(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】乗り物避難システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63G 21/20 20060101AFI20240520BHJP
B61B 1/02 20060101ALI20240520BHJP
A62B 3/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
A63G21/20
B61B1/02
A62B3/00 Z
(21)【出願番号】P 2021517868
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019052702
(87)【国際公開番号】W WO2020072240
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】マコーミック デニス
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01721647(EP,A1)
【文献】特開2010-029705(JP,A)
【文献】特表2013-503721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
B61B 1/02
A62B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地の乗り物システムであって、
1又は2以上の乗客を運ぶように構成された乗り物車両であって、前記乗り物システムのレールシステムの下方に懸架された乗り物位置にある乗り物車両と、
予期しない乗り物の停止が発生した場合に前記乗り物車両から前記1又は2以上の乗客を避難させる第1の避難用プラットフォームであって、前記乗り物車両に向かって移動して前記乗り物車両の下方に配置されるように構成された第1の区画を有する第1の避難用プラットフォームと、
を備え、使用時に、前記1又は2以上の乗客が前記第1の区画上に退出することによって前記乗り物車両から避難するように、前記第1の区画が、スライドして前記1又は2以上の乗客の足の下に配置される、
ことを特徴とする乗り物システム。
【請求項2】
前記1又は2以上の乗客が前記第1の避難用プラットフォームを渡り歩くことによって前記乗り物車両からアクセスできる避難通路を備える、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項3】
前記1又は2以上の乗客を積み込み、前記1又は2以上の乗客を前記乗り物車両から離れて移動させるように構成された第1の乗客シャトルを備え、前記1又は2以上の乗客は、前記第1の避難用プラットフォームを渡り歩くことによって前記乗り物車両から前記第1の乗客シャトルにアクセスすることができる、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項4】
前記第1の乗客シャトルは、該第1の乗客シャトルを前記第1の避難用プラットフォームに結合するように構成された第1の車両締結システムを含み、前記第1の乗客シャトルの駆動力は、前記第1の避難用プラットフォーム又は前記第1の乗客シャトルによって提供される、
請求項3に記載の乗り物システム。
【請求項5】
第2の乗客シャトルを備え、該第2の乗客シャトルは、該第2の乗客シャトルを前記第1の避難用プラットフォームに結合するように構成された第2の車両締結システムを含み、前記第2の乗客シャトルの駆動力は、前記第1の避難用プラットフォーム又は前記第2の乗客シャトルによって提供される、
請求項3に記載の乗り物システム。
【請求項6】
前記第1の避難用プラットフォームは、前記第1の避難用プラットフォームを前記乗り物車両に推進するように構成されたモータを含む、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項7】
前記第1の避難用プラットフォームは、前記乗り物車両が乗るように構成された軌道にアクセスするのに適した高さに整備員を持ち上げるように構成された少なくとも1つの足場を含む、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項8】
前記足場は、前記第1の避難用プラットフォームの内部に折り畳まれて収容されるように構成される、
請求項7に記載の乗り物システム。
【請求項9】
移動して前記乗り物車両の下方に、前記乗り物車両に隣接して、又はこれらの組み合わせで配置されるように構成された第2の区画を含む第2の避難用プラットフォームを備え、使用時に、前記1又は2以上の乗客が前記第1の区画、前記第2の区画又はこれらの組み合わせ上に退出することによって前記乗り物車両から避難する、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項10】
前記第1の避難用プラットフォームは乗客区画を含み、使用時に、前記1又は2以上の乗客が前記第1の区画上に退出した後に前記乗客区画上に退出することによって前記乗り物車両から避難し、前記第1の避難用プラットフォームは、前記1又は2以上の乗客を前記遊園地の乗客下車エリア上に移動させるように構成される、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項11】
遊園地乗り物の乗り物システムの乗り物車両から1又は2以上の乗客を避難させる方法であって、前記方法は、予期しない乗り物の停止が発生した場合に前記乗り物車両が前記乗り物システムのレースシステムの下方に懸架された乗り物位置にあるものであり、前記方法は、
第1の避難用プラットフォームに、該避難用プラットフォームの第1の区画がスライドし前記乗り物車両の下方、かつ、前記1又は2以上の乗客の足の下に配置されるように前記第1の避難用プラットフォームを前記乗り物車両に向けて位置付けるように指示するステップと、
前記第1の避難用プラットフォームを介して前記1又は2以上の乗客を避難させるステップと、
