(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】照明システム、照明制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20240520BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240520BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240520BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/10
H05B45/20
(21)【出願番号】P 2023028354
(22)【出願日】2023-02-27
【審査請求日】2023-02-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)実証施設の展示 公開日 令和4年3月28日 公開場所 NTTアーバンソリューションズ株式会社 本社所在のビル内の実証施設 (東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX6階) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (2)実証施設を用いた実証実験 試験日 令和4年3月28日 (実証試験実施期間:実証施設を利用可能にした日から1年間を予定) 試験場所 NTTアーバンソリューションズ株式会社 本社所在のビル内の実証施設 (東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX6階) 試験を行った者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (3)説明会 開催日 令和4年4月8日 開催場所 NTTアーバンソリューションズ株式会社 本社所在のビル内の実証施設の説明会 (東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX6階) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社(渡邉 裕美) エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(福井 洋平) (4)ウェブサイト開設 ウェブサイトの掲載日 令和4年6月1日 ウェブサイトのアドレス https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/sp/00020/ https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/sp/00021/ 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社(渡邉 裕美) エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(福井 洋平) <資 料>株式会社 日経BP社ウェブサイト、2022年6月1日付掲載記事 (5)応募による公開 公開日 令和4年5月16日 公開場所 一般社団法人ニューオフィス推進協会主催「日経ニューオフィス賞」の審査受付用ウェブサイトのアドレス https://www.nopa.or.jp/prize/contents/tejun.html (参考情報:「日経ニューオフィス賞」の審査結果公開用ウェブサイトのアドレス https://www.nopa.or.jp/prize/contents/congratulation35.html) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社 一般社団法人ニューオフィス推進協会
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (6)入賞者と応募内容の公開 *応募の際に提出した技術資料の一部が、下記の刊行物に公開されている。 発行日 令和5年2月7日 刊行物 季刊誌NEWOFFICE No,204、第35回「日経ニューオフィス賞」特集「The Best of New Offices 2022」、136-137ページ 一般社団法人ニューオフィス推進協会 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社、一般社団法人ニューオフィス推進協会 (7)開催日 令和4年5月26日 開催場所 NTTアーバンソリューションズ株式会社 本社所在のビル内の実証施設の内覧会(東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX6階) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(代表説明者:上野 晋一朗、渡邉 裕美) <資 料> 実証施設の内覧会 紹介資料(2022年5月26日付発行) (8) 公開日 令和4年5月26日 公開場所 (NEWS RELEASE) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 <資 料> 資料(NEWS RELEASE) (9)ウェブサイトの掲載日 令和4年5月26日 ウェブサイトのアドレス https://www.ntt-us.com/news/2022/05/news-200526-01.html https://www.nttud.co.jp/news/detail/id/n26411.html 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (10)説明会 開催日 令和4年6月27日 開催場所 NTTアーバンソリューションズ株式会社 本社所在のビル内の実証施設の説明会(東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX6階) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社(代表者 渡邉 裕美)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (11) ウェブサイトの掲載日 令和4年8月24日 ウェブサイトのアドレス https://soken.xymax.co.jp/hatarakikataoffice/viewpoint/worktrend/column28.html 公開者 株式会社ザイマックス不動産総合研究所、NTTアーバンソリューションズ株式会社、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 <資 料> 株式会社ザイマックス不動産総合研究所社ウェブサイト掲載記事 (12) ウェブサイトの掲載日 令和4年8月24日 ウェブサイトのアドレス https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/24/news009.html 公開者 アイティーメディア株式会社、NTTアーバンソリューションズ株式会社、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(代表者 渡邉 裕美、尾関 聡之) <資 料> アイティーメディア株式会社、ウェブサイト掲載記事 (13) ウェブサイトの掲載日 令和4年10月6日 ウェブサイトのアドレス https://somk-bs.webex.com/somk-bs-jp/onstage/g.php?MTID=ed01d93ede14dedf59e4e2d04fbb7c3f7 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社(渡邉 裕美) <資 料> ウェブサイト掲載記事 (14) ウェブサイトの掲載日 令和4年11月8日 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=lRlnco7Guts https://www.youtube.com/watch?v=xmriw5oxNWM 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 (15) 発行日 令和4年12月1日 刊行物 「O.E.(the Office Environment)」、no.111、2022 Winter、36-39ページ、株式会社近代家具出版 公開者 株式会社近代家具出版 NTTアーバンソリューションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社(代表者 小張 慎一、渡邉 裕美) <資 料> 「O.E.(the Office Environment)」の掲載記事
