC9CCDC6-RET細胞での72時間後の細胞生存率が示されている。同じカボザンチニブデータが、比較を目的として両方のパネルに再プロットされている。データは、ビヒクル処理対照に対するパーセンテージとして示されており、3つの独立した生物学的反復試験の平均±s.e.mである。
図5C】RET阻害薬、カボザンチニブ、もしくは化合物1、または1μM RET阻害薬の存在もしくは非存在下のオシメルチニブで処理されたMGH134EV及びMGH134CCDC6-RET細胞での72時間後の細胞生存率が示されている。データは、ビヒクル処理対照に対するパーセンテージとして示されており、3つの独立した生物学的反復試験の平均±s.e.mである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
略語及び定義
次の略語及び用語は、本明細書を通じて、示されている意味を有する:
【0021】
本明細書で使用する場合、「併用療法」は、1種よりも多い活性薬剤を含む療法を指す。2種以上の活性薬剤を、1つの剤形または別々の剤形で投与することができる。加えて、併用療法を構成する活性薬剤を、同じ時間に(1つまたは複数の剤形で)、または別々の時間に投与することができる。
【0022】
「化合物1」は、(1S,4R)-N-((S)-1-(6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)エチル)-1-メトキシ-4-(4-メチル-6-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)シクロヘキサンカルボキサミド:
【化1】
(化合物1)
である。
【0023】
2017年3月に、化合物1(BLU-667またはプラルセチニブとしても公知)は、甲状腺癌、非小細胞肺癌、及び他の進行性固形腫瘍を有する患者を処置するために、米国において第I相治験に入った(NCT03037385)。参照により本明細書に組み込まれるWO2017/079140には、化合物1(実施例化合物130)の合成が記載されており、RETキナーゼを阻害、制御、及び/または調節するこの分子の治療活性も開示されている(pp.72~74のアッセイ、実施例10)。
【0024】
本明細書で使用する場合、「EGFR阻害薬」は、EGFRキナーゼの活性を阻害する化合物である。EGFRキナーゼは、野生型EGFRキナーゼ及び/または1種または複数のEGFR改変キナーゼ(例えば、EGFR融合、EGFR変異、またはEGFRコピー数多型)である。
【0025】
EGFR阻害薬の例には、これに限定されないが、アファチニブ、ASP8273、アビチニブ、ブリガチニブ、セツキシマブ、ダコミチニブ、EAI045、エルロチニブ、ゲフィチニブ、HS-10296、イコチニブ、ラパチニブ、ネシツムマブ、ナザルチニブ、ネラチニブ、オルムチニブ、オシメルチニブ、パニツムマブ、PF-06747775、ロシレチニブ、及びバンデタニブが含まれる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「融合」は、2つの遺伝子がインフレームコード配列と一緒になって、キメラタンパク質をもたらす染色体転座から生じるタンパク質である。一部の実施形態では、融合は、一方のタンパク質のキナーゼドメインが他方の遺伝子の二量化ドメインに融合する染色体転座である。
【0027】
本明細書で使用する場合、「RET融合」は、遺伝子再構成である。RET再構成は、RETキナーゼドメイン及び別のタンパク質の二量化ドメインを並列して、腫瘍形成を駆動する構成的活性化二量体を生成する融合タンパク質を生成する。
【0028】
本明細書で使用する場合、「RET融合タンパク質」は、遺伝子再構成の結果である。RET再構成は、RETキナーゼドメイン及び別のタンパク質の二量化ドメインを並列して、腫瘍形成を駆動する構成的活性化二量体を生成する融合タンパク質を生成する。
【0029】
本明細書で使用する場合、「RET阻害薬」は、RETキナーゼの活性を阻害する化合物である。RETキナーゼは、野生型RETキナーゼ及び/または1種または複数のRET改変キナーゼ(例えば、RET融合、RET変異、またはRETコピー数多型)である。
【0030】
RET阻害薬の例には、これに限定されないが、アレクチニブ、カボザンチニブ(XL184)、化合物1、ドビチニブ(TKI258)、BOS172738(DS-5010)、ホレチニブ、レンバチニブ、LOXO-292、ポナチニブ、RXDX-105、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、TAS0286、TPX-0046、SL-1001、及びバンデタニブが含まれる。RET阻害薬の追加の例には、これに限定されないが、アパチニブ、AUY-922、DCC-2157、GSK3179106、GSK3352589、モテサニブ、ニンテダニブ、NVP-AST487、PZ-1、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RPI-1、TG101209、SPP86、バタラニブ、及びXL999が含まれる。
【0031】
RET阻害薬の例には、これに限定されないが、アレクチニブ、カボザンチニブ(XL184)、化合物1、ドビチニブ(TKI258)、BOS172738(DS-5010)、ホレチニブ、レンバチニブ、LOXO-292、ポナチニブ、RXDX-105、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、TAS0286、及びバンデタニブが含まれる。RET阻害薬の追加の例には、これに限定されないが、アパチニブ、AUY-922、DCC-2157、GSK3179106、GSK3352589、モテサニブ、ニンテダニブ、NVP-AST487、PZ-1、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RPI-1、TG101209、SPP86、バタラニブ、及びXL999が含まれる。
【0032】
本明細書で使用する場合、「選択的RET阻害薬」は、別のキナーゼよりもRETキナーゼを選択的に阻害し、かつ別のキナーゼよりもRETキナーゼについて少なくとも2倍の選択性を示す化合物またはその薬学的に許容される塩を指す。例えば、選択的RET阻害薬は、別のキナーゼよりもRETキナーゼについて少なくとも10倍の選択性;少なくとも15倍の選択性;少なくとも20倍の選択性;少なくとも30倍の選択性;少なくとも40倍の選択性;少なくとも50倍の選択性;少なくとも60倍の選択性;少なくとも70倍の選択性;少なくとも80倍の選択性;少なくとも90倍の選択性;少なくとも100倍、少なくとも125倍、少なくとも150倍、少なくとも175倍、または少なくとも200倍の選択性を示す。一部の実施形態では、選択的RET阻害薬は、別のキナーゼ、例えば、JAK1よりも少なくとも20倍の選択性を示す。一部の実施形態では、選択的RET阻害薬は、別のキナーゼ、例えばVEGFR-2またはTRKCよりも少なくとも50倍の選択性を示す。一部の実施形態では、選択的RET阻害薬は、別のキナーゼ、例えば、FLT3、JAK2、TRKA、またはPDGFRよりも少なくとも100倍の選択性を示す。一部の実施形態では、選択的RET阻害薬は、別のキナーゼ、例えば、LIMK1、FGFR1、c-SRC、ML2/MAP3K10、PEAK1、FGFR3、MLK3/MAP3K11、ROS/ROS1、c-KIT、YES/YES1、FLT4/VEGFR3、JAK3、またはTYK2よりも少なくとも1000倍の選択性を示す。一部の実施形態では、別のキナーゼを上回るRETキナーゼについての選択性は、細胞アッセイにおいて測定される。他の実施形態では、別のキナーゼを上回るRETキナーゼについての選択性は、生化学アッセイにおいて測定される。
【0033】
選択的RET阻害薬の非限定的例には、化合物I、SL-1001、及びLOXO-292が含まれる。選択的RET阻害薬の例には、化合物1及びLOXO-292が含まれる。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「対象」または「患者」は、本開示の方法により処置される生体を指す。そのような生体には、これに限定されないが、哺乳類(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)、及び一部の実施形態では、ヒトが含まれる。