を含み、前記1又は2以上の乗客は、前記第1の区画上に退出することによって前記乗り物車両から避難する、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記1又は2以上の乗客は、前記第1の区画上に退出した後に、避難通路上、避難用シャトル上、前記第1の避難用プラットフォームの乗客区画上、又はこれらの組み合わせに退出することによって前記乗り物車両から避難する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の避難用プラットフォームと、該第1の避難用プラットフォームに取り付けられた前記
避難用シャトルとを動かすための駆動力を与えるステップを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2の避難用プラットフォームに、該第2の避難用プラットフォームの第2の区画が前記乗り物車両の下方に、前記乗り物車両に隣接して、又はこれらの組み合わせで配置されるように前記第2の避難用プラットフォームを位置付けるように指示するステップと、
前記第1の区画、前記第2の区画、又はこれらの組み合わせを介して前記1又は2以上の乗客を避難させるステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
メンテナンス活動を受けている前記遊園地乗り物の一部に前記第1の避難用プラットフォームを誘導して、前記避難用プラットフォームに収容されて輸送されるように構成された少なくとも1つの足場を展開するステップを含む、
請求項
11に記載の方法。
【請求項16】
予期しない乗り物の停止が発生した場合に乗り物車両から1又は2以上の乗客を避難させる避難用プラットフォームを備えた避難用プラットフォームシステムであって、前記乗り物車両は、遊園地の乗り物システムのレールシステムの下方に懸架された乗り物位置にあり、前記避難用プラットフォームは、
遊園地乗り物を通じて前記避難用プラットフォームを移動させるように構成された推進システムと、
前記乗り物車両に向かって移動して前記遊園地乗り物の乗り物車両の下方に配置されるように構成された第1の区画と、
を含み、使用時に、前記1又は2以上の乗客が前記第1の区画上に退出することによって、前記遊園地乗り物に含まれる乗り物車両から避難するように、前記第1の区画が、スライドして前記1又は2以上の乗客の足の下に配置される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記避難用プラットフォームは、該避難用プラットフォームを少なくとも1つの乗客シャトルに結合するように構成された車両締結システムを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記避難用プラットフォームは、前記遊園地乗り物に含まれる軌道にアクセスするのに適した高さに整備員を持ち上げるように構成された少なくとも1つの足場を含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記避難用プラットフォームは乗客区画を含み、使用時に、前記1又は2以上の乗客が前記第1の区画上に退出した後に前記乗客区画上に退出することによって前記乗り物車両から避難し、前記避難用プラットフォームは、前記1又は2以上の乗客を前記遊園地乗り物の乗客下車エリア上に移動させるように構成される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記避難用プラットフォームの動作を制御するように構成された制御システムを備える、
請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年10月2日に出願された「乗り物避難システム及び方法(RIDE EVACUATION SYSTEMS AND METHODS)」という名称の米国仮特許出願第62/740,216号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地乗り物の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地乗り物の乗り物避難システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
遊園地は、各遊園地ゲストに固有の体験を提供する様々な特徴を含む。いくつかの特徴は、特定の経路に沿って移動できる乗り物車両を含むことができる。経路は、乗り物車両が経路に沿って移動する際にゲストの体験を強化できるような要素を含むことができる。遊園地乗り物中に遊園地ゲストを乗り物車両から避難させるために、避難システム使用することができる。避難システムを改善することが有益であると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、本明細書に開示するいくつかの実施形態の概要を示す。これらの態様は、読者にこれらのいくつかの実施形態の要約を示すものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではないと理解されたい。実際には、本開示は様々な態様を含むことができ、以下ではこれらを示していないこともある。
【0006】
1つの実施形態では、遊園地の乗り物システムが、1又は2以上の乗客を着席させるように構成された乗り物車両を含む。乗り物システムは、移動して乗り物車両の下方に配置されるように構成された第1の区画を有する避難用プラットフォームをさらに含み、使用時には、1又は2以上の乗客が第1の区画上に退出することによって乗り物車両から避難する。
【0007】
別の実施形態では、遊園地乗り物の乗り物車両からの避難方法が、避難用プラットフォームに、避難用プラットフォームの第1の区画が乗り物車両の下方に配置されるように避難用プラットフォームを位置付けるように指示するステップを含み、使用時には、1又は2以上の乗客が第1の区画上に退出することによって乗り物車両から避難する。この方法は、避難用プラットフォームを介して乗客を避難させるステップをさらに含む。
【0008】
