(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】監視装置、表示装置、監視方法及び監視プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
G05B23/02 V
(21)【出願番号】P 2021509392
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2020012724
(87)【国際公開番号】W WO2020196405
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2019056599
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】門脇 正法
(72)【発明者】
【氏名】小野 佳代子
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-099333(JP,A)
【文献】国際公開第2008/087968(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントに関するプロセスデータを取得する取得部と、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第1変化量を検出する第1変化検出部と、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第2変化量を検出する第2変化検出部と、
前記第1変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定する第1個別判定部と、
前記第2変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定する第2個別判定部と、
前記第1個別判定部による判定結果及び前記第2個別判定部による判定結果を統合して、前記プラントの運転状態を判定する統合判定部と、
前記第1個別判定部、前記第2個別判定部及び前記統合判定部による各判定結果を一覧表示する表示部と、
を備える監視装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記プラントに関する複数種類のプロセスデータを取得し、
前記第1変化検出部及び前記第2変化検出部は、前記複数種類のプロセスデータ毎に構成されている、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記第1期間及び前記第2期間の入力を受け付ける入力部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記第1変化検出部は、現時点の前記プロセスデータの確率分布及び前記第1基準時における前記プロセスデータの確率分布から算出される統計量に基づいて、前記第1変化量を検出し、
前記第2変化検出部は、現時点の前記プロセスデータの確率分布及び前記第2基準時における前記プロセスデータの確率分布から算出される統計量に基づいて、前記第2変化量を検出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項5】
プラントに関するプロセスデータを現時点と前記現時点から第1期間遡った第1基準時とで比較して検出された第1変化量に基づく前記プラントの運転状態の第1個別判定結果と、前記プロセスデータを前記現時点と前記現時点から第2期間遡った第2基準時とで比較して検出された第2変化量に基づく前記プラントの運転状態の第2個別判定結果と、前記第1個別判
定結果及び前記第2個別判
定結果を統合した前記プラントの運転状態の統合判定結果とを一覧表示する、
表示装置。
【請求項6】
プラントを監視する監視装置に、
前記プラントに関するプロセスデータを取得することと、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第1変化量を検出することと、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第2変化量を検出することと、
前記第1変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第2変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第1変化量に基づく第1判定結果及び前記第2変化量に基づく第2判定結果を統合して、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第1判定結果、前記第2判定結果、並びに、前記第1判定結果及び前記第2判定結果を統合した統合判定結果を一覧表示することと、
を実行させる監視方法。
【請求項7】
プラントを監視する監視装置に、
前記プラントに関するプロセスデータを取得することと、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第1変化量を検出することと、
現時点の前記プロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時における前記プロセスデータと比較して、前記プロセスデータの第2変化量を検出することと、
