(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】プラズマエッチングによる高屈折率ガラスのパターン化
(51)【国際特許分類】
C03C 15/00 20060101AFI20240520BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240520BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
C03C15/00 D
G02B5/18
G02C11/00
(21)【出願番号】P 2022076472
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2019536150の分割
【原出願日】2018-01-04
【審査請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マウロ メッリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ぺロス
(72)【発明者】
【氏名】ビクラムジト シン
【審査官】若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-505302(JP,A)
【文献】特開2004-004745(JP,A)
【文献】特開2008-281639(JP,A)
【文献】特開2008-242186(JP,A)
【文献】特開2003-172639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 1/00-40/04
C03C 1/00-29/00
G02B 5/18
5/32
6/02-6/10
6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学導波管構造を形成する方法であって、前記方法は、
高屈折率ガラス基板内に形成されるべき第1の特徴の所望の寸法特性を識別することであって、前記高屈折率ガラス基板は、約1.65以上の屈折率を有する、ことと、
少なくとも前記第1の特徴を前記高屈折率ガラス基板内に形成するために使用されるエッチングプロセスのエッチング特性を識別することと、
前記第1の特徴を前記高屈折率ガラス基板内に形成することに先立って、前記識別されたエッチング特性に基づいて、前記高屈折率ガラス基板上に形成されるべきパターン化された層の第2の特徴のバイアス寸法特性を決定することと、
前記パターン化された層を前記高屈折率ガラス基板上に形成することであって、前記形成することは、前記第2の特徴を前記パターン化された層内に形成することを含み、前記第2の特徴は、前記バイアス寸法特性を有する、ことと、
前記エッチングプロセスを使用して、前記バイアス寸法特性を有する前記第2の特徴のパターンを前記高屈折率ガラスの中に転写し、前記高屈折率ガラス基板内に前記所望の寸法特性を有する前記第1の特徴を形成することと
を含み、
前記第2の特徴のバイアスサイズは、前記第1の特徴の所望のサイズより大き
く、
前記エッチングプロセスは、異方性であり、前記エッチングプロセスは、物理的エッチング機構が、前記高屈折率ガラス基板から、化学的エッチング機構によって除去されない1つ以上の酸化物種を除去するように、前記化学的エッチング機構および前記物理的エッチング機構を含めることを介して、前記高屈折率ガラス基板に対して選択的である、方法。
【請求項2】
前記第2の特徴は、所望のサイズの開口部を前記高屈折率ガラス基板内に形成するサイズのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン化された層を前記高屈折率ガラス基板から除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン化された層は、アッシングプロセスおよび/またはウェットエッチングプロセスによって除去される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パターン化された層は、蒸着プロセスおよび/または化学蒸着プロセスによって形成される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、2017年1月5日に出願された米国仮出願第62/442,809号の35 U.S.C. § 119(e)のもとでの優先権の利益を主張するものであり、該米国仮出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(参照による援用)
本願は、以下の特許出願の各々の全体を参照により援用するものである:2014年11月27日に出願された米国出願第14/555,585号(2015年7月23日付けで米国出願公開第2015/0205126号として公開);2015年4月18日に出願された米国出願第14/690,401号(2015年10月22日付けで米国出願公開第2015/0302652号として公開);2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,961号(現在は、米国特許9,417,452号(2016年8月16日付けで発行));および2014年7月14日に出願された米国出願第14/331,218号(2015年10月29日付けで米国出願公開第2015/0309263号として公開)。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、その中での使用のための高屈折率ガラスの高分解能パターン化に関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含み得る。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写される。AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム1120を特徴とする、実世界公園状設定1100が見える。ユーザはまた、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ1130等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。これらの要素1130、1110は、実世界内に存在しないという点において、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、複雑であるため、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生産は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの側面によると、1つ以上の回折格子を導波管内に形成するための方法が、開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、約1.65以上の屈折率を有する導波管を提供するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、導波管の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、マスク層を導波管にわたって提供するステップであって、マスク層は、1つ以上の回折格子に対応するパターンを有し、パターンは、導波管の一部を選択的に暴露する、ステップと、導波管の暴露された部分を異方的にエッチングし、1つ以上の回折格子を導波管内に画定するステップとを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、マスク層を提供するステップは、導波管の第1の領域にわたる第1の回折格子パターンと、第2の領域内の第2の回折格子パターンとを備える、パターンを提供するステップを含み、第2の領域は、導波管の表面の面積の大部分にわたって延在する。いくつかの実施形態では、第1の回折格子パターンは、内部結合光学要素に対応し、第2の回折格子パターンは、外部結合光学要素に対応する。いくつかの実施形態では、マスク層を提供するステップは、導波管の第3の領域にわたる第3の回折格子パターンを備える、パターンを提供するステップを含み、第3の回折格子パターンは、内部結合光学要素からの光を上部結合光学に再指向するように構成される、直交瞳エクスパンダに対応する。いくつかの実施形態では、1つ以上の回折格子は、略平行線を備え、各線は、約1ミクロン未満の臨界寸法と、約1:10~約10:1のアスペクト比とを有する。いくつかの実施形態では、各線は、約300nm未満の臨界寸法を有する。
【0009】
いくつかの側面によると、特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するためのプラズマエッチングプロセスが、提供される。いくつかの実施形態では、本プロセスは、パターン化されたマスク層を高屈折率ガラス基板の少なくとも一部上に提供するステップであって、基板は、約1.65以上の屈折率を有し、約50重量%未満のSiO2を備える、ガラスから形成される、ステップと、マスク層および高屈折率ガラス基板を化学的エッチング種および物理的エッチング種を備えるプラズマエッチングに暴露し、暴露された高屈折率ガラスを高屈折率ガラス基板から選択的に除去することによって、特徴を基板内にエッチングするステップとを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板は、約30重量%未満のSiO2を備える。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板は、約1.70以上の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、マスク層および高屈折率ガラス基板をプラズマエッチングに暴露するステップは、高屈折率ガラスを高屈折率ガラス基板の暴露される表面から異方的に除去するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、プラズマは、高屈折率ガラス基板を収容する反応チャンバ内の原位置で生成される。いくつかの実施形態では、ソースガスは、SF6およびArガスを含む。いくつかの実施形態では、ソースガスは、BCl3、HBr、およびArガスを含む。いくつかの実施形態では、ソースガスは、CF4、CHF3、およびArガスを含む。いくつかの実施形態では、反応チャンバは、誘導結合プラズマ(ICP)反応器の反応チャンバである。いくつかの実施形態では、反応チャンバは、二重周波数ICP反応器の反応チャンバである。いくつかの実施形態では、特徴はそれぞれ、約100nm未満の臨界寸法を有する。いくつかの実施形態では、特徴はそれぞれ、約1:10~約10:1のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、特徴は、回折格子を形成するようにサイズが決められ、離間される。いくつかの実施形態では、マスク層は、ポリマーレジスト層を備える。いくつかの実施形態では、プロセスはさらに、マスク層および高屈折率ガラス基板をプラズマに暴露した後、残りのマスク層を高屈折率ガラス基板から除去するステップを含んでもよい。
【0012】
いくつかの側面によると、特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するためのプロセスが、提供される。いくつかの実施形態では、本プロセスは、高屈折率ガラス基板の一部を反応チャンバ内のプラズマに選択的に暴露し、高屈折率ガラスを高屈折率ガラス基板から選択的に除去するステップを含んでもよく、高屈折率ガラス基板は、約50重量%未満のSiO2を備え、約1.65以上の屈折率を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものを備える。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露するステップは、突出部のパターンを基板内に画定し、突出部は、光学回折格子を形成する。いくつかの実施形態では、本プロセスはさらに、マスク層を基板上に堆積させるステップと、マスク層をパターン化し、離間された線の第1のセットを基板にわたる第1の領域内に、離間された線の第2のセットを基板にわたる第2の領域内に画定するステップとを含んでもよく、高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露するステップは、基板をマスク層を通してエッチングし、第1の領域に対応する基板の面積内の光内部結合回折格子と、第2の領域に対応する基板の面積内の光外部結合回折格子とを形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、マスク層をパターン化するステップはさらに、離間された線の第3のセットを基板にわたる第3の領域内に画定し、高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露するステップは、基板をマスク層を通してエッチングし、第3の領域に対応する直交瞳エクスパンダを形成するステップを含む。
