(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】船舶の液化ガス再気化システム及び液化ガス再気化方法
(51)【国際特許分類】
B63B 25/16 20060101AFI20240520BHJP
F17C 9/04 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B63B25/16 M
F17C9/04
(21)【出願番号】P 2022547099
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2020018773
(87)【国際公開番号】W WO2021157855
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0014700
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517430897
【氏名又は名称】ハンファ オーシャン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】チョ,トゥ ヘヨン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ス ギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミョン チュル
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ダ ヘ
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0060214(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0036221(KR,A)
【文献】特表2019-504792(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0136215(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0215930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/16
B63B 35/00
B63J 2/14
F17C 9/02
F17C 9/04
F17C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを第1熱媒体と熱交換させて気化させる気化器;と、
前記気化器からガス需要先に供給される再気化ガスを、第2熱媒体との熱交換により前記ガス需要先で要求される温度に加熱するトリムヒーター;と、
前記第1熱媒体が循環する第1循環部;と、
前記第2熱媒体が循環する第2循環部とを備え、
前記第1循環部は、
前記気化器に供給される第1熱媒体を熱源との熱交換により気化させる第1熱交換器;と、
前記第1熱交換器で気化させた第1熱媒体を膨張させて発電するエキスパンダ式発電機とを備え、
前記第2循環部は、
前記トリムヒーターに供給される第2熱媒体を熱源との熱交換により加熱する第2熱交換器を備え、
前記第1熱交換器で気化された第1熱媒体がエキスパンダ式発電機に供給されるように接続される第1熱媒体ラインから、前記エキスパンダ式発電機の上流で分岐し、前記エキスパンダ式発電機に供給される第1熱媒体が前記エキスパンダ式発電機を迂回して
前記気化器に供給されるように接続される第1分岐ラインをさらに備える、船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項2】
前記熱源は、海水及び蒸気のうち少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項3】
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器の熱源として使用される海水を吸入して供給する海水ポンプをさらに備え、
前記海水ポンプ、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、前記船舶の甲板より下部に設けられ、
前記気化器及び前記トリムヒーターは、前記船舶の上甲板より上部に設けられることを特徴とする、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項4】
前記第1熱媒体は、前記第1循環部を循環することで相変化を伴う冷媒であって、
火災及び爆発の危険がない自然冷媒、HFO系冷媒及びHFC系冷媒から選択される、単一冷媒または混合冷媒であることを特徴とする、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項5】
前記第2熱媒体はグリコールウォーターであることを特徴とする、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項6】
前記液化ガスを、前記ガス需要先で要求される再気化ガスの圧力以上の圧力に加圧して、前記気化器に供給する高圧ポンプ;と、
前記高圧ポンプから気化器に供給される液化ガスの流量を調節する第1バルブとをさらに備える、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項7】
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの温度を測定する第1温度測定部;と、
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの圧力を測定する第1圧力測定部;と、
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの流量を測定する第1流量測定部;と、
前記第1温度測定部で測定された温度測定値、前記第1圧力測定部で測定された圧力測定値及び前記第1流量測定部で測定された流量測定値のうち、少なくとも1つ以上の測定値に基づいて、前記第1バルブの開度量を調節することで、前記液化ガスの再気化量を調節する第1制御部とをさらに備える、請求項6記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項8】
前記トリムヒーターから排出され、熱交換により冷却された第2熱媒体の温度を測定する第2温度測定部;と、
前記第2温度測定部で測定された温度測定値に基づいて、前記第1バルブの開度量を調節することで、前記液化ガスの再気化量を調節する第1制御部とをさらに備える、請求項6記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項9】
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの温度を測定する第1温度測定部;と、
前記トリムヒーターから排出され、熱交換により冷却された第2熱媒体の温度を測定する第2温度測定部とを備え、
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの圧力を測定する第1圧力測定部;及び
前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される前記再気化ガスの流量を測定する第1流量測定部のうち、少なくとも1つ以上をさらに備え、
