(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】撮影モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 23/68 20230101AFI20240520BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240520BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20240520BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240520BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240520BHJP
【FI】
H04N23/68
H04N23/50
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2022554924
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021086871
(87)【国際公開番号】W WO2021208898
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202010306951.7
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パン、チンチュアン
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210157254(CN,U)
【文献】国際公開第2019/221038(WO,A1)
【文献】特開2010-096863(JP,A)
【文献】特開2019-219564(JP,A)
【文献】特開2017-032965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50
H04N 23/68
G03B 5/00
G02B 7/04
G02B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影モジュールであって、レンズモジュールと手振れ防止モジュールを含み、前記手振れ防止モジュールは外枠体(100)と第一の駆動アセンブリを含み、前記レンズモジュールは前記外枠体(100)内に回転可能に設置され、
前記第一の駆動アセンブリは第一の駆動コイル(102)と第一の磁気素子(420)を含み、前記第一の駆動コイル(102)と前記第一の磁気素子(420)のうちの一方は前記外枠体(100)に設置され、他方は前記レンズモジュールに設置され、且つ前記第一の駆動コイル(102)は前記第一の磁気素子(420)の磁界に位置し、
前記第一の駆動コイル(102)が通電される場合、前記レンズモジュールは前記外枠体(100)に対して回転
でき、
前記手振れ防止モジュールは、内枠体(200)と第二の駆動アセンブリをさらに含み、前記内枠体(200)は第一の回転軸周りに前記外枠体(100)に回転可能に設置され、且つ前記レンズモジュールは第二の回転軸周りに前記内枠体(200)に回転可能に設置され、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸との回転軸線は交差し、
前記第二の駆動アセンブリは、第二の駆動コイル(101)と第二の磁気素子(410)を含み、前記第二の駆動コイル(101)と前記第二の磁気素子(410)とのうちの一方は前記外枠体(100)に設置され、他方は前記内枠体(200)又は前記レンズモジュールに設置され、且つ前記第二の駆動コイル(101)は前記第二の磁気素子(410)の磁界に位置し、
前記第二の駆動コイル(101)が通電される場合、前記レンズモジュールと前記内枠体(200)は前記外枠体(100)に対して回転でき、
前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)は前記レンズモジュールに設置され、且つ前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)は前記第一の回転軸の同一側に位置し、且つ前記第二の回転軸の両側に位置し、又は、前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)は前記第二の回転軸の同一側に位置し、且つ前記第一の回転軸の両側に位置し、
前記レンズモジュールは、レンズ(300)と第三の駆動アセンブリ(400)を含み、前記レンズ(300)は前記第三の駆動アセンブリ(400)内に可動設置され、且つ前記第三の駆動アセンブリ(400)によって前記レンズ(300)の焦点距離を調整することができ、