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (16) 開催日 令和5年1月12日 開催場所 岡島ローヤル会館(山梨県甲府市丸の内1丁目21番15号 ビル8階) 公開者 NTTアーバンソリューションズ株式会社(代表者 小林 央) <資 料> 技術説明会 説明資料 (17) 発行日 令和5年2月7日 刊行物 季刊誌NEWOFFICE No,204、第35回「日経ニューオフィス賞」特集、「The Best of New Offices 2022」、136-137ページ、一般社団法人ニューオフィス推進協会 公開者 一般社団法人ニューオフィス推進協会、NTTアーバンソリューションズ株式会社 <資 料> 季刊誌 NEWOFFICE No,204 掲載記事 (18) ウェブサイトの掲載日 令和5年2月20日から同年3月13日まで ウェブサイトのアドレス 「公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会」主催のファシリティマネジメントフォーラム (Webセミナーオンデマンド配信)へのログイン用ウェブサイト:https://form.dr-seminar.jp/forms/mienct/login 上記Webセミナーオンデマンド配信の公開用ウェブサイト(上記の期間限定の公開):https://urldefense.com/v3/__https://form.dr-seminar.jp/lps/mienct/JFMA-FORUM2023_I-2__;!!OhYLZkit9p47d2A!vjLABL73o_D89LuJKBietrYEdvmckZOYKfDxe8NXKwZBIzhdoq7KuQ_3SAvDlBRmqLgH264FmPQwsibj62j8AD_QSu58BbflNzlWkCmu$ 公開者 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 NTTアーバンソリューションズ株式会社(代表説明者:上野 晋一朗) <資 料> Webセミナー配信記事
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】000102751
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 裕美
(72)【発明者】
【氏名】中矢 順一郎
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-125307(JP,A)
【文献】特開2015-139088(JP,A)
【文献】特開2020-57618(JP,A)
【文献】特開2020-194703(JP,A)
【文献】特開2016-146267(JP,A)
【文献】特開2021-157941(JP,A)
【文献】特開2022-61648(JP,A)
【文献】特開2021-197091(JP,A)
【文献】特開2010-257287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された照明システムであって、
点灯状態の調整により、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な3つ以上の状態にすることが可能な灯具と、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整する演出制御部と、
を備え、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記
施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
前記演出制御部は、
基準にする前記第1状態、変化の傾向を第1方向にして前記第1状態から徐々に変化させる前記第2状態、前記第2状態を終えてからの変化の傾向を第2方向にして徐々に変化させる前記第3状態を形成することにより、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整する、
照明システム。
【請求項2】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された照明システムであって、
点灯状態の調整により、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な3つ以上の状態にすることが可能な灯具と、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整する演出制御部と、
前記施設内の環境情報を取得するセンサ
と
を備え、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
前記演出制御部は、
前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整し、
前記灯具は、
さらに前記第1状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第5状態で点灯可能であり、
前記演出制御部は、
前記施設の前記利用予約情報による前記施設の利用許可時間の開始時から前記開始時以降の所定のときに達するまでの一部の期間に、前記環境情報の識別の結果に基づいて、前記第1状態とは異なる前記第5状態で前記灯具を点灯させる
照明システム。
【請求項3】
前記第1基準時は、前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間の満了時から所定の時間遡ったときである
請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1基準時は、前記施設の利用が許可された利用予約時間の半分が経過してから前記施設の利用予約時間の満了時に近づいてきたときである
請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記演出制御部は、
前記施設の利用許可時間の満了まで
に前記施設の利用を終了させる
べきときに達したことを前記施設の利用者に伝達するための演出を、前記灯具の点灯
状態の調整
によって前記第1基準時に開始する
請求項3に記載の照明システム。
【請求項6】
前記演出制御部は、
前記第2状態における光量を、前記第1状態における光量とは互いに異なるように調整する、
請求項1
又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項7】
前記演出制御部は、
前記第2状態における光の演色性を、前記第1状態における光の演色性とは互いに異なるように調整する、
請求項1
又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項8】
前記灯具は、少なくとも前記第1状態と、前記第2状態と、少なくとも前記第2状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第3状態との何れかにすることが可能であり、
前記第1基準時から前記
施設の利用許可時間の満了時までの間に第2基準時が決定されていて、
前記演出制御部は、
前記第2基準時に達すると前記灯具を前記第3状態で点灯させるように調整する、
請求項
4に記載の照明システム。
【請求項9】
前記所定の時間は5分から10分である
請求項3に記載の照明システム。
【請求項10】
前記所定の時間は、
前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間が30分から2時間以内に定められた場合に、前記
施設の利用許可時間の(1/24)から(1/3)に定められた時間である、
請求項3に記載の照明システム。
【請求項11】
前記所定の時間が前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間が満了する時刻に近づいた時刻であ
る
請求項3に記載の照明システム。
【請求項12】
前記所定の時間が、前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間内に会議やプレゼンテーションを終了させるために、会議やプレゼンテーションをまとめるべきタイミングであ
る
請求項3に記載の照明システム。
【請求項13】
さらに前記第2基準時以後、前記満了時以前に設けられる第3基準時が決定されていて、
前記演出制御部は、
前記第3基準時に達すると前記灯具を第4状態で点灯させるように調整する、
請求項8に記載の照明システム。
【請求項14】
前記第2状態と前記第3状態の内の少なくとも何れかの前記灯具の点灯状態は、光量と光の演色性の何れか又は両方が経時変化することを特徴とする、
請求項8に記載の照明システム。
【請求項15】
前記施設の音響と前記施設の画像の何れか又は両方の情報に基づいて前記施設の状況を検出し、
前記施設の状況により前記施設の照明の演出を前記施設内にいる利用者
に認識させるような変化量で変化させる
請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項16】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、点灯状態の調整により、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な3つ以上の状態にすることが可能な灯具を含む照明システムの照明制御方法であって、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整する過程と、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記
施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