前記第1温度測定部で測定される温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量と、前記第2温度測定部で測定される温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量と、前記第1圧力測定部及び第1流量測定部のうち少なくとも1つ以上の測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量の中から、最小値を選択し、前記第1バルブの開度量を調節する第1制御部を備える、請求項6記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項10】
前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバー;と、
前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ライン;と、
前記レシーバー内の圧力を測定する第2圧力測定部;と、
前記第2圧力測定部で測定された圧力測定値に基づいて、前記第2分岐ラインに設けられる第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項11】
前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバー;と、
前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ライン;と、
前記気化器からトリムヒーターに供給される再気化ガスの温度を測定する第3温度制御部;と、
前記第3温度制御部で測定された温度測定値に基づいて、前記第2分岐ラインに設けられる第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項12】
前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバー;と、
前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ライン;と、
前記第2分岐ラインに設けられて開度量が調節される第2バルブ;と、
前記レシーバー内の圧力を測定する第2圧力測定部;と、
前記気化器からトリムヒーターに供給される再気化ガスの温度を測定する第3温度制御部;と、
前記第2圧力測定部で測定された圧力測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第2バルブの開度量、前記第3温度制御部で測定された温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第2バルブの開度量のうち、小さい値を選択して前記第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える、請求項1記載の船舶の液化ガス再気化システム。
【請求項13】
液化ガスを第1熱媒体との熱交換により気化させて、
前記第1熱媒体との熱交換により気化させた再気化ガスを、第2熱媒体との熱交換によりガス需要先で要求される温度に加熱して、
前記第1熱媒体を、
熱源との熱交換により気化させて、気化させた第1熱媒体を膨張させることで発電した後に、前記液化ガスと熱交換させる第1循環部を循環させて、
前記第2熱媒体を、
前記熱源との熱交換により加熱された後に、前記再気化ガスと熱交換させる第2循環部を循環させ
る液化ガス再気化方法において、
前記気化させた第1熱媒体の膨張による発電が不能である場合、または、前記液化ガスと前記第1熱媒体との熱交換で前記再気化ガスの再気化容量が増加することで前記第1熱媒体の循環流量が増加した場合には、気化させた第1熱媒体を膨張させ
ずに
、当該第1熱媒体
が前記液化ガス
と熱交
換するように第1循環部を循環させる、液化ガス再気化方法。
【請求項14】
前記第1熱媒体及び前記第2熱媒体を加熱するための熱源は、海水及び蒸気のうち少なくとも1つであり、
前記第1熱媒体は、前記第1循環部を循環することで相変化を伴う冷媒であって、火災及び爆発の危険がない自然冷媒、HFO系冷媒及びHFC系冷媒から選択される、単一冷媒または混合冷媒であり、
前記第2熱媒体はグリコールウォーターであることを特徴とする、請求項13記載の液化ガス再気化方法。
【請求項15】
前記第1熱媒体との熱交換により気化させ
る前の液化ガスを、ガス需要先で要求される
再気化ガスの圧力以上の圧力に加圧して前記第1熱媒体と熱交換させ、
前記第2熱媒体との熱交換により加熱されて、ガス需要先に供給される再気化ガスの圧力、温度及び流量のうち、少なくとも1つ以上を測定し、測定した測定値に基づいて前記第1熱媒体と熱交換させる液化ガスの流量を制御する、請求項13記載の液化ガス再気化方法。
【請求項16】
前記第1熱媒体との熱交換により気化させ
る前の液化ガスを、ガス需要先で要求される
再気化ガスの圧力以上の圧力に加圧して前記第1熱媒体と熱交換させ、
前記再気化ガスが加熱されることで冷却された第2熱媒体の温度を測定し、測定した測定値に基づいて前記第1熱媒体と熱交換させる液化ガスの流量を制御する、請求項13記載の液化ガス再気化方法。
【請求項17】
前記液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体をレシーバーに貯蔵
し、前記熱源と熱交換させ
た後、前記液化ガスを気化させるために
前記液化ガスと再び熱交換させて、
前記レシーバー内の圧力を測定した圧力測定値と、前記第2熱媒体と熱交換させる再気化ガスの温度を測定した温度測定値のうち、少なくとも1つ以上の測定値に基づいて、前記液化ガスと熱交換させずにレシーバーに供給する第1熱媒体の流量を制御する、請求項13記載の液化ガス再気化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスを再気化させる際に廃棄される冷熱を回収して発電させることで、エネルギー効率を高めた、船舶の液化ガス再気化システム及び液化ガス再気化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LNG-RV(LNG Regasification Vessel)などのLNG再気化船舶やLNG-FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)などの浮遊式の海上構造物(以下、「LNG再気化船舶」という。)は、海上でLNG(Liquefied Natural Gas)を再気化させた天然ガスを、陸上のガス需要先に供給することを目的とする船舶である。
【0003】
このようなLNG再気化船舶には、LNGを貯蔵するLNG貯蔵タンクと、LNG貯蔵タンクに貯蔵されるLNGを再気化させて、陸上の需要先に供給する再気化設備とが設置される。そして、再気化設備で気化された天然ガスは、配管を通じて陸上の需要先に供給される。
【0004】
LNG再気化船舶の再気化設備は、LNG貯蔵タンクに貯蔵されるLNGを、需要先で要求される圧力まで加圧する高圧ポンプと、高圧ポンプで加圧された高圧LNGを天然ガスに気化させる気化器とを備える。
【0005】
気化器でLNGを気化させる熱源としては、供給が容易な海水が主に使用される。
【0006】
海水を熱源として使用するLNG再気化システムには、気化器で海水とLNGとを直接熱交換させて、LNGを気化させる直接熱交換方式と、海水とは別の熱媒体(heating medium)と海水との熱交換により熱媒体を加熱し、加熱された熱媒体とLNGとを熱交換させて、LNGを気化させる間接熱交換方式とがある。
【0007】
直接熱交換方式は、海水の熱エネルギーがLNGに直接伝達されるため、熱伝達効率に優れるという利点があるが、熱交換器内で海水が凍結するという不具合が発生する。
