(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】RIP1阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07C 259/06 20060101AFI20240520BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240520BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240520BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240520BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240520BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240520BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240520BHJP
A61K 31/165 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
C07C259/06 CSP
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P25/28
A61P31/12
A61P37/02
A61P35/00
A61K31/165
(21)【出願番号】P 2021529088
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 CN2019119676
(87)【国際公開番号】W WO2020103859
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/116555
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521163651
【氏名又は名称】シロナックス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】スー,ヤンイン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジユアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,グオジェン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ウェンドン
(72)【発明者】
【氏名】マー,ヨンフェン
(72)【発明者】
【氏名】レン,ヤン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-502101(JP,A)
【文献】国際公開第2018/192416(WO,A1)
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2017年,Vol.60(3),p.972-986
【文献】Chemistry - A European Journal,2015年,Vol.21(34),p.12053-12060
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは立体異性体:
【化1】
【請求項2】
請求項1に記載の化合物と、1種以上の薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物であって、該化合物の治療有効量が単位剤形中に含まれる医薬組成物。
【請求項3】
ネクローシス、フェロトーシス、もしくはこれらに関連する疾患の阻害を必要とするヒトにおいて、これらの阻害に使用するための、請求項1に記載の化合物または請求項2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
腫瘍壊死因子α(TNF-α)による核内因子κB(NF-κB)の活性化は、免疫系や炎症反応において中心的な役割を果たしている。受容体相互作用タンパク質1(Receptor-interacting protein 1:RIP1)は、NF-κBの活性化、アポトーシス、ネクロトーシスを媒介する多機能なシグナル伝達物質である。RIP1のキナーゼ活性は、ネクローシス性細胞死のカスパーゼ非依存性経路の1つであるネクロトーシスの媒介に重要な役割を果たしている(Holler et al. Nat Immunol 2000; 1: 489-495; Degterev et al. Nat Chem Biol 2008; 4: 313-321)。
【0002】
ネクロトーシスは、虚血性脳損傷、神経変性疾患、ウイルス感染症など、様々な病理学的形態の細胞死に関与している(Dunai, et al., Dec 2011, Pathol. Oncol. Res.: POR 17 (4): 791-800)。ネクロスタチン-1(Nec-1)は、RIP1キナーゼ活性を阻害する低分子化合物で、ネクロトーシスを阻害することができる(Degterev et al. Nat Chem Biol 2005; 1: 112-119)。
【0003】
RIP1は、D-1免疫療法抵抗性に関与し(例えば、Manguso et al., 2017 Nature 547, 413-418)、腫瘍免疫を制御するチェックポイントキナーゼとしての作用を有すると考えられている(例えば、Wang et al., Cancer Cell 34, 757-774, Nov 12, 2018)。
【0004】
関連する特許公開公報としては、US9974762、US10092529、US6756394、US8278344、US2012122889、US2009099242、US2010317701、US2011144169、US20030083386、US20120309795、WO2009023272、WO2010075290、WO2010075561、WO2012125544が挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、またはこれらに関連する疾患の阻害剤である化合物、およびそのプロドラッグ、すなわち、通常腸内または血液中で加水分解されることによって当該阻害剤へと変化する薬、を提供する。この阻害剤は、肝ミクロソームのデータやPKデータから、予想外に優れた代謝安定性を示すことが確認されている。
【0006】
一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、またはこれらに関連する疾患の阻害剤のプロドラッグ化合物が提供され、すなわち、下記の構造:
【化1】
(式中、Rは、CO(R
3)、PO(OR
4)
2、またはCOR
5である)、
すなわち、
【化2】
(式中、
R
1は、C
5またはC
6のアリールであり;
R
2は、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子であり;
R
3は、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子であり;
R
4およびR
4'は、それぞれ独立して、HまたはCH
3であり;
R
5は、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子である)
を有するプロドラッグ化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、もしくは立体異性体が提供される。
【0007】
実施形態において、
本発明の化合物は、下記の構造:
【化3】
を有する。
R
1は、
(a) 置換もしくは無置換のフェニル;
(b) 置換もしくは無置換の2-ピリジン、3-ピリジン、もしくは4-ピリジン;
(c) 置換もしくは非置換のピリミジン;または
(d) 置換もしくは無置換のチオフェン
である。
R
1は、ハロゲン置換または無置換のフェニルであり;
R
1は、3,5-ジフルオロフェニルであり;
R
2は、1~4個のフッ素原子でフッ素化されていてもよい、1,1-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロパ-2-エニル、または1,1-ジメチルプロパ-2-イニルであり;
R
3は、OEt、ピリジン、OEtOMe、またはOEtOEtOMeであり;
R
5は、COC(CH
3)
3であり;
本発明の化合物は、1個以上の重水素同位体を含み;かつ/あるいは
R
2は1,1-ジメチルプロピルであり、本発明の化合物は、2個または4個の重水素同位体を含む。
【0008】
別の一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、もしくはこれらに関連する疾患の阻害剤であるアミド化合物、またはそのプロドラッグが提供され、すなわち、下記の構造:
【化4】
(式中、
R
1は、ハロゲン置換または無置換のフェニルであり;
R
2は、1~4個のフッ素原子でフッ素化されていてもよい、1,1-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロパ-2-エニル、または1,1-ジメチルプロパ-2-イニルである)
を有する化合物、または該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、スルホンアミド、もしくは立体異性体が提供される。
【0009】
実施形態において、R1は、ハロゲン置換または無置換のフェニルであり;本発明の化合物は、1個以上の重水素同位体を含む。R2は、2個または4個の重水素同位体を含む1,1-ジメチルプロピルである。
【0010】
別の一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、もしくはこれらに関連する疾患の阻害剤である化合物、またはそのスルホンアミドもしくはプロドラッグが提供され、表1もしくは表2に記載の構造を有する化合物、特に化合物2、化合物13、化合物15、化合物19、化合物26、化合物27、化合物28、化合物29、化合物30および化合物31、特に化合物13および化合物26が提供される。
【0011】
別の一態様では、本発明により、開示されたプロドラッグと、このプロドラッグに対応する、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、もしくはこれらに関連する疾患の阻害剤との混合物、またはネクローシス、フェロトーシス、ヒトRIP1、もしくはこれらに関連する疾患の阻害剤である開示された化合物とそのプロドラッグとの混合物が提供される。
【0012】
別の一態様では、本発明により、開示された化合物または混合物と、1種以上の薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物であって、好ましくは、該化合物または該混合物が単位剤形中および単位用量中に含まれる医薬組成物が提供される。
【0013】
別の一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、またはこれらに関連する疾患の阻害を必要とするヒトにおいて、これらを阻害するための医薬の製造における、開示された化合物、混合物、または組成物の使用が提供される。
【0014】
別の一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、もしくはこれらに関連する疾患の阻害を必要とするヒトにおいて、これらを阻害するための開示された化合物、混合物、もしくは組成物の使用、またはネクローシス、フェロトーシス、ヒトRIP1、もしくはこれらに関連する疾患の阻害を必要とするヒトにおいて、これらを阻害するための医薬の製造における、開示された化合物、混合物、もしくは組成物の使用が提供される。
【0015】
別の一態様では、本発明により、ネクローシス、フェロトーシス、ヒト受容体相互作用タンパク質1キナーゼ(RIP1)、またはこれらに関連する疾患を阻害する方法であって、これらの阻害を必要とするヒトに、開示された化合物、混合物、または組成物を投与することを含む方法が提供される。
【0016】
実施形態において、関連する疾患は、脳損傷、神経変性疾患、ウイルス感染症、免疫寛容、がんなどであり、例えば、膵臓がんおよびメラノーマにおける腫瘍免疫が亢進される。
【0017】
本発明は、本明細書に記載された個々の実施形態のあらゆる組み合わせを包含するものであり、それらはすべて本明細書に記載されているものとする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に記載されている実施例および実施形態は、単に本発明を説明するためのものであり、これらの実施例および実施形態に基づいて、様々な変形または変更が可能であることは当業者には明らかであり、またそのような変形または変更は本願の精神および範囲ならびに添付の請求項の範囲内に含まれるものである。本明細書に引用されたすべての出版物、特許および特許出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0019】
「アルキル」は、炭素数1~18、炭素数1~12または炭素数1~6の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基から選択される炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、1-プロピルまたはn-プロピル(「n-Pr」)、2-プロピルまたはイソプロピル(「i-Pr」)、1-ブチルまたはn-ブチル(「n-Bu」)、2-メチル-1-プロピルまたはイソブチル(「i-Bu」)、1-メチルプロピルまたはs-ブチル(「s-Bu」)、および1,1-ジメチルエチルまたはt-ブチル(「t-Bu」)が挙げられる。アルキル基のその他の例としては、1-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-2-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、3-メチル-1-ブチル基、2-メチル-1-ブチル基、1-ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-メチル-2-ペンチル基、3-メチル-2-ペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、3-メチル-3-ペンチル基、2-メチル-3-ペンチル基、2,3-ジメチル-2-ブチル基および3,3-ジメチル-2-ブチル基が挙げられる。
【0020】
低級アルキルは、炭素数が1~8、好ましくは1~6、より好ましくは1~4であることを意味する。低級アルケニルまたは低級アルキニルは、炭素数が2~8、2~6または2~4であることを意味する。
【0021】
「アルケニル」は、少なくとも1つのC=C二重結合を含み、かつ炭素数2~18、炭素数2~12または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の炭化水素基から選択される炭化水素基を指す。アルケニル基の例は、エテニル基またはビニル基、プロパ-1-エニル基、プロパ-2-エニル基、2-メチルプロパ-1-エニル基、ブタ-1-エニル基、ブタ-2-エニル基、ブタ-3-エニル基、ブタ-1,3-ジエニル基、2-メチルブタ-1,3-ジエン基、ヘキサ-1-エニル基、ヘキサ-2-エニル基、ヘキサ-3-エニル基、ヘキサ-4-エニル基、およびヘキサ-1,3-ジエニル基から選択してもよい。
【0022】
「アルキニル」は、少なくとも1つのC≡C三重結合を含み、かつ炭素数2~18、炭素数2~12または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の炭化水素基から選択される炭化水素基を指す。アルキニル基の例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル(プロパルギル)基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、および3-ブチニル基が挙げられる。
【0023】
「シクロアルキル」は、単環基および多環基(たとえば二環基および三環基)を含む、飽和環式炭化水素基および部分不飽和環式炭化水素基から選択される炭化水素基を指す。たとえば、シクロアルキル基の炭素数は、3~12、3~8または3~6であってもよい。また、たとえば、シクロアルキル基は、炭素数3~12、炭素数3~8または炭素数3~6の単環基であってもよい。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-シクロペンタ-1-エニル基、1-シクロペンタ-2-エニル基、1-シクロペンタ-3-エニル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキサ-1-エニル基、1-シクロヘキサ-2-エニル基、1-シクロヘキサ-3-エニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、およびシクロドデシル基が挙げられる。二環式シクロアルキル基の例としては、[4,4]環系、[4,5]環系、[5,5]環系、[5,6]環系および[6,6]環系から選択される二環基として7~12個の環原子が配置された基、ならびにビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンおよびビシクロ[3.2.2]ノナンから選択される架橋二環基として7~12個の環原子が配置された基が挙げられる。これらの環は、飽和していてもよく、少なくとも1つの二重結合を有していてもよい(すなわち部分的に不飽和であってもよい)が、完全には共役しておらず、本明細書で定義されるような芳香環ではない。
【0024】
本明細書において「アリール」は、5員または6員の炭素環式芳香環(たとえばフェニルなど);少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である二環系(7~12員の二環系など)(たとえば、ナフタレン、インダンおよび1,2,3,4-テトラヒドロキノリンから選択される二環系など);ならびに少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である三環系(10~15員の三環系など)(たとえばフルオレンなど)から選択される基を指す。
【0025】
