(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】持続被検物質モニタインサータ装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1473 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
A61B5/1473
(21)【出願番号】P 2022511080
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2020073217
(87)【国際公開番号】W WO2021032786
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-08-01
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043328
【氏名又は名称】アセンシア・ディアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー・エル・ガス
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン・アール・プレイス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エー・ジェイ・メイヤー・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン・エム・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・エレコヴカンスキー
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-507613(JP,A)
【文献】国際公開第2019/054113(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
A61B 5/00-5/01
A61M 3/00-9/00
A61M 31/00
A61M 39/00-39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
持続被検物質監視インサータ装置であって、
外側部材と、
前記外側部材
内で軸方向にスライドするように構成された内側部材と、
送信機およびバイオセンサアセンブリを支持するように構成され、バイアス部材を含む送信機キャリアと、
挿入デバイスと、
前記送信機キャリアに対して旋回して前記挿入デバイスを支持するように構成されたピボット部材とを備え、
前記外側部材の軸方向運動は
、前記バイアス部材を前記ピボット部材に押し付けるように構成され、
ストロークの第1の部分にわたって、前記外側部材に加えられる力により、前記ピボット部材は前記送信機キャリアおよび前記挿入デバイスに軸方向の動きを与え、
前記ストロークの第2の部分にわたって、前記バイアス部材は前記ピボット部材の旋回運動を引き起こし、かつ、前記ピボット部材の前記旋回運動は前記挿入デバイスを引き込み、
前記外側部材は第1のピボット窓を有し、かつ、前記内側部材は第2のピボット窓を有し、
前記ピボット部材の前記旋回運動の少なくとも一部は、前記ピボット部材の端部が前記第2のピボット窓を通って前記第1のピボット窓に進入するように前記外側部材の前記第1のピボット窓が前記内側部材の前記第2のピボット窓に重なることで生じる、持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項2】
前記外側部材は第1の位置合わせ要素を含み、前記内側部材は第2の位置合わせ要素を含み、前記第1の位置合わせ要素は、前記第2の位置合わせ要素と接合して前記外側部材の前記第1のピボット窓を前記内側部材の前記第2のピボット窓と垂直方向に位置合わせする
ために構成される、請求項
1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項3】
前記バイアス部材は
可撓性を有し、かつ、前記内側部材の前記第2のピボット窓に係合し、バイオセンサを挿入した後で前記バイアス部材および
前記ピボット部材の移動を制限するロッキング要素を含む、請求項
1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項4】
前記ストロークの前記第1の部分にわたっ
て、前記ピボット部材の軸方向運動がバイオセンサの挿入を容易にするように、前記ピボット部材が前記内側部材の前記第2のピボット窓に進入するまで、前記ピボット部材は旋回が妨げられる、請求項1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項5】
前記送信機キャリアは、前記送信機およびバイオセンサアセンブリのバイオセンサを挿入する間、前記送信機およびバイオセンサアセンブリを支持するように構成される、請求項1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項6】
前記ピボット部材は
、
挿入の間、前記挿入デバイスを支持するように構成された挿入デバイス支持要素
と、
前記バイアス部材と接合するように構成されたバイアス部材接合要素と、
を備え、
前記バイアス部材は、前記持続被検物質監視インサータ装置内で湾曲させられる、請求項1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項7】
前記バイアス部材は、挿入の間、前記内側部材、前記外側部材、および前記ピボット部材に接触する、請求項
6に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項8】
前記内側部材は、前記外側部材の第1のピボット窓内に延びて前記外側部材が挿入の前に前記内側部材の上を滑るのを妨げるように構成された挿入前ロック要素を含む、請求項1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【請求項9】
前記内側部材は、局所的に内側に延びて前記送信機およびバイオセンサアセンブリを保持する1つまたは複数のリテーナタングを含
み、かつ、前記外側部材は、1つまたは複数の局所逃がし開口部を備え、前記内側部材は、1つまたは複数の局所接触要素を備え、前記1つまたは複数の局所接触要素は、前記1つまたは複数の局所逃がし開口部に嵌ることが可能であり、それによって、前記1つまたは複数のリテーナタングを前記送信機およびバイオセンサアセンブリから離して解放することが可能になる、請求項1に記載の持続被検物質監視インサータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年8月20日に出願された「CONTINUOUS GLUCOSE MONITOR INSERTER APPARATUS AND METHODS」という名称の米国仮出願第62/889444号および2020年8月3日に出願された「CONTINUOUS ANALYTE MONITOR INSERTER APPARATUS AND METHODS」という名称の米国仮出願第16/984107号の優先権を主張する。米国仮出願第62/889444号および米国仮出願第16/984107号の各々は、すべての目的について、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、持続血糖測定(CGM)で使用されるインサータなどの、持続被検物質監視用のインサータに関する。
【背景技術】
【0003】
生体内サンプルにおけるCGMは、特に糖尿病治療における日常的な検知作業になっている。リアルタイム血糖濃度を示すことによって、血糖状態がよりうまく制御され得るようにインシュリン注入などの治療処置が適時に適用されることがある。
【0004】
CGMの間、バイオセンサは一般に、皮下に挿入され、組織および間、質液(ISF)によって囲まれた環境内で連続的に操作される。バイオセンサは、皮下に挿入され、CGMシステムの送信機部分に信号を供給し、その信号が、患者の血糖値を示す。このような測定は1日を通して何度も(たとえば、数分おきまたは何らかの他の間隔で)間欠的にかつ自動的に行われ、一般的には無線で受信ユニットに送信されることがある。
