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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】撮像モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/06 20210101AFI20240520BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240520BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240520BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20240520BHJP
【FI】
G03B9/06
G03B30/00
G02B7/02 H
G02B7/04 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023151830
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-10-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/049184(WO,A1)
【文献】特開2010-049135(JP,A)
【文献】特開2008-096945(JP,A)
【文献】特開2019-071028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/06
G03B 30/00
G02B 7/02
G02B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、
円柱を備え、前記円柱の軸線と前記レンズの光軸とが重なり合っており、前記レンズが前記円柱に収容されているオートフォーカス機構と、
前記円柱の内壁に固定された駆動コイルアセンブリと、
前記レンズと同軸設置され、かつ前記レンズの物体側に固定された羽根支持部材と、
前記レンズと同軸設置され、かつ前記羽根支持部材の物体側に回転可能に係合された羽根従動リングと、
前記羽根従動リングに固定され、前記駆動コイルアセンブリに対向して設置された従動磁気部材アセンブリと、
前記羽根支持部材と前記羽根従動リングの間に位置し、前記羽根支持部材に回動可能に接続された遮光羽根と、を含み、
前記駆動コイルアセンブリは、前記従動磁気部材アセンブリを駆動することによって前記羽根従動リングを前記光軸を回転軸として回転させ、前記羽根従動リングが回転する時に、前記遮光羽根を、前記レンズを遮蔽したり露出させたりするように駆動し、
前記従動磁気部材アセンブリは、第1磁性部材と第2磁性部材とを含み、前記第1磁性部材の前記駆動コイルアセンブリに向かう磁極と前記第2磁性部材の前記駆動コイルアセンブリに向かう磁極とが異なり、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材が前記光軸を取り囲んで周方向に間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリが複数の駆動コイルを含み、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リングを前記光軸を回転軸として回転させるように駆動するように、異なる前記駆動コイルが通電時に方向の異なる磁場を生じさせ、
前記羽根支持部材には、軸方向に沿って延びる位置決め穴が設けられており、前記遮光羽根の像側面には、位置決め部が設けられており、前記位置決め部は、前記位置決め穴に回転可能に入り込んでおり、
前記羽根従動リングには、貫通溝が設けられ、前記貫通溝が前記羽根従動リングの径方向に沿って延び、前記遮光羽根の物側面には摺動部が設けられており、前記摺動部が前記貫通溝に摺動可能に入り込んでいる、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項2】
前記従動磁気部材アセンブリは、複数あり、前記複数の従動磁気部材アセンブリが前記羽根従動リングの周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリは、複数あり、前記複数の駆動コイルアセンブリが前記円柱の周方向に沿って間隔をあけて設置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記駆動コイルアセンブリは、柱状コイルを含み、前記従動磁気部材アセンブリは、従動磁石鋼を含み、前記柱状コイルは、通電時に、前記従動磁石鋼を前記柱状コイルから遠ざけたり、前記柱状コイルに近づけたりするように駆動し、前記従動磁石鋼は、前記遮光羽根を前記レンズを遮蔽したり露出させたりするように駆動するように、前記羽根従動リングを回転させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