基準にする前記第1状態、変化の傾向を第1方向にして前記第1状態から徐々に変化させる前記第2状態、前記第2状態を終えてからの変化の傾向を第2方向にして徐々に変化させる前記第3状態を形成して、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整する過程と
を含む照明制御方法。
【請求項17】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、点灯状態の調整により、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な3つ以上の状態にすることが可能な灯具を含む照明システムの照明制御方法であって、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整する過程と、
前記施設内の環境情報を取得する過程
と
を含み、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整し、
前記灯具は、前記第1状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第5状態で点灯可能であり、
前記施設の前記利用予約情報による前記施設の利用許可時間の開始時から前記開始時以降の所定のときに達するまでの一部の期間に、前記環境情報の識別の結果に基づいて、前記第1状態とは異なる前記第5状態で前記灯具を点灯させる
照明制御方法。
【請求項18】
前記第1基準時は、前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間の満了時から所定の時間遡ったときである
請求項16又は請求項17に記載の照明制御方法。
【請求項19】
前記第1基準時は、前記施設の利用が許可された利用予約時間の半分が経過してから前記利用予約時間の満了時に近づいてきたときである
請求項16又は請求項17に記載の照明制御方法。
【請求項20】
前記施設の利用許可時間の満了まで
に前記施設の利用を終了させる
べきときに達したことを前記施設の利用者に伝達するための演出を、前記灯具の点灯
状態の調整
によって前記第1基準時に開始する過程
を含む
請求項18に記載の照明制御方法。
【請求項21】
前記施設の音響と前記施設の画像の何れか又は両方の情報に基づいて前記施設の状況を検出する過程と、
前記施設の状況により前記施設の照明の演出
を変化させる過程と
を含む、
請求項16又は請求項17に記載の照明制御方法。
【請求項22】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、点灯状態の調整により、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な3つ以上の状態にすることが可能な灯具を含む照明システムのコンピュータに、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整させることと、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記
施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整させることと
基準にする前記第1状態、変化の傾向を第1方向にして前記第1状態から徐々に変化させる前記第2状態、前記第2状態を終えてからの変化の傾向を第2方向にして徐々に変化させる前記第3状態を形成するように前記灯具の点灯状態を調整することと
を実施させるためのプログラム。
【請求項23】
灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具を制御する照明システムのコンピュータに、
施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記灯具の点灯状態を調整することと、
前記施設内の環境情報を取得することと
を実行させるためのプログラムであって、
施設の利用が許可される期間の中で前記利用予約情報によって特定の利用者に割り当てられた利用許可時間において、前記施設の利用許可時間に第1基準時、第2基準時、第3基準時が少なくとも含まれていて、
前記期間の開始時以降の所定のときから前記第1基準時に至るまでの第1状態と、前記第1基準時以降前記第2基準時に至るまでの第2状態と、前記第2基準時以降前記第3基準時に至るまでの第3状態とが前記期間の状態に含まれていて、
前記灯具は、さらに前記第1状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第5状態で点灯可能であり、
前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態の違いが分かるように前記灯具の点灯状態を調整することと、
前記施設の前記利用予約情報による前記施設の利用許可時間の開始時から前記開始時以降の所定のときに達するまでの一部の期間に、前記環境情報の識別の結果に基づいて、前記第1状態とは異なる前記第5状態で前記灯具を点灯させることと
を実施させるためのプログラム。
【請求項24】
前記第1基準時は、前記利用予約情報に基づいた前記施設の利用許可時間の満了時から所定の時間遡ったときである
請求項22又は請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記第1基準時は、前記施設の利用が許可された利用予約時間の半分が経過してから前記利用予約時間の満了時に近づいてきたときである
請求項22又は請求項23に記載のプログラム。
【請求項26】
前記施設の利用許可時間の満了まで
に前記施設の利用を終了させる
べきときに達したことを前記施設の利用者に伝達するための演出を、前記灯具の点灯
状態の調整
によって前記第1基準時に開始すること
を実施させるための請求項24に記載のプログラム。
【請求項27】
前記施設の音響と前記施設の画像の何れか又は両方の情報に基づいて前記施設の状況を検出させることと、
前記施設の状況により前記施設の照明の演出
を変化させることと
を実施させるための請求項22又は請求項23に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、照明制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスとして利用される建物には、会議室、プレゼンテーションルームなどの各種施設が適宜設けられている。
このような各種施設を効率よく利用するために、予約制をとっていることがある。例えば、各施設の利用を希望する利用者は、事前に予約することで各施設を割り当てられた時間内で利用することができる。
通信設備を利用したオンライン会議の管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この管理システムは、会議計画の情報に基づいて、そのオンライン会議の終了予定時刻になって、通信設備の利用が許可された時間が満了したことを、オンライン会議の参加者に音声で通知して、その通信設備の利用を中断させるための技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、このような各種施設に適用可能な照明システムの中には、灯具の点灯と消灯を切り替える制御(ON/OFF制御)に加えて、点灯中の光量(光の出力強度)又は光の演色性を調整可能に形成されたものがある(例えば、特許文献2、3参照。)。特許文献2によれば、調光制御の自由度を高めることができる。これにより、利用者の操作に応じて当該施設の照明を調光したり、集中制御によって各系統の灯具を調光したりすることを可能にするものがある。この調光は利用者の操作又は要求に応じて半固定的に実施されるため、会議の途中でその会議の雰囲気を変える演出を、利用者の操作又は要求によらずに行えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-121060号公報
【文献】特開2017-50172号公報
【文献】特開2011-14341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施設において会議やプレゼンテーションに利用する場合などに、その会議やプレゼンテーションの進行が滞留することがある。このような状況から回避することが望まれる。その逆に、その会議やプレゼンテーションの進行が充実していて、このまま継続することが望まれる場合がある。何れの場合も客観的な状況の判定が困難であったため、施設の利用者にその状況に必要とされる処置の判断を委ねることが多く、施設の利用において会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させる等、生産性を高める演出をすることが困難な場合があった。
上記に関連する文献を示す。
例えば、特許文献1の技術は、通信設備を利用したオンライン会議の管理システムに関するものであり、建物の施設を利用する会議やプレゼンテーションに適用することを示唆するものでない。仮に、施設を利用する会議にこれを転用しても、会議に割り当てられた時間が終了してから音声による案内が通知されるために、施設の利用において会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させる等、生産性を高める演出をすることにならない。
