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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】禅促進システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240520BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
A61B5/107 300
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022553330
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037231
(87)【国際公開番号】W WO2022070336
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 匡通
(72)【発明者】
【氏名】ポルテ ティエリー ジョジェス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット フレデリック カツロ
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6527627(JP,B1)
【文献】特開2019-150546(JP,A)
【文献】特開2020-107264(JP,A)
【文献】特許第6502565(JP,B1)
【文献】特許第6611145(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
A61B 5/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
禅を行うグループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターを記憶する第1記憶部と、
仮想的な禅空間を記憶する第2記憶部と、
前記メンバーから入力を受付ける入力受付部と、
前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記複数のアバターのうちの複数が前記禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する表示画像生成部と、
前記表示画像生成部で生成された禅行動画像を表示する表示部と、
を備える禅促進システム。
【請求項2】
請求項1記載の禅促進システムであって、
前記第1記憶部は、前記複数のアバターとして、師範アバターを含み、
前記表示画像生成部は、前記複数のアバターのうちの前記師範アバターを含む複数のアバターが前記禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する、禅促進システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の禅促進システムであって、
前記入力受付部及び前記表示部を含む端末機器を複数備える、禅促進システム。
【請求項4】
請求項3に記載の禅促進システムであって、
前記複数の端末機器と通信ネットワークを介して接続され、前記第1記憶部と、前記第2記憶部と、前記表示画像生成部のうちの少なくとも一部の処理を実行する処理部のうちの少なくとも1つを含むサーバを備える、禅促進システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記禅行動画像表示後に、前記表示部を通じた質問を発する質問問合せ部と、
前記入力受付部を通じて入力される回答を収集する回答収集部と、
をさらに備える禅促進システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記入力受付部を複数備え、
前記複数の入力受付部を通じて、複数の前記メンバーからの会話データの入力を受付け、前記会話データに基づいてチャット形式で前記複数のメンバーの会話を表示するチャット処理部をさらに備える禅促進システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記メンバーの身体状態を取得する身体状態取得部をさらに備え、
前記表示画像生成部は、前記身体状態取得部によって取得されたデータに基づく禅行動状態表示画像を生成する、禅促進システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を行う時間を計測する時間計測部をさらに備える禅促進システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、同時に禅を行っているメンバーの数をカウントする活動メンバー集計部をさらに備え、
前記表示画像生成部は、前記活動メンバー集計部によるカウント数に応じた画像を生成する、禅促進システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記第2記憶部は、複数の前記禅空間を記憶し、
前記表示画像生成部は、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記複数の禅空間のうちの1つにおいて禅を行う禅行動画像を生成する、禅促進システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記表示画像生成部は、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を開始する行動及び禅を終了する行動のうちの少なくとも1つを行う禅行動画像を生成する、禅促進システム。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の禅促進システムであって、
前記禅行動画像は、前記アバターが前記禅空間内において静止して禅を行う画像を含む、禅促進システム。
【請求項13】
コンピュータに、
禅を行うグループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、
禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表示部に表示する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記禅行動画像を表示部に表示する処理は、禅を行うグループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターと仮想的な禅空間とに基づいて、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する処理を含む、プログラム。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載のプログラムであって、
コンピュータに、
さらに、身体状態取得部を通じて前記メンバーの身体状態を取得する処理と、
前記身体状態取得部によって取得されたデータに基づく禅行動状態画像を前記表示部に表示する処理と、
をさらに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項13から請求項15のいずれか1つに記載のプログラムであって、
コンピュータに、
禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を行う時間を計測する処理をさらに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項13から請求項16のいずれか1つに記載のプログラムであって、
コンピュータに、
同時に禅を行っているメンバーの数に応じた画像を前記表示部に表示する処理をさらに実行させるプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
禅を行うグループに所属する複数のメンバー側の複数の端末機器と通信ネットワークを介して通信可能に接続する処理と、
前記複数の端末機器を介して前記グループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、
禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する処理と、
前記禅行動画像を表現するデータを前記複数の端末機器のうちの少なくとも1つに送信する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムであって、
前記禅行動画像を表現するデータを前記複数の端末機器のうちの複数に送信する、プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のプログラムであって、
前記グループに所属するメンバーからの複数の禅空間のうちの1つを指定する処理を受付け、
禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記複数の禅空間のうちの1つにおいて禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、禅促進システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ユーザの呼吸の状態を示す呼吸情報を取得する呼吸センサと、前記呼吸情報に基づいて前記ユーザの活動を支援する支援情報を生成する呼吸情報処理部と、前記支援情報に応じた所定の態様で前記支援情報を出力する出力部と、を備えるマインドフルネス支援装置を開示している。特許文献1は、マインドフルネスの手段として座禅を行うことが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-150546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、禅による精神活動を促進させるため、禅堂等、静謐で禅を組むのに適するようにデザインされた禅空間で座禅を組むことが提案される。しかしながら、場所的、時間的、疫学的制約等から禅空間に赴くことが困難な場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、場所的、時間的、疫学的制約に拘わらず、禅による精神活動を促進させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、禅促進システムは、禅を行うグループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターを記憶する第1記憶部と、仮想的な禅空間を記憶する第2記憶部と、前記メンバーから入力を受付ける入力受付部と、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記複数のアバターのうちの複数が前記禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する表示画像生成部と、前記表示画像生成部で生成された禅行動画像を表示する表示部と、を備える。
【0007】
また、プログラムは、コンピュータに、禅を行うグループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表示部に表示する処理と、を実行させる。
【0008】
また、他のプログラムは、コンピュータに、禅を行うグループに所属する複数のメンバー側の複数の端末機器と通信ネットワークを介して通信可能に接続する処理と、前記複数の端末機器を介して前記グループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する処理と、前記禅行動画像を表現するデータを前記複数の端末機器のうちの少なくとも1つに送信する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記禅促進システム又はプログラムによると、場所的、時間的、疫学的制約に拘わらず、禅による精神活動を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る禅促進システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】サーバのブロック図である。
図3】サーバの処理例を示すフローチャートである。
図4】端末機器のブロック図である。
図5】端末機器の処理例を示すフローチャートである。
図6】端末機器の画面表示の遷移例を示す説明図である。
図7】禅行動画像を生成及び表示するための処理を示すフローチャートである。
図8】アバター及び禅空間の一例を示す説明図である。
図9】禅行動画像の一例を示す図である。
図10】禅行動画像の他の例を示す図である。
図11】第2実施形態に係るサーバのブロック図である。
図12】同上の実施形態に係る端末機器のブロック図である。
図13】同上の実施形態に係る禅行動画像を生成及び表示するための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
{第1実施形態}
<全体構成について>
以下、第1実施形態に係る禅促進システム及びプログラムについて説明する。図1は禅促進システムの全体構成を示すブロック図である。禅促進システム10は、サーバ20と、端末機器40とを備える。端末機器40は、ユーザが所有する端末機器である。端末機器40は、スマートフォンであってもよいし、タブレットコンピュータであってもよい。端末機器40は、ラップトップコンピュータであってもよいし、デスクトップパーソナルコンピュータであってもよい。
【0012】
端末機器40を所有するユーザは、禅を行うグループに所属するメンバーであることが想定される。本実施形態では、グループとして、仮想空間において禅を行う意図ある複数の者が登録されているグループであることが想定される。禅とは、座禅ともいい、足を組んで座った状態で精神統一を行う瞑想法の一種である。禅は、英語では、Zen Meditation又はZen Buddhismと呼ばれる。禅は、元々は古代インド又は仏教に由来する修行法である。近年、禅は、宗教の域を超えて、集中力及び注意力を高める、他人に対するバリヤを低くして他人との間に一体感をもたらす、創造性、革新性を高めるといった効能もたらす手法として注目を浴びている。
【0013】
禅は、いずれの場所で行われてもよいが、周りの風景、明るさ、静謐さ等の周辺環境が禅の効果に影響を与え得る。このため、禅堂等、静謐で禅を組むのに適するようにデザインされた禅空間で禅を組むことが行われている。
【0014】
また、禅は、単独で行われてもよいし、グループで行われてもよい。グループで禅が組まれることによって、禅に参加したメンバー間に一体感がもたらされ、禅による効果が高められる。
【0015】
サーバ20は、通信ネットワーク18を介して複数の端末機器40と接続されたコンピュータである。
【0016】
通信ネットワーク18は、サーバ20と複数の端末機器40とをデータ通信可能に接続する。通信ネットワーク18は、有線式であっても無線式であってもよいしそれらの複合であってもよい。通信ネットワーク18は、公衆通信ネットワークであっても専用回線によるネットワークであってもよいそれらの複合によるネットワークであってもよい。例えば、通信ネットワーク18は、電話回線網、移動体通信網、専用通信線、LAN(Local Area Network)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等のうちの1つ又はそれらの組合せによって構成される。
【0017】
<サーバについて>
サーバ20についてより具体的に説明する。図2はサーバ20のブロック図である。サーバ20は、コンピュータによって構成されており、当該コンピュータに格納されたプログラムに従って演算動作を実行することによってサーバ処理を実行する。サーバ20は、1つのコンピュータであってもよいし、複数のコンピュータが分散して処理を行う装置であってもよい。
【0018】
サーバ20は、プロセッサ21と、RAM28と、記憶部30と、通信インターフェース38とを備え、これらがバスラインを通じて接続された構成とされる。
【0019】
プロセッサ21は、プログラムに従って演算処理を実行する演算装置等によって構成される。RAM(Random access memory)は、読み書き可能なメモリによって構成されており、プロセッサ21が処理を行う際の作業領域として供される。記憶部30は、ハードディスク装置、又は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体によって構成されている。記憶部30には、プログラム35が格納されている。プログラム35には、プロセッサ21が演算処理を行う際の処理が記述されている。記憶部30には、プロセッサ21が処理を行う際に参照される諸データが格納される。記憶部30は、単一の記憶装置であってもよいし、複数の記憶装置によって構成されていてもよい。通信インターフェース38は、サーバ20が通信ネットワーク18を介して通信を行うための通信回路である。サーバ20は、通信インターフェース38及び通信ネットワーク18を介して複数の端末機器40との間で双方向通信を行うことができる。
【0020】
プロセッサ21は、プログラム35に記述された処理に従った演算処理を実行することによって、表示画像生成部22、質問問合部23、回答収集部24、チャット中継処理部25、時間計測部26、活動メンバー集計部27としての動作を実行する。表示画像生成部22の処理は、禅行動画像生成部22a、禅行動状態表示画像生成部22b、メンバーカウント画像生成部22cとしての処理を含む。表示画像生成部22は、禅行動画像生成部22aとして、メンバーによる禅行動に関する入力に応じて、複数のアバターのうちの複数が禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する。表示画像生成部22は、禅行動状態表示画像生成部22b、メンバーカウント画像生成部22cとしての処理部を含んでもよい。禅行動状態表示画像生成部22bは、端末機器40における身体状態取得部43によって取得されたデータに基づく禅行動状態表示画像を生成する処理部である。メンバーカウント画像生成部22cは、活動メンバー集計部27によるカウント数に応じた画像を生成する処理部である。質問問合部23は、禅行動画像表示後に質問を発し、回答収集部24は質問に対応する回答を収集する。チャット中継処理部25は、複数の端末機器40の間でチャットを中継する処理を実行する。時間計測部26は、メンバーからの禅行動に関する入力に応じて、アバターが禅空間内において禅を行う時間を計測する処理を行う。また、活動メンバー集計部27は、メンバーからの禅行動に関する入力に応じて、同時に禅を行っているメンバーの数をカウントする処理を実行する。これらの各処理は、後でさらに詳細に説明される。
【0021】
記憶部30は、複数のアバターを記憶する第1記憶部31と、仮想的な禅空間を記憶する第2記憶部32とを含む。なお、仮想的な禅空間で禅が行われるか否かに拘らず、アバター及び禅空間が事前にサーバ20に記憶されていることは必須ではない。端末機器40の所有者(メンバー)が禅を行う度に、アバター及び禅空間の少なくとも一方が端末機器40からサーバ20にアップロードされてもよい。
【0022】
