(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】冷却部材を含むバッテリーモジュール、このようなバッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20240520BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240520BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240520BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240520BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240520BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/653
H01M10/6556
H01M10/6568
(21)【出願番号】P 2022527218
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(86)【国際出願番号】 KR2021006106
(87)【国際公開番号】W WO2021235784
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061863
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ブム・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ユン・クム
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-チュル・チェ
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1589931(KR,B1)
【文献】特開2012-094370(JP,A)
【文献】特表2013-543239(JP,A)
【文献】特表2017-520883(JP,A)
【文献】特開2019-129149(JP,A)
【文献】特開2013-134993(JP,A)
【文献】特表2018-501603(JP,A)
【文献】特表2016-524114(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008059967(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を載置するように構成された冷却部材と、
を含み、
前記冷却部材は、
一面に前記複数の二次電池が直接接触するように、所定の大きさのプレート状で形成された
金属製の上部フレームと、
前記上部フレームの他面に結合され、冷媒が流れるように構成された冷媒流路が備えられた
プラスチック素材製の下部フレームと、
を含み、
前記冷却部材は、
前記上部フレームと前記下部フレームとの間に及び前記上部フレームと前記複数の二次電池との間にさらなる部材を介在させることなく前記上部フレームと前記下部フレームとの結合によって構成される、バッテリーモジュール。
【請求項2】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を載置するように構成された冷却部材と、
を含み、
前記冷却部材は、
一面に前記複数の二次電池が
直接接触するように、所定の大きさのプレート状で形成された
金属製の上部フレームと、
前記上部フレームの他面に結合され、冷媒が流れるように構成された冷媒流路が備えられた
プラスチック素材製の下部フレームと、
を含み、
前記冷却部材は、前記上部フレームの両側端と前記下部フレームの両側端とを互いに固定するように構成されたクリップ部材をさらに含み、
前記クリップ部材は、
前記上部フレームの一面に沿って長く延びて前記上部フレームの一面に密着した本体部と、
前記上部フレームの両端部及び前記下部フレームの両端部を囲むように前記本体部から折り曲げられた固定部と、
を備
え、
前記冷却部材は、前記上部フレームと前記下部フレームとの間に及び前記上部フレームと前記複数の二次電池との間にさらなる部材を介在させることなく前記上部フレームと前記下部フレームとの結合によって構成される、バッテリーモジュール。
【請求項3】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を載置するように構成された冷却部材と、
を含み、
前記冷却部材は、
一面に前記複数の二次電池が
直接接触するように、所定の大きさのプレート状で形成された
金属製の上部フレームと、
前記上部フレームの他面に結合され、冷媒が流れるように構成された冷媒流路が備えられた
プラスチック素材製の下部フレームと、
を含み、
前記上部フレームは、
前記複数の二次電池の載置位置をガイドするように、前記上部フレームの上面から前記二次電池に向かって突出したガイド突起を備え、
前記冷却部材は、前記上部フレームと前記下部フレームとの間に及び前記上部フレームと前記複数の二次電池との間にさらなる部材を介在させることなく前記上部フレームと前記下部フレームとの結合によって構成されるバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記下部フレームの冷媒流路は、
前記上部フレームに向かって突出した部分を有する凹凸構造を備え、
前記凹凸構造の前記上部フレームに向かって突出した部分は、
前記上部フレームの他面と接着されるように構成されている、請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記上部フレームの周縁部と前記下部フレームの周縁部とが互いに溶接される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記上部フレームの周縁部と前記下部フレームの周縁部とが、機械的接合方式を用いて互いに結合される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記冷却部材は、前記上部フレームの両側端にそれぞれ、前記上部フレームの両側端から上方に延びた側壁をさらに備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む、バッテリーパック。
