(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】モジュール式自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 11/62 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
G07F11/62 101
(21)【出願番号】P 2021530821
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 US2019062646
(87)【国際公開番号】W WO2020112494
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-18
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ワイ ティン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,サミュエル ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,マーティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】モリソン,ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,エリック デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】クロフォード,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジャファ,エマド
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,チュク チー
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュエジュン
(72)【発明者】
【氏名】セロック,ヨン
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-521414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 11/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式自動販売システムであって、
第1のモジュール式自動販売ユニットであって、
第1の扉を介してユーザに動作可能にアクセス可能な第1のロック機構を有する第1の製品区画、
前記第1の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された第1の製品センサ、及び
ユーザ情報を受信するように構成されたユーザインターフェースを含む、第1のモジュール式自動販売ユニットと、
第2のモジュール式自動販売ユニットであって、
第2の扉を介してユーザに動作可能にアクセス可能な第2のロック機構を有する第2の製品区画、及び
前記第2の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された第2の製品センサを含む、第2のモジュール式自動販売ユニットと、を備え、
ユーザ情報が前記第1のモジュール式自動販売ユニットの前記ユーザインターフェースによって受信されたときに、前記第1の扉及び前記第2の扉の両方がロック解除される、モジュール式自動販売システム。
【請求項2】
前記第1の扉及び前記第2の扉のうちの1つ
扉のみが、一度に開けられ
る、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項3】
前記第1のモジュール式自動販売ユニット及び前記第2のモジュール式自動販売ユニットが、積み重ね可能である、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項4】
前記第2のモジュール式自動販売ユニットが、第2のユーザインターフェースを更に含み、ユーザ情報が前記第2のモジュール式自動販売ユニットの前記第2のユーザインターフェースによって受信されたとき、前記第1の扉及び前記第2の扉の両方がロック解除される、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項5】
前記第1のモジュール式自動販売ユニット及び前記第2のモジュール式自動販売ユニットが、ネットワークを介して互いに通信するように構成されている、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項6】
販売動作中、前記第1の製品センサ及び前記第2の製品センサが、前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画から取り出された製品の数を自動的に決定し、前記ユーザとの取引が完了する、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項7】
前記第1の製品区画が、温度制御される、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースによって受信された前記ユーザ情報が、機械可読品目である、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースによって受信された前記ユーザ情報が、生体特性である、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項10】
前記製品が、包装製品である、請求項1に記載のモジュール式自動販売システム。
【請求項11】
モジュール式自動販売機であって、
第1の製品区画と、
前記第1の製品区画とは別個の第2の製品区画と、
前記第1の製品区画の第1の扉を自動的にロック及びロック解除するように構成された第1のロック機構と、
前記第2の製品区画の第2の扉を自動的にロック及びロック解除するように構成された第2のロック機構と、
ユーザインターフェースと、
前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された製品センサシステムと、を備え、
販売動作中、前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画
が、前記第1の扉及び前記第2の扉を介してユーザにそれぞれアクセス可能であ
るように、前記第1の扉及び前記第2の扉の両方がロック解除され、
前記第1の扉と前記第2の扉の一方
の扉だけが開けられ
るように、前記第1の扉が開けられるときは前記第2の扉がロックされ、前記第2の扉が開けられるときは前記第1の扉がロックされる、モジュール式自動販売機。
【請求項12】
前記販売動作
は、前記第1の製品区画又は前記第2の製品区画から取り出された製品を購入する取引を完了することを含む、請求項11に記載のモジュール式自動販売機。
【請求項13】
前記ユーザインターフェースが、前記ユーザからの入力を受信するように構成されている、請求項11に記載のモジュール式自動販売機。
【請求項14】
前記ユーザインターフェースが、ユーザモバイルデバイスを介してユーザからの情報を受信するように構成されている、請求項13に記載のモジュール式自動販売機。
【請求項15】
前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画が、一体型ハウジング内に一緒に配設される、請求項11に記載のモジュール式自動販売機。
【請求項16】
モジュール式自動販売機から製品を販売する方法であって、
ユーザからユーザ情報を受信することと、
第1の製品区画及び第2の製品区画内に配設された製品の数を決定することと、
第1の扉及び第2の扉をロック解除することであって、それによって、前記ユーザが、前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画にそれぞれアクセスすることができる、ロック解除することと、
前記第1の扉が開いているときに前記第2の扉をロックすることと、
前記第1の扉が閉じているときに前記第2の扉をロック解除することと、
前記第1の扉及び前記第2の扉をロックすることと、
前記第1の製品区画及び前記第2の製品区画から取り出された製品の数を決定することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記ユーザとの取引を実施することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記取引が、電子決済を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザ情報が、ユーザモバイルデバイスを介してユーザから受信される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザモバイルデバイスが、スマートフォンである、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は、一般に、自動販売機などの製品販売機に関する。特に、実施形態は、モジュール式自動販売機及びモジュール式自動販売機のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、消費者が、需要に応じて、食品、飲料、又は他の消耗品などの様々な製品を購入することを可能にする。販売用の同様の製品を提供するいくつかの小売環境(例えば、コンビニエンスストア又はキオスクなど)の代わりになるものとして、自動販売機はいくつかの利点を有する。例えば、いくつかの自動販売機は、取引を完了するための従業員の存在を必要とせず、それによって、運用コストを削減し、この機械を、商品を消費者に販売するための安価な手段とする。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態は、独立して、又はシステムとして他のモジュール式自動販売機と一緒に動作し得るモジュール式自動販売機を提供する。これらは、ユーザが1回の取引のみで複数の製品を便利に購入することを可能にする。いくつかの実施形態はまた、利用可能な空間を効率的に利用するように一緒に配列及び/又は積み重ねられ得るモジュール式自動販売機を提供する。モジュール式自動販売機から製品を販売する方法もまた、本明細書に記載される。