【0008】
間接熱交換方式は、熱交換器内で海水が凍結するという不具合を回避できるが、熱媒体との熱交換が追加されるため、直接熱交換方式と比較して熱交換効率が低下するという欠点がある。
【0009】
また、LNGを直接熱交換または間接熱交換する際、LNGの冷熱を回収した低温の海水は、海上に排出される。すなわち、LNGを再気化させる過程で、海水により回収されたLNGの冷熱は、海上にそのまま廃棄される。
【0010】
一般的に、天然ガスは生産地で、極低温で液化された液化天然ガス(LNG;Liquefied Natural Gas)の状態で製造され、LNG運搬船によって目的地に遠距離輸送される。LNGは、天然ガスを標準圧力で約-163℃の極低温に冷却して得られる液体であり、気体状態の天然ガスよりもその体積が約1/600に減少するため、海上を通じた遠距離輸送に非常に適している。
【0011】
天然ガスを液化してLNGを製造する過程で、多くのエネルギーが必要であり、LNGは1kg当たり200kcalの冷熱エネルギーを有している。
【0012】
すなわち、LNGを再気化する過程で海水によって回収されるLNGの冷熱が、海上にそのまま廃棄されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上より、本発明は、液化ガスの再気化過程で廃棄される冷熱を回収して発電させることで、エネルギー効率を向上させることができ、液化ガスを気化させてガス需要先に安定的に供給できる、船舶の液化ガス再気化システム及び液化ガス再気化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するため、本発明の実施形態では、液化ガスを第1熱媒体と熱交換させて気化させる気化器と、前記気化器からガス需要先に移送される再気化ガスを、第2熱媒体との熱交換により前記ガス需要先で要求される温度に加熱するトリムヒーター(trim heater)と、前記第1熱媒体が循環する第1循環部と、前記第2熱媒体が循環する第2循環部を備え、前記第1循環部は、前記気化器に供給される第1熱媒体を熱源との熱交換により気化させる第1熱交換器と、前記第1熱交換器で気化させた第1熱媒体を膨張させて発電するエキスパンダ式発電機とを備え、前記第2循環部は、前記トリムヒーターに供給される第2熱媒体を熱源との熱交換により加熱する第2熱交換器を備えた、船舶の液化ガス再気化システムが提供される。
【0015】
好ましくは、前記熱源は、海水及び蒸気のうち少なくとも1つである。
【0016】
好ましくは、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器の熱源として使用される海水を吸入して供給する海水ポンプをさらに備え、前記海水ポンプ、第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、前記船舶の甲板より下部に設けられ、前記気化器及び前記トリムヒーターは、前記船舶の上甲板より上部に設けられる。
【0017】
好ましくは、前記第1熱媒体は、前記第1循環部を循環することで相変化を伴う冷媒であって、火災及び爆発の危険がない自然冷媒、HFO系冷媒及びHFC系冷媒から選択される、単一冷媒または混合冷媒である。
【0018】
好ましくは、前記第2熱媒体はグリコールウォーターである。
【0019】
好ましくは、前記第1熱交換器で気化された第1熱媒体がエキスパンダ式発電機に供給されるように接続される第1熱媒体ラインから、前記エキスパンダ式発電機の上流で分岐し、前記エキスパンダ式発電機に供給される第1熱媒体が前記エキスパンダ式発電機を迂回して蒸発器に供給されるように接続される第1分岐ラインをさらに備える。
【0020】
好ましくは、前記液化ガスを前記ガス需要先で要求される圧力に加圧して気化器に供給する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから気化器に供給される液化ガスの流量を調節する第1バルブとをさらに備える。
【0021】
好ましくは、前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの温度を測定する第1温度測定部と、前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの圧力を測定する第1圧力測定部と、前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの流量を測定する第1流量測定部と、前記第1温度測定部で測定された温度測定値、前記第1圧力測定部で測定された圧力測定値及び前記第1流量測定部で測定された流量測定値のうち、少なくとも1つ以上の測定値に基づいて、前記第1バルブの開度量を調節することで、前記液化ガスの再気化量を調節する第1制御部とをさらに備える。
【0022】
好ましくは、前記トリムヒーターから排出され、熱交換により冷却された第2熱媒体の温度を測定する第2温度測定部と、前記第2温度測定部で測定された温度測定値に基づいて、前記第1バルブの開度量を調節することで、前記液化ガスの再気化量を調節する第1制御部とをさらに備える。
【0023】
好ましくは、前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの温度を測定する第1温度測定部と、前記トリムヒーターから排出され、熱交換により冷却された第2熱媒体の温度を測定する第2温度測定部とを備え、前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの圧力を測定する第1圧力測定部及び前記トリムヒーターから前記ガス需要先に供給される天然ガスの流量を測定する第1流量測定部のうち、少なくとも1つ以上をさらに備え、前記第1温度測定部で測定される温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量と、前記第2温度測定部で測定される温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量と、前記第1圧力測定部及び第1流量測定部のうち少なくとも1つ以上の測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第1バルブの開度量の中から、最小値を選択し、前記第1バルブの開度量を調節する第1制御部を備える。
【0024】
好ましくは、前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバーと、前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ラインと、前記レシーバー内の圧力を測定する第2圧力測定部と、前記第2圧力測定部で測定された圧力測定値に基づいて、前記第2分岐ラインに設けられる第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える。
【0025】
好ましくは、前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバーと、前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ラインと、前記気化器からトリムヒーターに供給される再気化ガスの温度を測定する第3温度制御部と、前記第3温度制御部で測定された温度測定値に基づいて、前記第2分岐ラインに設けられる第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える。
【0026】
