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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】制御回路及び半導体メモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 5/14 20060101AFI20240520BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20240520BHJP
   G06F 1/3206 20190101ALI20240520BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G11C5/14 550
G06F1/26 303
G06F1/3206
G11C5/14 370
G11C7/10 505
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022545392
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022087731
(87)【国際公開番号】W WO2023178781
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202210306176.4
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユーペン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-140841(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0147594(US,A1)
【文献】特表2018-517955(JP,A)
【文献】特開平4-356816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 5/14
G06F 1/26
G06F 1/3206
G11C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路であって、機能モジュールにバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュールを備え、
前記バイアスモジュールは、第1バイアスモジュールと、第2バイアスモジュールと、を備え、前記第1バイアスモジュールは、第1バイアス電流を提供するように構成され、前記第2バイアスモジュールは、第2バイアス電流を提供するように構成され、前記第1バイアス電流は、前記第2バイアス電流よりも小さく、前記第1バイアスモジュールは、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、前記第2バイアスモジュールは、バイアスイネーブル信号を受信し、前記バイアスイネーブル信号に基づいて、前記第2バイアス電流を提供するように構成される、制御回路。
【請求項2】
前記機能モジュールは、励起信号を受信し、前記励起信号に基づいて起動するように構成され、前記機能モジュールが前記励起信号を受信する時刻は、前記バイアスモジュールが対応する前記バイアスイネーブル信号を受信する時刻よりも遅いことを特徴とする
請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記制御回路は、イネーブルモジュールを更に備え、
前記イネーブルモジュールは、電源切り替え信号を受信し、前記電源切り替え信号に基づいて、前記バイアスイネーブル信号と前記励起信号を出力するように構成され、前記電源切り替え信号は、前記機能モジュールを起動することを表すことを特徴とする
請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記電源切り替え信号は、前の第1変化エッジと後の第2変化エッジとを含み、
前記イネーブルモジュールは更に、前記第1変化エッジで前記バイアスイネーブル信号を出力し、前記第2変化エッジで前記励起信号を出力するように構成されることを特徴とする
請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
前記第1変化エッジの変化方向は、前記第2変化エッジの変化方向と逆であることを特徴とする
請求項4に記載の制御回路。
【請求項6】
前記第1変化エッジは、低レベル状態から高レベル状態に変換するものであり、前記第2変化エッジは、高レベル状態から低レベル状態に変換するものであることを特徴とする
請求項4に記載の制御回路。
【請求項7】
前記イネーブルモジュールは更に、状態信号を受信し、前記電源切り替え信号と前記状態信号に基づいて、論理演算処理を行い、前記バイアスイネーブル信号と前記励起信号を出力するように構成され、前記状態信号は、前記制御回路が電源切断状態にあるか又は電源投入状態にあることを表すことを特徴とする
請求項3に記載の制御回路。
【請求項8】
前記イネーブルモジュールは、第1論理モジュールと、第2論理モジュールと、を備え、
前記第1論理モジュールは、前記電源切り替え信号と前記状態信号を受信し、前記電源切り替え信号と前記状態信号に対して第1論理演算を行い、前記バイアスイネーブル信号を出力するように構成され、
前記第2論理モジュールは、前記電源切り替え信号と前記状態信号を受信し、前記電源切り替え信号と前記状態信号に対して第2論理演算を行い、前記励起信号を出力するように構成されることを特徴とする
請求項7に記載の制御回路。
【請求項9】
前記第1論理モジュールは、第1NORゲートと、第2NORゲートと、第1NOTゲートとを含み、
前記第1NORゲートの1つの入力端は、前記電源切り替え信号を受信するためのものであり、前記第1NORゲートのもう1つの入力端は、前記第2NORゲートの出力端に接続され、前記第2NORゲートの1つの入力端は、前記第1NORゲートの出力端に接続され、前記第2NORゲートのもう1つの入力端は、前記状態信号を受信するためのものであり、前記第2NORゲートの出力端は更に、前記第1NOTゲートの入力端に接続されることを特徴とする
請求項8に記載の制御回路。
【請求項10】
前記第2論理モジュールは、第2NOTゲートと、第1NANDゲートと、第2NANDゲートと、第3NOTゲートとを含み、
前記第2NOTゲートの入力端は、前記状態信号を受信するためのものであり、前記第2NOTゲートの出力端は、前記第1NANDゲートの1つの入力端に接続され、前記第1NANDゲートのもう1つの入力端は、前記第2NANDゲートの出力端に接続され、前記第1NANDゲートの出力端は、前記第2NANDゲートの1つの入力端に接続され、前記第2NANDゲートのもう1つの入力端は、前記電源切り替え信号を受信するためのものであり、前記第1NANDゲートの出力端は更に、第3NOTゲートの入力端に接続されることを特徴とする
請求項8に記載の制御回路。
【請求項11】
前記機能モジュールは、入力バッファ回路を備えることを特徴とする
請求項1から10のいずれか1項に記載の制御回路。
【請求項12】
前記第1バイアスモジュールと前記第2バイアスモジュールは、並列接続され、前記第1バイアスモジュールは、第1バイアス抵抗を含み、前記第2バイアスモジュールは、第2バイアス抵抗を含み、