前記第1変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第2変化量に基づいて、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第1変化量に基づく第1判定結果及び前記第2変化量に基づく第2判定結果を統合して、前記プラントの運転状態を判定することと、
前記第1判定結果、前記第2判定結果、並びに、前記第1判定結果及び前記第2判定結果を統合した統合判定結果を一覧表示することと、
を実行させる監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、表示装置、監視方法及び監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラントの運転状態に関する時系列データであるプロセスデータを測定し、過去のプロセスデータと比較して、プラントの状態を判定することがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、複数のセンサから観測データを取得し、正常データからなる学習データをモデル化し、観測データとモデル化した学習データとの類似度により観測データの異常の有無を検知し、各センサ信号の影響度の評価、判定条件ルールの構築、異常に応じたセンサ信号の選択と表示を行う異常検知方法が記載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、設備または装置の出力する時系列のセンサ信号に基づき特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルのデータチェックに基づき使用する特徴及び使用する学習データを選択し、選択された学習データに基づき正常モデルを作成し、学習データの十分性に応じてしきい値を設定して、正常モデルと特徴ベクトルの比較により異常測度を算出する設備状態監視方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-59790号公報
【文献】特開2011-70635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1又は2に記載のように、過去の正常なプロセスデータを現在のプロセスデータと比較して、プラントの状態を判定する技術が用いられている。しかしながら、比較基準とする正常なプロセスデータをどの程度過去のものとするかを適切に設定しなければ、プラントの状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがある。
【0007】
そこで、本発明は、プラントの状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがより少なくなる監視装置、表示装置、監視方法及び監視プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る監視装置は、プラントに関するプロセスデータを取得する取得部と、現時点のプロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第1変化量を検出する第1変化検出部と、現時点のプロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第2変化量を検出する第2変化検出部と、第1変化量及び第2変化量に基づいて、プラントの運転状態を判定する判定部と、を備える。
【0009】
この態様によれば、比較基準とするプロセスデータを、第1基準時におけるプロセスデータ及び第2基準時におけるプロセスデータとすることで、一方の基準では捉えづらい変化を他方の基準で捉えられるようになる。また、一方の基準だけではノイズに起因する変化であるか否かを見分けづらい場合であっても、他方の基準で適切な判定ができるようになる。そのため、プラントの状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがより少なくなる。
【0010】
本発明の他の態様に係る表示装置は、現時点のプラントに関するプロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第1変化量を検出し、現時点のプロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第2変化量を検出し、第1変化量及び第2変化量に基づいて、プラントの運転状態を判定した判定結果を表示する。
【0011】
本発明の他の態様に係る監視方法は、プラントを監視する監視装置に、プラントに関するプロセスデータを取得することと、現時点のプロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第1変化量を検出することと、現時点のプロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第2変化量を検出することと、第1変化量及び第2変化量に基づいて、プラントの運転状態を判定することと、を実行させる。
【0012】