好ましくは、前記気化器で液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体を収容するレシーバーと、前記第1熱媒体が気化器に供給される第1熱媒体ラインから前記気化器の上流で分岐し、前記第1熱媒体が前記気化器を迂回して前記レシーバーに供給されるように接続される第2分岐ラインと、前記第2分岐ラインに設けられて開度量が調節される第2バルブと、前記レシーバー内の圧力を測定する第2圧力測定部と、前記気化器からトリムヒーターに供給される再気化ガスの温度を測定する第3温度制御部と、前記第2圧力測定部で測定された圧力測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第2バルブの開度量、前記第3温度制御部で測定された温度測定値を一定範囲で維持するために調節が必要な第2バルブの開度量のうち、小さい値を選択して前記第2バルブの開度量を調節する第2制御部とを備える。
【0027】
上述した目的を達成するため、本発明の他の実施形態では、液化ガスを第1熱媒体との熱交換により気化させて、前記気化させた再気化ガスを第2熱媒体との熱交換によりガス需要先で要求される温度に加熱して、前記第1熱媒体を、熱源との熱交換により気化させて、気化させた第1熱媒体を膨張させることで発電させた後に、前記液化ガスと熱交換させる第1循環部を循環させて、前記第2熱媒体を、前記熱源との熱交換により加熱された後に、前記再気化ガスと熱交換させる第2循環部を循環させる、船舶における液化ガス再気化方法が提供される。
【0028】
好ましくは、前記第1熱媒体及び前記第2熱媒体を加熱するための熱源は、海水及び蒸気のうち少なくとも1つであり、前記第1熱媒体は、前記第1循環部を循環することで相変化を伴う冷媒であって、火災及び爆発の危険がない自然冷媒、HFO系冷媒及びHFC系冷媒から選択される、単一冷媒または混合冷媒であり、前記第2熱媒体はグリコールウォーターである。
【0029】
好ましくは、前記気化器で気化させた液化ガスを、ガス需要先で要求される圧力に加圧して前記第1熱媒体と熱交換させ、前記第2熱媒体との熱交換により加熱されて、ガス需要先に供給される再気化ガスの圧力、温度及び流量のうち、少なくとも1つ以上を測定し、測定した測定値に基づいて前記第1熱媒体と熱交換させる液化ガスの流量を制御する。
【0030】
好ましくは、前記気化器で気化させた液化ガスを、ガス需要先で要求される圧力に加圧して前記第1熱媒体と熱交換させ、前記再気化ガスが加熱されることで冷却された第2熱媒体の温度を測定し、測定した測定値に基づいて前記第1熱媒体と熱交換させる液化ガスの流量を制御する。
【0031】
好ましくは、前記液化ガスを気化させることで凝縮された第1熱媒体をレシーバーに貯蔵した後に、前記熱源と熱交換させて前記気化器に再供給し、前記レシーバー内の圧力を測定した圧力測定値と、前記第2熱媒体と熱交換させる再気化ガスの温度を測定した温度測定値のうち、少なくとも1つ以上の測定値に基づいて、前記液化ガスと熱交換させずにレシーバーに供給する第1熱媒体の流量を制御する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の船舶の液化ガス再気化システム及び液化ガス再気化方法は、廃棄される液化ガスの冷熱を回収して発電させることで、システム全体のエネルギー効率を向上させることができる。その結果、電力を生産するための燃料消費量を低減させ、温室効果ガスの排出量を削減することができる。
【0033】
また、気化器で第1熱媒体の熱容量が不足する場合でも、トリムヒーターを使用して再気化ガスを最小送出温度以上に加熱し、需要先に安定的に供給することができる。
【0034】
また、トリムヒーターを使用することで、再気化システムの起動初期に第1熱媒体ループサイクルの液化ガスの供給量と第1熱媒体の供給量との間で、熱バランスが取れないことに因る液化ガスが十分に気化できないという問題を防止し、システムを安定的に運転することができる。
【0035】
また、甲板の下部で海水との熱交換により加熱された第1熱媒体及び第2熱媒体を、上甲板上の気化器に供給することで、海水を吸入する海水ポンプの必要水頭が低下し、動力消費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施形態に係る船舶の液化ガス再気化システムを簡略的に示す構成図である。
【
図2】
図1に示す液化ガス再気化システムの一部構成及び温度制御手段を簡略的に示す構成図である。
【
図3】本発明の実施形態のトリムヒーターで第1熱媒体(すなわち、冷媒)を熱源として使用した場合のQ-T(熱量-温度)線図を示すグラフである。
【
図4】本発明の実施形態のトリムヒーターで第2熱媒体(すなわち、グリコールウォーター)を熱源として使用した場合のQ-T線図を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の動作上の利点及び本発明の実施形態により達成される目的を理解するため、本発明の実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載された内容を参照する。
【0038】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態及び作用の詳細について説明する。以下、各図面の構成要素に付した参照符号については、同一の構成要素は、他の図面上に表示されるものも、可能な限り同一の符号で表記する。また、下記の実施形態は、様々な他の形態に変更することができる。本発明の範囲は、下記の実施形態に限定されるものではない。
【0039】
後述する本発明の実施形態では、液化ガスは、ガスを低温で液化させて輸送される液化ガスであり、例えば、LNG(Liquefied Natural Gas)、LEG(Liquefied Ethane Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、液化エチレンガス(Liquefied Ethylene Gas)、液化プロピレンガス(Liquefied Propylene Gas)などの液化石油化学ガスである。また、液化二酸化炭素、液化水素、液化アンモニアなどの液体ガスでもよい。後述する本発明の実施形態では、代表的な液化ガスであるLNGを適用する場合を例に説明する。
【0040】
また、後述する本発明の実施形態では、本実施形態のLNG再気化システムを、船舶に適用する場合を例に説明するが、陸上でも適用することができる。
【0041】
また、本発明の実施形態のLNG再気化船舶は、LNGを再気化させてガス需要先に供給するLNG再気化設備が設置される全種類の船舶、すなわち、LNG-RV(Regasification Vessel)などの自己推進能力を有する船舶やLNG-FSRU(Floating Storage Regasification Unit)のように海上に浮遊している海上構造物である。後述する本発明の実施形態では、LNG-FSRUを例に説明する。
【0042】
また、本発明の実施形態のLNG再気化船舶は、LNGを海上で再気化させ、再気化ガス(Regas)を、配管網を通じて陸上のガス需要先に供給する。
【0043】
以下、
図1乃至
図4を参照して、本発明の実施形態に係る船舶の液化ガス再気化システム及び液化ガス再気化方法を説明する。
【0044】
本実施形態のLNG再気化船舶は、LNGを貯蔵するLNG貯蔵タンク(図示省略)と、LNG貯蔵タンクで生成された蒸発ガス(BOG;Boil-Off Gas、ボイルオフガス)を処理する蒸発ガス処理部(図示省略)と、LNG貯蔵タンクにLNGを積載するか、またはLNG貯蔵タンクで貯蔵されたLNGを荷下ろしするバンカーリング部(図示省略)と、LNG貯蔵タンクで貯蔵されるLNGを気化させて陸上のガス需要先(jetty)に送る再気化システムとを備える。