前記第1バイアス抵抗の抵抗値は、前記第2バイアス抵抗の抵抗値よりも大きいことを特徴とする
請求項1から10のいずれか1項に記載の制御回路。
【請求項13】
前記第1バイアスモジュールは、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタとを更に備え、
前記第1トランジスタのドレインと前記第2トランジスタのドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、
前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのゲートは、いずれも、接地側に接続するためのものであり、
前記第1トランジスタのソースは、前記第3トランジスタのドレインに接続され、前記第2トランジスタのソースは、前記第4トランジスタのドレインに接続され、
前記第3トランジスタのゲートと前記第4トランジスタのゲートは、いずれも、前記第3トランジスタのソースに接続され、前記第3トランジスタのソースは、前記第1バイアス抵抗を介して接地側に接続され、
前記第4トランジスタのソースは、前記機能モジュールに接続され、前記機能モジュールに前記第1バイアス電流を提供するためのものであることを特徴とする
請求項12に記載の制御回路。
【請求項14】
前記第2バイアスモジュールは、第5トランジスタと、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタとを更に備え、
前記第5トランジスタのドレインと前記第6トランジスタのドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、
前記第5トランジスタのゲートと前記第6トランジスタのゲートは、いずれも、前記バイアスイネーブル信号に接続するためのものであり、
前記第5トランジスタのソースは、前記第7トランジスタのドレインに接続され、前記第6トランジスタのソースは、前記第8トランジスタのドレインに接続され、
前記第7トランジスタのゲートと前記第8トランジスタのゲートは、いずれも前記第7トランジスタのソースに接続され、前記第7トランジスタのソースは、前記第2バイアス抵抗を介して接地側に接続され、
前記第8トランジスタのソースは、前記機能モジュールに接続され、前記機能モジュールに前記第2バイアス電流を提供するためのものであることを特徴とする
請求項12に記載の制御回路。
【請求項15】
請求項1から10のいずれか1項に記載の制御回路を備える、半導体メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年3月25日に提出された、出願番号が202210306176.4であり、発明の名称が「制御回路及び半導体メモリ」である中国特許出願に基づいて提出され、そして、当該中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、半導体技術分野に関し、特に制御回路及び半導体メモリに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体技術の継続的な発展に伴い、人々がコンピュータなどの機器を製造して使用する時、データの伝送速度に対して、ますます高くなる要件を求めている。より速いデータ伝送速度を得るために、データがダブルデータレート(Double Data Rate:DDR)で伝送可能なメモリなどの一連のデバイスは、機運に応じて生まれた。
【0004】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAM)において、節電のために、電源切断(Power Down)状態に入る時、入力バッファモジュールとバイアスモジュールがいずれも電源切断される必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、バイアスモジュールの安定時間を確保できるだけでなく、省電力化の目的を達成することもできる制御回路及び半導体メモリを提供する。
【0006】
第1態様によれば、本願の実施例は、制御回路を提供する。該制御回路は、機能モジュールにバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュールを備え、バイアスモジュールは、第1バイアスモジュールと、第2バイアスモジュールと、を備え、第1バイアスモジュールは、第1バイアス電流を提供するように構成され、第2バイアスモジュールは、第2バイアス電流を提供するように構成され、ここで、第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さく、第1バイアスモジュールは、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、第2バイアスモジュールは、バイアスイネーブル信号を受信し、バイアスイネーブル信号に基づいて、第2バイアス電流を提供するように構成される。
【0007】
いくつかの実施例において、機能モジュールは、励起信号を受信し、励起信号に基づいて起動するように構成され、ここで、機能モジュールが励起信号を受信する時刻は、バイアスモジュールが対応するバイアスイネーブル信号を受信する時刻よりも遅い。
【0008】
いくつかの実施例において、制御回路は、イネーブルモジュールを更に備え、イネーブルモジュールは、電源切り替え信号を受信し、電源切り替え信号に基づいて、バイアスイネーブル信号と励起信号を出力するように構成され、ここで、電源切り替え信号は、機能モジュールを起動することを表す。
【0009】
いくつかの実施例において、電源切り替え信号は、前の第1変化エッジと後の第2変化エッジとを含み、イネーブルモジュールは更に、第1変化エッジでバイアスイネーブル信号を出力し、第2変化エッジで励起信号を出力するように構成される。
【0010】
いくつかの実施例において、第1変化エッジの変化方向は、第2変化エッジの変化方向と逆である。
【0011】
いくつかの実施例において、第1変化エッジは、低レベル状態から高レベル状態に変換するものであり、第2変化エッジは、高レベル状態から低レベル状態に変換するものである。
【0012】
いくつかの実施例において、イネーブルモジュールは更に、状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に基づいて、論理演算処理を行い、バイアスイネーブル信号と励起信号を出力するように構成され、ここで、状態信号は、制御回路が電源切断状態にあるか又は電源投入状態にあることを表す。
【0013】