前記第三の駆動アセンブリ(400)は、第三の駆動コイル(411)と第四の駆動コイルを含み、前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)は前記レンズ(300)の両側に設置され、且つそれぞれ前記レンズ(300)との間に動き間隔があり、前記第三の駆動コイル(411)と前記第四の駆動コイルは前記レンズ(300)の外壁に設置され、且つ前記第三の駆動コイル(411)は前記第二の磁気素子(410)に向く側に位置し、前記第四の駆動コイルは前記第一の磁気素子(420)に向く側に位置し、
前記第三の駆動アセンブリ(400)は、さらに筐体を含み、前記筐体は、収容キャビティ及び前記収容キャビティに連通する開口を含み、前記レンズ(300)の一端は前記収容キャビティに位置し、他端は前記開口に伸縮可能に設置され、前記レンズ(300)の前記開口から離れた側に感光チップ(510)と回路基板(500)が設置され、前記感光チップ(510)は前記回路基板(500)に設置され、且つ前記レンズ(300)に向き、前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)は前記収容キャビティの内側壁に設置され、且つ前記筐体の側面の、前記第二の磁気素子(410)と前記第一の磁気素子(420)に対応する位置に窓口(450)がそれぞれ開けられる、
撮影モジュール。
【請求項2】
前記第一の磁気素子(420)は、磁極が逆になるように設置された第一の磁気部と第二の磁気部を含み、前記第一の磁気部のN極と前記第二の磁気部のS極は、それぞれ前記第一の駆動コイル(102)が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、前記第一の磁気部のS極と前記第二の磁気部のN極は、それぞれ前記第四の駆動コイルが通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、前記第二の磁気素子(410)は、磁極が逆になるように設置された第三の磁気部(4101)と第四の磁気部(4102)を含み、前記第三の磁気部(4101)のN極と前記第四の磁気部(4102)のS極は、それぞれ前記第二の駆動コイル(101)が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、前記第三の磁気部(4101)のS極と前記第四の磁気部(4102)のN極は、それぞれ前記第三の駆動コイル(411)が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向く、請求項
1に記載の撮影モジュール。
【請求項3】
前記回路基板(500)に第一の配線基板(501)が設置され、且つ前記第一の配線基板(501)はフレキシブル配線基板であり、S字形に折り畳まれて曲げられる、請求項
1に記載の撮影モジュール。
【請求項4】
前記撮影モジュールは、前記内枠体(200)と前記レンズモジュールのうちの少なくとも一つの回転角度を検出するための角度検出モジュールをさらに含む、請求項
1に記載の撮影モジュール。
【請求項5】
前記角度検出モジュールは、それぞれ前記内枠体(200)と前記レンズモジュールを検出するための第一のセンサ(1011)と第二のセンサ(1021)を含み、前記第一のセンサ(1011)と前記第二のセンサ(1021)のうちの一方は前記第一の駆動コイル(102)に設置され、他方は前記第二の駆動コイル(101)に設置される、請求項
4に記載の撮影モジュール。
【請求項6】
前記内枠体(200)は、二つの第一の取り付け台(210)を含み、前記外枠体(100)の内側壁の前記第一の取り付け台(210)に対応する位置に第一の回転台(110)がそれぞれ設置され、且つ一つの前記第一の取り付け台(210)は一つの前記第一の回転台(110)に対応し、前記第一の取り付け台(210)と前記第一の回転台(110)のうちの一方に第一の凸部が設置され、他方に前記第一の凸部に適合する第一の窪み部が設置され、前記第一の凸部は前記第一の窪み部に嵌め込まれ、且つ前記第一の窪み部に回転係合し、二つの前記第一の凸部は前記第一の回転軸を形成し、
前記内枠体(200)は、二つの第二の取り付け台(220)を含み、前記レンズモジュールの外側壁の前記第二の取り付け台(220)に対応する位置に第二の回転台(120)がそれぞれ設置され、且つ一つの前記第二の取り付け台(220)は一つの前記第二の回転台(120)に対応し、前記第二の取り付け台(220)と前記第二の回転台(120)のうちの一方に第二の凸部が設置され、他方に前記第二の凸部に適合する第二の窪み部が設置され、前記第二の凸部は前記第二の窪み部に嵌め込まれ、且つ前記第二の窪み部に回転係合し、二つの前記第二の凸部は前記第二の回転軸を形成する、請求項
1記載の撮影モジュール。
【請求項7】
前記第一の凸部と前記第二の凸部の形状は円筒状であり、前記第一の窪み部と前記第二の窪み部は止まり穴又は貫通孔である、請求項
6に記載の撮影モジュール。
【請求項8】