記柱状コイルは複数あり、且つ前記円柱の周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記従動磁石鋼は複数あり、且つ前記羽根従動リングの周方向に沿って間隔をあけて設置され、任意の隣接する2つの前記従動磁石鋼の磁極が前記羽根従動リングの周方向において逆向きであり、2つの前記柱状コイル間に位置する前記従動磁石鋼が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リングを回転させるように駆動するように、任意の隣接する2つの前記柱状コイルが通電時に方向の異なる磁場を生じさせる、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
フレキシブル基板をさらに含み、前記フレキシブル基板が、前記円柱の外周に外嵌され、かつ前記駆動コイルアセンブリと電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
位置検出素子をさらに含み、前記位置検出素子が前記円柱の内壁に固定され、かつ前記フレキシブル基板と電気的に接続され、前記位置検出素子が、前記遮光羽根の位置を検出するように、前記従動磁気部材アセンブリの位置を検出するために使われる、
ことを特徴とする請求項に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
機器本体と、請求項1~のいずれか1項に記載の撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記機器本体に設けられている、
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、撮像装置の技術分野に関し、特に撮像モジュール及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
絞り(可変絞り)は、光学系に入って結像に関与する光の量の大きさを変えることに用いられるもので、撮像モジュールに絞りを設けると、絞りの大きさを調整することによって、撮像モジュールは明るさの異なる場面での撮影ニーズに対応でき、フォーカス機構は、レンズアセンブリの位置を変えることで撮像モジュールのピント合わせを実現し、撮像モジュールは対象物をより明晰に撮影できるようになる。絞りとフォーカス機構を合わせて活用することで、撮像モジュールの撮影性能を高めることができる。これにより、絞りとフォーカス機構を備えた撮像モジュールを、例えばスマートフォン、タブレットなどの電子機器に適用することは、多くの消費者に喜ばれている。
【0003】
羽根駆動装置は、複数の羽根を移動させるように駆動することによって、これらの羽根で囲まれた開口の大きさを変化させ、カメラにおける異なる光学ユニット、例えば、シャッター、絞りまたはフィルターなどに適用することができる。レンズ駆動装置でレンズを移動させて調整を行う光学系では、羽根駆動装置は大きさ、重さおよび組立方向による多方向への突出などの要因によって、レンズ駆動装置の動作と配置を妨げるおそれがある。形状記憶金属で作られた小型の羽根駆動機構を利用することで、重量と体積が大きいという問題を解決することができるが、羽根で囲まれた開口の大きさに大きな変化量を持たせる必要がある場合、形状記憶金属の長さを増やす必要がある。これによって、依然として羽根駆動機構の大きな体積と重量に起因する様々な問題を効果的に解決することができない。
【0004】
また、羽根駆動機構とフォーカス機構との干渉を避ける必要があり、また、ピント合わせの過程において、光線を適宜に遮蔽するように羽根駆動機構を同期に動作させる必要があるため、このように設置することで、フォーカス機構のレンズに対するサーボ制御に影響を与える可能性があり、且つ羽根駆動機構の円周全体における重量を均一に分布させる必要がある。このような設計案は難しく、且つ上記の設計案に基づいて製造された製品の信頼性も確保できない。
【0005】
したがって、この分野では、上記の技術的な問題を解決できる撮像モジュールの開発が差し迫っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、撮像モジュールの構造を簡素化し、撮像モジュールの構造上の多方向における突出を防止し、撮像モジュールにおけるオートフォーカス機構と羽根駆動機構とが互いに干渉することを防止することができる撮像モジュール及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の第1面では、撮像モジュールが提供され、この撮像モジュールは、レンズと、円柱を備え、前記円柱の軸線と前記レンズの光軸とが重なり合っており、前記レンズが前記円柱に収容されているオートフォーカス機構と、前記円柱の内壁に固定された駆動コイルアセンブリと、前記レンズと同軸設置され、かつ前記レンズの物体側に固定された羽根支持部材と、前記レンズと同軸設置され、かつ前記羽根支持部材の物体側に回転可能に係合された羽根従動リングと、前記羽根従動リングに固定され、前記駆動コイルアセンブリに対向して設置された従動磁気部材アセンブリと、前記羽根支持部材と前記羽根従動リングの間に位置し、前記羽根支持部材に回動可能に接続された遮光羽根と、を含み、前記駆動コイルアセンブリは、前記従動磁気部材アセンブリを駆動することによって前記羽根従動リングを前記光軸を回転軸として回転させ、前記羽根従動リングが回転する時に、前記遮光羽根を、前記レンズを遮蔽したり露出させたりするように駆動する。
