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特許7490811吸入器物品を製造するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】吸入器物品を製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/54 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
A24C5/54
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022563045
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021063064
(87)【国際公開番号】W WO2021233867
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】20175216.9
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ドラゲッティ フィオレンツォ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/123297(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/082056(WO,A1)
【文献】米国特許第02911979(US,A)
【文献】国際公開第2009/007258(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1823941(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0134492(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/00-5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品を製造する方法であって、前記吸入器物品が、本体、カプセルを保持するカプセル空洞、マウスピース要素、および開放遠位端を有する変形可能な管状要素を備え、前記方法が、
-前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得ることと、
-前記前処理部分を少なくとも90度内側に折り畳んで、前記開放遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することと、を含み、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を折り畳むことが、前段折り畳み工程を含み、前記前段折り畳み工程が、前記変形可能な管状要素の前記前処理部分を凹形状の折り畳みヘッドによって90度よりも小さい角度で内側に折り畳むことを含
前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を前処理することが、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端の縁を切断する、スコア線を入れる、または捲縮することを含む、
方法。
【請求項2】
前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を前処理することが、8~10本の切断線、スコア線、または捲縮線を、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端の縁に提供することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を折り畳むことが、終段折り畳み工程を含み、前記終段折り畳み工程が、前記前段折り畳み工程で前記変形可能な管状要素の事前に折り畳まれた部分を、平坦な折り畳みヘッドによって約90度の角度で内側に折り畳むことを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を折り畳むことが、終段折り畳み工程を含み、前記終段折り畳み工程が、前記前段折り畳み工程で前記変形可能な管状要素の事前に折り畳まれた部分を、凸形状の折り畳みヘッドによって90度より大きい角度で内側に折り畳むことを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
吸入器物品を製造するための装置であって、前記吸入器物品が、本体、カプセルを保持するカプセル空洞、マウスピース要素、および開放遠位端を有する変形可能な管状要素を備え、前記装置が、
-前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端が前処理されて、構造的安定性が低下した前処理部分を得る前処理ステーションと、
-前記前処理部分が少なくとも90度内側に折り畳まれて、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する折り畳みステーションと、を備え、前記折り畳みステーションが、前記変形可能な管状要素の前記前処理部分を、90度よりも小さい角度で内側に折り畳むための凹形状の折り畳みヘッドを備える前段折り畳みステーションを備え、
前記前処理ステーションが、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端を切断する、スコア線を入れる、または捲縮するための前処理ヘッドを含む、装置。
【請求項6】
前記前処理ヘッドが、前記変形可能な管状要素の前記開放遠位端に8本または10本の切断線、スコア線、または捲縮線を提供するための縁を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記折り畳みステーションが、前記変形可能な管状要素の前記前処理部分を少なくとも90度内側に折り畳むための少なくとも一つの折り畳みヘッドを備える、請求項5または6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記折り畳みステーションが、前記変形可能な管状要素の前記前処理部分を約90度の角度で内側に折り畳むための平坦な折り畳みヘッドを備える終段折り畳みステーションを備える、請求項5~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記折り畳みステーションが、前記変形可能な管状要素の前記前処理部分を90度より大きい角度で内側に折り畳むための凸形状の折り畳みヘッドを有する終段折り畳みステーションを備える、請求項5~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記前処理ステーションおよび前記折り畳みステーションのうちの一つ以上が、それぞれの処理ヘッドを前記変形可能な管状要素に向かって移動するように構成された前進機構を備える、請求項5~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記前処理ステーションおよび前記折り畳みステーションのうちの一つ以上が、前進機構の駆動要素の軸方向移動を制限するために、エンドストロークスペーサーを備える、請求項5~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記一つ以上のエンドストロークスペーサーが、処理中に前記変形可能な管状要素を構造的に支持する管状円筒状要素である、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入器物品を製造するための方法および装置に関し、吸入器物品は、本体、カプセルを保持するカプセル空洞、マウスピース要素、および開放端を有する変形可能な管状要素を備える。方法は、変形可能な管状要素の遠位端を、前処理し、少なくとも90度内側に折り畳んで、変形可能な管状要素の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することを含む。