アバターとは、コンピュータ上における、端末機器40の所有者の分身データである。アバターは、擬人化したデータであってもよい。アバターは、3次元データによって表現されてもよいし、2次元データによって表現されてもよい。後に参照される図8では、アバターが擬人化した3次元データである例が示される。アバターは、端末機器40の所有者によって作成されてもよい。例えば、端末機器40上に、複数のアバターの候補が表示され、端末機器40の所有者がそのうちの1つを選択して入力することによって、当該所有者(メンバー)に対応するアバターが設定されてもよい。この際、前記所有者がアバターのパーツを個々に選択していくことによって、アバターが作成されてもよい。例えば、端末機器40にパーツとして顔の輪郭、髪型、目、鼻、口、体格、服装等の候補が表示されてもよい。そして、前記所有者が各パーツを選んでいくと、当該選ばれたパーツの組合せによってアバターが生成されてもよい。かかる説明に限られず、アバターは如何なる方法で生成されてもよい。アバターには、端末機器40の所有者が氏名、ニックネーム、識別番号等が対応付けられていてもよい。
【0023】
なお、上記したように、端末機器40の所有者は、前記グループに属するメンバーである。このため、第1記憶部31は、前記グループに属する複数のメンバーに対応する複数のアバターを記憶している。複数のアバターは、複数のメンバーの特定情報に対応付けられて第1記憶部31に記憶される。
【0024】
仮想的な禅空間とは、禅を組むのに適した周りの風景、明るさ等を有する禅空間を、実空間ではなく、コンピュータにおいて処理可能なように表現したデータである。仮想的な禅空間は、実際に禅が行われる空間(例えば、禅堂)を表現したデータであってもよい。仮想的な禅空間は、実在しないが理想的と考えられる禅空間を表現したデータであってもよい。仮想的な禅空間は、3次元データによって表現されてもよいし、2次元データによって表現されてもよい。後に参照される図8では、仮想的な禅空間が3次元データである例が示される。第2記憶部32には、1つの仮想的な禅空間のみ記憶されていてもよいし、複数の仮想的な禅空間が記憶されていてもよい。ここでは、第2記憶部32に複数の仮想的な禅空間が記憶されている例が説明される。
【0025】
プロセッサ21は、上記禅行動画像生成部22aとして、禅行動画像を生成する処理を実行する際に、上記アバター及び仮想的な禅空間が参照される。
【0026】
また、記憶部30には、質問回答データ33、メンバーカウントデータ34が記憶される。プロセッサ21が質問問合部23及び回答収集部24としての処理を実行することによって、質問回答データ33が生成更新される。また、プロセッサ21が活動メンバー集計部27としての処理を実行することによって、メンバーカウントデータ34が生成更新される。
【0027】
図3は各端末機器40からの入力に基づくサーバ20の処理例を示すフローチャートである。
【0028】
同図に示すように、ステップS1において、サーバ20は、メンバーがグループにて禅を行うか否かを判定する。すなわち、端末機器40を所有するいずれかのメンバーが、グループで禅を行う旨、単独で禅を行う旨、参加メンバーをカウントする旨、及び、チャットする旨のいずれかを入力すると、その入力が通信ネットワーク18を介してサーバ20に送信される。これにより、サーバ20で受信されたメンバーの入力に応じて、当該端末機器40を所有するいずれかのメンバーがグループにて禅を行うかが判定される。このため、端末機器40のそれぞれは、メンバーからの入力を受付ける入力受付部としての役割を果す。
【0029】
ステップS1でグループで禅を行うことが判定されると、ステップS2に進む。ステップS2では、サーバ20は、端末機器40を通じたユーザからの禅行動に関する入力に応じて禅行動画像を生成する処理を行う。ここで、禅行動画像は、グループに属する複数のメンバーに対応する複数アバターのうちの複数が禅空間内において禅を行う画像であり、後でそのより具体的な例が説明される。また、この処理については端末機器との処理との関係で後にさらに詳述される。
【0030】
ステップS2の後、ステップS3において、予め設定された質問データを、通信ネットワーク18を通じて端末機器40に送信する。これにより、端末機器40において質問データに記述された質問文が表示される。端末機器40において、ユーザが回答を入力すると、回答が通信ネットワーク18を通じてサーバ20に送信される。
【0031】
次ステップS4において、サーバ20は、回答を収集し、記憶部30に質問回答データ33として格納する。
【0032】
次ステップS5において、端末機器40から通信ネットワーク18を通じて送信される入力に基づき、本システムを利用した禅に関する行動の有無が判定され、終了と判定されると、処理を終了する。終了ではなく、他の禅に関する行動有りと判定されると、ステップS1に戻る。
【0033】
ステップS1において、グループで禅を行うわないと判定されると、ステップS6に進む。ステップS6では、単独で禅を行うか否かが判定される。ここでの判定は、上記ステップS1と同様に、端末機器40及び通信ネットワーク18を介したユーザの入力に基づきなされる。単独で禅を行うと判定されると、ステップS7に進む。
【0034】
ステップS7では、サーバ20は、通信ネットワーク18を介して、端末機器40に対してユーザの状態を要求する。これにより、端末機器40は、ユーザの状態を取得し、取得したユーザの状態を、通信ネットワーク18を介してサーバ20に送信する。次ステップS8において、サーバ20はユーザの状態を受信する。
【0035】
次ステップS9において、サーバ20は、禅行動状態表示画像を生成する。禅行動状態表示画像は、禅を行うユーザの状態を表示する画像である。禅を行うユーザの状態とは、例えば、脈拍、呼吸数等である。禅行動状態表示画像の一例が後で説明される。
【0036】
ステップS10では、サーバ20は、禅を行っている時間に関する計時処理を実行する。例えば、禅を開始してからの経過時間を計測する。禅の開始時間は、例えば、端末機器40から単独で禅を行う旨の入力があった時間であってもよいし、その後、予め設定された所定時間経過後の時間であってもよい。
【0037】
次ステップS11では、サーバ20は、禅行動状態表示画像を、通信ネットワーク18を介して、単独で禅を行う旨入力した端末機器40に送信する。これにより、端末機器40において、禅行動状態表示画像が表示される。
【0038】
次ステップS12では、単独で禅を行うことが終了するか否かが判定される。終了判定は、上記禅を開始してからの経過時間が、予め設定された所定時間を経過したか否かによって判定されてもよい。終了判定は、ユーザが端末機器40を通じて終了である旨の入力を行ったときであってもよい。終了ではないと判定されると、ステップS7に戻り、上記処理を繰り返す。終了と判定されると、ステップS3に進む。
【0039】
ステップS6において、単独で禅を行わないと判定されると、ステップS13に進む。
【0040】
ステップS13では、サーバ20は、端末機器40から通信ネットワーク18を通じて送信される入力に基づき、メンバーカウントを行うか否かを判定する。メンバーを行うと判定されると、ステップS14に進む。
【0041】
ステップS14では、サーバ20は、当該サーバ20に通信ネットワーク18を介して接続された複数の端末機器40における禅行動に関する入力に基づき、当該時点において本システムを利用して禅を行っているメンバーの数をカウントする。例えば、エリア毎にメンバー数がカウントされてもよい。エリアは、ユーザが操作している端末機器40の実在場所に基づいて、世界の大州別、国別等であってもよい。
【0042】
次ステップS15では、サーバ20は、カウントされたメンバー数を表現するメンバーカウント画像を生成する。
【0043】
次ステップS16において、サーバ20は、通信ネットワーク18を通じて、メンバーカウント画像を、メンバーカウントを入力した端末機器40に送信する。この後、ステップS5に進む。
【0044】
上記ステップS13において、メンバーカウントを行われないと判定されると、ステップS17に進む。
【0045】
ステップS17では、サーバ20は、端末機器40から通信ネットワーク18を通じて送信される入力に基づき、チャットを行うか否かを判定する。チャットを行うと判定されると、ステップS18に進み、チャットを行わないと判定されると、ステップS1に戻る。
【0046】
ステップS18では、サーバ20は、端末機器40から通信ネットワーク18を介して受取ったチャットデータを、通信ネットワーク18を介してチャットデータの宛先(端末機器40)に向けて転送する。
【0047】
次ステップS19において、チャットが終了か否かが判定される。例えば、端末機器40側でチャット終了の入力があった場合等には、その旨の入力が通信ネットワーク18を介してサーバ20に送信され、チャットの終了が判定される。ユーザがチャットを継続する場合には、ステップS18に戻り、チャットが成立しているユーザの間でチャットの転送処理を繰り返す。これにより、チャットを行っている複数の端末機器40のそれぞれにチャット情報が表示される。チャットが終了された場合には、ステップS5に進む。
【0048】
<端末機器について>
端末機器40についてより具体的に説明する。図4は端末機器40のブロック図である。端末機器40は、コンピュータによって構成されており、当該コンピュータに格納されたプログラムに従って演算動作を実行することでクライアント処理を実行する。上記グループに属する複数のメンバーのそれぞれが端末機器40を所有している。複数のメンバーは、端末機器40を利用して禅を行う。
【0049】