【0004】
例えば、実施形態は、モジュール式自動販売システムを含み、モジュール式自動販売システムには、第1の製品区画を有する第1のモジュール式自動販売ユニットを含む。第1のモジュール式自動販売ユニットはまた、第1の扉を介してユーザに動作可能にアクセス可能な第1のロック機構と、第1の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された第1の製品センサと、を含んでもよい。第1のモジュール式自動販売ユニットはまた、ユーザ情報を受信するように構成されたユーザインターフェースを含んでもよい。モジュール式自動販売システムはまた、第2の製品区画を有する第2のモジュール式自動販売ユニットを含んでもよい。第2のモジュール式自動販売ユニットはまた、第2の扉を介してユーザに動作可能にアクセス可能な第2のロック機構と、第2の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された第2の製品センサと、を含んでもよい。更に、ユーザ情報が第1のモジュール式自動販売ユニットのユーザインターフェースによって受信されたときに、第1及び第2の扉の両方がロック解除される。
【0005】
実施形態はまた、第1の製品区画と、第1の製品区画とは別個の第2の製品区画と、を有するモジュール式自動販売機を含む。第1のロック機構は、第1の製品区画の第1の扉を自動的にロック及びロック解除するように構成されてもよく、第2のロック機構は、第2の製品区画の第2の扉を自動的にロック及びロック解除するように構成されてもよい。モジュール式自動販売機はまた、ユーザから情報を受信するように構成されたユーザインターフェースと、第1及び第2の製品区画内に配設された製品の数を決定するように構成された製品センサシステムと、を含んでもよい。販売動作中、第1及び第2の製品区画の両方は、第1及び第2の扉を介してユーザにそれぞれアクセス可能であり、第1及び第2の扉のうちの1つのみが一度に開けられてもよい。
【0006】
モジュール式自動販売機から製品を販売する方法は、ユーザからユーザ情報を受信することと、第1の製品区画及び第2の製品区画内の製品の数を決定することと、第1の扉及び第2の扉をロック解除することであって、それによって、ユーザが第1の製品区画及び第2の製品区画にそれぞれアクセスすることができる、ロック解除することと、を含んでもよい。本方法はまた、第1の扉が開いているときに第2の扉をロックすることと、第1の扉が閉じているときに第2の扉をロック解除することと、次いで、第1の扉及び第2の扉の両方をロックすることと、を含んでもよい。次いで、両方の扉がロックされた後、第1の製品区画及び第2の製品区画から取り出された製品の数を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面は、本発明に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、本発明の実施形態を例示し、本説明と一緒に、更に本発明の原理を説明し、かつ当業者(複数可)が本発明を作製し、使用することを可能にする役割を果たす。
【0008】
【
図1】実施形態による、モジュール式自動販売機の正面斜視図である。
【0009】
【
図2】実施形態による、モジュール式自動販売機の断面図である。
【0010】
【
図3】実施形態による、モジュール式自動販売機の正面図である。
【0011】
【
図4A】実施形態による、モジュール式自動販売機の上正面斜視図である。
【0012】
【
図4B】
図4Aのモジュール式自動販売機の上後面斜視図である。
【0013】
【
図5】実施形態による、モジュール式自動販売機の上正面斜視図である。
【0014】
【
図6】実施形態による、モジュール式自動販売機の上正面斜視図である。
【0015】
【
図7】実施形態による、モジュール式自動販売機の正面図である。
【0016】
【
図8】実施形態による、モジュール式自動販売機の正面斜視図である。
【0017】
【
図9】実施形態による、本明細書に記載された例示的な構成要素の使用及び相互接続に好適な例示的なネットワーク環境を示す。
【0018】
【
図10】実施形態による、モジュール式自動販売機の正面図である。
【0019】
【
図11】実施形態による、本明細書に記載された例示的な構成要素の使用及び相互接続に好適な例示的なネットワーク環境を示す。
【0020】
【
図12】実施形態による、モジュール式自動販売機の使用方法のステップを示すブロック図である。
【0021】
【
図13】実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以降、添付図面に例示されるような本発明の実施形態を参照して、本発明(複数可)を詳細に説明する。「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an exemplary embodiment)」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0023】
いくつかの自動販売機の消費者へのアピール力及び収益性は、便利かつ効率的な方法で消費者にサービスを提供する自動販売機の能力と著しく相関し得る。自動販売機の利便性の1つの尺度は、交通量の多いエリアなどの消費者にとって利便性の高いエリアに対する自動販売機の場所であってもよい。しかしながら、特定のサイズ及び/又はインフラストラクチャ要件により、いくつかの自動販売機は、交通量の多いエリアではないエリアでの配置に限定され得るため、消費者がわざわざ自動販売機から商品を購入するために移動することが必要とされる。自動販売機の利便性の別の評価基準は、自動販売機との取引を完了する速度及び効率であり得る。例えば、いくつかの自動販売機は、消費者が購入した製品毎に取引を別個に完了することを必要とし、これにより、ユーザが複数の製品を購入するのにかかる時間が長くなり得る。更に、いくつかの自動販売機は、製品を購入する前にユーザが製品を見るかつ/又は取り扱うことができず、消費者の満足度を低下させ得る。
【0024】
本明細書に記載される実施形態は、製品を消費者に保管及び販売するためのモジュール式自動販売機を含む。モジュール式自動販売機は、独立して使用されてもよいか、又はシステムとして一緒に動作するように、他のモジュール式自動販売機と物理的若しくは電子的に一緒に接続されてもよい。モジュール式自動販売機は、いくつかの既存の自動販売機よりも小さくてもよく、これは、例えば、テーブル及び/又はカウンタなどの消費者にとって利便性の高いエリアに配置されることを可能にし得る。同様に、モジュール式自動販売機は、利用可能な空間を効率的に利用するために、いくつかの異なる配列に配置されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機は、ユーザが様々な異なる製品を収容する製品区画にアクセスすることができる扉を含んでもよく、ユーザが購入前に製品を取り扱う、検討する、取り出す、かつ/又は返却することを可能にし得る。モジュール式自動販売機はまた、ユーザが取り出した製品(複数可)を自動的に決定し、それに応じてユーザに料金を請求することができる製品取出センサを含んでもよい。このようにして、ユーザは、複数の製品を購入するために複数の取引を完了する必要がなくなり得、これにより、自動販売機の効率、及びそれに応じて消費者満足度を高めることができる。
【0026】
本明細書に記載されるようないくつかの自動販売機のモジュール式の性質はまた、自動販売機の設置に関連する初期コストを減少させることができる。例えば、自動販売機の操作者は、最初に、いくつかの既存の自動販売機よりも安価であり得る1台の小型モジュール式自動販売機を設置してもよい。次いで、必要に応じて、操作者は、製品保管容量を増加させるために追加のモジュールを後で追加してもよい。このようにして、既存のインフラストラクチャを交換する必要はないが、消費者需要に比例して追加されてもよい。
【0027】
ここで、実施形態を、図を参照してより詳細に説明する。
図1~
図3を参照すると、モジュール式自動販売機100は、製品保管システム110、ユーザインターフェース300、及び制御ユニット400を含んでもよい。以下に更に詳細に記載されるように、いくつかのモジュール式自動販売機100は、機械的及び/又は電子的に接続されてもよく、システムとして一緒に動作してもよい。
【0028】
製品保管システム110は、ユーザに販売される1つ以上の製品10を保管し、かつ/又は表示するように構成されている。製品10は、腐敗しやすい製品及び保存の利く製品を含んでもよい。製品10としては、チップス、キャンディバー、ソフトドリンク、水、炭酸水、ジュース、アルコール飲料、スポーツ飲料、既製包装品、新鮮な食料品、又は他の好適な製品を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、製品10は、利便性の高い品目、薬品、洗面用具、電子デバイス、又は他の好適な保存の利く製品を含んでもよい。