【0005】
CGMシステムの送信機部分は一般に、腹部、上腕の後部、または別の適切な位置などのユーザの皮膚の外面に接着され、一方、バイオセンサがISFに接触するように皮下に挿入される。この皮下挿入プロセスは、「挿入」と呼ばれることがある。本明細書では、挿入を行うためのデバイスを「インサータ」または「インサータ装置」と呼ぶことがある。
【0006】
インサータ構造は複雑になり製造コストが高くなることがある。したがって、改良されたインサータ方法および装置が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、持続被検物質監視インサータ装置が提供される。持続被検物質監視インサータ装置は、外側部材と、外側部材に対して伸縮するように構成された内側部材と、送信機およびバイオセンサアセンブリを支持するように構成され、バイアス部材を含む送信機キャリアと、挿入デバイスと、送信機キャリアに対して旋回して挿入デバイスを支持するように構成されたピボット部材とを含み、外側部材の軸方向運動は、ストロークの第1の部分にわたってバイアス部材をピボット部材に押し付けるように構成され、ピボット部材は、ストロークの第1の部分にわたって旋回を妨げられ、したがって、送信機キャリアおよび挿入デバイスの移動が容易になり、ストロークの第2の部分にわたって、バイアス部材はピボット部材を旋回させ挿入デバイスを引き込むことが可能である。バイオセンサは、ストロークの第1の部分の間に挿入デバイスとともに挿入される。挿入デバイスは、ストロークの第2の部分において引き込まれ、挿入されたバイオセンサが残る。
【0008】
いくつかの実施形態では、送信機およびバイオセンサアセンブリのバイオセンサを挿入するように構成されたインサータは、第1のピボット窓および第1の位置合わせ要素を有する外側部材と、第2のピボット窓および第2の位置合わせ要素を有する内側部材とを含み、内側部材が、外側部材内で伸縮するように構成され、外側部材の第1の位置合わせ要素が、内側部材の第2の位置合わせ要素と接合して第1のピボット窓と第2のピボット窓を垂直方向に位置合わせするように構成され、インサータは、バイオセンサを挿入する間、送信機およびバイオセンサアセンブリを支持するように構成された送信機キャリアであって、端部要素を有するバイアス部材を含む送信機キャリアと、送信機キャリアに対して旋回するように構成されたピボット部材であって、挿入の間、挿入デバイスを支持するように構成された挿入デバイス支持要素、およびバイアス部材の端部要素に結合するように構成されたバイアス部材接合要素を含むピボット部材とを含む。外側部材は、挿入の間、内側部材に対して滑り平行移動し、バイアス部材をピボット部材に押し付けるように構成される。さらに、挿入の間、ピボット部材は、挿入デバイスが送信機およびバイオセンサアセンブリのバイオセンサをユーザの皮下領域に挿入し、外側部材の第1のピボット窓が内側部材の第2のピボット窓と重なり合い、ピボット部材が内側部材および外側部材の重なり合った第1のピボット窓と第2のピボット窓に進入し、それによって、バイアス部材がピボット部材を旋回させ挿入デバイスをユーザの皮下領域から引き込むまで、ピボット部材は、内側部材によって旋回を妨げられる。
【0009】
いくつかの実施形態では、インサータ装置を形成する方法は、外側部材を用意するステップと、外側部材内で伸縮するように構成された内側部材を用意するステップと、挿入デバイスをピボット部材の挿入デバイス支持要素内およびバイアス部材を有する送信機キャリアの案内領域内に配置することによって送信機キャリア、ピボット部材、および挿入デバイスのアセンブリを組み立てるステップと、バイアス部材を屈曲させ、それによって、バイアス部材の端部要素をピボット部材のバイアス部材接合要素と接触させるステップと、アセンブリを外側部材および内側部材内に挿入するステップとを含む。
【0010】
さらなる実施形態では、インサータ装置を使用してバイオセンサを挿入する方法が提供される。この方法は、外側部材と、内側部材と、送信機キャリアと、送信機キャリアに結合されたバイアス部材と、送信機キャリアに対して旋回するように構成されたピボット部材と、挿入部を含む挿入デバイスとを備えるインサータ装置を用意するステップと、送信機キャリアに取り外し可能に結合された送信機およびバイオセンサアセンブリを用意するステップと、ユーザの皮膚の挿入部位に内側部材を接触させるステップと、外側部材を押してバイアス部材をピボット部材に押し付け、したがって、送信機キャリアおよびピボット部材を挿入部位に向かって移動させるステップであって、ピボット部材が、インサータ装置のストロークの第1の部分にわたって旋回を妨げられる、ステップと、挿入デバイスの挿入部が挿入部位に接触して進入し、間質液に接触し、送信機およびバイオセンサアセンブリの底面が皮膚に接触するまで、引き続き、さらにバイアス部材を用いて押すことによって、ストロークの第1の部分にわたって送信機キャリアおよびピボット部材を挿入部位に向かって移動させるステップと、ストロークの第2の部分を実施するステップであって、ピボット部材が旋回することが可能になり、ピボット部材の旋回によって挿入部が引っ張られることによって、挿入デバイスの挿入部が挿入部位から引き込まれる、ステップとを含む。
【0011】
本開示による実施形態の他の特徴、態様、および利点は、いくつかの例示的な実施形態および実装形態を示すことによって、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、添付の図面から十分に明らかになろう。本開示による様々な実施形態は、他の適用および異なる適用が可能であってもよく、本開示のいくつかの詳細は、様々な点で、すべてにおいて特許請求の範囲およびその均等物から逸脱することなく修正されてもよい。したがって、図面および説明は、本来例示的なものと見なされるべきであり、制限的なものと見なされるべきではない。各図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書で提示される1つまたは複数の実施形態による例示的なインサータ装置(たとえば、持続被検物質モニタ(CAM)インサータ装置)の構成要素の分解側面斜視図である。
【
図1B】本明細書で提示される実施形態による、
図1Aに対して180°回転させられ、外側部材および内側部材の一部が、図示のために取り外された、
図1Aの例示的なインサータの分解側面斜視図である。
【
図1C】本明細書で提示される実施形態による、外側部材のカバーおよび送信機キャリアが図示のために取り外された、組み立てられた
図1Aおよび
図1Bのインサータの断面上面図である。
【
図2A】本明細書で提示される実施形態による、バイアス部材が屈曲させていない状態で示されている、送信機キャリアの例示的な実施形態の側面斜視図である。
【
図2B】本明細書で提示される実施形態による、ピボット部材の例示的な実施形態の側面斜視図である。
【
図2C】本明細書で提示される実施形態による、ピボット部材および挿入デバイスに組み付けられた送信機キャリアの側面斜視図である。
【
図2D】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサを含む挿入デバイスの側面斜視図である。
【
図2E】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサを含む挿入デバイスの一部の拡大ブレークアウト図である。
【