本発明の他の態様に係る監視プログラムは、プラントを監視する監視装置に、プラントに関するプロセスデータを取得することと、現時点のプロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第1変化量を検出することと、現時点のプロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第2変化量を検出することと、第1変化量及び第2変化量に基づいて、プラントの運転状態を判定することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プラントの状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがより少なくなる監視装置、表示装置、監視方法及び監視プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る監視装置の機能ブロックを示す図である。
【
図2】本実施形態に係る監視装置の物理的構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る監視装置により取得されるプロセスデータの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る監視装置により算出される変化度の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る監視装置による個別判定及び総合判定の概要を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る監視装置により表示される判定結果レポートの一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る監視装置により変化スパンの入力を受け付ける場合に表示される画面例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る監視装置により実行される監視処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る監視装置10の機能ブロックを示す図である。監視装置10は、取得部11、フィルタ部12、変化検出部13、個別判定部14、統合判定部15、入力部10e及び表示部10fを備える。
【0017】
取得部11は、プラント100に関する少なくとも1種類のプロセスデータを取得する。ここで、プラント100は、任意のプラントであってよいが、例えば、ボイラを含む発電プラントや焼却プラントであったり、化学プラントであったりしてよい。また、プロセスデータは、プラント100に関する任意のデータであってよいが、例えば、プラント100の状態をセンサで測定したデータであってよく、より具体的には、プラント100の温度、圧力及び流量等の測定値を含んでよい。取得部11は、所定の時間間隔でプロセスデータを取得したり、連続的にプロセスデータを取得したりして、プラント100に関する時系列データを取得してよい。
【0018】
取得部11は、プラント100に関する複数種類のプロセスデータを取得してよい。取得部11は、プラント100に設置された複数のセンサにより測定された複数種類のプロセスデータを取得してよい。ここで、複数種類のプロセスデータは、例えば、温度と圧力のように異なる物理量を表すデータであったり、プラント100の異なる箇所で測定された温度のように同じ物理量を表すデータであったりしてよい。本実施形態では、取得部11は、プラント100に関する信号A及び信号Bを複数種類のプロセスデータとして取得する。なお、取得部11は、2種類のプロセスデータを取得する場合に限定されず、3種類以上のプロセスデータを取得してもよい。複数種類のプロセスデータを取得することで、プラント100の状態変化をより詳細に監視することができる。
【0019】
フィルタ部12は、プロセスデータを信号処理によってフィルタリングする。フィルタ部12は、フィルタ部(信号A用)12A及びフィルタ部(信号B用)12Bを含む。フィルタ部(信号A用)12Aは、信号Aのフィルタリングを行い、フィルタ部(信号B用)12Bは、信号Bのフィルタリングを行う。フィルタ部12によるフィルタリングは、公知の処理によって実現されてよく、例えば、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ及びバンドストップフィルタを組み合わせたフィルタリングであってよい。
【0020】
変化検出部13は、少なくとも2以上の期間を基準として用いる変化検出部を含み、本実施形態では、短期変化検出部(信号A用)131A、中期変化検出部(信号A用)132A、長期変化検出部(信号A用)133A、短期変化検出部(信号B用)131B、中期変化検出部(信号B用)132B及び長期変化検出部(信号B用)133Bを含む。ここで、「短期」、「中期」及び「長期」は、ユーザによって任意に設定することができる期間であり、例えば、1時間、12時間、1日、1週間、1ヶ月、6ヶ月及び1年のように設定することができる。なお、変化検出部13は、3以上の信号それぞれについて、4以上の期間を基準として用いる変化検出部を含んでよい。すなわち、変化検出部13は、「短期」、「中期」及び「長期」の3種類の期間を基準として用いる場合に限定されず、4種類以上の期間を基準として用いる変化検出部を含んでよい。複数種類の期間を基準として用いることで、様々なタイムスパンにおけるプラント100の状態変化をより詳細に