【請求項9】
請求項8に記載のバッテリーパックを備える、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却部材を含むバッテリーモジュール、このようなバッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び電子デバイスに関し、より詳しくは、製造効率、冷却効率、及び耐久性を高めたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年5月22日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0061863号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化されるにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び該電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、例えば電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
そのうち缶型二次電池は、電極組立体が収納される金属缶を円筒型で製作し得る。このような缶型二次電池は、複数の二次電池を収容するモジュールケース、及び複数の二次電池を電気的に接続するように構成されたバスバーを備えたバッテリーモジュールの構成に適用され得る。
【0008】
また、従来、バッテリーモジュールには、複数の二次電池を収納したモジュールケースから発生した熱を外部に排出するように、ヒートシンクが備えられる。特に、モジュールケースとヒートシンクとの間には熱伝導のための冷却プレートが介在されることが一般的である。
【0009】
しかし、モジュールケースとヒートシンクとの間に介在された冷却プレートは、熱伝達経路を長くして熱伝導効率を低下させる。さらに、冷却プレートをモジュールケース及びヒートシンクとそれぞれ溶接する場合、部材が熱変形し易く、複数の部材同士を互いに溶接しなければならず煩雑であるため、製造工程の効率が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、製造効率、冷却効率、及び耐久性を高めたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、
複数の二次電池と、
複数の二次電池を載置するように構成された冷却部材と、
を含み、
冷却部材は、
一面に複数の二次電池が載置されるように、所定の大きさのプレート状で形成された上部フレームと、
上部フレームの他面に結合され、冷媒が流れるように構成された冷媒流路が備えられた下部フレームと、
を含む。
【0013】
また、下部フレームの冷媒流路は、上部フレームに向かって突出した部分を有する凹凸構造を備え、
凹凸構造の上部フレームに向かって突出した部分は、上部フレームの他面と接着されるように構成され得る。
【0014】
さらに、上部フレームの周縁部と下部フレームの周縁部とは互いに溶接され得る。
【0015】
そして、上部フレームの周縁部と下部フレームの周縁部とは、機械的接合方式を用いて互いに結合され得る。
【0016】
また、冷却部材は、上部フレームの両側端にそれぞれ、上部フレームの両側端から上方に延びた側壁をさらに備え得る。
【0017】
さらに、冷却部材は、上部フレームの両側端と下部フレームの両側端とを互いに固定するように構成されたクリップ部材をさらに含み得る。
【0018】
そして、クリップ部材は、
上部フレームの一面に沿って長く延びて上部フレームの一面に密着した本体部と、
上部フレームの両端部及び下部フレームの両端部を囲むように本体部から折り曲げられた固定部と、
を備え得る。
【0019】
また、上部フレームは、
複数の二次電池の載置位置をガイドするように、上部フレームの上面から二次電池に向かって突出したガイド突起を備え得る。
【0020】
そして、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による電子デバイスは、上述したバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、冷却部材が、複数の二次電池が載置される上部フレーム、及びこのような上部フレームと結合され、冷却流路が備えられた下部フレームを備えることで、中間に熱伝導部材をさらに介在させなくても、複数の二次電池が直接冷却部材の上面と接触できるため、冷却効率を高めることができる。
【0023】
また、本発明の一態様によれば、冷却部材の下部フレームが上部フレームの他面と接着されるように構成されることで、別途の締結部材がなくても、冷却部材の組立て工程が可能になる。これにより、本発明は、従来技術と比べて、部品数を減らして製造時間を短縮でき、製造コストを節減することができる。
【0024】
さらに、本発明の一態様によれば、上部フレームの周縁部と下部フレームの周縁部が互いに溶接されることで、上部フレームと下部フレームとの間の接合力をさらに高めることができる。これにより、本発明は、バッテリーモジュールの使用中に外部衝撃が発生したとき、冷却部材にクラックが発生して冷媒が上部フレームと下部フレームとの間の隙間から漏れることを防止することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】
図2のC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
【