図3A】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図3B】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図3C】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図3D】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図3E】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図3F】本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサなどの持続被検物質モニタ(CAM)バイオセンサ)の挿入方法の間におけるストロークの一部分におけるインサータの側面断面図である。
【
図4】本明細書で提示される実施形態による、インサータを使用してバイオセンサを挿入する方法のフローチャートである。
【
図5】人間工学的な把持部を含むインサータの代替実施形態の側面斜視図である。
【
図6】本明細書で提示される実施形態による、送信機およびバイオセンサアセンブリの取り外しを可能にする取り外し要素を示すインサータの代替実施形態を示す部分断面側面図である。
【
図7】本明細書で提示される実施形態による、卵形外側断面を含むインサータの代替実施形態の斜視側面図である。
【
図8A】本明細書で提示される実施形態による、
図7のインサータの送信機キャリアの斜視底面図である。
【
図8B】本明細書で提示される実施形態による、送信機およびバイオセンサアセンブリが取り付けられた送信機キャリアの斜視底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態では、安価に製造され、いくつかの実施形態では、生分解性を有しならびに/または再利用可能である1つまたは複数の構成要素を含む場合がある持続被検物質(たとえば、ブドウ糖)監視インサータ装置などのインサータ装置が提供される。たとえば、いくつかの実施形態では、インサータ装置は、アセンブリのバイオセンサを挿入する間、送信機(たとえば、送信機およびバイオセンサアセンブリの送信機)を保持する送信機キャリアと、挿入の間、送信機キャリアをユーザの方へ偏らせるバイアス部材とを含んでもよい。1つまたは複数の実施形態では、送信機キャリアおよびバイアス部材は、単一の材料から形成されてもよく、それによって製造コストおよび複雑さが低減する。送信機およびバイオセンサアセンブリは、ユーザの皮膚に取り付けられた後、信号を受信デバイス(たとえば、ディスプレイを有する受信機またはスマートフォン-図示せず)に送信することができ、持続血糖測定値などの被検物質測定値が(たとえば、無線で)受信されならびに/または表示されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、挿入の間、送信機キャリアのユーザに向かう移動を容易にするために使用される部分などのインサータの1つまたは複数の部分は、生分解性を有しならびに/または再利用可能である材料(たとえば、再利用可能プラスチック、生分解性紙製品など)から形成されてもよい。
【0015】
インサータのこれらの特徴およびその他の特徴、インサータの製造、ならびにインサータを使用したバイオセンサのユーザの皮下への挿入について、
図1A~
図8Bを参照して説明する。
【0016】
図1Aは、本明細書で提示される1つまたは複数の実施形態による例示的なCGMインサータ100の分解側面斜視図である。CGMインサータ100が示されているが、本明細書で説明するインサータ装置を、たとえば、コレステロール、乳酸、尿酸、アルコール、またはその他の被検物質監視システムなどの他の種類の持続被検物質監視システムで使用される他の種類のバイオセンサの挿入に使用できることは明らかである。
【0017】
この場合も、
図1Aを参照するとわかるように、CGMインサータ100は、第1のピボット窓104を含むことがある外側部材102と、第2のピボット窓108を有する内側部材106とを含んでもよい。「窓」という用語は、本明細書では、側壁の開口部を意味する。開口部は、側面平面図において、4つの辺を有するような矩形状を有することができる。しかし、いくつかの実施形態では、第1および第2のピボット窓104、108のうちの1つまたは複数は、3つの辺のみを有してもよい。たとえば、第1および第2のピボット窓104、108のうちの1つもしくは複数は、その下端において開放されてもよく、その場合、下部接続部または下部シルは取り除かれる。他の窓形状が使用されてもよい(たとえば、方形、丸形、楕円形など)。いくつかの実施形態では、外側部材102および/または内側部材106は生分解性を有しならびに/または再利用可能である材料(たとえば、再利用可能プラスチック、生分解性紙製品、竹など)から形成されてもよい。他の実施形態では、外側部材102および/または内側部材106は、限定はしないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などの1つまたは複数の材料から形成されてもよい。外側部材102および/または内側部材106に他の材料が使用されてもよい。
【0018】
図1Aに示すように、内側部材106は、外側部材102に対して同心円状に配置されるように構成されてもよく、外側部材102内で伸縮するように構成されてもよい。本明細書で使用される「伸縮する」は、ある要素が別の要素内で軸方向に移動できることを意味する。いくつかの実施形態では、外側部材102は第1の位置合わせ要素110を含んでもよく、内側部材106は、外側部材102の第1の位置合わせ要素110に接合する第2の位置合わせ要素112を含んでもよい。そのような第1および第2の位置合わせ要素110、112は、外側部材102および内側部材106を回転位置合わせによって保持してもよく(たとえば、挿入時などに外側部材102内での内側部材106の相対回転を妨げる)、外側部材102および内側部材106を収縮動作に制限する。1つまたは複数の実施形態では、外側部材102の第1の位置合わせ要素110は、
図1Aおよび
図3A~
図3Fに示すように、内側部材106の第2の位置合わせ要素112と接合して外側部材102の第1のピボット窓104を内側部材106の第2のピボット窓108と垂直方向(および回転方向)において位置合わせするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の位置合わせ要素110、112は、それぞれ垂直方向に位置合わせされるリブと溝を備えてもよい。外側部材102および内側部材106は、横断面において円筒形、長楕円形、卵形、楕円形、または任意の他の適切な外形を含んでもよい。いくつかの実施形態では、外側部材102と内側部材106は同心円状でなくてもよい。
【0019】
CGMインサータ100は、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ310(
図3A~
図3F)のバイオセンサ340を挿入する間、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ310を支持するように構成された送信機キャリア114を含んでもよい。送信機キャリア114は、内側部材106内に嵌るサイズを有してもよく、いくつかの実施形態では送信機キャリア114と一体的に形成されることがあるバイアス部材116を含んでもよい。「嵌るサイズを有する」は、送信機キャリア114が、内側部材106内に嵌り込むように構成され、たとえば、滑りばめを有してもよいことを意味する。送信機キャリア114と内側部材106との間にわずかな干渉ばめが設けられてもよく、それにより、送信機キャリア114が重力に起因して内側部材106から外れることがなくなり、摩擦を解消することによって相対運動が可能になる。
【0020】
CGMインサータ100は、本明細書でさらに説明するように、送信機キャリア114に対する旋回など、旋回を行い、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ310のバイオセンサ340の挿入方法の間、挿入デバイス120を支持し動作可能に駆動するように構成されたピボット部材118をさらに含んでもよい。詳細には、ピボット部材118は、送信機キャリア114上で旋回するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、送信機キャリア114はおよび/またはピボット部材118は、限定はしないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などのプラスチック材料から形成されてもよい。送信機キャリア114および/またはピボット部材118には他の適切な材料が使用されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、内側部材106は、ある加えられる設計力(