たとえば、アリール基は、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい5~7員のシクロアルキル環または複素環と縮合した5員または6員の炭素環式芳香環から選択され、炭素環式芳香環が複素環と縮合している場合、結合点は炭素環式芳香環にあり、炭素環式芳香環がシクロアルキル基と縮合している場合、結合点は、炭素環式芳香環にあってもよく、シクロアルキル基にあってもよい。置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価基は、置換フェニレン基と呼ばれる。名称が「イル」で終わる一価の多環式炭化水素基において、自由原子価を有する炭素原子から1つの水素原子を除去することにより得られる二価の基は、それに対応する一価の基の名称に「イデン」を付けて命名され、たとえば、2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと呼ばれる。
【0026】
「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0027】
「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含むアルキルを指す。
【0028】
「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である5~7員の芳香族単環基;N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である8~12員の二環基であって、少なくとも一方の環が芳香環であり、少なくとも1個のヘテロ原子が該芳香環に存在する二環基;ならびに、N、OおよびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である11~14員の三環基であって、少なくとも1つの環が芳香環であり、少なくとも1個のヘテロ原子が芳香環に存在する三環基から選択される基を指す。
【0029】
たとえば、ヘテロアリール基には、5~7員のシクロアルキル環と縮合した5~7員の複素環式芳香環が含まれる。このような、1つの環のみに少なくとも1個のヘテロ原子が含まれる縮合二環式ヘテロアリール環系では、結合点は、複素環式芳香環にあってもよく、シクロアルキル環にあってもよい。
【0030】
ヘテロアリール基において、S原子とO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基におけるS原子とO原子の総数は2以下である。いくつかの実施形態において、芳香族複素環におけるS原子とO原子の総数は1以下である。
【0031】
ヘテロアリール基の例としては、(結合位置を1位として番号を付けた場合)ピリジル(たとえば、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジル)、シンノリニル、ピラジニル、2,4-ピリミジニル、3,5-ピリミジニル、2,4-イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、チエニル、トリアジニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フタラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、トリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピラゾリル、ピロロピリジニル(たとえば1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)、ピラゾロピリジニル(たとえば1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)、ベンゾオキサゾリル(たとえばベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)、プテリジニル、プリニル、1-オキサ-2,3-ジアゾリル、1-オキサ-2,4-ジアゾリル、1-オキサ-2,5-ジアゾリル、1-オキサ-3,4-ジアゾリル、1-チア-2,3-ジアゾリル、1-チア-2,4-ジアゾリル、1-チア-2,5-ジアゾリル、1-チア-3,4-ジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フロピリジニル、ベンゾチアゾリル(たとえばベンゾ[d]チアゾール-6-イル)、インダゾリル(たとえば1H-インダゾール-5-イル)および5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
「複素環式」、「複素環」または「ヘテロシクリル」は、酸素、硫黄および窒素から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子に加えて、少なくとも1個の炭素原子を含む4~12員の単環式、二環式または三環式の飽和環または部分不飽和環から選択される環を指す。また、「複素環」は、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5~7員の複素環が、5員、6員および/または7員のシクロアルキル環、炭素環式芳香環または複素環式芳香環と縮合した基も指し、該複素環が炭素環式芳香環または複素環式芳香環と縮合している場合、結合点は該複素環にあり、該複素環がシクロアルキルと縮合している場合、結合点は、シクロアルキル環にあってもよく、該複素環にあってもよい。
【0033】
さらに、「複素環」は、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む脂肪族スピロ環も指すが、この場合、結合点は複素環にある。これらの環は、飽和していてもよく、少なくとも1つの二重結合を有していてもよい(すなわち部分的に不飽和であってもよい)。複素環はオキソで置換されていてもよい。結合点は、複素環の炭素にあってもよく、複素環のヘテロ原子にあってもよい。複素環は、本明細書で定義されるヘテロアリールではない。
【0034】
複素環の例としては、(結合位置を1位として番号を付けた場合)1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、2,4-イミダゾリジニル、2,3-ピラゾリジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、2,5-ピペラジニル、ピラニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジオキセパニル、1,4-オキサチエパニル、1,4-オキサアゼパニル、1,4-ジチエパニル、1,4-チアゼパニル、1,4-ジアゼパン、1,4-ジチアニル、1,4-アザチアニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、ピリミジノニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。置換複素環には、1つ以上のオキソ部分で置換された環系、たとえば、ピペリジニルN-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-1-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-1-チオモルホリニルなども含まれる。
【0035】
本明細書において「縮合環」は、2つの環が2個の環原子と1本の結合のみを共有する多環系(たとえば二環系または三環系)を指す。縮合環の例として、前述した[4,4]環系、[4,5]環系、[5,5]環系、[5,6]環系および[6,6]環系から選択される二環基として7~12個の環原子が配置された基などの、縮合二環式シクロアルキル環;前述した7~12員の二環式アリール環系などの縮合二環式アリール環;前述した10~15員の三環式アリール環系などの縮合三環式アリール環;前述した8~12員の二環式ヘテロアリール環などの縮合二環式ヘテロアリール環;前述した11~14員の三環式ヘテロアリール環などの縮合三環式ヘテロアリール環;ならびに前述した縮合二環式ヘテロシクリル環および縮合三環式ヘテロシクリル環を挙げることができる。
【0036】
実施形態において、置換基は、置換されていてもよいヘテロ原子、および置換されていてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよく、環状であってもよいC1-C18ヒドロカルビルから選択される。特に、置換されていてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよく、環状であってもよいC1-C18ヒドロカルビルは、置換されていてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよく、環状であってもよいアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、もしくは置換されていてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリールであり、かつ/または置換されていてもよいヘテロ原子は、ハロゲン、置換されていてもよいヒドロキシル(アルコキシ、アリールオキシなど)、置換されていてもよいアシル(ホルミル、アルカノイル、カルバモイル、カルボキシル、アミドなど)、置換されていてもよいアミノ(アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、スルファミジルなど)、置換されていてもよいチオール(メルカプト、アルキルチオール、アリールチオールなど)、置換されていてもよいスルフィニルもしくはスルホニル(アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニルなど)、ニトロもしくはシアノである。
【0037】
実施形態において、置換基は、ハロゲン、-R’、-OR’、=O、=NR’、=N-OR’、-NR’R’’、-SR’、-SiR’R’’R’’’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NR’-SO2NR’’’、-NR’’CO2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-SO2R’、-SO2NR’R’’、-NR’’SO2R、-CN、-NO2、-N3、-CH(Ph)2、パーフルオロ(C1-C4)アルコキシおよびパーフルオロ(C1-C4)アルキルから選択され、置換基の数は0~3個であり、0個、1個または2個の置換基を有する基が特に好ましい。R’、R’’およびR’’’は、それぞれ独立して、水素、無置換の(C1-C8)アルキルもしくはヘテロアルキル、1~3個のハロゲンで置換された(C1-C8)アルキルもしくはヘテロアルキル、無置換のアリール、1~3個のハロゲンで置換されたアリール、無置換のアルキル基、無置換のアルコキシ基、無置換のチオアルコキシ基、またはアリール-(C1-C4)アルキル基を指す。R’およびR’’が同じ窒素原子に結合している場合、R’およびR’’はこの窒素原子と一緒になって5員環、6員環または7員環を形成することができる。したがって、-NR’R’’は、1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含み、「アルキル」は、トリハロアルキル(たとえば-CF3や-CH2CF3)などの基を含み、アリール基が1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンである場合、このアリール基は、置換または無置換の(C3-C7)スピロシクロアルキル基で置換されていてもよい。この(C3-C7)スピロシクロアルキル基は、本明細書で定義される「シクロアルキル」と同様に置換されていてもよい。
【0038】
好ましい置換基は、ハロゲン、-R’、-OR’、=O、-NR’R’’、-SR’、-SiR’R’’R’’’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’’CO2R’、-NR’-SO2NR’’R’’’、-S(O)R’、-SO2R’、-SO2NR’R’’、-NR’’SO2R、-CN、-NO2、パーフルオロ(C1-C4)アルコキシおよびパーフルオロ(C1-C4)アルキルから選択される(ここで、R’およびR’’は上記で定義したとおりである)。
【0039】
好ましい置換基は本明細書において開示されており、その具体例は、表、構造、実施例および請求項に記載されており、本発明の様々な化合物に適用してもよく、すなわち、所与の化合物の置換基と別の化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0040】
特定の実施形態において、適用可能な置換基は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のヘテロ原子、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは無置換のC1-C6アルキル、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは無置換のC2-C6アルケニル、0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは無置換のC2-C6アルキニル、または0~3個のヘテロ原子を有する置換もしくは無置換のC6-C14アリールであり、各ヘテロ原子はそれぞれ独立して酸素、リン、硫黄または窒素である。
【0041】
さらに特定の実施形態において、適用可能な置換基は、それぞれ独立して、アルデヒド、アルジミン、アルカノイルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルオキシ、アルキル、アミン、アゾ、ハロゲン、カルバモイル、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシル、シアニル、エステル、ハロ、ハロホルミル、ヒドロパーオキシル、ヒドロキシル、イミン、イソシアニド、イソシアネート、N-tert-ブトキシカルボニル、ニトラート、ニトリル、ニトリット、ニトロ、ニトロソ、ホスフェート、ホスホノ、スルフィド、スルホニル、スルホ、スルフヒドリル、チオール、チオシアニル、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメチルエーテル(OCF3)である。
【0042】
本発明の化合物は不斉中心を有していてもよく、したがって、エナンチオマーとして存在していてもよい。本発明の化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、さらにジアステレオマーとして存在していてもよい。エナンチオマーおよびジアステレオマーは、より広い定義である立体異性体に含まれる。実質的に純粋に分割されたエナンチオマー、そのラセミ体混合物、ジアステレオマーの混合物などの、存在しうるあらゆる立体異性体が本発明に含まれるものとする。また、本発明の化合物のあらゆる立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩が本発明に含まれるものとする。本明細書に特に記載がない限り、1種の異性体に対する言及は、存在しうるあらゆる異性体にも適用されるものとする。異性体組成が明記されていない場合、存在しうるあらゆる異性体が含まれるものとする。
【0043】
「実質的に純粋」とは、目的の立体異性体が、その他の立体異性体を、35重量%以下、たとえば30重量%以下、さらにたとえば25重量%以下、さらにたとえば20重量%以下しか含んでいないことを意味する。いくつかの実施形態において、「実質的に純粋」とは、目的の立体異性体が、その他の立体異性体を、10重量%以下、たとえば5重量%以下、たとえば1重量%以下しか含んでいないことを意味する。
【0044】
本明細書に具体的な記載がない限り、本発明の化合物がオレフィン二重結合を有する場合、このような二重結合は、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方が含まれることを意味する。
【0045】
本発明の化合物のいくつかは、水素の結合点が異なっていてもよく、このような化合物を互変異性体と呼ぶ。たとえば、カルボニル基(-CH2C(O)-)を有する化合物(ケト型)は、互変異性によりヒドロキシル基(-CH=C(OH)-)(エノール型)を形成することがある。該当する場合は、ケト型とエノール型の両方、ケト型とエノール型のいずれか、およびケト型とエノール型の混合物が含まれるものとする。
【0046】
様々な反応生成物を互いに分離したり、かつ/または出発原料から反応生成物を分離すると有利な場合がある。各工程または一連の工程で得られる所望の生成物を、当技術分野で一般的な技術により、所望の均質性が得られるまで、分離および/または精製(以下、「分離」と呼ぶ)する。通常、このような分離には、多相抽出、単一溶媒または混合溶媒からの結晶化、蒸留、昇華またはクロマトグラフィーが含まれる。クロマトグラフィーには様々な方法が含まれ、たとえば、逆相クロマトグラフィーおよび順相クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー;高圧、中圧および低圧での液体クロマトグラフ法およびクロマトグラフ装置;少量分析クロマトグラフィー;疑似移動床(「SMB」)クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取厚層クロマトグラフィー;少量薄層クロマトグラフィー技術、ならびにフラッシュクロマトグラフィー技術が挙げられる。当業者であれば、所望の分離を最も達成できそうな技術を適用することができるであろう。
【0047】
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化などの当業者に公知の方法を使用して、物理化学的差異に基づいて各ジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマー混合物は、適切な光学活性化合物(たとえば、キラルアルコールやモッシャー酸塩化物などのキラル補助剤)と反応させてジアステレオマー混合物に変換した後、ジアステレオマーを分離し、得られた各ジアステレオマーを、それぞれに対応する純粋なエナンチオマーに変換(たとえば加水分解)することによって、エナンチオマーを分離することができる。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムを使用して分離することもできる。
【0048】
単一の立体異性体(たとえば、実質的に純粋なエナンチオマー)は、光学活性な分割剤を使用してジアステレオマーを形成させるなどの方法でラセミ混合物を分割することによって得てもよい。本発明のキラル化合物からなるラセミ混合物は、適切な方法によって分離および単離することができ、たとえば(1)キラル化合物を作用させてイオン性ジアステレオマー塩を形成させ、分別結晶化などの方法で分離する方法、(2)キラル誘導体化試薬を使用してジアステレオマー化合物を形成させ、ジアステレオマーを分離し、純粋な立体異性体に変換する方法、および(3)キラル条件下で、実質的に純粋な立体異性体または富化された立体異性体を直接分離する方法によって分離および単離することができる。