端末機器40は、プロセッサ41と、RAM42と、身体状態取得部43と、記憶部44と、入力受付部46と、表示部47と、通信インターフェース48とを備え、これらがバスラインを通じて接続された構成とされる。
【0050】
プロセッサ41は、プロセッサ21と同様に、プログラムに従って演算処理を実行する演算装置等によって構成される。RAMは、プロセッサ41が処理を行う際の作業領域として供される。記憶部44は、フラッシュメモリ、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶媒体によって構成されている。記憶部44には、プログラム45が格納されている。プログラム45には、プロセッサ41が演算処理を行う際の処理が記述されている。通信インターフェース48は、端末機器40が通信ネットワーク18を介してサーバ20と通信を行うための通信回路である。複数の端末機器40のそれぞれは、通信インターフェース48及び通信ネットワーク18を介してサーバ20との間で双方向通信を行うことができる。
【0051】
入力受付部46は、端末機器40を所有するメンバーから入力を受付けるマンマシンインターフェースである。入力受付部46は、特に、メンバーから禅行動に関する入力を受付ける。入力受付部46は、例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の表示画面に組込まれたタッチパネルであってもよい。入力受付部46は、その他、スイッチ等であってもよい。入力受付部は、カメラとカメラで撮影された画像に基づきユーザの動きを判定して諸入力を受付けてもよい。例えば、カメラで撮像された画像からユーザ部分の画像抽出及び抽出された画像に対するパターンマッチング処理等を行って、ユーザが禅を組んでいるか否かを判定してもよい。この場合、ユーザが禅を組む状態となったときに、禅の開始が入力され、禅を組んでいると判定された状態から禅を組んでいる状態が判定されなくなったときに、禅の終了が入力されてもよい。
【0052】
表示部47は、液晶表示装置、有機EL(Electro-luminescence)表示装置等であり、諸情報を表示する表示装置である。本実施形態において、表示部47は、表示画像生成部22で生成され、サーバ20から送信される画像(特に、禅行動画像)を表示する。
【0053】
身体状態取得部43は、メンバーの身体状況、例えば、脈拍、呼吸数等を取得する装置である。身体状態取得部43は、撮像素子による得られる身体表面画像を解析することによって身体状態を取得するものであってもよいし、ドップラーセンサ等の動きセンサの出力に基づき、メンバーの身体表面状態を解析することによって、身体状態を取得するものであってもよい。身体状態取得部43は、身体表面状態を検出する圧力センサ等の身体状態を取得するものであってもよい。身体状態取得部43に含まれるセンサは、端末機器40に一体的に組込まれていてもよいし、端末機器40にBluetooth(登録商標)通信を介して接続された構成であってもよい。例えば、身体状態取得部43は、脈拍等を検出するセンサが組込まれたブレスレット形態であり、メンバーの腕に装着され、Bluetooth(登録商標)通信等の無線通信を介して端末機器40に接続されていてもよい。
【0054】
記憶部44には、プログラム45が記憶されており、プロセッサ41は、当該プログラム45に記述された処理に従った演算処理を実行することによって、表示制御部41a及びチャット処理部41bとしての動作を実行する。表示制御部41aは、表示部47における表示制御を行う処理部である。本実施形態では、表示制御部41aは、サーバ20から送られた画像を表示部47に表示する制御を実行する。チャット処理部41bは、複数のメンバーに対応する複数の端末機器40からの入力受付部46(自己部分を含む)を通じて、複数のメンバーからの会話データの入力を受付けると、当該会話データに基づいてチャット形式で複数のメンバーの会話を表示する処理を実行する。会話データの受付は、自己の端末機器40における入力受付部46を通じたデータ及び他の端末機器40における入力受付部46及び通信ネットワーク18を通じたデータを含む。このため、チャット形式における表示画像には自己の会話及び他のメンバーからの会話が発言者を区別して発言順に表現される。なお、プログラム45は、プログラムを提供するサーバにおける記憶媒体に記憶されており、端末機器40からの要求に応じて、サーバから通信ネットワークを介して端末機器40にダウンロードされて、当該端末機器40にインストールされてもよい。この場合、プログラム45が端末機器40にインストールされた状態で、当該プログラム45は、端末機器40において実行可能なように、記憶部44に記憶される。
【0055】
図5は端末機器40における処理例を示すフローチャートである。図6は端末機器40の画面表示の遷移例を示す説明図である。図6において、異なる画面表示を有する端末機器40が、符号40にA-Gが付記されることで区別される。
【0056】
端末機器40Aの初期画面には、アバター代表画像40Aa、選択画像40Abが表示される。アバター画像は、自己のアバターを示す画像である。選択画像40Abは、禅に関する構造を入力するための画像である。例えば、選択画像40Abは、グループで禅を行うか、単独で禅を行うか、禅を行っているメンバーを表示するか、チャットを行うかを入力するための画像である。本例では、“BEGIN”の表示画像が禅に関する初期設定を入力するための画像であり、“COMMUNITY”の表示画像が禅を行っているメンバーを表示することを入力するための画像であり、“VIRTUAL ZENDO”がグループで禅を行うことを入力するための画像であり、“TIMER CONDITION”の表示画像が単独で禅を行うことを入力するための画像である。“TIMER CONDITION”の表示画像は、身体状態を取得することを入力するための画像でもある。また、画面の下部を下から上にスワイプすることによって、“home”画像、“message”画像、“profile”画像が表示されてもよい。“message”画像は、チャットを行うことを入力するための画像の一例である。なお、他に、禅のやり方をガイドするための動画等を表示するための“CONTENT”画像、意見等を投稿するための “FEEDBACK”画面等が表示されてもよい。上記“profile”は、自己の履歴を登録したり変更したりするための画面であってもよい。
【0057】
“BEGIN”の表示画像がタップされると、例えば、端末機器40Bは設定画面を表示する状態となる。設定画面は、例えば、禅を行う時間を入力するための画面40Ba、仮想的な禅空間の場所を入力する画面40Bb等を含んでもよい。ここでは、複数の仮想的な禅空間が場所(ここでは、東京青山(日本)、ニューヨーク(US)等の世界の都市)に対応付けられている。メンバーは、地域を選択することで、複数の禅空間のうちの1つを選んで禅を行うことができる。複数の仮想的な禅空間は、場所に対応付けられず、禅空間のデザインタイプ(木目調、レンガ調等)に対応付けられていてもよい。
【0058】
“COMMUNITY”の表示画像がタップされると、例えば、端末機器40Cは、禅を行っているメンバー数を表示する。例えば、世界地図において禅が行われている場所が表示された画像40Ca、全世界で禅を行っているメンバー数、禅が行われている地域数(国数)、自己の近くで禅を行っているメンバー数等の画像40Cbが表示される。なお、端末機器40は、自己に搭載されたGPSセンサ、接続先であるWi-Fi(登録商標)アクセスポイント等を利用して自己の位置を特定可能であり、サーバ20には端末機器40の位置情報も送信される。これにより、サーバ20は、接続された各端末機器40の位置を認識し、禅を行っているメンバーの端末機器40の数を位置別に特定する。
【0059】
“VIRTUAL ZENDO”の表示画像がタップされると、例えば、端末機器40Dは、禅空間においてアバターが禅を行っている画像を表示する。“TIMER CONDITION”の表示画像がタップされると、例えば、端末機器40Eは、禅を行う予定時間に対する経過時間を示す画像40Ea(図では予定時間を示す円における着色された領域が経過時間を示す)、予定時間、呼吸数(BPM(breaths par minute))、心拍数(Heart rate)等を示す画像40Ebが表示される。
【0060】
端末機器40Fは、例えば、質問を示す画像を表示する。例えば、質問文40Faの他、質問に対する回答を選択肢にて表現する画像40Fb、文章による特記事項等を入力するための画像40Fc等が表示される。
【0061】
“message”画像がタップされると、例えば、端末機器40Gは、各会話の内容が発言者に区別されたチャット画像を表示する。
【0062】
端末機器40における処理例について説明する。ステップS31において、端末機器40は、メンバーがグループにて禅を行うか否かを判定する。例えば、端末機器40を所有するユーザが端末機器40Aの初期設定画面(端末機器40A参照)において“VIRTUAL ZENDO”の表示画像をタップすると、ユーザはグループにて禅を行うことを入力したこととなる。このように、端末機器40は、メンバーからの入力を受付ける入力設定部として機能する。ステップS31で、YESと判定されると、ステップS32に進む。なお、この端末機器40における入力は、メンバーの特定情報と共に通信ネットワーク18を介してサーバ20に送信される。
【0063】
ステップS32では、端末機器40は、サーバ20から送信される禅行動画像(端末機器40D参照)を表示するための処理を行う。この処理については、サーバ20との処理との関係で後にさらに詳述される。
【0064】