【0008】
いくつかの実施例では、本実施例では、前記従動磁気部材アセンブリは、第1磁性部材と第2磁性部材とを含み、前記第1磁性部材の前記駆動コイルアセンブリに向かう磁極と前記第2磁性部材の前記駆動コイルアセンブリに向かう磁極とが異なり、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材が前記光軸を取り囲んで周方向に間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリが複数の駆動コイルを含み、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リングを前記光軸を回転軸として回転させるように駆動するように、異なる前記駆動コイルが通電時に方向の異なる磁場を生じさせる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記従動磁気部材アセンブリは、複数あり、前記複数の従動磁気部材アセンブリが前記羽根従動リングの周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリは、複数あり、前記複数の駆動コイルアセンブリが前記円柱の周方向に沿って間隔をあけて設置されている。
【0010】
いくつかの実施例では、前記駆動コイルアセンブリは、柱状コイルを含み、前記従動磁気部材アセンブリは、従動磁石鋼を含み、前記柱状コイルは、通電時に、前記従動磁石鋼を前記柱状コイルから遠ざけたり、前記柱状コイルに近づけたりするように駆動し、前記従動磁石鋼は、前記遮光羽根を前記レンズを遮蔽したり露出させたりするように駆動するように、前記羽根従動リングを回転させる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記柱状コイルは複数あり、且つ前記円柱の周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記従動磁石鋼は複数あり、且つ前記羽根従動リングの周方向に沿って間隔をあけて設置され、任意の隣接する2つの前記従動磁石鋼の磁極が前記羽根従動リングの周方向において逆向きであり、2つの前記柱状コイル間に位置する前記従動磁石鋼が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リングを回転させるように駆動するように、任意の隣接する2つの前記柱状コイルが通電時に方向の異なる磁場を生じさせる。
【0012】
いくつかの実施例では、前記羽根支持部材には、軸方向に沿って延びる位置決め穴が設けられており、前記遮光羽根の像側面には、位置決め部が設けられており、前記位置決め部は、前記位置決め穴に回転可能に入り込んでいる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記羽根従動リングには、貫通溝が設けられ、前記貫通溝が前記羽根従動リングの径方向に沿って延び、前記遮光羽根の物側面には摺動部が設けられており、前記摺動部が前記貫通溝に摺動可能に入り込んでいる。
【0014】
いくつかの実施例では、フレキシブル基板をさらに含み、前記フレキシブル基板が、前記円柱の外周に外嵌され、かつ前記駆動コイルアセンブリと電気的に接続されている。
【0015】
いくつかの実施例では、位置検出素子をさらに含み、前記位置検出素子が前記円柱の内壁に固定され、かつ前記フレキシブル基板と電気的に接続され、前記位置検出素子が、前記遮光羽根の位置を検出するように、前記従動磁気部材アセンブリの位置を検出するために使われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る撮像モジュールは、オートフォーカス機構の円柱の内壁に駆動コイルアセンブリが設けられ、さらに、駆動コイルアセンブリに対向する従動磁気部材アセンブリが設けられている。従動磁気部材アセンブリが羽根従動リングに設けられているため、駆動リングコイルアセンブリが従動磁気部材アセンブリを動作させるときに、従動磁気部材アセンブリが羽根従動リングを回転させることによって、遮光羽根がレンズを遮蔽したり、露出させたりする。すなわち、駆動コイルアセンブリと従動磁気部材アセンブリの間のローレンツ力を利用して、羽根駆動用機構の遮光羽根に対する非接触式駆動を実現し、羽根駆動用機構とオートフォーカス機構が互いに干渉せずに独立して動作するようになる。また、円柱、レンズ、駆動コイルアセンブリ及び羽根支持部材がいずれも光軸の方向に沿って組み立てられているため、撮像モジュールの構造上の多方向における突出を避けることができる。本発明によって提供された前記撮像モジュールの構造は、よりシンプルで、使用された部品点数がより少なくなり、撮像モジュールの組み立ての難易度及び製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付の図面において同じ符号で示す部品は類似する部品として表され、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