【0049】
「薬学的に許容される塩」として、たとえば、塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩などから選択される無機酸塩、およびたとえば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、アルカン酸塩(酢酸塩など)、HOOC-(CH2)n-COOH(nは0~4から選択される)との塩などから選択される有機酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、薬学的に許容されるカチオンの例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
さらに、化合物が酸付加塩として得られた場合、この酸付加塩の溶液を塩基性にすることによって遊離塩基を得ることができる。これとは逆に、得られた生成物が遊離塩基である場合、塩基性化合物から酸付加塩を調製する従来の方法に従って、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、得られた溶液を酸で処理することによって付加塩(薬学的に許容される付加塩など)を得てもよい。当業者であれば、過度の実験を行うことなく、使用可能な様々な合成方法を適切に選択して、薬学的に許容される無毒な付加塩を調製することができるであろう。
【0051】
「治療すること」、「治療する」または「治療」は、少なくとも1種の化合物、少なくとも1種のその立体異性体、および/または少なくとも1種のそれらの薬学的に許容される塩を、これらの投与が必要であると認められた対象に投与することを指す。
【0052】
「有効量」は、対象における疾患または障害の「治療」に有効であり、たとえば投与した場合などに、組織、系、動物またはヒトにおいて所望の生物学的反応または医学的反応をある程度有意な程度で誘導し、治療の対象となる病態または障害の1つ以上の症状の進展を阻止したり、これらの症状をある程度まで緩和したりするのに十分な量の少なくとも1種の化合物、少なくとも1種のその立体異性体および/または少なくとも1種のそれらの薬学的に許容される塩を指す。治療有効量は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療を受ける哺乳動物の年齢や体重などに応じて異なる。
【0053】
「少なくとも1つの置換基」は、たとえば1~4つの置換基、たとえば1~3つの置換基、さらにたとえば1つまたは2つの置換基を含む。たとえば、本明細書において「少なくとも1つの置換基R16」は、本明細書に記載のR16の一覧から選択される1~4つの置換基、たとえば1~3つの置換基、さらにたとえば1つまたは2つの置換基を含む。
【0054】
本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩を単独で使用して治療を行ってもよく、あるいは本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩を少なくとも1種の別の治療剤と併用して治療を行ってもよい。いくつかの実施形態において、本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、少なくとも1種のさらなる治療剤と併用することができる。本明細書で開示される化合物および/または1種の薬学的に許容される塩は、少なくとも1種の別の治療剤と一緒に1つの単位剤形として、またはそれぞれ別々の剤形として投与してもよい。別々の剤形として投与する場合、少なくとも1種の別の治療剤は、本明細書で開示される化合物および/または1種の薬学的に許容される塩の投与前、それと同時、またはその後に投与してもよい。
【0055】
さらに、本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。
【0056】
本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む組成物は、経口投与、局所投与、直腸投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、埋め込みリザーバーからの投与などの様々な公知の方法で投与することができるが、いずれの場合も、最も適切な経路は、各レシピエント、ならびに有効成分の投与を行う病態の特性および重症度によって決定される。本明細書において「非経口」は、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、筋肉内注射、関節内注射、動脈内注射、滑液包内注射、胸骨内注射、髄腔内注射、病巣内注射、頭蓋内注射または輸注を包含する。本明細書で開示される組成物は、簡便に単位剤形として提供してもよく、当技術分野でよく知られている方法であれば、どのような方法で調製してもよい。
【0057】
本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、カプセル剤、錠剤、トローチ剤、糖衣錠、顆粒剤、散剤などの固形剤形で、あるいはエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤、懸濁剤などの液体剤形で経口投与することができる。また、本明細書で開示される本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、分散剤、懸濁剤、液剤などの無菌液体剤形で非経口投与することもできる。本明細書で開示される本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、その他の剤形を使用して投与することもでき、局所投与用の軟膏剤、クリーム剤、点滴剤、経皮パッチまたは散剤として投与することもでき、眼投与用の眼科用液剤または眼科用懸濁剤(すなわち点眼剤)として投与することもでき、吸入用または鼻腔内投与用のエアゾールスプレーまたはエアゾールパウダー組成物として投与することもでき、直腸投与用または膣内投与用のクリーム剤、軟膏剤、スプレー剤または坐剤として投与することもできる。
【0058】
本明細書で開示される化合物および/または少なくとも1種のその薬学的に許容される塩と、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体とを含むゼラチンカプセル剤を使用することもできる。同様の希釈剤を使用して圧縮錠剤を製造することもできる。錠剤およびカプセル剤は、一定時間にわたって薬剤を連続放出するための徐放製剤として製造することもできる。圧縮錠剤を糖類でコーティングしたり、フィルムでコーティングしたりすることにより、不快な味をマスクしたり、錠剤を大気から保護したりすることができ、あるいは腸溶コーティングを施すことにより、消化管において選択的に崩壊させることもできる。
【0059】
経口投与用の液体剤形は、患者が服用しやすいように、着色剤および香料から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含むことができる。
【0060】
通常、非経口液剤用の適切な担体の例として、水、適切な油剤、生理食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、関連する糖溶液、およびグリコール類(プロピレングリコールやポリエチレングリコールなど)を挙げることができる。非経口投与用の液剤は、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物の水溶性塩、少なくとも1種の適切な安定化剤、および、必要であれば、少なくとも1種の緩衝物質を含んでいてもよい。適切な安定化剤の例として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤を挙げることができ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。また、適切な安定化剤の例として、クエン酸もしくはその塩、またはEDTAナトリウムを使用することもできる。さらに、非経口液剤は、たとえば塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびクロロブタノールから選択される少なくとも1種の保存剤を含んでいてもよい。
【0061】
薬学的に許容される担体は、たとえば、組成物中の有効成分と適合性があり(いくつかの実施形態においては、有効成分を安定化でき)、治療を受ける対象に対して有害ではない担体から選択される。たとえば、シクロデキストリン(シクロデキストリンは、本明細書で開示される少なくとも1種の化合物および/または少なくとも1種の薬学的に許容される塩と溶解性の高い特定の錯体を形成可能である)などの可溶化剤を、有効成分の送達用の医薬添加剤として使用することができる。その他の担体の例としては、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウムおよび顔料(D&C Yellow#10など)が挙げられる。薬学的に許容される適切な担体は、当技術分野における標準的な参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences, A. Osolに記載されている。
【0062】
吸入投与する場合、本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、簡便に、加圧容器または吸入器からエアロゾルスプレーの形態で送達してもよい。また、本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩は、粉末の状態で、散剤として製剤化して送達してもよく、このような粉末組成物は、吹送用粉末吸入器を使用して吸入してもよい。吸入用の送達系の一例として、定量吸入(MDI)エアロゾルを挙げることができ、このような定量吸入(MDI)エアロゾルは、たとえばフルオロカーボンや炭化水素などから選択される少なくとも1種の適切な噴射剤中に、本明細書で開示される本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を含む懸濁剤または液剤として製剤化されていてもよい。
【0063】
眼投与する場合、本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を適切な眼科用溶媒中に適切な重量パーセントで含む懸濁剤または液剤として眼科用製剤を製剤化してもよく、これによって、本発明の化合物、その立体異性体または少なくとも1種のそれらの薬学的に許容される塩が角膜および眼の内部に浸透するのに十分な時間にわたって、本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩と眼の表面との接触が維持される。
【0064】
本明細書で開示される本発明の化合物、その立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩の投与に有用な医薬剤形として、硬ゼラチンカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、錠剤、非経口注射剤および経口懸濁剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
投与量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、疾患の程度、併用療法を実施している場合はその種類、治療の頻度、所望の作用の特性などの要因によって決定される。通常、有効成分の1日投与量は一概には決められないが、たとえば1日あたり0.1~2000mgであってもよい。たとえば、10~500mgを1日1回または複数回投与すると、所望の結果を得るのに有効である場合がある。
【0066】
いくつかの実施形態において、たとえば、本明細書で開示される粉末状の本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩100mg、乳糖150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを、2つのシェルからなる標準的な硬ゼラチンカプセルに充填することによって、多数の単位カプセル剤を調製することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩と、大豆油、綿実油、オリーブ油などの消化性の油との混合物を調製し、容積式ポンプを使用してゼラチンに注入することによって、100mgの有効成分を含む軟ゼラチンカプセル剤を調製することができる。得られたカプセルは、洗浄後、乾燥する。
【0068】
いくつかの実施形態において、たとえば、1回分の投薬量に、本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶性セルロース275mg、デンプン11mgおよび乳糖98.8mgが含まれるような錠剤を、従来の方法により大量に調製することができる。味を良くしたり、吸収を遅らせたりするために、適切なコーティングを施してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される化合物および/または少なくとも1種のそのエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩1.5重量%を、プロピレングリコール10体積%中に加えて撹拌することによって、注射での投与に適切な非経口組成物を調製することができる。得られた溶液は、注射用水で所望の量とし、滅菌する。
【0070】
いくつかの実施形態において、経口投与用の水性懸濁剤を調製することができる。たとえば、微粉化した本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩100mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム100mg、安息香酸ナトリウム5mg、ソルビトール溶液(米国薬局方)1.0gおよびバニリン0.025mlを含む水性懸濁剤5mlを使用することができる。
【0071】
本発明の化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩を段階的に投与したり、少なくとも1種の別の治療剤とともに投与する場合、通常、同じ剤形を使用することができる。薬剤を物理的に組み合わせて投与する場合、組み合わせる薬剤同士の適合性に応じて剤形および投与経路を選択すべきである。したがって、「同時投与」は、少なくとも2種の薬剤の同時投与または連続投与を含み、あるいは少なくとも2種の有効成分の多剤混合薬としての投与を含むと理解される。
【0072】
本明細書で開示される化合物、その立体異性体またはそれらの薬学的に許容される塩は、単一の有効成分として投与することができ、あるいは少なくとも1種の第2の有効成分と組み合わせて投与することができる。
【0073】
本発明の化合物は、医薬組成物または医薬製剤に組み込まれる。医薬組成物は、薬学的に許容される希釈剤および/または担体を含み、すなわち、生理学的に適合性があり、実質的に病原性不純物を含まない希釈剤または担体を含む。適切な添加剤または担体、および投与可能な組成物を調製する方法は、当業者に公知または明らかであり、Remington’s Pharmaceutical Science, Mack Publishing Co, NJ (1991)などの刊行物にさらに詳細に記載されている。医薬組成物は、当技術分野において公知の放出制御組成物または徐放性組成物の形態であってもよい。様々な用途において、本発明の化合物は朝/昼間に投与され、夜間は休薬時間とする。
【0074】
本発明の化合物は、そのまま使用してもよく、あるいは塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、トリフルオロ酢酸塩などの薬学的に許容される塩の形態で使用してもよい。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を有している場合、無溶媒あるいは適切な不活性溶媒中で所望の塩基を添加することにより塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、マグネシウム塩などが挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を有している場合、無溶媒あるいは適切な不活性溶媒中で所望の酸を添加することにより塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ヨウ化水素酸塩、亜リン酸塩などの無機酸由来の塩、および酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トリルスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などの、比較的毒性のない有機酸由来の塩が挙げられる。アルギニン酸塩などのアミノ酸塩、およびグルクロン酸塩またはガラクツロン酸塩などの有機酸塩も含まれる(たとえば、Berge et al, “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照されたい)。
【0075】
従来の方法により、前記塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することによって、中性の化合物を再生してもよい。親化合物は、極性溶媒への溶解度などの物理的特性の点で様々な塩の形態と異なるが、本発明の目的に対してその他の点では、塩は親化合物と同等である。
【0076】
本発明は、塩の形態に加えて、プロドラッグの形態の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下において容易に化学的に変化して本発明の化合物へと変換される化合物である。さらに、プロドラッグは、エクスビボ環境での化学的方法または生化学的方法によって本発明の化合物へと変換することができる。たとえば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬とともに経皮パッチのリザーバー内に封入すると、本発明の化合物に徐々に変換することができる。いくつかの状況下では、プロドラッグは親薬物よりも投与が容易であるため、有用である場合が多い。たとえば、プロドラッグは、経口投与によるバイオアベイラビリティが親薬物よりも良好である場合がある。また、プロドラッグは、薬理学的組成物中での溶解度が親薬物よりも高い場合がある。様々なプロドラッグ誘導体が当技術分野で公知であり、たとえば、加水分解または酸化的活性化を利用したプロドラッグなどが知られている。プロドラッグの例として、エステル(「プロドラッグ」)として投与され、代謝的に加水分解されて活性体であるカルボン酸に変換される本発明の化合物を挙げることができるが、これに限定されない。