【0045】
本実施形態のLNG再気化の船舶は、LNG貯蔵タンクのLNGの積載・荷下ろし工程と、LNGの再気化工程とを同時に行うことができる。
【0046】
また、複数のLNG貯蔵タンクを設置することができ、LNGは約-161℃、約1.1barでLNG貯蔵タンクに貯蔵される。LNGは大気圧よりも高い蒸気圧を有し、沸点が約-163℃であるため、LNGを船舶で運用するには、安全に貯蔵する必要がある。したがって、本実施形態のLNG貯蔵タンクは、LNGの貯蔵、温度維持及び気密機能が必要であり、そのために外部からの熱流入を遮断して、LNGを極低温で維持できるように断熱材と付属設備とを備えて構成される。また、超低温でも耐えられる特殊な材質で作製される。
【0047】
蒸発ガス処理部は、LNG貯蔵タンクにLNGを積載(loading)する際に発生する蒸発ガス及びLNG貯蔵タンクで貯蔵されるLNGが自然気化して生成される蒸発ガスを処理する。
【0048】
また、蒸発ガス処理部は、LNG貯蔵タンクから排出された蒸発ガスを、エンジンで要求される圧力に圧縮して、エンジンの燃料として供給する低圧圧縮機(low duty compressor)(図示省略)を備える。また、低圧圧縮機で圧縮された蒸発ガスをエンジンで要求される温度に加熱する燃料加熱器(図示省略)をさらに備える。
【0049】
本実施形態では、エンジンは、蒸発ガスを燃料として使用して発電する低圧エンジン、例えばDFDE(Dual Fuel Diesel Electric)エンジンである。
【0050】
また、蒸発ガス処理部は、低圧圧縮機で圧縮された蒸発ガスを、LNGと混合して凝縮させる凝縮器(図示せず)をさらに備える。
【0051】
凝縮器で凝縮された蒸発ガス(すなわち、LNG)は、LNG貯蔵タンクに回収されるか、または、後述する再気化システムの高圧ポンプ(110)に供給される。凝縮器に供給されるLNGは、LNG貯蔵タンクから高圧ポンプ(110)に供給されるLNG、または高圧ポンプ(110)で加圧されたLNGである。
【0052】
一方、凝縮器から高圧ポンプ(110)に供給されるLNGの流量を調節することで、凝縮器をサクションドラムとして利用して、高圧ポンプ(110)の上流圧力を調節することもできる。
【0053】
また、蒸発ガス処理部は、LNG貯蔵タンクから排出された蒸発ガスを、ガス需要先で要求される圧力に圧縮し、再気化ガスと共にガス需要先に供給する高圧圧縮機(high pressure compressor)(図示せず)をさらに備える。
【0054】
図1及び
図2を参照して、本実施形態の船舶の液化ガス再気化システムは、LNG貯蔵タンクで貯蔵されたLNGを、ガス需要先で要求される圧力またはそれ以上の圧力に加圧する高圧ポンプ(110)と、高圧ポンプ(110)で加圧された高圧のLNGを熱交換により気化させる気化器(120)と、気化器(120)で気化させた再気化ガス(すなわち、天然ガス)をガス需要先で要求される温度に調節し、または気化器(120)で気化されなかったLNGを完全に気化させて、ガス需要先で要求される温度に加熱するトリムヒーター(130)とを備える。
【0055】
また、本実施形態の船舶の液化ガス再気化システムは、気化器(120)でLNGとの熱交換によりLNGを気化させるための熱源としての第1熱媒体を循環させる第1循環部と、トリムヒーター(130)で天然ガスを加熱するための熱源としての第2熱媒体を循環させる第2循環部と、第1循環部を循環する第1熱媒体と第2循環部を循環する第2熱媒体とを加熱するための熱源としての海水を供給する海水ポンプ(410)とを備える。
【0056】
また、LNG貯蔵タンクには、貯蔵されるLNGをLNG貯蔵タンクから排出して、高圧ポンプ(110)に供給する供給ポンプ(図示省略)が設けられる。供給ポンプは、LNG貯蔵タンク内に設置されるインタンク式ポンプ、またはLNG貯蔵タンクに貯蔵されるLNGに浸された状態で稼働できる半潜水型ポンプである。
【0057】
本実施形態の高圧ポンプ(110)は、再気化させるLNGをガス需要先で要求される再気化ガスの圧力に加圧して、気化器(120)に供給する。ガス需要先で要求される圧力は、各需要先(jetty)で異なるが、一般的には約50bar~100bar程度である。すなわち、本実施形態の高圧ポンプ(110)は、LNGを約50bar~100bar、または圧力損失などを考慮して、それより一定水準の高圧力に加圧する。
【0058】
本実施形態の気化器(120)は、高圧ポンプ(110)により、ガス需要先で要求される再気化ガスの圧力に加圧された高圧のLNGを、第1循環部を循環する第1熱媒体との熱交換により気化させて、気体状態または一部のみを気化させた気液混合状態とする。気化器(120)で気化される加圧されたLNGの温度は、第1熱媒体及び/または海水の温度や流量などの熱源の状態によって変化する。
【0059】
本実施形態の気化器(120)は、シェル・アンド・チューブ式熱交換器であることが好ましく、特に、チューブがシェルを一回だけ通過する1パスタイプのシェル・アンド・チューブ式熱交換器であることが好ましい。
【0060】
本実施形態のトリムヒーター(130)は、気化器(120)で気化された再気化ガスを、ガス需要先で要求される温度に加熱して、ガス需要先に供給する。また、第1熱媒体の熱容量が不足し、気化器(120)で気化されずに残ったLNGがある場合、トリムヒーター(130)によって、全量を気化させて、ガス需要先で要求される温度に加熱する。
【0061】
本実施形態のトリムヒーター(130)は、シェル・アンド・チューブ式熱交換器器であることが好ましく、特に、チューブがシェルを2回通過する2パスタイプのシェル・アンド・チューブ式熱交換器であることが好ましい。
【0062】
陸上のガス需要先では、通常、約0℃~10℃、または8℃~10℃の温度で、50bar~100barの圧力の再気化ガスを必要とする。このため、トリムヒーター(130)により、気化器(120)から陸上のガス需要先に供給される再気化ガスを、約0℃~10℃に加熱して、ガス需要先に供給する。
【0063】
本実施形態では、LNG貯蔵タンクで貯蔵されるLNGは、液化ガスライン(LL)を介して供給され、高圧ポンプ(110)で加圧された後、気化器(120)で気化され、トリムヒーター(130)で加熱されて、ガス需要先に移送される。
【0064】
本実施形態の第1循環部は、第1熱媒体を循環させる第1ポンプ(210)と、第1ポンプ(210)で加圧された第1熱媒体を気化させる第1熱交換器(220)と、第1熱交換器(220)で気化させた第1熱媒体を膨張させて、第1熱媒体の膨張仕事を電力に変換して発電するエキスパンダ式発電機(230)と、気化器(120)でLNGとの熱交換により凝縮させた第1熱媒体を貯蔵するレシーバー(240)とを備える。
【0065】
第1熱媒体は、第1熱媒体ライン(RL)を介して供給されることで、第1ポンプ(210)で加圧され、第1熱交換器(220)で気化され、エキスパンダ式発電機(230)で膨張された後、気化器(120)で凝縮され、レシーバー(240)を経て、第1ポンプ(210)へ循環するように形成されたループサイクルである第1循環部を循環する。
【0066】
本実施形態の第1熱交換器(220)は、海水ポンプ(410)で吸入されて、第1海水ライン(SL1)を介して、第1熱交換器(220)に供給される海水との熱交換により、第1熱媒体を気化させる。
【0067】