【0029】
製品保管システム110は、内面108によって画定された製品区画120を含んでもよい。製品10は、製品区画120内に配置及び/又は保管されてもよい。いくつかの実施形態では、製品保管システム110は、製品10を製品区画120内に保持及び/又は保管するように構成された棚114を含んでもよい。
図1及び
図2に示すように、例えば、棚114は、製品区画120内に水平に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の棚114が製品区画120内に配設されてもよい(例えば、
図7を参照)。いくつかの実施形態では、製品保管システム110は、製品区画120又は製品区画120の一部を照明するように構成されたライト190を含んでもよい。
【0030】
例えば、
図1及び
図2に示すように、棚114は、例えば、棚の上方及び下方のエリアが互いに熱的に分離されないように、製品区画120を部分的に横切って延在してもよい。いくつかの実施形態では、棚114は、内面108によって画定された空間を2つの隣接する製品区画120に分割するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、棚114は、隣接する製品区画120間の熱交換を低減するために断熱されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、各製品区画120は、異なる種類の製品10を保管してもよい。例えば、保存の利く製品10は、1つの製品区画120内に保管されてもよく、腐敗しやすい製品10は、別の製品区画120内に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、室温以外の温度で好ましくは供給される製品10は、1つの製品区画120内に保管されてもよく、好ましくは室温で供給される製品10は、別の製品区画120内に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、製品区画120内に保管された製品10の全ては、同じ種類、重量、体積、及び/又はコストであり得る。
【0032】
温度制御システム150は、例えば、製品区画120への熱を除去すること又は加えることによって、製品保管システム110の製品区画120の温度を制御するために使用されてもよい。モジュール式自動販売機100が複数の製品区画を有するいくつかの実施形態では、1つの製品区画120は、温度制御されてもよく、別の製品区画120は、温度制御されなくてもよい。モジュール式自動販売機100が複数の製品区画を有するいくつかの実施形態では、全ての製品区画120は、温度制御されてもよい。
【0033】
温度制御システム150は、例えば、熱電冷却器、冷凍システム、又は他の電動冷却システムであってもよい。いくつかの実施形態では、温度制御システム150は、例えば、氷、氷パック、冷却パック、又は相当量の熱を吸収することができる他の熱コンデンサなどの受動的冷却システムであってもよい。温度制御システム150は、熱電加熱器、ヒートポンプ、又は他の電動加熱システムであってもよい。いくつかの実施形態では、温度制御システム150は、例えば、熱パック、化学熱パック、又は相当量の熱を放出することができる他の熱コンデンサなどの受動加熱システムであってもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100、又はモジュール式自動販売機100の一部は、製品区画120とモジュール式自動販売機100を取り囲む周囲条件との間の熱交換を低減させるために、断熱材料を含み得る。いくつかの実施形態では、空気の層が、外面106と内面108との間で封止されて、断熱材の機能を果たしてもよい。
図4Bに示すように、例えば、通気口152は、モジュール式自動販売機100の後面102内に配設されてもよい。製品区画120からの熱は、通気口152を通して温度制御システム150によって環境に排出されてもよいか、又は環境から吸収されてもよい。
【0034】
製品保管システム110内に保管されている製品10は、製品区画120内の行、列、及び/又はスタックに配列されてもよい。いくつかの実施形態では、製品10は、特定の様式で整理される必要はなく、様々な配列で製品保管システム110内に配置されてもよい。
【0035】
モジュール式自動販売機100は、製品扉130を含んでもよく、これによって、ユーザは、販売動作中に製品区画120及び製品10にアクセスすることができる。製品区画120にはまた、製品扉130を介して販売される製品10を補充するか、又は再補充してもよい。いくつかの実施形態では、製品扉130は、モジュール式自動販売機100の前面101上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、製品扉130は、モジュール式自動販売機100の側面103、上面104、又は他の部分上に配設されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、製品扉130は、ロック136を含んでもよく、認可されたユーザのみが製品区画120にアクセスすることができるようにロックされてもよい。以下に更に詳細に記載されるように、いくつかの実施形態では、製品扉130は、販売動作中にユーザが選択的にアクセス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、複数の製品扉130を含んでもよく、これによって、ユーザは、製品区画120及び製品10にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、製品扉130は、窓132を含んでもよく、これによって、ユーザは、製品扉130が閉鎖及び/又は所定の位置にある間に、製品区画120を見ることができる。いくつかの実施形態では、製品扉130は、ハンドル134を含んでもよく、これによって、ユーザは、製品扉130を開くために引っ張ることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、製品保管システム110は、製品保管システム110内の製品10を移動する、調整する、又は配列するための製品移動構成要素160を含んでもよい。製品移動構成要素160は、例えば、販売動作中に扉に最も近い製品が取り出されたとき、残りの製品の視認性及び/又はアクセス性が改善されるように、製品10を製品扉130に向かって移動させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、製品移動構成要素160は、例えば、製品10を回転させたときに製品10を変位させるコイル、製品10を直線的に変位させるコンベアシステム、製品10を押すか、又は引く油圧、空気圧、若しくは電動アクチュエータ、又は製品10を持ち上げる、保持する、かつ/若しくは輸送するように構成されたロボット器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、製品移動構成要素160は、例えば、製品10に力を付与してそれらを特定の方向に移動させるばねなどの受動付勢システムを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、モジュール式自動販売機100の底面105上に配設されている足部182を含んでもよい。足部182は、以下に更に詳細に記載されるように、例えば、地面又は別の支持面の上方でモジュール式自動販売機100を支持するか、又はモジュール式自動販売機100を別のモジュール式自動販売機100に接続するために使用されてもよい。
【0039】
製品保管システム110は、販売動作中に製品区画120から取り出された製品10の種類及び数量を決定するように構成された1つ以上の製品取出センサ170を含んでもよい。製品取出センサ170は、制御ユニット400と通信してもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、製品10を自動的に識別するための自動識別及びデータ捕捉(「AIDC」)システムの構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、無線周波数識別(「radio frequency identification、RFID」)読み取り器であってもよく、製品区画120内の各製品10は、製品10が取り出されたときに製品取出センサ170によって読み取られ得るそれぞれの製品10に関する情報を含む、RFIDタグを含んでもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、製品10の外観に基づいて、又は製品10の表面上に配設された情報(例えば、バーコード又はテキスト)に基づいて、製品区画120から取り出された製品10の種類及び数量を決定するように構成されたバーコードスキャナ、画像センサ、光学文字認識センサなどであってもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、製品区画120内に保管された製品10の重量を測定し、製品10の重量の測定された変化を使用して、取り出された製品10の種類及び数量を決定してもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、米国特許第9,406,187号に記載される重量センサと同じ特徴を含んでもよく、この重量センサと同じ様式で動作してもよく、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、製品区画120内の製品10が存在するか、又は不在かを検出するように構成されたセンサを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、製品区画120内に保管されたそれぞれの製品10に近接してそれぞれ配設された超音波センサを含んでもよい。製品10が超音波センサに近接して配設されたとき、センサは、製品10の存在を感知し得る。製品10が超音波センサから離れて移動するとき、センサは、製品10の不在を感知し得る。