図3A参照)を超えるまで外側部材102に対して内側部材106を保持するように構成された挿入前ロック要素121を含んでもよい。設計力Fを超えた後、内側部材106はさらに軸方向に移動し、外側部材102内に平行移動してもよい(たとえば、伸縮してもよい)。たとえば、挿入前ロック要素121は、本明細書において
図3A~
図3Fを参照しながら以下で説明するように、外側部材102のピボット窓104または外側部材102の別の内部要素(たとえば、横方向溝)内に延びて、外側部材102が挿入前に内側部材106の上をさらに滑るのを妨げるように構成することができる。しかし、ユーザが外側部材102に軸方向の力Fを加えることによって設計力が解消された後、挿入前ロック要素121は、撓んで軸方向内側に外側部材102の内面に沿って移動することができ、それによって、外側部材102内への内側部材106の相対的な軸方向滑り(たとえば、伸縮)運動が可能になる。
【0023】
図1Bは、本明細書で提示される実施形態による、
図1Aに対して180°回転させられ、外側部材102および内側部材106の一部が、図示のために取り外された、
図1Aの例示的なCGMインサータ100の分解側面斜視図である。
図1Bは、内側部材106の内部案内要素122を示し、ピボット部材118は、本明細書でさらに説明するように、挿入方法の間のストロークの少なくとも一部の間、内部案内要素122に沿って軸方向に滑ってもよい。いくつかの実施形態では、内部案内要素122は、軸方向に配設され位置合わせされた長穴または溝であってもよく、ピボット部材118よりもわずかに大きい幅を有してもよい。
【0024】
図1Cは、本明細書で提示される実施形態による、外側部材102のカバー124(
図1A)および送信機キャリア114が図示のために取り外された、組み立てられた
図1Aおよび
図1BのCGMインサータ100の断面上面図である。
図1Cに示すように、外側部材102と内側部材106は、同心円状に配置されてもよい。外側部材102の第1の位置合わせ要素110は、内側部材106の第2の位置合わせ要素112に位置合わせされ、内側部材106の第2のピボット窓108に対する外側部材102の第1のピボット窓104の回転方向位置合わせおよび/または垂直方向位置合わせを維持してもよい(
図1A)。
図1Cはまた、ピボット部材118の位置が内側部材106の内部案内要素122内で案内されることを示す。内部案内要素122は、たとえば溝を備えることができる。なお、他の種類および/または数の位置合わせ要素および/または案内要素が使用されてもよい。たとえば、内側部材106は、外側部材102に形成されたくぼみまたは溝と位置合わせされる突出する位置合わせ要素を有してもよい。さらに、内部案内要素122は、ピボット部材118の軸方向の案内を可能にするためにピボット部材118に形成された溝に受け入れられるリブなどの突出する案内要素であってもよい。
【0025】
図2Aは、本明細書で提示される、屈曲されていない状態で示す結合されたバイアス部材116を有する送信機キャリア114の例示的な実施形態の側面斜視図である。製造後、CGMインサータ100内での組み立ての前に、バイアス部材116は、
図2Aに示すように直線状である(または屈曲していない)。
【0026】
さらに
図2Aを参照するとわかるように、送信機キャリア114は、バイアス部材116が結合される上部領域204と、(本明細書でさらに説明するように)挿入の間、CGM送信機を支持するために使用される下部領域206とを含む円筒体領域202から形成されてもよい。上部領域204は、支持構造209を収納し、支持構造209は、ピボット部材118を支持するように構成される(
図1A)。支持構造209は、第1の案内領域212を有する第1の側面210と、第2の案内領域216を有する第2の側面214とを含んでもよい。案内領域212および216は、軸方向に向けられ延びることができ、本明細書でさらに説明するように、挿入方法の間、挿入デバイス120(
図1Aおよび
図2D)を軸方向案内するために使用されることがある端部開放長穴を備えてもよい。
【0027】
上部領域204は、挿入方法の間におけるユーザの軟組織の圧縮を補償することがある圧縮要素218を有してもよい。たとえば、挿入方法の間、図示の実施形態における周方向に延びる長穴である圧縮要素218は、下部領域206の底部がユーザの皮膚に接触してその下の軟組織を圧縮するときに円筒体領域202の下部領域206に対するバイアス部材116の何らかの移動を可能にしてもよい。これによって、挿入方法の間、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ310と皮膚の接触を維持するのが容易になる場合がある。圧縮要素218は代替的に、下部領域206内に位置してもよく、または別の撓み構造配置によって設けられてもよい。
【0028】
たとえば、いくつかの実施形態では、圧縮要素218は、円筒体領域202に1つまたは複数の開口部を含んでもよい。たとえば、
図2Aに示すように円筒体領域202の一部が除去されてもよい。いくつかの実施形態では、圧縮要素218は、円筒体領域202の周りを約2分の1 にわたって延びてもよく、高さが約1mm~6mmであってもよい。圧縮要素の他の種類、数、位置、および/またはサイズが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、圧縮要素が使用されなくてもよい。
【0029】
バイアス部材116は、挿入方法の間、外側部材102のカバー124(
図1A)の下側に接触するように構成されることがある接触要素220を含んでもよい。いくつかの実施形態では、接触要素220は、外側部材102のカバー124の下側に接触するバイアス部材116の長さに沿って形成された平坦な領域であってもよい。接触要素220は、平面であってもよく、平面視において丸形であってもよい。他の適切な形状が使用されてもよい。接触要素220はカバー124に固定されてもよく、または他の実施形態では、カバー124に接触するだけでよい。たとえば、いくつかの実施形態では、接触要素220は、
図3Aの矢印221によって示されるようにカバー124の下側に対して横方向に滑るかまたは他の方法で移動することが可能であってもよい(たとえば、接触要素220はカバー124の滑り接触部を形成してもよい)。接触要素220は、たとえば、挿入方法の間、バイアス部材116を実質的により一様に屈曲させるのを容易にしてもよい。
【0030】
バイアス部材116は、
図1A、
図1B、
図2C、および
図3A~
図3Fに示すように湾曲または屈曲させるのを可能にする可撓性プラスチックなどの可撓性材料から形成されてもよい。バイアス部材116の例示的な寸法は、長さが約75mm~150mm、幅が約3mm~8mm、厚さが1.00mm~2.5mmである。他の寸法が使用されてもよい。例示的なバイアス部材材料には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)が含まれる。他の材料が使用されてもよい。
【0031】
図2Aに示すように、いくつかの実施形態では、バイアス部材116は、挿入後に内側部材106の第2のピボット窓108に係合して、(本明細書でさらに説明するように)挿入後にバイアス部材116、ピボット部材118、および/または挿入デバイス120の移動を制限することがあるロッキング要素222を含んでもよい。バイアス部材116は、ピボット部材118に接触するための端部要素224を含んでもよい。いくつかの実施形態では、端部要素224は、ピボット部材118の同様部分に嵌るようになっている円筒形部分を含んでもよい。しかし、ピボット部材118の要素との係合を可能にする他の適切な端部要素が使用されてもよい。