図1図1は、本発明の第1実施例に係る撮像モジュールの立体構造を示す図である。
図2図2は、本発明の第1実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを露出させた正面図である。
図3図3は、本発明の第1実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを遮蔽した正面図である。
図4図4は、本発明の第1実施例に係る撮撮像モジュールの断面を示す図である。。
図5図5は、本発明の第1実施例に係る撮撮像モジュールの分解構造を示す図である。
図6図6は、本発明の第1実施例に係る撮撮像モジュールの羽根従動リングの立体構造を示す図である。
図7図7は、本発明の第1実施例に係る羽根支持部材とレンズとの組合せの側面図である。
図8図8は、本発明の第1実施例に係る羽根支持部材とレンズとの組合せの立体構造を示す図である。
図9図9は、本発明の第1実施例に係る駆動コイルアセンブリと従動磁気部材アセンブリの配置を示す図である。
図10図10は、図9における領域Aの拡大図である。
図11図11は、本発明の第1実施形態に係る手振れ補正機構を含む撮像モジュールの立体構造を示す図である。
図12図12は、本発明の第2実施例に係る駆動コイルアセンブリと従動磁気部材アセンブリの配置を示す図である。
図13図13は、本発明の第3実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを露出させた正面図である。
図14図14は、本発明の第3実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを遮蔽した正面図である。
図15図15は、本発明の第4実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを露出させた正面図である。
図16図16は、本発明の第4実施例に係る撮像モジュールの遮光羽根がレンズを遮蔽した正面図である。
図17図17は、本発明の第5実施例に係る電子機器の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 レンズ
11 レンズアセンブリ
12 レンズケース
101 駆動コイルアセンブリ
1011 駆動コイル
1012 柱状コイル
102 羽根支持部材
1021 支持リング部
1022 支持脚
1023 位置決め穴
1024 規制部
1025 羽根カバー
103 羽根従動リング
1031 貫通溝
1032 従動リング部
1033 取付ホルダ
1034 規制枠
104 従動磁気部材アセンブリ
1041 第1磁性部材
1042 第2磁性部材
1043 従動磁石鋼
105 遮光羽根
1051 位置決め部
1052 摺動部
200 オートフォーカス機構
201 円柱
202 フレキシブル基板
2021 円周部
2022 接続部材
203 位置検出素子
300 手振れ補正機構
301 センサー
500 撮像モジュール
500 電子機器
510 機器本体
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明実施形態の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明の各実施形態において、読者に本発明をよく理解させるために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく各種の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術方案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0020】
本発明の実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「中」、「垂直」、「水平」、「横方向」、「縦方向」などの用語に示される方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係である。これらの用語は、主として、本発明およびその実施形態をよりよく説明するためのものであり、指示された装置、ユニットまたは構成要素が特定の方位を有するか、または特定の方位で構成され、操作されなければならないことを限定するためには使用されるものではない。