別の実施形態では、避難用プラットフォームが、遊園地乗り物を通じて避難用プラットフォームを移動させるように構成された推進システムを含む。避難用プラットフォームは、移動して遊園地乗り物の乗り物車両の下方に配置されるように構成された第1の区画をさらに含み、使用時には、1又は2以上の乗客が第1の区画上に退出することによって乗り物車両から避難する。
【0009】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による、避難用プラットフォーム及び避難通路を含む乗り物システムの実施形態のブロック図である。
【
図2】本開示の態様による、避難用プラットフォーム及び避難用シャトルを含む
図1の乗り物システムの実施形態のブロック図である。
【
図3】本開示の態様による、1又は2以上の足場を有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態のブロック図である。
【
図4】本開示の態様による、軌道区画の1又は2以上のガイドレールに結合された
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の正面図である。
【
図5】本開示の態様による、軌道区画に配置された
図1の避難用プラットフォーム及び避難通路の実施形態の斜視図である。
【
図6】本開示の態様による、軌道区画に配置された複数の避難用プラットフォームの実施形態を示す斜視図である。
【
図7】本開示の態様による、
図1及び
図2の乗り物システムの乗り物車両の実施形態を示す図である。
【
図8】本開示の態様による、乗り物車両の下方に配置された避難用プラットフォームの第1の区画を有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の図である。
【
図9】本開示の態様による、乗り物車両の到達限界の内側に配置された避難通路を有する乗り物車両の下方に配置された避難用プラットフォームの第1の区画を有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の図である。
【
図10】本開示の態様による、乗り物車両の到達限界の内側に配置された避難通路を有する乗り物車両の下方に配置された避難用プラットフォームの第1の区画を有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの別の実施形態の図である。
【
図11】本開示の態様による、避難通路の下方に配置された避難用プラットフォームの部分又は第2の区画を有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の上面図である。
【
図12】本開示の態様による、乗り物車両の下方に配置された避難用プラットフォームの第1の区画と、乗客起立/着席区画又は部分とを有する
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の図である。
【
図13】複数の乗客及び仕切りを示す乗客区画又は部分のさらなる詳細を示す
図12の避難用プラットフォームの実施形態の上面図である。
【
図14】乗客輸送区画又はシャトルを有して避難用シャトルにさらに結合された
図1及び
図2の避難用プラットフォームの実施形態の上面図である。
【
図15】
図1及び
図2の乗り物システムからゲストを避難させるのに適したプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明するわけではない。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0012】
いくつかの乗り物車両は、例えば遊園地ゲストが座っている時又は別様に乗り物軌道の下方に懸架されている時に、乗り物体験を強化する乗り物位置をゲストに提供することができる。ゲストは、乗り物軌道に沿って移動する際に、強化された視認性及び乗り物環境との改善された相互作用を体験することができる。場合によっては、ゲストを運ぶ乗り物車両が乗り物中に予期せず停止してしまうことがある。本開示の実施形態は、可動式避難用プラットフォーム、避難通路、又はこれらの組み合わせを含む避難システムに関する。可動式避難用プラットフォームは、ゲストが乗り物車両外に避難して可動式避難用プラットフォーム上に退出できるように配置することができる。その後、ゲストは、可動式避難用プラットフォームを避難通路上に渡り歩き、その後にアトラクションから離れることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、互いに連接又は当接してゲストに強化された通路を提供できる複数の可動式避難用プラットフォームを設けることができる。また、例えばゲスト用乗り物入場エリアにおけるゲストの標準的な乗車及び下車中に複数の可動式避難用プラットフォームを使用し、従って標準作業用プラットフォーム及び避難用プラットフォームとしての二重機能を提供することもできる。実際には、ゲスト用乗り物入場エリアに1又は2以上の可動式避難用プラットフォームを駐留させて、標準的な乗車/下車、及び乗り物停止中のゲストの避難の両方のために使用することができる。本明細書で説明する手法を提供することにより、より効率的かつ改善された乗り物ゲストの避難を達成することができる。
【0014】
ここで図面を参照すると、
図1は、遊園地内に配置できる乗り物システム10の実施形態のブロック図である。
図1に示すように、乗り物システム10は、例えば娯楽用乗り物を楽しんでいる間にレールシステム14(例えば、軌道レールシステム)の下方に懸架された乗り物位置を提供する乗り物車両12を含む。遊園地ゲスト16は、乗り物の終了時にゲスト16(guests 16)が下車するためにも使用できる乗車エリア18において乗り物10に入場することができる。乗り物車両12に入場するために、可動式避難用プラットフォーム20を乗車プロセスの一部として使用し、又は乗車エリア18の近傍に停車させておくことができる。ゲスト16が乗り物車両12内に固定されると、乗り物車両12は、レールシステム14を介して乗り物を巡回することができる。乗り物車両12は、乗り物の最後にゲスト16を乗車エリア18上に位置付けて下車させることができる。