第1熱交換器(220)は、第1熱媒体を気化させることで海水が冷却され、冷却された海水は、第1海水ライン(SL1)を介して第1熱交換器(220)から排出される。
【0068】
本実施形態では、第1熱交換器(220)の第1熱媒体を気化させる熱源として、海水を使用するものを例に説明するが、熱源は、船内の蒸気発生器(図示省略)で生産した蒸気を使用することもでき、また、海水と蒸気とを相互補完的に使用することもできる。
【0069】
海水と蒸気とを相互補完的に使用するとは、例えば、第1熱交換器(220)として、海水、蒸気及び第1熱媒体を熱交換させる3流体式熱交換器を備えることを含む。また、海水と第1熱媒体とが熱交換する第1段熱交換器と、蒸気と第1熱媒体とが熱交換する第2段熱交換器とを直列に設置して、第1熱媒体を段階的に加熱してもよい。また、海水と第1熱媒体とが熱交換する第1段熱交換器と、蒸気と第1熱媒体とが熱交換する第2段熱交換器とを並列に設置して、第1熱交換器(220)での第1熱媒体の加熱温度を調節するようにしてもよい。また、蒸気との熱交換により海水を加熱する海水加熱器を追加設置し、海水加熱器で加熱された海水を第1熱交換器(220)に供給してもよい。
【0070】
また、本実施形態の第1熱交換器(220)は、シェル・アンド・チューブ式熱交換器(shell and tube heat exchanger)またはプレート式熱交換器(plate heat exchanger)であることが好ましい。
【0071】
第1熱交換器(220)で海水により気化または加熱された第1熱媒体を、エキスパンダ式発電機(expander-generator)(230)に供給して膨張させて、第1熱媒体の膨張仕事を電力に変換する。エキスパンダ式発電機(230)で発電された電力は、船内の電力需要先で使用される。
【0072】
一方、本実施形態は、第1熱媒体ライン(RL)をエキスパンダ式発電機(230)の上流で分岐させて、第1熱交換器(220)で気化させた第1熱媒体がエキスパンダ式発電機(230)を迂回するように、すなわち、エキスパンダ式発電機(230)を経由せずに、第1熱交換器(220)から気化器(120)に直接供給されるように接続された、第1分岐ライン(RL1)を備える。
【0073】
エキスパンダ式発電機(230)の故障などにより、エキスパンダ式発電機(230)を使用できない場合には、第1分岐ライン(RL1)を利用して、第1熱交換器(220)から第1分岐ライン(RL1)を介して気化器(120)に供給することで、陸上の需要先への天然ガス供給に影響が及ばないようにできる。
【0074】
また、第1分岐ライン(RL1)は、エキスパンダ式発電機(230)のメンテナンス(maintenance)時に第1熱媒体を迂回させる目的や、気化器(120)の急激な再気化容量の増加によって第1熱媒体の循環流量が増加した時に、エキスパンダ式発電機(230)の入口側のバルブの反応速度の遅延による上流圧力を調節する目的で設けられる。
【0075】
エキスパンダ式発電機(230)は、第1熱交換器(220)での海水との熱交換により気化または加熱された第1熱媒体を膨張させることで、第1熱媒体の圧力及び温度が低下する。
【0076】
エキスパンダ式発電機(230)で膨張された第1熱媒体は、第1熱媒体ライン(RL)を介して気化器(120)に供給され、LNGとの熱交換により冷却または凝縮される。気化器(120)で冷却または凝縮された第1熱媒体は、第1熱媒体ライン(RL)を介してレシーバー(240)に移送される。
【0077】
本実施形態のレシーバー(240)は、気化器(120)で凝縮された第1熱媒体が収集される圧力容器(pressure vessel)であり、第1循環部を循環する第1熱媒体の流量や圧力を制御するなど、緩衝タンクの役割も担う。レシーバー(240)は、後述する第2バルブ(RV)の制御によって、圧力を一定に維持することができる。
【0078】
本実施形態の第1熱媒体は、第1循環部を循環することで、相変化を伴う物質または混合物から選択される。
【0079】
すなわち、第1熱媒体は、第1熱交換器(220)で、海水との熱交換により気化され、エキスパンダ式発電機(230)で膨張された後、気化器(120)で凝縮される。
【0080】
本実施形態の第1熱媒体は、基本的に火災や爆発の危険性がない自然冷媒、HFC系(Hydrofluorocarbons)冷媒やHFO系(Hydrofluorolefin)冷媒を、単独でまたは混合して使用することができ、例えば、R-23、R-32、R-134a、R-407c、R-410Aなどを単独でまたは混合状態で適用することができる。
【0081】
一方、エキスパンダ式発電機(230)で、第1熱媒体は等エントロピー過程で膨張し、この過程で第1熱媒体の温度は低下する。
【0082】
例えば、第1熱交換器(220)で、気化または加熱されて排出される第1熱媒体が、11℃、5barGであり、エキスパンダ式発電機(230)で2barGに膨張すると、第1熱媒体の温度は約-10.5℃まで低下する。エキスパンダ式発電機(230)から排出される-10.5℃の第1熱媒体を、気化器(120)にLNGを気化させる熱源として供給する場合、気化器(120)から排出される天然ガスの最小温度条件(例えば8℃)を満たすことができない。
【0083】
したがって、本実施形態は、気化器(120)からガス需要先に供給する天然ガスを、ガス需要先で要求される最低温度条件以上に加熱するためのトリムヒーター(130)をさらに備える。
【0084】
以上のように、本実施形態では、エキスパンダ式発電機(230)の発電により、第1熱交換器(220)で気化させた第1熱媒体の温度が低下する。これにより、気化器(120)に供給される第1熱媒体の温度は、再気化ガスをガス需要先で要求される温度に加熱するために必要な温度よりも低くなる。このため、気化器(120)の下流に、トリムヒーター(130)を設けることで、このような問題を解決することができる。
【0085】
本実施形態では、エキスパンダ式発電機(230)で、第1熱媒体によって発電させることで、上述した再気化船舶に設置される発電エンジンの負荷を下げ、燃料消費量を削減することができる。
【0086】
本実施形態は、トリムヒーター(130)で天然ガスを加熱するための熱源としての第2熱媒体を、循環させる第2循環部をさらに備える。
【0087】
トリムヒーター(130)では、第2循環部を循環する第2熱媒体と天然ガスとの熱交換により、天然ガスを最小温度条件、すなわち、ガス需要先で要求される温度またはそれ以上の温度に加熱し、第2熱媒体は天然ガスの冷熱を回収して冷却または凝縮される。
【0088】
本実施形態の第2循環部は、第2熱媒体を循環させる第2ポンプ(310)と、第2熱媒体を加熱または気化させる第2熱交換器(320)と、トリムヒーター(130)で熱交換された後に排出される第2熱媒体を安定化させる膨張タンク(330)とを備える。
【0089】
第2熱媒体は、第2熱媒体ライン(GL)を介して供給されることで、第2ポンプ(310)で加圧され、第2熱交換器(320)で気化または加熱された後、トリムヒーター(130)で冷却または凝縮され、膨張タンク(330)を経て、第2ポンプ(310)へ循環するように形成されたループサイクルである第2循環部を循環する。
【0090】
本実施形態では、第2熱交換器(320)で第2熱媒体を加熱する熱源として、海水ポンプ(410)で吸入されて、第2海水ライン(SL2)を介して第2熱交換器(320)に供給される海水が使用される。
【0091】
第2熱交換器(320)で第2熱媒体を気化または加熱することで、冷却された海水は、第2海水ライン(SL2)を介して外部に排出される。
