(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】ロボットの遠隔制御方法、装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240520BHJP
B25J 9/16 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J9/16
(21)【出願番号】P 2022518231
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2020071088
(87)【国際公開番号】W WO2021058175
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】102019214418.7
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】ノルトブルッフ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ノアック,カロリン
(72)【発明者】
【氏名】ニコデムス,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】シェンケルベルガー,スベン
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/033360(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場基盤設備(403)内にあるロボット(401)
を遠隔制御
するように構成された遠隔制御装置(201)により実行される方法であって、
前記ロボット(401)の遠隔制御ができるように満たされていなければならない少なくとも1つの安全条件を表す安全条件信号を受信するステップ(101)
であって、前記少なくとも1つの安全条件が、前記遠隔制御装置(201)と前記ロボット(401)との間の通信経路がセキュアであることを含む、ステップ(101)と、
前記ロボット(401)の周辺環境を表す周辺環境信号を受信するステップと、
当該受信された周辺環境信号を処理して
、前記周辺環境の現在の状態を検出し、および/または前記周辺環境の将来の状態を予測するステップと、
前記少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査するステップ(103)と、
前記少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査した結果に基づいて
前記少なくとも1つの安全条件が満たされている場合にのみ、
当該検出された現在の状態または当該予測された将来の状態に基づいて前記ロボット(401)を遠隔制御するための遠隔制御信号を生成するステップ(105)と、
生成された前記遠隔制御信号を
前記ロボット(401)に送信するステップ(107)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの安全条件は、
少なくとも前記ロボット(401)と、ロボット(401)の遠隔制御のための通信経路および/または通信コンポーネントを特に含む基盤設備(403;433)との間の所定の安全度水準(英語では、「Safety Integrity Level」(SIL)または「Automotive Safety Integrity Level」(ASIL))、特に前記ロボット(401)および前記基盤設備(403;433)とともに、特に、コンポーネント、アルゴリズム、インターフェースなどの部品におけるシステム全体に関する所定の安全度水準の存在、
前記遠隔制御信号に基づいて前記ロボット(401)を遠隔制御するための、前記ロボット(401)と遠隔制御装置との間の通信の最大反応時間の存在、
請求項1に記載の方法を実行するための装置の所定のコンピュータ保護レベルの存在、
請求項1に記載の方法の実行に使用される所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の存在、
請求項1に記載の方法の実行に使用される所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の冗長性および/または多様性の存在、
所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の利用可能性を定める所定の利用可能性規定の存在、
前記所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の所定の品質基準の存在、
エラーを低減するための処置ならびに/または所定のコンポーネントおよび/もしくはアルゴリズムおよび/もしくは通信手段の障害時の処置ならびに/またはエラー解析時の処置ならびに/または解釈エラー時の処置を含む計画の存在、
1つまたは複数のフォールバックシナリオの存在、
所定の機能の存在、
所定の交通状況の存在、
所定の空気の循環の存在、
請求項1に記載の方法のステップのうちの1つまたは複数のステップのそれぞれの実行または実施についての最大可能時間、
前記方法の実施に使用される要素または機能が現在正常に機能しているという検査結果の存在、
という安全条件群からそれぞれの場合に選択される要素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかの前記検査が、請求項1