【背景技術】
【0002】
乾燥粉末吸入器は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内にある吸入量または気流量で乾燥粉末粒子を肺に提供するために常に完全に適切であるわけではない。乾燥粉末吸入器は、操作するのに複雑である場合があり、または可動部品を伴う場合がある。乾燥粉末吸入器は多くの場合、一回の呼吸で乾燥粉末用量またはカプセル装填量の全体を提供しようとする。
【0003】
吸入器物品を、再現可能かつ自動的に製造するための方法および装置を提供することが望ましい。
【0004】
吸入器物品を十分高速で製造するための方法および装置を提供することが望ましい。
【0005】
吸入器物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましく、製造方法は、エアロゾル発生物品の製造に使用される既存の製造ラインで実施されうる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態によれば、吸入器物品を製造する方法が提供されており、吸入器物品は、本体、カプセルを保持するカプセル空洞、マウスピース要素、および開放端を有する変形可能な管状要素を備える。方法は、変形可能な管状要素の遠位端を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得る工程と、前処理部分を少なくとも90度内側に折り畳んで遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程とを含む。
【0007】
本発明は、カプセル空洞を画定し、かつ折り畳まれて少なくとも部分的に閉鎖した遠位端を有する変形可能な管状要素を備える吸入器物品を製造するための単純で効率的な方法を提供する。
【0008】
本発明は、標準的な折り畳み可能な材料を使用することを可能にし、吸入器物品のコスト効率の高い製造につながる。
【0009】
さらに、本発明の方法は迅速であり、高い再現性を有する。従って、本方法は、吸入器物品の工業的および自動的な製造に使用することができる。さらに、本方法は、エアロゾル発生物品の製造に使用される既存の製造ラインで実施することができる。
【0010】
「変形可能」という用語は、変形可能要素の形状が変更可能であることを意味すると理解されるべきである。変形可能要素の変形は、弾性変形を含んでもよく、ここで変形可能要素は、力が加えられていない状態では閉鎖構成に戻る。あるいは、変形可能要素の変形は、力の適用後も変形可能要素が開放構成に保持される、塑性変形を含み得る。
【0011】
変形可能要素の少なくとも一部分は、折り畳み可能な材料で形成され得る。変形可能要素は、扇状褶曲を含んでもよい。変形可能要素の少なくとも一部分は、セルロース系材料で形成され得る。変形可能要素の少なくとも一部分は、紙で形成され得る。
【0012】
有利なことに、折り畳み可能な材料から変形可能要素を形成することにより、変形可能要素を確実に破る、または開くことを可能にする。折り畳み可能な材料はまた、カプセル空洞の組立を改善し、吸入器物品の高速組立を提供し得る。
【0013】
有利なことに、セルロース系材料または紙から形成される変形可能要素は、実質的に生物分解性であり、吸入器物品の環境への影響を低減し得る。
【0014】
変形可能要素が、カプセル空洞の長軸方向の側壁の少なくとも一部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の大部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の上流境界および側壁を画定してもよい。
【0015】
有利なことに、変形可能要素は、吸入器物品の消費前に、保持されたカプセルおよび吸入器物品の保護カバーまたは衛生バリアを提供し得る。
【0016】
ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を囲んでもよい。ラッピング層は、連続軸状接合によりマウスピース要素、カプセル空洞、および変形可能要素を結合し得る。変形可能要素は、ラッピング層を越えて延びてもよい。変形可能要素が、約0.5ミリメートル~約5ミリメートル、または約1ミリメートル~約4ミリメートル、または約2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲で、ラッピング層を超えて延びてもよい。ラッピング層は、セルロース系材料または紙から形成されてもよい。
【0017】
有利なことに、セルロース系材料から形成されラッピング層は、実質的に生物分解性であり、吸入器物品の環境への影響を低減し得る。吸入器物品要素をラッピング層と結合させることは、吸入器物品の高速組立を提供する。
【0018】
カプセル空洞および変形可能要素は、約6ミリメートル~約8ミリメートルの範囲で実質的に等しい内径を有する。
【0019】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有してもよい。例えば、医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0020】
「近位」および「遠位」という用語は、吸入器物品またはシステムの構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。本発明によると、吸入器物品は近位端を有する。使用時、ニコチン粒子は、ユーザーへの送達のために吸入器物品の近位端から出る。吸入器物品は、近位端に対向する遠位端を有する。吸入器物品の近位端はまた、口側の端と呼ばれることもある。
【0021】
吸入器物品は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延びる細長い本体を有してもよい。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器物品は、細長い本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有してもよい。吸入器本体は約6ミリメートル~約10ミリメートル、または、約7ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約9ミリメートル、または約7ミリメートル~約8ミリメートル、または約7.3ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。吸入器物品は、約40ミリメートル~約80ミリメートル、または約40ミリメートル~約70ミリメートル、または約40ミリメートル~約50ミリメートル、または約48ミリメートルの範囲の(長軸方向軸に沿った)長さを有してもよい。