【0035】
多くのがんが、EGFR変異に関連付けられている。そのようながんは本明細書では、「EGFR変異がん」と称される。EGFR変異がんには、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、及び肺の扁平上皮細胞癌)、肛門癌、結腸癌、甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌)、神経膠芽腫、上皮癌(例えば、頭頚部上皮腫瘍)が含まれる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、T790M、C797S、及びL792Hから選択される少なくとも1種のEGFR変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、T790M変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、C797S変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L792H変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L858RまたはΔex19変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L858RまたはΔex19変異及びT790M変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L858RまたはΔex19変異及びC796S変異により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんは、L858RまたはΔex19変異、T790M変異、及びC796S変異により特徴づけられる。
【0036】
一部の実施形態では、EGFR変異がんはさらに、少なくとも1つのRET融合(例えば、表1に列挙の少なくとも1つのRET融合)により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんはさらに、CCDC6-RET融合により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんはさらに、KIF5B-RET融合により特徴づけられる。一部の実施形態では、EGFR変異がんはさらに、NCOA4-RET融合により特徴づけられる。
【表1】
【0037】
表1のRET融合のうちの一部は、Grubbs et al.,J Clin Endocrinol Metab,100:788-93(2015);Halkova et al.,Human Pathology 46;1962-69(2015);米国特許第9,297,011号;米国特許第9,216,172号;Le Rolle et al.,Oncotarget 6(30):28929-37(2015);Antonescu et al.,Am J Surg Pathol 39(7):957-67(2015);米国特許出願公開第2015/0177246号;米国特許出願公開第2015/0057335号;日本特許出願公開第2015/109806A号;中国特許出願公開第105255927A号;Fang,et al.,Journal of Thoracic Oncology 11.2(2016);S21-S22;欧州特許出願公開第EP3037547A1号;Lee et al.,Oncotarget DOI;10.18632/oncotarget.9137,e-published ahead of printing,2016;Saito et al.,Cancer Science 107:713-20(2016);Pirker et al.,Transl Lung Cancer Res,4(6):797-800(2015);及びJoung et al.,Histopathology 69(1):45-53(2016)において論述されている。
【0038】
当業者は、例えば、ハイブリッド形成をベースとする方法、増幅をベースとする方法、マイクロアレイ分析、フローサイトメトリー分析、DNAシーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)、プライマー伸長、PCR、インサイチューハイブリッド形成、蛍光インサイチューハイブリッド形成、ドットブロット、及びサザンブロットから選択される方法を使用して、対象がRET融合を有するかどうかを決定することができる。
【0039】
融合を検出するために、一次腫瘍サンプルを対象から収集することができる。サンプルをプロセシングし、当技術分野で公知の技術を用いて核酸を単離し、次いで、当技術分野で公知の技術を用いて核酸をシーケンシングする。次いで、配列を個々のエクソンにマッピングし、転写発現の尺度(RPKM、またはマッピングされた100万の断片あたりの1キロ塩基あたりの断片など)を定量化する。生の配列及びエクソンアレイデータは、TCGA、ICGC、及びNCBI Gene Expression Omnibus(GEO)などの源から入手可能である。所与のサンプルについて、個々のエクソン座標を遺伝子識別子情報とアノテートし、キナーゼドメインに属するエクソンをフラグする。次いで、エクソンレベルを、すべての腫瘍サンプルにわたってzスコア正規化する。
【0040】
次に、5’エクソンが3’エクソンとは有意に異なるレベルで発現する遺伝子を同定する。フレームのスライディングを使用して、個々のサンプル内の切断点を同定する。具体的には、各繰り返しで、インクリメンタル切断点が遺伝子を5’及び3’領域に区分し、t-統計量を使用して、2つの領域間における発現の相違(もしあるなら)を測定する。最大t-統計量での切断点を、可能性のある融合切断点として選択する。本明細書で使用する場合、「切断点」は、2つの異なる遺伝子がそこで融合している境界である。これは時には、「融合点」と称される。5’及び3’の間でエクソン発現の相違が最大である位置が、融合の予想切断点である。この手法で、数千の腫瘍サンプルを迅速にプロファイルして、融合候補のリストを作成することができる(t-統計量により順位付けされる)。次いで、高順位の候補を検証し、融合パートナーを、生のRNA-seqデータセットを調査し、かつ融合を裏付けるキメラ対及び/またはスプリットリードを同定することにより同定することができる。次いで、候補融合を、下に記載のとおり実験により確認することができる。
【0041】
別法では、融合を血漿の循環腫瘍DNA(ctDNA)分析(すなわち、リキッドバイオプシー)により同定することができる。
【0042】
加えて、Wang L et al.,Genes Chromosomes Cancer 51(2):127-39(2012).doi:10.1002/gcc.20937,Epub 2011 Oct 27;及びSuehara Y et al.,Clin Cancer Res.18(24):6599-608(2012).doi:10.1158/1078-0432.CCR-12-0838,Epub 2012 Oct 10に記載の方法も、融合を検出するために使用することができる。
【0043】
本開示の一部の実施形態では、EGFR変異がんは肺癌である。一部の実施形態では、EGFR変異がんは小細胞肺癌である。一部の実施形態では、EGFR変異がんは非小細胞肺癌である。一部の実施形態では、EGFR変異がんは肺の扁平上皮細胞癌である。
【0044】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは肛門癌である。
【0045】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは結腸癌である。
【0046】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは甲状腺癌である。一部の実施形態では、EGFR変異がんは甲状腺乳頭癌である。
【0047】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは神経膠芽腫である。
【0048】
一部の実施形態では、EGFR変異がんは上皮癌である。一部の実施形態では、EGFR変異がんは頭頚部の上皮腫瘍である。