【0040】
販売動作中、製品取出センサ170は、製品区画120内の製品10の数の測定された変化を使用して、取り出された製品10の種類及び数量を決定してもよい。同様に、いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、赤外線源及び赤外線センサを含み得る赤外線光ゲートを含んでもよい。赤外線源と赤外線センサとの間に製品10が配設されたとき、光源からの赤外線光が赤外線センサに到達することができず、これは製品10が存在することを示す。赤外線源と赤外線センサとの間から製品10が取り出されたとき、光源からの赤外線光は、赤外線センサに到達することができ、これは製品10が不在であることを示す。販売動作中、製品取出センサ170は、製品区画120内の製品10の数の測定された変化を使用して、取り出された製品10の種類及び数量を決定してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、製品取出センサ170はまた、製品が製品区画120に戻されたときにも感知することができる。このようにして、ユーザは、製品10の料金を請求されることなく、製品10を取り出す、検討する、及び製品区画に戻してもよい。
【0042】
製品取出センサ170は、製品区画120内の様々な場所に配設されてもよい。
図1、
図2、及び
図4Aに示すように、例えば、製品取出センサ170は、モジュール式自動販売機の前側後面、上面、底面、又は側面に近接して内面108上の様々な場所に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、棚114の下に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、棚114上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、扉130上又は扉130内に配設されてもよい(例えば、
図7を参照)。
【0043】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース300は、ユーザ入力を受信し、ユーザに情報を通信するためのタッチスクリーン表示装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース300は、ユーザから入力を受信するための電気機械的ボタンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース300は、ユーザと通信するか、又はユーザに情報を表示するための視覚的表示装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース300は、タッチスクリーン、電気機械的ボタン、及び/又は視覚的表示装置の組み合わせを含んでもよい。ユーザインターフェース300は、製品保管システム110内の製品10に関する情報を表示してもよい。ユーザインターフェースは、例えば、製品扉130がロックされているか、又はロック解除されているかどうかを示すために、かつ/若しくはユーザとの取引の状態を示すために、ライト又はアイコンを含んでもよい。ユーザインターフェース300は、ユーザからの決済を受諾するための手段(例えば、紙幣識別機、硬貨スロット、又はクレジットカード読み取り器)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース300は、デジタルウォレットサービス及び/又はモバイル決済サービスを使用して決済を受諾するように構成されてもよい。
【0044】
図3を参照すると、ユーザインターフェース300は、例えば、顧客を識別するか、又は決済情報を識別するために使用され得る、機械可読品目を読み取るための1つ以上の読み取り器若しくはスキャナを含み得る品目スキャナ310を含んでもよい。機械可読品目としては、バーコード、磁気ストリップ、クイックレスポンス(quick response、QR)コード、無線周波数識別(RFID)タグ、Bluetooth対応デバイス(例えば、携帯電話)、Bluetooth Low Energy(BLE)デバイス、又は超音波通信デバイス(例えば、LISNR(登録商標)超音波技術を有するデバイス)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0045】
ユーザインターフェース300は、顧客の1つ以上の生体特性を識別するように構成された生体スキャナ320を含んでもよい。生体スキャナ320としては、例えば、指紋読み取り器、指静脈スキャナ、網膜スキャナ、虹彩スキャナ、(写真を撮る、かつ/又は映像を記録するための)カメラ、又はマイクロフォンが挙げられ得るが、これらに限定されない。顧客の生体特性(複数可)は、指紋、指静脈パターン、網膜プロファイル、虹彩プロファイル、顔プロファイル、及び音声プロファイルを含み得る。
【0046】
図2及び
図9を参照すると、制御ユニット400は、モジュール式自動販売機100が自動的に動作し取引を完了することを可能にするように構成されてもよく、これは、すなわち、直接的な人間の介入なしである。いくつかの実施形態では、制御ユニット400は、モジュール式自動販売機100の全ての態様を制御してもよい。
【0047】
制御ユニット400は、無線で情報を送受信するように構成された送受信機410を含んでもよい。送受信機410は、制御ユニット400が、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、「WLAN」)、キャンパスエリアネットワーク(campus area network、「CAN」)、メトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network、「MAN」)、又はワイドエリアネットワーク(wide area network、「WAN」)を含み得るネットワーク600に接続することを可能にし得る。送受信機410は、非常に高い周波数又は超高周波数範囲などの様々な周波数で動作するように構成されてもよく、例えば、携帯電話、WIFI(商標)、又はBLUETOOTH(登録商標)無線ネットワークなどの特定のネットワーク規格と互換性があり得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット400は、例えばイーサネットケーブルなどの有線接続を介してネットワーク600に接続することができる。
【0048】
図9に例示されるように、モジュール式自動販売機100は、ネットワーク600を介してユーザモバイルデバイス700と通信することができる。ユーザモバイルデバイス700は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、又は有線若しくは無線接続を介してネットワーク600に接続することができる他のコンピューティングデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザモバイルデバイス700は、モジュール式自動販売機100に直接接続することができる。いくつかの実施形態では、管理者デバイス800はまた、ネットワーク600に接続されてもよく、ユーザモバイルデバイス700とモジュール式自動販売機100との間で情報を監視し、かつ/又は送信するために使用されてもよい。管理者デバイス800は、ユーザアカウント、自動販売機在庫を管理し、かつ取引を処理するように構成され得る。モジュール式自動販売機100は、製品在庫が低く、再補充する必要があるときに管理者デバイス800に通知することができる。管理者デバイス800は、例えば、自動販売機の機能を制御するために、又は技術的問題を診断するために、遠隔で制御ユニット400に接続することができてもよい。
【0049】
管理者デバイス800は、品目スキャナ310によって識別された機械可読品目又は生体スキャナ320によって識別された生体特性(複数可)に基づいて、顧客を認証するように構成されてもよい。顧客を認証した後、管理者デバイス800は、認証された顧客を顧客アカウントと関連付けることができる。いくつかの実施形態では、管理者デバイス800は、品目スキャナ310によって識別された機械可読品目に基づいて、データベース内の特定の顧客アカウントを探し出すことができる。いくつかの実施形態では、管理者デバイス800は、生体スキャナ320によって識別された生体特性(複数可)に基づいて、データベース内に特定の顧客アカウントを探し出すことができる。管理者デバイス800は、顧客の識別された生体特性(複数可)を認可された生体特性のデータベースと比較することによって、特定の顧客アカウントを探し出すことができる。
【0050】
ユーザモバイルデバイス700は、モジュール式自動販売機100から情報を受信し、モジュール式自動販売機100に情報を送信するように構成されたアプリケーションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザモバイルデバイス700は、例えば、ユーザアカウント情報、購入のために利用可能な製品並びにそれらの価格のリスト、製品の栄養成分、購入のために利用可能な製品の画像、及び/又は取引の概要などの情報を表示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、モジュール式自動販売機100と対話するか、又はモジュール式自動販売機100との取引を完了する前に、(例えば、ユーザ名及び/又はパスワードを提供することによって)ユーザモバイルデバイス700上のアプリケーションにログインするように求められ得る。