いくつかの実施例において、イネーブルモジュールは、第1論理モジュールと、第2論理モジュールと、を備え、ここで、第1論理モジュールは、電源切り替え信号と状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に対して第1論理演算を行い、バイアスイネーブル信号を出力するように構成され、第2論理モジュールは、電源切り替え信号と状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に対して第2論理演算を行い、励起信号を出力するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例において、第1論理モジュールは、第1NORゲートと、第2NORゲートと、第1NOTゲートとを含み、ここで、第1NORゲートの1つの入力端は、電源切り替え信号を受信するためのものであり、第1NORゲートのもう1つの入力端は、第2NORゲートの出力端に接続され、第2NORゲートの1つの入力端は、第1NORゲートの出力端に接続され、第2NORゲートのもう1つの入力端は、状態信号を受信するためのものであり、第2NORゲートの出力端は更に、第1NOTゲートの入力端に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、第2論理モジュールは、第2NOTゲートと、第1NANDゲートと、第2NANDゲートと、第3NOTゲートとを含み、ここで、第2NOTゲートの入力端は、状態信号を受信するためのものであり、第2NOTゲートの出力端は、第1NANDゲートの1つの入力端に接続され、第1NANDゲートのもう1つの入力端は、第2NANDゲートの出力端に接続され、第1NANDゲートの出力端は、第2NANDゲートの1つの入力端に接続され、第2NANDゲートのもう1つの入力端は、電源切り替え信号を受信するためのものであり、第1NANDゲートの出力端は更に、第3NOTゲートの入力端に接続される。
【0016】
いくつかの実施例において、機能モジュールは、入力バッファ回路を備える。
【0017】
いくつかの実施例において、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールは、並列接続され、第1バイアスモジュールは、第1バイアス抵抗を含み、第2バイアスモジュールは、第2バイアス抵抗を含み、ここで、第1バイアス抵抗の抵抗値は、第2バイアス抵抗の抵抗値よりも大きい。
【0018】
いくつかの実施例において、第1バイアスモジュールは、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタとを更に備え、ここで、第1トランジスタのドレインと第2トランジスタのドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、第1トランジスタのゲートと第2トランジスタのゲートは、いずれも、接地側に接続するためのものであり、第1トランジスタのソースは、第3トランジスタのドレインに接続され、第2トランジスタのソースは、第4トランジスタのドレインに接続され、第3トランジスタのゲートと第4トランジスタのゲートは、いずれも、第3トランジスタのソースに接続され、第3トランジスタのソースは、第1バイアス抵抗を介して接地側に接続され、第4トランジスタのソースは、機能モジュールに接続され、機能モジュールに第1バイアス電流を提供するためのものである。
【0019】
いくつかの実施例において、第2バイアスモジュールは、第5トランジスタと、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタとを更に備え、ここで、第5トランジスタのドレインと第6トランジスタのドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、第5トランジスタのゲートと第6トランジスタのゲートは、いずれも、バイアスイネーブル信号に接続するためのものであり、第5トランジスタのソースは、第7トランジスタのドレインに接続され、第6トランジスタのソースは、第8トランジスタのドレインに接続され、第7トランジスタのゲートと第8トランジスタのゲートは、いずれも第7トランジスタのソースに接続され、第7トランジスタのソースは、第2バイアス抵抗を介して接地側に接続され、第8トランジスタのソースは、機能モジュールに接続され、機能モジュールに第2バイアス電流を提供するためのものである。
【0020】
第2態様によれば、本願の実施例は、半導体メモリを提供する。前記半導体メモリは、第1態様のような制御回路を備える。
【0021】
本願の実施例は、制御回路及び半導体メモリを提供する。該制御回路は、機能モジュールにバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュールを備え、バイアスモジュールは、第1バイアスモジュールと、第2バイアスモジュールと、を備え、第1バイアスモジュールは、第1バイアス電流を提供するように構成され、第2バイアスモジュールは、第2バイアス電流を提供するように構成され、ここで、第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さく、第1バイアスモジュールは、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、第2バイアスモジュールは、バイアスイネーブル信号を受信し、バイアスイネーブル信号に基づいて、第2バイアス電流を提供するように構成される。このように、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあることで、該制御回路は、バイアスモジュールの安定時間を確保し、バイアスモジュールの回復時間が長いことによってtXP時間を占有するという問題を避けることができるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】制御回路の構造概略図である。
図2】制御回路の信号タイミングの概略図である。
図3】本願の実施例による制御回路の構造概略図1である。
図4】本願の実施例による制御回路の構造概略図2である。
図5】本願の実施例による制御回路の信号タイミングの概略図である。
図6】本願の実施例による制御回路の構造概略図3である。
図7】本願の実施例による制御回路の詳細な構造概略図1である。
図8】本願の実施例による制御回路の詳細な構造概略図2である。
図9】本願の実施例による半導体メモリの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願の実施例における添付図面を参照しながら、本願発明の実施例を明瞭且つ完全に記述する。理解できるように、ここで記述される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものだけであり、該出願を限定するものではない。なお、記述を容易にするために、図面において、本願に関わる部分のみが示される。
【0024】
別途定義しない限り、本明細書に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、本願の実施例が属する分野における当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書に用いられる用語は、本願の実施例の目的を記述するためのものだけであり、本願を限定するものではない。
【0025】
下記に記載されている「いくつかの実施例」は、全ての可能な実施例のサブ集合として記載されている。「いくつかの実施例」は、全ての可能な実施例の同一のサブ集合又は異なるサブ集合であってもよく、また、矛盾しない限り、互いに組み合わせられてもよいと理解されるべきである。
【0026】
本願の実施例に係る用語「第1/第2/第3」は、類似した対象を区別するためのものであり、対象の特定の順番を説明するためのものではないことに留意されたい。ここで説明した本願の実施例をここで図示した又は説明した順番以外の順番で実施可能なものにするために、「第1/第2/第3」は、許された場合であれば特定の順番又は前後順序を互いに取り替えることができることは、理解されるべきである。