前記レンズモジュールの、前記第二の回転軸の回転軸線が通る両側の外壁に取り付け部(440)がそれぞれ設置され、前記取り付け部(440)の一端は前記レンズモジュールに接続され、前記取り付け部(440)の他端は前記レンズモジュールの外側壁に沿って伸び、且つ前記取り付け部(440)と前記レンズモジュールとの間に隙間があり、一つの前記第二の回転台(120)は一つの前記取り付け部(440)に対応し、且つ前記第二の回転台(120)は前記隙間内に位置し、且つ前記取り付け部(440)の前記レンズモジュールに向く内側面に設置される、請求項
6に記載の撮影モジュール。
【請求項9】
請求項1から
請求項8のいずれか1項に記載の撮影モジュールを含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、特に撮影モジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
写真撮りと撮影機能のスマートフォン端末での応用の普及に伴い、ユーザは、スマートフォンカメラの結像品質に対する要求がますます高くなる。そのうち、スマートフォンカメラで写真を撮り又は撮影する過程において、手で持ち又は歩くことによる手振れがレンズモジュールの画像ぼかしを引き起こし、スマートフォンカメラの結像品質が低くなるという問題を回避するために、スマートフォンカメラのレンズモジュールは、該当する手振れ防止安定システムの配置によって手振れ時のレンズモジュールの画像オフセットを補正することで、スマートフォンカメラの結像品質を確保する。
【0003】
現在、スマートフォンの手振れ防止安定システムは主にレンズをパン又はチルトさせる方式によりレンズモジュールの画像オフセットを補正する。しかし、レンズをパン又はチルトさせる方式によって、レンズは感光チップに対して相対移動又はチルトが発生し、そのため、光学的では、レンズの直径が感光チップのサイズより大きく、相対移動又はチルト時の感光チップの結像領域を覆うように要求され、さらにレンズの直径を大きく設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は撮影モジュール及び電子機器を開示することで、現在のスマートフォンカメラの手振れ防止安定システムによるレンズモジュールのレンズの直径が大きく設計されたという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明は下記技術案を採用する。
【0006】
第一の方面によれば、本発明は撮影モジュールを提供し、前記撮影モジュールはレンズモジュールと手振れ防止モジュールを含み、前記手振れ防止モジュールは外枠体と第一の駆動アセンブリを含み、前記レンズモジュールは前記外枠体内に回転可能に設置され、前記第一の駆動アセンブリは第一の駆動コイルと第一の磁気素子を含み、前記第一の駆動コイルと前記第一の磁気素子のうちの一方は前記外枠体に設置され、他方は前記レンズモジュールに設置され、且つ前記第一の駆動コイルは前記第一の磁気素子の磁界に位置し、前記第一の駆動コイルが通電される場合、前記レンズモジュールは前記外枠体回転に対して回転することができる。
【0007】
第二の方面によれば、本発明は電子機器を提供し、前記電子機器は上記撮影モジュールを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明が開示した撮影モジュール及び電子機器は、第一の磁気素子の磁界によって第一の駆動コイルが通電される場合で第一の磁気素子のアンペール力を受けることができ、且つ流された電流の大きさ、方向の調整によって、第二の駆動コイルのアンペール力の大きさ、方向に対する調整を実現する。それにより、第一の駆動コイルが受けたアンペール力を利用してレンズモジュールに対して回転調整を行うことができ、このように、手振れ時の画像オフセット量に対する補正を実現し、さらにレンズモジュールの結像品質を高める。
【0009】
本発明の実施例が開示した撮影モジュールは、回転過程においてレンズと感光チップとの間の相対位置が変わらないように維持することができ、レンズは直径が小さい設計サイズを採用することで結像要求を満たすことができ、それは撮影手振れ防止の基本機能を実現するだけでなく、電子機器内部の構造レイアウトを最適化することができることは明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例が開示した撮影モジュールの構造概略図。
【
図2】本発明の実施例が開示した撮影モジュールの断面構造概略図。
【
図3】
図2におけるA部分のアンペール力の作用の原理概略図。
【
図4】本発明の実施例が開示した外枠体と第三の駆動アセンブリの構造概略図。
【
図5】本発明の実施例が開示したレンズモジュールと手振れ防止モジュールの解体構造概略図。
【
図6】本発明の実施例が開示した手振れ防止モジュールの解体構造概略図。
【
図7】本発明の実施例が開示した内枠体とレンズモジュールの組み立て構造概略図。
【