【0022】
カプセル空洞の下流に位置するマウスピース要素は、カプセル空洞から吸入器物品のマウスピース端に延びてもよい。マウスピース要素は、約10ミリメートル~約30ミリメートル、好ましくは約15ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくは約20ミリメートル~約22ミリメートルの範囲の長さを有してもよい。マウスピース要素は約6ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約9ミリメートル、または約7ミリメートル~約8ミリメートル、または約7.1ミリメートルの範囲の直径を有してもよい。
【0023】
マウスピース要素は、フィルター機能を有してもよい。マウスピース要素はフィルター要素を備えてもよい。フィルター要素は、実質的にマウスピース要素の全長にわたって延びてもよい。
【0024】
変形可能要素は、カプセル空洞を変形し、露出するように構成される。変形可能要素は、カプセル空洞を露出するように、破れたり、開放したりするよう構成される。変形可能要素は、カプセル空洞の全開径を実質的に露出するように構成される。変形可能要素は、カプセル空洞の全開径を露出するように構成される。
【0025】
変形可能要素が、カプセル空洞の長軸方向の側壁の少なくとも一部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の大部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端あるいは上流端を画定し得る。
【0026】
変形可能要素はセルロース系材料で形成されてもよい。変形可能要素の少なくとも一部分は、紙で形成され得る。変形可能要素は、汚染物または異物がカプセル空洞に入るのを低減または防止するためのバリアを提供し得る。
【0027】
カプセル空洞側壁は、吸入器物品の長軸方向軸と平行に延在する。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端あるいは上流端を画定してもよく、少なくともカプセル空洞側壁の一部を画定してもよい。
【0028】
変形可能要素は、閉鎖上流端を有する管状要素を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端、およびカプセル空洞側壁の少なくとも50パーセントを画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端、およびカプセル空洞側壁の少なくとも75パーセントを画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端あるいは上流端を画定してもよく、カプセル空洞側壁の全体を画定してもよい。変形可能要素は、マウスピース要素によって画定される下流境界表面を除いて、カプセル空洞全体を画定し得る。変形可能要素は、マウスピース要素から閉鎖上流端まで延びる紙層であってもよい。
【0029】
吸入気流は、変形可能要素が破れるかまたは開放されると、変形可能要素の中心を通ってカプセル空洞内に直接流れ込む。変形可能要素は、カプセル空洞の内径と実質的に等しい直径を有し得る。
【0030】
変形可能要素は、約6ミリメートル~約8ミリメートル、または約7.0ミリメートル~約7.1ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。変形可能要素は、約6ミリメートル~約7.2ミリメートル、または約6.5ミリメートル~約6.7ミリメートルの範囲の内径を有してもよい。
【0031】
変形可能要素は、紙で形成されてもよい。変形可能要素は、一つ以上の紙の層で形成されてもよい。変形可能要素は、約50グラム/平方メートル~約150グラム/平方メートル、または約75グラム/平方メートル~約125グラム/平方メートル、または約90グラム/平方メートル~約110グラム/平方メートルの範囲内の重量を有する紙から形成されてもよい。
【0032】
変形可能要素は、約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、または約100マイクロメートル~約150マイクロメートル、または約110マイクロメートル~約130マイクロメートルの範囲内の厚さを有してもよい。
【0033】
変形可能要素は破れるかまたは開放されると、カプセル空洞の直径の少なくとも約80パーセント%または少なくとも約90パーセントである開放直径を有する開口部を画定してもよい。
【0034】
変形可能要素は、吸入空気がカプセル空洞に入ることを可能にするために、容易に破れ得る。例えば、変形可能要素は、ユーザーが力を加えるのを補助するための追加のツールを使用することなく、吸入器物品をユーザーがホルダーに手動で挿入した時に破れるように構成され得る。変形可能要素は、カプセル空洞の全上流端を実質的に露出するように破れたり、開放したりし得る。変形可能要素は、吸入器物品の消費前に、保持されたカプセルおよび吸入器物品の保護カバーまたは衛生バリアを提供し得る。
【0035】
ラッピング層は、吸入器物品の本体を画定し得る。ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を囲んでもよい。ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を結合してもよい。ラッピング層は、連続軸状接合によりマウスピース要素および変形可能要素を結合してもよい。ラッピング層は、セルロース系材料から形成されてもよい。
【0036】
変形可能要素は、ラッピング層を越えて延びてもよい。変形可能要素が、約0.5ミリメートル~約5ミリメートル、または約1ミリメートル~約4ミリメートル、または約2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲で、ラッピング層を超えて延びてもよい。
【0037】
カプセル空洞は、カプセルを収容するように構成された円筒状の空間を画定し得る。例えば、カプセルは、長円形または円形の断面を有してもよい。カプセル空洞は、カプセル空洞長さに沿って実質的に均一な、または均一な直径を有し得る。カプセル空洞は、固定された空洞長さを有してもよい。カプセル空洞は長軸方向軸と直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル空洞は、長円形カプセルを収容するサイズとし得る。カプセル空洞は、カプセル空洞長さに沿って実質的に円筒状の、または円筒状の断面を有し得る。カプセル空洞は均一な内径を有してもよい。カプセルは、カプセル空洞の内径の約80パーセント~約95パーセントの外径を有してもよい。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルの起動中または貫通中に、カプセルの制限された移動を促進する場合がある。
【0038】
カプセル空洞は、約6ミリメートル~約8ミリメートルの範囲、または約6.6mmの直径を有する変形可能要素によって画定され得る。
【0039】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有してもよい。例えば、医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0040】
カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含む。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子を包含し得る。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有し得る。カプセルは、約5~50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。各々の吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2ミリグラム~約2ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に送達し得る。
【0041】
ニコチン粒子は、採用される特定の処方に基づいて任意の有用な濃度のニコチンを有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量パーセント~最大約30重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセント~約25重量パーセントのニコチン、または約3重量パーセント~約20重量パーセントのニコチン、または約4重量パーセント~約15重量パーセントのニコチン、または約5重量パーセント~約13重量パーセントのニコチンを有し得る。各吸入もしくは「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達され得ることが好ましい。
【0042】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムのニコチン粒子、または少なくとも約10ミリグラムのニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは約900ミリグラム未満のニコチン粒子、または約300ミリグラム未満のニコチン粒子、または150ミリグラム未満のニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0043】
カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムのニコチン粒子、または約10ミリグラム~約200ミリグラムのニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0044】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時、ユーザーに送達される各吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在してもよい。
【0045】
ニコチン粒子は、優先的にユーザーの肺の中へと吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末系を形成してもよい。
【0046】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムの乾燥粉末(粉末系とも呼ばれる)または少なくとも約10ミリグラムの乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約900ミリグラム未満の乾燥粉末、または約300ミリグラム未満の乾燥粉末、または約150ミリグラム未満の乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムの乾燥粉末、または約10ミリグラム~約200ミリグラムの乾燥粉末、または約25ミリグラム~約100ミリグラムの乾燥粉末を保持または含有してもよい。
【0047】
乾燥粉末または粉末系は、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズのニコチン粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系を有してもよい。
【0048】
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径5を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0049】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0050】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の中央粒子径を有し得る。中央粒子径は質量あたりの中央粒子径を意味し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0051】
粉末系中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物としては、例えばピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと組み合わされて塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選択されうる。
【0052】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。好ましくは、アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。
【0053】
同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末系は自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、各粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。
【0054】
好ましくは、ニコチンは表面修飾されたニコチン塩であってもよく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを有する重酒石酸5ニコチンであってもよい。
【0055】
粉末系は風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中に吸入送達するために任意の有用なサイズ分布を有してもよい。
【0056】
粉末システムは、約20マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントを有し得る。粉末システムは、約50マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントを有し得る。粉末系は、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。
【0057】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減するための化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末系は、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。粉末システムは自由流動であり得ることが好ましい。
【0058】