【0032】
図2Bは、本明細書で提示されるピボット部材118の例示的な実施形態の側面斜視図である。ピボット部材118は、挿入方法の間、挿入デバイス120を支持するように構成された長穴またはその他の開口部などの挿入デバイス支持要素226を第1の端部118A上に含んでもよい。詳細には、挿入デバイス120の本体120Mの脚部120L(
図2D)は、ストロークの第1および第2の部分の間、支持され、第1の部分は、挿入デバイス120の挿入部120Iを挿入することを含み、第2の部分は、挿入デバイス120の挿入部120Iを引き込み、バイオセンサ240を移植して留置することを含む。挿入デバイス支持要素226(
図2B)は、第1の延長長穴227を備えてもよく、第1の延長長穴227は、ピボット部材118の横方向幅全体にわたって延びてもよく、第1の端部118A上に開放端部を有してもよく、したがって、上部分岐部材226Uおよび下部分岐部材226Lとの二又部を形成する。二又部は、挿入デバイス120の本体部120Mを滑り可能に受け入れるように構成され、かつ受け入れるサイズを有する。第2の延長長穴229は、下部分岐部材226L全体にわたって垂直方向に延びて第1の延長長穴227と交差することができ、挿入デバイス120の挿入部120Iを受け入れるように構成することができかつ受け入れるサイズを有することができる(
図2D参照)。本明細書で使用する上部および下部は、例示のために
図2Bに示す向きを指すが、ピボット部材118がその使用時に他の向きに定められてもよいことを認識されたい。
【0033】
さらに、ピボット部材118は、バイアス部材116の端部要素224に接合するように構成されたバイアス部材接合要素228を含んでもよい。ピボット部材118は、ピボット部材118が送信機キャリア114上で送信機キャリア114に対して旋回するのを可能にする1つまたは複数のピボット要素230を含んでもよい。たとえば、ピボット部材118は、送信機キャリア114の支持構造209の第1および第2の側面210および214に形成されたピボット開口部232(
図2C)と接合するピボットポスト(
図2Bに1本のピボットポストのみが示されている)を備えるピボット要素230を含んでもよい(
図2C)。開口部231は、互いに対向する長穴であってもよく、これによって、開口部231内を滑り、それぞれの第1および第2の側面210および214に形成されたピボット開口部232(
図2C)内に停止するピボットポストを介した組み立ての間、ピボット部材118のある規定の軸方向運動が可能になる。他の適切なピボット機構が使用されてもよい。
【0034】
図2Cは、本明細書で提示される実施形態による、ピボット部材118および挿入デバイス120に組み付けられた送信機キャリア114の側面斜視図である。
図2Cに示すように、バイアス部材116は、バイアス部材116の端部要素224がバイアス部材接合要素228(
図3A)に接触して揃うように屈曲または湾曲させられる。ピボット部材118のピボット要素230(たとえば、
図2Bのポスト)は、支持構造209の第1の側面210のピボット開口部232に接合して嵌り込むことができる。ピボット部材118の反対側の同様のピボット要素は、支持構造209の第2の側面214に形成された同様のピボット開口部に接合して嵌り込むことができる(図示せず)。
【0035】
挿入デバイス120の本体120Mは、ピボット部材118の挿入デバイス支持要素226に滑り込み(たとえば、二又部に滑り込み)、さらに支持構造209の第1および第2の側面210および214の案内領域212および216(たとえば、端部開放長穴)に滑り込む。挿入デバイス120はさらに、送信機キャリア114に形成された開口部306によって挿入時に支持されてもよい。たとえば、挿入部120Iは、挿入時にピボット部材118の挿入デバイス支持要素226によって駆動されたときに開口部306に滑り込んでもよい。
【0036】
次に、CGMインサータ100の組み立ておよび操作(挿入方法)について、
図3A~
図3Fを参照しながら説明する。
図3A~
図3Fは、本明細書で提示される実施形態による、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサ240)の挿入方法におけるストロークのそれぞれに異なる部分におけるCGMインサータ100の側面断面図を示す。
【0037】
図3Aを参照するとわかるように、CGMインサータ100を組み立てるには、挿入デバイス120をピボット部材118の挿入デバイス支持要素226内に配置し、さらに支持構造209の第1および第2の側面210および214の案内領域212および216内にも配置する。バイアス部材116の端部要素224がピボット部材118のバイアス部材接合要素228に接触して揃うようにバイアス部材116を屈曲または湾曲させる。ピボット要素230(
図2B)を支持構造209の第1の側面210のピボット開口部232(
図2C)に接合させる。ピボット部材118の反対側の同様のピボット要素を支持構造209の第2の側面214のピボット開口部に接合させてもよい(図示せず)。ピボット部材118が送信機キャリア114上で旋回するのを可能にする他の適切な構成が使用されてもよい。
【0038】
図3Aに示すように、挿入デバイス120は、ピボット部材118の挿入デバイス支持要素226(たとえば、二又部)内に位置する本体部120Mと、(挿入方法の間、使用できるように)送信機キャリア114の下部領域206内に入り、送信機キャリア114のフロア領域308の支持開口部306内を通り、送信機キャリア114を越えて延びることができる挿入部120Iとを有する。本明細書でさらに説明するように、挿入デバイス120の挿入部120Iは、ユーザの皮膚313(
図3A~
図3F)を貫通してバイオセンサ240(たとえば、CGMバイオセンサ)を挿入部位314におけるユーザの皮下領域に導入する尖った端部120S(
図2D)を有することができる。挿入部120Iは、挿入軸、挿入針、挿入トロカール、挿入シャープなどとも呼ばれることもある。挿入部120Iを引き込むと、挿入部120Iに受け入れられたバイオセンサ340はユーザの皮下領域に残り、すなわち、皮下領域に移植される。
【0039】
いくつかの実施形態では、
図3Aに示すように、送信機キャリア114のフロア領域308の開口部306は、支持構造209の第1および第2の側面210および214の案内領域212および216の下方に位置決めされならびに/または心合わせされ、それによって、挿入部120Iは、挿入時に(図示のように)概ね垂直方向に向けられ(ならびに/または挿入部120Iが挿入される領域に概ね垂直に向けられ)るように支持される。開口部306は、挿入部120Iにぴったりと嵌り、それによって位置合わせガイドとして働き、たとえば、挿入部120Iの概ね垂直方向の向きを実現してもよい。
【0040】
挿入デバイス120の挿入部120Iは、たとえば、ステンレススチールなどの金属またはプラスチックなどの非金属から作られてもよい。他の適切な材料が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入デバイス120の挿入部120Iは、限定はしないが、丸形C字溝チューブ、丸形U字溝チューブ、方形U字外形に折り畳まれた鍛造板金部、方形U字溝外形を有する成形/鋳造金属部、またはエッチングもしくは研削された方形U字溝を有する中実金属シリンダであってもよい、挿入部120Iの長さに沿って延びる側面開放溝120Cを含んでもよい。挿入および引き込みを可能にし、一方、移植されたバイオセンサ340(たとえば、CGMバイオセンサ)をそのままにする他の挿入部形状が使用されてもよい。挿入部120Iを引き込むと、バイオセンサ240は、内側側面開放溝120Cに沿って滑り移植されたままになってもよく、一方、バイオセンサの出口部240Eは、側面開放溝120Cの開口部に沿って滑ることができる。
【0041】