【0051】
制御ユニット400及び/又は管理者デバイス800は、モジュール式自動販売機100及び/又はユーザモバイルデバイス700に関する情報を記憶するためのメモリを含み得る。この情報としては、例えば、製品情報、モジュール式自動販売機情報、ユーザ情報、取引場所、取引時間、及び/又は他の情報が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、情報には、ユーザの食事制限、食事嗜好、又はアレルゲンを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、制御ユニット400及び/又は管理者デバイス800の一方若しくは両方は、販売するために利用可能な製品10のリストを、モジュール式自動販売機100内に維持することができる。リストは、例えば、モジュール式自動販売機100に製品10が装填されたか、若しくは再装填された後、又は製品10がユーザに販売された後に、手動で又は自動的に更新されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態による販売動作中、ユーザは、モジュール式自動販売機100に接近することができる。いくつかの実施形態では、製品扉130をロック解除する前に、ユーザは、ユーザインターフェース300を使用して決済情報を提供するように求められ得る。いくつかの実施形態では、製品扉130をロック解除する前に、ユーザは、自身の識別情報を確認するように求められ得る。例えば、ユーザは、ユーザインターフェース300上に、ユーザモバイルデバイス700上に提供されたアクセスコードを入力するように求められ得、又は品目スキャナ310は、ユーザモバイルデバイス700上に表示された機械可読品目を読み取ることができる。いくつかの実施形態では、製品区画扉130をロック解除する前に、モジュール式自動販売機は、ユーザの生体特性(複数可)を検証するために、例えば、生体スキャナ320を使用してユーザの識別情報を自動的に確認することができる。製品扉130がロック解除された後、ユーザは、製品区画120にアクセスし、製品10を取り出すことができる。いくつかの実施形態では、ライト190は、製品扉130がロック解除されるたびに照明することができ、次いで、ユーザとの取引が完了するまで照明されたままであってもよい。製品取出センサ170は、製品区画120からユーザが取り出した製品10の種類及び数量を感知することができる。いくつかの実施形態では、ユーザとの取引は、ユーザが製品扉130を閉じたときに自動的に完了する。いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、自身が購入する製品の取り出しを終了したことをユーザインターフェース300及び/又はユーザモバイルデバイス700上に示すことによって、取引を手動で完了してもよい。次いで、ユーザは、ユーザインターフェース300及び/又はユーザモバイルデバイス700を使用して製品10の決済を提供することができる。
【0054】
図5~
図7を参照すると、モジュール式自動販売機100は、様々な形状及び大きさのものであってもよく、様々な異なる支持構造体又は表面上に配置されるか、かつ/又は取り付けられてもよい。
図5は、例えば、テーブル20上に配置された、概ね立方体形状である2台のモジュール式自動販売機100を示している。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、例えば、カウンタ、机、スタンドなどのような、別の同様の高架水平支持表面上に配置されてもよい。
図6に示すように、例えば、モジュール式自動販売機100はまた、壁30、又は他の同様の垂直支持構造物体に取り付けられてもよい。
図7に示すように、例えば、モジュール式自動販売機100は、概ね矩形の角柱形状を有してもよく、地面40上に配置され、地面40によって支持されてもよい。モジュール式自動販売機は、例えば、円筒形又は円錐形などの図示されていない他の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機は、例えば、以下に更に詳細に記載されるように、機械が垂直にかつ/又は水平に一緒に積み重ねられ得るように、モザイク式の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、およそ1~10立方フィートの容積であってよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、およそ7~30立方フィートの容積であってよい。しかしながら、モジュール式自動販売機100の大きさは多様であってもよく、例えば、機械の特定の用途(例えば、テーブル上に配置するか、又は壁に取り付けられる)に適合するか、又は機械の利用可能な空き容量に適合するように選択されてもよい。
【0055】
上述のモジュール式自動販売機100は、様々な構成で一緒に配置されてもよく、例えば、互いに隣接して積み重ねられるか、又は位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、互いに極めて近接してもよい(例えば、
図3を参照)。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、互いに空間的に離れてもよい(例えば、
図6を参照)。
【0056】
図3に示すように、2台以上のモジュール式自動販売機100は、列にして一緒に積み重ねられてもよい。同様に、2台以上のモジュール式自動販売機100は、互いに隣接して行で配設されてもよい。モジュール式自動販売機100の数及びモジュール式自動販売機100の位置決めは、例えば、自動販売機に対して利用可能な空間並びに/又は消費者需要に適応するために必要な製品保管空き容量に基づいて選択されてもよい。
図10に示すように、例えば、利用可能な空間をより効率的に利用するために、様々な高さのモジュール式自動販売機100のいくつかの列を互いに隣接して配置することができる。任意の数のモジュール式自動販売機100は、任意の配列で一緒に配置されてもよく、様々な又は均一な長さの任意の数の行及び列を含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100の各々は、同じ方向に面してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、様々な方向に面してもよい。例えば、
図4A及び
図4Bでは、3つの自動販売機の列を示しており、上面及び底面のモジュール式自動販売機100は、同じ方向に面し、真ん中のモジュール式自動販売機100は、上面及び底面のモジュール式自動販売機100に対して90度回転している。いくつかの実施形態では、列にして一緒に積み重ねられた1台以上のモジュール式自動販売機100は、反対方向に面してもよい。モジュール式自動販売機100が2つ以上の方向に面している構成では、複数のユーザは、一度にモジュール式自動販売機100の列の前に立ち、かつ/又はモジュール式自動販売機100の列と対話することができ得る。このような配列はまた、モジュール式自動販売機における製品のより大きな視認性を提供することができ、より多くの顧客を引き付けることができる。
図4Aに示すように、例えば、モジュール式自動販売機100の側面103上に広告、グラフィックなどを配置してもよく、これもまた、より多くの顧客を引き付けることができる。
【0058】
図3~
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、2台以上のモジュール式自動販売機を一緒に整列させる、接続する、及び/又は固定するように構成されたロックシステム180を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ロックシステム180は、接続部材184及びレセプタクル186を含んでもよい。接続部材184は、例えば、モジュール式自動販売機100を一緒に接続及び/又は整列させるための、例えば、ピン、リンク装置、アーム、ケーブル、又は他の手段であってもよい。レセプタクル186は、例えば、接続部材184を受容するように構成された孔、スロット、凹部などであってもよい。いくつかの実施形態では、レセプタクル186は、モジュール式自動販売機100の上面104上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、レセプタクル186は、モジュール式自動販売機100の1つ以上の側面103上に配設されてもよい。レセプタクル186はまた、モジュール式自動販売機100の外面106の他の部分上に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、ロックシステム180は、舌状システム及び溝状システムであってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、接続部材184の一端は、1台のモジュール式自動販売機100上のレセプタクル186に接続されてもよく、接続部材184の他端は、別のモジュール式自動販売機100上のレセプタクル186に接続されてもよく、このようにして、2台のモジュール式自動販売機を一緒に固定する。