特許文献2の技術は、無線通信を利用して照明設備を制御することを開示することで、利用者の操作又は集中制御によって各系統の灯具を調光して調光制御の自由度を高めることができるものである。この集中制御は、少なくとも利用予約情報に基づく制御ではない。この特許文献2には、少なくとも利用予約情報に基づいて灯具の点灯を調整することに関する開示がない。
特許文献3には、オフィスにおける知的創造活動で経験するデスクワーク、会議、ミーティング、休憩等のシーンに応じて照度と色温度を変更可能とし、知的創造活動を効率よく行えるオフィス照明環境を実現し、省エネルギー化を図ることを目的とする照明システムに関することが開示されている。この照明システムによれば、照明の制御において、制御モードを使い分けることができ、制御モードごとに、照度と色温度をそれぞれ設定可能である。会議内容に適した制御モードに切り替え可能にしたものである。この制御モードの切り替えは、オフィスの使用シーン又は時間帯に応じたものであるが、少なくとも施設の利用予約情報に基づいた制御によるものではない。この特許文献3には、少なくとも利用予約情報に基づいて、施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に灯具を第1状態で点灯させていて、第1基準時に達すると灯具を第2状態で点灯させるように調整することに関する開示がない。
このように上記の各文献に記載の技術には、少なくとも、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させることに関する開示はなく、参加者の生産性を高めることに貢献するものではなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させるように、生産性を高める演出をすることを可能にする照明システム、照明制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の照明システムは、灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された照明システムであって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具と、施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に前記灯具を前記第1状態で点灯させていて、前記第1基準時に達すると前記灯具を前記第2状態で点灯させるように調整する演出制御部と、を備える照明システムである。
【0008】
また、上記の照明システムにおいて、前記演出制御部は、前記第2状態における光量を、前記第1状態における光量とは互いに異なるように調整する。
【0009】
また、上記の照明システムにおいて、前記演出制御部は、前記第2状態における光の演色性を、前記第1状態における光の演色性とは互いに異なるように調整する。
【0010】
また、上記の照明システムにおいて、前記演出制御部は、前記第2状態における光量と光の演色性の両方を、前記第1状態における光量と光の演色性とは互いに異なるように調整する。
【0011】
また、上記の照明システムにおいて、前記灯具は、少なくとも前記第1状態と、前記第2状態と、少なくとも前記第2状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第3状態との何れかにすることが可能であり、前記第1基準時から前記利用許可時間の満了時までの間に第2基準時が決定されていて、前記演出制御部は、前記第2基準時に達すると前記灯具を前記第3状態で点灯させるように調整する。
【0012】
また、上記の照明システムにおいて、さらに前記第2基準時以後、前記満了時以前に設けられる第3基準時が決定されていて、前記演出制御部は、前記第3基準時に達すると前記灯具を第4状態で点灯させるように調整する。
【0013】
また、上記の照明システムにおいて、前記第2状態と前記第3状態の内の少なくとも何れかの前記灯具の点灯状態は、光量と光の演色性の何れか又は両方が経時変化することを特徴とする。
【0014】
また、上記の照明システムは、前記施設内の環境情報を取得するセンサを備え、前記灯具は、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第1状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第5状態との何れかの点灯状態で少なくとも点灯可能であり、前記演出制御部は、前記施設の前記利用予約情報と前記環境情報の識別の結果とに基づいて、前記施設の利用許可時間の開始から前記第1基準時に達するまでの間に、前記灯具を前記第5状態で点灯させる。
【0015】
また、上記の照明システムは、前記施設の照明の演出を、前記施設の音響と前記施設の画像の何れかと識別基準とを用いて前記施設の利用者が認識することに必要な時間をかけて変化させる。
【0016】
本発明の一態様の照明制御方法は、灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具を含む照明システムの照明制御方法であって、施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に前記灯具を前記第1状態で点灯させていて、前記第1基準時に達すると前記灯具を前記第2状態で点灯させるように調整する過程、を含む照明制御方法である。
【0017】
本発明の一態様のプログラムは、灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された灯具であって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具を制御する照明システムのコンピュータに、施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に前記灯具を前記第1状態で点灯させていて、前記第1基準時に達すると前記灯具を前記第2状態で点灯させるように調整させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させるように、生産性を高める演出をすることを可能にする照明システム、照明制御方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る照明システムの構成図である。
【
図2】実施形態の照明設備の調光制御を適用する施設の一例を説明するための図である。
【
図3】実施形態の照明システムに関する制御情報を説明するための図である。
【
図4】実施形態の制御部31の施設利用予約情報管理部311が管理する施設利用予約情報を説明するための図である。
【
図5】実施形態の施設利用予約管理処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態の時間管理処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の幾つかのシナリオを説明するための図である。
【
図8】第2の実施形態の幾つかのシナリオを説明するための図である。
【
図10】第3の実施形態に係る照明システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図を参照して、実施形態の照明システム、照明制御方法、及びプログラムについて説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る照明システム1の構成図である。
照明システム1は、施設に設けられた照明制御設備2によって、施設の状態を調整する。
照明システム1は、例えば照明制御設備2と、管理処理装置3とを含む。
照明制御設備2は、例えば、第1照明制御設備21と、第2照明制御設備22とを含む。
管理処理装置3は、コンピュータシステムを含む装置の一例である。
管理処理装置3は、例えば、制御部31と、記憶部32とを含む。
制御部31は、例えばCPUなどのプロセッサを含む。制御部31内の一部又は全部は、ハードウエア機能部であってもよく、ソフトウェア機能部であってもよい。
記憶部32には、例えばデータを格納する半導体メモリ、磁気記憶装置などを含む。記憶部32は、制御部31の制御に必要とされるプログラムのほか、各種データが格納される。
【0022】
図1に示す端末装置4は、例えば、照明システム1の操作部として利用される携帯型の無線通信装置である。端末装置4は、1台又は複数台で構成してもよい。複数台の端末装置4の種別は、共通であってもよく、異なっていてもよい。端末装置4は、アプリケーションソフトウエアによる処理を実行することで形成されるものであってもよい。
【0023】
照明システム1の照明制御設備2と、管理処理装置3と、端末装置4は、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続される。センサ5も同様にネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されていてよい。センサ5については後述する。
【0024】
なお、照明システム1を、下記のように構成してもよい。