【0014】
ある他の側面によると、光学導波管構造を形成するための方法が、提供される。本方法は、高屈折率ガラス基板内に形成されるべき第1の特徴の所望の寸法特性を識別するステップと、少なくとも第1の特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するために使用される、エッチングプロセスのエッチング特性を識別するステップとを含む。識別されたエッチング特性に基づいて、バイアス寸法特性が、第1の特徴を高屈折率ガラス基板内に形成することに先立って、高屈折率ガラス基板上に形成されるべきパターン化された層の第2の特徴のために決定される。パターン化された層は、高屈折率ガラス基板上に形成される。パターン化された層を形成するステップは、第2の特徴をパターン化された層内に形成するステップを含み、第2の特徴は、バイアス寸法特性を有する。本方法はまた、エッチングプロセスを使用して、バイアス寸法特性を有する第2の特徴のパターンを高屈折率ガラスの中に転写し、所望の寸法特性を有する第1の特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するステップを含む。
【0015】
さらに他の側面によると、ガラス基板をパターン化するための方法が、提供される。本方法は、エッチングマスクを1.65以上の屈折率を有するガラスから形成されるガラス基板にわたって提供するステップを含む。対応する特徴をガラス基板内に画定するためのエッチングマスク内の特徴は、対応する特徴の所望のサイズより大きい。本方法はまた、ガラス基板をエッチングマスクを通してエッチングし、特徴をガラス基板内に画定するステップを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
1つ以上の回折格子を導波管内に形成するための方法であって、前記方法は、
約1.65以上の屈折率を有する導波管を提供することであって、前記導波管の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される、ことと、
マスク層を前記導波管にわたって提供することであって、前記マスク層は、前記1つ以上の回折格子に対応するパターンを有し、前記パターンは、前記導波管の一部を選択的に暴露する、ことと、
前記導波管の暴露された部分を異方的にエッチングし、前記1つ以上の回折格子を前記導波管内に画定することと
を含む、方法。
(項目2)
マスク層を提供することは、前記導波管の第1の領域にわたる第1の回折格子パターンと、第2の領域内の第2の回折格子パターンとを備えるパターンを提供することを含み、前記第2の領域は、前記導波管の表面の面積の大部分にわたって延在する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の回折格子パターンは、内部結合光学要素に対応し、前記第2の回折格子パターンは、外部結合光学要素に対応する、項目2に記載の方法。
(項目4)
マスク層を提供することは、前記導波管の第3の領域にわたる第3の回折格子パターンを備えるパターンを提供することを含み、前記第3の回折格子パターンは、前記内部結合光学要素からの光を上部結合光学に再指向するように構成される直交瞳エクスパンダに対応する、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記1つ以上の回折格子は、複数の略平行線を備え、各線は、約1ミクロン未満の臨界寸法と、約1:10~約10:1のアスペクト比とを有する、項目1に記載の方法。
(項目6)
各線は、約300nm未満の臨界寸法を有する、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記マスク層は、マスク層材料の下層マスク層および上層共形層を備える、項目5に記載の方法。
(項目8)
特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するためのプラズマエッチングプロセスであって、前記プロセスは、
パターン化されたマスク層を前記高屈折率ガラス基板の少なくとも一部上に提供することであって、前記基板は、ガラスから形成され、前記ガラスは、約1.65以上の屈折率を有し、約50重量%未満のSiO2を備える、ことと、
前記マスク層および高屈折率ガラス基板を化学的エッチング種および物理的エッチング種を備えるプラズマエッチングに暴露し、暴露された高屈折率ガラスを前記高屈折率ガラス基板から選択的に除去することによって、前記特徴を前記基板内にエッチングすることと
を含む、プロセス。
(項目9)
前記高屈折率ガラス基板は、約30重量%未満のSiO2を備える、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目10)
前記高屈折率ガラス基板の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目11)
前記高屈折率ガラス基板は、約1.70以上の屈折率を有する、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目12)
前記マスク層および高屈折率ガラス基板をプラズマエッチングに暴露することは、高屈折率ガラスを前記高屈折率ガラス基板の暴露される表面から異方的に除去することを含む、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目13)
前記プラズマは、前記高屈折率ガラス基板を収容する反応チャンバ内の原位置で生成される、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目14)
ソースガスは、SF6およびArガスを含む、項目13に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目15)
ソースガスは、BCl3、HBr、およびArガスを含む、項目13に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目16)
ソースガスは、CF4、CHF3、およびArガスを含む、項目13に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目17)
前記反応チャンバは、誘導結合プラズマ(ICP)反応器の反応チャンバである、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目18)
前記反応チャンバは、二重周波数ICP反応器の反応チャンバである、項目17に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目19)
前記特徴はそれぞれ、約100nm未満の臨界寸法を有する、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目20)
前記特徴はそれぞれ、約1:10~約10:1のアスペクト比を有する、項目19に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目21)
前記特徴は、回折格子を形成するようにサイズが決められ、離間される、項目19に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目22)
前記マスク層は、ポリマーレジスト層を備える、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目23)
前記マスク層および高屈折率ガラス基板を前記プラズマに暴露した後、残りのマスク層を前記高屈折率ガラス基板から除去することをさらに含む、項目8に記載のプラズマエッチングプロセス。
(項目24)
特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するためのプロセスであって、前記プロセスは、
前記高屈折率ガラス基板の一部を反応チャンバ内のプラズマに選択的に暴露し、高屈折率ガラスを前記高屈折率ガラス基板から選択的に除去すること
を含み、
前記高屈折率ガラス基板は、約50重量%未満のSiO2を備え、約1.65以上の屈折率を有する、プロセス。
(項目25)
前記高屈折率ガラス基板は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものを備える、項目24に記載のプロセス。
(項目26)
前記高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露することは、突出部のパターンを前記基板内に画定し、前記突出部は、光学回折格子を形成する、項目24に記載のプロセス。
(項目27)
マスク層を前記基板上に堆積させることと、
前記マスク層をパターン化し、離間された線の第1のセットを前記基板にわたる第1の領域内に画定し、離間された線の第2のセットを前記基板にわたる第2の領域内に画定することと
をさらに含み、
前記高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露することは、前記基板を前記マスク層を通してエッチングすることにより、
前記第1の領域に対応する前記基板の面積内の光内部結合回折格子と、
前記第2の領域に対応する前記基板の面積内の光外部結合回折格子と
を形成することを含む、項目26に記載のプロセス。
(項目28)
前記マスク層をパターン化することはさらに、離間された線の第3のセットを前記基板にわたる第3の領域内に画定し、
前記高屈折率ガラス基板の一部を選択的に暴露することは、前記基板を前記マスク層を通してエッチングし、前記第3の領域に対応する直交瞳エクスパンダを形成することを含む、項目27に記載のプロセス。
(項目29)
光学導波管構造を形成する方法であって、前記方法は、
高屈折率ガラス基板内に形成されるべき第1の特徴の所望の寸法特性を識別することと、
少なくとも前記第1の特徴を前記高屈折率ガラス基板内に形成するために使用される、エッチングプロセスのエッチング特性を識別することと、
前記第1の特徴を前記高屈折率ガラス基板内に形成することに先立って、前記識別されたエッチング特性に基づいて、前記高屈折率ガラス基板上に形成されるべきパターン化された層の第2の特徴のバイアス寸法特性を決定することと、
前記パターン化された層を前記高屈折率ガラス基板上に形成することであって、前記形成することは、前記第2の特徴を前記パターン化された層内に形成することを含み、前記第2の特徴は、前記バイアス寸法特性を有する、ことと、
前記エッチングプロセスを使用して、前記バイアス寸法特性を有する前記第2の特徴のパターンを前記高屈折率ガラスの中に転写し、前記高屈折率ガラス基板内に前記所望の寸法特性を有する前記第1の特徴を形成することと
を含む、方法。
(項目30)
ガラス基板をパターン化するための方法であって、前記方法は、
エッチングマスクを1.65以上の屈折率を有するガラスから形成されるガラス基板にわたって提供することであって、対応する特徴を前記ガラス基板内に画定するための前記エッチングマスク内の特徴は、前記対応する特徴の所望のサイズより大きい、ことと、
前記ガラス基板を前記エッチングマスクを通してエッチングし、前記特徴を前記ガラス基板内に画定することと
を含む、方法。
(項目31)
エッチングマスクを提供することは、
初期エッチングマスクを形成することと、
前記初期エッチングマスクの特徴のサイズを増加させ、前記エッチングマスクを形成することと
を含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記エッチングマスクは、レジストを備え、前記初期エッチングマスクを形成することは、前記レジストをインプリントすることを含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記初期エッチングマスクの特徴のサイズを増加させることは、共形フィルムを前記初期エッチングマスク上に堆積させることを含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記ガラス基板は、約50重量%未満のSiO2を備え、前記高屈折率ガラス基板の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記エッチングマスクは、炭素ベースのポリマー、クロム、または酸化ケイ素を備える、項目30に記載の方法。
(項目36)
前記ガラス基板をエッチングすることは、イオンビームミリングを実施し、前記ガラス基板の材料を除去することを含む、項目30に記載の方法。
(項目37)
前記ガラス基板をエッチングすることは、50nm以上の深度を有する開口部を20秒未満で形成する、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記ガラス基板をエッチングすることは、前記開口部を10秒未満で形成する、項目37に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0017】
【
図2】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0018】