【0077】
本発明の特定の化合物は、溶媒和されていない形態で存在していてもよく、水和形態を含む溶媒和された形態で存在していてもよい。通常、溶媒和形態は、溶媒和されていない形態と同じであり、本発明の範囲内に含まれるものとする。本発明の特定の化合物は、様々な結晶形態で存在していてもよく、非晶質形態で存在していてもよい。通常、本発明で想定される用途においては、あらゆる物理的形態が等価であり、いずれも本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0078】
本発明の化合物のうちのいくつかは、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し、本発明の化合物のラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体はいずれも本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0079】
本発明の化合物は、重水素などの同位体原子を自然界では見られない割合で構成原子の1個以上に含んでいてもよく、たとえば、メチルの代わりに-CD3、CD2HまたはCDH2を含んでいてもよい。たとえば、本発明の化合物は、たとえばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)、炭素14(14C)などの放射性同位体で放射性標識されていてもよい。同位体を含む本発明の化合物は、放射性であるか非放射性であるかにかかわらず、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0080】
本発明の化合物は、通常、「治療有効量」で投与され、すなわち、組織、系、動物またはヒトにおいて、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医が探求する生物学的反応または医学的反応を誘導することが可能な量の本発明の化合物が投与される。「治療有効量」は、本発明の化合物を投与した場合に、治療の対象となる病態または障害の1つ以上の症状の進展を阻止したり、これらの症状をある程度まで緩和したりするのに十分な量の化合物を包含する。治療有効量は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療を受ける哺乳動物の年齢や体重などに応じて異なる。
【0081】
前記接触は、通常、一般式I(前記参照)を有する1種以上の化合物の有効量を対象に投与することによって達成され、前述の様々な実施形態を包含する。通常、約0.1~50mg/kg、好ましくは0.5~10mg/kg、より好ましくは1~10mg/kgの治療投与量となるように調整して投与が行われるが、最適な投与量は化合物に応じて異なり、通常、実験を行うことにより化合物ごとに決定される。
【0082】
「単位剤形」は、ヒト対象およびその他の哺乳動物に対する単位用量として適切な、物理的に分割された単位を指し、各単位は、所望の治療効果がもたらされるように計算された所定量の活性物質と、適切な医薬添加剤とを含む。典型的な単位剤形として、あらかじめ計量した液体組成物を充填したアンプルまたはシリンジが挙げられ、固形組成物の場合は、丸剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤などが挙げられる。このような組成物において、ミメティックは、通常、(約0.1~約50重量%、または好ましくは約1~約40重量%の)微量成分として含まれ、所望の投与形態の形成を容易にするための加工助剤および様々な溶媒または担体が残りを占める。単位剤形製剤は、単位あたり約5mg、約10mg、約25mg、約50mg、約100mg、約250mg、約500mgまたは約1,000mgであることが好ましい。特定の一実施形態において、単位剤形は、連続使用に適したマルチパック包装に包装されており、たとえば、少なくとも6個、9個または12個の単位剤形を含むシートを含むブリスター包装に包装されている。
【0083】
本発明の組成物は、プログラムされた細胞死の治療のために、別の化合物と共に製剤化してもよく、かつ/または共に投与してもよい。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
合成
化合物1:N-(2-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミドの調製
【化5】
試薬と条件:(a)(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル、1N NaOH、TBAB、DCM;(b)TFA、DCM;(c)2,2-ジメチルブタノイルクロリド、NaHCO
3水溶液、THF、H
2O
【0096】
(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(70mg)と1-(ブロモメチル)-2-フルオロベンゼン(56.7mg)をCH2Cl2(7ml)に溶解させた。混合物に1M NaOH(0.33ml)と臭化テトラブチルアンモニウム(4.83mg)を添加し、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を水洗、Na2SO4で乾燥、減圧下濃縮、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)(2-フルオロベンジル)カルバミン酸tert-ブチルを得た(82mg、80%)。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.31-7.37 (m, 4H), 4.52(s, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.44 (s, 9H).
【0097】
上記中間体をCH2Cl2(2ml)に溶解させ、TFA(0.5ml)を0℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌、濃縮して、N-(2-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミンをTFA塩として得た(80mg)。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0098】
上記中間体をTHF(3ml)と水(3ml)に溶解させ、1mlの飽和NaHCO3水溶液を添加した。混合物を室温で30分間撹拌後、0℃まで冷却、2,2-ジメチルブタノイルクロリド(40mg)を添加し、一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物1を得た(32mg、全収率45%)。1HNMR (400MHz, CDCl3): δ 7.34 (td, J = 7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.30-7.25 (m, 1H), 7.12 (td, J = 7.5, 1.1 Hz, 1H), 7.09 - 7.03 (m, 1H), 4.96 (s, 2H), 1.66 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.24 (s, 7H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 240.3 (M+H+)
【0099】
化合物2:N-(3-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化6】
表題化合物2を、化合物1で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(70mg)、1-(ブロモメチル)-3-フルオロベンゼン(56.7mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(40.2mg)から、35%の収率で調製した。1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.34 - 7.27 (m, 1H), 7.07 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.02-6.96 (m, 2H), 4.87 (s, 2H), 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 240.4 (M+H
+).
【0100】
化合物3:N-(2-クロロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化7】
表題化合物3を、化合物1で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(70mg)、1-(ブロモメチル)-2-クロロベンゼン(61.5mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(40.2mg)から、33%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.36 (dd, J = 7.3, 1.9 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 7.3, 2.0 Hz, 1H), 7.28 - 7.22 (m, 2H), 5.01 (s, 2H), 1.65 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.23 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 256.4 (M+H
+)
【0101】
化合物4:N-(3-クロロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化8】
表題化合物4を、化合物1で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(70mg)、1-(ブロモメチル)-3-クロロベンゼン(61.5mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(40.2mg)から、30%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.30 - 7.26 (m, 3H), 7.19-7.16 (m, 1H), 4.85 (s, 2H), 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 256.3 (M+H
+)
【0102】
化合物5:N-(3-ブロモベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化9】
表題化合物5を、化合物1で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(70mg)、1-ブロモ-3-(ブロモメチル)ベンゼン(75mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(40.2mg)から、30%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.46 - 7.40 (m, 2H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 4.83 (s, 2H), 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.24 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 300.2, 302.4 (M+H
+)
【0103】
化合物6:N-ベンジル-3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化10】
N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(81.8mg)、3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパン酸(80mg)およびN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(147.2mg)の混合物を乾燥DMF(2mL)に溶解させ、0.27mlのDIEAを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物6を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38-7.32 (m, 3H), 7.30-7.27 (m, 2H), 4.89 (s, 2H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 262.2 (M+H
+)
【0104】
化合物7:N-ベンジル-N-ヒドロキシピバル酸アミド
【化11】
N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(50mg)を、1mlのTHF/H
2O(1:1)と0.25mlの飽和NaHCO
3水溶液に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、塩化ピバロイル(37.5mg)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。分取TLCにより精製して、化合物7を白色固形物として得た(130mg、46%)。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.40 - 7.32 (m, 3H), 7.31-7.29 (m, 2H), 4.93 (s, 2H), 1.33 - 1.31 (m, 9H). LC-MS (m/z) 208.3 (M+H
+)
【0105】
化合物8:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(ピリジン-2-イルメチル)ブタンアミド
【化12】
表題化合物8を、化合物1で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(119mg)、2-(ブロモメチル)ピリジン(88mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(68mg)から、31%の収率で調製した。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.38 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.75 - 7.65 (m, 1H), 7.31 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 - 7.16 (m, 1H), 4.97 (s, 2H), 1.78 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 223.5 (M+H
+).
【0106】
化合物9:N-(2,3-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化13】
試薬と条件:(a)NH
2OH・HCl、Na
2CO
3;(b)BH
3、Py;(c)2,2-ジメチルブタノイルクロリド、NaHCO
3、THF/H
2O、0℃で30分、室温で16時間
【0107】
2,3-ジフルオロベンズアルデヒド(400mg、2.81mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(215.15mg、3.10mmol、1.1当量)を、混合溶液(THF/EtOH/H2O、4/10/2mL)中室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して、(E)-2,3-ジフルオロベンズアルデヒドオキシムを白色固形物として得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した(400mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (s, 1H), 7.52 - 7.47 (m, 1H), 7.22 - 7.13 (m, 1H), 7.08 (tdd, J = 8.0, 4.8, 1.5 Hz, 1H).
【0108】
(E)-2,3-ジフルオロベンズアルデヒドオキシム(400mg)と8Mピリジン-ボラン錯体(0.64mL)の、5ml EtOHと2mL THF中混合物を、5℃未満に維持し、10%HCl(6.5mL)を滴下した。その後、混合物を30分で室温まで加温した。混合物をNa2CO3で中和、EtOAcで抽出し、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して、粗生成物としてN-(2,3-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミンを得た(310mg)。これを精製せずに直接次のステップで使用した。
【0109】
N-(2,3-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(100mg)を、2mlのTHF/H2O(1:1)と0.44mlの飽和NaHCO3水溶液に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、2,2-ジメチルブタノイルクロリド(92mg)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物9を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.03-7.13 (m, 3H), 4.96 (s, 2H), 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 3H), 1.24 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 258.3 (M+H+).