照明システム1は、第1照明制御設備21と、制御部31とを含むように構成してもよい。さらに照明システム1は、例えば第2照明制御設備22を含めて構成してもよい。
また、照明システム1は、例えば端末装置4を含めて構成してもよい。
【0025】
以下、照明システム1の各部の詳細について順に説明する。
【0026】
(端末装置)
端末装置4は、例えばスマートフォンなどのように所謂コンピュータシステムを含む装置の一例である。例えば、端末装置4は、OS上で活性化されたアプリケーションプログラムの実行により、照明システム1の各部の設定、第1照明制御設備21の制御などを可能にする。
【0027】
(照明制御設備)
照明制御設備2の第1照明制御設備21は、灯具211と、そのコントローラ212を含む。
第1照明制御設備21の灯具221は、会議室などの特定領域に配置される。灯具211の種類は、シーリング型、ダウンライト型、ペンダント型、スポットライト型、ブラケット型などの一般的な種類の中の1種類で構成してもよく、複数の種類を組み合わせて構成してもよい。
【0028】
例えば、第1照明制御設備21のコントローラ212と灯具211は、通信可能に接続されている。第1照明制御設備21のコントローラ212は、これに係る灯具211の点灯状態を制御する。
【0029】
第1照明制御設備21のコントローラ212は、上記の灯具211の点灯・消灯の制御のほかに、点灯状態を調整して調光することができる。ここでいう「調光」には、灯具211が発光量の調整、つまり灯具211の出力の調整、灯具211が投じる光の色温度の調整、上記の組合せによる調整などが含まれてよい。
【0030】
第2照明制御設備22は、灯具221と、そのコントローラ222を含む。第2照明制御設備22の灯具221は、上記の特定領域又は特定領域以外の領域に配置される。灯具221の種類は、シーリング型、ダウンライト型、ペンダント型、スポットライト型、ブラケット型などの一般的な種類の中の1種類で構成してもよく、複数の種類を組み合わせて構成してもよい。
【0031】
第2照明制御設備22のコントローラ222は、上記の灯具221の点灯・消灯を制御するが、点灯状態を調整して調光するように構成されていなくてもよい。
【0032】
ここで、
図2を参照して、実施形態の一例について説明する。
図2は、実施形態の照明設備の調光制御を適用する施設の一例を説明するための図である。
図2に、施設の一例である会議室の状況の一例を画像で示す。
この会議室の天井には、第1照明制御設備21の灯具211が設けられている。灯具211は、例えばペンダント型と、ダウンライト型とを含む。
図2(a)に、2人の利用者が会議机を挟んで着座して、打合せをしている状態を示す。この状態の灯具211は、予め設定されている基準の状態又は利用者が設定した状態で点灯している。
図2(b)に、その後に実施される調光により、灯具211の出力と光の成分のバランスの両方が調整された状態を示す。
【0033】
この
図2(b)に示す照明の状態は、
図2(a)に示した照明の状態よりも照度が低く、暖色系に調整されている。この会議室を利用している利用者は、
図2(a)に示した照明の状態から
図2(b)に示した照明の状態に変わったことを、視覚的に識別可能になっている。
【0034】
図1に戻り、上記のような調光制御を実施する照明システム1の各部の詳細の説明を続ける。
【0035】
(管理処理装置)
制御部31は、例えば、施設利用予約情報管理部311と、照明演出制御部312と、推定部313とを備える。照明演出制御部312は、演出制御部の一例である。
制御部31は、図示しない計時部を有している。制御部31は、計時部による時刻情報を用いて照明制御設備2に対する制御を行うことができる。
【0036】
以下、施設利用予約情報管理部311と、照明演出制御部312について先に説明する。推定部313に関する説明は、後述する。
【0037】
施設利用予約情報管理部311は、建物内の各施設の利用予約情報を管理する。施設利用予約情報管理部311は、建物内の各施設の利用予約情報を、端末装置4から取得して、記憶部32に追加して各施設の利用予約情報として管理して、これを利用する。
【0038】
例えば、施設利用予約情報管理部311は、新たに、建物内の各施設の利用予約情報を取得した場合、端末装置4から取得した建物内の各施設の利用予約情報を記憶部32に追加する。
また、施設利用予約情報管理部311は、取得した情報から記憶部32に格納されていた建物内の各施設の利用予約情報の変更又はその変更要求を検出した場合、記憶部32に格納されていた建物内の各施設の利用予約情報を、変更後の情報に更新する。
【0039】
施設利用予約情報管理部311は、上記のとおり、新たに記憶部32に追加された、建物内の各施設の利用予約情報を照明演出制御部312によって利用可能にする。
例えば、施設利用予約情報管理部311は、建物内の各施設の利用予約情報に変化があったことを照明演出制御部312に通知してもよい。例えば、この通知の際に、施設利用予約情報管理部311は、新たに記憶部32に追加された利用予約情報を、照明演出制御部312に通知してもよい。この通知は、コマンド又はMAILの形態で送付してもよく、記憶部32内の共有メモリを介しての通知であってもよい。
【0040】
照明演出制御部312は、施設利用予約情報管理部311と、推定部313と連携して、照明制御設備2の調光制御を実施する。
【0041】
(調光制御に関する処理)
照明制御設備2における第1照明制御設備21は、灯具211の光量と光の演色性(照度又は色温度)の何れか又は両方を調整可能に形成されている。
【0042】
照明システム1の灯具211は、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能である。
上記の第1状態と第2状態は、施設内の明るさ、色調などにより特徴づけられる状態である。第1状態と第2状態についての具体例を後述する。後述する第3状態についても同様である。
【0043】
例えば、灯具211は、少なくともその第1状態と、第2状態と、少なくとも第2状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第3状態との何れかにすることが可能であるとよい。
【0044】
制御部31の施設利用予約情報管理部311は、施設の利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる所定の時刻(第1基準時)に達する前に灯具211をその第1状態で点灯させていて、所定の時刻(第1基準時)に達すると灯具211を第2状態で点灯させるように調整する。後述する時刻t11は、所定の時刻である第1基準時の一例である。
【0045】
第1状態と第2状態の関係と、制御部31の施設利用予約情報管理部311の制御の一例について説明する。
例えば、第2状態における光量(照度)は、その第1状態における光量(照度)とは互いに異なっているとよい。この場合、制御部31の施設利用予約情報管理部311は、第2状態における光量(照度)を、その第1状態における光量(照度)とは互いに異なるように調整するとよい。
【0046】
また、例えば、第2状態における光の演色性は、その第1状態における光の演色性とは互いに異なっているとよい。この場合、制御部31の施設利用予約情報管理部311は、第2状態における光の演色性を、その第1状態における光の演色性とは互いに異なるように調整するとよい。
【0047】
また、例えば、第2状態における光量(照度)と光の演色性の両方は、その第1状態における光量(照度)と光の演色性とは互いに異なっていてもよい。この場合、制御部31の施設利用予約情報管理部311は、第2状態における光量(照度)と光の演色性の両方を、その第1状態における光量(照度)と光の演色性とは互いに異なるように調整するとよい。
【0048】
図3から
図6を参照して、実施形態の第1シナリオにおける照明システム1の働きについて説明する。
図3は、実施形態の照明システム1に関する制御情報を説明するための図である。
図3に示す照明制御情報テーブルには、識別情報(ID)、種類、点灯状態フラグ、調光許可フラグ、基準出力、出力補正、出力変動幅、基準色温度、色温度補正、色温度変動幅、第1状態遷移時間、第2状態遷移時間などの項目を含む。
【0049】
識別情報(ID)には、制御対象の灯具が設けられている施設を識別するための識別情報が含まれる。施設の1単位ごとに識別情報が付与される。この識別情報は、各部屋に対応付けられているとよい。
種類には、施設に設けられている灯具の種類の情報が含まれる。
点灯状態フラグは、灯具を点灯状態に制御するか否かを示すフラグである。このフラグが例えば「点灯」である場合に灯具を点灯させて、「消灯」である場合に灯具を消灯させる。
調光許可フラグは、灯具の調光を許可するか否かを示すフラグである。このフラグが例えば「要」である場合に灯具の調光を許可して、「不要」である場合に、調光制御の対象ではないこと、又は灯具の調光を制限することを示す。なお、恒常的に「不要」に設定する場合には、以下の項目のデータを省略できる。
基準出力は、第1制御モード時の発光量の基準値を示す。
出力補正は、第1制御モード時の発光量を基準出力から補正したときの補正量を示す。
出力変動幅は、第1制御モード時の発光量を第2制御モード時の発光量にするときの変動幅を示す。例えば、この出力変動幅は、上記の基準出力又は出力補正の値を用いて補正された後の出力値に基づいて決定されていてもよく、予め定められた値に決定されていてもよい。