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0019】
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0020】
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0021】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0022】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0023】
【
図8】
図8は、各深度平面が複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示する。
【0024】
【
図9A】
図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0025】
【0026】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0027】
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による、プラズマエッチングプロセスの実施例のためのプロセスフロー図である。
【0028】
【
図11A】
図11Aは、上層エッチングマスクを有する、ガラス基板の実施例の断面側面図を図示する。
【0029】
【0030】
【
図11C】
図11Cは、ガラス基板をエッチングし、上層エッチングマスクを除去した後の、
図11Bの構造の実施例の断面側面図を図示する。
【0031】
【
図12A】
図12Aは、ガラス基板の上層のエッチングマスクの別の実施例の断面側面図を図示する。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図12D】
図12Dは、ガラス基板をエッチングし、上層エッチングマスクを除去した後の、
図12Bの構造の実施例の断面側面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。図面は、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0036】
VRおよびARディスプレイシステムは、画像情報を光の形態でユーザに提供するための導波管として高屈折率ガラス基板を利用してもよい。高屈折率の基板は、広範囲の角度における基板からの光の出力を可能にし、その基板内の光の全内部反射(TIR)を促進することを含め、望ましい光学性質を提供する。光学要素は、基板の表面上に提供され、例えば、基板内のTIRのために光を内部結合し、および/または光をユーザに外部結合し得ることを理解されたい。実施例として、これらの光学要素は、回折格子の形態をとってもよい。
【0037】
しかしながら、回折格子等の光学要素を、直接、高屈折率ガラス基板の本体内にエッチングすることは、困難である。高屈折率を有する基板材料は、基板内の少量の酸化ケイ素に起因して、特に、光学要素に望ましい寸法において、エッチングすることが困難である。しかしながら、光学要素の光学性質は、要素の規則性、寸法、および形状に著しく依存する。典型的ウェット化学エッチングまたは反応性イオンエッチングは、光学回折格子としての使用のために、不十分な高分解能を有し、および/または十分に垂直または直線の側壁および/または十分なアスペクト比を伴う特徴を形成しないことが見出されている。
【0038】
その結果、そのような光学要素を形成するための従来のアプローチは、光学要素を基板上に形成するための材料を堆積させることである。例えば、材料は、蒸着およびパターン化されてもよい。別の実施例として、光学要素は、基板に取り付けられる、別個のフィルム内に形成されてもよい。しかしながら、そのような堆積または取付は、望ましくなく、製造複雑性を追加し得、また、光学アーチファクトを導入し得る。例えば、基板と堆積される層またはフィルムとの間の界面およびフィルムを基板に継合する任意の接着剤層は、反射を生じさせ得、ひいては、光学アーチファクトを生じさせる。
【0039】
いくつかの実施形態によると、エッチングプロセスは、特徴が、直接、高屈折率ガラス基板の本体内に形成されることを可能にしながら、高分解能および選択性を提供する。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、パターン化されたマスク層を高屈折率ガラス基板の表面の少なくとも一部上に形成するステップと、マスク層および高屈折率ガラス基板を反応チャンバ内のプラズマに暴露し、所望の量の高屈折率ガラスを基板の表面の暴露された部分から除去するステップとを含む、プラズマエッチングプロセスである。除去は、所望のパターンを有する、特徴または構造を残す。特徴は、例えば、回折格子等の光学要素を高屈折率ガラス基板の表面上に形成してもよい。いくつかの実施形態では、材料の任意の残りのマスク層は、基板の表面から除去されてもよい。
【0040】
好ましくは、高屈折率ガラス基板は、約1.65以上または1.75以上の屈折率と、約50重量%未満のSiO2とを有する。いくつかの実施形態では、基板の50重量%超は、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの1つ以上のものから形成される。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングは、超高周波数(VHF)の誘導結合プラズマ(ICP)を使用して実施される。いくつかの実施形態では、VHF電力は、10~2500Wの範囲内であって、RF電力は、10~500Wの範囲内である。好ましくは、エッチングプロセスは、化学的エッチング成分および物理的エッチング成分の両方を含む。いくつかの実施形態では、エッチング化学性質は、1つ以上のハロゲン含有化合物および1つ以上の不活性ガスを含む。ハロゲン含有化合物の実施例は、CF4、CHF3、SF6、O2、Cl2、BCl3、およびHBrを含み、不活性ガスの実施例は、Ar、He、およびN2を含む。プラズマは、-150~50℃の範囲内の温度で実施されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、約10~100nmを含む、約10~500nmの臨界寸法を有する、特徴が、高屈折率ガラス基板内にエッチングされてもよく、約1:10~約10:1の範囲内のアスペクト比を有してもよい。加えて、エッチングされる特徴は、実質的に直線の側壁を有してもよい。いくつかの実施形態では、これらの特徴は、VRおよびARディスプレイシステムのための導波管としてを含む、光学用途等の種々の用途で利用されてもよい。例えば、エッチングされる特徴は、内部結合光学要素、外部結合光学要素、または光分散要素を形成してもよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、高分解能パターン化が所望される他の用途のために、任意の所望のパターンを高屈折率ガラス基板の中にエッチングするために利用されてもよい。
【0042】
有利には、いくつかの実施形態による、プラズマエッチングプロセスは、高屈折率ガラス基板の高分解能パターン化およびエッチングを可能にし、特徴を、直接、基板の本体内に形成する。基板を直接エッチングする能力は、特徴を含有するフィルムを別個に形成し、基板に取り付ける必要性を取り除くことによって、そのような特徴を利用するデバイスの製造を簡略化し得る。いくつかの実施形態では、光学性能は、フィルムを別個に取り付けることによって形成される界面の存在を排除することによって、改良され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、下層高屈折率ガラス基板をパターン化するために使用されるエッチングマスクは、パターンを基板の中にエッチングするために使用されるエッチングの特性を補償する寸法特性を有するエッチングマスク特徴を用いて、バイアスされてもよい。例えば、エッチングマスク内の特徴のサイズは、基板の中にエッチングされるべき特徴の所望のサイズより大きく(例えば、より広くおよび/または高く)、それによって、マスク自体のエッチングを伴っても、基板内に形成される特徴が所望のサイズであるように、基板をエッチングする過程にわたってエッチングマスク自体のエッチングを補償してもよい。いくつかの実施形態では、エッチングマスク内の特徴は、基板内の特徴の所望のサイズより大きいサイズを伴ってパターン化されてもよい。いくつかの他の実施形態では、エッチングマスク内の特徴のサイズは、材料の層を堆積させ、それらの特徴を増大し、および/またはそれらの特徴と化学的に反応し、そのサイズを増加させることによって、増加されてもよい。いくつかの実施形態では、基板は、本明細書に開示されるように、プラズマベースのエッチングを使用して、エッチングマスクを通してパターン化されてもよい。いくつかの他の実施形態では、基板は、イオンビームミリングを使用して、パターン化されてもよい。有利には、バイアスエッチングマスクは、高屈折率ガラス基板の高速パターン化を促進しながら、所望の寸法の特徴を精密に形成する。
【0044】
ここで、図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の特徴を指す。
(例示的ディスプレイシステム)
【0045】
図2は、その中にエッチングされた高屈折率ガラス基板が組み込まれ得る、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、ディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザ60の外耳道に隣接して位置付けられる(示されない別のスピーカが、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/調節可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステムはまた、1つ以上のマイクロホン67または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム80に提供することを可能にするように構成され、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。
【0046】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク68によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサと、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリとを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様に、ユーザ60に取り付けられてもよい)から捕捉されるデータ、および/またはb)可能性として、処理または読出後、ディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して、入手および/または処理される、データを含む。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク76、78によって、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール70は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム64に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール70と通信する、独立型構造であってもよい。
【0047】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72に提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0048】
ここで
図3を参照すると、「3次元」または「3-D」であるような画像の知覚は、画像の若干異なる提示を視認者の各眼に提供することによって達成されてもよい。
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。2つの明確に異なる画像5、7(各眼4、6に対して1つ)が、ユーザに出力される。画像5、7は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って、距離10だけ眼4、6から離間される。画像5、7は、平坦であって、眼4、6は、単一遠近調節状態をとることによって、画像に合焦し得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系が、画像5、7を組み合わせ、組み合わせられた画像のための深度および/またはスケールの知覚を提供することに依拠する。