図4】本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図5】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【
図6】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図7】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【
図8】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図9】
図8のバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【
図10】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した平面図である。
【
図11】
図10のA-A’線に沿った概略的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
図1において、X軸方向は右方であり、Y軸方向は後方であり、Z軸方向は上方であり得る。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール200は、複数の二次電池210、及び冷却部材220を含み得る。
【0031】
ここで、二次電池210は、円筒型電池セルであり得る。円筒型電池セルは、電池缶の上部(上端部)に電極端子211が備えられ得る。電極端子211は、正極端子211a及び負極端子211bであり得る。円筒型電池セルは、上部に電池キャップが備えられ、電池キャップの中央に正極端子211aが形成され得る。電池キャップの周縁には負極端子211bが備えられ得る。電池缶の内部には電極組立体(図示せず)が収容され得る。電池缶と電池キャップとは互いに電気的に絶縁され得る。このような円筒型電池セルの構成は、本発明の出願時点で当業者に周知されているため、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0032】
さらに、複数の二次電池210は、例えば、3mmの間隔で離隔して配置され得る。また、一つの行に位置した複数の二次電池210と他の一つの行に位置した複数の二次電池210とは、前後方向(Y軸方向)の位置が互いにずれるように配置され得る。そして、一つの列に位置した複数の二次電池210と他の一つの列に位置した複数の二次電池210とは、左右方向の位置が互いにずれるように配置され得る。すなわち、複数の二次電池210は、全体的に前方、後方、左方、右方でジグザグに配置された形態であると言える。
【0033】
そして、複数の二次電池210は、伝導性金属を含むバスバー(図示せず)によって電気的に直列または並列で接続され得る。バスバーは、例えば、銅、ニッケル及びアルミニウムのうち少なくとも一つを含み得る。例えば、バスバーはワイヤ状であり得る。バスバーは、二次電池210の上部(
図1の+Z軸方向)の電池キャップに位置した正極端子211a同士及び/または電池缶に形成された負極端子211b同士を電気的に接続し得る。
【0034】
一方、
図1及び
図2をさらに参照すると、冷却部材220は、上部フレーム221及び下部フレーム226を備え得る。具体的には、上部フレーム221は、一面(上面)に複数の二次電池210が載置されるように所定の大きさのプレート状で形成され得る。
【0035】
また、下部フレーム226は、上部フレーム221の平面の大きさと対応する上部を有し得る。下部フレーム226は、上部フレーム221の他面に結合され得る。ここで、結合方法は、いずれか一つの方法に特定されず、例えば、接着方式、溶接方式、または機械的接合方式で上部フレーム221の一部分と下部フレーム226とが互いに結合され得る。下部フレーム226は、冷媒が流れるように構成された冷媒流路Dを備え得る。ここで、冷媒は、例えば、空気または水であり得る。
【0036】
具体的には、冷却部材220は、入口I及び出口Oを備え得る。入口Iは、外部装置から冷却された冷媒が注入されるように構成され得る。出口Oは、複数の二次電池210から熱を吸収した冷媒が外部装置に向かって排出されるように構成され得る。冷媒流路Dは、入口I及び出口Oにそれぞれ連結され得る。
【0037】
すなわち、冷媒流路Dの一端は入口Iと連通され得る。冷媒流路Dの他端は出口Oと連通され得る。冷媒流路Dは、相対的に下方に突出し、冷媒が流動可能な空いた空間を形成した移動路、及び移動路を区画するように上方に突出した隔壁Wを備え得る。ここで、冷媒は、例えば、水であり得る。
【0038】
したがって、本発明のこのような構成によれば、冷却部材220が、複数の二次電池210が載置される上部フレーム221、及び上部フレーム221と結合され、冷却流路Dが備えられた下部フレーム226を備えることで、中間に熱伝導部材をさらに介在させなくても、複数の二次電池210が直接冷却部材220の上面と接触できるため、冷却効率を高めることができる。
【0039】
また、上部フレーム221は、溶接などによって発生した熱による変形が抑えられるように、プレス工法で製造され得る。例えば、上部フレーム221はスチール、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属素材を含み得る。すなわち、上部フレーム221は、プレス工法で製造されるため、酷い熱変形が発生しない。これにより、本発明は、バッテリーモジュール200の充放電によって発生した熱による上部フレーム221の熱変形が少なく、一面に載置される複数の二次電池210の接触面積が減少することを防止することができる。
【0040】
さらに、下部フレーム226は射出工法で製造され得る。下部フレーム226はプラスチック素材を含み得る。プラスチック素材は、例えば、エンジニアリングプラスチックであり得る。冷却素材の一部構成に軽い素材であるプラスチックを適用することで、バッテリーモジュール200の重量を減少させることができる。