【0110】
化合物10:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(2,4,6-トリフルオロベンジル)ブタンアミド
【化14】
表題化合物10を、化合物9で概説した方法にしたがって、2,4,6-トリフルオロベンズアルデヒド(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(191mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.625mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(125mg)から、30%の収率で調製した。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.61-6.69 (m, 2 H),4.96 (s, 2H), 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 3H), 1.24 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 276.3 (M+H
+) .
【0111】
化合物11:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((パーフルオロフェニル)メチル)ブタンアミド
【化15】
表題化合物11を、化合物9で概説した方法にしたがって、2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンズアルデヒド(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(156mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.5mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(35mg)から、33%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 4.97 (s, 2H), 1.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 312.3 (M+H
+).
【0112】
化合物12:N-(3-シアノ-5-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化16】
表題化合物12を、化合物9で概説した方法にしたがって、3-フルオロ-5-ホルミルベンゾニトリル(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(232mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.6mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(353mg)から、33%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.43 (s, 1H), 7.29-7.32 (m, 2H), 4.89 (s, 2H), 1.69 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 265.4 (M+H
+).
【0113】
化合物13:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化17】
表題化合物13を、化合物9で概説した方法にしたがって、3,5-ジフルオロベンズアルデヒド(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(215.3mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.7mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(360mg)から、43%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.76 (s, 1H), 7.09 (td, J = 9.4, 2.1 Hz, 1H), 6.95 - 6.86 (m, 2H), 4.66 (s, 2H), 1.64 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.13 (s, 6H), 0.72 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 258.4 (M+H
+).
【0114】
化合物14:N-(2,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化18】
表題化合物を、化合物14で概説した方法にしたがって、2,5-ジフルオロベンズアルデヒド(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(215.3mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.7mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(223mg)から、43%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.89-7.02 (m, 3H), 4.97 (s, 2H), 1.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 258.3 (M+H
+).
【0115】
化合物15:N-(4-クロロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化19】
表題化合物15を、化合物9で概説した方法にしたがって、4-クロロベンズアルデヒド(300mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(163mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.53mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(314mg)から、40%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.31-7.34 (m, 2H), 7.18-7.25 (m, 2H), 4.85 (s, 2H), 1.68 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 256.3 (M+H
+).
【0116】
化合物16:N-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化20】
表題化合物16を、化合物9で概説した方法にしたがって、N-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(300mg)と2,2-ジメチルブタノイルクロリド(252mg)から、61.4%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.38 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 2.0 Hz, 9.6 Hz, 1H) 7.03-7.06 (m, 1H), 4.85 (s, 2H), 1.68 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H), 0.86 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 274.7 (M+H
+).
【0117】
化合物17:N-(3-クロロ-5-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化21】
表題化合物17を、化合物9で概説した方法にしたがって、N-(3-クロロ-5-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(300mg)と2,2-ジメチルブタノイルクロリド(252mg)から、65%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.10 (s, 1H), 7.04 (dt, 1H, J = 2.0 Hz, 8.4 Hz), 6.93-6.96 (m, 1H), 4.85 (s, 2H), 1.68 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.87 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 274.4 (M+H
+).
【0118】
化合物18:N-(4-ブロモベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化22】
表題化合物18を、化合物9で概説した方法にしたがって、4-ブロモベンズアルデヒド(400mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(165mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.56mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(358mg)から、40%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.82 (s, 2H), 1.66 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.24 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 300.2, 302.3 (M+H
+).
【0119】
化合物19:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタ-3-エナミド
【化23】
N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(140mg)、2,2-ジメチルブタ-3-エン酸(100mg)およびN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(252mg)の混合物を乾燥DMF(5mL)に溶解させ、0.45mlのDIEAを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。分取HPLCで精製して、化合物19を得た(14mg、7.3%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.39 - 7.24 (m, 4H), 6.03 (dd, J = 17.7, 10.5 Hz, 1H), 5.08 (dt, J = 13.5, 2.5 Hz, 2H), 4.85 (s, 2H), 1.36 (d, J = 1.3 Hz, 6H). LC-MS (m/z) 220.4 (M+H
+).
【0120】
化合物20:N-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)メチル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化24】
表題化合物20を、化合物9で概説した方法にしたがって、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-カルバルデヒド(250mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(130mg)、8Mピリジン-ボラン錯体(0.35mL)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(544mg)から、40%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 7.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.87 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 2.04-2.11 (m, 2H), 1.69 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.88 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 262.4 (M+H
+).
【0121】
化合物21:N-((4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)メチル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化25】
表題化合物21を、化合物9で概説した方法にしたがって、N-((4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)メチル)ヒドロキシルアミン(200mg)と2,2-ジメチルブタノイルクロリド(189mg)から、86%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 6.72 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.69 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 256.14 (M+H
+).
【0122】
化合物22:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((3-メチルチオフェン-2-イル)メチル)ブタンアミド
【化26】
表題化合物22を、化合物9で概説した方法にしたがって、N-((3-メチルチオフェン-2-イル)メチル)ヒドロキシルアミン(200mg)と2,2-ジメチルブタノイルクロリド(284mg)から、15%の収率で調製した。
1 H NMR (300 MHz, DMSO-d6) 9.76 (bs, 1H), 7.28 (d, J=8.2 MHz, 1H), 6.81 (d, J=5.76 Hz, 1H), 4.56 (bs, 2H), 1.68 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.2 Hz, 3H) .LC-MS (m/z) 242.4 (M+H
+).
【0123】
化合物23:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(チオフェン-3-イルメチル)ブタンアミド
【化27】
表題化合物23を、化合物9で概説した方法にしたがって、N-(チオフェン-3-イルメチル)ヒドロキシルアミン(200mg)と2,2-ジメチルブタノイルクロリド(289mg)から、15%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.32 (dd, J = 3.2 Hz, 5.2 Hz, 1H), 7.23-7.24 (m, 1H), 7.07(dd, J = 1.2 Hz, 4.8 Hz, 1H), 4.88 (s, 2H), 1.68 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 228.3 (M+H
+).
【0124】
化合物24:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((2-メチルチアゾール-5-イル)メチル)ブタンアミド
【化28】
表題化合物24を、化合物9で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(185mg)、5-(ブロモメチル)-2-メチルチアゾール(140mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(130mg)から、29%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.36 (s, 1H), 4.88 (s, 2H), 2.63 (s, 3H), 1.74 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 243.3 (M+H
+).
【0125】
化合物25:N-(シクロヘキサ-1-エン-1-イルメチル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化29】
表題化合物25を、化合物9で概説した方法にしたがって、(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(275mg)、1-(ブロモメチル)シクロヘキサ-1-エン(187mg)および2,2-ジメチルブタノイルクロリド(175mg)から、28%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 5.63-5.66 (m, 1H), 4.21 (s, 2H), 2.03-2.07 (m, 2H), 1.91-1.95 (m, 2H), 1.67 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.63-1.66 (m, 2H), 1.56-1.62 (m, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.87 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 226.3 (M+H
+).
【0126】
化合物26:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化30】
【0127】
メタン(2H)オール(25mL)中の2,2-ジメチルブタ-3-エン酸(5.0g)と酸化白金(250mg)を、D2存在下室温で3時間撹拌した。触媒をろ過により除き、メタン(2H)オールで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮して、2,2-ジメチルブタ-3-エン酸-3,4-d2を得た(5.0g)。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 12.00 (s, 1H), 1.40-1.46 (m, 1H), 1.04 (s, 6H), 0.80 - 0.70 (m, 2H).
【0128】
アルゴン存在下、2,2-ジメチルブタ-3-エン酸-3,4-d2(5.0g、42.3mmol、1当量)のジクロロメタン(100mL)溶液に、塩化オキサリル(8.06g、63.5mmol、1.5当量)を、20分間かけて0℃で添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌後、減圧下濃縮して、中間体酸塩化物を流動性の良い淡黄色液体として得た。N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(6.12g、38.5mmol)とEt3N(10.6mL)の乾燥DCM(87mL)溶液を0℃まで冷却し、乾燥DCM(5mL)中の上記酸塩化物を添加した。混合物を1時間さらに室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/5)で精製して、化合物26を白色固形物として得た(4.4g、44%)。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.77(s, 1H), 7.10 (tt, J = 9.4, 2.4 Hz, 1H), 6.94 - 6.88 (m, 2H), 4.66 (s, 2H), 1.65 - 1.57 (m, 1H), 1.13 (s, 6H), 0.74-0.68 (m, 2H). LC-MS (m/z) 260.3 (M+H+).
【0129】
化合物27:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化31】
表題化合物27を、化合物26で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(250mg)と2,2-ジメチルブタノイル-3,4-d
2クロリド(258.5mg)から、43%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.55 (s, 1H), 7.32 - 7.26 (m, 2H), 7.25 - 7.19 (m, 3H), 4.64 (s, 2H), 1.60 (dt, J = 14.0, 7.2 Hz, 1H), 1.12 (s, 6H), 0.71 (q, J = 7.2 Hz, 2H). LC-MS (m/z) 224.3 (M+H
+).
【0130】
化合物28:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,3,4,4-d
4
【化32】
【0131】
メタン(2H)オール(2mL)中の2,2-ジメチルブタ-3-イン酸(200mg)と水酸化パラジウム(10mg)を、D2存在下室温で3時間撹拌した。触媒をろ過により除き、メタン(2H)オールで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮して、2,2-ジメチルブタン-3,3,4,4-d4酸を得た(156mg、75%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.22 - 1.17 (m, 6H), 0.90 - 0.84 (m, 1H).
【0132】
アルゴン存在下、2,2-ジメチルブタン-3,3,4,4-d4酸(156mg)のジクロロメタン(2mL)溶液に、塩化オキサリル(0.17mL)を、2分間かけて0℃で添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌後、減圧下濃縮して、中間体酸塩化物を流動性の良い淡黄色液体として得た。これを精製することなく直接次のステップに使用した。
【0133】
N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(207mg)の乾燥DCM(5mL)溶液を0℃まで冷却し、乾燥DCM(2mL)中の上記酸塩化物を添加した。混合物を1時間さらに室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/5)で精製して、化合物28を白色固形物として得た(99mg、34%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.42 - 7.27 (m, 5H), 4.90 (s, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.85 - 0.78 (m, 1H). LC-MS (m/z) 226.3 (M+H+).
【0134】
化合物29:N-(4-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,3,4,4-d
4
【化33】
表題化合物29を、化合物28で概説した方法にしたがって、N-(4-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(235mg)、2,2-ジメチルブタン-3,3,4,4-d
4酸(220mg)および塩化オキサリル(349mg)から、30.1%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.31 (m, 2H), 7.02-7.07 (m, 2H), 4.86 (s, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.79-0.83 (m, 1H). LC-MS (m/z) 244.4 (M+H
+).
【0135】
化合物30:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((フェニル-d
5
)メチル-d
2
)ブタンアミド
【化34】
【0136】
試薬と条件:(a)(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル、1N NaOH、TBAB、DCM;(b)TFA、DCM;(c)2,2-ジメチルブタノイルクロリド、NaHCO3水溶液、THF、H2O
(tert-ブトキシカルボニル)オキシカルバミン酸tert-ブチル(400mg)と1-(ブロモメチル-d2)ベンゼン-2,3,4,5,6-d5(100mg)を、CH2Cl2(4ml)に溶解させた。混合物に、1M NaOH(2ml)と臭化テトラブチルアンモニウム(25.2mg)を添加し、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を水洗、Na2SO4で乾燥、減圧下濃縮、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)((フェニル-d5)メチル-d2)カルバミン酸tert-ブチルを得た(510mg、99%)。1HNMR(400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 1.44 (s, 9H).