【0049】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚の提供は、より困難であることを理解されるであろう。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムを不快であると見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)と遠近調節(accmmodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(すなわち、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼のレンズおよび瞳孔の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」および散瞳または縮瞳として知られる関係下、輻輳・開散運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、レンズ形状および瞳孔サイズの遠近調節の整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視、すなわち、「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を各眼に表示する。しかしながら、そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態で視認する状態では、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に反発するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成する。
【0050】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4を参照すると、z-軸上の眼4、6からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼4、6によって遠近調節される。眼(4および6)は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、眼がその深度平面のための遠近調節状態にあるとき、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面14の特定のうちの1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼4、6の各々に対し、画像の異なる提示を提供することによって、そしてまた、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって、シミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼4、6の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されるであろう。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲されてもよいことを理解されるであろう。
【0051】
オブジェクトと眼4または6との間の距離もまた、その眼によって視認されるように、オブジェクトからの光の発射量を変化させ得る。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼4との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼4の間の距離が減少する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散の程度もまた、異なり、発散の程度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼4のみが、
図5A-5Cおよび本明細書における他の図では、例証を明確にするために図示されるが、眼4に関する議論は、視認者の両眼4および6に適用され得ることを理解されるであろう。
【0052】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に合焦され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点外にある異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度キューを提供することに役立ち得る。
【0053】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、
図2のシステム80であって、
図6は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ178は、
図2のディスプレイ62の一部であってもよい。ディスプレイシステム1000は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされ得ることを理解されるであろう。
【0054】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管182、184、186、188、190の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼4に向かった出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面300、302、304、306、308から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力表面382、384、386、388、390の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面382、384、386、388、390はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界144または視認者の眼4に直接面する導波管表面のうちの一方または両方)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼4に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管182、184、186、188、190と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208はそれぞれ、それぞれの対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0056】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光は、光プロジェクタシステム2000によって提供され、これは、光モジュール2040を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール2040からの光は、ビームスプリッタ2050を介して、光変調器2030、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器2030は、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に、最終的には、視認者の眼4に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、光を1つまたは複数の導波管182、184、186、188、190の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管182、184、186、188、190のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール2040から1つ以上の導波管182、184、186、188、190に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバ(1つまたは複数)と、1つ以上の導波管182、184、186、188、190との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0058】
コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208、光源2040、および光変調器2030の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ178のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、ローカルデータ処理モジュール70の一部である。コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール70または72(
図1)の一部であってもよい。
【0059】
図6を継続して参照すると、導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼4に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素282、284、286、288、290を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力される。外部結合光学要素282、284、286、288、290は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管182、184、186、188、190の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0060】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、コリメートされた光(そのような導波管182の中に投入された)を眼4に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼4に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼4に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管186は、眼4に到達する前に、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通して通過させる。第1のレンズ192および第2のレンズ194の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0061】
他の導波管層188、190およびレンズ196、198も同様に構成され、スタック内の最高導波管190は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管182、184、186、188、190が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管182、184、186、188、190の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0063】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素282、284、286、288、290の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積特徴または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点で眼4に向かって偏向される一方、残りが全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低い回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼4に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0065】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0066】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、提供され、眼4および/または眼4の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出してもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブ500は、フレーム64(