ステップS32の後、ステップS33において、端末機器40は、サーバ20から送信される質問データに基づき、質問文を含む画像(端末機器40F参照)を表示部47に表示する処理を実行する。この次のステップS34において、端末機器40は、入力受付部46を通じて質問に対する回答を受付ける。次ステップS35において、受付けた回答をサーバ20に送信する。
【0065】
次ステップS36において、入力受付部46に対する入力に基づいて、本システムを利用した禅行動の有無が判定される。例えば、ユーザが“home”画像をタップして端末機器40をホーム画面に戻した場合、端末機器40をオフした場合等には、YESと判定され、処理を終了する。終了ではないと判定されると、ステップS31に戻る。
【0066】
ステップS31において、グループで禅を行わないと判定されると、次ステップS37に進む。
【0067】
ステップS37では、単独で禅を行うか否かが判定される。入力受付部46を通じて単独で禅を行うことが判定されると、ステップS38に進む。例えば、初期設定画面において、“TIMER CONDITION”の表示画像がタップされると、ステップS38に進む。この入力は、サーバ20にも送信される。
【0068】
ステップS38では、サーバ20からの要求に応じて、身体状態取得部43を通じてユーザの身体状態を取得し、身体状態データをサーバ20に送信する。次ステップS39において、サーバ20から送信される画像に基づき身体状態を示す画像(端末機器40E参照)を表示部47に表示する。次ステップS40において、単独による禅が終了したか否かが判定される。例えば、禅開始後の時間を計測し、その時間が予め設定された禅を行う予定時間が経過したときに終了と判定してもよい。画面に終了を選択する画像が表示され当該画像がタップされたときに、終了と判定されてもよい。単独の禅が終了していないと判定されると、ステップS38に戻って、上記処理を繰り返す。なお、身体状態を取得すること及びその状態を表示することは必須ではない。この場合、単に時間を計測し、経過時間を表示したり、予定時間経過時に終了する旨を表示したりしてもよい。単独の禅が終了したと判定されると、ステップS33に進む。
【0069】
ステップS37において、単独での禅が行われないと判定されると、ステップS41に進む。ステップS41では、メンバーカウントを行うか否かが判定される。例えば、初期設定画面において、“COMMUNITY”の表示画像がタップされると、YESと判定される。この場合、端末機器40は、サーバ20にメンバーカウントを行う旨送信する。これにより、サーバ20は、禅を行っているメンバーをカウントし、カウントされたメンバー数を表現するメンバーカウント画像を生成し、この画像を、通信ネットワーク18を通じて端末機器40に送信する。これにより、ステップS42に示すように、端末機器40は、メンバーを表現する画像を表示部47に表示する(端末機器40C参照)。この後、ステップS36に進む。
【0070】
ステップS41において、メンバーカウントを行わないと判定されると、ステップS43に進む。
【0071】
ステップS43では、端末機器40は、入力受付部46を介した入力に基づき、チャットを行うか否かを判定する。例えば、初期設定画面において、“message”画像がタップされると、チャットを行う旨判定される。NOと判定されると、ステップS31に戻り、YESと判定されるとステップS44に進む。
【0072】
ステップS44では、入力受付部46を介して入力された宛先及びメッセージデータを、通信ネットワーク18を介してサーバ20に送信する。次ステップS45で、端末機器40は、送信したメッセージを含むチャット画像を生成し、表示部47に表示する。次ステップS46で、宛先である他のメンバーからのメッセージが受信される。次ステップS47で、自己のメッセージ及び宛先となっていた他のメンバーからのメッセージを含むチャット画面を表示部47に表示する(端末機器40G参照)。次ステップS48では、チャットの終了の有無が判定される。例えば、チャットの終了を選択する入力、他の画面への遷移指示等がなされた場合に、終了と判定されてもよい。NOと判定されると、ステップS44に戻り、続くチャットを表示する処理を実行する。YESと判定されると、ステップS36に進む。
【0073】
<グループによる禅行動画像表示処理について>
グループによる禅行動画像を表示する処理について説明する。図7は禅行動画像を生成及び表示するための処理を示すフローチャートである。図8はアバター31a、31b、31c及び禅空間32aの一例を示す図である。図9は禅行動画像の一例を示す図である。
【0074】
第1記憶部31には複数のアバター31a、31b、31cが記憶されている。アバター31a、31bは、前記グループに属する各メンバーに対応付けられている。アバターは、グループに属するメンバーのうち指導者である師範アバターに対応付けられていてもよい。アバター31a、31b、31cは、例えば、擬人化された3次元データであってもよい。アバター31a、31b、31cは、2次元データであってもよい。
【0075】
第2記憶部32には禅空間32aが記憶されている。禅空間32aは、禅を組むのに適した禅空間を、表現するデータであり、例えば、3次元データである。第2記憶部32には、複数の禅空間が記憶されてもよい。複数の禅空間は、例えば、端末機器40Bにおいて設定される複数の仮想的な禅空間に対応付けられていてもよい。禅空間32aは、2次元データによって表現されていてもよい。例えば、図8では、禅空間32aは、円板状の床32a1と、床32a1の周囲に設けられた円をなす壁32a2と、壁32a2の一部に設けられた扉32a3と、床32a1上の外周の内側にその周方向に沿って均等間隔で設けられた座禅用の複数の座布団32a4とによって表現されている。禅空間はその他直方体状の部屋のように表現されていてもよいし、自然空間のように表現されていてもよい。
【0076】
そして、禅空間32aにおいて、アバター31a、31bが禅を組むことが決定されると、各アバター31a、31bがいずれかの座布団32a4に対応する位置に設定される。アバター31a、31bの姿勢としては、例えば、壁32a2を向いて床32a1上に座ることが設定される。このため、サーバ20は、アバター31a、31bを、禅空間32aにおける座布団32a4上で座る姿勢で配置した状態で、所定の視点位置Pから観察可能な画像を2次元化するレンダリング処理等を実行することで、禅空間32aにおいてアバター31a、31bが禅を組む禅行動画像(図9参照)を生成することができる。なお、禅行動画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。また、視点位置Pは、例えば、ユーザに対応するアバター31a、31bの前方位置から禅空間32aにおける全ての座布団32a4が写り込む位置(つまり、全てのアバターが写り込む位置)であってもよい。表示部47をユーザがスワイプ等することによって視点位置Pの変更操作が端末機器40からサーバ20に送信されてもよい。サーバ20は、変更された視点位置Pに応じて、禅行動画像を生成してもよい。なお、禅行動画像において師範アバター31cが禅を行う様子が表現されてもよい(図9の2点鎖線参照)。アバター31a、31b上に、メンバーの名前、ニックネーム等が表示されてもよい。アバター31a、31bを選んでタップ等することによって、アバター31a、31bに対応するメンバーの詳細プロフィルが表示されてもよい。
【0077】
禅空間32a及びアバター31a、31bが3次元データであり、それらのデータに基づいて禅行動画像を生成すると、現実感に富んだ禅行動画像を生成できる。また、各種方向から見た禅行動画像を生成し易い。さらに、アバター31a、31bに各種動作を行わせた禅行動画像を生成し易い。
【0078】
禅空間32a及びアバター31a、31bが2次元データである場合には、禅空間32aにアバター31a、31bが重畳されることで、禅行動画像が生成されてもよい。
【0079】
上記禅行動画像を生成及び表示するにあたっては、ステップS51及びS59に示すように、複数の端末機器40からサーバ20に向けて、禅を行う禅空間の特定情報及び禅を組む予定時間が送信される。禅を行う禅空間及び禅を行う時間は、例えば、端末機器40Bにおける設定画面を通じて設定される。
【0080】
この後、サーバ20におけるステップS53において、各端末機器40からの入力に基づき、特定された禅空間において禅を行うメンバーを特定する。次ステップS54において、サーバ20は、第1記憶部31及び第2記憶部32を参照して、禅空間を表現するデータ及びメンバーに対応するアバター31a、31bを特定する。次ステップS55において、禅空間32aにおけるアバター31a、31bの位置を特定する。次ステップS56において、3次元データである禅空間32aに、アバター31a、31bを所定の姿勢で配置し、所定の視点位置から観察され得る禅行動画像(2次元画像)を生成する。次ステップS57において、メンバー毎に禅を行う時間を計時してもよい。計時は、他のタイミング、例えば、端末機器40からサーバ20に禅を組むことが送信された時点等に開始されてもよい。
【0081】
次ステップS58において、生成された禅行動画像を、各端末機器40に送信する。これにより、各端末機器40において、ステップS52及びS60に示すように、禅行動画像が表示される。なお、本システムでは、複数のアバター31a、31bが同じ禅空間32aにて禅を行う様子を表示するが、いずれかの禅空間において禅を行うメンバーが一人である場合には、当該禅空間において一人のアバターが禅を行う様子が表示されてもよい。
【0082】
上記処理がグループによる禅が終了するまで繰返される。禅を行っている最中では、基本的にはアバター31a、31bは動かないで静止した状態に保たれる。禅の終了は、例えば、全ての端末機器40に関し、予め設定された禅の予定時間が経過したとき、又は、任意の終了入力がなされたときである。