【0015】
場合によっては、予期せぬ乗り物の停止が発生することがある。従って、現在乗り物車両12が停止している可能性のある乗り物内のあらゆる場所からゲスト16を避難させることが望ましいと考えられる。従って、可動式避難用プラットフォーム20のうちの1つ又は2つ以上にコントローラシステム22が動作可能に結合され、可動式避難用プラットフォーム20のうちの1つ又は2つ以上を乗り物車両12の方に導くことができる。コントローラシステム22は、乗り物車両12、及び/又は乗り物車両12を有する乗り物内の他のシステムをさらに制御することができる。コントローラシステム22は、避難用プラットフォーム20外、又は避難用プラットフォーム20内に配置することができる。可動式避難用プラットフォーム20は、それぞれの可動式避難用プラットフォーム20に駆動力を与えるのに適した電気モータ(例えば、バッテリ式電気モータ)及び燃焼機関などの1又は2以上の内部モータ23を含むことができる。
【0016】
これとは別に、又はこれに加えて、(単複の)外部モータ24を使用して(単複の)可動式避難用プラットフォーム20を動かすこともできる。例えば、冗長駆動モータ(redundant drive motors)24及び押しボタン制御ボックスを固定して、チェーン/タイミングベルト/ケーブルの従来型/再循環ループの両端に配置することができる。この(単複の)外部モータ24を使用する構成は、内蔵バッテリ[(2)冗長]、バッテリ充電システム及びコネクタ/ケーブル、内蔵モータ[(2)冗長]、内蔵ギアボックス[(2)冗長]、内蔵制御システム[(2)冗長]並びに配線及びヒューマンマシンインターフェイス(HMI)[(1)冗長]、ブースタホイール推進[(2)冗長]、対応圧負荷型ピンチ構成(compliant pressure-loaded pinch arrangements)[(2)冗長-ブースタホイール用ガイドレール沿い]、内蔵可変ドライブ(VFD)[(2)冗長]、対応/専用ハンドヘルドRCUに関連する内蔵通信システム[(2)冗長]、ハンドヘルドRCU[(2)冗長]、シャトルをガイドレールに固定するためのロックブレーキ[(2)冗長]、プラットフォーム20を停車位置に固定するためのドッキング/ロッキングブレーキ[(2)冗長]といった内蔵ハードウェア&コントロールを不要とすることができ、これらの設備の重量/取り付けは、(プラットフォーム重量をさらに増加させる)よりロバストなプラットフォーム20の設計、これらのハードウェア/コントロールのより高い関連するメンテナンス費用/労力節約を使用することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、可動式避難用プラットフォーム20を移動させて、以下でさらに説明するようにゲスト16用の下車プラットフォームを提供するのに適した乗り物車両12の下方の位置に停車させることができる。その後、(単複の)ゲスト16は、いずれかの拘束システム(例えば、ベルト、ラップバー及びハーネスなど)を外し、乗り物車両12から降りて避難用プラットフォーム20に乗り込むことができる。可動式避難用プラットフォーム20は、ゲスト16の体重を支持して、ゲスト16が避難通路26上に移行するための通路又は「橋」を提供することができる。避難通路26は、避難エリアに出るための及び/又は下車エリアに戻るための乗客ルート(passenger conduit)を提供することができる。さらに、例えば以下でさらに説明するように終端同士が互いに当接した複数の可動式避難用プラットフォーム20を配置して、より長い避難用プラットフォームを提供することもできる。
【0018】
制御システム22は、乗り物10内に配置することも、又は場合によってはハンドヘルド型遠隔制御ユニットとして乗り物10の外部に配置することもできる。制御システム22は、乗り物車両12及び可動式避難用プラットフォーム20の一方又は両方を制御するための命令を記憶したメモリ(M)32を含むことができる。また、制御システム22は、このような命令を実行するように構成されたプロセッサ(P)34を含むこともできる。例えば、プロセッサ34は、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。また、メモリ32は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリメモリ(ROM)、光学ドライブ、ハードディスクドライブ又は固体ドライブなどの不揮発性メモリを含むことができる。
【0019】
図2は、避難通路26を1又は2以上の避難用シャトル40に置き換えた乗り物システム10の実施形態のブロック図である。具体的に言えば、避難用シャトル40は、避難用プラットフォーム20に機械的に結合して、避難用プラットフォーム20及び避難用シャトル40が縦一列で乗り物を巡回して乗り物車両12に到達できるようにすることができる。乗り物車両12の位置に来ると、乗客16(passengers 16)は、避難用プラットフォーム20を介して避難用シャトル40内に降りることができる。具体的に言えば、避難用プラットフォーム20は、1又は2以上の乗客16を降ろした後に乗り物車両12から避難用シャトル40内に移動させる中継プラットフォーム(staging platform)としての役割を果たすことができる。その後、避難用シャトル40は、乗客16を乗車エリア18などの下車エリアに輸送することができる。
【0020】
避難用シャトル40の駆動力は、避難用プラットフォーム20、避難用シャトル40内部のモータ(例えば、バッテリ式電気モータ、内燃機関など)、及び/又は外部モータによって提供することができる。いくつかの実施形態では、避難用シャトル40が、独自の動力下で、又は避難用プラットフォーム20とは別の外部動力下で進行することができる。他の実施形態では、避難用プラットフォーム20が、選択された避難エリアまで避難用シャトル40を牽引し又は押すことができる。制御システム22は、避難用シャトル40に動作可能に結合することができ、従って避難用シャトル40及び/又は避難用プラットフォーム20を制御して乗り物車両12から乗客を回収することができる。
【0021】