図2)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ500からの画像情報を処理し得る、処理モジュール70および/または72と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ500が、各眼に対して利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0067】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力表面382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼4に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼4からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼4がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼4に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0068】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面14a-14fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、それと関連付けられた3つ以上の原色画像、すなわち、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0070】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0071】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを認識されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0072】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む、複数またはセット1200のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック1200は、スタック178(
図6)に対応してもよく、スタック1200の図示される導波管は、複数の導波管182、184、186、188、190の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0073】
スタックされた導波管の図示されるセット1200は、導波管1210、1220、および1230を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素1212は、導波管1210の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1222は、導波管1220の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1232は、導波管1230の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232のうちの1つ以上のものは、個別の導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、その個別の導波管1210、1220、1230の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、個別の導波管1210、1220、1230の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管1210、1220、1230の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素1212、1222、1232は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管1210、1220、1230の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0074】
図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受光するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を異なる画像投入デバイス1213、1223、1233から受光するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素1212、1222、1232の他のものから実質的に受光しないように、他の内部結合光学要素1212、1222、1232から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0075】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素1214は、導波管1210の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1234は、導波管1230の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の上部主要表面および底部主要表面の両方の上に配置されてもよい、または光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管210、1220、1230内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0076】
導波管1210、1220、1230は、例えば、材料のガス層、液体層、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層1218aは、導波管1210および1220を分離してもよく、層1218bは、導波管1220および1230を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層1218aおよび1218bは、低屈折率材料(すなわち、導波管1210、1220、1230の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層1218a、1218bを形成する材料の屈折率は、導波管1210、1220、1230を形成する材料の屈折率と比較して0.05以上または0.10以上小さい。有利には、より低い屈折率層1218a、1218bは、導波管1210、1220、1230を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面の間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層1218a、1218bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット1200の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0077】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、類似または同一であって、層1218a、1218bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層1218a、1218bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0078】
図9Aを継続して参照すると、光線1240、1242、1244が、導波管のセット1200に入射する。光線1240、1242、1244は、1つ以上の画像投入デバイス200、202、204、206、208(
図6)によって導波管1210、1220、1230の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0079】
いくつかの実施形態では、光線1240、1242、1244は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素1212、1222、1232はそれぞれ、光がTIRによって導波管1210、1220、1230のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、122、1232はそれぞれ、1つ以上の特定の波長の光を選択的に偏向しながら、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させる。
【0080】
例えば、内部結合光学要素1212は、第1の波長または波長の範囲を有する、光線1240を偏向しながら、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長の範囲を有する、光線1242および1244を透過させるように構成されてもよい。透過された光線1242は、次いで、第2の波長または波長の範囲の光を選択的に偏向するように構成される、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向される。光線1244は、内部結合光学要素1222によって透過され、第3の波長または波長の範囲の光を選択的に偏向するように構成される、内部結合光学要素1232に衝突し、それによって偏向され続ける。
【0081】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線1240、1242、1244は、対応する導波管1210、1220、1230を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素1212、1222、1232は、光をその対応する導波管1210、1220、1230の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線1240、1242、1244は、光をTIRによって個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬させる角度で偏向される。光線1240、1242、1244は、導波管の対応する光分散要素1214、1224、1234に衝突するまで、TIRによって個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬する。
【0082】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線1240、1242、1244は、それぞれ、内部結合光学要素1212、1222、1232によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管1210、1220、1230内でTIRによって伝搬する。光線1240、1242、1244は、次いで、それぞれ、光分散要素1214、1224、1234に衝突する。光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254に向かって伝搬するように、光線1240、1242、1244を偏向させる。
【0083】
いくつかの実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向または分散させることと、そして、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることの両方を行う。いくつかの実施形態では、例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである場合、光分散要素1214、1224、1234は、省略されてもよく、内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を直接外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素1250、1252、1254は、光を視認者の眼4(
図7)内に指向する、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。