捉えることができる。
【0021】
短期変化検出部(信号A用)131A、中期変化検出部(信号A用)132A及び長期変化検出部(信号A用)133Aのうち任意の2つは、本発明の第1変化検出部及び第2変化検出部に相当する。また、短期変化検出部(信号B用)131B、中期変化検出部(信号B用)132B及び長期変化検出部(信号B用)133Bのうち任意の2つは、本発明の第1変化検出部及び第2変化検出部に相当する。第1変化検出部は、現時点のプロセスデータを、現時点から第1期間遡った第1基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第1変化量を検出する。また、第2変化検出部は、現時点のプロセスデータを、現時点から第2期間遡った第2基準時におけるプロセスデータと比較して、プロセスデータの第2変化量を検出する。
【0022】
短期変化検出部(信号A用)131Aは、現時点の信号Aを、例えば、現時点から1時間遡った第1基準時における信号Aと比較して、第1変化量を検出してよい。同様に、中期変化検出部(信号A用)132Aは、現時点の信号Aを、例えば、現時点から1日遡った第2基準時における信号Aと比較して、第2変化量を検出してよい。また、長期変化検出部(信号A用)133Aは、現時点の信号Aを、例えば、現時点から1週間遡った第3基準時における信号Aと比較して、第3変化量を検出してよい。
【0023】
短期変化検出部(信号B用)131Bは、現時点の信号Bを、例えば、現時点から1時間遡った第1基準時における信号Bと比較して、第1変化量を検出してよい。同様に、中期変化検出部(信号B用)132Bは、現時点の信号Bを、例えば、現時点から1日遡った第2基準時における信号Bと比較して、第2変化量を検出してよい。また、長期変化検出部(信号B用)133Bは、現時点の信号Bを、例えば、現時点から1週間遡った第3基準時における信号Bと比較して、第3変化量を検出してよい。
【0024】
本実施形態に係る監視装置10では、第1変化検出部及び第2変化検出部は、複数種類のプロセスデータ毎に構成されている。すなわち、変化検出部13は、信号A用の短期変化検出部131A、中期変化検出部132A及び長期変化検出部133Aと、信号B用の短期変化検出部131B、中期変化検出部132B及び長期変化検出部133Bとを含む。このように、複数種類のプロセスデータを用いることで、ある種類のプロセスデータでは捉えづらいプラント100の状態変化を他の種類のプロセスデータによって捉えられるようになる。また、ある種類のプロセスデータだけではノイズに起因する変化であるか否かを見分けづらい場合であっても、他の種類のプロセスデータを用いることで適切な判定ができるようになる。そのため、プラント100の状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがより少なくなる。
【0025】
個別判定部14は、短期個別判定部(信号A用)141A、中期個別判定部(信号A用)142A、長期個別判定部(信号A用)143A、短期個別判定部(信号B用)141B、中期個別判定部(信号B用)142B及び長期個別判定部(信号B用)143Bを含む。ここで、「短期」、「中期」及び「長期」は、ユーザによって任意に設定することができる期間であり、変化検出部13における設定と同じ期間であってよい。なお、個別判定部14は、3以上の信号それぞれについて、4以上の期間を基準として検出された変化量を用いる個別判定部を含んでよい。個別判定部14が、複数種類の期間を基準として変化量を検出する複数種類の個別判定部を含むことで、様々なタイムスパンにおけるプラント100の状態変化を判定することができる。
【0026】
短期個別判定部(信号A用)141A、中期個別判定部(信号A用)142A及び長期個別判定部(信号A用)143Aのうち任意の2つは、本発明の第1個別判定部及び第2個別判定部に相当する。また、短期個別判定部(信号B用)141B、中期個別判定部(信号B用)142B及び長期個別判定部(信号B用)143Bのうち任意の2つは、本発明の第1個別判定部及び第2個別判定部に相当する。第1個別判定部は、第1変化検出部により検出された第1変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。第2個別判定部は、第2変化検出部により検出された第2変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。
【0027】
短期個別判定部(信号A用)141Aは、短期変化検出部(信号A用)131Aにより検出された第1変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。同様に、中期個別判定部(信号A用)142Aは、中期変化検出部(信号A用)132Aにより検出された第2変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。また、長期個別判定部(信号A用)143Aは、長期変化検出部(信号A用)133Aにより検出された第3変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。短期個別判定部(信号A用)141A、中期個別判定部(信号A用)142A及び長期個別判定部(信号A用)143Aは、例えば、プラント100の運転状態が正常であるか異常であるかを判定してよい。