【0083】
禅を行っている途中で、ステップS61に示すように、他のメンバーの端末機器40が当該禅空間における禅を行うことが入力された場合、それ以降の禅行動画像に、途中参加するメンバーに対応するアバターが追加されてもよい。これにより、既に参加していたメンバーの端末機器40及び新たに参加したメンバーの端末機器40に、既アバターに新アバターが追加された禅行動画像が表示される(ステップS52、S60、S62参照)。禅を行っている途中で、いずれかのメンバーが先に終了する場合もある。例えば、いずれかのメンバーについて、予め設定された予定時間が先に経過した場合、任意に途中終了が入力された場合等である。この場合、禅行動画像から当該メンバーに対応するアバターが非表示とされてもよい。
【0084】
図10に示すように、禅行動画像を生成する最初、最後、又は途中において、アバター31dが禅空間32a内において禅を開始する行動又は禅を終了する行動のうちの少なくとも1つが表示されてもよい。例えば、アバター31dが扉32a3の位置から座布団32a4に向けて移動して座り始める様子、又は、逆に禅を組んだ状態から立って扉に向けて移動する様子が連続的な静止画又は動画として表示されてもよい。かかる画像は、例えば、サーバ20が、禅空間32a内においてアバター31dを予め設定された動きパターンに従って動かしつつ、レンダリング処理等を行うことで生成されてもよい。
【0085】
<まとめ>
このように構成された禅促進システム10によると、メンバーは、表示部47を通じて複数のアバター31a、31bが仮想的な禅空間32aにおいて禅を行う様子を視認することができる。座禅が薄めを開けて行われる場合、禅を組んでいる途中に禅行動画像が視認され得る。視認は、禅を行う直前になされてもよい。これにより、メンバーは、自己が他のメンバーと共に、禅空間において座禅を組む様子を頭の中でイメージしつつ、実空間で禅を行うことができる。このため、場所的、時間的、疫学的な制約によって、メンバーが禅空間に赴くことができない状況においても、静謐で禅を組むのに適するようにデザインされた禅空間で他のメンバーと共に禅を行っている擬似的体験が付与される。これにより、禅による精神活動が促進される。
【0086】
また、禅行動画像に師範アバター31cが表示されれば、メンバーは、禅空間32aで師範と共に禅を行う一体感を頂きつつ、実空間において禅を行うことができ、禅による精神活動がより促進される。
【0087】
また、本禅促進システム10は、入力受付部46及び表示部47を含む端末機器40を複数備えるため、各メンバーは、端末機器40によって禅行動に関する入力を行い、さらに、端末機器40を通じて自己のアバターが他のアバターと共に仮想的な禅空間において禅を行う様子を見ることができる。
【0088】
また、複数の端末機器40とサーバ20とが通信ネットワーク18を介して接続されているため、サーバ20が、複数の端末機器40との間で通信を行って、複数の端末機器40の間での調整処理、例えば、所定の禅空間において禅を行うアバター31a、31bの特定処理等を実行できる。
【0089】
なお、表示画像生成部22の処理は、サーバ20で行われる必要は無く、可能な範囲で端末機器40で行われてもよく、また、サーバ20と端末機器40との間で分散して処理されてもよい。
【0090】
また、禅行動画像表示後に、表示部47に質問が表示され、入力受付部46を通じて入力される回答が収集される。このため、メンバーが禅を行った後に、質問を発し、かつ、その回答を収集することができる。回答を行うことで、内省が促され、また、過去の禅の内容を顧みることでも内省が促される。
【0091】
また、複数の端末機器40から会話データの入力を受付け、会話データに基づいてチャット形式で複数のメンバー間の会話を表示するため、メンバー間でのコミュニケーション促進に役立つ。例えば、禅の後に、参加メンバーがリスト形式等で表示され、当該メンバーを宛先としてチャットできるようになっていてもよい。
【0092】
また、メンバーの身体状態を身体状態取得部43によって取得し、その身体状態に基づく禅行動状態表示画像を表示部47に表示させるため、禅を行っている際の身体状態がメンバーに容易に把握される。身体状態から精神の集中度合等を推測して表示するようにしてもよい。本実施形態では、単独で禅を行う場合に、禅行動状態表示画像を表示しているが、グループで禅を行う禅行動画像と禅行動状態表示画像とを同時に表示してもよい。
【0093】
また、サーバ20は、時間計測部26を備えるため、禅を行っている時間を把握できる。これにより、所定の予定時間終了後に禅の終了判定等を実施できる。また、禅を行った履歴等の管理に役立てることもできる。なお、端末機器40が、時間計測部を備えていてもよい。
【0094】
また、入力受付部46を通じた入力に応じて、活動メンバー集計部27が、同時に禅を行っているメンバーの数をカウントし、そのカウント数に応じた画像が生成され、表示部47に表示される。このため、メンバーは、同時に禅を行っているメンバーの数を把握しつつ禅を行うことができる。これにより、より多くのメンバーと一体感を持ちつつ禅を行うことができ、集中力をより高めることができる。
【0095】
また、第2記憶部32に複数の禅空間が記憶されており、表示画像生成部22は、複数の禅空間から選ばれた1つの禅空間においてアバター31a、31bが禅を行う禅行動画像を生成する。このため、メンバーは、自己が禅を組むのに適していると考えられる禅空間において自己のアバターが禅を行っている画像を見ることができ、禅行動をより促進させることができる。
【0096】
また、表示画像生成部22は、入力受付部46を通じた禅行動に関する入力に応じて、アバター31a、31bが禅空間32aにおいて禅を開始する行動及び禅を終了する行動のうちの少なくとも1つを行う禅行動画像を生成する。このため、メンバーは、自己のアバターの禅の開始行動又は終了行動を見ることができ、これにより、禅を行う前後の気持の切替を行い易くなる。
【0097】
また、禅行動画像は、アバター31a、31bが禅空間32a内において静止して禅を行う画像を含むため、禅空間32a内において禅を行う様子をイメージし易い。
【0098】
また、サーバ20が、端末機器40及び通信ネットワーク18を介して禅行動に関する入力を受付け、この入力受付に応じて、グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数のアバター31a、31bが仮想的な禅空間32a内において禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成し、この禅行動画像を表現するデータを複数の端末機器40のうちの少なくとも1つに送信する。なお、仮想的な禅空間32a内において禅を行う禅行動画像を表現するデータとは、上記2次元化された禅行動画像であってもよく、3次元における禅空間32aにおいて3次元データであるアバター31a、31bが配置された3次元データであってもよい。
【0099】
前者の場合、端末機器40において、画像処理のための負荷を少なくすることができる。また、端末機器40に送信するデータ量を少なくすることもできる。このため、例えば、3次元データである禅空間32aと3次元データであるアバター31a、31bとに基づいて禅行動画像を生成する場合に、有効である。後者の場合、端末機器40において、3次元データから表示部47への表示に適したレンダリング処理等が実行されてもよい。
【0100】
また、上記仮想的な禅空間32a内において禅を行う禅行動画像を表現するデータが、当該禅空間32aにおいて禅を行うメンバーに対応する複数の端末機器40に送信される。このため、複数のメンバーが、同じ禅行動画像で禅を行っているアバター31a、31bを見ることができ、禅を行う際にメンバー間の一体感が増す。
【0101】
また、サーバ20が、端末機器40及び通信ネットワーク18を介して複数の禅空間のうちの1つの指定する処理を受付け、当該指定された1つの禅空間32aにおいて禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する。このため、メンバーは、複数の禅空間から選ばれた1つの禅空間において、自己のアバターが禅を行っている画像を見ることができる。この場合に、他のメンバーが同じ禅空間を指定した場合には、当該他のメンバーに対応するアバターも、同じ禅空間において禅を行っている様子が観察され得る。
【0102】
また、端末機器40が禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数のアバター31a、31bが仮想的な禅空間32a内において禅を行う禅行動画像を表示部47に表示するため、端末機器40を所持するメンバーが、禅行動画像を容易に視認できる。
【0103】
また、端末機器40が身体状態取得部43を備え、身体状態取得部43によって取得されたデータに基づく禅行動状態画像を表示部47に表示すれば、端末機器40を所有するメンバーが禅を行っている際の身体状況を容易に把握できる。
【0104】
また、端末機器40が同時に禅を行っているメンバーの数に応じた画像を表示部47に表示すれば、メンバーは、同時に禅を行っているメンバー数を容易に把握することができる。
【0105】
{第2実施形態}
第1実施形態において説明されたサーバ20及び端末機器40における各処理例は一例であり、本システム10における各処理が第1実施形態におけるサーバ20及び端末機器40のように分散されていることは必須ではない。
【0106】