【0137】
上記中間体をCH2Cl2(10ml)に溶解させ、TFA(3ml)を0℃で添加した。混合物を室温で4時間撹拌、濃縮して、N-(2,3,5-トリフルオロベンジル)ヒドロキシルアミンをTFA塩として得た(354mg)。これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0138】
上記中間体をTHF(2.5ml)と水(2.5ml)に溶解させ、1mlの飽和NaHCO3水溶液を添加した。混合物を室温で30分間撹拌後、0℃まで冷却、2,2-ジメチルブタノイルクロリド(0.24mL)を添加し、一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物30を得た(124mg、全収率35%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.67 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.25 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 229.4 (M+H+).
【0139】
化合物31:N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((フェニル-d
5
)メチル-d
2
)ブタンアミド-3,4-d
2
【化35】
表題化合物31を、化合物30で概説した方法にしたがって、N-((フェニル-d
5)メチル-d
2)ヒドロキシルアミン(552mg)、2,2-ジメチルブタン-3,4-d
2酸(550mg)および塩化オキサリル(886mg)から、収率18%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 1.66-1.69 (m, 1H), 1.27 (s, 6H), 0.83-0.89 (m, 2H). LC-MS (m/z) 231.4 (M+H
+).
【0140】
化合物32:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2-メチル-2-(1-メチルシクロプロピル)プロパンアミド
【化36】
アルゴン存在下、塩化オキサリル(102.3mg、0.732mmol、2.2当量)を、2-メチル-2-(1-メチルシクロプロピル)プロパン酸(52mg、0.366mmol、1当量)のジクロロメタン(2mL)溶液に、2分間かけて0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌後、減圧下濃縮して、中間体酸塩化物を、流動性の良い淡黄色液体として得た。N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(58.4mg、0.366mmol)を、1mlのTHF/H
2O(1:1、v/v)と0.22mlの飽和NaHCO
3水溶液に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、2-メチル-2-(1-メチルシクロプロピル)プロパノイルクロリド(59mg)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物32を白色固形物として得た(136mg、40%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.42 - 7.24 (m, 5H), 5.04 (s, 2H), 1.14 (s, 6H), 1.03 (s, 3H), 0.71 - 0.66 (m, 2H), 0.39 (q, J = 4.8 Hz, 2H). LC-MS (m/z) 248.4 (M+H
+).
【0141】
化合物33:N-ベンジル-N-ヒドロキシシクロペンタンカルボキサミド
【化37】
N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg)を、2mlのTHF/H
2O(1:1)と0.4mlの飽和NaHCO
3水溶液に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、シクロペンタンカルボニルクロリド(91.5mg)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、化合物33を得た(59mg、43%)。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.33-7.39 (m, 2H), 7.28-7.32 (m, 3H), 4.88 (s, 2H), 2.84-2.90 (m, 1H), 1.74-1.92 (m, 6H), 1.54-1.63 (m, 2H). LC-MS (m/z) 220.3 (M+H
+).
【0142】
化合物34:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)シクロペンタン-1-カルボキサミド
【化38】
表題化合物34を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(72mg)、1-(トリフルオロメチル)シクロペンタン-1-カルボン酸(100mg)、および塩化オキサリル(104mg)から、収率28%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.31-7.40 (m, 3H), 7.27-7.30 (m, 2H), 4.92 (s, 2H), 2.43-2.50 (m, 2H), 2.14-2.21(m, 2H), 1.64-1.75 (m, 4H). LC-MS (m/z) 288.3 (M+H
+)
【0143】
化合物35:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-カルボキサミド
【化39】
表題化合物35を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(48mg)、1-(トリフルオロメチル)シクロブタン-1-カルボン酸(50mg)、および塩化オキサリル(113mg)から、収率30%で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.40 - 7.29 (m, 3H), 7.30 - 7.25 (m, 2H), 4.82 (s, 2H), 2.73 (dd, J = 22.8, 10.0 Hz, 2H), 2.50 (t, J = 10.2 Hz, 2H), 2.16 - 2.02 (m, 1H), 1.91 - 1.78 (m, 1H). LC-MS (m/z) 274.3 (M+H
+).
【0144】
化合物36:N-ベンジル-N-ヒドロキシ-1-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド
【化40】
表題化合物36を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg)、1-メチルシクロヘキサン-1-カルボン酸(100mg)、および塩化オキサリル(134mg)から、収率19.2%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.35-7.39 (m, 2H), 7.29-7.32 (m, 3H), 4.94 (s, 2H), 2.10-2.15 (m, 2H), 1.46-1.57 (m, 5H), 1.33-1.41 (m, 3H), 1.25 (s, 3H). LC-MS (m/z) 248.3 (M+H
+).
【0145】
化合物37:N-ベンジル-N-ヒドロキシシクロヘキサンカルボキサミド
【化41】
表題化合物37を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(229mg)、シクロヘキサンカルボン酸(300mg)、および塩化オキサリル(519.46mg)から、収率30.2%で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.41 - 7.25 (m, 5H), 4.84 (s, 2H), 2.52-2.36 (m, 1H), 1.87 - 1.41 (m, 7H), 1.36 - 1.12 (m, 3H). LC-MS (m/z) 243.3 (M+H
+).
【0146】
化合物38:N-ベンジル-1-エチル-N-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化42】
表題化合物38を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(254mg)、1-エチルシクロプロパン-1-カルボン酸(200mg)、および塩化オキサリル(334mg)から、収率53%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 8.15 (brs, 1H), 7.36-7.40 (m, 2H), 7.28-7.33 (m, 3H), 5.01 (s, 2H), 1.55 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.01 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.98-0.99 (m, 2H), 0.65-0.68 (m, 2H). LC-MS (m/z) 220.4 (M+H
+).
【0147】
化合物39:1-エチル-N-(4-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化43】
表題化合物39を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(230mg)と1-エチルシクロプロパン-1-カルボニルクロリド(222mg)から、27%の収率で調製した。.
1HNMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.26-7.29 (m, 2H), 7.04-7.09 (m, 2H), 4.97 (s, 2H), 1.54 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.00 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.97-0.98 (m, 2H), 0.66-0.69 (m, 2H). LC-MS (m/z) 238.3 (M+H
+).
【0148】
化合物40:N-(4-クロロベンジル)-1-エチル-N-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化44】
表題化合物40を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-クロロベンジル)ヒドロキシルアミン(247mg)と1-エチルシクロプロパン-1-カルボニルクロリド(230mg)から、20%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.33-7.37 (m, 2H), 7.22-7.24 (m, 2H), 4.97 (s, 2H), 1.53 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.00 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.96-0.99 (m, 2H), 0.66-0.68 (m, 2H). LC-MS (m/z) 254.7 (M+H
+).
【0149】
化合物41:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-1-エチル-N-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化45】
表題化合物41を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(247mg)と1-エチルシクロプロパン-1-カルボニルクロリド(230mg)から、7.5%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.81-6.86 (m, 2H), 6.73-6.79 (m, 1H), 4.97 (s, 2H), 1.52 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.00 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.96-0.98 (m, 2H), 0.66-0.69 (m, 2H). LC-MS (m/z) 256.3 (M+H
+).
【0150】
化合物42:N-(4-ブロモベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化46】
表題化合物42を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-ブロモベンジル)ヒドロキシルアミン(247mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(230mg)から、7.5%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.48-7.52 (m, 2H), 7.17-7.20 (m, 2H), 4.83 (s, 2H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 240.1, 242.2 (M+H
+).
【0151】
化合物43:3,3,3-トリフルオロ-N-(4-フルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化47】
表題化合物43を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(162mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(223mg)から、27%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.29 (m, 2H), 7.03-7.07 (m, 2H), 4.83 (s, 2H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 280.3 (M+H
+).
【0152】
化合物44:N-(4-クロロベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化48】
表題化合物44を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-クロロベンジル)ヒドロキシルアミン(271mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(330mg)から、33%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.33-7.36 (m, 2H), 7.23-7.25 (m, 2H), 4.86 (s, 2H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 296.7 (M+H
+).
【0153】
化合物45:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化49】
表題化合物45を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(183mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(223mg)から、34%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.82-6.84 (m, 2H), 6.74-6.80 (m, 1H), 4.85 (s, 2H), 1.55 (s, 6H). LC-MS (m/z) 298.3 (M+H
+).
【0154】
化合物46:3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(3,4,5-トリフルオロベンジル)プロペンアミド
【化50】
表題化合物46を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(305mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(330mg)から、34%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.95 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 6.44 (brs, 1H), 4.79 (s, 2H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 316.3 (M+H
+).
【0155】
化合物47:N-((4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)メチル)-3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化51】
表題化合物47を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-((4,5-ジメチルチオフェン-2-イル)メチル)ヒドロキシルアミン(200mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(244mg)から、14%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.72 (s, 1H), 6.09 (bs, 1H), 4.89 (s, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.09(s, 3H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 276.3 (M+H
+).
【0156】
化合物48:3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-((3-メチルチオフェン-2-イル)メチル)プロパンアミド
【化52】
表題化合物48を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-((3-メチルチオフェン-2-イル)メチル)ヒドロキシルアミン(150mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(168mg)から、8.2%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.20 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.97 (s, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.54 (s, 6H). LC-MS (m/z) 282.3 (M+H
+).
【0157】
化合物49:3,3,3-トリフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)プロパンアミド
【化53】
表題化合物49を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(チオフェン-2-イルメチル)ヒドロキシルアミン(100mg)と3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(170mg)から、5%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.28-7.30 (m, 1H), 7.05-7.06 (m, 1H), 6.98-7.00 (m, 1H), 5.01 (s, 2H), 1.53 (s, 6H). LC-MS (m/z) 268.3 (M+H
+).
【0158】
化合物50:N-ベンジル-N-((エトキシカルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化54】
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)とDIEA(0.25ml、1.5mmol)の乾燥DCM(5ml)冷却溶液に、カルボノクロリド酸エチル(130.2mg、1.2mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/10)で精製して、化合物50を無色油状物質として得た(243mg、83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.32 - 7.25 (m, 5H), 4.90 (s, 2H), 4.29 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.55 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.32 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.16 (s, 6H), 0.78 (t, J = 7.5 Hz, 3H).LC-MS (m/z) 294.4 (M+H
+).
【0159】
化合物51:N-(ベンゾイルオキシ)-N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド
【化55】
表題化合物51を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、塩化ベンゾイル(168mg、1.2mmol)、DIEA(0.25ml、1.5mmol)から、65%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.19 - 8.15 (m, 1H), 7.97 - 7.93 (m, 2H), 7.64 (ddd, J = 7.1, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.56 - 7.45 (m, 3H), 7.32 - 7.29 (m, 3H), 5.02 (s, 2H), 1.55 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.18 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 326.4 (M+H
+).
【0160】
化合物52:N,N’-(マロニルビス(オキシ))ビス(N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)
【化56】
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)とピリジン(158.2mg、2mmol)の乾燥DCM(3ml)冷却溶液に、マロニルジクロリド(140.95mg、0.5mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/10)で精製し、化合物を無色油状物質として得た(237.5mg、83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.29 (m, 6H), 7.22-7.24 (m, 4H), 4.87 (s, 4H), 3.41 (s, 2H), 1.52 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 1.15 (s, 12H), 0.80 (t, J = 7.6 Hz, 6H).
LC-MS (m/z) 511.6 (M+H
+).