または2に記載の方法のステップのうちの1つまたは複数の所定のステップの前および/または後および/または間に実行される、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔制御信号が出力された後、出力された前記遠隔制御信号に基づいて前記ロボット(401)の遠隔制御を検査してエラーを検出し、前記エラーの検出に応じて、警告および/または指示および/または行動推奨を含んで端末装置に送信される通信メッセージを表す通信メッセージ信号が生成および出力される、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記遠隔制御信号が出力された後、出力された前記遠隔制御信号に基づいて前記ロボット(401)の遠隔制御を検査してエラーを検出し、前記エラーの検出に応じて、前記工場基盤設備(403)内にある通信システムを制御するための通信システム制御信号が、生成された前記通信システム制御信号に基づいて前記通信システムを制御するときは、警告および/または指示および/または行動推奨を出力するように生成および出力される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記遠隔制御信号が出力された後、出力された前記遠隔制御信号に基づいて前記ロボット(401)の遠隔制御を検査してエラーを検出し、前記エラーの検出に応じて前記遠隔制御が中断されるか、または緊急時における前記ロボット(401)の遠隔制御のための緊急遠隔制御信号が生成および出力される、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記遠隔制御の検査が、前記少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査することを含み、前記少なくとも1つの安全条件が満たされていないことを示す結果はエラーであると判断される、請求項
5または
6に記載の方法。
【請求項8】
前記状態が、少なくとも1つの物体の位置および/または速度および/または加速度、少なくとも1つの道路使用者の位置および/または速度および/または加速度、交通信号機の信号画像の情報のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット(401)により実行されるべき所定のタスクを信号で伝えるロボットタスク信号を受信し、所定の前記タスクが前記ロボット(401)によって実行可能であるかどうか、および実行可能である場合にはどのように実行可能であるかの決定を行い、前記遠隔制御信号を前記決定の結果に基づいて生成する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記遠隔制御装置(201)は、基盤設備(403;433)
またはクラウド基盤(433)
の一部である、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法のステップのうちの1つまたは複数のステップが記録化され、特にブロックチェーンに記録化される、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ロボット(401)と、基盤設備(403;433)とロボット(401)との間の通信を含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法に関する工場基盤設備(403;433)とからなる全体が安全であるかどうかを検査することで、前記ロボット(401)、ならびに/または、ローカルおよび/もしくはグローバルな基盤設備(403;433)、ならびに/または、ロボット(401)と基盤設備(403;433)との間の通信が適宜検査される、請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロボット(401)が移動型ロボット(401)である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法の全てのステップを実行するように構成された装置(201)。
【請求項15】
コンピュータプログラム(303)がコンピュータによって実行されると、請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法を実施させるコマンドを含むコンピュータプログラム(303)。
【請求項16】
請求項
15に記載の前記コンピュータプログラム(303)が記憶された機械読み取り可能な記憶媒体(301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場基盤設備内にあるロボットの遠隔制御方法に関する。本発明は、さらに、装置、コンピュータプログラム、および機械読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第2769809(A1)号公報には、移動型ロボットの動作方法が開示されている。
【0003】
欧州特許出願公開第2894532(A1)号公報は、自律型ロボット装置、基地局およびその動作方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある課題は、ロボットを効率的に遠隔制御するための効率的な構想を提供することにあるということができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項の各主題によって解決される。本発明の有利な形態は、それぞれ従属する従属請求項の主題である。
【0006】
第1の態様によれば、工場基盤設備内にあるロボットの遠隔制御方法であって、
ロボットの遠隔制御ができるように満たされていなければならない少なくとも1つの安全条件を表す安全条件信号を受信するステップと、
少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査するステップと、