【0084】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット1200は、原色毎に、導波管1210、1220、1230と、内部結合光学要素1212、1222、1232と、光分散要素(例えば、OPE)1214、1224、1234と、外部結合光学要素(例えば、EP)1250、1252、1254とを含む。導波管1210、1220、1230は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素1212、1222、1232は、入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる(異なる内部結合光学要素は、異なる波長の光を受光する)。光は、次いで、個別の導波管1210、1220、1230内でTIRをもたらすであろう、角度で伝搬する。示される実施例では、光線1240(例えば、青色光)は、先に説明された様式において、第1の内部結合光学要素1212によって偏向され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)1214、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1250と相互作用する。光線1242および1244(例えば、それぞれ、緑色光および赤色光)は、導波管1210を通して通過し、光線1242は、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向されるであろう。光線1242は、次いで、TIRを介して、導波管1220を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)1224、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1252に進む。最後に、光線1244(例えば、赤色光)は、導波管1220を通して通過し、導波管1230の光内部結合光学要素1232に衝突する。光内部結合光学要素1232は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)1234に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)1254に伝搬するように、光線1244を偏向させる。外部結合光学要素1254は、次いで、最後に、光線1244を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管1210、1220から外部結合された光も受光する。
【0085】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管1210、1220、1230は、各導波管の関連付けられた光分散要素1214、1224、1234および関連付けられた外部結合光学要素1250、1252、1254とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
(高屈折率ガラスのための例示的エッチング)
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書で議論される種々の回折光学要素等のマイクロスケール特徴およびナノスケール特徴は、直接、高屈折率ガラス基板内にエッチングされてもよい。例えば、ガラス基板が、導波管として使用されてもよく、プラズマエッチングプロセスが、
図9A-9Cの内部結合光学要素1212、1222、1232、光分散要素1214、1224、1234、および/または外部結合光学要素1250、1252、1254を、直接、基板内に形成するために使用されてもよい。
【0087】
基板を形成する高屈折率ガラスは、比較的に低濃度の二酸化ケイ素(SiO2)、例えば、50重量パーセント(重量%)未満のSiO2を有してもよい。加えて、これらの高屈折率ガラスは、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3等の50重量%以上の1つ以上の金属酸化物を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ガラスは、これらの金属酸化物の組み合わせを含んでもよい。
【0088】
高屈折率を提供するが、少量のSiO2および多量の他の金属酸化物は、これらのガラスを使用して形成される基板の効果的エッチングを妨害し得る。例えば、そのような成分酸化物の組み合わせによって形成されるガラスは、特に、エッチングすることが困難であり得る。具体的エッチングレシピが、成分酸化物のために開発されているが、これらのエッチングレシピは、比較的に低濃度のSiO2およびガラスを形成する構成成分酸化物間の異なるエッチングレートに起因して、高屈折率ガラスのために効果的ではない場合がある。
【0089】
加えて、従来のエッチングプロセスは、種々の欠点を呈する。例えば、ウェット化学エッチングは、典型的には、数ミクロンのオーダーのパターン化分解能に限定され、等方性であって、これは、直線側壁を形成し得ない。代替として、イオンミリングが、材料を高屈折率ガラス基板から非選択的に除去するために使用され得る。しかしながら、本プロセスは、パターン化された特徴の達成可能分解能およびアスペクト比を著しく限定する。イオンミリングは、単に、表面と材料をその表面から物理的に撥ね飛ばす高エネルギー粒子とを激突させることによって、材料を除去し得る。イオンミリングは、硬質マスクを要求するが、また、プロセスが高アスペクト比特徴を形成するための十分な持続時間にわたってマスクを維持不可能であり得るほど、硬質マスクを浸食させる。
【0090】
いくつかの実施形態によると、本明細書に議論されるように、プラズマエッチングプロセスが、特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するために開発された。特徴は、プラズマエッチングプロセスを使用して、パターンをマスク層からマスク層の下層の高屈折率ガラス基板に転写することによって、形成されてもよい。プラズマエッチングプロセスは、異方性または指向性であり得、マスク層に対するガラス基板に関して高度に選択的であり得る。プラズマエッチングプロセスの結果として生産された特徴は、略垂直側壁を有し得る。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、高屈折率ガラス基板を形成し得る、全ての酸化物に関して選択的ではなくてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、高屈折率ガラスをエッチングするために、化学的機構および物理的機構の両方を含んでもよく、物理的機構は、化学機構が除去にあまり効果的ではない場合がある、酸化物種の除去を可能にする。理論によって限定されるわけではないが、少なくともいくつかの基板材料の化学エッチングは、暴露される基板の物理的完全性を途絶させ、それによって、物理的機構が、化学エッチングを伴わずに生じるであろうものより高い選択性を伴って、暴露された材料を除去することを可能にし得る。したがって、高分解能パターンが、高屈折率ガラスが酸化物の複雑な混合物を備える場合でも、プラズマエッチングプロセスを介して、高屈折率ガラス基板に転写され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の表面のいくつかの面積を反応性種に選択的に暴露することによって、パターン化されてもよい。すなわち、基板のいくつかの面積は、特徴をその中に形成するために、エッチングされ得る一方、他の面積は、エッチングされ得ない。例えば、エッチングに抵抗する、パターン化されたマスク材料またはマスク層が、マスク層下の面積が、エッチングされない一方、マスク層によって保護されない、すなわち、暴露されたままの面積が、エッチングされるように、基板を覆ってもよい。マスク層は、次いで、除去され、エッチングされた特徴を基板の表面上に残し得る。
【0092】
本明細書に議論されるように、プラズマエッチングプロセスは、異方性または実質的に異方性のエッチングプロセスであってもよい。異方性エッチングの指向性は、有利には、略直線側壁の形成を可能にする。エッチング種が、基板と垂直方向に基板に向かって指向される場合、エッチングプロセスは、略垂直側壁を伴う特徴を基板内に画定し得る。いくつかの実施形態では、直線の角度付けられた(非垂直)側壁は、エッチング種を基板と垂直ではない角度で基板に指向することによって形成されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、高屈折率ガラスを備える、2つ以上の酸化物を、実質的に類似レートでエッチングしてもよい。いくつかの実施形態では、エッチングレートは、SiO2、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3のうちの任意の2つ以上のものに関して実質的に類似してもよい。
【0094】
用語「高屈折率」は、本明細書では、材料、好ましくは、1.65以上の屈折率を有する、ガラス等の光学的に透過性の材料を指すために使用されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラスは、1.65以上、1.7以上、1.75以上、または1.8以上の屈折率を有してもよい。いくつかの実施形態では、屈折率は、上記に述べられた通りであって、また、4未満、3未満、または2.5未満であってもよい。いくつかの他の実施形態では、本明細書に説明されるエッチングプロセスは、1.65より低い屈折率を有する基板をエッチングするために適用されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、高屈折率ガラスは、重量比約50パーセント未満(重量%)のSiO2を備える。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラスは、約30重量%未満のSiO2、約25重量%未満のSiO2、または約20重量%未満のSiO2を備えてもよい。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラスの残りは、複数の金属酸化物を含む、少なくとも1つの金属酸化物を備えてもよい。すなわち、高屈折率ガラスは、B2O3、Al2O3、ZrO2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La2O3、Nb2O5、TiO2、HfO、およびSb2O3等の約50重量%を上回る1つまたは複数の金属酸化物を備えてもよい。高屈折率ガラスは、いくつかの実施形態では、最大約30重量%の任意の1つの金属酸化物を備えてもよい。
【0096】
ある実施形態によると、高屈折率ガラスは、SiO2、B2O3、TiO2、La2O3、ZrO2、Nb2O5、CaO、およびLi2Oを備えてもよい。例えば、高屈折率ガラスは、約20重量%~約30重量%SiO2、約0重量%~5重量%B2O3、約5重量%~10重量%TiO2、約20重量%~25重量%La2O3、約5重量%~10重量%ZrO2、約10重量%~15重量%Nb2O5、約15重量%~20重量%CaO、および約0重量%~5重量%Li2Oを備えてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態によると、説明されるプラズマエッチングプロセスは、約10nm~約10μmの範囲内の臨界寸法を有する、特徴を形成するために使用されてもよい。本明細書で使用されるように、臨界寸法は、上下図に見られるように、基板内に形成される特徴の最小寸法を指す。例えば、同じ伸長特徴によって形成される格子の臨界寸法は、上下図に見られるように、特徴のうちの1つの幅である。いくつかの実施形態では、高屈折率ガラス基板内に形成される特徴の臨界寸法は、約10nm~約100nmまたは約100nm~約500nmを含む、約10nm~約500nmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスによって形成される特徴は、略垂直側壁を備える。いくつかの実施形態では、側壁等のプラズマエッチングプロセスによって形成される特徴と基板の水平表面との間に形成される角度は、75°よりも大きい、80°よりも大きい、または85°よりも大きくてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、約1:10~約10:1、約1:10~約3:1、または約3:1~約10:1の範囲内のアスペクト比を有する、特徴を形成してもよい。アスペクト比は、特徴の幅と特徴の高さの比率であることを理解されたい。
【0099】
ここで、
図10を参照すると、これは、いくつかの実施形態による、プラズマエッチングプロセスの実施例のためのプロセスフロー図を示す。本明細書に説明されるように高屈折率ガラスを備える、基板が、ブロック1001において提供される。開口部のパターンを備える、マスク層が、ブロック1002において、高屈折率ガラス基板の少なくとも一部がマスク層によって暴露されるように、高屈折率ガラス基板上に提供される。いくつかの実施形態では、マスク層は、例えば、バイナリ格子パターン等の所望のパターンを有する、ポリマーフォトレジスト層または硬質マスクを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ブロック1001および1002は、組み合わせられてもよい。例えば、エッチングプロセスは、エッチングチャンバ内の高屈折率ガラス基板から開始してもよく、基板は、上層パターン化マスク層を有する。
【0100】