【0028】
短期個別判定部(信号B用)141Bは、短期変化検出部(信号B用)131Bにより検出された第1変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。同様に、中期個別判定部(信号B用)142Bは、中期変化検出部(信号B用)132Bにより検出された第2変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。また、長期個別判定部(信号B用)143Bは、長期変化検出部(信号B用)133Bにより検出された第3変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定する。短期個別判定部(信号B用)141B、中期個別判定部(信号B用)142B及び長期個別判定部(信号B用)143Bは、例えば、プラント100の運転状態が正常であるか異常であるかを判定してよい。
【0029】
統合判定部15は、第1個別判定部による判定結果及び第2個別判定部による判定結果を統合して、プラント100の運転状態を判定する。本実施形態に係る監視装置10では、統合判定部15は、短期個別判定部(信号A用)141Aによる判定結果、中期個別判定部(信号A用)142Aによる判定結果、長期個別判定部(信号A用)143Aによる判定結果、短期個別判定部(信号B用)141Bによる判定結果、中期個別判定部(信号B用)142Bによる判定結果及び長期個別判定部(信号B用)143Bによる判定結果を統合して、プラント100の運転状態を判定する。なお、統合判定部15は、3以上の信号それぞれについて、4以上の期間を基準として検出された変化量を用いて判定された判定結果を統合して、プラント100の運転状態を判定してもよい。複数種類の信号によってプラント100の状態変化をより詳細に測定し、複数種類の期間を基準として検出された変化量を用いることで、様々なタイムスパンにおけるプラント100の状態変化を判定することができ、統合判定部15によってそれらの判定結果を統合して、プラント100の運転状態をより適切に判定することができる。
【0030】
個別判定部14及び統合判定部15を備え、第1基準時を比較基準とした第1変化量と、第2基準時を比較基準とした第2変化量とにそれぞれ特化した個別判定を行い、個別判定の結果を統合することで、プラント100の運転状態についてより安定した判定を行うことができる。
【0031】
本実施形態に係る監視装置10によれば、比較基準とするプロセスデータを、第1基準時におけるプロセスデータ及び第2基準時におけるプロセスデータとすることで、一方の基準では捉えづらい変化を他方の基準で捉えられるようになる。また、一方の基準だけではノイズに起因する変化であるか否かを見分けづらい場合であっても、他方の基準で適切な判定ができるようになる。例えば、短期変化検出部(信号A用)131Aでは捉えづらい変化を、中期変化検出部(信号A用)132A又は長期変化検出部(信号A用)133Aで捉えられる場合がある。また、短期変化検出部(信号B用)131B及び短期個別判定部(信号B用)141Bだけではノイズに起因する変化であるか否かを見分けづらい場合であっても、中期変化検出部(信号B用)132B及び中期個別判定部(信号B用)142B又は長期変化検出部(信号B用)133B及び長期個別判定部(信号B用)143Bで適切な判定ができる場合がある。そのため、本実施形態に係る監視装置10によれば、プラント100の状態変化を見逃したり、誤検出してしまったりすることがより少なくなる。
【0032】
入力部10eは、第1期間及び第2期間の入力を受け付ける。入力部10eは、例えば、1時間、12時間、1日、1週間、1ヶ月、6ヶ月及び1年等の複数の選択肢の中から変化検出部13に設定する第1期間及び第2期間の入力を受け付けてもよいし、ユーザから第1期間及び第2期間を表す数値の入力を受け付けてもよい。本実施形態に係る監視装置10の場合、入力部10eは、短期変化検出部(信号A用)131A、中期変化検出部(信号A用)132A、長期変化検出部(信号A用)133A、短期変化検出部(信号B用)131B、中期変化検出部(信号B用)132B及び長期変化検出部(信号B用)133Bで用いる期間の入力を受け付けてよい。また、入力部10eは、異なる期間を比較基準として用いる変化検出部の追加や削除の入力を受け付けてもよい。入力部10eによって、監視対象とするプラント100の特性に応じて比較基準を調整することができ、監視対象とするプラント100の状態変化をより適切に検出することができるようになる。
【0033】
表示部10fは、プラント100の運転状態を判定した判定結果を表示する。表示部10fは、個別判定部14による個別の判定結果と、統合判定部15による総合的な判定結果(最終判定結果)と両方を表示してもよいし、いずれか一方を表示してもよい。また、表示部10fは、変化検出部13により検出された変化量を表示してもよい。
【0034】
図2は、本実施形態に係る監視装置10の物理的構成を示す図である。監視装置10は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例では監視装置10が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、監視装置10は、複数のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。また、