【0027】
更に、本願の実施例に係る信号に用いられる高レベルと低レベルは、信号の論理レベルを指すことに留意されたい。高レベルを有する信号は、低レベルを有するその信号と異なる。例えば、高レベルは、第1電圧を有する信号に対応してもよいが、低レベルは、第2電圧を有する信号に対応してもよい。いくつかの実施例において、第1電圧は、第2電圧よりも大きい。なお、信号の論理レベルは、記述される論理レベルと異なるか又は逆であってもよい。例えば、論理的「高」レベルを有すると記述される信号は、代替的には、論理的「低」レベルを有してもよく、そして、論理的「低」レベルを有する記述される信号は、代替的には、論理的「高」レベルを有してもよい。
【0028】
半導体メモリにとって、図1を参照すると、図1は、制御回路の構造概略図を示す。図1に示すように、該制御回路10は、イネーブルモジュール11と、機能モジュール12と、バイアスモジュール13とを備えてもよい。ここで、イネーブルモジュール11は、電源切り替え信号を受信し、電源切り替え信号に基づいて、バイアスイネーブル信号と励起信号を出力するように構成され、機能モジュール12は、イネーブルモジュール11に接続され、機能モジュール12は、励起信号を受信し、該機能モジュール12を起動するように構成され、バイアスモジュール13は、イネーブルモジュール11に接続され、バイアスモジュール13は、バイアスイネーブル信号を受信し、該バイアスモジュール13を起動するように構成される。なお、バイアスモジュール13は更に、機能モジュール12に接続され、バイアスモジュール13は更に、機能モジュール12にバイアス電流を提供するように構成される。
【0029】
本願の実施例において、電源切り替え信号は、CSで表されてもよく、バイアスイネーブル信号は、EnIBBiasで表されてもよく、励起信号は、EnIBで表されてもよい。ここで、CS信号は、制御回路10が電源切断状態から電源投入状態に切り替え、機能モジュール12とバイアスモジュール13を起動することを表すためのものであり、EnIB信号は、機能モジュール12に提供されるイネーブル信号であり、機能モジュール12を起動するために用いられ、EnIBBias信号は、バイアスモジュール13に提供されるイネーブル信号であり、バイアスモジュール13を起動するために用いられる。
【0030】
図1に示す制御回路10によれば、図2は、制御回路10に対応する信号タイミングの概略図を示す。図2に示すように、制御回路10は、電源切断状態(Power Down State)と電源投入状態(Power on State)を含んでもよい。ここで、CS信号は、高レベルの有効なパルス信号であり、CS信号の第1変化エッジ(即ち、低レベル状態から高レベル状態に切り替える時)で、制御回路10は、電源切断状態にあるが、状態切り替えを開始し、CS信号の第2変化エッジ(即ち、高レベル状態から低レベル状態に切り替える時)で、制御回路10は、電源投入状態に入る。それと同時に、CS信号の第2変化エッジで、EnIB信号とEnIBBias信号もイネーブル状態(即ち、低レベル状態から高レベル状態に切り替える)にあり、機能モジュール12とバイアスモジュール13を起動することを意味する。
【0031】
つまり、電源切断状態では、節電のために、機能モジュール12とバイアスモジュール13は、パワーオフしたものである。電源切断状態(即ち、CS信号の第2変化エッジ)から離れる時、機能モジュール12とバイアスモジュール13を起動する必要がある。しかしながら、機能モジュール12に比べて、バイアスモジュール13の回復(Recovery)時間が長く、tXP時間を占有するだけでなく、Recovery時間が長いため、電力の浪費を引き起こす可能性もある。ここで、tXP時間は、電源切断から離れることから次の信号までの遅延(Exit power down to next one command delay)時間を表す。
【0032】
これによれば、本願の実施例は、制御回路を提供する。第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあることで、該制御回路は、バイアスモジュールの安定時間を確保し、バイアスモジュールの回復時間が長いことによってtXP時間を占有するという問題を避けることができるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
【0033】
以下、図面を参照しながら、本願の各実施例を詳しく説明する。
【0034】
本願の一実施例において、図3を参照すると、図3は、本願の実施例による制御回路の構造概略図を示す。図3に示すように、該制御回路30は、機能モジュール32にバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュール31を備えてもよい。
【0035】
バイアスモジュール31は、第1バイアスモジュール311と、第2バイアスモジュール312と、を備え、第1バイアスモジュール311は、第1バイアス電流を提供するように構成され、第2バイアスモジュール312は、第2バイアス電流を提供するように構成され、ここで、第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さく、第1バイアスモジュール311は、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、第2バイアスモジュール312は、バイアスイネーブル信号を受信し、バイアスイネーブル信号に基づいて、第2バイアス電流を提供するように構成される。
【0036】
説明すべきこととして、本願の実施例において、該制御回路30は、種々の回路シーンに適用可能であり、特に、低消費電力(Low Power:LP)のDDR5メモリの省電力制御回路シーンに適用されるが、関連する限定を構成しない。
【0037】
更に説明すべきこととして、本願の実施例において、第1バイアスモジュール311と第2バイアスモジュール312は、並列接続される。ここで、第1バイアスモジュール311は、低消費電力(Low power)バイアスモジュールと呼ばれてもよく、該バイアスモジュールは、常時オン状態にあり、即ち、関連する機能モジュールが作動しない場合、パワーオフせず、又は、該回路を含む機器(例えば、メモリ)が電源投入状態にあれば、第1バイアスモジュール311は、パワーオフしない。第2バイアスモジュール312は、ノーマル(Normal)バイアスモジュールと呼ばれてもよく、該バイアスモジュールは、関連する機能モジュールが電源切断状態にあって作動しない場合、パワーオフする。このように、バイアスイネーブル信号を受信して第2バイアスモジュール312を起動する時、バイアスモジュール全体のRecovery時間を減少させ、バイアスモジュールの安定時間(Settle time)を節約することができる。安定時間は、バイアスモジュールが目標安定状態を達するために必要な時間を指す。いくつかの実施例において、機能モジュール32は、励起信号を受信し、励起信号に基づいて起動するように構成される。ここで、機能モジュール32が励起信号を受信する時刻は、バイアスモジュール31が対応するバイアスイネーブル信号を受信する時刻よりも遅い。本願の実施例において、機能モジュール12は、入力バッファ回路、例えば、命令アドレス(Command Address:CA)/クロック(Clock:Clk)入力バッファ回路であってもよい。