【0049】
一部の実施形態では、EGFR変異がんに罹患している患者は、少なくとも1種のEGFR阻害薬(例えば、オシメルチニブ及び/またはその薬学的に許容される塩)で以前に処置されたことがある。一部の実施形態では、EGFR変異がんに罹患している患者は、少なくとも1種のEGFR阻害薬(例えば、オシメルチニブ及び/またはその薬学的に許容される塩)に対する獲得抵抗性を有する。
【0050】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」という語句は、有利か、または所望の結果をもたらすために十分な量の活性薬剤(例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩)を指す。治療有効量を、1回または複数の投与、施与、または投薬で投与することができ、かつ特異的な製剤または投与経路に限定することは意図されていない。
【0051】
本明細書で使用する場合、具体的な化合物についての言及における「その薬学的に許容される塩の同等重量」という語句は、化合物及び関連塩の両方の重量を含む。例えば、TAGRISSO(登録商標)錠剤は、メシル酸オシメルチニブ47.7または95.4mgを含有し、これは、それぞれオシメルチニブ40または80mgの同等重量である。
【0052】
本明細書で使用する場合、「その薬学的に許容される塩」という語句は、塩形態として配布される活性薬剤に関して使用される場合、活性薬剤の任意の薬学的に許容される塩形態を指す。例えば、メシル酸オシメルチニブの薬学的に許容される塩には、ベシル酸オシメルチニブ、塩酸オシメルチニブなどが含まれる。
【0053】
本明細書で使用する場合、「処置すること」という用語は、何らかの効果、例えば、状態、疾患、障害などを緩和する、低減する、調節する、寛解する、もしくは除去することで改善をもたらす効果、またはその症候を寛解する効果を含む。
【0054】
使用することができるRET阻害薬には、一部の実施形態では、当技術分野で周知のもの、例えば、アレクチニブ、アパチニブ、AUY-922、カボザンチニブ(XL184)、化合物1、DCC-2157、ドビチニブ(TKI258)、BOS172738(DS-5010)、ホレチニブ、GSK3179106、GSK3352589、レンバチニブ、LOXO-292、TPX-0046、SL-1001、モテサニブ、ニンテダニブ、NVP-AST487、ポナチニブ、PZ-1、レゴラフェニブ(BAY73-4506)、RPI-1、RXDX-105、TG101209、シトラバチニブ(MGCD516)、ソラフェニブ、スニチニブ、RPI-1、TAS0286、TG101209、SPP86、バタラニブ、バンデタニブ、XL999、さらにはPCT公報WO2005/062795、WO2007/087245、WO2009/003136、WO2009/100536、WO2010/006432、WO2014/039971、WO2014/050781、WO2014/141187、WO2015/006875、WO2015/079251、WO2016/037578、WO2016/038552、WO2016/075224、WO2016/127074、WO2017/011776、WO2017/079140、WO2017/145050、WO2017/161269、WO2017/178844、WO2017/178845、WO2018/017983、WO2018/022761、WO2018/064852、W02018/060714、WO2018/071454、WO2018/071447、WO2018/102455、WO2018/136661、WO2018/136663、WO2018/189553、WO2018/136661、W02019/001556、WO2019/008172、WO2019/126121、WO2019/143977、WO2019/143991及びWO2019/143994に開示の化合物が含まれる。
【0055】
一部の実施形態では、RET阻害薬は、他のキナーゼ、例えば、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR-2)、チロシン-プロテインキナーゼMET、及び/またはEGFRを標的とするように元々は設計されていて、RETよりも強力に他のキナーゼを阻害する、マルチキナーゼ阻害薬、例えば、カボザンチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、レバチニブ、レゴラフェニブ、及びRXDX-105である。一部の実施形態では、RET活性を有するマルチキナーゼ阻害薬は、V804残基にゲートキーパー変異、例えば、V804L及びV804Mを有するRETの不十分な阻害薬である。
【0056】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は選択的RET阻害薬である。一部の実施形態では、選択的阻害薬は、他のヒトキナーゼに対する選択性を維持しながら、野生型(WT)RET及びRETの発癌性変異体型、例えば、RET融合を含む優勢なRET改変(例えば、KIF5B-RET、CCDC6-RET)、及びRET活性化変異(例えば、C634W、M918T、V804L/M)を高度に強力かつ選択的に標的とするように設計された。一部の実施形態では、選択的RET阻害薬は、腫瘍型にかかわらず、RETの複数の発癌性変異体型に対して活性を有する。一部の実施形態では、RETの複数の発癌性変異体型にわたる選択的RET阻害薬の等効力の活性が、選択的RET阻害薬を、RET阻害活性を有するマルチキナーゼ阻害薬から差別化している。
【0057】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、選択的RET阻害薬である。化合物1は、野生型RET及びRETの1種または複数の変異体型のみを阻害するRET選択的阻害薬であり、他のキナーゼに対する阻害活性をほとんど有さない。LOXO-292(セルパーカチニブ)も、選択的RET阻害薬である。一部の実施形態で利用することができる選択的RET阻害薬には、当技術分野で周知のもの、例えば、WO2016/127074、WO2017/011776、WO2017/079140、WO2017/161269、WO2018/017983、WO2018/022761、WO2018/071454、WO2018/071447、WO2018/136661、WO2018/136663、WO2018/237134、W02019/001556、WO2019/143994、WO2019/143991、及びWO2019/143977に開示の化合物が含まれる。
【0058】
例えば、一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、
【化2】
【化3】
及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される選択的RET阻害薬である。
【0059】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、4-(6-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-6-(2-モルホリノエトキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;(R)-6-(2-ヒドロキシプロポキシ)-4-(6-(4-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-メトキシエトキシ)-4-6-(4-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(6-(6-メトキシニコチノイル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)-6-(2-モルホリノエトキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)-6-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メトキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-エトキシ-4-(5-(6-((5-フルオロ-6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピラジン-2-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される選択的RET阻害薬である。