【0041】
図3は、
図2のC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
【0042】
図1~
図3を参照すると、下部フレーム226の冷媒流路Dは、断面をみたとき、上部フレーム221に向かって突出した部分226aを有した凹凸構造Kを備え得る。ここで、上部フレーム221に向かって突出した部分226aは、下部フレーム226の隔壁W及び下部フレーム226の外周部のそれぞれの上面であり得る。
【0043】
より具体的には、凹凸構造Kの上部フレーム221に向かって突出した部分226aは、上部フレーム221の他面(下面)と接着されるように構成され得る。このとき、接着方法は、接着剤を用いた接着であり得る。接着剤は、特定の素材に限定されず、例えば、グルー(glue)またはホットメルト樹脂(hot-melt resin)であり得る。例えば、接着剤は、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びアクリル系樹脂のうち少なくとも一つを含み得る。
【0044】
したがって、本発明のこのような構成によれば、冷却部材220の下部フレーム226が上部フレーム221の他面と接着されるように構成されることで、別途の締結部材がなくても、冷却部材220の組立て工程を行うことができる。これにより、本発明は、従来技術と比べて、部品数を減らして製造時間を短縮でき、製造コストを節減することができる。
【0045】
図4は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0046】
図4を参照すると、
図4の冷却部材220は、上部フレーム221と下部フレーム226との結合に接着剤のみが使用される
図3の冷却部材220と異なり、一部溶接方式で上部フレーム221と下部フレーム226とを結合(接合)し得る。
【0047】
例えば、
図4に示されたように、
図4の冷却部材220は、上部フレーム221の周縁部と下部フレーム226の周縁部とがスパット溶接、アーク溶接、及びレーザー溶接のうち少なくとも一つの方式で互いに接合された部分J1を有し得る。しかし、溶接方式が限定されることはなく、公知された適用可能な溶接方式であればいずれも使用可能である。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部フレーム221の周縁部と下部フレーム226の周縁部とが互いに溶接されることで、上部フレーム221と下部フレーム226との間の接合力をさらに高めることができる。これにより、本発明は、バッテリーモジュール200の使用中に外部衝撃が発生したとき、冷却部材220にクラックが発生して冷媒が上部フレーム221と下部フレーム226との間の隙間から漏れることを防止することができる。
【0049】
図5は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【0050】
図5を参照すると、
図5の冷却部材220は、上部フレーム221と下部フレーム226との結合に接着剤のみが使用される
図3の冷却部材220と異なり、一部機械的接合方式を用いて互いに結合された部分を有し得る。例えば、
図5に示されたように、上部フレーム221の周縁部と下部フレーム226の周縁部とは機械的接合方式であるリベッティングを用いて結合され得る。リベッティングは、上部フレーム221と下部フレーム226とにリベットRを貫通させて両部材を互いに結束させる工法である。
【0051】
図6は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0052】
図6を参照すると、上部フレーム221の周縁部と下部フレーム226の周縁部とはクリンチングを用いて互いに結合された部分J2を有し得る。
図6に示されたように、上部フレーム221と下部フレーム226とが互いに結合された部分J2はクリンチングによって結合され得る。より具体的には、上部フレーム221と下部フレーム226とが結合された部分J2には、TOX(登録商標)クリンチングによって内側に凹んだ空間Jが形成され得る。
【0053】
ここで、クリンチングは、上部フレーム221の一部分と下部フレーム226の一部分とを互いに重ねた状態で冷間成形工法を適用して接合する方法である。また、TOX(登録商標)クリンチングは、上部フレーム221の一部分と下部フレーム226の一部分とを互いに重ねた状態で塑性変形して接合する工法である。
【0054】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部フレーム221の周縁部と下部フレーム226の周縁部とが機械的接合方式で互いに結合されることで、上部フレーム221と下部フレーム226との間の接合力をさらに高めることができる。これにより、本発明は、バッテリーモジュール200の使用中に外部衝撃が発生したとき、冷却部材220にクラックが発生して冷媒が上部フレーム221と下部フレーム226との間の隙間から漏れることをさらに防止することができる。
【0055】
図7は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【0056】
図7を参照すると、
図7のバッテリーモジュール200Aの冷却部材220Aは、上部フレーム221Aの両側端にそれぞれ側壁221wをさらに備え得る。側壁221wは、上部フレーム221Aのプレート状の両側端からそれぞれ上方に延びた形状であり得る。側壁221wは、上部フレーム221Aに一体で形成され得る。そして、下部フレーム226Aは、上部フレーム221Aの下部に結合された形態であり得る。例えば、
図7に示されたように、本発明の冷却部材220の上部フレーム221Aは、X方向の左端及び右端にそれぞれ左側壁221w及び右側壁221wを備え得る。側壁221wは、前後方(Y軸方向)に長く延びた形態であり得る。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部フレーム221Aの両側端からそれぞれ上方に延びた側壁221wをさらに備えることで、冷却部材220の上下方向への反りを防止することができる。すなわち、側壁221wは、冷却部材220の剛性を補強する補強材の役割を果たして、冷却部材220上に多数の二次電池210が載置されることで冷却部材220が反る現象を防止することができる。