少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査した結果に基づいて、ロボットを遠隔制御するための遠隔制御信号を生成するステップと、
生成された遠隔制御信号を出力するステップと
を備える方法が提供される。
【0007】
第2の態様によれば、第1の態様による方法の全てのステップを実行するように構成された装置が提供される。
【0008】
第3の態様によれば、コンピュータプログラムが、コンピュータによって、例えば第2の態様による装置によって実行されると、コンピュータに第1の態様に係る方法を実施させるコマンドを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
第4の態様によれば、第3の態様によるコンピュータプログラムが記憶された機械読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【0010】
本発明は、ロボットを遠隔制御する前に、少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査することによって、上記課題を解決できるという認識に基づき、かつ、その認識を含む。そうでない場合は、特にロボットを遠隔制御するための遠隔制御信号が生成されない。少なくとも1つの安全条件が満たされている場合にのみ、好ましくは遠隔制御信号が生成され、出力される。
【0011】
それにより、例えば、ロボットの遠隔制御を安全に実行できるという技術的利点が得られる。
【0012】
したがって、特に、ロボットの効率的な遠隔制御のための構想が提供されるという技術的利点が得られる。
【0013】
一実施形態では、遠隔制御信号は、ロボットの動作を制御するための制御信号を含む。
【0014】
それにより、例えば、ロボットを効率的に遠隔制御できるという技術的利点が得られる。
【0015】
一実施形態によれば、ロボットは、特に自在継ぎ手で相互に連結された複数のアームを含む。
【0016】
一実施形態によれば、ロボットは、例えばグリッパ(把持器)のようなエンドエフェクタを含む。
【0017】
ロボットは、例えば、移動型ロボットである。移動型ロボットは、例えば駆動モータを含む。例えば、移動型ロボットは1つまたは複数のローラまたはタイヤを含み、それらの上を転がって移動することができる。
【0018】
ロボットは、例えば静止型ロボットである。
【0019】
ロボットは、例えば1つまたは複数の周辺センサを含む。
【0020】
本明細書の意味における周辺センサは、例えば、レーダセンサ、ライダセンサ、赤外線センサ、映像センサ、超音波センサ、および磁界センサの周辺センサのうちの1つである。
【0021】
本明細書の意味におけるロボットは、特に運動自動装置、それらの運動が例えば運動順序に関して、および例えば経路または角度に関して自由に(すなわち、特に機械的または人間による介入なしに)プログラム可能な、かつ、例えば場合によってセンサ誘導されている例えば複数の軸を含む、特に普遍的に使用可能な運動自動装置を指す。
【0022】
本明細書で意味するところのロボットは、例えば、グリッパおよび/またはツールおよび/または例えば他の製造手段を備えることができるか、または備えている。
【0023】
本明細書の意味におけるロボットは、例えば、ハンドリング作業および/または製造作業を行うことができる。
【0024】
一実施形態によれば、少なくとも1つの安全条件は、
少なくともロボットと、ロボットの遠隔制御のための通信経路および/または通信コンポーネントを特に含む基盤設備(インフラストラクチャ)との間の所定の安全度水準(英語では、「Safety Integrity Level」(SIL)または「Automotive Safety Integrity Level」(ASIL))、特にロボットおよび基盤設備とともに、特に、コンポーネント、アルゴリズム、インターフェースなどの部品におけるシステム全体に関する所定の安全度水準の存在、
遠隔制御信号に基づいてロボットを遠隔制御するための、ロボットと遠隔制御装置との間の通信の最大反応時間の存在、
方法ステップを実行するための装置の所定のコンピュータ保護レベルの存在、
方法ステップの実行に使用される所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の存在、
方法ステップの実行に使用される所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の冗長性および/または多様性の存在、
所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の利用可能性を定める所定の利用可能性規定の存在、
所定のコンポーネントおよび/アルゴリズムおよび/または通信手段の所定の品質基準の存在、
エラーを低減するための処置ならびに/または所定のコンポーネントおよび/もしくはアルゴリズムおよび/もしくは通信手段の障害時の処置ならびに/またはエラー解析時の処置ならびに/または解釈エラー時の処置を含む計画の存在、
1つまたは複数のフォールバックシナリオの存在、
所定の機能の存在、
所定の交通状況の存在、
所定の空気の循環の存在、
1つの方法ステップまたは複数の方法ステップのそれぞれの実行または実施についての最大可能時間、
方法の実施に使用される要素または機能が現在正常に機能しているという検査結果の存在、
という安全条件群からそれぞれの場合に選択される要素であることが意図される。
【0025】
通信経路は、例えば、第2の態様による装置とロボットとの間の通信経路である。通信経路は、例えば、1つまたは複数の通信チャネルを含む。
【0026】