乾燥粉末吸入用の従来的な製剤は、活性粒子が吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末システムは担体粒子を含み得る。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズであり得るラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであり得る。担体粒子は製剤中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用され得る。
【0059】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末システムは、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量と類似の吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にし得る。
【0060】
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル内に組み合わせられ得る。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、それらが安定な粒子製剤をもたらし、この場合ではニコチンを含む粒子と風味含む粒子が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない。別の方法として、粉末システムは、単一のカプセルの中に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に含有された風味粒子とを含む。
【0061】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられ得る。
【0062】
ニコチン粒子および風味粒子は、粉末系の総重量の少なくとも約90重量パーセント、または少なくとも約95重量パーセント、または少なくとも約99重量パーセント、または100重量パーセントを形成することが好ましい。
【0063】
本発明の方法の前処理工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁を捲縮することを含み得る。捲縮されると、変形可能な管状要素の縁は、吸入器物品の軸方向に本質的に平行に延びる一つ以上の線に沿って折り畳まれる。
【0064】
本発明の方法の前処理工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁を、吸入器物品の軸方向に概して平行に延びる一つ以上の線に沿って切断することを含み得る。
【0065】
本発明の方法の前処理工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁に、吸入器物品の軸方向に概して平行に延びる一つ以上の線に沿ってスコア線を入れることを含み得る。スコア線を入れると、変形可能要素に不連続な切断線が提供される。
【0066】
捲縮線、スコア線または切断線の長さは、0.5~5ミリメートル、好ましくは約1~4ミリメートル、および好ましくは約2.5~3.5ミリメートルの範囲であってもよい。一般的に、これらの線の長さは、構造的安定性が低下した前処理部分の長さを決定する。
【0067】
前処理部分の必要な長さは、吸入器物品の直径に依存する。
【0068】
典型的な吸入器物品は7.2ミリメートルの直径を有し得る。こうした物品については、前処理部分の有用な長さは、少なくとも約3ミリメートルであってもよく、半径(3.6ミリメートル)と最大でも等しくてもよい。こうした寸法の前処理部分を用いて、変形可能な管状要素の遠位端の十分な閉鎖を達成し得る。
【0069】
本発明の方法の前処理工程の間、変形可能な管状要素の遠位端には、4~15本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。変形可能な管状要素には、6~12本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。変形可能な管状要素には、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。より多くのクリース線、切断線、またはスコア線が提供されるほど、変形可能な管状要素は、より適切に円筒形に折り畳まれ得る。しかし、クリース線、切断線、またはスコア線の数が増加すると、折り畳みプロセスの複雑さが増大する。吸入器物品の製造に使用される約7.2ミリメートルの直径を有する典型的な紙材料については、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線の数が、最善の結果をもたらすことが実証されている。
【0070】
一般的に、クリース線、切断線、またはスコア線は、変形可能な管状要素の長軸方向軸に平行に延びるように形成されてもよい。しかしながら、これらの線はまた、吸入器物品の長軸方向軸に対して、任意の所望の角度で延びるように形成されてもよい。これらの線は、吸入器物品の長軸方向軸に対して、0~45度の角度で延びるように形成されてもよい。
【0071】
前処理工程後、構造的安定性が低下した変形可能な管状要素の前処理部分は、少なくとも90度内側に折り畳まれて遠位端が少なくとも部分的に閉鎖する。
【0072】
前処理部分の折り畳みは、単一の工程で行われてもよい。変形可能な管状要素の遠位端の折り畳みは、第一の折り畳み工程および第二の折り畳み工程を含むことが好ましい。
【0073】
二つの折り畳み工程を使用することにより、より信頼性の高い折り畳み結果が達成され得る。これは主に、二つの折り畳み工程を使用することにより、異なる形状の折り畳みヘッドを有する折り畳みツールが使用され得るためである。第一の折り畳み工程で使用される折り畳みヘッドである第一の折り畳みヘッドは、凹形状を有する係合面を有してもよい。
【0074】
第二の折り畳み工程で使用される折り畳みヘッドである第二の折り畳みヘッドは、異なる形状の係合面を有してもよい。第二の折り畳みヘッドは、平坦または凸形状を有する係合面を有してもよい。第二の折り畳みヘッドは、低い凸状または高い凸状の係合面を有してもよい。
【0075】
係合面は、同じ境界を有し、折り畳みヘッドの長軸方向軸に直角を成す、対応する下にある平面を画定する。
【0076】
低い凸状の係合面は、本明細書では、前記下にある平面の直径の10%未満で、前記下にある平面から外側に湾曲した、丸みのある、または突出する表面として定義される。
【0077】
高い凸状の係合面は、本明細書では、前記下にある平面の直径の10%を超えて、前記下にある平面から外側に湾曲した、丸みのある、または突出する表面として定義される。
【0078】
第一の折り畳み工程では、前処理部分は、90度未満の角度で内向きに折り畳まれてもよい。第一の折り畳み工程では、前処理部分は、70~90度の角度で内向きに折り畳まれてもよい。
【0079】
第二の折り畳み工程では、前処理部分は、90度より大きい角度で内向きに折り畳まれてもよい。第二の折り畳み工程では、前処理部分は、90~110度の角度で内向きに折り畳まれてもよい。
【0080】
前処理工程の間、および一つ以上の折り畳み工程の間、吸入器物品は、それぞれの前処理または折り畳みヘッドに対して、その長軸方向軸の周りにわずかに回転されてもよい。こうした回転運動によって、クリース線、切断線、またはスコア線は、わずかにらせん形状で提供され得る。クリース線、切断線またはスコア線のらせん形状は、吸入器装置への吸入器物品の挿入中に閉鎖端を開く時、有益な効果を有し得る。