高屈折率ガラス基板およびマスク層は、ブロック1003において、所望の量の高屈折率ガラスが、マスク層内の開口部によって暴露される高屈折率ガラス基板の一部または複数部分から除去され、それによって、所望のパターンを高屈折率ガラス基板内に形成するまで、反応チャンバ内のプラズマに暴露される。好ましくは、本明細書に議論されるように、プラズマは、化学的エッチング種および物理的エッチング種を備える。高屈折率ガラス基板にわたって残っている任意のマスク層は、ブロック1004において除去されてもよい。そのような除去は、例えば、残りのマスク層と層を溶解する溶媒を接触させる、またはアッシングプロセスを使用することによって、遂行されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、マスク層は、ブロック1002において、リソグラフィ技法によって、パターン化されてもよい。例えば、マスク層は、紫外線フォトリソグラフィ、ナノインプリント、電子ビームリソグラフィ、または材料をマスク層の選択された面積において除去し、下層ガラス基板を暴露させる開口部を形成するための他の技法によって、パターン化されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、マスク層は、ポリマー、例えば、ポリマーレジスト材料、例えば、フォトレジスト材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、マスク層は、硬質マスク層であってもよい。いくつかの実施形態では、硬質マスク層は、ニッケル、または非晶質炭素等の金属を備えてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、マスク層は、約0.1~約10の範囲内のエッチング選択性比率を提供してもよい。本明細書で使用されるように、エッチング選択性比率は、マスク層のエッチングレートに対する高屈折率ガラス基板のエッチングレートの比率を指す。いくつかの実施形態では、マスク層は、約0.5よりも大きく、約1よりも大きく、約2よりも大きく、または約5よりも大きく、最大約10のエッチング選択性比率を有してもよい。マスク層の厚さは、エッチング種への後続暴露によって形成されるべき特徴の深度に基づいて、選択されてもよい。例えば、厚さは、マスク層がエッチング種への後続暴露によって摩耗されないように、エッチング種およびエッチング条件によって提供される選択性に照らして、十分に厚くなるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、マスク層内の特徴の臨界寸法または幅はまた、エッチング種を用いたエッチングによって生じる幅の低減を補償するために、これらの質量特徴を使用してパターン化されるべき基板特徴の所望のサイズよりも十分に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、マスク層内の特徴は、最初に、マスク層をパターン化し、次いで、マスク材料の付加的層をそれらの特徴にわたって共形的に堆積させる(例えば、CVDまたはALDによって)ことにより、特徴のサイズを増大させることによって、十分に大サイズであるように形成されてもよい。マスク材料の付加的共形層は、下層のパターン化されたマスク層と同一または異なる材料から形成されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、パターン化されたマスク層は、高屈折率ガラス基板上にあってもよい。マスク層は、高屈折率ガラスの表面上に形成される、複数の略平行線を備えてもよい。いくつかの実施形態では、線は、約100nmの厚さと、約135nmの底幅とを有してもよい。マスク層は、線以外の形状を有するようにパターン化されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、マスク層パターンは、任意のパターン、形状、または設計を備えてもよく、約10~500nmの臨界寸法を有してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、マスク層パターンは、回折格子またはDOE等の光学要素に対応する、パターンを備えてもよい。いくつかの実施形態では、マスク層パターンは、バイナリ回折格子を備えてもよい。本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態では、マスク層パターンは、例えば、
図9A-9Cに示されるように、内部結合光学要素、外部結合光学要素、または光分散要素を備えてもよい。
【0106】
上層マスク層を有する、高屈折率ガラス基板は、ブロック1003において、プラズマ反応器のプラズマエッチングチャンバに提供され、次いで、プラズマに暴露されてもよい。反応チャンバ内への基板の提供は、基板を反応チャンバの中に装填するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、反応チャンバ内で、すなわち、原位置で生成されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、遠隔プラズマ生成器等の反応チャンバの上流の第2の異なるチャンバ内で生成され、高屈折率ガラス基板を収容する反応チャンバに提供されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ反応器は、誘導結合プラズマ(ICP)反応器であってもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ反応器は、二重周波数ICP反応器であってもよい。
【0107】
ブロック1003において、高屈折率ガラス基板およびマスク層が暴露される、プラズマは、プラズマ反応器内のソースガスを用いて生成されたプラズマであってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、プラズマは、ソースガスから形成される、イオン、ラジカル、原子、および/または他の高エネルギー反応性種を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスは、ブロック1003において、プラズマ暴露の間、プラズマエッチングチャンバの中に持続的に流動されてもよい。
【0108】
ソースガスは、1つまたは複数のガスを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスは、He、Ne、Ar、Kr、またはXe等の不活性ガスと、XeF2、C2F6、CF4、CHF3、CF3Cl、SF6、Cl2、BCL、およびHBr等の化学的反応性種O2、N2、H2、およびハロゲン化物ガスを形成するためのもののうちの1つ以上のものとを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスは、プラズマエッチングチャンバの中に流動されてもよく、プラズマがプラズマエッチングチャンバ内で点火または生成される前に、高屈折率ガラス基板に接触してもよい。
【0109】
実施例として、ソースガスは、SF6およびArを備えてもよい。ある他の実施例では、ソースガスは、CHF3およびArを備えてもよい。さらに他の実施例では、ソースガスは、CHF3、CF4、およびArを備えてもよい。ソースガス組成の他の実施例は、BCl3およびHBrを備えてもよい。他の実施例では、ソースガスは、BCl3、HBr、およびArを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスは、Arおよび少なくとも1つの他のハロゲン化物ガスを備えてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、プラズマへの基板の暴露は、基板を、He、Ne、Ar、Kr、またはXe等の希ガスから生成されたプラズマ励起種に暴露するステップを含んでもよい。例えば、プラズマ励起種は、ラジカル、イオン、プラズマの形態であってもよい、または元素形態であってもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、SF6ラジカル、SF6分子、および/またはSF6プラズマを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、HBrラジカル、HBr分子、および/またはHBrプラズマを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、BCl3ラジカル、BCl3分子、および/またはBCl3プラズマを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、CHF3ラジカル、CHF3分子、および/またはCHF3プラズマを備えてもよい。いくつかの他の実施形態では、プラズマは、CF4ラジカル、CF4分子、および/またはCF4プラズマを備えてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、プラズマエッチングチャンバの中へのソースガスに関する総流率は、約1sccm未満~約100sccmまたは約25sccm~約75sccmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスの任意の1つの成分ガスに関する流率は、約1sccm~約100sccmの範囲内であってもよい。実施例として、ソースガスが、SF6およびArを備える場合、SF6に関する流率は、約1sccm~100約100sccmの範囲内、好ましくは、約50sccmであってもよく、Arに関する流率は、約1sccm~約100sccmの範囲内、好ましくは、約50sccmであってもよい。
【0112】
高屈折率ガラス基板の表面およびマスク層は、ブロック1003において、所望の量の高屈折率ガラスがパターン化されたマスク層によって暴露されて残される高屈折率ガラス基板の一部または複数部分から除去されるまで、反応チャンバ内のプラズマに暴露される。材料の除去は、パターンまたは構造を転写し、マスク層を高屈折率ガラス基板の中に形成する。ブロック1003において、高屈折率ガラス基板およびマスク層がプラズマに暴露される、持続時間は、高屈折率ガラス基板から除去されるべき所望の材料の量に応じて、当業者によって容易に決定され得る。例えば、高屈折率ガラス基板およびマスク層は、1秒未満~約1分または約5秒~約30秒の範囲内の持続時間にわたって、プラズマに暴露されてもよい。いくつかの実施形態では、約1分を上回るプラズマ暴露時間が、除去されるべき高屈折率ガラス材料の所望の量およびマスク層の厚さおよび組成に応じて、使用されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、マスク層材料は、プラズマによって除去されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、プラズマ暴露持続時間は、マスク層および/またはマスク層材料の厚さによって限定されてもよい。例えば、プラズマ暴露持続時間は、マスク層の厚さに延在する孔が形成されないように、十分に短くてもよい。
【0114】
理論によって限定されることを所望するわけではないが、本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態による、プラズマは、物理的エッチング機構および化学的エッチング機構の両方によって、材料を高屈折率ガラス基板から除去してもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスは、Ar、He、またはN2等、プラズマがその中に生成されると物理的機構によって基板をエッチングし得る、ガスと、CF4、CHF3、SF6、O2、Cl2、BCl3、HBr、および/または他のハロゲン化物ガス等、プラズマがその中に生成されると化学的機構によって基板をエッチングし得る、ガスとを備えてもよい。
【0115】
プラズマは、RF電力をソースガスに印加することによって生成されてもよい。RF電力は、プラズマ暴露ブロック1003の間に流動する、および/または遠隔プラズマ生成器を通して流動する、ソースガスに印加されてもよい。いくつかの実施形態では、ソースガスに印加される、RF電力は、約10W~約500W、約100W~約200W、約200W~約500W、または約10W~約100Wの範囲内である。
【0116】
いくつかの実施形態では、プラズマがICP反応器内で生成される場合、第1のICP電力が、ソースガスに印加され、プラズマを生成してもよく、第2のRF電力が、反応チャンバ内のソースガスおよび/またはプラズマに印加され、指向性電場をその中に生成し、例えば、エッチング種を基板へとまっすぐに指向させることによって、異方性エッチングを促進してもよい。いくつかの実施形態では、ICP電力は、約10W~約2500Wの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、RF電力は、約10W~約500W、約100W~約200W、約200W~約500W、または約10W~約100Wの範囲内であってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、例えば、二重周波数ICP反応がプラズマを生成するために使用される場合、第1のVHF電力が、ソースガスに印加され、第2のRF電力が、反応チャンバ内のソースガスおよび/またはプラズマに印加され、指向性電場をその中に生成する。いくつかの実施形態では、ソースガスに印加される、VHF電力は、約10W~約2500Wの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、RF電力は、約10W~約500W、約100W~約200W、約200W~約500W、または約10W~約100Wの範囲内であってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態によると、プラズマは、約1Torr~約0.1mTorrの圧力を有するプラズマエッチングチャンバを用いて、生成されてもよい。より具体的には、反応チャンバ圧力は、いくつかの実施形態では、約5mTorr~約20mTorrまたは約20mTorr~約100mTorrの範囲内であってもよい。理論によって拘束されるわけではないが、他の典型的プラズマエッチングプロセスと比較して比較的に低い反応チャンバ圧力は、基板の一部を等方的にエッチングする任意の化学エッチング機構の傾向を低減させ得ると考えられる。いくつかの実施形態では、比較的に低圧力、例えば、反応チャンバ圧力約20mTorr~約100mTorrは、略垂直側壁を有する特徴の形成を促進し得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、プラズマは、約-150℃~約50℃の範囲内の温度で生成されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマは、約-120℃~約-100℃、約-100℃~約0℃、約0℃~約20℃、および約20℃~約50℃の範囲内の温度で生成されてもよい。