図3に示すように、例えば、接続部材184は、モジュール式自動販売機を行にして一緒に固定する、2台の隣接するモジュール式自動販売機100間に延在し得る。いくつかの実施形態では、足部182はまた、接続部材184と同様の様式でレセプタクル186内に嵌合するように構成されてもよい。
図3~
図4Bに示すように、例えば、足部182は、1台のモジュール式自動販売機100の底面105の下に延在してもよく、別のモジュール式自動販売機100の上面104上のレセプタクル186に接続してもよく、このようにして、モジュール式自動販売機100を列にして一緒に固定する。いくつかの実施形態では、足部182ではなく接続部材184を使用して、モジュール式自動販売機100を列にして一緒に固定することができる。いくつかの実施形態では、接続部材184及び/又は足部182は、接続部材184をそれぞれのレセプタクル(複数可)にロックするように構成されたロック機構を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、2台以上のモジュール式自動販売機100は、無線又は有線接続を介して一緒に接続されてもよく、システムの機能を果たしてもよい。上で詳細に記載したように、各モジュール式自動販売機100は、ネットワーク600に接続することができ、ここで、モジュール式自動販売機100は、ユーザモバイルデバイス700及び/又は管理者デバイス800と通信することができる。1台のモジュール式自動販売機100はまた、ネットワーク600を介して別のモジュール式自動販売機100と通信してもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、送受信機410を介して互いに通信するか、又はネットワーク600に接続することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100は、例えば、イーサネットケーブルなどの有線接続を介して、互いに通信するか、又はネットワーク600に接続することができる。いくつかの実施形態では、接続部材184は、例えば、モジュール式自動販売機100間のデータ及び/又は電力の伝達を可能にするために、配線、接続ポートなどを含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機100のシステム内の各モジュール式自動販売機100は、それ自体の機能を制御する制御ユニット400を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つの制御ユニット400は、いくつかのモジュール式自動販売機100の機能を制御してもよい。同様に、モジュール式自動販売機100のシステム内の各モジュール式自動販売機100は、それぞれのユーザインターフェース300、品目スキャナ310、及び/又は生体スキャナ320を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つのユーザインターフェース300、品目スキャナ310、及び/又は生体スキャナ320は、システム内のいくつかのモジュール式自動販売機100に接続され、それらとともに使用されてもよい(例えば、
図3及び
図7を参照)。
図10及び
図11を参照すると、いくつかの実施形態では、取引ステーション500は、モジュール式自動販売機100とは別個に、ユーザインターフェース300及び/又は制御ユニット400を収容してもよい。モジュール式自動販売機100は、有線又は無線接続を介して、取引ステーション500に接続されてもよい。
図11に例示するように、いくつかの実施形態では、取引ステーション500は、ネットワーク600に接続され、特定のエリアにサービスを提供するいくつかのモジュール式自動販売機100のためのハブの機能を果たすことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、ユーザは、複数のモジュール式自動販売機100と一度に対話することができ、かつ/又は1回の取引で複数のモジュール式自動販売機100から製品を購入することができる。いくつかの実施形態による販売動作中、例えば、ユーザは、モジュール式自動販売機100のシステムに接近することができる。ユーザは、ユーザインターフェース300、品目スキャナ310、及び/又はユーザモバイルデバイス700を使用して決済情報を提供し、かつ/又は自身の識別情報を検証するように求められ得る。同様に、ユーザの識別情報は、生体スキャナ320によって自動的に検証されてもよい。決済情報及び/又は識別情報が確認された後、製品扉130の2つ以上がロック解除されてもよく、ユーザは、それぞれの製品区画120にアクセスすることができる。次いで、ユーザは、2台以上のモジュール式自動販売機100の製品区画120から製品10を取り出し、いくつかの製品区画から取り出した製品に基づいて単一の取引を完了してもよい。このようにして、ユーザは、各自動販売機へのアクセスを別個に得る必要がなく、異なるモジュール式自動販売機から製品を購入するときに1回の取引のみを完了してもよい。
【0063】
モジュール式自動販売機のシステム内のモジュール式自動販売機100の各々は、同一の構造のものである必要はないか、又は同じ種類の製品10を収容する必要はない。例えば、システム内の1台のモジュール式自動販売機100は、腐敗しやすい製品10のみを収容し、温度制御システム150を含んでもよく、システム内の別のモジュール式自動販売機100は、保存の利く製品10のみを収容し、温度制御されなくてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機のシステム内のモジュール式自動販売機100の各々は、同一の構造のものである。
【0064】
いくつかの実施形態では、1台のモジュール式自動販売機100は、例えば、アルコール飲料又はタバコなどの年齢制限製品10を収容してもよく、別のモジュール式自動販売機100は、非年齢制限製品10を収容してもよい。いくつかの実施形態による販売動作中、製品扉130をロック解除する前に、ユーザは、例えば、品目スキャナ310若しくは生体スキャナ320を使用して自身の識別情報を検証することによって、又はユーザモバイルデバイス700上のアカウントにログインすることによって、自身の年齢を確認するように求められ得る。いくつかの実施形態では、品目スキャナ310は、例えば、運転免許証、パスポートなどのようなユーザの身分証明書をスキャン及び/又は検証するように構成されてもよい。次いで、ユーザの年齢を決定した後、適切な製品扉130がロック解除されてもよい。例えば、ユーザがモジュール式自動販売機100に収容されている全ての製品10を購入するのに十分な年齢である場合、全ての製品扉130がロック解除されてもよい。ユーザが若すぎて特定の種類の製品10を購入することができない場合、年齢制限製品10を固定する製品扉130はロックされたままであり、非年齢制限製品10を固定する製品扉130はロック解除されてもよい。次いで、ユーザは、ロック解除された製品区画120内の製品10を取り出して決済を提供することができる。
【0065】
上述のように、制御ユニット400及び/又は管理者デバイス800は、製品情報、取引履歴、並びに/若しくはユーザ情報を記憶してもよい。この記憶された情報は、例えば、ユーザに製品推奨を行うために使用されてもよい。ユーザがモジュール式自動販売機100に接近し、ユーザの識別情報が確認された後、ライト190、ユーザインターフェース300、及び/又はユーザモバイルデバイス700は、ユーザが過去に購入した製品10を示してもよいか、又は過去の取引に基づいてユーザが好む可能性のある製品10を示してもよい。ライト190、ユーザインターフェース300、及び/又はユーザモバイルデバイス700は、推奨製品(複数可)10の製品区画(複数可)120内の場所をユーザに示すことができる。同様に、ライト190、ユーザインターフェース300、及び/又はユーザモバイルデバイス700は、例えば、ユーザがアレルギーを起こす成分、又はユーザの食事制限若しくは嗜好と一致しない成分を含む製品10をユーザに示す及び/又は通知することができる。いくつかの実施形態では、ユーザの食事制限若しくは嗜好と一致しないか、又は既知のアレルゲンを含む製品10を収容する製品区画120を固定している製品扉130は、他の製品扉130がロック解除されている間、ロックされたままでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、製品取出センサ170は、取引中に、取り出した製品の数及び/又は取り出した製品の価格を連続的又は数回監視してもよい。更に、制御ユニット400は、取引中に一度に開かれ得る製品扉130の数を制限してもよい。制御ユニット400は、例えば、取引が完了する前に、モジュール式自動販売機100から大量の製品又は多額の製品が取り出されることを防止するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、機械の操作者は、1回の取引中に取り出され得る製品の数量及び/又は価格の許容限度を手動で選択してもよい。いくつかの実施形態では、製品の数量及び/又は価格の許容限度は、例えば、制御ユニット400及び/又は管理者デバイス800によって自動的に決定されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態による販売動作中、ユーザが決済情報を提供し、かつ/又は自身の識別情報が検証された後、特定の製品扉130がロック解除され得る。次いで、ユーザが製品扉130のうちの1つを開いた後、他の製品扉130の全てをロックすることができる。次いで、開いた扉を閉じた後、製品取出センサ170は、製品区画120から取り出された製品の数量及び/又は価格を決定してもよい。数量及び/又は価格が許容限度を超えない場合、他の製品扉130は、ユーザが製品を取り出し続けることができるように、ロック解除することができる。種類、数量、及び/又は価格が許容限度を超える場合、他の製品扉130は、ロックされたままであり得、ユーザは、他の区画からより多くの製品を取り出すことができなくなり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ユーザインターフェース300及び/又はユーザモバイルデバイス700を介して、許容量を超えたことをユーザに通知することができる。次いで、ユーザは、未処理価格が許容限度を下回るように、取り出した製品10を製品区画120に戻すことができ得る。代替的に、ユーザは、製品の決済を提供し、取引を完了してもよい。