図2で示す構成は一例であり、監視装置10はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
【0035】
CPU10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU10aは、プラント100に関するプロセスデータの変化量に基づいて、プラント100の運転状態を判定するプログラム(監視プログラム)を実行する演算部である。CPU10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bやROM10cに格納したりする。
【0036】
RAM10bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM10bは、CPU10aが実行するプログラム、プラント100に関するプロセスデータといったデータを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM10bには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
【0037】
ROM10cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM10cは、例えば監視プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
【0038】
通信部10dは、監視装置10を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、インターネット等の通信ネットワークNに接続されてよい。
【0039】
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びタッチパネルを含んでよい。
【0040】
表示部10fは、CPU10aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部10fは、前述の判定結果を表示したり、後に詳細に説明する判定結果レポートを表示したりしてよい。
【0041】
監視プログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。監視装置10では、CPU10aが監視プログラムを実行することにより、
図1を用いて説明した取得部11、フィルタ部12、変化検出部13、個別判定部14及び統合判定部15の動作が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、監視装置10は、CPU10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
【0042】
図3は、本実施形態に係る監視装置10により取得されるプロセスデータの一例を示す図である。同図では、縦軸にプロセスデータの値を示し、横軸に時間(time)を示して、プロセスデータの時間変化を示している。
【0043】
監視装置10は、現時点から第1期間τ1遡った第1基準時におけるプロセスデータ(第1プロセスデータD1)の確率分布P1と、現時点のプロセスデータ(第2プロセスデータ)の確率分布P2とを推定する。監視装置10は、例えば、以下の数式(1)によってプロセスデータの平均を推定し、以下の数式(2)によってプロセスデータの分散を推定することで、各時点での確率分布を推定してよい。
【0044】
【0045】
【0046】
ここで、x(n)は、時間nにおけるプロセスデータの値であり、バー付きのx(n)は、x(n)の平均である。また、σ2(n)は、時間nにおけるプロセスデータの分散である。また、γは、0以上1以下のメモリ係数である。
【0047】
第1変化検出部は、現時点のプロセスデータの確率分布及び第1基準時におけるプロセスデータの確率分布から算出される統計量に基づいて、第1変化量を検出してよい。また、第2変化検出部は、現時点のプロセスデータの確率分布及び第2基準時におけるプロセスデータの確率分布から算出される統計量に基づいて、第2変化量を検出してよい。具体的には、変化検出部13は、現時点のプロセスデータの確率分布P2及び第1基準時におけるプロセスデータの確率分布P1算出される平均及び分散に基づいて、以下の数式(3)によって第1変化量dτ1(n)を算出してよい。
【0048】
【0049】
変化検出部13は、第1期間τ1のみならず、第2期間τ2について数式(3)によって第2変化量dτ2(n)を算出したり、第3期間τ3について数式(3)によって第3変化量dτ3(n)を算出したりしてよい。このように、プロセスデータそのものではなく、プロセスデータの確率分布から算出される統計量に基づいて変化量を算出することで、ノイズの影響をより低減することができ、プラント100の運転状態についてより安定した判定を行うことができる。
【0050】
図4は、本実施形態に係る監視装置10により算出される変化量の一例を示す図である。同図では、縦軸に変化量の値を示し、横軸に時間(time)を示して、変化量の時間変化を示している。
【0051】