【0058】
図8は本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図であり、
図9は
図8のバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した縦断面図である。
【0059】
図8及び
図9を参照すると、
図8のバッテリーモジュールの冷却部材220は、クリップ部材230をさらに含み得る。クリップ部材230は、上部フレーム221の両側端と下部フレーム226の両側端とを互いに固定するように構成され得る。具体的には、クリップ部材230は、本体部231及び固定部233を備え得る。本体部231は、上部フレーム221の一面に沿って長く延びて上部フレーム221の一面に密着するように構成され得る。固定部233は、上部フレーム221の両端部及び下部フレーム226の両端部を囲むように本体部231から折り曲げられた部分であり得る。
【0060】
例えば、
図9に示されたように、クリップ部材230の本体部231は、上部フレーム221の上面に沿って左右(X方向)に長く延びた形態を有し得る。本体部231は、上部フレーム221の反りを防止できるように、上部フレーム221の変形を制限するように上部フレーム221の上面と密着し得る。
【0061】
例えば、
図9に示されたように、クリップ部材230の固定部233は、上部フレーム221及び下部フレーム226の両端部を囲むように第1折曲部233a及び第2折曲部233bを備え得る。第1折曲部233aは、本体部231の左右側の端部から下方に折り曲げられた部分であり得る。第2折曲部233bは、第1折曲部233aの下端部から内側(中心方向)に折り曲げられた部分であり得る。
【0062】
したがって、本発明のこのような構成によれば、クリップ部材230をさらに含むことで、クリップ部材230の本体部231が剛性補強のための補強材の役割を果たして、冷却部材220上に多数の二次電池210が載置されることで冷却部材220が反る現象を防止することができる。
【0063】
さらに、クリップ部材230の固定部233は、上部フレーム221の両側端と下部フレーム226の両側端とを囲むように折り曲げられることで、上部フレーム221の両側端と下部フレーム226の両側端との分離を阻止することができる。これにより、本発明は、クリップ部材230によって、バッテリーモジュール200の使用中に外部衝撃が発生するとき、冷却部材220にクラックが発生して冷媒が上部フレーム221と下部フレーム226との間の隙間から漏れることを防止することができる。
【0064】
図10は本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した平面図であり、
図11は
図10のA-A’線に沿った概略的な縦断面図である。
【0065】
図10及び
図11を参照すると、
図10の冷却部材220Bは、上部フレーム221Bの上面に複数のガイド突起Pが備えられ得る。ガイド突起Pは、複数の二次電池210の載置位置をガイドするように、上部フレーム221Bの上面から二次電池210に向かって(
図1の+Z軸方向)突出した形態を有し得る。
【0066】
すなわち、ガイド突起Pは、二次電池210の下端部の外周部を囲むように、平面視が円形状であり得る。また、円形のガイド突起Pの内部には一つの二次電池210が載置され得る。
【0067】
したがって、本発明のこのような構成によれば、冷却部材220Bの上部フレーム221Bにガイド突起Pが備えられることで、複数の二次電池210を正位置に配置し易く、さらに上部フレーム221Bと複数の二次電池210との接触面積を増加させることができるため、冷却部材の冷媒効率を効果的に高めることができる。
【0068】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック(図示せず)は、上述したバッテリーモジュール200を少なくとも一つ含み得る。そして、バッテリーパックは、バッテリーモジュール200の充放電を制御するための各種の装置(図示せず)、例えばBMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0069】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーモジュール200を少なくとも一つ含む。電子デバイスは、バッテリーモジュール200を収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)、及びユーザがバッテリーモジュール200の充電状態を確認できる表示部をさらに含み得る。
【0070】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に含まれ得る。すなわち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に上述した本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール200を少なくとも一つ含むバッテリーパックが搭載され得る。
【0071】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0072】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0073】
200:バッテリーモジュール
220:冷却部材
221、226:上部フレーム、下部フレーム
D:冷媒流路
K:凹凸構造
210:二次電池
221w:側壁
230:クリップ部材
231、233:本体部、固定部
P:ガイド突起