【0038】
本願の実施例において、励起信号は、EnIBで表されてもよく、バイアスイネーブル信号は、EnIBBiasで表されてもよく、ここで、バイアスイネーブル信号は、バイアスモジュール31(具体的には、第2バイアスモジュール312である)を起動するためのものであり、励起信号は、機能モジュール32を起動するためのものである。
【0039】
電源切断状態から離れた後、バイアスモジュール31は、イネーブル起動されるために、一定の回復時間を経過する必要がある。バイアスモジュールのイネーブル起動と機能モジュールのイネーブル起動が一致しないと、消費電力の損失を引き起こす。つまり、バイアスモジュール31の回復が完了する時刻は、好ましくは、機能モジュールのイネーブル起動の時刻と一致する。従って、消費電力の浪費を引き起こさないために、機能モジュールが励起信号を受信する時刻は、バイアスモジュールが対応するバイアスイネーブル信号を受信する時刻よりも遅い必要がある。それにより、バイアスモジュールに対して一定のrecovery時間を予約する。
【0040】
いくつかの実施例において、図3に示す制御回路30の上で、図4を参照すると、制御回路30は、イネーブルモジュール33を更に備えてもよい。
【0041】
イネーブルモジュール33は、電源切り替え信号を受信し、電源切り替え信号に基づいて、バイアスイネーブル信号と励起信号を出力するように構成され、ここで、電源切り替え信号は、機能モジュールを起動することを表す。
【0042】
本願の実施例において、電源切り替え信号は、CSで表されてもよく、CS信号は、パルス信号であり、技術規格定義において、パルス幅は、最小3ナノ秒である。なお、CS信号は更に、制御回路10を電源切断状態から電源投入状態に切り替えることを表すために用いられ、それにより電源投入した後に機能モジュール32を起動できる。
【0043】
更に、電源切り替え信号がパルス信号であるため、いくつかの実施例において、電源切り替え信号は、前の第1変化エッジと後の第2変化エッジとを含んでもよい。
【0044】
イネーブルモジュール33は更に、第1変化エッジでバイアスイネーブル信号を出力し、第2変化エッジで励起信号を出力するように構成される。
【0045】
本願の実施例において、バイアスイネーブル信号がイネーブル状態に入る時刻は、励起信号がイネーブル状態に入る時刻よりも早い必要がある。このように、励起信号をイネーブルする前に、バイアスモジュールに対してrecovery時間を予約することができる。例示的に、イネーブルモジュール33は、第1変化エッジでバイアスイネーブル信号を出力し、第2変化エッジで励起信号を出力することができ、それによりバイアスモジュールのSettle時間に対して、CS信号のパルス時間を追加させ、tXP時間の占有を避けることができる。
【0046】
いくつかの実施例において、第1変化エッジの変化方向は、第2変化エッジの変化方向と逆であり、他の実施例において、第1変化エッジと第2変化エッジは、前後に伝送される異なるパルス信号の立ち上りエッジ又は立ち下がりエッジであってもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、第1変化エッジは、低レベル状態から高レベル状態に切り替えるものであってもよく、第2変化エッジは、高レベル状態から低レベル状態に切り替えるものであってもよい。
【0048】
説明すべきこととして、CS信号が低レベルの有効なパルス信号であれば、第1変化エッジは、高レベル状態から低レベル状態に切り替えるものであってもよく、第2変化エッジは、低レベル状態から高レベル状態に切り替えるものであってもよい。又は、CS信号が高レベルの有効なパルス信号であれば、第1変化エッジは、低レベル状態から高レベル状態に切り替えるものであってもよく、第2変化エッジは、高レベル状態から低レベル状態に切り替えるものであってもよく、本願の実施例は、これに対して何らかの限定をしない。
【0049】
例示的に、図5は、本願の実施例による信号タイミングの概略図である。図5に示すように、制御回路30は、電源切断状態と電源投入状態を含んでもよい。続いて、CS信号の第1変化エッジでEnIBBias信号を出力し、CS信号の第2変化エッジでEnIB信号を出力することで、EnIBBiasがイネーブル状態にある時刻を、EnIB信号がイネーブル状態にある時刻よりも早くする。
【0050】
説明すべきこととして、CS信号の第1変化エッジは、電源切断状態の時間帯にあり、CS信号の第2変化エッジは、電源投入状態の時間帯にある。CS信号の第1変化エッジが電源切断状態の時間帯にあるが、信号遅延が存在するため、第2バイアスモジュール312の起動は、電源切断状態と電源投入状態の切り替え点で起動可能であり、第2バイアスモジュール312の起動を最終的には、電源投入状態の時間帯内にする。機能モジュールは、電源投入状態でイネーブル信号を受信してイネーブル状態に入るため、機能モジュール32に対してEnIB信号を提供する時刻は、第2バイアスモジュール312に対してEnIBBias信号を提供する時刻よりも遅く、即ち、バイアスモジュール(具体的には、第2バイアスモジュールである)に対してrecovery時間を予約し、バイアスモジュールのSettle時間を確保する上で、機能モジュール32が正常に作動できないことを避けることに有利であり、それにより電力消費を節約する。
【0051】
いくつかの実施例において、イネーブルモジュール33は更に、状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に基づいて、論理演算処理を行い、バイアスイネーブル信号と励起信号を出力するように構成され、ここで、状態信号は、制御回路が電源切断状態にあるか又は電源投入状態にあることを表す。
【0052】
説明すべきこととして、状態信号は、PowerDnで表されてもよい。ここで、PowerDn信号は、高レベル状態である場合、制御回路30が電源切断状態にあることを表すためのものであり、PowerDn信号は、低レベル状態である場合、制御回路30が電源投入状態にあることを表すためのものである。
【0053】
いくつかの実施例において、イネーブルモジュール33にとって、図6を参照すると、イネーブルモジュール33は、第1論理モジュール331と、第2論理モジュール332とを備えてもよい。
【0054】
第1論理モジュール331は、電源切り替え信号と状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に対して第1論理演算を行い、バイアスイネーブル信号を出力するように構成される。
【0055】
第2論理モジュール332は、電源切り替え信号と状態信号を受信し、電源切り替え信号と状態信号に対して第2論理演算を行い、励起信号を出力するように構成される。
【0056】
ここで、第1論理モジュール331の入力は、CS信号とPowerDn信号であり、出力は、EnIBBias信号であり、第2論理モジュール332の入力は、CS信号とPowerDn信号であり、出力は、EnIB信号である。
【0057】
いくつかの実施例において、第1論理モジュール331にとって、図6において、第1論理モジュール331は、第1NORゲートaと、第2NORゲートbと、第1NOTゲートcとを含んでもよい。