一実施形態では、第1の態様による方法を実施するために使用されるコンポーネントは、周辺センサ、ロボット、工場基盤設備、遠隔制御装置、第2の態様による装置、ロボットシステム、特に駆動システム、連結システム、ブレーキシステム、ロボットまたは工場基盤設備の通信インターフェース、プロセッサ、第2の態様による装置の入力部、出力部、のコンポーネント群から選択される1つの要素である。
【0027】
一実施形態では、第1の態様による方法を実施するために使用される機能は、遠隔制御機能、ロボットと工場基盤設備または遠隔制御装置との間の通信機能、周辺センサの周辺センサデータの評価機能、計画機能、特に走行計画機能、交通解析機能、の機能群から選択される1つの要素である。
【0028】
コンピュータ保護レベルは、特に、有効なファイアウォールおよび/またはロボットと、基盤設備、特に工場基盤設備もしくは遠隔制御装置との間の通信を暗号化するための有効な暗号化証明書、および/または、現在のウイルス署名を有する有効なウイルスプログラム、および/または、コンピュータ、特に第2の態様による装置もしくは遠隔制御装置の保護、特に機械的保護、特に侵入保護の存在、および/または、信号、特に遠隔制御信号もしくは周辺環境信号が、正常に、すなわちエラーなく伝達されたことの検査手段の存在、を定めるものである。
【0029】
アルゴリズムは、例えば、第3の態様によるコンピュータプログラムを含む。
【0030】
特に、所定のコンポーネントおよび/またはアルゴリズムおよび/または通信手段に冗長性および/または多様性があることを検査することにより、例えば、対応するコンポーネント、例えばコンピュータまたは対応するアルゴリズムまたは対応する通信手段がエラーした場合にも、安全機能を実行することができるという技術的利点が得られる。
【0031】
結果が正常であることを確保するために、これらは、一実施形態によれば例えば複数回計算することができ、対応する結果を互いに比較することができる。例えば結果が一致した場合のみ、結果が正常であると判断される。例えば、複数回が奇数の場合は、同一結果の数が最も多いものに対応する結果が正常であることが意図され得る。
【0032】
結果が正常であると判断できる場合のみ、例えば遠隔制御信号が生成される。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1つの安全条件が満たされている場合にのみ、遠隔制御信号が生成されることが意図される。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかの検査が、1つまたは複数の所定の方法ステップの前および/または後および/または間に実行されることが意図される。
【0035】
特にそれにより、特定の前提条件、ここでは安全条件が、ロボットを遠隔制御するために対応する方法ステップの実行前および/または実行後および/または実行中に満たされていることを効率的に確保できるという技術的利点が得られる。したがって、特に、安全条件が満たされていれば、安全にロボットの遠隔制御が可能になるという技術的利点が得られる。
【0036】
一実施形態によれば、遠隔制御信号の出力後、出力された遠隔制御信号に基づいてロボットの遠隔制御を検査してエラーを検出し、エラーが検出された場合、警告および/または指示および/または行動推奨を含み、端末装置に送信される通信メッセージを表す通信メッセージ信号が生成および出力されることが意図される。
【0037】
それにより、特に、端末装置のユーザに、エラーが発生したこと、またはこの場合に端末装置のユーザが何をすればよいかを効率的に通知することができるという技術的利点が得られる。
【0038】
端末装置とは、例えば、モバイル端末装置、特に携帯電話である。
【0039】
一実施形態によれば、通信メッセージ信号の出力は、通信ネットワーク、特に無線通信ネットワークを介して端末装置に通信メッセージ信号を送信することを含むことが意図される。
【0040】
一実施形態によれば、遠隔制御信号の出力後、出力された遠隔制御信号に基づいてロボットの遠隔制御を検査してエラーを検出し、エラーが検出された場合、工場基盤設備内にある通信システムを制御するための通信システム制御信号が、生成された通信システム制御信号に基づいて通信システムを制御する場合、これが警告および/または指示および/または行動推奨を出力するように生成および出力されることが意図される。
【0041】
それにより、例えば、工場基盤設備内にいる人に、エラーの発生を効率的に通知することができるか、または、それらの人々にそのような場合に何をすべきかを効率的に通知することができる、という技術的利点が得られる。
【0042】
一実施形態によれば、通信システムは、1つまたは複数の信号発生器を含む。信号発生器は、例えば、光信号発生器、音響信号発生器、または触覚信号発生器である。信号発生器は、例えば、少なくとも部分的に異なるか、または別個のものである。
【0043】
一実施形態によれば、通信システムは、1つまたは複数の画面または表示装置を含む。
【0044】
例えば、音響信号発生器はスピーカである。
【0045】
通信システムの個々の要素、すなわち特に信号発生器または画面もしくは表示装置は、一実施形態によれば、工場基盤設備内に空間的に分散して配置されている。
【0046】
一実施形態では、遠隔制御信号の出力後、出力された遠隔制御信号に基づいてロボットの遠隔制御を検査してエラーを検出し、エラーが検出された場合は遠隔制御が中断されるか、または緊急時におけるロボットの遠隔制御のための緊急遠隔制御信号が生成および出力されることが意図される。
【0047】
緊急遠隔制御信号は、例えば、ロボットの横方向および/または縦方向の誘導が緊急遠隔制御信号に基づいて遠隔制御された場合に、ロボットを安全な状態に移行させる、特に停止させるような信号である。
【0050】