【0161】
化合物53:N,N’-(スクシニルビス(オキシ))ビス(N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)
【化57】
表題化合物53を、化合物52で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、スクシニルジクロリド(72mg、0.5mmol)およびピリジン(158.2mg、2mmol)から、85%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.34 - 7.25 (m, 4H), 4.87 (s, 2H), 2.63 (s, 2H), 1.53 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.15 (s, 6H), 0.79 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 525.7 (M+H
+).
【0162】
化合物54:N,N’-(イソフタロイルビス(オキシ))ビス(N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)
【化58】
表題化合物54を、化合物52で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、イソフタロイルジクロリド(101mg、0.5mmol)およびピリジン(158.2mg、2mmol)から、78%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.38 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 8.10 (dd, J = 7.8, 1.6 Hz, 2H), 7.52 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.19 - 7.16 (m, 10H), 4.93 (s, 4H), 1.42 (q, J = 7.5 Hz, 4H), 1.06 (s, 12H), 0.72 (t, J = 7.5 Hz, 6H). LC-MS (m/z) 573.7 (M+H
+).
【0163】
化合物55:N,N’-(2,5,8,11-テトラオキサドデカンジオイルビス(オキシ))ビス(N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)
【化59】
表題化合物55を、化合物52で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(カルボノクロリデート)(137.5mg、0.5mmol)およびピリジン(0.12mL、1.5mmol)から、22%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.33 (m, 10H), 4.91 (s, 4H), 4.29-4.42 (m, 6H), 3.67-3.74 (m, 6H), 1.56 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 1.17 (s, 12H), 0.78 (t, J = 7.6 Hz, 6H). LC-MS (m/z) 645.8 (M+H
+).
【0164】
化合物56:N-ベンジル-2,2-ジメチル-N-((ピペリジン-1-カルボニル)オキシ)ブタンアミド
【化60】
表題化合物56を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、ピペリジン-1-カルボニルクロリド(177.12mg、1.2mmol)、DIEA(0.33ml、2.0mmol)から、93%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.26-7.34 (m, 5H), 3.47 (s, 2H), 3.28 (s, 2H), 1.54-1.59 (m, 6H), 1.36-1.46 (m, 2H), 1.17 (s, 6H), 0.81 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 333.4 (M+H
+).
【0165】
化合物57:N-(([1,4’-ビピペリジン]-1’-カルボニル)オキシ)-N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド
【化61】
表題化合物57を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、1-クロロカルボニル-4-ピペリジノピペリジン塩酸塩(320.64mg、1.2mmol)およびDIEA(0.6ml)から、83%の収率で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.32 (m, 3H), 7.23-7.25 (m, 2H), 4.25-4.40 (m, 1H), 3.85-4.00 (m, 1H), 3.58-3.69 (m, 2H), 3.16-3.21 (m, 1H), 2.91-3.03 (m, 2H), 2.80-2.86 (m, 2H), 2.25 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.96-2.17 (m, 4H), 1.57-1.68 (m, 3H), 1.50-1.54 (m, 5H), 1.14 (s, 6H), 0.81 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 416.6 (M+H
+).
【0166】
化合物58:N-ベンジル-2,2-ジメチル-N-((フェノキシカルボニル)オキシ)ブタンアミド
【化62】
表題化合物58を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(330mg、1.49mmol)、カルボノクロリド酸フェニル(349.4mg、1.79mmol)およびTEA(0.41ml、2.98mmol)から、54%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.42 - 7.25 (m, 8H), 7.12 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 1.64 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.24 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 342.4 (M+H
+).
【0167】
化合物59:N-ベンジル-N-((イソブトキシカルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化63】
表題化合物59を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(330mg、1.49mmol)、カルボノクロリド酸イソブチル(304mg、1.79mmol)およびTEA(0.41ml、2.98mmol)から、96%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.33 - 7.25 (m, 5H), 4.90 (s, 2H), 4.02 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 1.98 (dp, J = 13.4, 6.7 Hz, 1H), 1.55 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.16 (s, 6H), 0.94 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 0.77 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 322.4 (M+H
+).
【0168】
化合物60:N-ベンジル-2,2-ジメチル-N-(ニコチノイルオキシ)ブタンアミド
【化64】
表題化合物60を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、ピリジン-3-カルボニルクロリド塩酸塩(178mg、1mmol)およびTEA(0.42ml、3mmol)から、56%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 9.11 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.86 (dd, J = 1.6 Hz, 4.8 Hz, 1H), 8.23 (dt, J = 2.0 Hz, 8.0 Hz, 1H), 7.47 (ddd, J = 0.8 Hz, 5.2 Hz, 5.6 Hz, 1H), 7.28-7.31 (m, 5H), 5.04 (s, 2H), 1.56 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.19 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 327.4 (M+H
+).
【0169】
化合物61:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-((エトキシカルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化65】
表題化合物61を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(170mg、0.66mmol)、カルボノクロリド酸エチル(106mg、0.99mmol)、TEA(0.13mL、0.99mmol)から、17%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.89 - 6.81 (m, 2H), 6.72 (tt, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.59-1.53 (m, 1H), 1.37 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.18 (s, 6H), 0.83-0.78 (m, 2H). LC-MS (m/z) 332.4 (M+H
+).
【0170】
化合物62:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,2-ジメチル-N-(ニコチノイルオキシ)ブタンアミド-3,4-d
2
【化66】
表題化合物62を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(200mg、0.77mmol)、ピリジン-3-カルボニルクロリド塩酸塩(150mg、0.84mmol)およびTEA(0.22ml、1.54mmol)から、67%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 9.20 (s, 1H), 8.89 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.28 (dt, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 4.8, 8.0 Hz, 1H), 6.83-6.89 (m, 2H), 6.71-6.77 (m, 1H), 4.97 (s, 2H), 1.53-1.59 (m, 1H), 1.20 (s, 6H), 0.82-0.86 (m, 2H). LC-MS (m/z) 365.4 (M+H
+).
【0171】
化合物63:ピバル酸((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)メチル
【化67】
パージにより、窒素不活性雰囲気に維持された50mlの三口丸底フラスコに、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(880mg、4mmol)、K
2CO
3(1.1g、8mmol)およびDMF(10mL)を入れた。得られた溶液を室温で10分間撹拌した。次に、DMF(5ml)中のピバル酸クロロメチル(1.8g、12mmol)を室温で滴下した。混合物をさらに4時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/20)で精製して、化合物63を得た(100mg、7.4%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.33 (m, 4H), 7.22-7.25 (m, 1H), 5.63 (s, 2H), 4.92 (s, 2H), 1.61 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.20 (s, 9H), 1.19 (s, 6H), 0.75 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 336.4 (M+H
+).
【0172】
化合物64:ピバル酸((N-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
)オキシ)メチル
【化68】
表題化合物64を、化合物63で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(150mg、0.58mmol)、ピバル酸クロロメチル(173mg、1.16mmol)、Cs
2CO
3(282mg、0.87mmol)およびピリジン(22.8mg、0.5mmol)から、12.5%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.82-6.87 (m, 2H), 6.67-6.73 (m, 1H), 5.64 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 1.58-1.62 (m, 1H), 1.20 (s, 6H), 1.19 (s, 9H), 0.75-0.79 (m, 2H). LC-MS (m/z) 374.4 (M+H
+).
【0173】
化合物65:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-(((2-メトキシエトキシ)カルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化69】
表題化合物65を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(150mg、0.58mmol)、カルボノクロリド酸2-メトキシエチル(173mg、1.16mmol)から調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.86 - 6.79 (m, 2H), 6.70 (tt, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.45 - 4.40 (m, 2H), 3.64 - 3.59 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 1.57-1.51(m, 1H), 1.16 (s, 6H), 0.81 - 0.73 (m, 2H). LC-MS (m/z) 362.4 (M+H
+).
【0174】
化合物66:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-(((2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)カルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化70】
パージにより、窒素不活性雰囲気に維持された50mlの三口丸底フラスコに、2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-オール(360mg、3mmol)、ピリジン(284mg、3.6mmol)およびDCM(10mL)を入れた後、トリホスゲン(311mg、1.05mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液に、DCM(2mL)中のN-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(520mg、2mmol)とTEA(455mg、4.5mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、DCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/3)で精製して、化合物66を淡赤色油状物質として得た(700mg、86%)。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.88-6.82 (m, 2H), 6.76 - 6.68 (m, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.48 - 4.43 (m, 2H), 3.80 - 3.72 (m, 2H), 3.66 - 3.63 (m, 2H), 3.57 - 3.52 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 1.59 - 1.52 (m, 1H), 1.18 (s, 6H), 0.80 (q, J = 7.0 Hz, 2H). LC-MS (m/z) 406.4 (M+H
+).
【0175】
化合物67:N-((2,5,8,11-テトラオキサドデカノイル)オキシ)-N-(3,5-ジフルオロベンジル)-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2
【化71】
表題化合物67を、化合物66で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド-3,4-d
2(520mg、2mmol)、ピリジン(758mg)、トリホスゲン(758mg)および2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エタン-1-オール(1.3g、8mmol)から、8%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.87 - 6.80 (m, 2H), 6.70 (tt, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.44 - 4.40 (m, 2H), 3.76 - 3.72 (m, 2H), 3.68 - 3.59 (m, 6H), 3.53 - 3.50 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 1.57-1.51 (m, 1H), 1.16 (s, 6H), 0.80-0.75 (m, 2H). LC-MS (m/z) 405.5 (M+H
+).
【0176】
化合物68:N-ベンジル-N-((ビス(ジメチルアミノ)ホスホリル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化72】
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg)を4mlの乾燥DMFに溶解させ、60mgのNaH(油中60%)をN
2下0℃で添加し、30分間撹拌した。N,N,N’,N’-テトラメチルホスホロジアミド酸クロリド(116mg)を添加し、混合物を室温になるまで自然放置し、11時間撹拌した。混合物に冷水を加えて反応を終了させ、EAで抽出し、合わせた有機層を水、食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物68を得た(106.5mg、30%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.27-7.35 (m, 5H), 5.19 (s, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.72 (s, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.54 (s, 3H), 1.66 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H), 0.93 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 356.4 (M+H
+).
【0177】
化合物69:リン酸ジベンジル(((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)メチル)
【化73】
表題化合物69を、化合物68で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、ピリジン(758mg)、NaH(60mg)およびリン酸ジベンジル(クロロメチル)(424.7mg、1.3mmol)から、28%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.33-7.37 (m, 10H), 7.27-7.30 (m, 5H), 5.64 (s, 1H), 5.60 (s, 1H), 5.40 (s, 1H), 5.37 (s, 1H), 5.11 (s, 1H), 5.09 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 1.55 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.14 (s, 6H), 0.75 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 512.6 (M+H
+).
【0178】
化合物70:ホスホン酸ジメチル((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)
【化74】
表題化合物70を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、ホスホロクロリド酸ジメチル(173.38mg、1.2mmol)およびピリジン(0.12ml、1.5mmol)から、56%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.28-7.37 (m, 5H), 5.07 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 1.64 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.21 (s, 6H), 0.81 (t, J = 7.6 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 333.3 (M+H
+).
【0179】
化合物71:((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)ホスホン酸
【化75】
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(318mg、1.44mmol)とTEA(0.2mL、1.44mmol)の乾燥DCM(5ml)冷却溶液に、三塩化ホスホリル(0.13mL、1.44mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、0.5mlの水を添加して、2時間撹拌を続けた。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。分取HPLCで精製して、化合物を得た(30mg、7%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.34 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.22-7.17 (m 3H), 5.04 (s, 2H), 1.65 - 1.54 (m, 2H), 1.14 (s, 6H), 0.66 (t, J = 7.4 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 300.1 (M+H
-).