避難用シャトル40は、避難用プラットフォーム20の前方区画、避難用プラットフォーム20の後方又は後端区画、避難用プラットフォーム20の側部、又はこれらの組み合わせに機械的に結合することができる。さらに、複数の避難用シャトル40を輸送車列として配置して、1又は2以上の避難用シャトル40によって運ばれるようにすることもできる。図示の実施形態では、避難通路26を除去することによって乗り物システム10の間隔を強化するとともに、建造及び設備メンテナンスを簡略化することができる。さらに、後述するように、避難用プラットフォーム20をメンテナンスのために使用することもできる。
【0022】
図3は、メンテナンス作業中に高所で支持を行うのに有用な1又は2以上の足場50を有する避難用プラットフォーム20の実施形態のブロック図である。例えば、整備員は、高所に上って軌道レール、乗り物車両、乗り物隊列(ride columns)及び娯楽用乗り物10の他のコンポーネントに作業を行う際に、(単複の)足場50に上がることができる。いくつかの実施形態では、高くなった(単複の)足場50を折り畳んで避難用プラットフォーム20の内部に仕舞い込むことができる。例えば、高くなった(単複の)足場50は、これらの足場を輸送中に避難用プラットフォーム20の移動に影響しない形で収容できるように、例えば避難用プラットフォーム20の区画内への収納を可能にする伸縮自在な実施形態、折り畳み式の実施形態、並びに手動での取り外し及び交換が可能な実施形態などを含むことができる。避難用プラットフォーム20が所望のメンテナンス目的地に到達すると、1又は2以上の高くなった足場50を展開して使用することができる。メンテナンス作業が終了すると、足場50を収容し、避難用プラットフォーム20を使用して整備員を別の所望の場所に運ぶことができる。
【0023】
避難用プラットフォーム20は、所望の目的地に向かって乗り物10を巡回する際に、
図4に示すように1又は2以上のガイドレール52に従うことができる。具体的に言えば、この図は、避難用プラットフォーム20をその目的地への移動中に使用できる様々な角度で示す正面斜視図である。実際に、避難用プラットフォーム20は、ガイドレール52に従って、例えば6つの自由度(すなわち、ピッチ54、ロール56、ヨー58、上方60、下方62、左方64、右方66、前方68及び後方70)を達成することができる。避難用プラットフォーム20は、(単複の)ガイドレール52に従うことに加えて、又はその代わりに、例えば単一のガイドレール52又は二重平行ガイドレールに取り付けられている時にも避難用プラットフォーム20が6つの自由度を達成することを可能にするアクチュエータを含むこともできる。アクチュエータは、避難用プラットフォーム20及び/又はガイドレール52の一部に接続して避難用プラットフォーム20を望む通りに動かすことができる機械式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電気式アクチュエータ及び水圧式アクチュエータなどを含むことができる。避難用プラットフォーム20をガイドレール52に接続するには、パック(pucks)、ボギー台車(bogie wheels)又は同様の装置を使用することができる。
【0024】
図5は、乗り物10を巡回する避難用プラットフォーム20を示す乗り物10の軌道区画80の実施形態の斜視図である。図示の実施形態では、通路の外部/下方の1つのガイドレール52と、通路の真下の別のガイドレール52(図示せず)とに機械的に接続された避難用プラットフォーム20を示す。ガイドレール52は、避難通路26に従い、又は避難通路26と別様に平行を保ち、避難用プラットフォーム20のいくつかの部分と共に避難通路の下方に配置することができる。さらに、避難通路26は、ゲストの避難をさらに容易にできるようにレールシステム82の輪郭に従うこともできる。例えば、ガイドレール52は、レールシステム82の同じ輪郭形状(例えば、直線、曲線、屈曲)に従うように、従って乗り物車両12が到達し得るあらゆる地点に可動式避難用プラットフォーム20が到達できるように配置することができる。
【0025】
これに加えて、又はこれとは別に、避難通路26は、整備員がメンテナンス及び/又は補修作業中に乗り物10の特定のエリアにアクセスするために使用することもできる。さらに、上述したように、いくつかの実施形態では、避難用プラットフォーム20を使用してゲストを避難用シャトル40内に移動させることもできる。これらの実施形態の一部では、避難通路26を使用しないこともできる。従って、避難通路26を伴わない乗り物10は、車両の巡回中にゲスト16が楽しむ開けた空間をさらに多く提供することができる。さらに、より少ない材料及び低いコストで乗り物10をより効率的に建設することもできる。
【0026】
図6は、乗り物10を巡回する複数の避難用プラットフォーム20の実施形態を示す斜視図である。上述したように、1又は2以上の避難用プラットフォーム20は、ゲスト16を避難させるため、及び/又は整備員が作業活動中に使用するために使用することができる。図示のように、様々な避難用プラットフォーム20を多段化して様々な全体サイズのプラットフォームを提供することができる。例えば、互いに当接する3つのプラットフォームを配置することによって1つの長い(例えば、3倍の長さの)プラットフォームを提供することができる。また、避難用プラットフォーム20が所望の目的地への途中で横切ることができるガイドレール52の曲線区画84も示す。避難用プラットフォーム20は、ガイドレール52を巡回する際に、(例えば、ローリング、ピッチング及びヨーイングなどによって)曲線輪郭に従ってより良好に乗り物10を巡回することができる。さらに、乗り物10におけるガイドレール52のいくつかの位置は、1又は2以上の避難用プラットフォーム20の停車位置として指定することができる。
【0027】
避難用プラットフォーム20は、乗り物車両12の位置に到着すると、