【0060】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、N-(1-(5-(3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド;6-エトキシ-4-(6-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(3-(ピリジン-2-イルオキシ)アゼチジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(4-((6-メトキシピリダジン-3-イル)オキシ)ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;(S)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(3-(ピリジン-2-イルオキシ)ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;N-(1-(5-(3-シアノ-6-((3-フルオロ-1-メチルアゼチジン-3-イル)メトキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルベンズアミド;3-クロロ-N-(1-(5-(3-シアノ-6-((3-フルオロ-1-メチルアゼチジン-3-イル)メトキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)ピコリンアミド;N-((3S,4S)-1-(5-(3-シアノ-6-エトキシピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-3-メチルブタンアミド;6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル;3-クロロ-N-((3S,4S)-1-(5-(3-シアノ-6-エトキシピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピラジン-2-イル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ピコリンアミド;及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される選択的RET阻害薬である。
【0061】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は1日1回投与される。一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は経口投与される。一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は1日1回経口投与される。
【0062】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、もしくは400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0063】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg~400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0064】
一部の実施形態では、少なくとも1種のRET阻害薬は、化合物1及びその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg~300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、もしくは300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0065】
一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 200mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 205mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 210mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 215mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 220mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 225mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 230mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 235mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 240mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 245mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 250mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 255mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 260mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 265mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 270mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 275mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 280mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 285mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 290mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 295mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 300mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 305mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 310mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 315mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 320mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 325mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 330mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 335mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 340mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 345mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 350mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 355mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 360mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 365mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 370mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 375mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 380mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 385mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 390mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 395mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のRET阻害薬の治療有効量は、化合物1 400mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0066】
加えて、一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は、アファチニブ、ASP8273、アビチニブ、ブリガチニブ、セツキシマブ、ダコミチニブ、EAI045、エルロチニブ、ゲフィチニブ、HS-10296、イコチニブ、ラパチニブ、ネシツムマブ、ナザルチニブ、ネラチニブ、オルムチニブ、オシメルチニブ、パニツムマブ、PF-06747775、EGF816、YH5448、アビチニブ、ロシレチニブ、バンデタニブ、及び上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0067】
一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は選択的阻害薬である。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は、EGFRの発癌性変異体型、例えば、エクソン19欠失、L858R、T790Mを高度に強力かつ選択的に標的とするように設計された。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は、腫瘍型にかかわらず、EGFRの複数の発癌性変異体型に対して活性を有する。一部の実施形態では、EGFRの複数の発癌性変異体型にわたる選択的EGFR阻害薬の等効力の活性が、選択的EGFR阻害薬を、EGFR阻害活性を有するマルチキナーゼ阻害薬から差別化している。
【0068】
一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は第3世代EGFR阻害薬である。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は、エクソン19欠失、L858R、及びT790Mを含むEGFRの発癌性変異体型に対して活性を有する。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬には、オシメルチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、EGF816、PF-06747775、YH5448、及びアビチニブが含まれる。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は、WT EGFRに対して活性を有さない。一部の実施形態では、選択的EGFR阻害薬は、共有結合阻害薬ではない。
【0069】
一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は1日1回投与される。一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は経口投与される。一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は1日1回経口投与される。
【0070】
一部の実施形態では、少なくとも1種のEGFR阻害薬は、オシメルチニブ及びその薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、1日1回経口投与される少なくとも1種のEGFR阻害薬の治療有効量は、オシメルチニブ80mgまたはその薬学的に許容される塩の同等重量である。
【0071】
活性薬剤(例えば、化合物1またはオシメルチニブ)を単独で投与することは可能であるが、一部の実施形態では、活性薬剤を医薬製剤として投与することができ、その際、活性薬剤を、1種または複数の薬学的に許容される添加剤または担体と組み合わせる。例えば、活性薬剤を、ヒト医学または獣医学で使用するために任意の簡便な方法で投与するために製剤化することができる。ある特定の実施形態では、医薬製剤に含まれる化合物は、それ自体で活性であってよいか、または例えば、生理学的状況において活性化合物に変換され得るプロドラックであってよい。
【0072】
「薬学的に許容される」という語句は本明細書において、適正な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わず、合理的なベネフィット/リスク比に相応して、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するために適している化合物、物質、組成物、及び/または剤形を指すために使用される。
【0073】
薬学的に許容される担体の例には、(1)糖類、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース;(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びバレイショデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース;(4)粉末化トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加剤、例えば、カカオバター及び坐剤用ワックス;(9)油、例えば、ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質不含水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;(21)シクロデキストリン、例えば、Captisol(登録商標);ならびに(22)医薬製剤で用いられる他の非毒性の適合性物質が含まれる。
【0074】
薬学的に許容される抗酸化剤の例には:(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;及び(3)金属キレート化剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが含まれる。
【0075】
固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、散剤、顆粒剤など)は、1種または複数の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、及び/または次のいずれかを含むことができる:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/またはアラビアゴムなど;(3)保湿剤、例えば、グリセロール;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えば、パラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコール及びグリセロールモノステアラート;(8)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物;ならびに(10)着色剤。
【0076】