挿入デバイス120の本体部120Mは、円筒形またはその他の形状の本体を含んでもよく、支持構造209のそれぞれの側面210、214に対して図示のように横方向に延びてもよく、たとえば、限定はしないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)などのプラスチック材料から形成されてもよい。他の材料が使用されてもよい。
【0042】
送信機キャリア114は、ピボット部材118および挿入デバイス120に組み付けられた後、外側部材102および内側部材106に挿入される。たとえば、送信機キャリア114の接触要素220は、(たとえば、接着剤、適切なスナップ嵌め締結機構などによって)外側部材102のカバー124に結合されてもよい。円筒形本体領域202は、内側部材106の内面に接触してもよく、図示のようにバイアス部材116の一部にも接触してもよい。バイアス部材116はまた、本明細書で説明するように(接触要素220を介して)外側部材102に接触してもよい。
【0043】
したがって、インサータ装置100を形成する方法は、外側部材102を用意することと、外側部材102内で伸縮するように構成された内側部材106を用意することと、挿入デバイス120をピボット部材118の挿入デバイス支持要素226内に配置し、かつ送信機キャリア114の案内領域内に配置することによって、バイアス部材116を有する送信機キャリア114、ピボット部材118、および挿入デバイス120のアセンブリ(
図2C)を組み立てることと、バイアス部材116の端部要素224がピボット部材118のバイアス部材接合要素228に接触するようにバイアス部材116を屈曲させることと、アセンブリ(
図2C)を外側部材102および内側部材106に挿入することとを含む。
【0044】
図3A~
図3Fに示すように、内側部材106は、外側部材102内に嵌るサイズを有し、すなわち、外側部材102内で伸縮するように構成され、たとえば、密な滑りばめを有してもよい。いくつかの実施形態では、内側部材106は、外側部材102の第1のピボット窓104内に延びて、外側部材102が挿入前に内側部材106の上を過度に遠くまで滑るのを妨げるように構成された挿入前ロック要素121を含んでもよい。
【0045】
外側部材102に加えられる十分な軸方向力Fが、ユーザなどから加わると、ピボット部材118の表面218Sが(たとえば、図示のように垂直方向に)移動してもよく、したがって、案内要素122(たとえば、溝)に沿って内側部材106に対して滑る。
図3Aに示す位置では、ピボット部材118は、案内要素122内に位置する間、内側部材106によって旋回を妨げられる。詳細には、ピボット部材118は、CGMインサータ100のストロークの第1の部分にわたって旋回を妨げられる。
【0046】
動作時には、送信機およびバイオセンサアセンブリ310(たとえば、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ、点線で示されている)を送信機キャリア114に取り外し可能に結合することができる。送信機およびバイオセンサアセンブリ310は、いくつかの実施形態では送信機キャリア114の下部領域206のくぼみ330内に位置決めされてもよい。挿入の間、挿入部120Iは、送信機およびバイオセンサアセンブリ310内を延びる。送信機およびバイオセンサアセンブリ310は、送信機およびバイオセンサアセンブリ310をユーザの皮膚313に接着させるための接着層(図示せず)を含むことができる。しかし、明らかなように、くぼみは必須ではなく、送信機およびバイオセンサアセンブリ310は、任意の適切な解放可能な機構によって送信機キャリア114の下部領域206に簡単に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0047】
挿入方法を開始するには、筋肉への挿入を避けるため、インサータ装置100を上腕、腹部領域、または別の適切な認められた位置などのユーザの挿入部位314における皮膚313に接触させる。このことは
図3Aに示されている。
【0048】
挿入を開始するには、ユーザ(または他の人)によって外側部材102に軸方向力Fを加えて外側部材102を内側部材106の上を滑らせ、挿入部位314に向かって平行移動させる。いくつかの実施形態では、外側部材502(
図5)は、ユーザの(または他の人の)手によって保持されるように構成された非平面状頂面部を備える頂部外形503を含むことができ、頂部外形503は、頂部外形503全体にわたって延びる複数の連続的な半径を含む複合湾曲表面を含む。
【0049】
頂部外形503および湾曲は、より楽に把持し押すのを可能にして軸方向力Fを加えるとともにインサータ装置100を取り外すように人間工学的な形状に形成することができる。頂部外形503は、少なくとも凸状の湾曲部503CVを含むことができるが、いくつかの実施形態では凹状の湾曲部503CCを含んでもよい。外側部材102(または外側部材502)が内側部材106の上を移動すると、
図3Bに示すように、送信機キャリア114およびピボット部材118が挿入部位314に向かって移動する(たとえば、平行移動する)。挿入前ロック要素121を内側に撓ませ、外側部材102のピボット窓104から突き出させるのに十分な力を加えて挿入方法の軸方向ストロークの第1の部分を開始させる。挿入方法のこの段階の間(ストロークの第1の部分)、送信機キャリア114とピボット部材118が内側部材106の内部案内要素122に沿って挿入部位314に向かって移動する(平行移動する)ときに、ピボット部材118は内側部材106との接触を介して旋回を妨げられる。
【0050】
図3Cに示すように、送信機キャリア114とピボット部材118は、挿入部120Iが挿入部位314に接触して進入し、送信機およびバイオセンサアセンブリ310の底面316が挿入部位314における皮膚313に接触するまで、挿入部位314に向かって移動する。いくつかの実施形態では、送信機およびバイオセンサアセンブリ310の底面316は、この段階で挿入部位314におけるユーザの皮膚313に付着する接着材(たとえば、粘着剤)を含んでもよい。CGMバイオセンサ340(
図3D)は、挿入デバイス120の挿入部120Iとともに挿入部位314に進入する(CGMバイオセンサ340はそこで間、質液に接触する)。
【0051】
図3Cに示すように、ピボット部材118は、内側部材106の内面に接触したままになり、この段階では依然として旋回を妨げられる。これによって、挿入部120Iは、ピボット部材118および送信機キャリア114に対して固定位置に留まる。
【0052】
図3Dに示すように、CGMバイオセンサ340を挿入し(ならびに/または送信機およびバイオセンサアセンブリ310を挿入部位314に接着し)た後、外側部材102は引き続き、内側部材106の上を挿入部位314に向かって軸方向および伸縮方向に移動する。ピボット部材118の端部が内側部材106の第2のピボット窓108に進入した後、ピボット部材118は、ストロークの第2の部分において自由に旋回を開始する。さらに押し動作が行われると、ピボット部材118の端部は、外側部材102および内側部材106の重なり合った第1のピボット窓104および第2のピボット窓108に進入することができる。外側部材102の第1のピボット窓は次いで、内側部材106の第2のピボット窓108と重なり合い、それによって、ピボット部材118は、外側部材102および内側部材106の重なり合った第1のピボット窓104および第2のピボット窓108に進入することによって自由に十分に旋回する。ピボット部材118は、(
図3Dに示すように)バイアス部材116によってピボット部材118に力が加えられることに起因して旋回する。このことが生じると、ストロークの第2の部分の間に挿入デバイス120の挿入部120Iが挿入部位314から引き込まれる。少なくとも1つの実施形態では、内側部材106の第2のピボット窓108の高さおよび/または外側部材102の第1のピボット窓104の高さは、ピボット部材118が挿入方法の間にいつ旋回を開始しならびに/または完全に旋回するかを指定しならびに/または指示するように選択されてもよい。