【0180】
化合物72:N-ベンジル-2,2-ジメチル-N-((5-((3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノイル)オキシ)ブタンアミド
【化76】
N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(110.5mg)、ビオチン-COOH(183mg)およびN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(191.7mg)の混合物を乾燥DMF(10mL)に溶解させ、0.45mlのDIEAを添加した。反応混合物を50℃で24時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。分取HPLCで精製して、化合物72を得た(72mg、32%)。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.42 - 7.22 (m, 6H), 5.56 (bs, 1H), 4.94 (s, 2H), 4.42 (d, J = 87.7 Hz, 2H), 3.13 (bs, 1H), 2.93 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 2.75 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 2.36 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.67 (bs, 4H), 1.60 - 1.55 (m, 2H), 1.44 (bs, 2H), 1.20 (s, 6H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H).LC-MS (m/z) 448.6 (M+H
+).
【0181】
化合物73:N-ベンジル-N-((4-ヒドロキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化77】
パージにより、窒素不活性雰囲気に維持された50mlの三口丸底フラスコに、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(330mg)と乾燥DMF(10mL)を入れた。この混合物に、NaH(120mg、油中60%)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌後、酢酸4-(ブロモメチル)フェニル(510mg)を添加した。混合物を室温で3時間、40℃で30分間撹拌後、1mlの水を添加し、2時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出、水と食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルカラム(EA/PE=1/6)で精製して、化合物73を無色油状物質として得た(300mg、61.4%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.34 - 7.25 (m, 4H), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 1.64 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.21 (s, 5H), 0.79 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 328.4 (M+H
+).
【0182】
化合物74:N-ベンジル-3,3-ジフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化78】
表題化合物74を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(127mg)、3,3-ジフルオロ-2,2-ジメチルプロパン酸(110mg)、および塩化オキサリル(152mg)から、収率53%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.34-7.41 (m, 3H), 7.29-7.32 (m, 2H), 6.27 (t, J = 56.8 Hz, 1H), 4.87 (s, 2H), 1.38 (t, J = 1.2 Hz, 6H). LC-MS (m/z) 244.3 (M+H
+).
【0183】
化合物75:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-3,3-ジフルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパンアミド
【化79】
表題化合物75を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(127mg)、3,3-ジフルオロ-2,2-ジメチルプロパン酸(110mg)、および塩化オキサリル(152mg)から、収率50%で調製した。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 6.82-6.86 (m, 2H), 6.74-6.81 (m, 1H), 6.25 (t, J = 56.8 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 1.39 (t, J = 1.2 Hz, 6H). LC-MS (m/z) 280.2 (M+H
+).
【0184】
化合物76:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-4-フルオロ-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド
【化80】
表題化合物76を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(361mg)、3,3-ジフルオロ-2,2-ジメチルプロパン酸(330mg)、および塩化オキサリル(343mg)から、収率50%で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.85 - 6.79 (m, 2H), 6.72 (tt, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 4.78 (s, 2H), 4.62 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.50 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 2.15 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 2.08 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 1.33 (s, 6H). LC-MS (m/z) 276.3 (M+H
+).
【0185】
化合物77:N-ベンジル-2,2-ジメチル-N-(ピバロイルオキシ)ブタンアミド
【化81】
表題化合物77を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、塩化ピバロイル(144mg、1.2mmol)およびピリジン(0.12ml、1.5mmol)から、66%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.32 - 7.25 (m, 2H), 7.25 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 7.24 - 7.22 (m, 1H), 5.70 (s, 1H), 4.89 (s, 2H), 1.55 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.17 (s, 5H), 1.14 (s, 8H), 0.84 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 306.4 (M+H
+).
【0186】
化合物79:(S)-(1-((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル
【化82】
乾燥DCM(10mL)中のN-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol、1当量)、N-Boc-L-バリン(239.36mg、1.1mmol、1.1当量)、DCC(247.6mg、1.2mmol)およびDMAP(24.4mg、0.2mmol、0.2当量)の混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EA/PE=1/5)で精製し、化合物79を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.37 - 7.28 (m, 3H), 7.26 (dd, J = 2.5, 0.9 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 9.7, 4.8 Hz, 1H), 2.00 (dd, J = 11.7, 6.8 Hz, 1H), 1.66 - 1.54 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.21 (d, J = 8.1 Hz, 6H), 0.93 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.86 - 0.80 (m, 5H). LC-MS (m/z) 421.6 (M+H
+).
【0187】
化合物80:N-((L-バリル)オキシ)-N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド
【化83】
化合物(200mg)をDCM(4mL)に溶解させた溶液に、TFA(0.5mL)を0℃で添加した。混合物を1時間さらに室温で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液で中和し、DCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)、減圧下濃縮して、生成物80を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.36 - 7.22 (m, 5H), 5.17 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 3.28 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 1.88 (ddd, J = 13.7, 11.8, 6.8 Hz, 2H), 1.70 - 1.49 (m, 3H), 1.22 - 1.15 (m, 6H), 0.91 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.85 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.8 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 321.4 (M+H
+).
【0188】
化合物81:(S)-2-(((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)カルボニル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【化84】
表題化合物81を、化合物79で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、Boc-プロリン(236.7mg、1.1mmol)、DCC(247.6mg、1.2mmol)およびDMAP(24.4mg、0.2mmol)から、35%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.36-7.29 (m, 5H), 4.94 (s, 2H), 4.41 (dd, J = 8.6, 2.9 Hz, 1H), 3.48 - 3.41 (m, 2H), 2.14-2.04 (m, 2H), 1.86-1.76 (m, 2H), 1.65-1.56 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.21 (s, 6H), 0.83 (t, J = 7.4 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 419.5(M+H
+).
【0189】
化合物82:N-ベンジル-N-((ジメチルグリシル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化85】
表題化合物82を、化合物79で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、ジメチルグリシン(153.5mg、1.1mmol)、DCC(247.6mg、1.2mmol)およびDMAP(24.4mg、0.2mmol)から、35%の収率で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.36 - 7.27 (m, 4H), 4.95 (s, 2H), 4.92 (s, 1H), 3.30 (s, 2H), 2.45 (s, 6H), 1.57 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.20 (s, 6H), 0.86 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 307.4 (M+H
+).
【0190】
化合物83:N-((L-セリル)オキシ)-N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド
【化86】
【0191】
(S)-(1-((N-ベンジル-2,2-ジメチルブタンアミド)オキシ)-3-(tert-ブトキシ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルを、化合物79で概説した方法にしたがって、N-ベンジル-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(221mg、1mmol)、Boc-L-Ser(tBu)-OH(574.8mg、2.2mmol)、EDCI(460mg、2.4mmol)から、35%の収率で調製した。
【0192】
上記N-Boc化合物(200mg)を0℃でDCM(4mL)に溶解させ、TFA(0.5mL)を添加した。混合物を1時間さらに室温で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液で中和し、DCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して、生成物83を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33-7.25 (m, 5H), 5.04 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.85 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 1H), 4.03 - 3.88 (m, 2H), 1.64 - 1.54 (m, 2H), 1.19 (s, 6H), 0.84 (t, J = 7.0 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 309.4 (M+H+).
【0193】
化合物84:N-ベンジル-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド
【化87】
表題化合物84を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩(137mg)、1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(195mg)、および塩化オキサリル(163mg)から、収率42%で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 8.19 (s, 2H), 7.30-7.42 (m, 5H), 4.81-4.95 (m, 2H), 4.70 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 2.85-3.02 (m, 2H), 2.61-2.82 (m, 1H), 1.75-1.92 (m, 4H). LC-MS (m/z) 331.4 (M+H
+).
【0194】
化合物85:N-(4-フルオロベンジル)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド
【化88】
表題化合物85を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(4-フルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(106mg)、1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(200mg)、および塩化オキサリル(169mg)から、収率40%で調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21 (s, 2H), 7.32 - 7.25 (m, 2H), 7.06-7.02 (m, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.70 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 3.09 - 2.88 (m, 3H), 1.96 - 1.69 (m, 4H). LC-MS (m/z) 349.4 (M+H
+).
【0195】
化合物86:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド
【化89】
表題化合物86を、化合物32で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(119mg)、1-(5-フルオロピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(200mg)、および塩化オキサリル(169mg)から、収率38%で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.18 (s, 2H), 6.78-6.72 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 1H), 6.78-6.72 (m, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.70 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 3.04 - 2.86 (m, 3H), 1.90-1.70 (m, 4H). LC-MS (m/z) 367.4 (M+H
+).
【0196】
化合物87:N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-((エトキシカルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタンアミド
【化90】
表題化合物87を、化合物50で概説した方法にしたがって、N-(3,5-ジフルオロベンジル)-N-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタンアミド(500mg)、カルボノクロリド酸エチル(232.24mg)、TEA(0.5mL)から、87%の収率で調製した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.87 - 6.77 (m, 2H), 6.70 (ddd, J = 8.9, 5.6, 2.3 Hz, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.33 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.56 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.35 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.17 (s, 6H), 0.79 (t, J = 7.5 Hz, 3H). LC-MS (m/z) 330.4 (M+H+).
【0197】
in vivo薬理学的試験
マウス自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルに対する効果
C57/BL6マウスにMOG35-55(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質の35~55番目のアミノ酸)を免疫して、中枢神経系(CNS)のミエリンに対する自己免疫反応を誘導することで、多発性硬化症のマウスEAEモデルを構築した。免疫反応によりミエリン、さらには神経細胞が損傷を受け、動物に麻痺が生じる。
【0198】
SIR1-365を10g/kgの用量で混餌投与し、FTY-720をポジティブコントロールとした。マウスには、1回目の免疫の2日前からFTY-720を含む飲料水またはSIR1-365を含む食餌を28日間連続して与えた。1回目の免疫後8日目にスコア化を開始した。この実験の結果から、SIR1-365は、EAEマウスの疾患スコアを有意に減少させることが示された。
【0199】
病理学的研究を行った結果、脊髄のミエリン破壊がSIR1-365によって阻止されていることがわかった。3つの異なる脊髄領域で切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)で染色し、脊髄の損傷をスコア化して定量化した。SIR1-365を含む食餌を与えることで、EAEモデルの自己免疫反応による脊髄損傷を防ぐことができた。SIR1-365を10g/kg(食餌1kgあたり化合物10g)の用量で混餌投与することにより、EAEによるミエリン損傷と動物の麻痺が有意に抑えられた。
【0200】
結論:多発性硬化症モデルマウスにおいて、SIR1-365は、自己免疫によるミエリンの損傷を大幅に抑制した。
【0201】
マウス全身性炎症反応症候群(SIRS)モデルに対する効果
SIRSで始まる敗血症は、重篤患者の主要な死因の1つである。TNF-αは、RIP1-RIP3を介する肝臓のネクロトーシスを誘導することで、SIRS発症の主要なメディエーターとして働いている。RIP1のキナーゼ活性を遺伝子的にまたは選択的阻害剤で阻害することにより、TNF-αによるマウスのSIRSを防ぐことができた。
【0202】
C57BI/6Jマウスに、SIR1-365を1, 3, 10 mg/kgの3種類の用量で強制経口投与により単回投与した。SIR1-365投与の2分後に、TNF-αを静脈内投与した。コントロール群(ビヒクル投与)のマウスでは87.5%(8匹中7匹)が36時間以内に死亡したのに対し、SIR1-365を1mg/kgで投与したマウスでは同時間内に死亡したのは50%(8匹中4匹)、SIR1-365を3mg/kgで投与したマウスでは同時間内に死亡したのは25%(8匹中2匹)であった。さらに、SIR1-365を10mg/kgで投与した場合は、SIRSによる死亡を完全に防ぐことができた。
【0203】
結論:C57BI/6Jマウスにおいて、SIR1-365の経口投与により、用量依存的にTNFαによる死亡を抑制することができ、10mg/kgの用量で完全に防ぐことができた。
【0204】
【0205】