液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれ得る。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などを含有してもよい。
【0077】
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、及びこれらの混合物を含有してもよい。
【0078】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、及びゲル剤は、活性化合物に加えて、添加剤、例えば、動物及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含有してもよい。
【0079】
散剤及び噴霧剤は、活性化合物に加えて、添加剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。噴霧剤は、加えて、従来の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素及び揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパンを含有することができる。
【0080】
化合物1の局所または経皮投与用の剤形には、散剤、噴霧剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤、及び吸入剤が含まれる。活性化合物を、無菌条件下で薬学的に許容される担体と、かつ必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合することができる。
【0081】
化合物1を医薬品としてヒト及び動物に投与する場合、これを、そのままで、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば、活性成分0.1~99.5%(0.5~90%など)を含有する医薬組成物として与えることができる。
【0082】
製剤を局所、経口、経皮、直腸、膣、非経口、鼻腔内、肺内、眼内、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、皮内、腹腔内、皮下、表皮下で、または吸入により投与することができる。
【0083】
本開示をさらに、次の実施例により例示するが、これは、さらなる限定と解釈されるべきではない。本出願を通じて引用されるすべての参照文献の内容は明らかに、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0084】
試薬及び抗体
アファチニブ、オシメルチニブ、及びカボザンチニブはSelleck Chemicalsから購入し、DMSOに再懸濁させた。ホスホ-EGFR(Y1068)、EGFR、pBRAF(Ser445)、RET、pAKT(Ser473)、AKT、pMEKl/2(Ser217/221)、MEK1/2、pERK1/2(Thr202/204)、ERK1/2、及びアクチン抗体はCell Signaling Technologyから購入した。pRET(Y1062)抗体はAbcamから得た。
【0085】
RT-PCR及びシーケンシング
細胞系からの全RNAを、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて抽出した。RNA(1μg)を、製造者指示に従ってSuperscript(商標)II Transcriptase(Invitrogen)を用いて逆転写した。CCDC6-RET、PCBP2-BRAF、及びTBPを、次のプライマー:CCDC6エクソン1 F-CGGACAGCGCCAGCG(配列番号1)、RETエクソン19R-GCATTATTACAGTCCACCAGCG(配列番号2);(PCBP2-BRAFプライマー1)PCBP2エクソン6F-AGGTGGATGCAAGATCAAGG(配列番号3)、BRAFエクソン13R-TAGCCAGTTGTGGCTTTGTG(配列番号4);(PCBP2-BRAFプライマー2)PCBP2エクソン2F-CGGTGTGATTGAAGGTGGAT(配列番号5)、BRAFエクソン18R-ACAGGAAACGCACCATATCC(配列番号6);TBPF-CCCATGACTCCCATGACC(配列番号7)、TBPR-TTTACAACCAAGATTCACTGTGG(配列番号8)を用いて、PCR増幅させた。PCR産物をアガロースゲル電気泳動により確認した。増幅後、Sangerシーケンシングを行った。
【0086】
細胞培養
PC9及びMGH134細胞系は当技術分野で公知である(Hata,A.N.et al,Nat.Med.22(3):262-69(2016))。細胞を、10%FBSを補充されたRPMI1640(Life Technologies)中で培養した。加えて、MGH845-1細胞を150nMオシメルチニブ中で培養した。すべての細胞をルーチン的に試験し、マイコプラズマ汚染がないことを検証した。
【0087】
CCDC6-RET発現細胞系の生成
CCDC6-RET融合コンストラクトをGenScriptにより合成し、ViraPower Lentivirus Directional TOPO Expression Kit(Life Technologies)を用いて、pLENTI6/V5-D-TOPOベクターにライゲートした。レンチウイルスを、pLENTI6コンストラクトをトランスフェクトし、かつプラスミドを293FT細胞(Life Technologies)にパッケージすることにより生成した。ウイルス生産、収集、及び感染を、製造者のプロトコルに従って完了した。形質導入された細胞をブラストサイジン(10~20mg/mL)中で1週間にわたって選択した。
【0088】
細胞生存率アッセイ
薬物用量応答アッセイでは、薬物添加の24時間前に、細胞を96ウェルプレートに播種した。薬物添加から72~120時間後に、細胞増殖をCellTiter-Gloアッセイ(Promega)により標準的なプロトコルを使用して決定した。時間経過実験では、複数のプレートに播種し、同一の様式で、指示時点で薬物添加し、プレートを-80℃で凍結させ;実験のすべてのプレートをCellTiter-Gloで同時に展開した。ルミネセンスをSpectraMax i3x Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices)で測定した。
【0089】
実施例1:オシメルチニブARバイオプシー
オシメルチニブに対する獲得抵抗性(AR)をより良好に特徴づけるために、オシメルチニブARバイオプシーの単一施設コホートを行った。オシメルチニブARバイオプシーをSNaPshotまたはFoundation One次世代シーケンシング(NGS)を介して、かつ血漿をGuardant360NGSを介してIRB承認プロトコル下でアッセイした。具体的には、T790M+疾患についてオシメルチニブで処置されたEGFR変異患者41人を組織NGS(n=22)、血漿NGS(n=9)、または両方(n=10)により照会した。32の組織サンプルのうちの2つで、SCLC転換が観察された。組織サンプルのうちの5つ、及び血漿サンプルのうちの5つ(T790Mですべてcis型)で、EGFR C797Sが見い出された。加えて、7つの組織及び3つの血漿サンプルでMET増幅が観察された。32の組織サンプルのうちの2つでBRAF再構成が同定された一方で、32の組織サンプルのうちの1つで、さらには19の血漿サンプルのうちの1つでCCDC6-RET再構成が見い出された。CCDC6-RET再構成を示している組織及び血漿サンプルは別々のドナーに由来し、RET再構成が低頻度ではあるが、オシメルチニブに対するARを有するEGFR変異患者で再発する所見であることを示している。
【0090】
実施例2:患者研究
del19EGFR変異進行性NSCLCを有する60歳女性は、フロントラインとしてアファチニブ(1年)を投与され、T790Mを獲得し、オシメルチニブ(18カ月)で処置された。次いで、女性が肺生検を受けると、SFAによりCCDC6-RET融合が明らかになった。ベースラインの組織は固体融合アッセイ(SFA)には不十分であったが、RET蛍光インサイチューハイブリッド形成(FISH)は陰性であり、CCDC6-RET融合が獲得されたことを示唆した。個々の患者の治験薬(IND)プロトコルを、この患者についてオシメルチニブ及び化合物1で処置するために記載した。女性は1日1回のオシメルチニブ80mg及び1日1回の化合物1 200mgで開始し、次いで、2週間の処置後に、化合物1を300mgに増量した。治療開始から数日以内に、女性の呼吸困難が改善した。8週間後のスキャンにより、78%のRECIST腫瘍縮小を伴う顕著な応答が明らかになった(図1)。上記組み合わせは、倦怠、白血球減少症、高血圧、ドライマウス、及びトランスアミナーゼの上昇を含むグレード1の毒性のみを伴い、十分に忍容された。処置は、2018年9月24日現在継続している。