一実施形態によれば、遠隔制御の検査は、少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査することを含み、少なくとも1つの安全条件が満たされていないことを示す結果はエラーであると判断されることが意図される。
【0051】
それにより、例えば、生成された遠隔制御信号に基づくロボットの遠隔制御中に、少なくとも1つの安全条件が満たされなくなった場合に、それに効率的に反応することができるという技術的利点が得られる。
【0052】
一実施形態によれば、周辺環境信号を処理して、周辺環境の現在の状態を検出し、および/または周辺環境の将来の状態を予測し、遠隔制御信号を現在の状態または将来の状態に基づいて生成することが意図される。
【0053】
それにより、例えば、遠隔制御信号を効率的に生成できるという技術的利点が得られる。特に、それにより、遠隔制御信号を生成する際に、ロボットの周辺環境を効率的に考慮することができるという技術的利点が得られる。
【0054】
一実施形態によれば、状態は、少なくとも1つの物体の位置および/または速度および/または加速度、少なくとも1つの道路使用者の位置および/または速度および/または加速度、交通信号機の信号画像の情報のうちの1つまたは複数を含むことが意図される。
【0055】
それにより、例えば、遠隔制御信号の生成に特に適した情報が使用されるという技術的利点が得られる。
【0056】
一実施形態によれば、ロボットにより実行されるべき所定のタスクを信号で伝えるロボットタスク信号を受信し、所定のタスクがロボットによって実行可能であるかどうか、および実行可能である場合にはどのように実行可能であるかの決定を行い、遠隔制御信号をその決定の結果に基づいて生成することが意図される。
【0057】
それにより、例えば、遠隔制御信号を効率的に生成できるという技術的利点が得られる。
【0058】
一実施形態によれば、ロボットの周辺環境に基づいて、現在の交通状況がロボットの遠隔制御を許しているかどうかを検査することが意図される。特に、現在の交通状況が遠隔制御を許しているかどうかの検査の結果に基づいて、遠隔制御信号が生成または出力されることが意図される。
【0059】
例えば、現在の交通状況が遠隔制御を許さない場合、ロボットは遠隔制御されない。
【0060】
それにより、例えば、ロボットの周辺にいる他の道路使用者を危険にさらさないか、または怪我をさせないという技術的利点が得られる。
【0061】
一実施形態によれば、遠隔制御信号を生成し出力するステップまでの1つもしくは複数の方法ステップは、ロボット内部で実行され、および/または1つもしくは複数の方法ステップは、ロボット外部で実行され、特に基盤設備、好ましくはクラウド基盤で実行されることが意図される。
【0062】
それにより、例えば、対応する方法ステップを効率的に冗長的に実行できるという技術的利点が得られる。これにより、特に、有利には安全性をさらに高めることができる。
【0063】
一実施形態によれば、1つまたは複数の方法ステップが記録化され、特にブロックチェーンに記録化されることが意図される。
【0064】
それにより、例えば、方法を実行または実施した後でも、これを記録に基づいて遡及的に分析することができるという技術的利点が得られる。ブロックチェーンでの記録化は、特に、記録が改ざんおよび偽造されないという技術的利点を有する。
【0065】
ブロックチェーン(英語では「Block Chain」が「ブロックチェーン」を指す。)は、特に、「ブロック」と呼ばれるデータセットの連続的に拡張可能なリストであり、ブロックは1つまたは複数の暗号化処理によって相互にリンクされている。ここで、各ブロックは、特に、先のブロックの暗号的に安全なハッシュ(分散値)、特にタイムスタンプ、および特にトランザクションデータを含む。
【0066】
一実施形態によれば、生成された遠隔制御信号の出力は、通信ネットワーク、特に無線通信ネットワークを介して、遠隔制御信号をロボットに送信することを含む。
【0067】
一実施形態によれば、第1の態様による方法は、生成された遠隔制御信号に基づいてロボットを遠隔制御することを含む。
【0068】
一実施形態では、ロボットと、基盤設備とロボットとの間の通信を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法に関与する工場基盤設備とからなる全体が安全であるかどうかを検査し、したがって、ロボット、ならびに/または、ローカルおよび/もしくはグローバルな基盤設備、ならびに/または、ロボットと基盤設備との間の通信が適宜検査される。遠隔制御信号は、特に、検査の結果に基づいて生成されることが意図される。
【0069】
すなわち、特に、第1の態様による方法の実施のときに使用されるコンポーネントでは、走行操作への介入が実行される前、すなわちロボットが遠隔制御される前に、これらが安全性、すなわち特定の安全条件を満たしているかどうかを検査する。
【0070】
重要な、または依存する基準は、例えば、上述の安全条件のうちの1つまたは複数である。
【0071】
一実施形態では、遠隔制御信号は、ロボットのロボット装置の少なくとも1つのロボット設定を調整するための調整信号を含むことが意図される。
【0072】
それにより、例えば、少なくとも1つのロボット設定を遠隔で効率的に調整できるという技術的利点が得られる。
【0073】
少なくとも1つのロボット装置は、例えば、駆動システム、駆動モータ、特に電気モータ、グリッパ、アーム、ステッピングモータ、ステアリングシステム、ブレーキシステム、照明装置、周辺センサ、のロボット装置群から選択されるそれぞれ1つの要素である。
【0074】