【0050】
基準色温度は、第1制御モード時の色温度の基準値を示す。
色温度補正は、第1制御モード時の色温度を基準値から補正したときの補正量を示す。
色温度変動幅は、第1制御モード時の色温度を第2制御モード時の色温度にするときの変動幅を示す。例えば、この色温度変動幅は、上記の基準色温度又は色温度補正の値を用いて補正された後の色温度に基づいて決定されていてもよく、予め定められた値に決定されていてもよい。
【0051】
第1状態遷移時間は、第2制御モードにおいて、第1制御モード時の点灯状態を第2制御モードの点灯状態に徐々に遷移させる過渡状態を継続させる期間を規定する。
第2状態遷移時間は、第3制御モードにおいて、第2制御モード時の点灯状態を第3制御モードの点灯状態に徐々に遷移させる過渡状態を継続させる期間を規定する。
【0052】
なお、各施設の照度は、施設の利用形態により適した値が異なる。上記の説明では、定格を1に規格化して説明しているが、適宜変更可能である。例えば、会議室などで一般的に設定される範囲の照度に対応する出力を例えば100%と規定して、下記のように、色温度と出力を、下記の時間をかけて調整してもよい。
・会議の場合、例えば、照明(ダウンライト、ペンダントライト、その他の照明)の色温度を約1~2秒かけて1000~2000K(ケルビン)の変化量の範囲で下げ、出力を10%~60%の変化量の範囲で元の出力(100%)から下げる。
・プレゼンテーションの場合、例えば、照明(ダウンライト、ペンダントライト、その他の照明)の色温度を約1~2秒かけて1000~2000K(ケルビン)の変化量の範囲で下げ、出力を10%~60%の変化量の範囲で元の出力(100%)から下げる。あるいは、複数ある照明のうち一部の出力を、例えば約1~2秒かけて0%まで下げてもよい。
なお、上記の変化量の範囲の上限値と下限値の夫々は、一例を示すものであり、適宜変更してもよい。
利用者の一部又は全部に、この演出が示す情報を共有しておくことにより、この情報を共有する利用者に必要な情報を伝えることができる。
変化量を大きくすることにより、明らかに施設の照度が変化したことを伝えることができる。この逆に、変化量を小さくすることにより、注意していないと施設の照度が変化したことに気づかないことがある。上記の変化賞の範囲であれば、この演出を見落とすことを抑制できる。
上記のように「1~2秒」の時間をかけて照明の演出を変えることにより、単位時間内の変化量を適量にすることができ、これを超えて長くすると、その変化に気づくことができなくなる。これよりも短くすると、瞬きや、関心のあるものを見ている間にあたってしまうことにより、見落とす可能性が高くなる。上記のように「1~2秒」の時間にすることにより、施設の照明の演出にかける時間を、施設の音響と施設の画像の何れかと識別基準とを用いて施設の利用者が認識することに要する時間に設定する。
例えば、上記のように例えば「1~2秒」の時間をかけて照明の点灯状況を変化させる演出が意図することが関係者に共有されているとする。この場合、その演出について予め共有されることなくその演出に接した人よりも、その演出について予め共有されていた人の方が、その演出があったことを認識する認識度が高まる傾向にある。上記の「1~2秒」の時間は、このように、演出が示す意図が周知されている人に認識しやすくすることを可能にする時間の一例である。
【0053】
図4は、実施形態の制御部31の施設利用予約情報管理部311が管理する施設利用予約情報を説明するための図である。
【0054】
図4に示す施設利用予約情報テーブルには、識別情報(ID)、年月日、開始時刻、終了時刻、終了通知要否、促進通知要否、予約登録者などが含まれる。
【0055】
識別情報(ID)は、照明制御情報テーブルにおいて説明したとおりである。
年月日は、施設を利用する日を特定するための情報を含む。
開始時刻は、施設利用予約情報により施設の利用を開始する時刻である。
終了時刻は、施設利用予約情報により施設の利用を終了する時刻である。
終了通知要否は、終了時刻に関連付けて設定される時刻に、終了時刻の満了を事前に通知することが必要か否かを示す情報を含む。
促進通知要否は、施設の利用中に、利用者の健康状態、情動などを推定して、通知すべき状態になったときに、その通知することが必要か否かを示す情報を含む。
予約登録者は、各レコードの施設予約情報が登録された際に設定される。予約登録者は、各レコードの施設予約情報を管理して、当該レコードの変更・削除の権限を有する。
【0056】
施設利用予約情報テーブルには、上記の各項目のデータを含むレコードが格納される。
例えば、施設利用予約情報テーブルにおける1レコードが、各施設を利用するための予約1件として管理される単位になる。予約が受け付けられると、施設利用予約情報テーブルに1レコードが追加される。
この施設利用予約情報テーブルに登録されているデータの中に、有効なデータと識別される予約登録者の施設利用予約情報があることで、予約登録者として、その施設を利用する権限が確保されることになる。予約登録者は、施設利用予約情報があることによって、自ら設定した開始時刻から終了時刻までの期間に、当該施設を利用することができる。
【0057】
上記の各項目に関する説明を補足する。
上記の「終了時刻に関連付けて設定される時刻」とは、その終了時刻よりも所定時間遡って設定される所定の時刻であるとよい。その「所定時間」は、予め設定されていてもよく、30分から2時間程度の会議に適用する場合には、5分から10分程度の時間に設定するとよい。
【0058】
(施設利用予約管理処理について)
図5を参照して、実施形態の施設利用予約管理処理について説明する。
図5は、実施形態の施設利用予約管理処理を示すフローチャートである。
制御部31の施設利用予約情報管理部311は、施設の利用予約を管理する。例えば、施設利用予約情報管理部311は、利用者の要求に応じて施設の利用予約を追加して、又はその要求を受け付けて施設の利用予約に関する情報を利用者が操作する端末装置4などに提供する。
【0059】
その中で、利用者は、施設利用予約情報管理部311から端末装置4に提供された情報により、希望する日時に、所望の施設が利用可能か否かを識別する。
利用者は端末装置4を操作して、施設の利用予約に関する情報を制御部31に対して送信する。
【0060】
このとき、端末装置4は、利用者の操作を受け付けて、これに基づいた施設の利用予約に関する情報を制御部31の施設利用予約情報管理部311に対して送信するとよい。
【0061】
これに対して、制御部31の施設利用予約情報管理部311は、端末装置4からの要求を受け付けて(SA01)、施設の利用予約に関する情報を取得する(SA02)。
施設利用予約情報管理部311は、取得した施設の利用予約に関する情報に基づいて、要求された日時の利用予約の有無を識別する(SA03)。
例えば、取得した施設の利用予約に関する情報に、要求された日時の利用予約がなければ、施設利用予約情報管理部311は、その利用要求を許可して、利用予約情報を記憶部32に追加する(SA04)。
これに対し、取得した施設の利用予約に関する情報に、要求された日時の利用予約があれば、施設利用予約情報管理部311は、その利用要求に対して、空きがないこと示す応答を端末装置4に返す(SA05)。
【0062】
このような処理により、記憶部32に最新の利用予約情報が蓄積される。
なお、施設利用予約管理処理は、上記の手順に制限されることはなく、矛盾しない範囲で変更してもよい。
【0063】
(施設利用予約に基づいた時間管理処理について)
図6を参照して、実施形態の時間管理処理について説明する。
図6は、実施形態の時間管理処理を示すフローチャートである。
制御部31の施設利用予約情報管理部311は、例えば、新たに記憶部32に追加した施設利用予約情報を、照明演出制御部312に通知する。照明演出制御部312は、この通知を検出する(SB01)。
【0064】
照明演出制御部312は、施設利用予約情報管理部311から提供される施設利用予約情報から、当該施設利用予約の時間帯の「終了時刻」を抽出して(SB02)、「終了時刻に関連付けて設定される時刻」(予定時刻)を決定する(SB03)。
【0065】
例えば、施設の利用予約の時間帯が13時から14時である場合、その「終了時刻」は14時になる。例えば、その「終了時刻」よりも10分ほど遡った時刻の「13時50分」が
「終了時刻に関連付けて設定される時刻」になる。「終了時刻に関連付けて設定される時刻」の「13時50分」に照明の演出を調整する処理を開始するように、照明演出制御部312は、その予定時刻を決定する。
【0066】
この施設が利用されている状況で、上記の予定時刻になると、照明演出制御部312は、当該施設の灯具の点灯状態を調整するように、第1照明制御設備21に対して調光制御を指令する(SB04)。
【0067】
(調光制御について)
図7と
図8は、実施形態の幾つかのシナリオに対する適用例を説明するための図である。
図7と
図8に示すグラフは、ある会議中の調光制御の一例を示す。
図7と
図8の縦軸に、光量又は光の演色性を示し、横軸に時間の経過を示す。以下の説明では、説明を簡略化するため、光量の調整を例示して説明するが、光の演色性の調整を実施してもよく、光量の調整と光の演色性の調整を実施してもよい。なお、会議の間に、上記の調整を組み合わせて実施することに制限はなく、適宜組み合わせてよい。
なお、
図8については後述する。