【0058】
第1NORゲートaの1つの入力端は、電源切り替え信号を受信するためのものであり、第1NORゲートaのもう1つの入力端は、第2NORゲートbの出力端に接続され、第2NORゲートbの1つの入力端は、第1NORゲートaの出力端に接続され、第2NORゲートbのもう1つの入力端は、状態信号を受信するためのものであり、第2NORゲートbの出力端は更に、第1NOTゲートcの入力端に接続される。
【0059】
本願の実施例において、第1NOTゲートcの出力端は、バイアスイネーブル信号を出力するように構成される。ここで、電源切り替え信号が第1レベル状態から第2レベル状態に切り替え、且つ状態信号が第2レベル状態にある場合、第1論理モジュール331によって出力されるバイアスイネーブル信号は、第2レベル状態にある。又は、電源切り替え信号が第2レベル状態から第1レベル状態に切り替え、且つ状態信号が第1レベル状態にある場合、第1論理モジュール331によって出力されるバイアスイネーブル信号は、第2レベル状態にある。
【0060】
具体的な実施例において、第1レベル状態は、低レベル状態であり、第2レベル状態は、高レベル状態である。このように、CS信号が低レベル状態から高レベル状態に切り替え、且つPowerDn信号が高レベル状態にある場合、この時のEnIBBias信号は、低レベル状態から高レベル状態に切り替える。又は、CS信号が高レベル状態から低レベル状態に切り替え、且つPowerDn信号が低レベル状態にある場合、この時のEnIBBias信号は、依然として高レベル状態を保持する。ここで、EnIBBias信号が高レベル状態であることは、EnIBBias信号がイネーブル状態にあることを意味する。つまり、CS信号の立ち上りエッジ時刻(即ち、低レベル状態から高レベル状態に変換する時刻)で、EnIBBias信号は、イネーブル状態にある。
【0061】
いくつかの実施例において、第2論理モジュール332にとって、図6において、第2論理モジュール332は、第2NOTゲートdと、第1NANDゲートeと、第2NANDゲートfと、第3NOTゲートgとを含んでもよい。
【0062】
第2NOTゲートdの入力端は、状態信号を受信するためのものであり、第2NOTゲートdの出力端は、第1NANDゲートeの1つの入力端に接続され、第1NANDゲートeのもう1つの入力端は、第2NANDゲートfの出力端に接続され、第1NANDゲートeの出力端は、第2NANDゲートfの1つの入力端に接続され、第2NANDゲートfのもう1つの入力端は、電源切り替え信号を受信するためのものであり、第1NANDゲートeの出力端は更に、第3NOTゲートgの入力端に接続される。
【0063】
本願の実施例において、第3NOTゲートgの出力端は、励起信号を出力するように構成される。ここで、電源切り替え信号が第1レベル状態から第2レベル状態に切り替え、且つ状態信号が第2レベル状態にある場合、第2論理モジュール332によって出力される励起信号は、第1レベル状態にある。又は、電源切り替え信号が第2レベル状態から第1レベル状態に切り替え、且つ状態信号が第1レベル状態にある場合、第2論理モジュール332によって出力される励起信号は、第2レベル状態にある。
【0064】
具体的な実施例において、第1レベル状態は、低レベル状態であり、第2レベル状態は、高レベル状態である。このように、CS信号が低レベル状態から高レベル状態に切り替え、且つPowerDn信号が高レベル状態にある場合、この時のEnIB信号は、低レベル状態を保持する。又は、CS信号が高レベル状態から低レベル状態に切り替え、且つPowerDn信号が低レベル状態にある場合、この時のEnIB信号は、低レベル状態から高レベル状態に切り替える。ここで、EnIB信号が高レベル状態であることは、EnIB信号がイネーブル状態にあることを意味する。つまり、CS信号の立ち下がりエッジ時刻(即ち、高レベル状態から低レベル状態に変換する時刻)のみで、EnIB信号は、イネーブル状態にあり、即ち、EnIB信号がイネーブル状態にある時刻は、EnIBBias信号がイネーブル状態にある時刻よりも遅い。
【0065】
理解できるように、第1バイアスモジュール311と第2バイアスモジュール312にとって、図7は、本願の実施例による制御回路30の詳細な構造概略図である。図7に示すように、制御回路30において、第1バイアスモジュール311と第2バイアスモジュール312は、並列接続され、第1バイアスモジュール311は、第1バイアス抵抗MR1を含んでもよく、第2バイアスモジュール312は、第2バイアス抵抗MR2を含んでもよく、ここで、第1バイアス抵抗MR1の抵抗値は、第2バイアス抵抗MR2の抵抗値よりも大きい。
【0066】
説明すべきこととして、本願の実施例において、第1バイアス抵抗MR1内に、複数サブバイアス抵抗が含まれてもよく、第2バイアス抵抗MR2内にも複数のサブバイアス抵抗が含まれてもよく、即ち、第1バイアス抵抗MR1における複数のサブバイアス抵抗の等価抵抗値は、第2バイアス抵抗MR2における複数のサブバイアス抵抗の等価抵抗値よりも大きい必要がある。
【0067】
更に説明すべきこととして、本願の実施例において、各サブバイアス抵抗の抵抗値が同じであり、且つ異なるサブバイアス抵抗間が直列接続されるとすれば、第1バイアス抵抗MR1に含まれるサブバイアス抵抗の数は、第2バイアス抵抗MR2に含まれるサブバイアス抵抗の数よりも多い。
【0068】
更に、第1バイアスモジュール311は、第1バイアス抵抗に加えて、4つのトランジスタを更に備えてもよい。いくつかの実施例において、図7に示すように、第1バイアスモジュール311は、第1トランジスタMP1と、第2トランジスタMP2と、第3トランジスタMP3と、第4トランジスタMP4とを更に備えてもよい。
【0069】
第1トランジスタMP1のドレインと第2トランジスタMP2のドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、
第1トランジスタMP1のゲートと第2トランジスタMP2のゲートは、いずれも、接地側に接続するためのものであり、
第1トランジスタMP1のソースは、第3トランジスタMP3のドレインに接続され、第2トランジスタMP2のソースは、第4トランジスタMP4のドレインに接続され、
第3トランジスタMP3のゲートと第4トランジスタMP4のゲートは、いずれも、第3トランジスタMP3のソースに接続され、第3トランジスタMP3のソースは、第1バイアス抵抗MR1を介して接地側に接続され、
第4トランジスタMP4のソースは、機能モジュール32に接続され、機能モジュール32に第1バイアス電流を提供するためのものである。
【0070】
更に、第2バイアスモジュール312は、第2バイアス抵抗に加えて、4つのトランジスタを更に備えてもよい。いくつかの実施例において、図7に示すように、いくつかの実施例において、第2バイアスモジュール312は、第5トランジスタMP5と、第6トランジスタMP6と、第7トランジスタMP7と、第8トランジスタMP8とを更に備えてもよい。
【0071】
第5トランジスタMP5のドレインと第6トランジスタMP6のドレインは、いずれも、電源側に接続するためのものであり、
第5トランジスタMP5のゲートと第6トランジスタMP6のゲートは、いずれも、バイアスイネーブル信号に接続するためのものであり、