図11はサーバ20に対応するサーバ120のブロック図である。このサーバ120に示すように、図2に示すサーバ20において、表示画像生成部22、質問問合部23、回答収集部24、時間計測部26が省略されてもよい。また、記憶部30において、質問回答データ33が省略されてもよい。このサーバ120のプロセッサ121は、プログラム135に記述された処理に従った演算処理を実行することによって、上記と同様に、チャット中継処理部25及び活動メンバー集計部27としての処理を実行し、さらに、禅空間アバター特定部122としての処理を実行する。禅空間アバター特定部122は、上記禅行動画像生成部22aとしての処理のうち、各端末機器40からの送信データに基づき、特定された禅空間において禅を行うアバターを特定する処理である。本処理では、例えば、いずれかの端末機器40から、いずれかの禅空間においてグループによる禅を行う旨が入力されると、特定された禅空間にて禅を行う一人又は複数のメンバーに対応するアバターを特定し、特定された禅空間及び特定されたアバターに関するデータを、当該禅空間において禅を行うメンバーの端末機器40に送信する。特定された禅空間及び特定されたアバターに関するデータは、禅空間及びアバターを特定する識別データであってもよいし、禅空間及びアバターを表現するデータそのものであってもよい。
【0107】
図12は、端末機器40に対応する端末機器140のブロック図である。同図に示すように、記憶部44に対応する記憶部144が、アバターを記憶する第1記憶部146と、禅空間を記憶する第2記憶部147とを含む。アバター及び禅空間は、例えば、サーバ120から通信ネットワーク18を介して送信されたデータである。アバター及び禅空間の一方又は両方は、禅を行うか否かに拘らず事前に端末機器40に記憶されていてもよいし、禅を行う度にサーバ20から端末機器40にダウンロードされてもよい。前者の場合、禅を行う度にデータをダウンロードする必要が無く、禅を行う際の画像生成処理等が早くなることが期待される。後者の場合、端末機器40における保存データ量を少なくできる。記憶部144には、質問回答データ148も記憶されてもよい。
【0108】
記憶部144にはプログラム145が記憶されており、プロセッサ141は、プログラム145に記述された処理に従った演算処理を実行することによって、表示制御部142、チャット処理部151、表示画像生成部152、質問問合部153、回答収集部154、時間計測部155としての動作を実行する。
【0109】
表示制御部142は、上記表示制御部41aと同様に、表示部47における表示を制御する。チャット処理部151は、上記チャット処理部41bと同様に、サーバ20と通信を行いつつ、複数の入力受付部46を通じて、複数のメンバーからの会話データの入力を受付け、会話データに基づいてチャット形式で複数のメンバーの会話を表示する。
【0110】
表示画像生成部152は、禅行動画像生成部152a、禅行動状態表示画像生成部152b及びメンバーカウント画像生成部152cとしての動作を処理する。禅行動画像生成部152aは、サーバ120から通信ネットワーク18を介して送信された特定された禅空間及び特定されたアバターに関するデータ、アバターのデータ及び禅空間のデータ等に基づき、上記禅行動画像生成部22aと同様に、禅行動画像を生成する。生成された禅行動画像は、第1実施形態と同様に、表示部47に表示される。
【0111】
つまり、サーバ120は、複数の端末機器40と通信を行って、禅空間におけるアバターの割当て処理等を実行し、表示用の画像生成に係る処理については、端末機器140で行う。例えば、図13に示すように、図7に示すフローチャートにおけるステップS55の処理により決定されたデータが、ステップS101にて当該禅空間において禅を行うメンバーに対応する端末機器40に送信されてもよい。なお、ステップS54の処理によるデータが端末機器140に送信され、端末機器40において禅空間におけるアバターの位置が決定されてもよい。そして、各端末機器40において、禅行動画像を生成する処理(ステップS102、S106)、禅開始からの時間を計測する処理(ステップS103、S107)、生成された禅行動画像を表示部47に表示する処理(ステップS104、S108)等が実行されてもよい。
【0112】
禅行動状態表示画像生成部152bは、第1実施形態における禅行動状態表示画像生成部22bとしての処理を、自己の身体状態取得部43で取得したデータに基づき実行する。メンバーカウント画像生成部152cは、上記第1実施形態におけるメンバーカウント画像生成部22cとしての処理を、サーバ120から通信ネットワーク18を介して送信されたデータに基づいて実行する。
【0113】
質問問合部153、回答収集部154及び時間計測部155は、第1実施形態における質問問合部23、回答収集部24及び時間計測部26としての処理を実行する。
【0114】
本実施形態によると、端末機器140において、禅行動画像を生成することができる。このため、サーバ120の処理負担を小さくすることができる。また、端末機器40が禅空間及びアバターのデータを受信した後は、画像データを送受信する必要がなくなり、データ通信量を少なくできる。また、データ通信が一時的に途絶えたとしても、既存のデータに基づいて、禅行動画像を表示する処理を継続することができる。
【0115】
また、端末機器140が時間計測部26としての処理を実行すれば、端末機器140において禅を行っている時間を把握できる。
【0116】
{変形例}
上記第1実施形態及び第2実施形態において、禅行動状態を表示するための処理、メンバーカウント画像を表示するための処理、チャットを行うための処理等のうちの一部又は全部は省略されてもよい。これらの各処理がサーバ20、120で行われるか、端末機器40、140で行われるかについては、任意の組合せによる実現が可能である。
【0117】
各実施形態では、サーバ20、120と端末機器40、140との通信によって実現されるシステム例で説明されたが、複数の端末機器の間でPeer to Peer方式で通信を行うことで、上記システム或いはプログラムが処理されるコンピュータが実現されてもよい。
【0118】
サーバー20または120は、サーバ20または120に含まれる各部(例えばプロセッサ21、記憶部30など)のうち、一部が他とは異なる場所に配置され、有線及び/又は無線による通信ネットワークを介して、各部同士が接続されることで、構成されてもよい。
【0119】
プロセッサ21または121は、プロセッサ21または121に含まれる各部(例えば22-27、122など)のうち、一部が他とは異なる場所に配置され、有線及び/又は無線による通信ネットワークを介して、各部同士が接続されることで、構成されてもよい。
【0120】
記憶部30または130は、記憶部30または130に含まれる各部(例えば31-35など)のうち、一部が他とは異なる場所に配置され、有線及び/又は無線による通信ネットワークを介して、各部同士が接続されることで、構成されてもよい。
【0121】
端末機器40または140は、端末機器40または140に含まれる各部(例えば41-48、142-155など)のうち、一部が他とは異なる場所に配置され、有線及び/又は無線による通信ネットワークを介して、各部同士が接続されることで、構成されてもよい。また、端末機器40に含まれる各部の一部は、サーバ20等の他の装置に含まれていてもよい。
【0122】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0123】
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
【0124】
第1の態様は、禅を行うグループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターを記憶する第1記憶部と、仮想的な禅空間を記憶する第2記憶部と、前記メンバーから入力を受付ける入力受付部と、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記複数のアバターのうちの複数が前記禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する表示画像生成部と、前記表示画像生成部で生成された禅行動画像を表示する表示部と、を備える禅促進システムである。
【0125】
これにより、メンバーは、表示部を通じて複数のアバターが仮想的な禅空間において禅を行う様子を見ることによって、禅空間において禅を行う様子を頭の中でイメージしつつ、実空間において禅を行うことができる。このため、場所的、時間的、疫学的制約に拘わらず、禅による精神活動を促進させることができる。
【0126】
第2の態様は、第1の態様に係る禅促進システムであって、前記第1記憶部は、前記複数のアバターとして、師範アバターを含み、前記表示画像生成部は、前記複数のアバターのうちの前記師範アバターを含む複数のアバターが前記禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する。これにより、メンバーは、師範と共に禅を行う様子を頭の中でイメージしつつ、実空間において禅を行うことができる。
【0127】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る禅促進システムであって、前記入力受付部及び前記表示部を含む端末機器を複数備える。これにより、メンバーは、端末機器によって禅行動に関する入力を行い、さらに、端末機器を通じて自己のアバターが仮想的な禅空間において禅を行う様子を見ることができる。
【0128】
第4の態様は、第3の態様に係る禅促進システムであって、前記複数の端末機器と、通信ネットワークを介して接続され、前記第1記憶部と、前記第2記憶部と、前記表示画像生成部のうちの少なくとも一部の処理を実行する処理部のうちの少なくとも1つを含むサーバを備える。これにより、サーバが複数の端末機器と通信を行って、複数のメンバー間の調整処理等を実行できる。