【0068】
第1のシナリオ:
この
図7に第1のシナリオの調光制御を示す。
図7の左端に当たる初期状態は、会議開始前の会議準備の状況にある。会議準備の状態で、既に照明が点灯状態になっている。そのときの光量は、例えば会議室に適した照度基準に基づいて決定してよい。概ね、300Lx(ルクス)から750Lxの間で設定されている。この照度を「基準出力」と呼ぶ。基準出力は、灯具の定格出力より低減されている。例えば灯具の定格出力時の照度を1000Lxとして、これを「1」で示すと、750Lxの照度を確保するならば、基準出力を「0.75」などにするとよい。
【0069】
時刻t10から時刻t30までが、この会議に割り当てられている予定会議時間である。
なお、予定会議時間内に、利用者の操作によって調光することができる。利用者は、調光するか否かを適宜決定できる。調光する際に、利用者は、端末装置4を用いて、制御部31に調光によって点灯状態を変更する要求を通知するとよい。
【0070】
例えば、時刻t20に、端末装置4に対して照度を低減させる操作が行われると、制御部31の照明演出制御部312は、これを検出して、照度を「0.75」から「0.7」に調整する。これに応じた第1照明制御設備21の制御により、灯具211の出力が「0.7」になる。利用者は、この照度の点灯状態で会議を継続する。
【0071】
その後、時刻t11になると、制御部31の照明演出制御部312は、灯具211の出力を「0.7」から「0.5」などに向けて徐々に低減させる。ここで例示する灯具の出力の大きさは、一例であり、適宜変更してよい。
【0072】
例えば、制御部31の照明演出制御部312は、照明制御情報テーブル(
図3)を参照して、出力補正と出力変動幅として、「0.7」と「0.2」とを得る。制御部31の照明演出制御部312は、出力補正の値「0.7」から出力変動幅の値「0.2」を減算して、その演算結果から制御目標値の「0.5」を得る。制御部31の照明演出制御部312は、制御目標値の「0.5」を用いて、照明制御設備2の第1照明制御設備21に対して出力の調整を指令して、制御目標値の「0.5」になるように調光させる。
【0073】
この調整には、PWM制御のDUTYの調整などによって、単位時間当たりの灯具211の点灯時間を調整するなどの方法を利用できる。これにより、第1照明制御設備21は、出力補正の値「0.7」から制御目標値の「0.5」に、灯具211の出力が徐々に減光するように、各灯具211の光量を調整することができる。
【0074】
この調光制御により、灯具211からの出力が、「0.7」から「0.5」に向けて徐々に低減する。
【0075】
この後、時刻t12になると、制御部31の照明演出制御部312は、灯具211の出力を例えば「0.4」から「0.7」などに向けて徐々に高めて、前述の時刻t11に至るまでの照度が得られるように回復させる。
【0076】
制御部31の照明演出制御部312は、照明制御設備2における灯具211の点灯状態を、予定会議時間が満了するとき(時刻t30)までこれを維持する。この先の説明を省略する。
なお、この
図7に例示する灯具の出力(照度、明るさ)は、その一例を示すものであり、環境、目的に合わせて適宜変更してよい。
【0077】
上記の実施形態によれば、照明システム1は、灯具211の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成されている。照明システム1の灯具211は、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と第2状態との何れかにすることが可能なものである。制御部31は、施設の利用予約情報に基づいて、施設の利用許可時間内に含まれる時刻t11(第1基準時)に達する前に灯具211を第1状態で点灯させていて、時刻t11(第1基準時)に達すると灯具211を第2状態で点灯させるように調整する。このような調光が行われるタイミングが、施設の利用許可時間が満了する時刻t30に近づいたタイミングであることが周知されていれば、このような調光に気づいた施設の利用者は、音声や文字で通知するまでもなく、そのタイミングになったことを識別できる。利用者に、このタイミングを気づかせることができることにより、残された施設の利用許可時間を有効に利用することができる。このように、予定時間内に施設の利用を終了させるように照明システム1を稼働させるとよい。これにより、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させるように、生産性を高める演出をすることができる。
【0078】
なお、上記のとおり、時刻t11(第1基準時)から利用許可時間の満了時である時刻t30までの間に時刻t12(第2基準時)が決定されている。上記の時刻t12は、第2基準時の一例である。例えば、制御部31の照明演出制御部312は、時刻t12(第2基準時)に達すると灯具211を第3状態で点灯させるように調整するとよい。
【0079】
さらに時刻t12(第2基準時)よりも時刻30(満了時)よりに、時刻t13(第3基準時)が決定されている。例えば、制御部31の照明演出制御部312は、時刻t13(第3基準時)に達すると灯具211を第4状態で点灯させるように調整するとよい。
【0080】
この第4状態は、前述の第1状態と同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。第4状態と第1状態とが互いに異なる場合に、第4状態は、第1状態よりも照度が低く設定されるとよい。又は第4状態は、第1状態よりも暖色系に設定されるとよい。
【0081】
上記の第2状態と第3状態の内の少なくとも何れかの灯具211の点灯状態として、光量と光の演色性の何れか又は両方を経時変化させるとよい。
【0082】
(第2の実施形態)
上記の各図と
図9とを参照して第2のシナリオに適用可能な調光制御について説明する。
第2の実施形態の照明システム1は、推定部313を利用して、施設内で進行中の状況を検出する。
推定部313は、収集された音響と画像の何れかと所定の識別基準とを用いて、施設の場の状況を推定する。
【0083】
図9は、実施形態の推定部313の構成図である。
推定部313は、例えばセンサ情報取得部3131と、音声音響情報理解部3132と、自然言語情報理解部3133と、画像映像情報理解部3134と、モーダル間共通理解部3135と、状況推定部3136とを備える。
【0084】
センサ情報取得部3131は、センサ5から施設内に配置された各種センサの情報を取得する。センサ5の各種センサには、マイク、カメラなどが含まれる。センサ5は各施設に固定して設けられていてもよい。
【0085】
これに代えて、センサ5は、端末装置4に設けられていてもよい。例えば、施設内に持ち込まれた利用者の端末装置4を用いて、端末装置4と管理処理装置3を通信可能な状態にする。センサ情報取得部3131は、この端末装置4からの情報を、センサ5からの情報としてもよい。
【0086】
音声音響情報理解部3132は、センサ5が検出した施設内の音声音響情報に基づいて、その音声音響情報が示す特徴量を抽出する。例えば、音声音響情報が示す特徴量は、声の大きさ、施設内の環境音の大きさ、揺らぎ、話者の声質の識別(男性/女性など)、話者の発言頻度などを含む。
【0087】
自然言語情報理解部3133は、センサ5が検出した施設内の音声音響情報から自然言語情報を抽出する。例えば、音声音響情報が示す特徴量は、声・音響の大きさ、環境音の大きさ、揺らぎなどを含む。
【0088】
画像映像情報理解部3134は、センサ5が検出した施設内の画像情報から施設の利用状況に関する情報を抽出する。例えば、施設の利用状況に関する情報は、利用者の人数、利用者の識別、利用者の行動の識別、発言者の識別などを含む。
【0089】
音声音響情報理解部3132と、自然言語情報理解部3133と、画像映像情報理解部3134の各部によって抽出された、利用中の施設内の状況に関する情報を、センサ5によって検出された時刻に関連付けることで、時刻情報をキーにして書く情報を組み合わせることができる。
【0090】
例えば、モーダル間共通理解部3135は、時刻情報をキーにして、上記の利用中の施設内の状況に関する情報を組み合わせることで目的の解析に有意な情報を抽出する。
例えば、後段の処理として場の状況の変化を検出する。モーダル間共通理解部3135は、これに適した情報を抽出する。
【0091】
状況推定部3136は、モーダル間共通理解部3135によって抽出された情報を用いて、施設の場の状況の変化を検出する。検出する場の状況には、声質、音量、言葉の意味、発言者、話し方の抑揚などが含まれているとよい。
推定部313は、場の状況を総合的に判定することにより、このような場の状況の変化の識別精度を高めている。
【0092】
例えば、推定部313は、センサ5によって収集された音響と画像の何れかと所定の識別基準とを用いて、施設の場の状況を推定する。推定部313は、推定された場の状況から実際の施設の利用状況を推定する。
【0093】
より具体的には、センサ5などのマイクを介して取得した音声情報や、センサ5などのカメラを介して取得した画像情報を解析することで、施設の場の状況を推論し得る。施設の場の状況から会議やプレゼンテーションをこのまま継続することが適さないと判断できるときがある。このような場合には、この状態を利用許可時間が満了するまで継続するよりも、その時間が満了する前に終了させることが適していると判断するとよい。