個別判定部14は、変化検出部13により検出された変化量の履歴に基づいて、変化量の確率分布を推定してよい。
図4では、推定された変化量の確率分布P3を示している。個別判定部14は、確率分布P3に基づいて、閾値を設定し、変化量が閾値以上となる場合に、プラント100の運転状態が異常であると判定してよい。ここで、閾値は、例えば、1%基準で設定されてよい。また、個別判定部14は、例えば対数正規分布を仮定して、変化量の確率分布を推定してよい。
【0052】
個別判定部14は、第1変化量dτ1(n)及び閾値Thに基づいて、以下の数式(4)によって第1異常度aτ1(n)を算出してよい。
【0053】
【0054】
数式(4)によれば、過去の第1異常度aτ1(n-1)が0であって、現時点の第1変化量dτ1(n)が閾値Thより小さい場合、第1異常度aτ1(n)は0となる。一方、過去の第1異常度aτ1(n-1)が正の値であって、現時点の第1変化量dτ1(n)が閾値Thより大きい場合、第1異常度aτ1(n)は(dτ1(n)-Th)だけ増え、累積的に増加していく。個別判定部14は、第1異常度aτ1(n)が0より大きい場合に、第1期間τ1の観点でプラント100の運転状態が異常であると判定してよい。
【0055】
個別判定部14は、第1期間τ1のみならず、第2期間τ2について数式(4)によって第2異常度aτ2(n)を算出したり、第3期間τ3について数式(4)によって第3異常度aτ3(n)を算出したりしてよい。このように、変化量から閾値を引いた値の累積和によって異常度を算出することで、ノイズの影響による瞬間的な変化量の増加を除外して、プラント100の運転状態についてより安定した判定を行うことができる。
【0056】
図5は、本実施形態に係る監視装置10による個別判定及び総合判定の概要を示す図である。同図では、信号Aについて第1期間τ1でプラント100の運転状態を判定した判定値(信号A×τ1)を示す第1グラフG1と、信号Bについて第1期間τ1でプラント100の運転状態を判定した判定値(信号B×τ1)を示す第2グラフG2と、判定値(信号A×τ1)をフィルタリングした結果を示す第3グラフG3と、判定値(信号B×τ1)をフィルタリングした結果を示す第4グラフG4と、プラント100の運転状態を総合判定した判定値を示す第5グラフG5と、を示している。
【0057】
個別判定部14は、信号Aに関する第1異常度aτ1(n)が0より大きい場合に判定値を1として、信号Aに関する第1異常度aτ1(n)が0以下である場合に判定値を0として、第1グラフG1を出力してよい。同様に、個別判定部14は、例えば、信号Bに関する第1異常度aτ1(n)が0より大きい場合に判定値を1として、信号Bに関する第1異常度aτ1(n)が0以下である場合に判定値を0として、第2グラフG2を出力してよい。
【0058】
ここで、第1グラフG1及び第2グラフG2は、それぞれスパイク状の判定値を含む。これらはノイズの影響によるものと考えられ、除去することで誤報を防止することができる。
【0059】
個別判定部14は、判定値が所定期間にわたって継続的に1である場合に判定値を1のままとし、判定値が所定期間より短い期間だけ1である場合に判定値を0とすることで、判定値のフィルタリングを行ってよい。第1グラフG1についてフィルタリングを行った結果、第3グラフG3が得られ、第3グラフG3にはスパイク状の判定値が含まれていない。同様に、第2グラフG2についてフィルタリングを行った結果、第4グラフG4が得られ、第4グラフG4にはスパイク状の判定値が含まれていない。
【0060】
統合判定部15は、第3グラフG3及び第4グラフG4の論理和によって、統合判定値を示す第5グラフG5を出力してよい。なお、統合判定部15は、第3グラフG3及び第4グラフG4の論理積によって、統合判定値を示す第5グラフG5を出力してもよい。
【0061】
ここでは、信号A及び信号Bについて第1期間τ1に関する個別判定結果をフィルタリングし、統合判定結果を出力する例について説明したが、監視装置10は、複数種類のプロセスデータについて、複数の期間に関する個別判定結果をそれぞれフィルタリングして、統合判定結果を出力してよい。
【0062】
図6は、本実施形態に係る監視装置10により表示される判定結果レポートの一例を示す図である。判定結果レポートは、統合判定結果R1と、個別判定結果R2とを含む。
【0063】
本例では、統合判定結果R1は「異常」であり、プラント100の運転状態が異常であることを示している。また、個別判定結果R2は、「スパン01 1時間」、「スパン02 12時間」…「スパン10 8週間」という10の異なる期間について、信号A、信号B…という複数種類のプロセスデータに関する個別判定結果をまとめて表示している。
【0064】
具体的には、信号Aについて、「スパン01 1時間」についての個別判定結果は「正常」であり、「スパン02 12時間」についての個別判定結果は「異常」であり、「スパン10 8週間」についての個別判定結果は「異常」である。このことから、信号Aは、12時間以上の中~長期の期間で観察した場合に異常であり、1時間程度の短期で観察した場合には正常であることが読み取れる。また、信号Bについて、「スパン01 1時間」についての個別判定結果は「正常」であり、「スパン02 12時間」についての個別判定結果は「正常」であり、「スパン10 8週間」についての個別判定結果は「異常」である。このことから、信号Bは、長期の期間で観察した場合に異常であり、1時間~12時間といった短期~中期で観察した場合には正常であることが読み取れる。