【0068】
図12に例示するように、販売動作は、ユーザからユーザ情報を受信することと、第1の製品区画120及び第2の製品区画120内に配設された製品10の数を決定することと、第1の製品扉130及び第2の製品扉130をロック解除することと、ユーザが第1の製品扉130を開けたときに、第2の製品扉130をロックすることと、第1の製品扉130が閉じているときに、第2の製品扉130をロック解除することと、第1及び第2の製品扉130をロックすることと、第1の製品区画120及び第2の製品区画120から取り出された製品10の数を決定することと、を含んでもよい。
【0069】
図8を参照すると、モジュール式自動販売機200は、製品保管システム210を含んでもよい。製品保管システム210は、ユーザに販売される1つ以上の製品10を保管し、かつ/又は表示するように構成されている。製品保管システム210は、1台の一体型ハウジング212内に一緒に収容されたいくつかの製品区画220を含んでもよい。製品区画220は、隣接する製品区画220間の熱交換を低減するように断熱され得る区画壁214によって分離されてもよい。製品10は、製品区画220内に配置及び/又は保管されてもよい。いくつかの実施形態では、製品保管システム210は、製品区画220又は製品区画220の一部を照明するように構成されたライト290を含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、各製品区画220は、異なる種類の製品10を保管してもよい。例えば、保存の利く製品10は、1つの製品区画220内に保管されてもよく、腐敗しやすい製品10は、別の製品区画220内に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、室温以外の温度で好ましくは供給される製品10は、1つの製品区画220内に保管されてもよく、好ましくは室温で供給される製品10は、別の製品区画220内に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、製品区画220内に保管された製品10の全ては、同じ種類、重量、体積、及び/又はコストであり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、モジュール式自動販売機200は、製品区画220のいくつか又は全ての温度を制御するための温度制御システムを含んでもよい。温度制御システムは、同じ特徴を有してもよく、上述の温度制御システム150と同じ様式で動作してもよい。
【0072】
製品保管システム210内に保管されている製品10は、製品区画220内の行、列、及び/又はスタックに配列されてもよい。いくつかの実施形態では、製品10は、特定の様式で整理される必要はなく、様々な配列で製品保管システム210内に配置されてもよい。
【0073】
モジュール式自動販売機200は、製品区画220毎に製品扉230を含んでもよく、これによって、ユーザは、販売動作中に製品区画220及び製品10にアクセスすることができる。製品扉130と同様に、製品扉230は、販売動作中にユーザが選択的にアクセス可能であってもよい。製品保管システム210は、1つ以上の製品取出センサ270を含んでもよく、製品取出センサ270は、上述の製品取出センサ170と同じ特徴を有してもよく、同じ様式で動作してもよい。
【0074】
モジュール式自動販売機200はまた、上で詳細に記載したように、ユーザインターフェース300及び制御ユニット400を含んでもよい。
図9に例示するように、モジュール式自動販売機200は、ネットワーク600に接続し、モジュール式自動販売機100に関して上述した様式でユーザモバイルデバイス700及び/又は管理者デバイス800と通信することができる。
【0075】
モジュール式自動販売機200は、モジュール式自動販売機100のシステムに関して上述したのと同じ様式で、販売動作を実施し、かつ/又はユーザとの取引を完了することができる。例えば、いくつかの実施形態では、製品取出センサ270は、取引中に、製品区画220から取り出した製品の数及び/又は取り出した製品の価格を連続的又は数回監視してもよい。更に、制御ユニット400は、取引中に一度に開かれ得る製品扉230の数を制限してもよい。制御ユニット400は、例えば、取引が完了する前に、モジュール式自動販売機200から大量の製品又は多額の製品が取り出されることを防止するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、機械の操作者は、1回の取引中に取り出され得る製品の数量及び/又は価格の許容限度を手動で選択してもよい。いくつかの実施形態では、製品の数量及び/又は価格の許容限度は、例えば、制御ユニット400及び/又は管理者デバイス800によって自動的に決定されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態による販売動作中、ユーザが決済情報を提供し、かつ/又は自身の識別情報が検証された後、特定の製品扉230がロック解除され得る。次いで、ユーザが製品扉230のうちの1つを開いた後、他の製品扉230の全てをロックすることができる。次いで、開いた扉を閉じた後、製品取出センサ270は、製品区画220から取り出された製品の数量及び/又は価格を決定してもよい。数量及び/又は価格が許容限度を超えない場合、他の製品扉230は、ユーザが製品を取り出し続けることができるように、ロック解除することができる。種類、数量、及び/又は価格が許容限度を超える場合、他の製品扉は、ロックされたままとなり、ユーザは、他の区画からより多くの製品を取り出すことができなくなる。いくつかの実施形態では、例えば、ユーザインターフェース300及び/又はユーザモバイルデバイス700を介して、許容量を超えたことをユーザに通知することができる。次いで、ユーザは、未処理価格が許容限度を下回るように、取り出した製品10を製品区画220に戻すことができ得る。代替的に、ユーザは、製品の決済を提供し、取引を完了してもよい。
【0077】
モジュール式自動販売機100に関して上述したように、モジュール式自動販売機200はまた、過去の取引データに基づいてユーザへの推奨を行うことができるか、又は年齢及び/若しくは食事制限に基づいて特定の製品区画へのアクセスを制限することができる。
【0078】
図12に例示するように、販売動作は、ユーザからユーザ情報を受信することと、第1の製品区画220及び第2の製品区画220内に配設された製品10の数を決定することと、第1の製品扉230及び第2の製品扉230をロック解除することと、ユーザが第1の製品扉230を開けたときに、第2の製品扉230をロックすることと、第1の製品扉230が閉じているときに、第2の製品扉230をロック解除することと、第1及び第2の製品扉230をロックすることと、第1の製品区画220及び第2の製品区画220から取り出された製品10の数を決定することと、を含んでもよい。
【0079】
図13は、実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装され得る、例示的なコンピュータシステム900を示す。例えば、顧客データ(例えば、生体データ)の収集、収集されたデータに基づく顧客の識別、顧客アカウントの認証、及び/又は顧客アカウントの追跡は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、そこに記憶された命令を有する有形コンピュータ可読媒体、又はそれらの組み合わせを使用してコンピュータシステム900内で実装されてもよく、1つ以上のコンピュータシステム又は他の処理システムで実装されてもよい。本明細書において論じられる制御装置は、本明細書において論じられるプロセスを実装するためのコンピュータシステム900の構成要素の全て又はいくつかを有するコンピュータシステムであってもよい。
【0080】
プログラマブルロジックが使用される場合、このようなロジックは、市販の処理プラットフォーム又は特定の目的のデバイス上で実行することができる。当業者であれば、開示された主題の実施形態が、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータ、分散された機能とリンク又はクラスタ化されたコンピュータ、並びに、仮想的に任意のデバイスに埋め込まれ得る普及型又は小型コンピュータを含む、様々なコンピュータシステム構成により実践され得ることを理解することができる。
【0081】
例えば、少なくとも1つのプロセッサデバイス及びメモリは、上記された実施形態を実装するために使用されてもよい。プロセッサデバイスは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組み合わせでもよい。プロセッサデバイスは、1つ以上のプロセッサ「コア」を有してもよい。
【0082】