【0094】
(調光制御について)
第2のシナリオ:
図8に第2のシナリオの調光制御を示す。ここでは
図7との相違点を中心に説明する。
【0095】
時刻t10から時刻t30までが、この会議に割り当てられている予定会議時間である。
例えば、時刻t20に、端末装置4に対して照度を低減させる操作が行われて、灯具211の出力が「0.7」になっている。利用者は、この照度の点灯状態で会議を継続する。
【0096】
その後、時刻t51になると、制御部31の推定部313は、施設の場の状況の変化を上記の方法で検出する。制御部31の推定部313は、これに応じて会議の中断などを促すように、制御部31の照明演出制御部312に通知する。なお、中断を目的とする制御に限らず、その場を和ませるような演出、目が覚めるような演出などを取り入れたり、場がうまく進んでいるときには延長を促したりするような演出も含めてもよい。これにより、施設の利用の生産性を高めることができる。
【0097】
制御部31の照明演出制御部312は、推定部313からの通知を受けて、灯具211の出力を例えば「0.7」から「0.5」などに向けて徐々に低減させる。ここで例示する灯具の出力の大きさは、一例であり、適宜変更してよい。
【0098】
例えば、制御部31の照明演出制御部312は、照明制御情報テーブル(
図3)を参照して、出力補正と出力変動幅として、「0.7」と「0.2」とを得る。制御部31の照明演出制御部312は、出力補正の値「0.7」から出力変動幅の値「0.2」を減算して、その演算結果から制御目標値の「0.5」を得る。制御部31の照明演出制御部312は、制御目標値の「0.5」を用いて、照明制御設備2の第1照明制御設備21に対して出力の調整を指令して、制御目標値の「0.5」になるように調光させる。
【0099】
この調光制御により、灯具211からの出力が、「0.7」から「0.5」に向けて徐々に低減する。
【0100】
時刻t51から所定時間が経過して時刻t52になると、制御部31の照明演出制御部312は、灯具211の出力を例えば「0.7」などに向けて徐々に高めて、前述の時刻t51に至るまでの照度が得られるように回復させる。
【0101】
なお、時刻t51の施設の場の状況の変化の検出に応じた照明システム1の処理は、照度の回復をもって一区切りになる。
【0102】
その後、時刻t11になると、制御部31の照明演出制御部312は、第1の実施形態と同様に灯具211の出力を「0.7」から「0.5」などに向けて徐々に低減させる。
以下の処理は、第1の実施形態と同様でよい。
【0103】
第2の実施形態によれば、施設の場の状況の変化に応じて、照明の調光を実施することができる。これによって、施設の利用者に対して注意を働きかけることができる。照明システム1は、第1の実施形態に示した第1基準時(時刻t11)に至っていなくとも、この施設の場の状況の変化をトリガーにして、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させる等、生産性を高める演出を行うこともできる。これにより、施設の利用の生産性を高めることができる。
【0104】
このような、照明システム1の灯具211は、上記の第1状態と、第2状態と、第1状態とは互いに異なることが視覚的に識別可能な第5状態との何れかの点灯状態で少なくとも点灯可能であるとよい。第5状態は、上記の第2状態と同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、第5状態は、上記の第1状態と同一でないことが望ましい。
このように、制御部31は、施設の利用予約情報と環境情報の識別の結果とに基づいて、施設の利用許可時間の開始から時刻t11(第1基準時)に達するまでの間に、灯具211を第5状態の条件に即して点灯させることができる。なお、実施形態の環境情報に、施設内の音響、画像、湿度、温度、CO2量、赤外線強度などを含めてもよい。
【0105】
(第3の実施形態)
図10を参照して第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態の照明システム1Aは、第1、第2の実施形態の照明システム1に対し、管理処理装置3、制御部31などの構成が異なる。以下、これについて、第1、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0106】
照明システム1Aは、照明システム1の管理処理装置3に代えて、管理処理装置3Aと、管理処理装置3Bとを含む。
照明制御設備2は、例えば、第1照明制御設備21と、第2照明制御設備22とを含む。
管理処理装置3Aと、管理処理装置3Bは、管理処理装置3と同様にコンピュータシステムを含む装置の一例である。
【0107】
照明システム1Aの照明制御設備2と、管理処理装置3Aと、管理処理装置3Bと、端末装置4は、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続される。管理処理装置3Aと、管理処理装置3Bとの間の情報伝達が、ネットワークNWを介して実施される。
【0108】
管理処理装置3Aは、例えば、制御部31Aと、記憶部32Aとを含む。
管理処理装置3Bは、例えば、制御部31Bと、記憶部32Bとを含む。
【0109】
制御部31Aと制御部31Bは、制御部31と同様に、CPUなどのプロセッサを含む。制御部31Aと制御部31B内の一部又は全部は、ハードウエア機能部であってもよく、ソフトウェア機能部であってもよい。
記憶部32Aと記憶部32Bは、例えばデータを格納する半導体メモリ、磁気記憶装置などを含む。記憶部32Aは、制御部31Aの制御に必要とされるプログラムのほか、各種データが格納される。記憶部32Bは、制御部31Bの制御に必要とされるプログラムのほか、各種データが格納される。
【0110】
(管理処理装置)
制御部31Aは、例えば、施設利用予約情報管理部311を備える。
制御部31Bは、例えば、照明演出制御部312と、推定部313とを備える。
【0111】
要するに、前述の制御部31は制御部31Aと制御部31Bに分割されている。
制御部31Aと制御部31Bとの間の情報伝達が、ネットワークNWを介して実施される。
制御部31Aと制御部31Bは、図示しない計時部をそれぞれ有している。制御部31Aと制御部31Bは、それぞれの計時部による時刻情報を用いて照明制御設備2を制御するための処理を行うことができる。
【0112】
照明システム1Aは、所定の機能を分散配置した管理処理装置3Aと、管理処理装置3Bとを含むようにした。機能の分散配置は、上記に限らず適宜行うことができる。
【0113】
上記の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することのほか、機能の分散配置が可能になる。
【0114】
上記の何れかの実施形態による照明システム1(1A)は、灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された照明システムであって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具と、施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に前記灯具を前記第1状態で点灯させていて、前記第1基準時に達すると前記灯具を前記第2状態で点灯させるように調整する演出制御部と、を備えることにより、会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させるように、生産性を高める演出をすることができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、照明システム1(1A)と管理処理装置3(3A、3B)は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSなども含むものとする。
【0116】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。例えば、各実施形態とその変形例に例示した手法は、例示した組合せ以外の組みにしてもよい。また、本発明の実施形態は、上記の実施形態を次のように変形したものとすることができる。
例えば、ここで例示する灯具の出力の大きさ、種類などは、一例であり、適宜変更してよい。
【符号の説明】
【0117】
1 照明システム
2 照明制御設備
21 第1照明制御設備
22 第2照明制御設備
3 管理処理装置
31 制御部
311 施設利用予約情報管理部
312 照明演出制御部
313 推定部
4 端末装置
5 センサ
【要約】
【課題】会議やプレゼンテーションを効率よくまとめたうえで終了させるように、生産性を高める演出をすることを可能にする。
【解決手段】照明システムは、灯具の光量と光の演色性の何れか又は両方を調整可能に形成された照明システムであって、配置されている施設の状態を、互いに視覚的に識別可能な第1状態と、第2状態との何れかにすることが可能な灯具と、施設利用予約情報管理部によって管理される利用予約情報に基づいて、前記施設の利用許可時間内に含まれる第1基準時に達する前に前記灯具を前記第1状態で点灯させていて、前記第1基準時に達すると前記灯具を前記第2状態で点灯させるように調整する演出制御部と、を備える。
【選択図】
図1