少なくとも1つのロボット設定は、例えば、駆動システムの駆動パラメータ、特に速度、グリッパの最大把持力、アームの最大移動半径(影響領域または影響範囲、すなわち最大到達範囲)、ステッピングモータの最大移行経路、ステアリングシステムによって達成されるべき目標方向または軌道、ブレーキシステムの最大または最小減速値、照明装置の照明パラメータ、特に照明装置の照明手段のうちのどれが動作または停止されているべきかの指示、周辺センサの向きのロボット設定群から選択されるそれぞれ1つの要素である。
【0075】
すなわち、遠隔制御信号は必ずしもロボットの動きを制御する必要はなく、1つもしくは複数のロボットパラメータまたはロボット設定を調整してもよい。
【0076】
上記および/または下記で使用する「基盤設備(インフラストラクチャ)」という用語は、例えば、工場基盤設備および/またはクラウド基盤を含む。
【0077】
一実施形態によれば、工場基盤設備は、1つもしくは複数の建物および/または1つもしくは複数のホールを含む。
【0078】
工場基盤設備は、例えば製造設備を含む。
【0079】
工場基盤設備は、例えば倉庫を含む。
【0080】
工場基盤設備は、例えば、工場基盤設備内に空間的に分散して配置された1つまたは複数の周辺センサを含む。
【0081】
工場基盤設備のそれぞれの周辺センサは、例えば、それらそれぞれの周辺を検出し、それぞれの検出に対応する周辺センサデータを提供する。
【0082】
周辺環境信号は、例えば周辺センサデータを含むか、またはこれらに基づく。
【0083】
ロボットが工場基盤設備内にあるということは、例えば、ロボットが建物またはホール内、または外にあるという意味もあり得る。
【0084】
一実施形態によれば、第1の態様による方法は、コンピュータ実装方法であることが意図される。
【0085】
一実施形態によれば、第1の態様に係る方法は、第2の態様による装置によって実施または実行されることが意図される。
【0086】
装置の特徴は、対応する方法の特徴と類似し、その逆もまた然りである。すなわち、特に、第2の態様による装置の技術的機能は、第1の態様による方法の対応する技術的機能と類似し、その逆もまた然りである。
【0087】
「少なくとも1つ」という表現は、特に「1つまたは複数」を表す。
【0088】
「bzw.」との略語は、「beziehungsweise」を表し、これは特に「または」を意味する。
【0089】
「または」という表現は、特に「および/または」を表す。
【0090】
本発明の実施例を図に示し、以下の説明でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1】ロボットの遠隔制御方法のフローチャートを示す図である。
【
図3】機械読み取り可能な記憶媒体を示す図である。
【
図4】工場基盤設備内にあるロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
図1は、ロボットの遠隔制御方法のフローチャートを示す。
【0093】
本方法は、
ロボットの遠隔制御ができるように満たされていなければならない少なくとも1つの安全条件を表す安全条件信号を受信するステップ(101)と、
少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査するステップ(103)と、
少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査した結果に基づいて、ロボットを遠隔制御するための遠隔制御信号を生成するステップ(105)と、
生成された遠隔制御信号を出力するステップ(107)と
を備える。
【0094】
図示しないさらなる一実施形態では、第1の態様に係る方法は、ロボットを遠隔制御するべきであると判断するステップを含む。
【0095】
一実施形態では、ロボットの遠隔制御の要求を表す要求信号が受信されることが意図される。
【0096】
一実施形態によれば、要求信号の受信に応答して、ロボットを遠隔制御するべきであると判断される。
【0097】
一実施形態では、ロボットが存在する状況を表す状況信号が受信されることが意図される。一実施形態によれば、状況信号を処理して、ロボットを遠隔制御する必要があるかどうかの決定を行う。一実施形態によれば、ロボットを遠隔制御する必要があると決定される場合、ロボットを遠隔制御するべきであると判断される。
【0098】
例えば、ロボットは、自力では解決できないか、または対応できない状況にある場合がある。そこで、例えば、ロボットを遠隔制御するべきであると判断される。
【0099】
検査の結果は、例えば、少なくとも1つの安全条件が満たされていることを示す。検査の結果は、例えば、少なくとも1つの安全条件が満たされていないことを示す。
【0100】
一実施形態では、検査の結果が少なくとも1つの安全条件が満たされていることを示す場合にのみ、遠隔制御信号が生成されることが意図される。
【0101】
一実施形態では、検査の結果が少なくとも1つの安全条件が満たされていないことを示す場合、遠隔制御信号は生成されないことが意図される。
【0102】
一実施形態によれば、出力するステップ107は、生成された遠隔制御信号を、通信ネットワーク、特に無線通信ネットワークを介してロボットに送信することを含むことが意図される。
【0103】
一実施形態によれば、第1の態様に係る方法は、出力された遠隔制御信号に基づいてロボットを遠隔制御するステップを含む。
【0104】
一実施形態では、ロボット目標走行ルートを表す走行ルート信号が受信される。遠隔制御信号は、例えば目標走行ルートに基づいて生成される。少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかの検査は、例えば、目標走行ルートに基づいて実行される。例えば、周辺環境信号に基づいて、目標走行ルートをロボットが走行可能かどうかを検査する。遠隔制御信号は、例えば、目標走行ルートをロボットが走行可能かどうかを周辺環境信号に基づき検査した結果に基づいて生じる。いいえの場合、特に遠隔制御信号は生成されない。はいの場合、例えば、遠隔制御信号が生成される。