【0129】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記禅行動画像表示後に、前記表示部を通じた質問を発する質問問合せ部と、前記入力受付部を通じて入力される回答を収集する回答収集部と、をさらに備える。これにより、メンバーが禅を行った後に質問を発し、その回答を収集することができる。
【0130】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記入力受付部を複数備え、前記複数の入力受付部を通じて、複数の前記メンバーからの会話データの入力を受付け、前記会話データに基づいてチャット形式で前記複数のメンバーの会話を表示するチャット処理部をさらに備える。これにより、メンバー間におけるコミュニケーション促進に役立てられる。
【0131】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記メンバーの身体状態を取得する身体状態取得部をさらに備え、前記表示画像生成部は、前記身体状態取得部によって取得されたデータに基づく禅行動状態表示画像を生成する。これにより、禅を行っている際の身体状態を把握し易い。
【0132】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を行う時間を計測する時間計測部をさらに備える。これにより、禅を行っている時間を把握できる。
【0133】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、同時に禅を行っているメンバーの数をカウントする活動メンバー集計部をさらに備え、前記表示画像生成部は、前記活動メンバー集計部によるカウント数に応じた画像を生成する。これにより、同時に禅を行っているメンバー数が把握される。
【0134】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記第2記憶部は、複数の前記禅空間を記憶し、前記表示画像生成部は、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記複数の禅空間のうちの1つにおいて禅を行う禅行動画像を生成する。これにより、複数の禅空間から選ばれた1つの禅空間において、自己のアバターが禅を行っている画像を見ることができる。
【0135】
第11の態様は、第1から第10のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記表示画像生成部は、前記入力受付部を通じた禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を開始する行動及び禅を終了する行動のうちの少なくとも1つを行う禅行動画像を生成する。この場合、メンバーは、自己のアバターが禅空間において禅を開始する行動又は禅を終了する行動を見ることによって、禅を行う前後の気持ちの切替を行い易くなる。
【0136】
第12の態様は、第1から第11のいずれか1つの態様に係る禅促進システムであって、前記禅行動画像は、前記アバターが前記禅空間内において静止して禅を行う画像を含む。これにより、ユーザは、禅空間内において静止して禅を行う様子をイメージし易い。
【0137】
第13の態様は、コンピュータに、禅を行うグループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表示部に表示する処理と、を実行させるためのプログラム又はコンピュータプログラム媒体である。これにより、メンバーは、表示部を通じて複数のアバターが仮想的な禅空間において禅を行う様子を見ることによって、禅空間において禅を行う様子を頭の中でイメージしつつ、実空間において禅を行うことができる。このため、場所的、時間的、疫学的制約に拘わらず、禅による精神活動を促進させることができる。
【0138】
第14の態様は、第13の態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、前記禅行動画像を表示部に表示する処理は、禅を行うグループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターと仮想的な禅空間とに基づいて、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を生成する処理を含む。これにより、禅行動画像を表示するコンピュータ側で、禅行動画像を生成することができる。
【0139】
第15の態様は、第13又は第14の態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、コンピュータに、さらに、身体状態取得部を通じて前記メンバーの身体状態を取得する処理と、前記身体状態取得部によって取得されたデータに基づく禅行動状態画像を前記表示部に表示する処理と、をさらに実行させる。これにより、ユーザは、禅を行っている際の身体状態を把握し易くなる。
【0140】
第16の態様は、第13から第15のいずれか1つの態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、コンピュータに、禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記禅空間内において禅を行う時間を計測する処理をさらに実行させる。これにより、ユーザは、禅を行っている時間を把握できる。
【0141】
第17の態様は、第13から第16のいずれか1つの態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、コンピュータに、同時に禅を行っているメンバーの数に応じた画像を前記表示部に表示する処理をさらに実行させる。これにより、ユーザは、同時に禅を行っているメンバー数を把握することができる。
【0142】
第18の態様は、コンピュータに、禅を行うグループに所属する複数のメンバー側の複数の端末機器と通信ネットワークを介して通信可能に接続する処理と、前記複数の端末機器を介して前記グループに所属するメンバーからの禅行動に関する入力を受付ける処理と、禅行動に関する入力を受付けると、前記グループに所属する複数のメンバーに対応する複数のアバターのうちの複数が仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する処理と、前記禅行動画像を表現するデータを前記複数の端末機器のうちの少なくとも1つに送信する処理と、を実行させるためのプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトである。
【0143】
これにより、メンバーは、端末機器を通じて自己のアバターが仮想的な禅空間において禅を行う様子を見ることによって、禅空間において禅を行う様子を頭の中でイメージしつつ、実空間において禅を行うことができる。このため、場所的、時間的、疫学的制約に拘わらず、禅による精神活動を促進させることができる。また、コンピュータは、複数の端末機器から禅行動に関する入力を受付けて、複数のアバターのうちの少なくとも1つが仮想的な禅空間内において禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成することができる。
【0144】
第19の態様は、第18の態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、前記禅行動画像を表現するデータを前記複数の端末機器のうちの複数に送信する。これにより、同じ画像が複数の端末機器で共有される。このため、複数のメンバーが同じ禅堂で禅を行っている様子が同時に表示され得る。
【0145】
第20の態様は、第19の態様に係るプログラム又はコンピュータプログラムプロダクトであって、前記グループに所属するメンバーからの複数の禅空間のうちの1つを指定する処理を受付け、禅行動に関する入力に応じて、前記アバターが前記複数の禅空間のうちの1つにおいて禅を行う禅行動画像を表現するデータを生成する処理を実行させる。これにより、複数の禅空間から選ばれた1つの禅空間において、自己のアバターが禅を行っている画像を見ることができる。この場合に、他のメンバーが同じ禅空間を指定した場合には、当該他のメンバーに対応するアバターも、同じ禅空間において禅を行っている様子が観察され得る。
【0146】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0147】
10 禅促進システム
18 通信ネットワーク
20、120 サーバ
21、121 プロセッサ
22、152 表示画像生成部
22a、152a 禅行動画像生成部
22b、152b 禅行動状態表示画像生成部
22c、152c メンバーカウント画像生成部
23、153 質問問合部
24、154 回答収集部
25 チャット中継処理部
26、155 時間計測部
27 活動メンバー集計部
30 記憶部
31、146 第1記憶部
31a、31b アバター
31c 師範アバター
32、147 第2記憶部
32a 禅空間
35、135 プログラム
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G、140 端末機器
41、141 プロセッサ
41a、142 表示制御部
41b、151 チャット処理部
43 身体状態取得部
44、144 記憶部
45 プログラム
46 入力受付部
47 表示部
122 禅空間アバター特定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13