第5トランジスタMP5のソースは、第7トランジスタMP7のドレインに接続され、第6トランジスタMP6のソースは、第8トランジスタMP8のドレインに接続され、
第7トランジスタMP7のゲートと第8トランジスタMP8のゲートは、いずれも第7トランジスタMP7のソースに接続され、第7トランジスタMP7のソースは、第2バイアス抵抗MR2を介して接地側に接続され、
第8トランジスタMP8のソースは、機能モジュール32に接続され、機能モジュール32に第2バイアス電流を提供するためのものである。
【0072】
説明すべきこととして、本願の実施例において、第1トランジスタMP1、第2トランジスタMP2、第3トランジスタMP3、第4トランジスタMP4、第5トランジスタMP5、第6トランジスタMP6、第7トランジスタMP7、第8トランジスタMP8は、いずれもPMOSトランジスタである。
【0073】
なお、図7において、電源側は、VCCで表され、接地側は、VSSで表される。ここで、第1トランジスタMP1のゲートと第2トランジスタMP2のゲートの入力信号は、VSS信号であり、これら2つのトランジスタを常時オン状態にする。第3トランジスタMP3のゲートと第4トランジスタMP4のゲートの入力信号は、BiasNで表され、BiasN信号は、第1バイアス抵抗MR1を介して接地側に接続されることで生成されたものであり、第3トランジスタMP3と第4トランジスタMP4の導通状態を制御し、機能モジュール32に第1バイアス電流を提供するために用いられる。なお、第5トランジスタMP5のゲートと第6トランジスタMP6のゲートの入力信号は、EnIBBias信号であり、それによりEnIBBias信号に基づいて、第5トランジスタMP5と第6トランジスタMP6の導通状態を制御する。第7トランジスタMP7のゲートと第8トランジスタMP8のゲートの入力信号は、第2バイアス抵抗MR2を介して接地側に接続されることで生成されたものであり、第7トランジスタMP7と第8トランジスタMP8の導通状態を制御し、機能モジュール32に第2バイアス電流を提供するために用いられる。
【0074】
更に説明すべきこととして、本願の実施例において、図7に示すように、第2バイアスモジュール312は、第9トランジスタMP9を更に備えてもよい。第9トランジスタMP9のドレインは、電源側に接続するためのものであり、第9トランジスタMP9のゲートは、バイアスイネーブル信号に接続するためのものであり、第9トランジスタMP9のソースは、機能モジュール32に接続され、機能モジュール32に電源電圧を提供するように構成される。
【0075】
更に理解できるように、本願の実施例において、機能モジュール32にとって、該機能モジュール32は、入力バッファ回路を備えてもよい。このように、具体的な実施例において、制御回路30が電源投入状態にある場合、第1バイアスモジュール311によって、入力バッファ回路に第1バイアス電流を提供することができ、第2バイアスモジュール312によって、入力バッファ回路に第2バイアス電流を提供することができ、且つ第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さい。
【0076】
本実施例は、制御回路を提供する。該制御回路は、機能モジュールにバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュールを備え、バイアスモジュールは、第1バイアスモジュールと、第2バイアスモジュールと、を備え、第1バイアスモジュールは、第1バイアス電流を提供するように構成され、第2バイアスモジュールは、第2バイアス電流を提供するように構成され、ここで、第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さく、第1バイアスモジュールは、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、第2バイアスモジュールは、バイアスイネーブル信号を受信し、バイアスイネーブル信号に基づいて、第2バイアス電流を提供するように構成される。このように、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあることで、該制御回路は、バイアスモジュールの安定時間を確保し、バイアスモジュールの回復時間が長いことによってtXP時間を占有するという問題を避けることができるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
【0077】
本願の別の実施例において、図8は、本願の実施例による別の制御回路30の詳細な構造概略図である。図8に示すように、該制御回路30は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第6抵抗R6、第1トランジスタMP1、第2トランジスタMP2、第3トランジスタMP3、第4トランジスタMP4、第5トランジスタMP5、第6トランジスタMP6、第7トランジスタMP7、第8トランジスタMP8、第9トランジスタMP9、第10トランジスタMP10、第11トランジスタMN1、第12トランジスタMN2、第13トランジスタMP11、第14トランジスタMP12、第15トランジスタMN3、及び第16トランジスタMN4を備えてもよい。
【0078】
ここで、第1トランジスタMP1、第2トランジスタMP2、第3トランジスタMP3、第4トランジスタMP4、第5トランジスタMP5、第6トランジスタMP6、第7トランジスタMP7、第8トランジスタMP8、第9トランジスタMP9、第10トランジスタMP10、第13トランジスタMP11、第14トランジスタMP12は、PMOSトランジスタであり、第11トランジスタMN1、第12トランジスタMN2、第15トランジスタMN3、第16トランジスタMN4は、NMOSトランジスタである。
【0079】
説明すべきこととして、図8において、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5と第1トランジスタMP1、第2トランジスタMP2、第3トランジスタMP3、第4トランジスタMP4は、第1バイアスモジュールを構成し、第6抵抗R6と第5トランジスタMP5、第6トランジスタMP6、第7トランジスタMP7、第8トランジスタMP8は、第2バイアスモジュールを構成する。第1バイアスモジュールにおいて、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5は、直接接続され、第1バイアス抵抗を形成する。第2バイアスモジュールにおいて、第6抵抗R6は、第2バイアス抵抗を形成する。
【0080】