図8】本発明の実施例が開示した第一の回転台と第一の取り付け台の組み立て構造概略図。
【
図9】本発明の実施例が開示した取り付け部、第二の回転台と第二の取り付け台の組み立て構造概略図。
【
図10】本発明の実施例が開示した第一の配線基板の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで説明された図面は、本発明へのさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の一部になり、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するためのものであり、本発明を不適当に限定するためのものでない。
【0012】
本発明の目的、技術案と利点をより明瞭にするために、以下では、本発明の具体的な実施例及び該当する図面を結びつけながら本発明の技術案を明瞭、完全に記述する。明らかなように、記述された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全部ではない。本発明における実施例により、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた他の実施例のすべては、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0013】
以下では、図面を結びつけながら、本発明の各実施例が開示した技術案を詳細に説明する。
【0014】
図1から
図10に示すように、本発明の実施例は撮影モジュールを開示し、開示された撮影モジュールはレンズモジュールと手振れ防止モジュールを含む。
【0015】
手振れ防止モジュールは、レンズモジュールの手振れ防止機能アセンブリとして、レンズモジュールの画像オフセットを補正し、手振れが画像の結像品質に影響を与えることを回避することができる。
【0016】
本発明の実施例が開示した手振れ防止モジュールは、外枠体100と第一の駆動アセンブリを含み、レンズモジュールは外枠体100内に回転可能に設置され、つまり、レンズモジュールは外枠体100内で外枠体100に対して相対回転することができる。
【0017】
そのうち、第一の駆動アセンブリは、第一の駆動コイル102と第一の磁気素子420を含み、第一の駆動コイル102と第一の磁気素子420のうちの一方は外枠体100に設置され、他方はレンズモジュールに設置され、且つ第一の駆動コイル102は第一の磁気素子420の磁界に位置し、それによって電流が第一の駆動コイル102を通る時、第一の磁気素子420の磁界は、第一の駆動コイル102に対してアンペール力を発生させることができる。第一の磁気素子420は永久磁石又は電磁石であってもよい。
【0018】
第一の駆動コイル102が通電される場合、レンズモジュールは外枠体100に対して回転することができる。具体的に言えば、第一の磁気素子420の磁界によって第一の駆動コイル102は電流を流す場合で第一の磁気素子420のアンペール力を受けることができ、且つ流された電流の大きさ、方向の調整によって、第一の駆動コイル102のアンペール力の大きさ、方向に対する調整を実現する。
【0019】
それにより、第一の駆動コイル102が受けたアンペール力を利用してレンズモジュールに対して回転調整を行うことができ、このように手振れ時の画像オフセット量に対する補正を実現し、さらにレンズモジュールの結像品質を高める。
【0020】
従来の技術において採用されたレンズ300パン又はチルトによってレンズモジュールの画像オフセットを補正する方式に比べて、本発明の実施例が開示した撮影モジュールは手振れ時の画像オフセット量を補正し、レンズモジュールの結像品質を高めることができるだけでなく、回転過程においてレンズ300と感光チップ510との間の相対位置が変わらないように維持し、設計されたレンズ300の直径サイズを小さくし、電子機器内部の構造レイアウトを最適化することもできる。
【0021】
レンズモジュールがいずれかの方向での角度補償を実現するように、選択的な態様では、手振れ防止モジュールは、内枠体200と第二の駆動アセンブリをさらに含んでもよく、内枠体200は外枠体100内に回転可能に設置される。さらに具体的には、内枠体200は第一の回転軸周りに外枠体100に回転可能に設置され、且つレンズモジュールは第二の回転軸周りに内枠体200に回転可能に設置され、第一の回転軸と第二の回転軸の回転軸線は交差して設置され、それによってレンズモジュールと内枠体200との間は互いに干渉せず、レンズモジュールは単独で第二の回転軸周りに回転でき、それと同時に、内枠体200とともに第一の回転軸周りに回転することができ、それによってレンズモジュールはいずれかの方向に回転して調整し、レンズモジュールのより大きい範囲での手振れ防止を実現することができる。
【0022】