【0081】
さらなる実施形態によれば、二倍長のマウスピース要素および二倍長の変形可能な管状要素を提供することによって、二倍長の吸入器物品を製造する方法が提供されている。二倍長のマウスピース要素は、二倍長の変形可能な管状要素の中心に提供される。二倍長の吸入器物品の製造は、上述と大部分同一であるが、変形可能な管状要素の両方の開放端が同時に処理されるという違いがある。処理後、二倍長の吸入器物品を中央で切断し、二つの同一の通常長の吸入器物品を得る。二倍長の吸入器物品を処理することによって、製造時間を大幅に短縮することができる。
【0082】
本発明はまた、本体、カプセルを保持するカプセル空洞、マウスピース要素、および開放端を有する変形可能な管状要素を備える、吸入器物品を製造するための装置を対象とする。前処理ステーションでは、変形可能な管状要素の遠位端を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得る。折り畳みステーションでは、前処理部分が、少なくとも90度内側に折り畳まれて、変形可能な管状要素の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する。
【0083】
本発明の装置は、吸入器物品が高いコスト効率で生産され得るように、標準的な折り畳み可能な材料を使用することを可能にする。
【0084】
さらに、本装置は、吸入器物品の迅速かつ再現性の高い製造を可能にする。従って、本発明の製造装置は、エアロゾル発生物品の製造に使用される既存の製造ラインに統合され得る。
【0085】
前処理ステーションは、変形可能な管状要素の遠位端にクリース線を入れる、切断する、またはスコア線を入れるための処理ヘッドを含んでもよい。
【0086】
捲縮線、スコア線または切断線の長さは、0.5~5ミリメートル、好ましくは約1~4ミリメートル、および好ましくは約2.5~3.5ミリメートルの範囲であってもよい。一般的に、これらの線の長さは、構造的安定性が低下した前処理部分の長さを決定する。
【0087】
前処理部分の必要な長さは、吸入器物品の直径に依存する。
【0088】
典型的な吸入器物品は7.2ミリメートルの直径を有し得る。こうした物品については、前処理部分の有用な長さは、少なくとも約3ミリメートルであってもよく、半径(3.6ミリメートル)と最大でも等しくてもよい。こうした寸法の前処理部分を用いて、変形可能な管状要素の遠位端の十分な閉鎖を達成し得る。
【0089】
本発明の方法の前処理ステーションでは、変形可能な管状要素の遠位端には、4~15本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。変形可能な管状要素には、6~12本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。変形可能な管状要素には、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。より多くのクリース線、切断線、またはスコア線が提供されるほど、変形可能な管状要素は、より適切に円筒形に折り畳まれ得る。しかし、クリース線、切断線、またはスコア線の数が増加すると、折り畳みプロセスの複雑さが増大する。吸入器物品の製造に使用される約7.2ミリメートルの直径を有する典型的な紙材料については、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線の数が、最善の結果をもたらすことが実証されている。
【0090】
前処理ステーションの処理ヘッドは、変形可能な管状要素の遠位端の外径に対応する内寸法を有する、概して円筒形の陥凹部を画定し得る。
【0091】
前処理ステーションの処理ヘッドは、処理ヘッドの陥凹部の開放側壁から処理ヘッドの内部体積に向かって延びる、いくつかの処理ブレードをさらに備えてもよい。処理ブレードは、処理ヘッドの内部体積に向かって漏斗形状に延びてもよい。処理ブレードは、陥凹部の周囲にわたって等距離で離間していてもよい。
【0092】
処理ブレードはそれぞれ、前処理工程の間に、変形可能な管状要素の遠位端に接触する係合縁を有してもよい。処理ブレードは、前処理工程中に変形可能な管状要素の遠位端にクリース線、切断線、またはスコア線を入れるように形成されてもよい。
【0093】
処理ブレードの数によって、前処理工程中に変形可能な管状要素の遠位端に提供される、クリース線、切断線、またはスコア線の数が決定される。
【0094】
折り畳みステーションは、変形可能な管状要素の前処理部分を少なくとも90度内側に折り畳むための少なくとも一つの折り畳みヘッドを備える。折り畳みステーションは、二つの折り畳みステーション、前段折り畳みステーション、および終段折り畳みステーションを備えてもよい。
【0095】
前段折り畳みステーションは、変形可能な管状要素の前処理部分を90度より小さい角度で内側に折り畳むための凹形状の折り畳みヘッドを備えてもよい。前段折り畳みステーションの折り畳みヘッドは、変形可能な管状要素の前処理部分が70~90度の角度で内側に折り畳まれるように設計されてもよい。
【0096】
終段折り畳みステーションは、変形可能な管状要素の前処理部分を約90度の角度で内側に折り畳むための平坦な折り畳みヘッドを備えてもよい。終段折り畳みステーションはまた、変形可能な管状要素の前処理部分を90度より大きい角度で内側に折り畳むための凸形状の折り畳みヘッドを備えてもよい。
【0097】
第二の折り畳み工程では、前処理部分は、90度より大きい角度で内向きに折り畳まれてもよい。第二の折り畳み工程では、前処理部分は、90~110度の角度で内向きに折り畳まれてもよい。
【0098】
製造装置の前処理ステーションおよび折り畳みステーションは、類似の一般構造を有してもよい。これらのステーションは、変形可能な管状要素の上流端にマウスピース要素が提供されていて、変形可能な管状要素の遠位端がまだ開放している、管状形状の吸入器物品を保持するためのポケットを備えてもよい。前処理および折り畳みステーションの処理ヘッドのそれぞれは、変形可能な管状要素の遠位端に対向し、かつ直線的に整列して移動可能に取り付けられてもよい。処理ヘッドのそれぞれは、変形可能な管状要素の遠位端に向かう軸方向の動きのためにさらに構成されている。
【0099】
前処理または折り畳み工程を実施するために、前処理または折り畳みステーションの処理ヘッドは、管状形状の吸入器物品を保持するポケットと軸方向に整列して位置付けられている。吸入器物品が正しく位置付けられると、処理ヘッドは変形可能な管状要素の変形可能な遠位端に向かって移動する。処理ヘッドの前進機構の移動は、制御ユニットを介して制御される。特に、移動速度および最大前進範囲が調整され得る。
【0100】
各処理ステーションの前進機構は、一般に、吸入器物品を保持するポケットをそれぞれの処理ヘッドに向かって軸方向に移動するように構成されている。この目的のために、処理ヘッドまたはポケット、またはその両方は、軸方向に移動可能であってもよい。処理ステーションの複雑さを低減するために、ポケットまたは処理ヘッドのいずれかが移動可能に構成されていることが有利であり得る。処理ヘッドのみが軸方向に移動可能であることがさらに有利であり得る。これは、ポケットに、個々の処理ヘッド間で吸入器物品を移動するためのさらなる移動可能な支持体が提供されている場合、特に有利であり得る。
【0101】