更に説明すべきこととして、図8において、機能モジュールについて、入力バッファ回路を例として、第10トランジスタMP10、第11トランジスタMN1、第12トランジスタMN2、第13トランジスタMP11、第14トランジスタMP12、第15トランジスタMN3、第16トランジスタMN4は、入力バッファ回路を構成する。入力バッファ回路において、第13トランジスタMP11のドレインは、第4トランジスタMP4のソースに接続され、第1バイアス電流を受信することに用いられ、第14トランジスタMP12のドレインは、第8トランジスタMP8のソースに接続され、第2バイアス電流を受信することに用いられ、第13トランジスタMP11のゲートは、命令アドレス信号(CAで表される)を受信することに用いられ、第14トランジスタMP12のゲートは、リファレンス信号(Vrefで表される)を受信することに用いられ、第13トランジスタMP11のソースは、第15トランジスタMN3のドレインに接続され、且つ更に、第15トランジスタMN3のゲート、第16トランジスタMN4のゲートに接続され、第14トランジスタMP12のソースは、第16トランジスタMN4のドレインに接続され、段階的出力信号(StgOutで表される)を出力することに用いられ、第15トランジスタMN3のソース、第16トランジスタMN4のソースは、いずれも、接地側に接続される。なお、第10トランジスタMP10のドレインは、第9トランジスタMP9のソースに接続され、電源電圧を受信することに用いられ、第10トランジスタMP10のゲート、第11トランジスタMN1のゲートは、いずれも、第14トランジスタMP12のソースに接続され、StgOut信号を受信することに用いられ、第10トランジスタMP10のソースは、第11トランジスタMN1のドレインに接続され、命令アドレス出力信号(CAOUTで表される)を出力することに用いられ、第11トランジスタMN1のソースは、第12トランジスタMN2のドレインに接続され、第12トランジスタMN2のゲートは、励起信号(EnIBで表される)を受信することに用いられ、第12トランジスタMN2のソースは、接地側に接続される。
【0081】
具体的な実施例において、LP DDR5の省電力制御回路の実現において、以下を用いてもよい。
【0082】
(1)第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールは、並列接続され、ここでの1つは、低消費電力バイアスモジュールであり、いつでもパワーオフしない。もう1つは、正常なバイアスモジュールであり、電源切断状態でパワーオフする。このように、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設けることで、バイアスモジュールのsettle時間を節約することができる。
【0083】
(2)本願発明の実施例において、CS信号の立ち上りエッジでバイアスモジュールをイネーブルし、CS信号の立ち下がりエッジで機能モジュール(例えば、入力バッファ回路)をイネーブルする。このように、バイアスモジュールのSettle時間に対して、1つのCS信号のパルス時間(技術規格定義において、該パルス時間は、最小3ナノ秒である)を追加することで、バイアスモジュールのSettle時間を確保する上で、節電を更に実現させることができる。
【0084】
これによれば、本願の実施例は、制御回路を提供する。本実施例により、前記実施例の具体的な実現に対して詳細に説明するが、これから分かるように、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあり、それと同時に、入力バッファ回路とバイアスモジュールのイネーブル信号タイミング制御に基づいて、該制御回路は、バイアスモジュールのSettle時間を確保できるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
【0085】
本願のもう1つの実施例において、図9を参照すると、図9は、本願の実施例による半導体メモリ90の構造概略図を示す。図9に示すように、半導体メモリ90は、前記実施例のいずれか1つに記載の制御回路30を含んでもよい。
【0086】
本願の実施例において、半導体メモリ90は、DRAMチップであってもよい。
【0087】
更に、いくつかの実施例において、DRAMチップは、DDR5メモリ規格に合致する。
【0088】
説明すべきこととして、本願の実施例は、半導体集積回路の設計に関するものであり、特に、アナログ回路に関するものである。具体的には、ここで、LP DDR5を実現できる省電力制御回路の設計を提供する。
【0089】
更に説明すべきこととして、本願の実施例において、半導体メモリ90にとって、制御回路に第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあり、それと同時に、入力バッファ回路とバイアスモジュールのイネーブル信号タイミング制御に基づいて、該制御回路は、バイアスモジュールの安定時間を確保し、バイアスモジュールの回復時間が長いことによってtXP時間を占有するという問題を避けることができるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
【0090】
以上は、本願の好ましい実施例だけであり、本願の保護範囲を限定するためのものではない。
【0091】
説明すべきこととして、本願において、「含む」、「備える」という用語またはその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストされていていない他の要素も含み、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素も含む。更なる限定が存在しない場合、「……を1つ含む」なる文章によって規定される要素は、該要素を有するプロセス、方法、物品又は装置内に、他の同じ要素が更に存在することを排除しない。
【0092】
上記本願の実施例の番号は説明のためだけであり、実施例の優劣を代表するものではない。
【0093】
本願によるいくつかの方法の実施例に記載の方法について、矛盾しない限り、任意に組み合わせて、新たな方法の実施例を得ることができる。
【0094】
本願によるいくつかの製品の実施例に記載の特徴について、矛盾しない限り、任意に組み合わせて、新たな製品の実施例を得ることができる。
【0095】
本願によるいくつかの方法又は機器の実施例に記載の特徴について、矛盾しない限り、任意に組み合わせて、新たな方法の実施例又は機器の実施例を得ることができる。
【0096】
以上は本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はそれらに制限されるものではなく、当業者が本願に開示された技術範囲内で容易に想到しうる変更や置換はいずれも、本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本願の実施例は、制御回路及び半導体メモリを提供する。該制御回路は、機能モジュールにバイアス電流を提供するように構成されるバイアスモジュールを備え、バイアスモジュールは、第1バイアスモジュールと、第2バイアスモジュールと、を備え、第1バイアスモジュールは、第1バイアス電流を提供するように構成され、第2バイアスモジュールは、第2バイアス電流を提供するように構成され、ここで、第1バイアス電流は、第2バイアス電流よりも小さく、第1バイアスモジュールは、電源投入後に常時オン状態にあるように構成され、第2バイアスモジュールは、バイアスイネーブル信号を受信し、バイアスイネーブル信号に基づいて、第2バイアス電流を提供するように構成される。このように、第1バイアスモジュールと第2バイアスモジュールを設け、且つ小さいバイアス電流を提供する第1バイアスモジュールが常時オン状態にあることで、該制御回路は、バイアスモジュールの安定時間を確保し、バイアスモジュールの回復時間が長いことによってtXP時間を占有するという問題を避けることができるだけでなく、省電力の目的を達成することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9