そのうち、第二の駆動アセンブリは、第二の駆動コイル101と第二の磁気素子410を含み、第二の駆動コイル101と第二の磁気素子410のうちの一方は外枠体100に設置され、他方は内枠体200又はレンズモジュールに設置され、且つ第二の駆動コイル101は第二の磁気素子410の磁界に位置し、それによって電流が第二の駆動コイル101を通る時、第二の磁気素子410の磁界は第二の駆動コイル101に対してアンペール力を発生させることができる。第二の磁気素子410は永久磁石又は電磁石であってもよい。
【0023】
第二の駆動コイル101が通電される場合、内枠体200とレンズモジュールは、外枠体100に対して回転することができる。具体的に言えば、第二の磁気素子410の磁界によって第二の駆動コイル101は電流を流す場合で第二の磁気素子410のアンペール力を受けることができ、且つ流された電流の大きさ、方向の調整によって、第二の駆動コイル101のアンペール力の大きさ、方向に対する調整を実現する。それにより、上記したように、第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が受けたアンペール力を利用してレンズモジュールと内枠体200に対して回転調整をそれぞれ行うことができ、且つレンズモジュールと内枠体200の回転調整は互いに干渉せず、レンズモジュール全体のいずれかの方向での回転を実現し、即ちレンズモジュールのいずれかの方向での手振れが発生する時に、その画像オフセット量をいずれも補正することができ、レンズモジュールの結像品質をさらに高めた。
【0024】
本実施例では、第二の駆動コイル101、第一の駆動コイル102、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420の種類と設置位置が限定されていなく、無論、それらはそれぞれの対応設置関係を維持する必要がある。
【0025】
具体的な実施の形態では、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420がレンズモジュールに設置され、且つ第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第一の回転軸の同一側に位置し、且つ前記第二の回転軸の両側に位置し、又は、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第二の回転軸の同一側に位置し、且つ第一の回転軸の両側に位置する。又は、第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102がレンズモジュールに設置されてもよく、それに応じて、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420が外枠体100に設置され、それと同時に、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第一の回転軸の同一側に位置し、且つそれぞれ第二の回転軸の両側に位置してもよい。具体的には、レンズモジュールは、レンズ300と第三の駆動アセンブリ400を含み、レンズ300は第三の駆動アセンブリ400内に可動設置され、且つ第三の駆動アセンブリ400によって前記レンズ300の焦点距離を調整することができる。一般的には、第三の駆動アセンブリ400はボイスコイルモータであり、ボイスコイルモータは、作動時にレンズ300に対して駆動作用を発生させてレンズ300を移動させて、さらにレンズ300の焦点距離を調整する。
【0026】
そのうち、
図2と
図4に示すように、第三の駆動アセンブリ400は、第三の駆動コイル411、第四の駆動コイルを含んでもよく、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420はレンズ300の両側に設置され、且つレンズ300との間に動き間隔がそれぞれ残され、第三の駆動コイル411と第四の駆動コイルはレンズ300の外壁に設置され、且つ第三の駆動コイル411は第二の磁気素子410に向く側に位置し、第四の駆動コイルは第一の磁気素子420に向く側に位置し、それによって第三の駆動コイル411と第四の駆動コイルが通電される時、第二の磁気素子410と第三の駆動コイル411、第一の磁気素子420と第四の駆動コイルが発生したアンペール力を利用してレンズ300が回転するように制御し、レンズ300の焦点距離の調整を実現する。
【0027】
以上から分かるように、選択的に、第二の駆動コイル101と第三の駆動コイル411は、第二の磁気素子410を共有することができ、第一の駆動コイル102と第四の駆動コイルは、第一の磁気素子420を共有することができ、それによって撮影モジュール内部の空間は十分に利用され、余分な磁気素子の設置を回避する。無論、本実施例は、第三の駆動アセンブリ400の具体的な構造を限定せず、第三の駆動アセンブリ400は独立する磁気素子を含んでもよく、第一の磁気素子420と第二の磁気素子410がさらに第三の駆動アセンブリ400の外に設置されてもよい。