ポケットにはまた、移動可能な支持体が提供されてもよい。移動可能な支持体は、処理ステーションのそれぞれに管状形状の吸入器物品を保持するポケットを位置付けるために使用され得る。ポケットはさらに、吸入器物品を一つの処理ステーションから次の処理ステーションに運ぶように構成されてもよい。
【0102】
前処理ステーション、前段折り畳みステーション、および終段折り畳みステーションは、ポケットの移動可能な支持体の直線運動が、管状形状の物品を有するポケットを一つの処理ステーションから次の処理ステーションに運ぶのに十分となるように、処理方向に順々に位置してもよい。
【0103】
前進機構および移動可能な支持体は、任意の種類の駆動機構を備えてもよい。前進機構および移動可能な支持体は、機械的、電気機械的、油圧または空気駆動要素を備えてもよい。駆動機構および駆動要素は、適切な移動パラメータを設定および調整するための制御ユニットに接続されている。
【0104】
前処理ステーション、前段折り畳みステーション、および終段折り畳みステーションは、ポケットの移動可能な支持体の直線運動が、管状形状の物品を有するポケットを一つの処理ステーションから次の処理ステーションに運ぶのに十分となるように、処理方向に順々に位置してもよい。
【0105】
ポケットはまた、回転ホイール上に取り付けられてもよい。ホイールは、段階的に回転し、処理ステーションのそれぞれで管状吸入器物品を保持するポケットを順々に位置付けるように構成されてもよい。複数の吸入器物品が同時に一つの処理ステーションから次の処理ステーションに運ばれ得るように、ホイールには複数のポケットが提供されてもよい。複数のポケットを有するホイールを使用することにより、吸入器物品の高速製造を可能にする高速製造装置が実現され得る。
【0106】
ポケットが回転ホイールに取り付けられる場合、前処理ステーション、前段折り畳みステーション、および終段折り畳みステーションは、回転ホイールの回転運動が、管状形状の物品を有するポケットを一つの処理ステーションから次の処理ステーションに運ぶのに十分であるように、処理方向に順々に位置してもよい。
【0107】
ステーションのうちの一つ以上の前進機構は、エンドストロークスペーサーを備えてもよい。エンドストロークスペーサーを使用して、駆動要素の軸方向の動きを制限し得る。これは、空気駆動要素が前進機構に使用される場合に特に有用であり得る。こうしたエンドストロークスペーサーでは、空気駆動要素の最大伸長が制限され得る。よって、エンドストロークスペーサーは、より高い折り畳み圧力を使用することを可能にし、同時に製品への損傷を防止し、空気駆動要素で使用することができる一方、同時に、駆動要素の移動が行き過ぎることによって生じる製品への損傷を防止する。
【0108】
エンドストロークスペーサーは、管状円筒形要素であってもよい。駆動要素の軸方向の移動を制限することに加えて、エンドストロークスペーサーはまた、処理中に変形可能な管状要素を構造的に支持し得る。折り畳みプロセスの間に、変形可能な管状要素の折り畳みがしっかりと案内されるように、変形可能な管状要素は、エンドストロークスペーサーと処理ヘッドとの間に押し付けられる。
【0109】
処理ステーションのそれぞれは、それぞれの処理ヘッドに対して、処理中にその長軸方向軸の周りに、吸入器物品をわずかに回転させるように構成されてもよい。こうした回転運動によって、クリース線、切断線、またはスコア線は、わずかにらせん形状で提供され得る。有利なことに、吸入器物品を保持するポケットは、処理中に吸入器物品を回転させる回転機構を提供されてもよい。このようにして、ポケットの回転機構は、処理ステーションのそれぞれの中で吸入器物品を回転させるために使用され得る。クリース線、切断線またはスコア線のらせん形状は、吸入器装置への吸入器物品の挿入中に閉鎖端を開く時、有益な効果を有し得る。
【0110】
処理ステーションはまた、二倍長の吸入器物品を製造するために構成されてもよい。この目的のために、処理ステーションは、二倍長の吸入器物品が中央部分で保持され、かついずれかの処理ステーションで、処理ヘッドが二倍長の吸入器物品の一方の端に提供されるように構成されている。二倍長の吸入器物品の開放端の処理は、上述のとおりであり得る。二倍長の吸入器物品を二つの通常長の吸入器物品に切断するための追加の処理ステーションが提供されてもよい。二倍長の吸入器物品を処理することで、製造速度の増大が可能になる。
【0111】
本発明はまた、本明細書に記載される製造方法によって取得可能な吸入器物品を対象とする。吸入器物品は、近位端および遠位端を有する変形可能な管状要素を備える。変形可能な管状要素の遠位端には、4~15本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。変形可能な管状要素には、6~12本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。変形可能な管状要素には、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供され得ることが好ましい。
【0112】
本明細書で使用されているすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0113】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0114】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。
【0115】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性または芳香特性を変化させる、また変化させるよう意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を指す。
【0116】
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流がホルダー、吸入器物品、吸入器システムの本体を通して引き出される際に、吸入気流の方向との関係において説明されるホルダー、吸入器物品、吸入器システムの要素の相対的な位置を指す。
【0117】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で採用されているが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0118】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む、備える(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0119】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0120】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0121】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
図1図1Aは、例示的な吸入器物品の概略断面図である。図1Bは、閉鎖遠位端を有する吸入器物品の正面斜視図である。図1Cは、開放遠位端を有する吸入器物品の正面斜視図である。
図2図2は、吸入器物品用の製造装置の正面斜視図である。
図3図3は、前処理ステーションおよび前処理後の吸入器物品を示す。