【0053】
外側部材102が引き続き内側部材106の上を挿入部位314に向かって移動すると、外側部材102のカバー124は引き続き、バイアス部材116をピボット部材118に押し付ける。最終的に、
図3Eに示すように、ピボット部材118は、挿入デバイス120が完全に開口部306から出て開口部306を離れるように十分に旋回し、送信機キャリア114の支持構造209の案内領域212から離れてもよい。したがって、不注意で挿入デバイス120の挿入部120Iを挿入部位314に再挿入することはできない。さらに、バイアス部材116が引き続き挿入部位314に向かって移動すると、挿入後に、バイアス部材116のロッキング要素222が内側部材106の第2のピボット窓108に進入することができる。これによって、バイアス部材116が引き込まれるのが防止される(かつピボット部材118が、挿入デバイス120を挿入部位314に再進入させることがある方向に旋回するのが妨げられる)。
【0054】
CGMインサータ100は次いで、取り外されてもよく、送信機およびバイオセンサアセンブリ310が所定の位置に残り、送信機およびバイオセンサアセンブリ310の底面316が挿入部位314におけるユーザの皮膚313に接着され、バイオセンサ340(たとえば、CGMまたは他のバイオセンサタイプ)が、(
図3Fに示すように)間、質液に接触した状態で移植され、送信機に結合される。いくつかの実施形態では、外側部材102および内側部材106が再利用可能であるかまたは生分解性を有する材料で形成され、これらの構成要素が再利用または合成されてもよい。
【0055】
上述のように、本明細書で提示される1つまたは複数の実施形態によれば、外側部材102は、内側部材106に対して軸方向に移動するように構成される。これによって、バイオセンサ340を挿入する間、バイアス部材116がピボット部材118に押し付けられる。一態様によれば、バイオセンサ340を挿入する間、ピボット部材118は、挿入が終了し、ピボット部材118の端部が内側部材106の第2のピボット窓108の上部のそばを通過するまで軸方向ストロークの第1の部分における旋回を妨げられる。内側部材106と外側部材102との間でさらに軸方向の運動が生じると、外側部材102の第1のピボット窓104は内側部材106の第2のピボット窓108と十分に重なり合うことができる。軸方向ストロークの第2の部分におけるこのような重なり合いは、バイアス部材116がピボット部材118を十分に旋回させて挿入デバイス120を引き込むのを可能にし、それによって、バイオセンサ340は移植されたままになる。
【0056】
たとえば、バイオセンサ340を挿入する間、ピボット部材118は、(たとえば、内側部材106の案内表面122によって)ピボット部材118の端部が内側部材106と接触することによって旋回を妨げられてもよい。さらに、バイアス部材116は、挿入後に内側部材106の第2のピボット窓108に係合し、バイアス部材116とピボット部材118の移動を制限するロッキング要素222を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイオセンサ340を挿入する間、ピボット部材118は、挿入デバイス120がバイオセンサ340をユーザの皮下領域に挿入するまで旋回を妨げられる。その後、旋回によって挿入デバイス120が引き込まれ、移植されたバイオセンサ340が残る。
【0057】
バイアス部材116は、挿入の間、CGMインサータ100内で湾曲させられ、内側部材106、外側部材102、ピボット部材118に接触してもよい。いくつかの実施形態では、送信機キャリア114およびバイアス部材116は、(たとえば、射出成形または同様のプロセスを使用して)単一の材料から形成されてもよい。同様に、他の実施形態では、送信機キャリア114、バイアス部材116、およびピボット部材118は、(たとえば、射出成形または同様のプロセスを使用して)単一の材料から形成されてもよい。送信機キャリア114は、頂部領域(たとえば、上部領域204)と、底部領域(たとえば、下部領域206)と、くぼみ(たとえば、くぼみ330)とを有するハウジング(たとえば、円筒体領域202)、または挿入の間、送信機およびバイオセンサアセンブリ310を支持するように構成された下面を含んでもよい。くぼみ330は、使用される場合、挿入の間、送信機およびバイオセンサアセンブリ310を保持し、さらに挿入および引き込み後に送信機およびバイオセンサアセンブリ310を送信機キャリア114から解放するようになっているスナップイン要素を含むように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング(たとえば、円筒形本体領域202)は、ハウジング(たとえば、円筒形本体領域202)の頂部領域204と底部領域206との間に位置決めされた圧縮逃がし要素218を含んでもよい。
【0058】
次に、
図4を参照するとわかるように、インサータ装置(たとえば、CGMインサータ100)を使用してバイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサ340または別のバイオセンサタイプ)を挿入する方法400の実施形態について説明する。方法400は、ブロック402において、第1のピボット窓(たとえば、第1のピボット窓104)を有してもよい外側部材(たとえば、外側部材102)と、第2のピボット窓(たとえば、第2のピボット窓108)を有してもよい内側部材(たとえば、内側部材106)と、送信機キャリア(たとえば、送信機キャリア114)と、バイアス部材(たとえば、バイアス部材116)と、送信機キャリアに対して旋回するように構成されたピボット部材(たとえば、ピボット部材118)と、挿入部(たとえば、挿入部120I)を含む挿入デバイス(たとえば、挿入デバイス120)とを備えるインサータ装置を用意することを含む。
【0059】
方法400は、ブロック404において、送信機キャリア114に取り外し可能に結合された送信機およびバイオセンサアセンブリ(たとえば、CGM送信機およびバイオセンサアセンブリ310)を用意することをさらに含む。「取り外し可能に結合される」とは、送信機およびバイオセンサアセンブリ310を送信機キャリア114に結合するように構成されたある適切な機構があり、バイオセンサ(たとえば、CGMバイオセンサ340または別のバイオセンサ)を挿入した後に送信機およびバイオセンサアセンブリ310を容易に取り外すことができることを意味する。送信機およびバイオセンサアセンブリ310は、挿入デバイス120の挿入および引き込み後に解放される2つ以上の取り外し部材を有する機構など、挿入デバイス120の挿入および引き込み後に送信機およびバイオセンサアセンブリ310の取り外しを容易にする任意の適切な機構によって送信機キャリア114に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、送信機およびバイオセンサアセンブリ310をユーザの皮膚に接着する粘着裏当て材に起因する接着力が、送信機およびバイオセンサアセンブリ310のインサータ100からの分離を助けることができる。他の適切な取り外し機構が使用されてもよい。
【0060】
方法400によれば、ブロック406において、ユーザの皮膚(たとえば、皮膚313)の挿入部位(たとえば、挿入部位314)を内側部材(たとえば、内側部材106)に接触させる。挿入部位(たとえば、挿入部位314)は、広義には、送信機およびバイオセンサアセンブリ310およびバイオセンサ340が配置される場所を定めるユーザの体上の位置である。
【0061】
方法400によれば、ブロック408において、ユーザまたは他の人が外側部材(たとえば、外側部材102)を押してバイアス部材(たとえば、バイアス部材116)をピボット部材(たとえば、ピボット部材118)に押し付け、したがって、送信機キャリア(たとえば、送信機キャリア114)およびピボット部材(たとえば、ピボット部材118)を挿入部位(たとえば、挿入部位314)に向かって移動(平行移動)させ、ピボット部材は、インサータ100のストロークの第1の部分にわたって旋回を妨げられる。ストロークの第1の部分において、ピボット部材(たとえば、ピボット部材118)は平行移動するが、回転することもまたは旋回することもない。