【0028】
前述したように、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第二の回転軸の同一側に位置してもよく、且つそれぞれ第一の回転軸の両側に位置し、第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が外枠体100に設置されてもよく、且つ第二の駆動コイル101と第二の磁気素子410が、対向する位置に位置し、第一の駆動コイル102と第一の磁気素子420が、対向する位置に位置し、そのうち、
図3と
図4中に示すように、レンズモジュールの回転調整過程は下記の例のように説明する。
【0029】
第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102にそれぞれ大きさが同じ順方向電流を流す場合、左手の法則に基づいて第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が上へのアンペール力を受けることは明らかになり、外枠体100が固定されることによって第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102の反作用力を受け、レンズモジュールを内枠体200とともに第二の回転軸周りに順方向の回転調整を行うように下へ押す。
【0030】
第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102にそれぞれ大きさが同じ逆方向電流を流す場合、左手の法則に基づいて第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が下へのアンペール力を受けることは明らかになり、外枠体100が固定されることによって第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102の反作用力を受け、レンズモジュールを内枠体200とともに第二の回転軸周りに逆方向の回転調整を行うように上へ押す。
【0031】
第二の駆動コイル101に順方向電流を流し、第一の駆動コイル102に逆方向電流を流し、且つ順方向電流と逆方向電流の大きさが同じであってもよい場合、左手の法則に基づいて第二の駆動コイル101が上へのアンペール力を受け、第一の駆動コイル102が下へのアンペール力を受けることは明らかになり、外枠体100が固定されることによって第二の磁気素子410は第二の駆動コイル101の反作用力を受けてレンズモジュールを下へ押し、第一の磁気素子420は第一の駆動コイル102の反作用力を受けてレンズモジュールを上へ押し、それによってレンズモジュールは第一の回転軸周りに順方向の回転調整を行う。
【0032】
第二の駆動コイル101に逆方向電流を流し、第一の駆動コイル102に順方向電流を流し、且つ逆方向電流と順方向電流の大きさが同じであってもよい場合、左手の法則に基づいて第二の駆動コイル101が下へのアンペール力を受け、第一の駆動コイル102が上へのアンペール力を受けることは明らかになり、外枠体100が固定されることによって第二の磁気素子410は第二の駆動コイル101の反作用力を受けてレンズモジュールを上へ押し、第一の磁気素子420は第一の駆動コイル102の反作用力を受けてレンズモジュールを下へ押し、それによってレンズモジュールは第一の回転軸周りに逆方向の回転調整を行う。
【0033】
第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が停電する時、電流は第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102を通らず、そのため第二の磁気素子410と第一の磁気素子420はアンペール力を発生せず、それによってレンズモジュールと内枠体はいずれも静止状態にある。
【0034】
選択的な態様では、
図2、
図3と
図7に示すように、第二の磁気素子410は、磁極が逆になるように設置された第三の磁気部4101と第四の磁気部4102を含み、第三の磁気部4101のN極と第四の磁気部4102のS極は、それぞれ第二の駆動コイル101が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、第三の磁気部4101のS極と第四の磁気部4102のN極は、それぞれ第三の駆動コイル411が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、第一の磁気素子420は、磁極が逆になるように設置された第一の磁気部と第二の磁気部を含み、第一の磁気部のN極と第二の磁気部のS極は、それぞれ第一の駆動コイル102が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、第一の磁気部のS極と第二の磁気部のN極は、それぞれ第四の駆動コイル421が通電される時に電子移動方向が反するコイル部に向き、それによって第二の磁気素子410の磁界と第一の磁気素子420の磁界は、該当する導電コイルの電子移動方向が反する部分によりよく作用することができることによって、コイル全体はいずれもアンペール力の作用を受けることができ、そのうち、第三の磁気部4101と第四の磁気部4102は二つが同列に並べられ、且つ磁極が逆になるように設置された磁石であってもよい。