【0091】
フロントラインとしてシスプラチン/ペメトレキセド、セカンドラインとしてアファチニブ(1年)を投与されたdel19EGFR変異進行性NSCLCを有する44歳男性は増殖中の肺病変の気管支鏡生検を受け、SFAによるCCDC6-RET融合を示した。ベースラインの組織はRET試験には利用不可能であった。男性を、1日1回の認可外カボザンチニブ60mgと組み合わせた1日1回のエルロチニブ150mgで処置した。1か月後のスキャンは疾患の安定(RECIST 1.1)を示したが、その後の2.5カ月後のスキャンは疾患の進行を示し、処置の中断を促した。患者は、グレード1の下痢、発疹、及びAST上昇を有した。
【0092】
実施例3:EGFR変異NSCLC細胞系のCCDC6-RET発現が、EGFR阻害薬に対する抵抗性を付与する
CCDC6-RET発現が獲得薬物抵抗性を引き起こすために十分であるかどうかを決定するために、CCDC6-RET融合発現細胞系モデルをPC9(EGFR del19)及びMGH134(EGFR L858R/T790M)細胞のレンチウイルス感染により生成した(図2)。
【0093】
CCDC6-RETを発現する細胞は、EGFR阻害薬の非存在下で親細胞と同様に成長した。オシメルチニブ(OSI)で処理した場合、細胞生存率の正味の低下を経験した親細胞(EV)とは対照的に、PC9CCDC6ーRET及びMGH134CCDC6-RET細胞は増殖し続けた(図3)。CCDC6-RET発現細胞の増殖率はオシメルチニブ処理で低下し、これは、RET活性化がEGFRシグナル伝達低下を十分には補償しないが、獲得抵抗性を駆動するには十分であることを示唆した。
【0094】
PC9及びMGH134細胞における下流シグナル伝達経路の活性化に対するCCDC6-RET発現の重要性も検討した。検出可能なRETタンパク質を発現しなかった親細胞に対して、PC9CCDC6ーRET及びMGH134CCDC6-RET細胞の両方で、リン酸化RETが検出された(図4A~4B)。CCDC6-RET発現のみがベースラインでの下流MAPK(ホスホ-ERK1/2)またはPI3K(ホスホ-AKT)シグナル伝達の活性化の上昇をもたらすものではなかったが;しかしながら、RET、ERK1/2、及びAKTリン酸化は、PC9CCDC6ーRET及びMGH134CCDC6-RET細胞の両方において、アファチニブまたはオシメルチニブの存在下で維持された(図4A~4B)。したがって、CCDC6-RET融合の発現は、EGFR変異NSCLCにおいてEGFR阻害薬に対する抵抗性を付与し得る。
【0095】
実施例4:CCDC6-RET発現から生じる獲得抵抗性は、EGFR及びRETにより克服され得る。
上記のとおり生成されたPC9CCDC6-RET細胞をEGFR阻害薬の非存在下または存在下で化合物1で処置した。化合物1のみでの処理はRETリン酸化を抑制したが、下流ERKまたはAKTリン酸化を減少させなかった(図4A)。化合物1とオシメルチニブまたはアファチニブとのいずれかとを組み合わせた処理はホスホ-ERK及びホスホ-AKTの両方を完全に抑制し、細胞生存率をEGFR TKIで処理された親細胞と同様のレベルまで低下させた(図4C)。同様の結果がMGH134CCDC6ーRET細胞で観察された(図4B、5C)。加えて、PC9CCDC6ーRET及びMGH134CCDC6ーRET細胞は、EGFR TKI+カボザンチニブ、RET活性を有するマルチキナーゼ阻害薬に対して感受性があった(図4B、5A~5C)。まとめると、これらのデータは、CCDC6-RET融合から生じた獲得抵抗性が二重のEGFR+RET遮断により克服され得ることを実証している。
【0096】
実施例5:EGFR阻害に対するRET融合媒介抵抗性を有する転移性非小細胞肺癌での化合物1及びオシメルチニブの研究(EGFR阻害に対するRET媒介抵抗性を有する転移性NSCLCでの併用研究)
この研究は、オシメルチニブに対する抵抗性に関連するRET融合を展開しているNSCLCを有する患者において、第3世代EGFR阻害薬、オシメルチニブと組み合わせた強力かつ選択的なRET阻害薬である化合物1の安全性、耐容性、抗腫瘍活性、PK、及び薬力学を評価するために設計されたオープンラベル第1/2相研究である。
【0097】
化合物1及びオシメルチニブの組み合わせの安全性及び耐容性を評価するために、かつ最大耐量(MTD)及び/または第2相推奨用量(RP2D)を同定するために、用量漸増研究を行う。何らかの有害事象、重篤有害事象、生命徴候の変化、ECG、及び安全性実験室試験の種類、頻度、重症度、タイミング、及び試験薬との関連により、化合物1及びオシメルチニブでの併用処置の安全性プロファイル全体を評価する。
【0098】
研究では、オシメルチニブ中か、その後に進行した転移性RET融合陽性非小細胞肺癌を有する患者における化合物1及びオシメルチニブ併用療法での全奏功率(ORR)も推定する。ORRを、RECIST1.1に従って確認される完全応答(CR)または部分的応答(PR)を達成した患者の割合として定義する。
【0099】
この研究では、応答の持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、臨床的有用率(CBR)、無増悪生存期間(PFS)、及び全生存期間(OS)を含む抗がん活性の追加の測定値も評価する。加えて、この研究では、化合物1 PKパラメーターを安全性エンドポイント及び抗腫瘍活性と相関させ;さらに、化合物1及びオシメルチニブの組み合わせの安全性及び耐容性を特徴づけ;かつ生活の質(QoL)及び症状の重症度の測定値の変化を評価する。
【0100】
追加の測定値では、DORは、CRまたはPRのいずれかについて基準が最初に満たされた時点から、CRまたはPRが確認された患者について進行性疾患(PD)が客観的に記録された最初の日付までの月数として定義され;DCRは、RECIST 1.1に従って疾患の安定(SD)の最良の応答、部分的応答(PR)、または完全な応答(CR);RECIST 1.1に従って部分的応答(PR)、または完全な応答(CR)を経験した患者割合として定義され;かつPFSは、治験薬の初回の投与から、初期のPDまたは何らかの原因による死亡までの月数として定義される。
【0101】
化合物1のPKパラメーターには:最大血漿中薬物濃度(Cmax)、投与後0~24時間目の血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-24)、定常状態での投与後24時間目の血漿中薬物濃度(C24);ならびに何らかのAE、重篤有害事象(SAE)、生命徴候の変化、ECG、及び安全性実験室試験の種類、頻度、重症度、タイミング、及び治験薬との関係を含む、集団由来推定値が含まれる。
【0102】
研究は、オシメルチニブと組み合わせて与えた場合の化合物1のMTD及び/またはRP2Dを同定するための標準的な3+3用量漸増ポーション、続く、ORR及び臨床的活性の他の測定値を評価するための拡大相を含む。第1相研究ポーションに登録したすべての患者は、オシメルチニブ処置を80mg/日の認可された出発用量で開始しなければならない。第2相研究ポーションでは、先行のオシメルチニブ処置で毒性を経験した患者はオシメルチニブを、必要な場合には、より低い出発用量で開始してもよい。化合物1の用量レベルを200mg、300mg、及び400mgの用量漸増で評価する。拡大相の患者は、用量漸増から決定されるとおり、RP2Dを投与される。拡大ポーションは2段階設計に従い、その際、当初は患者10人を処置する。この第1段階から患者10人のうち2人以上が客観的腫瘍応答を経験した場合、第2段階は、追加の患者23人を登録し、合計で患者33人を拡大相で処置する。
【0103】
研究適性では、RET融合状態を、EGFR阻害薬での疾患の進行時点で(またはその後に)採取された腫瘍または血液サンプルを使用するローカルまたはセンター評価により決定する。