図7に示すようにエリア91におけるゲストの足の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、避難用プラットフォーム20を到達限界(reach envelope)90の外側に配置することができる。すなわち、到達限界90は、乗り物に拘束されたゲスト16を取り囲む領域とすることができ、ゲスト16は、例えば脚の長さ、腕の長さ及び身長などの解剖学的制約に起因して到達限界90の内側の位置にのみ物理的にアクセスできて到達限界90の外側にはアクセスすることができない。すなわち、ゲスト16がラップバー及びシートベルトなどの乗り物拘束システム92を介して拘束されている場合、拘束到達限界90は、避難用プラットフォーム20が拘束到達限界90の外側に存在してゲストの足の下に滑り込むことができるように、人間の解剖学的制約に基づいて導出することができる。
【0028】
避難用プラットフォーム20がゲストの足の下に配置されると、拘束システム92が外れて、ゲスト16は乗り物車両の自身の乗り物シートから避難用プラットフォーム20上に退出することができる。従って、避難用プラットフォーム20は、ゲストの拘束到達限界90の外側に存在している間、拘束システムが解除された時点で乗り物シートから飛び降りたり又は別様に降下したりする必要なく容易に利用することができる。代わりに、ゲストは、単純に両脚を下ろして立ち上がった後に避難通路26上に進むことができる。その後、避難通路26を通路として使用して乗り物10から離れることができる。
【0029】
また、図には、2つの手すり96を有する避難通路26を示している。手すり96は展開可能とすることができる。すなわち、手すり96は、避難通路26内に収容しておいて、ゲストの避難中又はメンテナンス中に展開することができる。従って、手すり96は、ゲスト16又は整備員が避難通路26を使用する際のさらなる支持を提供することができる。また、さらに高い位置に配置された第2の、例えば代替の避難通路26も示す。第2の又は代替/上側避難通路26は、異なる軌道区画の一部とすることができ、例えば階段を通じて第1の避難通路26に接続することができる。第2の又は代替/上側避難通路26は、例えば折り畳み式の階段を通じて避難用プラットフォーム20に一時的に接続することもできる。
【0030】
図8に、ゲスト16を避難させるために乗り物車両12の下方に配置された避難用プラットフォーム20の実施形態を示す。この図には
図7と同じ要素を示しているので、同じ要素については同じ要素番号で示す。図示の実施形態では、乗り物車両12の下方のゲスト16の下に配置された避難用プラットフォーム20を示す。使用時には、避難用プラットフォーム20が乗り物車両12に到着すると、ゲスト16を固定している拘束システムがロック解除されて、ゲストが避難用プラットフォーム20に乗り込む。ゲストは、避難用プラットフォーム20を避難通路26への橋又はルートとして使用する。いくつかの実施形態では、全てのゲスト16が乗り物車両12から回収された後に、避難用プラットフォーム20が、別の乗り物車両12、又は複数の座席列を有する乗り物車両(例えば、それぞれが4つのシートを含む3つのゴンドラを有する乗り物車両)の別の部分などの別の場所に移動することができる。
【0031】
図8に示す実施形態には、避難用プラットフォーム20の両端に配置された2つのガイドレール52に接続された避難用プラットフォーム20を示す。上述したように、ガイドレール52、従って避難用プラットフォーム20は、ねじれ部分、旋回部分、傾斜部分などを含む、乗り物車両12を導くために使用される軌道と同じ形状に従うことができる。従って、避難用プラットフォーム20は、ゲスト16が容易に避難できるように位置することができる。また、図示の実施形態には、到達限界90の外側に存在する避難通路26も示す。しかしながら、他の実施形態では、避難通路26が、
図8に示すように到達限界の上方に存在することも、又は
図9に示すように到達限界90の内側に存在することもできる。
【0032】
具体的に言えば、
図9には、避難通路26が到達限界90の内側に配置された避難用プラットフォーム20の実施形態を示す。図示のように、避難用プラットフォーム20は、避難通路26の近くに配置して、図示の3つのガイドレール52のうちの2つ(2つの水平に変位したガイドレール52、又は(積み重なった代替例で表記する)2つの垂直に変位したガイドレール52のいずれか)に結合することもできる。図示の実施形態では、避難用プラットフォーム20が片持ち式プラットフォームである。従って、片持ち式アセンブリ100を使用して、2つの積み重なったガイドレール52への機械的結合をもたらすことができる。片持ち式の避難用プラットフォーム20は、他の実施形態と比べてさらなる重量を支持することができ、従って乗客定員の多い乗り物により適していると考えられる。通路側のガイドレールの積み重ね構成は、乗り物経路の反対側の水平に変位したガイドレールが視覚的に邪魔になるのを回避する。また、上述したように、避難通路26は、必要になるまで避難通路26内に収容しておくことができる展開可能な手すり96を含むこともできる。
【0033】
図10に、避難通路26が到達限界90の内側に配置された避難用プラットフォーム20の別の実施形態を示す。図示のように、避難用プラットフォーム20は、2つのインボードガイドレール(inboard guiderails)52に取り付けることができる。使用時には、避難用プラットフォーム20を、その一部が避難通路26の下方に配置された状態で停車させることができる。図示の実施形態では、避難用プラットフォーム20が、二重インボード片持ち式プラットフォーム(dual-inboard cantilevered platform)である。従って、片持ち式アセンブリ120を使用して、2つのインボードガイドレール52への機械的結合をもたらすことができる。図示のように、両ガイドレールは、避難用プラットフォーム20の一端に配置することができる。従って、乗り物の視認性及び建設の容易性を高めることができる。また、上述したように、避難通路26は、必要になるまで避難通路26内に収容しておくことができる展開可能な手すり96を含むこともできる。
【0034】