【0035】
同時に、第三の駆動アセンブリ400は、さらに筐体を含んでもよく、筐体に収容キャビティ及びと収容キャビティに連通する開口が設置され、レンズ300の一端は収容キャビティに位置し、他端は開口に伸縮可能に設置され、つまり、レンズ300の他端は開口によってズーム移動を行うことができ、レンズ300の開口から離れた側に感光チップ510と回路基板500が設置され、感光チップ510は回路基板500に設置され、且つレンズ300に向き、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420は収容キャビティの内側壁に設置され、それによって筐体によって導電コイル、第二の磁気素子410、第一の磁気素子420、感光チップ510及び回路基板500などのアセンブリの設置のために積載ベースを提供することができ、そして保護と外観の機能を両立させることができる。
【0036】
それとともに、筐体による第二の磁気素子410と第一の磁気素子420の磁界に対する障害を回避するために、筐体の側面の、第二の磁気素子410と第一の磁気素子420に対応する位置に窓口450がそれぞれ開設されることによって、該当する窓口450を介して第二の磁気素子410と第一の磁気素子420の磁界は筐体を貫通し、且つ対応する第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102にそれぞれ作用する。
【0037】
第三の駆動アセンブリ400がレンズ300を移動してズームを行う安定性を高めるために、第三の駆動アセンブリ400は、さらに第三の磁気素子430と第五の駆動コイル431を含んでもよく、
図2と
図4に示すように、第五の駆動コイル431がレンズ300に設置され、且つ第三の駆動コイル411に対向する側に位置し、第三の磁気素子430は収容キャビティの内側壁に設置され、且つ第二の磁気素子410に対向することによって、第三の駆動アセンブリ400がレンズ300に対してズーム移動を行う過程において、レンズ30
0の対向する両側がいずれも作用力を受け、さらに移動の安定性を高める。
【0038】
本発明の実施例が開示した撮影モジュールは、内枠体200とレンズモジュールのうちの少なくとも一つの回転角度を検出するための角度検出モジュールをさらに含んでもよい。理解すべきこととして、角度検出モジュールによって内枠体200とレンズモジュールの回転角度を取得することで、レンズモジュールが行った手振れ防止補償は所定位置に回転するかどうか決定することができる。
【0039】
具体的には、角度検出モジュールは、それぞれ内枠体200とレンズモジュールを検出するための第一のセンサ1011と第二のセンサ1021を含んでもよく、第一のセンサ1011と第二のセンサ1021のうちの一方は第一の駆動コイル102に設置され、他方は第二の駆動コイル101に設置される。選択的に、第一のセンサ1011と第二のセンサ1021はホールセンサであってもよく、
具体的に言えば、第一のセンサ1011と第二のセンサ1021によって、内枠体200とレンズモジュールの回転角度を検出することができる。説明すべきこととして、ホール部品によって回転角度を検出するのは本分野の従来の技術であるため、説明を省略する。無論、第一のセンサ1011と第二のセンサ1021は角度センサ、ジャイロなどの他のタイプの角度検出素子であってもよい。
【0040】
角度検出モジュールはさらにプロセッサを含んでもよく、第一のセンサ1011と第二のセンサ1021がそれぞれプロセッサの信号入力端に接続され、プロセッサの制御出力端がそれぞれ第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102に接続され、且つ第一のセンサ1011と第二のセンサ1021に基づいて第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102の電流を制御することができ、それによって第一のセンサ1011、第二のセンサ1021、プロセッサ、第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102は閉ループ制御システムを形成し、レンズモジュールと内枠体200の回転調整に対する正確制御を実現する。
【0041】
同時に、レンズモジュールにおける回路基板500に第一の配線基板501が設置されることで、第一の配線基板501を介して回路基板500と電子機器のメインボードとの接続を容易にし、且つ