【0021】
また、上記の一部の用語は、方位または位置関係を表す以外に、他の意味を表すためにも使用することができる。例えば、用語「上」は、場合によっては依存関係または接続関係を表すためにも使用することができる。当業者にとって、これらの用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
さらに、用語「取り付ける」、「設置する」、「設けられている」、「開設」、「接続」、「繋がる」は広義として理解されなければならない。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的な構造であってもよいし、機械的接続、または電気的接続であってもよく、直接繋がっていてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよく、2つの装置、ユニットまたは構成要素間の内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記の用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0023】
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、主に、指示された装置、ユニットまたは構成要素の相対的な重要性と量を明示または暗示するためのものではなく、異なるデ装置、ユニットまたは構成要素を区別するために使用される(具体的な種類と構成は同じでも異なる場合もある)。特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0024】
図1図5に示すように、本発明の第1実施例には、撮像モジュール400が提供され、この撮像モジュール400は、レンズ1と、円柱201を備え、前記円柱201の軸線と前記レンズ1の光軸LAとが重なり合っており、前記レンズ1が前記円柱201に収容されているオートフォーカス機構200と、前記円柱201の内壁に固定された駆動コイルアセンブリ101と、前記レンズ1と同軸設置され、かつ前記レンズ1の物体側に固定された羽根支持部材102と、前記レンズ1と同軸設置され、かつ前記羽根支持部材102の物体側に回転可能に係合された羽根従動リング103と、前記羽根従動リング103に固定され、前記駆動コイルアセンブリ101に対向して設置された従動磁気部材アセンブリ104と、前記羽根支持部材102と前記羽根従動リング103の間に位置し、前記羽根支持部材102に回動可能に接続された遮光羽根105と、を含み、前記駆動コイルアセンブリ101は、前記従動磁気部材アセンブリ104を駆動することによって前記羽根従動リング103を前記光軸LAを回転軸として回転させ、前記羽根従動リング103が回転する時に、前記遮光羽根105を、前記レンズ1を遮蔽したり露出させたりするように駆動する。
【0025】
本発明によって提供された撮像モジュール400では、前記オートフォーカス機構200の前記円柱201の内壁に前記駆動コイルアセンブリ101が設けられ、さらに、前記駆動コイルアセンブリ101に対向する前記従動磁気部材アセンブリ104が設けられている。前記従動磁気部材アセンブリ104が前記羽根従動リング103に設けられているため、前記駆動リングコイルアセンブリ101が前記従動磁気部材アセンブリ104を動作させるときに、前記従動磁気部材アセンブリ104が前記羽根従動リング103を回転させることによって、前記遮光羽根105が前記レンズ1を遮蔽したり、露出させたりする。すなわち、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104の間のローレンツ力を利用して、羽根駆動用機構の前記遮光羽根105に対する非接触式駆動を実現し、羽根駆動用機構と前記オートフォーカス機構200が互いに干渉せずに独立して動作するようになる。また、前記円柱201、レンズ1、駆動コイルアセンブリ101及び羽根支持部材102は、いずれも前記光軸LAの方向に沿って組み立てられているため、前記撮像モジュール400の構造上の多方向における突出を避けることができる。本発明によって提供された前記撮像モジュール400の構造は、よりシンプルで、使用された部品点数がより少なくなり、前記撮像モジュール400の組み立ての難易度及び製造コストを下げることができる。
【0026】
なお、前記遮光羽根105が前記レンズ1を遮蔽するのは、完全に遮蔽することではなく、即ち前記遮光羽根105が前記レンズに対して最大遮蔽面積に達した時、前記レンズ1の一部の面積が依然として露出することができる。理解できるように、必要に応じて、前記遮光羽根105が前記レンズ1に対して最大遮蔽面積に達した時、前記レンズ1を完全に遮蔽してもよい。
【0027】