図11は、避難活動中の避難用プラットフォーム20の実施形態を示す上面図である。具体的に言えば、この図には、避難通路26の下方に停車した避難用プラットフォーム20を示す。また、避難通路26上を歩く4人のゲスト16及びオペレータ140も示す。図示の実施形態では、4人のゲスト16が最も近い施設避難地点に向かって避難通路26上を歩いている一方で、オペレータ140を、例えばこの乗り物車両(又は次のシート列)の避難を支援するために避難通路26上を次の乗り物車両12(又は次のシート列)に向かって反対方向に歩いているものとして示す。オペレータ140は、必要に応じて遠隔制御ユニット(例えば、ハンドヘルド、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど)を介して避難用プラットフォーム20を次の乗り物車両に向けることができる。また、避難用プラットフォーム20を乗り物経路に沿って誘導するために使用できるガイドレール52も示す。
【0035】
避難用プラットフォーム20は、シャトル自体として使用することも、又は上述したような避難用シャトル40に接続することもできる。例えば、ここで
図12を参照すると、この図には、ゲスト16を輸送するために使用できる乗客区画160を含む避難用プラットフォーム20の実施形態を示す。例えば、避難用プラットフォーム20が適所に来ると、拘束システム92がロック解除されて、ゲスト16は乗客区画160に進むことができる。乗客区画160では、輸送中のゲスト16の安全性を高めるのに適したガードレール及び/又はシートを展開することもできる。ゲスト16が乗客区画160に来ると、オペレータ140は、避難用プラットフォーム20を下車位置に誘導することができる。
【0036】
図12には、例えばメンテナンス活動中に展開できる2つの足場50も示す。実際に、足場50は、避難用プラットフォーム20に含めることも、或いはこれに加えて、又はこれとは別に乗客区画160に含めることもできる。上述したように、メンテナンス作業に有用な1又は2以上の足場は、避難用プラットフォーム20に含めて運び、及び/又は避難用プラットフォーム20内に収容することができる。その後、足場50は、例えば乗り物車両12、レールシステム82及び乗り物10などの様々な場所に手が届くように、必要に応じて展開することができる。
【0037】
図13は、乗客区画160を示す
図12の避難用プラットフォーム20の実施形態を示す上面図である。具体的に言えば、この図には、避難中に使用できる、最初に立った姿勢を取った後に座った姿勢を取るゲスト16を示す(この図では、座った姿勢をオフセットさせて乗客区画160の右側に示す)。図示の実施形態では、展開可能な仕切り162及び/又は展開可能な手すり164を使用して、避難中のゲスト16の輸送をさらに強化することができる。なお、単一の乗客区画160しか示していないが、いくつかの実施形態では2又は3以上の区画を使用することもできる。
【0038】
避難プロセスの例は以下の通りとすることができる。1)オペレータ140又は同様に訓練された人員が、停車した避難用プラットフォームの展開可能な(単複の)仕切り162及び/又は手すり164がチェックされ収容されていることをチェックすることができる。次に、避難用プラットフォーム20に含まれるバッテリをバッテリ充電器から外すことができる。その後、避難用プラットフォーム20をロック解除し、いずれかの遠隔制御ユニット(RCU)を取り出すことができる。2)次に、1又は2以上のオペレータ140が避難用プラットフォーム20上に立ち又は座り(例えば、腰ベルト又はその他の拘束具を介して固定され)、RCUを操作して避難用プラットフォーム20を立ち往生した乗り物車両に向けて駆動する。その後、展開可能な(単複の)仕切り162及び/又は手すり164が正しく収容されているか再チェックし、ゲスト16の足が避難用プラットフォーム20の上方にくるように避難用プラットフォーム20を乗り物車両12の下方に配置することができる。3)次に、避難用プラットフォーム20を適所にロックすることができる。4)次に、(単複の)オペレータ140が(単複の)仕切り162及び/又は手すり164を展開し、ゲスト16の拘束システム92をそれぞれ(例えば、1回に1人のゲストを)解除し、ゲストに乗り物シートから降りて避難用プラットフォーム20に乗り込むように指示し、乗客区画160に含めることができるシート及び/又はベンチに向かってゲストが歩く際に案内することができる。5)次に、(単複の)オペレータ140は、ゲスト16がシート及び/又はベンチに収まるのを補助し、拘束システム92(例えば、ラップベルト)などを介してゲスト16を固定する支援を行うことができる。
【0039】
6)次に、(単複の)オペレータ140は、ゲスト16の隣に立ち又は座り、やはり拘束システムによって自身を固定することができる。その後、(単複の)オペレータ140は、避難用プラットフォーム20を最も近い施設避難地点に駆動することができる。7)避難地点では、(単複の)オペレータ140が、ゲスト16にそれぞれの拘束システム92を外し(オペレータがゲストを支援することができる)、立ち上がって避難用プラットフォーム20から出るように指示することができる。例えば、ゲスト16には、施設安全ゲートを通じて乗り物10から出るように指示することができる。8)複数の乗り物車両12(又は1つの乗り物車両内の複数のシート列)の避難のためにステップ2~7を繰り返すことができる。9)全ての乗り物車両12の避難が完了すると、(単複の)オペレータ140は、展開可能な仕切り160及び/又は手すり164を収容し、避難用プラットフォーム20を再び所望のドッキング/パーキングステーションに誘導することができる。その後、例えばバッテリの再充電のために避難用プラットフォーム20を電源に再接続して、RCUを初期位置に戻すことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、避難用プラットフォーム20が乗客区画160を含むことができ、これを
図14に示すようにゲストが避難用シャトル40に向かって歩くための中間移動プラットフォーム通路(intermediate transfer-platform walkway)として使用することもできる。具体的に言えば、