図10に示すように、レンズモジュールの回転が配線基板に与える影響を回避するために、第一の配線基板501はフレキシブル配線基板であり、S字形に折り畳まれて曲げられてもよく、第一の配線基板501の接続端にコネクタが設置されてもよい。
【0042】
第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102が第二の配線基板103に設置され、それによって第二の配線基板103を介してプロセッサ又は電子機器のメインボードとの接続を容易にし、第二の配線基板103はフレキシブル配線基板であってもよく、且つ第二の配線基板103の接続端にコネクタが設置されてもよい。
【0043】
本発明の実施例が開示した撮影モジュールにおいて、内枠体200と外枠体100と及び内枠体200とレンズモジュールとの間の回転組み立てを容易にするために、
図6に示すように、内枠体200は二つの第一の取り付け台210を含み、これに応じて、外枠体100の内側壁の第一の取り付け台210に対応する位置に第一の回転台110がそれぞれ設置され、且つ一つの第一の取り付け台210は一つの第一の回転台110に対応し、対応する第一の取り付け台210と第一の回転台110のうちの一方に第一の凸部が設置され、他方に第一の凸部に適合する第一の窪み部が設置されることで、第一の凸部を第一の窪み部内に嵌め込むことができて、第一の凸部は第一の窪み部と回転係合し、それにより、二つの第一の凸部は第一の回転軸を形成し、内枠体200と外枠体100との間の回転組み立てをさらに実現する。
【0044】
内枠体200は二つの第二の取り付け台220を含み、これに応じて、レンズモジュールの外側壁の第二の取り付け台220に対応する位置に第二の回転台120がそれぞれ設置され、且つ一つの第二の取り付け台220は一つの第二の回転台120に対応し、対応する第二の取り付け台220と第二の回転台120のうちの一方に第二の凸部が設置され、他方に第二の凸部に適合する第二の窪み部が設置されることで、第二の凸部を第二の窪み部内に嵌め込むことができて、第二の凸部は第二の窪み部に回転係合し、それにより、二つの第二の凸部は第二の回転軸を形成し、内枠体200とレンズモジュールとの間の回転組み立てをさらに実現する。
【0045】
そのうち、
図8と
図9に示すように、第一の凸部と第二の凸部の形状は円筒状であり、第一の窪み部と第二の窪み部は止まり穴又は貫通孔であり、無論、第一の凸部と第二の凸部は円弧状突起であってもよく、第一の窪み部と第二の窪み部は該当する円弧状溝であってもよく、本発明の実施例は、第一の凸部、第二の凸部、第一の窪み部と第二の窪み部の形状が限定されない。
【0046】
同時に、
図5、
図7と
図9に示すように、レンズモジュールの、第二の回転軸の回転軸線が通る両側外壁に取り付け部440がそれぞれ設置され、取り付け部440の一端はレンズモジュールに接続され、取り付け部440の他端はレンズモジュールの外側壁に沿って伸び、且つ取り付け部440とレンズモジュールとの間に隙間があり、一つの第二の回転台120は一つの取り付け部440に対応し、且つ第二の回転台120は隙間内に位置し、且つ取り付け部440のレンズモジュールに向く内側面に設置され、それによって取り付け部440によって第二の回転台120の取り付け設置を容易にする。
【0047】
取り付け部440は板状構造部材であってもよく、ボス状構造部材などであってもよく、レンズモジュールの形状は八角形であってもよく、四角形又は円形などであってもよく、本発明の実施例は取り付け部440及びレンズモジュールの形状が限定されない。
【0048】
本発明の実施例は、さらに電子機器を開示し、開示された電子機器に本発明の実施例が開示した上記撮影モジュールが設置され、同時に、手振れ防止モジュールが電子機器のジャイロと駆動チップに接続されることによって、手振れ防止モジュールにおける第二の駆動コイル101と第一の駆動コイル102の電流を制御することができ、そのうち、電子機器はスマートフォン、タブレットコンピュータ、電子ブックリーダーなどの電子機器であってもよい。
【0049】
本発明の以上の実施例で重点として記述されたのは各実施例の間の異なりであり、各実施例の間の異なる最適化特徴が互いに矛盾しない限り、いずれもより好ましい実施例に組み合わせられることができ、記載の簡潔性を考慮したうえで、ここで説明を省略する。
【0050】
以上は本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものでない。当業者にとっては、本発明に対してさまざまな変更と変形を行ってもよい。本発明の精神と原理内で行われたあらゆる修正、同等置換、改良などは、すべて本発明の請求の範囲内に含まれるべきである。
【0051】
〔関連出願の相互参照〕
本発明は、2020年04月17日に中国特許庁で提出され、出願番号が202010306951.7であり、「撮影モジュール及び電子機器」と称される中国特許出願の優先権を出張しており、その内容の全ては、援用で本出願に取り込まれる。