【0105】
【0106】
装置201は、第1の態様による方法の全てのステップを実行するように構成されている。
【0107】
装置201は、安全条件信号を受信するように構成された入力部を含む。
【0108】
装置201は、少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかを検査するように構成されたプロセッサ205をさらに含む。
【0109】
プロセッサ205は、さらなる一実施形態(図示せず)において、特に、ロボットを遠隔制御するべきであることを判断するように構成されている。
【0110】
プロセッサ205は、さらに、遠隔制御信号を生成するように構成されている。
【0111】
装置201は、生成された遠隔制御信号を出力するように構成された出力部207をさらに含む。
【0112】
一実施形態によれば、装置201は、出力された遠隔制御信号に基づいてロボットを遠隔制御するように構成された遠隔制御装置を含む。
【0113】
全体的に、受信される信号は、入力部203によって受信される。すなわち入力部203は、特に、対応する信号を受信するように構成されている。
【0114】
全体的に、出力される信号は、出力部207によって出力される。すなわち出力部207は、特に、対応する信号を出力するように構成されている。
【0115】
一実施形態によれば、1つのプロセッサ205に代えて、複数のプロセッサが設けられている。
【0116】
一実施形態によれば、プロセッサ205は、上述および/または下述の生成および検査ステップを実行するように構成されていることが意図される。
【0117】
一実施形態では、遠隔制御信号を生成し出力するステップまでの1つもしくは複数の方法ステップは、ロボット内部で実行され、および/または1つもしくは複数の方法ステップは、ロボット外部で、特に基盤設備で、好ましくはクラウド基盤で実行されることが意図される。
【0118】
装置201は、例えば基盤設備、特にクラウド基盤、またはロボットの一部である。
【0119】
対応する方法ステップの冗長的な実行のために、一実施形態によれば、例えば、ロボットが装置201と、基盤設備、特にクラウド基盤との両方を含むように、複数の装置201が設けられていることが意図され得る。
【0120】
【0121】
機械読み取り可能な記憶媒体301は、コンピュータプログラム303がコンピュータによって実行されると、コンピュータに第1の態様に係る方法を実施させるコマンドを含むコンピュータプログラム303を記憶する。
【0122】
一実施形態によれば、例えば、第2の態様に係る装置を含む、基盤設備または基盤システムが設けられている。
【0123】
図4は、工場基盤設備403内にあるロボット401を示す。
【0124】
工場基盤設備403は、第1の建物405を含み、第2の建物407を含む。
【0125】
工場基盤設備403内には、映像センサ(図示せず)を含む第1の映像カメラ409と、映像センサ(図示せず)を含む第2の映像カメラ411とが、空間的に分散し配置されている。
【0126】
さらに、工場基盤設備403は、第1の無線通信インターフェース413を含む。
【0127】
ロボット401は、映像センサ(図示せず)を含む第3の映像カメラ415を含み、映像センサ(図示せず)を含む第4の映像カメラ417を含む。
【0128】
ロボット401は、さらに、第2の無線通信インターフェース419を含む。
【0129】
ロボット401は、第1のアーム421を含み、第2アーム423を含み、第3アーム425を含み、これらは互いに自在継ぎ手で連結されている。
【0130】
第3のアーム425には、エンドエフェクタの一例としてグリッパ(把持器)427が配置されている。
【0131】
ロボット401は、3つのアーム421、423、425と、第3および第4の映像カメラ415、417と、第2の無線通信インターフェース419とが配置されたプラットフォーム429を含む。
【0132】
支持板とも呼ばれることもあるプラットフォーム429の下方には、ロボット401が移動型ロボットであり、工場基盤設備403内を走行できるように、複数のローラまたはタイヤ431が配置されている。
【0133】
さらに、クラウド基盤433が設けられている。
【0134】
工場基盤設備403とロボット401との両方は、それらそれぞれの無線通信インターフェースを介して、クラウド基盤433と通信することができる。
【0135】
例えば、一実施形態によれば、第1の態様に係る方法の1つまたは複数のステップは、クラウド基盤433にアウトソーシングされる。
【0136】
工場基盤設備403内には、例えば、ロボット401の周辺または周辺環境にいる人435が存在する。
【0137】
とりわけ、本明細書に記載された構想では、特に、ロボット401が、クラウド基盤433および工場基盤設備403を含む基盤設備の支持によって遠隔制御される。
【0138】
一実施形態によれば、遠隔制御または介入の前提条件は、遠隔制御が安全であることである。本明細書でいう「安全」とは、特に「safe」と「secure」(「セキュア」)とを意味する。これら2つの英語の用語は、確かにドイツ語では通常「Sicher」(「安全」)と訳される。しかしながら、これらの英語の用語は一部異なる意味を持つ。
【0139】
「safe」という用語は、特に事故および事故回避の話題に向けられたものである。「safe」な遠隔制御は、特に、事故または衝突の確率が所定の確率閾値未満または以下となることを意味する。
【0140】