【0092】
また、本実施形態では、第2熱交換器(320)で第2熱媒体を気化または加熱する熱源として、海水を使用するものを例に説明するが、熱源は、船内の蒸気発生器で生産された蒸気を使用することもでき、また、上述した第1熱交換器(220)と同様に、海水と蒸気とを相互補完的に使用することもできる。
【0093】
また、本実施形態の第2熱交換器(320)は、プレート式熱交換器(plate heat exchanger)であることが好ましい。
【0094】
本実施形態の膨張タンク(330)は、第2熱交換器(320)での熱交換による第2熱媒体の温度変化に伴う体積膨張に対応するための緩衝器の役割も担う。
【0095】
また、膨張タンク(330)は、第2熱媒体に混入した空気(air)などの異物を第2熱媒体から分離し、また、トリムヒーター(130)から天然ガスが漏出(leak)して、第2熱媒体にガスが流入した場合に、第2熱媒体に流入したガスを第2熱媒体から分離する。
【0096】
本実施形態の第2熱媒体は、グリコールウォーター(glycol water)である。
【0097】
エキスパンダ式発電機(230)では、第1熱交換器(220)で海水との熱交換により気化または加熱された第1熱媒体が膨張することで、第1熱媒体の圧力及び温度が低下する。
【0098】
第1熱交換器(220)で熱源として使用される海水の温度が、ガス需要先の最小温度条件よりも十分に高い場合を除いて、第1熱媒体のエキスパンダ式発電機(230)での圧力変化過程での温度降下が非常に大きく、第1熱媒体の熱容量が小さいため、天然ガスを最小温度条件以上の温度に加熱することは困難となる。
【0099】
そのため、本実施形態では、天然ガスを最小温度条件以上の温度に加熱(trim heating)するための中間熱媒体として第2熱媒体(すなわち、グリコールウォーター)が使用される。
【0100】
一般的に、高圧ポンプ(110)を利用して、LNGを最小圧力条件以上の圧力に加圧し、気化器(120)で最低温度条件以上の温度に気化及び加熱する必要がある。例えば、気化器(120)から排出される天然ガスの最低温度条件が8℃であれば、これを満たすために、気化器(120)に供給される第1熱媒体の温度は、最低温度条件の8℃より高い温度である必要がある。一般の熱交換器で加熱流体と被加熱流体との間の最小温度差が2~3℃であることを考慮すれば、気化器(120)に供給される第1熱媒体の温度は、約11℃以上である必要がある。
【0101】
また、本実施形態の第1熱媒体は、第1熱交換器(220)で海水との熱交換により加熱されるため、同様に一般の熱交換器の加熱流体と被加熱流体との間の最小温度差を考慮すると、第1熱交換器(220)に供給される海水の温度は、約14℃以上ある必要がある。
【0102】
しかし、第1熱交換器(220)で第1熱媒体が11℃に加熱されたとしても、上述したように、エキスパンダ式発電機(230)での発電により、第1熱媒体の温度は-10.5℃まで低下する場合がある。
【0103】
したがって、本実施形態では、トリムヒーター(130)を用いて、気化器(120)で気化させた天然ガスを、ガス需要先の最低温度条件、すなわち、天然ガスの最終送出温度に加熱する。
【0104】
もし、第1熱交換器(220)からエキスパンダ式発電機(230)に供給される第1熱媒体の一部を分岐させて、トリムヒーター(130)で天然ガスを加熱するための熱媒体として使用すると、海水の温度が十分に高く、第1熱交換器(220)で熱交換される第1熱媒体と海水との温度差が最小水準以上より高い場合を除き、トリムヒーター(130)での熱交換性能が不十分となり、天然ガスを最終送出温度に加熱することができないという問題が発生する。
【0105】
ここで、
図3を参照して、第1熱媒体の低い熱容量と相変化によりトリムヒーター(130)の内部でピンチポイントが決定されるため、トリムヒーター(130)の設計は容易ではない。したがって、この設計上の困難を、第2熱媒体を使用することにより解決し、再気化ガスを安定的に加熱することができる。
【0106】
本実施形態では、第1熱交換器(220)で海水との熱交換により第1熱媒体(すなわち、冷媒)は、気化器(120)の熱源としてのみ使用され、第2熱交換器(320)で海水との熱交換により加熱された第2熱媒体(すなわち、グリコールウォーター)をトリムヒーター(130)の熱源として供給し、ピンチポイントがトリムヒーター(130)の内部で発生しないようにすることで(
図4参照)、十分な熱交換性能を確保し、天然ガスを最終送出温度に安定的に加熱することができる。
【0107】
また、再気化システムを初期起動する際、LNGが気化器(120)に供給されなければ、第1熱媒体が気化器(120)で凝縮されず、第1熱媒体を循環させることができないため、LNGと第1熱媒体との供給のバランスを良好に維持させて、気化器(120)の負荷を増加させる必要がある。しかし、これでは、運転上、多くの困難を引き起こす。
【0108】
本実施形態では、トリムヒーター(130)で天然ガスを加熱するための第2熱媒体として、グリコールウォーターを用いることで、再気化システムを初期起動する際、LNG供給量と第1熱媒体との熱バランスが取れない状態で、LNGが気化器(120)に流入することが防止され、安定した運転が可能になる。
【0109】
また、本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、海水ポンプ(410)、第1熱交換器(220)及び第2熱交換器(320)は、甲板より下部の機械室(machinery space)に配置され、気化器(120)及びトリムヒーター(130)は、上甲板(upper deck)上に配置される。
【0110】
甲板の下部に設置される海水ポンプ(410)を利用して吸入された海水を、上甲板上に配置される気化器(120)及びトリムヒーター(130)に直接供給する場合、すなわち、海水とLNGとを直接熱交換させる場合には、海水ポンプ(410)の動力消費が過度に大きくなる。
【0111】
本実施形態では、第1循環部を設けて甲板の下部の機械室に配置される第1熱交換器(220)で、海水ポンプ(410)により吸入された海水と第1熱媒体とを熱交換させて、海水により加熱された第1熱媒体を用いて気化器(120)でLNGを気化させる。そして、第2循環部を設けて甲板の下部の機械室に配置される第2熱交換器(320)で、海水と第2熱媒体とを熱交換させて、海水により加熱された第2熱媒体を用いてトリムヒーター(130)で天然ガスを加熱する。これにより、海水ポンプ(410)の必要水頭が低くなり、動力消費が小さくなる。
【0112】
このとき、第1熱媒体及び/または第2熱媒体を循環させる第1ポンプ(210)及び/または第2ポンプ(310)の動力消費が追加されるが、海水と比較してその循環量が多くないため、全体の動力消費を低減できる。
【0113】
このような動力低減効果は、海水をLNGと直接熱交換させてLNGを再気化させる場合と比較して、グリコールウォーターを利用してLNGを海水と間接熱交換させて再気化させる場合には約30%程であり、本実施形態のように第1循環部と第2循環部との両方を使用した場合には約45%程に達する。
【0114】
次に、
図2を参照して、本実施形態の再気化システムの温度制御方法について説明する。
図2では、制御方法を説明するための制御手段をさらに図示して簡潔にするため、
図1に示す本実施形態の再気化システムの一部構成が省略されている。
【0115】