【0062】
方法400によれば、ブロック410において、挿入デバイス(たとえば、挿入デバイス120)の挿入部(たとえば、挿入部120I)が、挿入部位に接触して進入し、それによって、(皮下の)間質液に接触し、送信機およびバイオセンサアセンブリ310の底面(たとえば、底面316)が皮膚313に接触するまで、ユーザまたは他の人が押し続け、したがって、さらにバイアス部材(たとえば、バイアス部材116)を用いて押すことによって、引き続き送信機キャリア(たとえば、送信機キャリア114)およびピボット部材(たとえば、ピボット部材118)をストロークの第1の部分にわたって挿入部位に向かって移動させる。
【0063】
方法400によれば、ブロック412において、ストロークの第2の部分において、ピボット部材(たとえば、ピボット部材118)が旋回することが可能になり、ピボット部材(たとえば、ピボット部材118)の旋回により挿入部(たとえば、挿入部120I)が引っ張られることによって挿入デバイス(たとえば、挿入デバイス120)の挿入部(たとえば、挿入部120I)が挿入部位(たとえば、挿入部位314)から引き込まれる。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、内側部材はピボット窓(たとえば、第2のピボット窓108)を備え、バイオセンサ(たとえば、バイオセンサ340)を挿入する間、ピボット部材(たとえば、ピボット部材118)は、ピボット部材が内側部材(たとえば、内側部材106)のピボット窓(たとえば、第2のピボット窓108)に進入するまで旋回を妨げられる。
【0065】
図示の実施形態では、第1のピボット窓(たとえば、第1のピボット窓104)は、ストロークの第2の部分において第2のピボット窓(たとえば、第2のピボット窓108)と重なり合い、ピボット部材(たとえば、ピボット部材118)は、十分に旋回(回転)し、重なり合った第1のピボット窓および第2のピボット窓に進入するのが可能になる。挿入部120Iを引き込むと、バイオセンサ340はユーザの間質液に接触したままになる。いくつかの実施形態では、内側部材106のピボット窓への進入によって十分な旋回が可能になり挿入部120Iの引き込みが実現すれば、外側部材102のピボット窓は必要とされない場合もあることを理解されたい。
【0066】
したがって、送信機およびバイオセンサアセンブリ310は今やユーザ上に位置決めされ、持続被検物質測定値(たとえば、持続血糖測定値)を外部受信機(図示せず)に送信することができる。
【0067】
本明細書で提示される実施形態によれば、1つの例示的な取り外し機構が、
図6に示されており、インサータ装置600の一部において具現化され、送信機およびバイオセンサアセンブリ610(点線で示されている)が送信機キャリア114の下側に取り外し可能に結合される。図示のように、内側部材106は、局所的に内側に延びる1つまたは複数のリテーナタング550(いくつかの実施形態では2つまたは3つ)を含んでもよい。通常、内側部材106の外面上の外側に延びる1つまたは複数の局所接触要素552は、外側部材102の内面に接触し、それによって、内側部材106の各部を局所的に湾曲させ、リテーナタング550を内側に移動させて送信機およびバイオセンサアセンブリ610を保持する。外側部材102が(図示のように)ユーザの皮膚に向かって十分遠くまで押されると、1つまたは複数の局所逃がし開口部554が1つまたは複数の局所接触要素552と位置合わせされ、それによって、局所接触要素552を1つまたは複数の局所逃がし開口部554に嵌め直すことが可能になる。これによって、リテーナタング550が送信機およびバイオセンサアセンブリ610から離れて解放され、インサータ装置600から分離することができる。
【0068】
図7は、インサータ装置700の代替実施形態を示す。この実施形態では、外側部材702と内側部材706の各々は、本明細書で提示される実施形態による卵形外形断面を含む。同様に、外側部材702は、凸状湾曲面部702CVと場合によってはいくつかの凹状湾曲面部702CCとを含む非平面外形を含む頂部外形703を含む。内側部材706は、下部周囲の少なくとも途中まで延びるかまたは下部周囲全体にわたって延びてインサータ装置700の安定化を助ける下部フランジ706Fを含んでもよい。
【0069】
図8Aおよび
図8Bは、本明細書で提示される実施形態による、
図7に示すインサータ装置と同様のインサータ装置において使用できる内側部材806および送信機キャリア814の斜視底面図を示す。送信機キャリア814は、ピボット部材118と、本明細書ですでに説明したように構成されてもよい挿入部120Iを含む挿入デバイスとを含む。挿入部120Iは、送信機およびバイオセンサアセンブリ810内を延びるように構成される。(リテーナタング550と同様の)複数のリテーナタング850が内側に法線方向に移動して、内側部材806が外側部材(図示せず)に受け入れられるときに送信機およびバイオセンサアセンブリ810をくぼみ830内に保持する。送信機キャリア814が内側部材806内で図示の位置まで十分に遠くまで押されると、局所接触要素852を(局所逃がし開口部554と同様の)1つまたは複数の局所逃がし開口部に嵌め直すことが可能になり、したがって、リテーナタング850を送信機およびバイオセンサアセンブリ810から離して解放することができ、それによって、インサータ装置800から分離することができる。図示のように、くぼみ830は、送信機およびバイオセンサアセンブリ810の頂面の穴(図示せず)と接合して送信機およびバイオセンサアセンブリ810を送信機キャリア814と位置合わせする1つまたは複数の位置合わせピン855(一部の位置合わせピンのみ符号を示す)を含んでもよい。
【0070】
上記の説明では例示的な実施形態のみを開示した。上述の装置および方法の修正実施形態は、本開示の範囲内であり、当業者には容易に明らかになろう。たとえば、CGMインサータ100の形状は円筒形として示されている。しかし、卵形、長楕円形、または他の形状の断面など、他の外側部材形状および内側部材形状が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
100 CGMインサータ
102 外側部材
104 第1のピボット窓
106 内側部材
108 第2のピボット窓
110 第1の位置合わせ要素
112 第2の位置合わせ要素
114 送信機キャリア
116 バイアス部材
118 ピボット部材
118A 第1の端部
120 挿入デバイス
120C 側面開放溝
120I 挿入部
120L 脚部
120M 本体
121 挿入前ロック要素
122 内部案内要素
124 カバー
202 円筒体領域
204 上部領域
206 下部領域
209 支持構造
210 第1の側面
212 第1の案内領域
214 第2の側面
216 第2の案内領域
218 圧縮要素
218S 表面
220 接触要素
221 矢印
224 端部要素
226 挿入デバイス支持要素
226U 上部分岐部材
226L 下部分岐部材
227 第1の延長長穴
228 バイアス部材接合要素
230 ピボット要素
231 開口部
232 ピボット開口部
240 CGMバイオセンサ
240E 出口部
306 開口部
308 フロア領域
310 バイオセンサアセンブリ
313 ユーザの皮膚
314 挿入部位
316 底面
330 くぼみ
340 バイオセンサ
502 外側部材
503 頂部外形
503CV 凸状湾曲
550 リテーナタング
552 局所接触要素
554 局所逃がし開口部
600 インサータ装置
610 送信機およびバイオセンサアセンブリ
700 インサータ装置
702 外側部材
702CC 凹状湾曲面部
702CV 凸状湾曲面部
706 内側部材
806 内側部材
810 バイオセンサアセンブリ
814 送信機キャリア
830 くぼみ
850 リテーナタング
852 局所接触要素
855 位置合わせピン