【0104】
治験薬、すなわち化合物1及びオシメルチニブを1日1回の経口投与により28日サイクルとして投与する。用量変更は、観察された毒性に基づく具体的な基準に従っている。
【0105】
毒性、非服薬遵守、同意撤回、死亡、または研究終了により除外されるまで、患者は治験薬の投与を受け続けてよい。RECIST1.1で定義された疾患の進行を経験しているが、処置している治験責任医師の意見において臨床的有用性を経験し続けている患者は、承認により研究治療を継続してよい。化合物1が永続的に中断される場合、患者は、治験薬期間を完了したと判断され;生存フォローアップ中に、他の抗がん治療(適切には、オシメルチニブを含む)がその後の治療として投与される。オシメルチニブの永続的な中断を必要とする患者は、承認後に化合物1単独治療を継続してよい。
【0106】
すべての研究訪問は外来患者をベースとして行うことが意図されているが、必要ならば、入院患者をベースに行ってもよい。疾患の評価を最初の2年間は8週間ごとに、その後は12週間ごとに行う。治験薬の中断後に、記録される進行性疾患を有さない患者は、進行性疾患の記録、別の抗新生物治療の開始、死亡、または研究終了まで、疾患評価を受け続ける。RECIST 1.1に従って腫瘍応答を評価する。安全性の評価のために治験薬の中断から30日後にも患者に連絡を取り、死亡または研究終了まで生存フォローアップを継続する。
【0107】
患者集団は、インフォームドコンセントに署名する時点で18歳以上である;病理学的に確認され、最終的に診断されている転移性EGFR変異NSCLCを有する;RECIST 1.1により評価可能な少なくとも1つの標的病変を有する;第1相のみで:何らかの第2または第3世代EGFR阻害薬TKIで処置中または以前に処置された後に疾患進行がX線診断で記録されている;第2相のみで:オシメルチニブで処置中または以前に処置された後に疾患進行がX線診断で記録されている;上記のとおりのサンプルを使用して腫瘍組織または血液中の循環腫瘍核酸のローカルまたはセンター試験により決定されるとおり発癌性RET融合を有する(適性についてローカルで決定されたRET状態を有する患者では、その患者はまた、センター試験によるRET状態の遡及的確認のために血液及び組織サンプルの提出に同意する必要がある);保存された腫瘍組織を提供する意思があるか(オシメルチニブでの処置中または先行処置後に疾患の進行後に得られたサンプルが利用可能である場合)、または適切な保存された腫瘍組織が利用可能でない場合、処置前バイオプシーを受ける意思があり、かつ治験責任医師が、処置前バイオプシーが安全かつ医学的に実行可能であると判断している(ベースラインの放射線写真イメージングの後に行われる場合、処置前バイオプシーは非標的病変から採取される);0~1のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス(PS)である参加者を含む。
【0108】
患者集団は、これに限定されないが、ALK、ROS1、MET、及びBRAFの標的可能な変異を含む、何らかの追加の既知の一次駆動因子改変(本来のEGFR変異及びRET融合以外)を有する;ステロイド処置を必要とする間質性肺疾患(ILD)または間質性肺実質炎、放射腺肺実質炎の何らかの過去の病歴、または登録前28日以内の臨床的に活発なILDの何らかの証拠を有する;進行性神経性症状と関連するか、またはCNS疾患を制御するための漸増用量のコルチコステロイドを必要とする中枢神経系(CNS)転移または原発性CNS腫瘍を有する(患者がCNS疾患を管理するためにコルチコステロイドを必要とする場合、用量は、C1D1に先行する2週間にわたって一定である必要があった);6か月以内に何らかの抗PD-1/PDL-1/CTLA治療、及び試験薬の初回投与前14日以内または5半減期内のいずれか短い期間内に何らかの他の抗がん治療(全身治療及び放射線療法の両方を含む)を受けている(洗い出しなしで連続して継続されてもよい先行のオシメルチニブは除く);登録前6か月以内に肺に30Gy超の放射線療法を受けている;QTcF>480msec、QT延長症候群もしくはトルサード・ド・ポワントの履歴、またはQT延長症候群の家族歴を有する;または治験薬の初回投与前14日以内に次のいずれか:
a. 血小板カウント<75×10/L;
b. 好中球絶対数(ANC)<1.0×10/L;
c. ヘモグロビン<9.0g/dL(赤血球輸血及びエリスロポイエチンを少なくとも9.0g/dLまで使用してもよいが、治験薬の初回投与の少なくとも2週間前に投与されている必要がある);
d. 肝転移が存在しない場合、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>3×正常上限(ULN);肝転移が存在する場合、>5×ULN;
f. 推定(コッククロフト-ゴールト式)または測定クレアチニンクリアランス<40mL/分;または
g. 総血清リン>5.5mg/dL
を有する患者を排除する。
【0109】
患者18人までのサンプルサイズが第1相の用量漸増相には含まれる。用量漸増に登録した参加者の総数は、観察された安全性プロファイルに依存し、これが、用量コホート当たりの参加者の数、さらには推奨第2相用量(RP2D)を確認するために必要とされるコホートの数を決定する。
【0110】
Simonの2段階設計(Simon,1989)を使用する第2相拡大相では、段階1でのサンプルサイズは、片側アルファ0.025及びパワー90%で帰無仮説奏功率5%及び代替奏功率25%を仮定することにより患者10人(総サンプルサイズの30%)である。段階1及び段階2からの累積サンプルサイズは33である。段階1では、奏功率が1/10(10%)以下である場合に、帰無仮説を否認できないことにより、治験を停止する。そうでなければ、治験を段階2に続ける。全員で患者33人のうちに少なくとも5人の応答者が存在すれば、帰無仮説を否認する。
【0111】
患者33人で、10%の頻度で生じる少なくとも1つのAEが観察される確率は95%超であり;20%の頻度で生じる少なくとも1つのAEが観察される確率は99%超である。
【0112】
分析集団では、Response Evaluable Population(REP)は、ベースラインで測定可能な疾患を有し、少なくとも1用量の各治験薬(化合物1及びオシメルチニブ)を投与され、かつ評価可能なベースライン後腫瘍応答評価を有するすべての患者を含む。ORR、DCR及びCBRの一次解析には、REPを利用する。少なくとも1用量の化合物1を投与されるすべての患者を含む安全性集団を残りの有効性終点及び安全性で利用する。
【0113】
客観的応答を有する患者の数及びパーセンテージをREPについて、Exact Clopper Pearson法を用いる両側95%信頼区間と共に示す。DCR及びCBRを、同じアプローチに基づく両側95%信頼区間と共に推定する。客観的応答を達成する患者では、CR/PR基準が最初に満たされた時点から、進行性疾患が客観的に記録された最初の日までのDORを計算する。記録される進行性疾患または死亡を経験していない応答者を最後の応答評価の時点で打ち切り、Kaplan-Meier法を用いて中央値及びその95%CIを推定する。
【0114】
無増悪生存期間を、Kaplan-Meier法を用いて解析する。患者が進行性疾患または死亡を経験していない場合、患者を最後の応答評価の時点で打ち切る。安全性解析は、データは臨床的及び実験室パラメーターならびにAEのデータ概要からなる。1つまたは複数のAEを経験する患者の人数及びパーセンテージをNCI CTCAE v 5.0に基づき治験薬との関連及び重症度によりまとめる。有害事象を、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)を用いてコードする。実験室パラメーターを、記述統計を使用して、ベースラインに対する処置後シフト、及び臨床的に有意な異常のデータリストによりまとめる。生命徴候及びECGデータを、記述統計を使用してまとめる。化合物1血漿中濃度データを、記述統計と共に作表する。化合物1曝露パラメーターを安全性エンドポイント及び抗腫瘍活性と相関させる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【配列表】
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