【0065】
このように、統合判定結果R1と、個別判定結果R2とを一覧表示することで、最終的な判定結果を直ちに把握できるとともに、複数種類のプロセスデータがどのタイムスパンで異常値を示しているかを容易に分析することができ、プラント100の運転状態をより的確に判定できるようになる。
【0066】
図7は、本実施形態に係る監視装置10により変化スパンの入力を受け付ける場合に表示される画面例を示す図である。本例の画面には、「変化検出器個数入力部」という説明テキストが表示され、検出器個数表示欄B1、スパン入力欄生成ボタンB2、採用ボタンB3、第1スパン表示欄T1、第2スパン表示欄T2及び第10スパン表示欄T10が表示されている。なお、変化検出器は、変化検出部13に含まれる個別の検出器である。
【0067】
検出器個数表示欄B1には、現在設定されている変化検出器の個数が表示される。本例の場合、現在設定されている変化検出器の個数は「10コ」である。
【0068】
スパン入力欄生成ボタンB2を押下すると、新しい期間を基準時とする変化検出器が新設される。本例の場合、既に10コの変化検出器が設定されているため、スパン入力欄生成ボタンB2を押下すると、11コ目の変化検出器が新設される。
【0069】
「変化スパン入力部」の欄には、第1スパン表示欄T1、第2スパン表示欄T2…第10スパン表示欄T10が表示されている。本例において、第1スパン表示欄T1には「スパン01:1時間」と表示され、第2スパン表示欄T2には「スパン02:12時間」と表示され、第10スパン表示欄T10には「スパン10:8週間」と表示されている。
【0070】
採用ボタンB3を押下すると、「変化スパン入力部」の欄に表示された変化検出器が監視装置10の変化検出部13に設定される。
【0071】
このように、監視対象とするプラント100の特性に応じて変化検出に用いるタイムスパンの長さと数を調整することができ、監視対象とするプラント100の状態変化をより適切に検出することができるようになる。なお、変化スパンの入力は、複数種類のプロセスデータ毎に受け付けてもよいし、まとめて受け付けて、複数種類のプロセスデータに対して同じタイムスパンの変化検出器を設定してもよい。
【0072】
図8は、本実施形態に係る監視装置10により実行される監視処理のフローチャートである。監視装置10は、はじめに、変化検出スパンの入力を受け付ける(S10)。変化検出スパンの入力を行う場合(S10:YES)、監視装置10は、変化検出部13に設定する変化検出器の数及びそれぞれの変化検出器で用いる変化スパンの入力を受け付け(S11)、変化検出部13の設定を行う。
【0073】
その後、監視装置10は、プラント100に関する複数種類のプロセスデータを取得し(S12)、複数種類のプロセスデータをそれぞれフィルタリングし(S13)、複数種類のプロセスデータについて、短期、中期、長期の変化量を検出する(S14)。なお、短期、中期、長期という3つの変化スパンは一例であり、監視装置10は、任意のタイムスパンを用いて変化量を算出してよい。
【0074】
監視装置10は、複数種類のプロセスデータについて、短期、中期、長期の変化量に基づいて、個別にプラント100の運転状態を判定する(S15)。そして、監視装置10は、個別の判定結果を統合して、プラント100の運転状態を判定する(S16)。
【0075】
最後に、監視装置10は、個別判定結果及び統合判定結果を含む判定結果レポートを表示する(S17)。監視装置10は、処理S12~S17を継続的に実行してよく、ユーザからの入力に応じて、処理S11を行ってよい。
【0076】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0077】
監視装置10の表示部10fは、プラントに関するプロセスデータを現時点と現時点から第1期間遡った第1基準時とで比較して検出された第1変化量と、プロセスデータを現時点と現時点から第2期間遡った第2基準時とで比較して検出された第2変化量とに基づいて、プラント100の運転状態を判定した判定結果を表示する、表示装置でもある。表示装置は、個別判定結果及び統合判定結果の少なくともいずれかを表示してよい。個別判定結果及び統合判定結果の少なくともいずれかを表示することで、プラント100の運転状態を容易に把握することができるようになる。
【符号の説明】
【0078】
10…監視装置、10a…CPU、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、11…取得部、12…フィルタ部、12A…フィルタ部(信号A用)、12B…フィルタ部(信号B用)、13…変化検出部、131A…短期変化検出部(信号A用)、132A…中期変化検出部(信号A用)、133A…長期変化検出部(信号A用)、131B…短期変化検出部(信号B用)、132B…中期変化検出部(信号B用)、133B…長期変化検出部(信号B用)、14…個別判定部、141A…短期個別判定部(信号A用)、142A…中期個別判定部(信号A用)、143A…長期個別判定部(信号A用)、141B…短期個別判定部(信号B用)、142B…中期個別判定部(信号B用)、143B…長期個別判定部(信号B用)、15…統合判定部、100…プラント