図2を参照して、本実施形態の再気化システムは、レシーバー(240)内の圧力を測定する第2圧力測定部(PT2)と、第1熱媒体ライン(RL)から気化器(120)の上流で分岐してレシーバー(240)に接続される第2分岐ライン(RL2)とをさらに備える。また、第2分岐ライン(RL2)には、第2バルブ(RV)が設けられている。
【0116】
また、第2圧力測定部(PT2)の圧力測定値に基づいて、エキスパンダ式発電機(230)及び/または第1熱交換器(220)から気化器(120)に供給される第1熱媒体のうち、気化器(120)を迂回してレシーバー(240)に供給される第1熱媒体の流量を調節する第2バルブ(RV)を制御する第2圧力制御部(PIC2)をさらに備える。
【0117】
また、第2バルブ(RV)を、気化器(120)からトリムヒーター(130)に供給される天然ガスの温度を測定する第3温度制御部(TIC3)の温度測定値に基づいて制御することもできる。
【0118】
第2制御部(LS2)は、第2圧力制御部(PIC2)から送信される第2分岐ライン(RL2)に分岐させる第1熱媒体の流量と、第3温度制御部(TIC3)から送信される気化器(120)からトリムヒーター(130)に供給される天然ガスの温度を維持するために第2分岐ライン(RL2)に分岐させる第1熱媒体の流量を全て参照して、第2バルブ(RV)の開度量を制御する。
【0119】
本実施形態の第2制御部(LS2)は、第2圧力制御部(PIC2)と第3温度制御部(TIC3)とから送信される第2分岐ライン(RL2)に分岐させる第1熱媒体の流量を制御するための第2バルブ(RV)の開度量のうち、小さい値を選択して第2バルブ(RV)を制御するローセレクタ(low selector)を備える。
【0120】
例えば、第2圧力測定部(PT2)で測定したレシーバー(240)の圧力測定値が、設定値よりも低い場合、第2圧力制御部(PIC2)は第2バルブ(RV)の開度量を増加させて、気化器(120)を迂回してレシーバー(240)に供給される第1熱媒体の流量を増加させるように、第2制御部(LS2)に信号を送信する。
【0121】
また、第3温度制御部(TIC3)は、気化器(120)からトリムヒーター(130)に供給される天然ガスの温度が、設定値よりも低い場合、第2バルブ(RV)の開度量を減少させて、気化器(120)を迂回する第1熱媒体の流量を減少させるように、第2制御部(LS2)に信号を送信する。
【0122】
このとき、第2制御部(LS2)は、第2圧力制御部(PIC2)から送信された第2バルブ(RV)の開度量と第3温度制御部(TIC3)から送信された第2バルブ(RV)の開度量とを参照し、より小さい値の開度量を選択して第2バルブ(RV)を制御する。すなわち、気化器(120)を迂回する第1熱媒体の流量が最小になるように制御する。
【0123】
また、本実施形態の再気化システムは、トリムヒーター(130)からガス需要先に供給される天然ガスの温度を測定する第1温度測定部(TT1)と、トリムヒーター(130)からガス需要先に供給される天然ガスの圧力を測定する第1圧力測定部(PT1)と、トリムヒーター(130)からガス需要先に供給される天然ガスの流量を測定する第1流量測定部(FT1)とを備える。
【0124】
また、本実施形態の再気化システムは、第1温度測定部(TT1)で測定した温度測定値に基づいて、トリムヒーター(130)からガス需要先に供給される天然ガスの温度を一定に維持する第1温度制御部(TIC1)と、第1温度測定部(TT1)、第1圧力測定部(PT1)及び第1流量測定部(FT1)の測定値に基づいて、トリムヒーター(130)からガス需要先に供給される天然ガスの流量を調節する第1流量制御部(FIC1)とをさらに備える。
【0125】
また、本実施形態の再気化システムは、トリムヒーター(130)から排出される第2熱媒体の温度を測定する第2温度測定部(TT2)と、第2温度測定部(TT2)の温度測定値に基づいてトリムヒーター(130)から排出される第2熱媒体の温度を一定に維持する第2温度制御部(TIC2)とをさらに備える。
【0126】
また、本実施形態の再気化システムは、高圧ポンプ(110)から気化器(120)に供給されるLNGが流れる液化ガスライン(LL)に設けられる第1バルブ(LV)をさらに備える。
【0127】
第1制御部(LS1)は、第1温度制御部(TIC1)の伝送値と、第2温度制御部(TIC2)の伝送値と、第1流量制御部(FIC1)の伝送値とを参照して、第1バルブ(LV)の開度量を調節する。
【0128】
例えば、第1流量測定部(FT1)で測定した流量測定値が、ガス需要先で要求される値よりも小さい場合、第1制御部(LS1)は第1流量制御部(FIC1)の信号に基づいて第1バルブ(LV)の開度量を増加させて、高圧ポンプ(110)から気化器(120)に供給されるLNGの流量を増加させることで、必要な再気化量を満たすようにする。
【0129】
また、例えば、第1温度測定部(TT1)で測定した温度測定値が、最小温度条件を満たさない場合は、第1制御部(LS1)が第1温度制御部(TIC1)の信号に基づいて第1バルブ(LV)の開度量を減少させて、高圧ポンプ(110)から気化器(120)に供給されるLNGの流量を減少させることで、必要な再気化温度を満たすようにする。
【0130】
また、例えば、第2温度測定部(TT2)で測定した温度測定値が設定値に近づくと、第1制御部(LS1)は第2温度制御部(TIC)の信号に基づいて第1バルブ(LV)の開度量を減少させて、高圧ポンプ(110)から気化器(120)に供給されるLNGの流量を減少させることで、第2熱媒体のトリムヒーター(130)の出口温度が最小温度以上の温度で維持される。
【0131】
本実施形態の第1制御部(LS1)は、第1流量制御部(FIC1)、第1温度制御部(TIC1)及び第2温度制御部(TIC2)の信号のうち、最小値を選択して、すなわち、第1バルブ(LV)の最小開度量を選択して、第1バルブ(LV)の開度を制御するローセレクタを備える。
【0132】
上述したように、本発明によれば、液化ガスの再気化過程で廃棄される液化ガスの冷熱を回収し、発電させることでエネルギー効率を高め、電力を生産するための燃料消費量を減少させることができ、液化ガスの冷熱を回収して電力を追加生産することにより、気化器に供給される熱源の温度が低下しても再気化ガスの送出温度、圧力及び流量を要求値に合わせて維持することができる。
【0133】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態以外にも、本発明は、その趣旨またはカテゴリを逸脱しない範囲で、他の特定の形態で具体的に実施できることは当該技術における通常の知識を有する者にとって自明である。したがって、上記実施例は、限定的なものではなく例示的なものであると解釈すべきである。それに応じて、本発明は、前述した説明に限定されず、添付した請求項の範囲とその均等範囲内で変更することができる。
【符号の説明】
【0134】
110…高圧ポンプ、120…気化器、130…トリムヒーター、210…第1ポンプ、310…第2ポンプ、220…第1熱交換器、320…第2熱交換器、230…エキスパンダ式発電機、330…膨張タンク、240…レシーバー、410…海水ポンプ、LL…液化ガスライン、RL…第1熱媒体ライン、RL1…第1分岐ライン、RL2…第2分岐ライン、GL…第2熱媒体ライン、SL1…第1海水ライン、SL2…第2海水ライン、LV…第1バルブ、RV…第2バルブ、TT1…第1温度測定部、TT2…第2温度測定部、PT1…第2圧力測定部、PT2…第2圧力測定部、FT1…第1流量測定部、TIC1…第1温度制御部、TIC2…第2温度制御部、TIC3…第3温度制御部、PIC2…第2圧力制御部、FIC1…第1流量制御部、LS1…第1制御部、LS2…第2制御部。