図14は、避難用シャトル40に機械的に結合された避難用プラットフォーム20の上面図である。この機械的結合は、ヒッチ型連結装置(hitches)、電磁カップリング、及びさね継ぎ式締結具(tongue and groove fasteners)などを含む様々な車両間締結具を含むことができる。図示の実施形態には、避難用シャトル40に入った5人のゲスト16を示している。避難用プラットフォーム20は、(単複の)オペレータ140及び/又はさらなるゲスト16が避難用シャトル40に向かって/上に歩くための中間移動通路として一時的に使用することができる。いくつかの実施形態では、避難用シャトル40が、出発準備が整うと独自の動力で出発することができる。すなわち、避難用シャトル40は1又は2以上のモータを含むことができ、最も近い避難地点にゲスト16を送り届けるようにRCU(及び/又は制御システム22)によって制御することもできる。他の実施形態では、避難用プラットフォーム20が避難用シャトル40を牽引することもできる。本明細書で説明した手法は、乗客区画160を1又は2以上の避難用シャトル40と組み合わせることによって、避難時間及び乗客の下車効率を改善することができる。
【0041】
図15は、避難用プラットフォーム20を介してゲスト16を避難させるのに適したプロセス200の実施形態のフローチャートである。プロセス200は、制御システム22による実行に適したコード又は実行可能命令として実装することができる。図示の実施形態では、プロセス200が、最初に(単複の)避難用プラットフォーム20を1又は2以上の乗り物車両12に誘導する(ブロック202)ことができる。上述したように、(単複の)避難用プラットフォーム20がバッテリ充電器から切断されてロック解除されると、制御システム22及び/又は遠隔制御ユニットを使用して、(単複の)避難用プラットフォーム20のうちの1つ又は2つ以上をゲストの避難のために乗り物車両の下方の位置に移動させることができる。
【0042】
次に、プロセス200は、例えばオペレータ140の監督及び/又は支援を介して(単複の)ゲスト16を(単複の)避難用プラットフォーム20上に下ろす(ブロック204)ことができる。例えば、(例えば、オペレータが)拘束システム92をロック解除した後に、避難用プラットフォーム20を支援のために使用して(単複の)ゲスト16を立たせることができる。乗り物が通路26を含むいくつかの実施形態では、プロセス200が、(単複の)避難用プラットフォーム20から通路26上への(単複の)ゲスト16の移動を可能にする(ブロック206)ことができる。その後、プロセス200は、通路26を介して(単複の)ゲスト16の避難を行う(ブロック212)ことができる。
【0043】
乗客区画160を含む実施形態では、プロセス200が、1又は2以上のゲスト16の乗客区画160への乗り込みを可能にする(ブロック208)ことができる。例えば、乗客区画160は、(単複の)ゲスト16を乗客区画160に乗り込ませる前に仕切り162及び/又は手すり164を展開することによって準備することができる。その後、拘束システム92を介して(単複の)ゲスト16を乗客区画160内のシート/ベンチ上に固定し、避難用プラットフォーム20を使用して(単複の)ゲスト16を輸送して、例えば固定施設プラットフォーム上に避難させる(ブロック212)ことができる。
【0044】
避難用シャトル40を含む実施形態では、プロセス200が、1又は2以上の避難用シャトル40上への(単複の)ゲスト16の移動を可能にする(ブロック210)ことができる。上述したように、(単複の)避難用シャトル40は推進用のモータを含むことができ、従ってRCU及び/又は制御システム22を介して避難地点に向かうことができる。(単複の)避難用シャトル40が牽引される実施形態では、(単複の)避難用プラットフォーム20などの牽引車両が(単複の)避難用シャトル40を避難地点まで牽引することができる。その後、(単複の)避難用シャトル40は、例えば固定施設プラットフォーム上に(単複の)ゲスト16を避難させる(ブロック212)ことができる。(単複の)ゲスト16が避難する(ブロック212)と、プロセス200は、(単複の)避難用プラットフォーム20に指定停車エリアに戻ってバッテリを再充電して仕切り162、手すり164及び/又はメンテナンス用足場50を収容するように指示する(ブロック214)ことができる。(単複の)避難用シャトル40は、他の輸送のために使用できるシャトルとは対照的に避難のためだけに使用することができる。
【0045】
上述したように、本開示の乗り物システムは、遊園地の乗り物システムの動作中におけるゲスト体験を強化する上で有用な1又は2以上の技術的効果を提供することができる。例えば、乗り物システムの実施形態は、避難用プラットフォームを含むことができる。避難用プラットフォームは、ゲストが乗り物車両から避難通路上に渡り歩くための橋として使用することができる。避難用プラットフォームは、乗客区画をさらに含むことができ、避難車両として使用することができる。また、避難用プラットフォームは、ゲストを避難用シャトルに乗り込ませるために使用することもできる。さらに、避難用プラットフォームは、乗り物のメンテナンスのために使用することもでき、検査及び/又はメンテナンス作業のために乗り物の様々なエリアに到達するのに適した1又は2以上の展開可能な足場を含むことができる。避難用プラットフォームは、軌道システムの輪郭に従うことができ、従って軌道システムと共にターン、バンク、ロールなどを行うことができる。本明細書における技術的効果及び技術的問題は一例であって限定ではない。本明細書で説明した実施形態は、他の技術的効果を奏することもでき、他の技術的課題を解決することもできる。
【0046】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。
【0047】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0048】
10 乗り物システム
12 乗り物車両
14 レールシステム
16 遊園地ゲスト
18 乗車エリア
20 可動式避難用プラットフォーム
22 コントローラシステム
23 内部モータ
24 外部モータ
32 メモリ
34 プロセッサ