「secure」(「セキュア」)という用語は、特にコンピュータ保護またはハッカー保護の話題に向けられたものであり、すなわち、特に(コンピュータ)基盤設備および/または通信基盤、特にロボットとロボットを遠隔制御するための遠隔制御装置との間の通信経路が、第三者(「ハッカー」)による不正アクセスまたはデータ操作に対していかに安全に保護されるかということである。
【0141】
すなわち、「secure」(「セキュア」)な遠隔制御とは、特に、適切かつ十分なコンピュータ保護またはハッカー保護に基づく。
【0142】
例えば、一実施形態によれば、ロボットと、基盤設備とロボットとの間の通信を含む、第1の態様による方法に関与する基盤設備とからなる全体が、ここで説明する「基盤サポート」または「基盤設備のサポート」の構想について現在安全であるかどうかが検査される。すなわち、特に、ロボット、ならびに/またはローカルおよび/もしくはグローバルな基盤設備ならびに/または通信が適宜検査される。遠隔制御信号が、特に検査の結果に基づいて生成される。
【0143】
すなわち、特に、操作、特に走行操作への介入が実行される前、すなわちロボットが遠隔制御される前に、第1の態様による方法の実施のときに使用されるコンポーネントの安全性について、すなわちこれらが特定の安全条件を満たしているかどうかが検査される。
【0144】
重要な、または依存する基準は、例えば、上述の安全条件のうちの1つまたは複数である。
【0145】
一実施形態によれば、一方では、システム全体(ロボット、基盤設備、通信経路、クラウド...)が安全条件に関して検査されることが意図される。
【0146】
一実施形態によれば、個々の部品が安全条件を満たしているかについても検査されることが意図される。これは特に、ロボットの遠隔制御の前に行われる。
【0147】
ここで、1つまたは複数の検査ステップは、一実施形態では、ロボット内部および/またはロボット外部、特に基盤設備で実行される。
【0148】
一実施形態によれば、1つまたは複数の検査ステップが、追加として、すなわち後の時点で、例えば定期的に検査されることが意図される。例えば、1つまたは複数の検査ステップは、追加として、所定のサイクルで、例えば100msごとに検査される。
【0149】
例えば、この検査、すなわち少なくとも1つの安全条件が満たされているかどうかの検査は、一実施形態によれば、1つまたは複数の所定の方法ステップの前および/または後、および/または間に行われる。
【0150】
一実施形態によれば、検査は、問題がある場合に実行または実施される。
【0151】
一実施形態によれば、ロボットと、特に第2の態様による装置を含む基盤設備との間に、通信接続が確立されていることが意図される。
【0152】
一実施形態によれば、基盤設備は、ローカルな基盤設備を含む。
【0153】
一実施形態によれば、基盤設備は、グローバルな基盤設備、好ましくは、クラウド基盤を含む。
【0154】
一実施形態では、「基盤設備サポート」機能を提供できるかどうかが検査される。
【0155】
一実施形態では、基盤設備が機能的に準備できているか、および/または、遠隔制御に供することができるかどうかが検査される。
【0156】
一実施形態では、ロボットが機能的に準備できているか、および/または、遠隔制御に供することができるかどうかが検査される。
【0157】
一実施形態では、「基盤設備サポート」というサービスまたは機能が、機能を要求しているロボットに対して解除されているかどうかが検査される。これは特に、ロボットレベル、基盤レベル、サービスレベルで検査される。
【0158】
一実施形態では、ロボットの可能性(上述および/または後述のロボットパラメータ)(例えば、最大可能加速度または速度等)が検出および/または受信される(特に伝達される)ことが意図される。
【0159】
例えば、ロボットパラメータはロボットから送信される。すなわち、例えばロボットから送信されたロボットパラメータを受信する。
【0160】
例えば、ロボットパラメータはクラウド、特にクラウドサーバから送信される。すなわち、例えば、クラウド、特にクラウドサーバから送信されたロボットパラメータを受信する。
【0161】
これが不可能な場合(例えばデータ欠如のため)、例えば、定められた標準構成(好ましくは緊急構成)が使用される。
【0162】
一実施形態では、交通状況がロボットを遠隔制御できると許しているかどうかが検査されることが意図される。好ましくは、この検査は連続して、すなわち持続的に、つまり対応する要求の前でも、すなわち要求とは無関係に行われる。
【0163】
計算または検出は、例えば、ロボットおよび/または基盤設備で実行される。これをロボットと基盤設備との両方で実行する場合、それにより有利には冗長性を確保することができ、安全性を高めることができる。
【0164】
遠隔制御が可能である限り、例えばロボットが遠隔制御される。すなわち、ロボットの誘導は基盤設備によって担われている。知能(インテリジェンス)、決定およびコントロールは、基盤設備にある。
【0165】
好ましくは、遠隔制御のプロセスがその際さらに検査される。
【0166】
検査は、その際、以下の手段のうちの1つまたは複数に従って実行される。
【0167】
ロボット、基盤設備、またはロボットと基盤設備との両方において、後者は有利には冗長性を提供することができ、安全性を高めることができる。
【0168】
さらなる一実施形態では、ロボットの周辺環境は、ロボットの移動前に基盤設備によって(特にロボットに加えて)分析され、ロボットの遠隔制御または移動は、基盤設備によって開始コマンドが送信された後に初めて開始される。
【0169】
さらなる一実施形態では、基盤設備は、問題/危険な状況の可能性がある場合に、他の道路使用者に指示/指摘を与える。とりわけ歩行者に対して指示/指摘を与える。ここで、指示は、例えば音声および表示などで出力することができる。さらに、(接続された/公知な)特にモバイル端末装置への指示が可能である。