図4図4は、前段折り畳みステーションおよび前段折り畳み後の吸入器物品を示す。
図5図5は、終段折り畳みステーションおよび終段折り畳み後の吸入器物品を示す。
図6図6は、エンドストロークスペーサーの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
図1Aは、例示的な吸入器物品10の概略断面図である。吸入器物品10は、マウスピース端14から遠位端16へと吸入器物品10の長軸方向軸に沿って延びる本体12と、カプセル空洞18と、カプセル空洞18内に保持されたカプセル20とを含む。本体12は、変形可能な管状要素24を形成するマウスピース要素22の周りに巻かれた紙材料を含む。変形可能な管状要素24は、マウスピース要素22によって下流で境界付けられ、変形可能な管状要素24の少なくとも部分的に閉鎖した遠位端16によって上流で境界付けられた、カプセル空洞18を画定する。
【0124】
図1の実施形態では、変形可能な管状要素24は、約125マイクロメートルの厚さと、約100グラム/平方メートルの基本重量とを有する紙で形成されている。図示した吸入器物品10は、約20mmのマウスピース要素長さを有し、変形可能な管状要素24は約45mmの長さ、および約7.2mmの均一な外径を有する。
【0125】
図1Bは、変形可能な管状要素24の遠位端16が閉鎖している、例示的吸入器物品10の正面斜視図である。変形可能な管状要素24は、それ自体の上に折り畳まれて、パイ形状のセクションを形成し、カプセル空洞18の遠位端16を閉鎖する。
【0126】
図1Cは、遠位端16が開放している変形可能な管状要素24を有する例示的吸入器物品の正面斜視図である。変形可能な管状要素24の遠位端16の折り畳まれたセクションは、カプセル空洞18を露出させるために開放されていてもよい。遠位端16を開放するために、変形可能な管状要素24は、本明細書に記載されていない適切なホルダーに挿入されてもよい。変形可能要素24の遠位端16の折り畳まれたセクションが開放された後、渦巻きまたは回転する吸入気流を受容するための開口部が形成される。
【0127】
図2は、吸入器物品を自動的に処理して閉鎖遠位端16を形成するための装置30を示す。図2に描写する装置は、二倍長のマウスピース要素22および二倍長の変形可能な管状要素24を有する二倍長の吸入器物品を使用するために構成されている。
【0128】
装置30は、前処理ステーション40、前段折り畳みステーション50および終段折り畳みステーション60を備える。マウスピース要素と既に組み合わされた二倍長の変形可能な管状要素24が、処理方向に前処理ステーション40から前段折り畳みステーション50まで、およびさらに終段折り畳みステーション60まで移動可能なポケット32に提供されている。この実施形態では、ポケット32は、移動可能な支持体34上に取り付けられ、手動で移動可能である。
【0129】
前処理ステーション40、前段折り畳みステーション50および終段折り畳みステーション60のそれぞれは、ポケットの両側に処理ヘッド42、52、62を備える。各処理ヘッドは、空気駆動要素44、54、64を備える前進機構36を備える。空気駆動要素には、空気ダクト46、56、66を介して加圧空気が提供される。前進機構36は、中央制御ユニット(図示せず)を介して制御される。
【0130】
個々の処理ステーションは、図3~7に関して以下でより詳細に論じられる。
【0131】
図3には、前処理ステーション40の実施形態が図示されている。図3の中央に、二倍長の吸入器物品を保持するポケット32が示されている。ポケット32は、移動可能な支持体34上に取り付けられ、移動可能な支持体を介してポケット32が、様々な処理ステーションに位置付けられ得る。ポケット32の両側に、捲縮ヘッド42が提供されている。各捲縮ヘッド42は、空気駆動要素44を備える前進機構36(図3では非表示)によって移動可能である。
【0132】
捲縮ヘッド42は、図3Bにより詳細に示されている。捲縮ヘッド42は、吸入器物品10の変形可能な管状要素24の遠位端16の挿入のための開放端45を有する概して円筒形の本体43を画定する。捲縮ヘッド42は、捲縮ヘッド42の本体43に取り付けられた8つの捲縮ブレード48を備える。捲縮ブレード48は、開放端45のへりから捲縮ヘッド42の内部体積の中に延びる。処理ブレード48は、開放端45のへりの周囲にわたって等距離で離間していて、捲縮ヘッド42の内部体積に向かって漏斗形状に延びる。
【0133】
捲縮ブレード48のそれぞれは、捲縮中に変形可能な管状要素24の遠位端に接触する係合縁49を有する。捲縮プロセス中、捲縮ヘッドは、吸入器物品10を保持するポケット32に向かって軸方向に移動する。捲縮ブレード48は、変形可能な管状要素24の遠位端16に接触する。捲縮プロセスの後、変形可能な管状要素24の遠位端16は、図3Cに描写するように見える。変形可能な管状要素24の端は、わずかに内向きに曲げられ、約3.5ミリメートルの長さを有する捲縮線が提供されている。
【0134】
図4Aおよび5Aには、前段折り畳みステーションおよび終段折り畳みステーションの処理ヘッドが図示されている。前段折り畳みステーション50の処理ヘッド52はまた、凹形状の係合面55を有する概して円筒形の本体53を有する。
【0135】
前段折り畳みプロセスの間、前段折り畳みヘッド52は、吸入器物品10を保持するポケット32に向かって軸方向に移動する。凹形状の係合面55は、変形可能な管状要素24の前処理された遠位端16に接触する。前段折り畳みプロセスの後、変形可能な管状要素24の遠位端16は、図4Bに描写するように見える。変形可能な管状要素24の端は、これで捲縮ラインに沿って内向きに曲がる。折り畳み角度は、90度をはるかに下回っている。
【0136】
前段折り畳みステーションの後、吸入器物品は終段折り畳みステーション60に運ばれる。終段折り畳みステーション60の処理ヘッド62は、凸形状の係合面65を有する概して円筒形の本体63を有する。
【0137】
終段折り畳みプロセスの間、終段折り畳みヘッド62は、吸入器物品10を保持するポケット32に向かって軸方向に移動する。凸形状の係合面64は、変形可能な管状要素24の事前に折り畳まれた遠位端16に接触する。終段折り畳みプロセスの後、変形可能な管状要素24の遠位端16は、図5Bに描写するように見える。変形可能な管状要素24の端は、これで約90度の折り畳み角度で内向きに曲がる。折り畳まれた遠位端16の中央に、0.5~1ミリメートルの直径を有する残留開口部が得られる。
【0138】
前段折り畳みおよび終段折り畳み中に変形可能な管状要素24の遠位端16を構造的に支持するために、図6に示すように、折り畳みヘッド52、62にはリング形状のエンドストロークスペーサー70が提供されている。エンドストロークスペーサー70は、エンドストロークスペーサー70の側壁74に提供されたねじ山72に挿入されるねじを介して、折り畳みヘッド52、62に取り付けられる。エンドストロークスペーサー70は、捲縮領域の近くに提供され、変形可能な管状要素24の遠位端16の折り畳み移動を案内する。エンドストロークスペーサー70は、前進機構の軸方向移動を制限するために、捲縮端の周りまたは前進機構36中に提供され得る。
【0139】
その両端を折り畳んだ後、二倍長の吸入器物品24を中央で切断し、閉鎖遠位端16を有する二つの吸入器物品を得る。切断は、従来の切断装置を用いて行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6