本発明(複数可)の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム900に関して実装され得る。この説明を読めば、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを用いて、本発明の1つ以上が実施できる方法が当業者には明らかになるであろう。動作は連続的なプロセスとして記載され得るが、動作の一部は、実際に、平行して、同時に、かつ/又は分散環境において実施されてもよく、シングル又はマルチプロセッサマシンによるアクセスに対してローカルに又はリモートに記憶されたプログラムコードにより実施されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、動作順序は、開示された主題の趣旨を逸脱することなく、再調整されてもよい。
【0083】
プロセッサデバイス904は、特殊目的又は汎用プロセッサデバイスであってもよい。当業者に理解されるように、プロセッサデバイス904はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステムにおける単一のプロセッサであってもよく、このようなシステムは、単独で、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて動作するコンピュータデバイスのクラスタで動作する。プロセッサデバイス904は、通信インフラストラクチャ906、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、又はマルチコアメッセージ受け渡しスキームに接続される。
【0084】
コンピュータシステム900はまた、メインメモリ908、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)も含み、二次メモリ910も含んでもよい。二次メモリ910は、例えば、ハードディスクドライブ912又は取り外し可能な記憶ドライブ914を含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ914は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ914は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット918に対して読み出し及び/又は書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット918としては、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ドライブなどが挙げられ得、これらは、取り外し可能な記憶ドライブ914により、読み出し及び書き込まれる。当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニット918としては、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶しているコンピュータ使用可能記憶媒体が挙げられる。
【0085】
コンピュータシステム900は(任意選択的に)、表示ユニット930に表示するためのグラフィック、テキスト、及び他のデータを通信インフラストラクチャ906から(又は、図示されていないフレームバッファから)転送する(キーボード、マウスなどのような入力及び出力デバイスを含むことができる)表示インターフェース902を含む。
【0086】
代替的な実装態様では、二次メモリ910としては、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステム900にロードすることを可能にするための他の同様の手段が挙げられ得る。このような手段としては、例えば、取り外し可能な記憶ユニット922及びインターフェース920が挙げられ得る。このような手段の例としては、ソフトウェア及びデータを取り外し可能な記憶ユニット922からコンピュータシステム900に伝送することができる、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるようなものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)並びに関連するソケット、及び他の取り外し可能な記憶ユニット922並びにインターフェース920が挙げられ得る。
【0087】
コンピュータシステム900はまた、通信インターフェース924を含み得る。通信インターフェース924は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム900と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にする。通信インターフェース924としては、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット、及びカードなどが挙げられ得る。通信インターフェース924を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、これは、電子的、電磁気的、光学的、又は通信インターフェース924により受信されることができる他の信号であってもよい。これらの信号は、通信経路926を介して、通信インターフェース924に提供されてもよい。通信経路926は、信号を搬送し、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、又は他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。
【0088】
この文書において、「コンピュータプログラム媒体」又は「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、一般には、取り外し可能な記憶ユニット918、取り外し可能な記憶ユニット922、及びハードディスクドライブ912内に設置されたハードディスクなどの媒体を指すために使用される。コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体はまた、メインメモリ908及び二次メモリ910などのメモリを指すこともでき、これは、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得る。
【0089】
(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)コンピュータプログラムは、メインメモリ908及び/又は二次メモリ910内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース924を介して受信され得る。このようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム900が、本明細書において論じられる実施形態を実装することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサデバイス904が、本明細書において論じられる実施形態の処理を実装することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム900の制御装置を表す。実施形態がソフトウェアを使用して実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ914、インターフェース920、及びハードディスクドライブ912、又は通信インターフェース924を使用してコンピュータシステム900にロードされ得る。
【0090】
本発明(複数可)の実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体上に記憶されたソフトウェアを含むコンピュータプログラム製品を対象とするものであり得る。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されると、データ処理デバイス(複数可)に、本明細書で記載されたように動作させる。本発明(複数可)の実施形態は、コンピュータ使用可能又は読み取り可能媒体を採用してもよい。コンピュータ使用可能媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、及び光学記憶デバイス、MEMS、ナノ技術記憶デバイスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
発明の概要及び要約の項ではなく、発明を実施するための形態の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(複数可)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明(複数可)及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0092】
特定の実施形態の前述の説明により、本発明(複数可)の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明(複数可)の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、その結果、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0093】
本発明(複数可)の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。