【0120】
ここで
図11A-11Cを参照すると、いくつかの実施形態では、エッチングマスクは、高屈折率ガラス基板内における所望のサイズの特徴の形成を促進するようにバイアスされてもよい。有利には、エッチングマスクが、従来の指向性エッチング、例えば、イオンビームミリングおよび/または本明細書に開示されるプラズマエッチングプロセスを使用して、下層ガラス基板のパターン化において利用され得る。
【0121】
図11Aは、上層エッチングマスク1012を有する、ガラス基板1010の実施例の断面側面図を図示する。ガラス基板1010は、本明細書に開示される高屈折率ガラス材料のいずれかから形成されてもよい。例えば、ガラス基板を形成する材料は、約1.65以上または1.75以上の屈折率と、約50重量%未満のSiO
2とを有してもよい。いくつかの実施形態では、基板の50重量%超は、B
2O
3、Al
2O
3、ZrO
2、Li
2O、Na
2O、K
2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La
2O
3、Nb
2O
5、TiO
2、HfO、およびSb
2O
3のうちの1つ以上のものから形成される。
【0122】
図11Aを継続して参照すると、エッチングマスク1012は、ポリマー(例えば、炭素ベースのポリマー)、クロム、酸化ケイ素(SiO
2)、または基板1010をパターン化するための十分な安定性およびエッチング抵抗を有する他の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、レジスト、例えば、フォトレジストまたはインプリントレジストを形成してもよい。いくつかの実施形態では、レジストは、ジェット堆積によって堆積されてもよい。図示されるように、エッチングマスクは、複数の離間された特徴1013から形成されるパターンを備え、これは、下層基板1010の一部をエッチングから保護し、特徴をその基板1010内に画定するために使用されるであろう。
【0123】
レジストがフォトレジストである、いくつかの実施形態では、エッチングマスク1012は、レチクルを通した光への暴露によってパターン化されてもよい。レジストがインプリントレジストである、いくつかの実施形態では、エッチングマスク1012は、インプリントレチクルとの接触およびインプリントによってパターン化されてもよい。いくつかの他の実施形態では、エッチングマスク1012自体が、エッチングされ、特徴のパターンをエッチングマスク内に画定してもよい。例えば、レジスト(図示せず)が、エッチングマスク1012を形成するために、材料(例えば、クロム、酸化ケイ素等)の層にわたって提供されてもよい。レジストは、例えば、フォトリソグラフィまたはインプリントによって、パターン化されてもよく、次いで、レジスト内のパターンが、エッチングマスク1012を形成するために、材料の層に転写されてもよく、上層レジストは、除去され、それによって、エッチングマスク1012を残してもよい。
【0124】
ここで、図示されるように、指向性エッチングを受ける、
図11Aの構造の実施例の断面側面図である、
図11Bを参照する。図示されるように、エッチングマスク1012は、複数の特徴1013を有してもよく、特徴は、1013wの臨界寸法を有する。臨界寸法1013wは、長軸に沿って紙面から伸長され得る、特徴1013の幅であり得ることを理解されたい。好ましくは、臨界寸法1013wは、エッチングマスク特徴1013を使用して下層基板1010内にエッチングされるべき対応する特徴1014の臨界寸法1014wより大きい。いくつかの実施形態では、臨界寸法1013wは、高屈折率ガラス基板1010内に形成されるべき第1の特徴(例えば、特徴1016(
図11C))の所望の寸法特性を識別し、少なくとも第1の特徴を高屈折率ガラス基板内に形成するために使用されるべきエッチングプロセス1015のエッチング特性を識別し、識別されたエッチング特性に基づいて、高屈折率ガラス基板上に形成されるべきパターン化された層(例えば、エッチングマスク1012)の第2の特徴(例えば、特徴1013)のバイアス寸法特性を決定することによって、選択されてもよい。例えば、臨界寸法1013wは、臨界寸法1014wより、基板1010をエッチングするために選定された特定のエッチングによるエッチングマスク1012のエッチングを補償するために十分に大きいようにバイアスされてもよい。好ましくは、特徴1013のサイズは、エッチングプロセス1015によってエッチングされても、マスク特徴1013が、所望のサイズの開口部を高屈折率ガラス基板1010内に形成するサイズであるように、十分に大きい。加えて、特徴1013の高さもまた、好ましくは、エッチングによる特徴1013の上部における材料の除去を補償するようにバイアスされる。
【0125】
図示されるように、基板1010は、基板をエッチングマスク1012内の開口部を通して指向性エッチングに暴露することによって、エッチングされてもよい。エッチングマスク1012が、開口部を有していないが、特徴1013より薄い厚さの領域を有する、実施形態では、より薄い厚さの領域は、エッチングによって除去され、続いて、基板1010の一部をエッチングに暴露する開口部を残すであろうことを理解されたい。指向性エッチング1015は、基板1010に接触し、材料をその基板から除去する、種々の粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、指向性エッチングは、イオンビームミリングを備える。有利には、いくつかの実施形態では、指向性エッチングは、約50nm以上の深度を有する開口部を約20秒以内に形成することができる。いくつかの実施形態では、指向性エッチングは、約50nm以上の深度を有する開口部を約10秒以内に形成することができる。
【0126】
図11Cは、ガラス基板1010をエッチングし、上層エッチングマスク1012を除去した(
図11A-11B)後の
図11Bの構造の実施例の断面側面図を図示する。いくつかの実施形態では、エッチングマスク1012は、エッチングマスクを形成する材料のために選択される、アッシングプロセスおよび/またはウェットエッチングを使用して除去されてもよい。エッチングされた基板1010は、エッチング1015によって画定された複数の特徴1016を含む。特徴は、所望の臨界寸法1014w(
図11B)と実質的に等しくあり得る、1016wの臨界寸法を有する。
【0127】
本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態では、基板1010は、導波管として利用されてもよく、特徴1016は、導波管の表面に画定される光学要素であってもよい。例えば、特徴1016は、
図9A-9Cの内部結合光学要素1212、1222、1232、光分散要素1214、1224、1234、および/または外部結合光学要素1250、1252、1254の一部を形成してもよい。
【0128】
図11A-11Bに関して上記に述べられたように、特徴1013は、特徴1013によって最終的にパターン化される特徴1016の所望のサイズより大きいサイズを有するようにバイアスされてもよい。このより大きいサイズは、エッチングマスク1012を形成する層をパターン化し、エッチングマスク1012のための所望の厚さを有する層を提供することによって、設定されてもよい。いくつかの他の実施形態では、エッチングマスク内の特徴は、そのサイズを増加させるために拡張されてもよい。
図12A-12Dは、拡張エッチングマスクを使用して特徴を基板内にエッチングするためのプロセスを図示する。
【0129】
ここで
図12Aを参照すると、高屈折率ガラス基板1010の上層のエッチングマスク1012の実施例の断面側面図が、図示される。エッチングマスク1012は、臨界寸法1013wを有する、特徴1013を備える。
図12Aに示される構造は、
図11Aに示されるものに類似するが、臨界寸法1013wは、
図11Aのものより小さくあり得ることを理解されたい。
【0130】
図12Aのエッチングマスク1012は、初期エッチングマスクと見なされ得、そのエッチングマスクの特徴1013の寸法は、続いて、増加されてもよい。
図12Bは、エッチングマスク1012の特徴1013のサイズを拡張させた後の、
図12Aの構造の実施例の断面側面図を図示する。いくつかの実施形態では、サイズ拡張は、共形層1018をエッチングマスク1012にわたって堆積させ、それによって、臨界寸法1013w’を伴う特徴1013’を有するエッチングマスク1012’を形成することによって、達成されてもよい。例えば、共形層1018は、原子層堆積(ALD)または化学蒸着(CVD)等の蒸着プロセスによって堆積される、酸化ケイ素層であってもよい。いくつかの他の実施形態では、エッチングマスク1012内の特徴1013(
図12A)のサイズは、エッチングマスクと化学的に反応し、より大きい体積を占有する材料を形成することによって、拡張されてもよい。例えば、エッチングマスク1012は、例えば、層1018を形成し、それによって、拡張された特徴1013’を伴うエッチングマスク1012’を形成するように酸化されてもよい。いくつかの実施形態では、化学反応は、層1018がエッチングマスク1012’の実質的に全体を通して延在し得る程度まで生じ得る。
【0131】
ここで
図12Cを参照すると、指向性エッチング1015を受ける、
図12Bの構造の実施例の断面側面図が、図示される。
図12Cは、
図12Bに類似するが、エッチングマスクは、層1018を備え、指向性エッチング1015は、好ましくは、基板1010に対する層1018の材料に関して選択的であることを理解されたい。エッチングマスク1012’は、複数の特徴1013’を備え、特徴は、エッチングマスク1012’を使用して下層基板1010内にエッチングされるべき対応する特徴1014の臨界寸法1014wより大きい、1013w’の臨界寸法を有する。本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態では、指向性エッチングは、イオンビームミリングを備える。有利には、いくつかの実施形態では、指向性エッチングは、約50nm以上の深度を有する開口部を約20秒以内または約10秒以内に形成することができる。
【0132】
図12Dは、ガラス基板1010をエッチングし、上層エッチングマスク1012’を除去した(
図12C)後の
図12Bの構造の実施例の断面側面図を図示する。
図12Dは、
図11Cに類似することを理解されたい。例えば、エッチングマスク1012は、エッチングマスクを形成する材料に関して選択的である、アッシングプロセスおよび/またはウェットエッチングを使用して除去されてもよい。エッチングされた基板1010は、エッチング1015によって画定され、所望の臨界寸法1014w(
図11B)と実質的に等しくあり得る、1016wの臨界寸法を有する、複数の特徴1016を含む。
【0133】
前述の明細書では、種々の具体的な実施形態が説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。
【0134】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0135】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須なわけではない。
【0136】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれるかどうか、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で実施されること、または連続的順序で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることの必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0137】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。