本実施例では、前記レンズ1は、レンズアセンブリ11と、レンズケース12と、を含み、前記レンズケース12は、前記レンズアセンブリ11を取り囲み、かつ前記レンズアセンブリ11の外縁に固定されている。前記レンズケース12と前記円柱201との間には隙間があり、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104は、いずれもこの隙間に位置している。
【0028】
図7図8に示すように、本実施例では、前記羽根支持部材102は、支持リング部1021と、前記支持リング部1021に固定接続される複数の支持脚1022と、を備え、前記複数の支持脚1022が、前記支持リング部1021の周方向に沿って間隔をあけて設置され、かつ前記光軸LA方向に沿って延びており、前期複数の支持脚1022の前記支持リング部1021から離れた一端が前記レンズケース12に当接保持され、これによって、前記光軸LAの方向において前記支持リング部1021が前記レンズ1の物体側のエッジとの間に適切なピッチを持たせている。一部の実施例では、前記支持リング部1021と前記複数の支持脚1022とが一体成形されている。
【0029】
選択可能であるが、前記支持脚1022は、2つ、3つまたはそれ以上であってもよく、例えば図5図7および図8に示す4つであり、その具体的な寸法および数が、前記撮像モジュール400の実際の寸法とカウンターウエイトの要求に応じて適応的に調整されることができ、ここでは具体的に限定しない。
【0030】
他の取替可能な実施例では、前記羽根支持部材102と前記レンズケース12は、一体成形されている。これにより、前記撮像モジュール400を組み立てる時に、前記羽根支持部材102を前記レンズ1に固定するプロセスを減らすことができ、例えば、前記遮光羽根105または前記従動磁気部材アセンブリ104が予め設けられた前記羽根従動リング103を前記羽根支持部材102に固定すればよい。
【0031】
さらに、前記羽根支持部材102には、軸方向に沿って延びる位置決め穴1023が設けられており、前記遮光羽根105の像側面には、位置決め部1051が設けられており、前記位置決め部1051は、前記位置決め穴1023に回転可能に入り込んでいる。具体的には、前記羽根支持部材102の前記支持リング部1021には、複数の位置決め穴1023が、例えば、図8に示す5つ設けられることができ、且つ位置決め穴1023が円形孔であり、5つの前記円形孔1023が前記支持リング部1021の周方向に沿って均一に間隔をあけて設けられている。同時に、対応して前記遮光羽根105は5つ設けられ、各前記遮光羽根105の像側面にはいずれも1つの前記位置決め部1051が設けられ、且つ前記位置決め部1051が円柱構造であり、前記位置決め部1051が前記位置決め穴1023に1対1で対応して入り込み、各前記遮光羽根105が自体の前記位置決め部1051の軸線を回転軸として前記支持リング部1021に対して回転可能である。
【0032】
図5及び図6に示すように、さらに、前記羽根従動リング103には、貫通溝1031が設けられ、前記貫通溝1031が前記羽根従動リング103の径方向に沿って延び、前記遮光羽根105の物側面には摺動部1052が設けられており、前記摺動部1052が前記貫通溝1031に摺動可能に入り込んでいる。理解できるように、前記遮光羽根105が5つある場合、前記貫通溝1031も5つ設けられ、且つ5つの前記貫通溝1031が前記羽根従動リング103の周方向に沿って均一に間隔をあけて設けられている。各前記遮光羽根105の物体側面のいずれにも1つの前記摺動部1052が設けられており、前記摺動部1052が前記貫通溝1031に1対1で対応して入り込んでいる。
【0033】
図6に示すように、具体的には、前記羽根従動リング103は、従動リング部1032と、前記従動リング部1032を固定接続する取付ホルダ1033と、を備え、前記取付ホルダ1033が前記光軸LAに沿って前記レンズ1に向かって延びている。前記貫通溝1031が前記従動リング部1032に設けられ、前記従動磁気部材アセンブリ104が前記取付ホルダ1033に設けられている。
【0034】
本実施例では、前記遮光羽根105は、弓形シート状であってもよく、前記位置決め部1051が前記弓形シートの一端に設けられ、前記摺動部1052が前記弓形シートの他端に設けられている。前記羽根支持部材102と前記羽根従動リング103との間には適切な隙間があり、前記羽根支持部材102と前記羽根従動リング103とによって、前記遮光羽根105を収容するための羽根チャンバーを構成する。
【0035】
前記駆動コイルアセンブリ101に通電すると、ローレンツ力によって前記従動磁気部材アセンブリ104を運動させるように駆動し、前記従動磁気部材アセンブリ104が前記羽根従動リング103を回転させるように駆動し、前記摺動部1052が前記貫通溝1031の内壁の作用下で運動するようになる。前記遮光羽根105が前記位置決め部1051によって制限されて回転するしかできないため、前記摺動部1052が前記貫通溝1031内を摺動し、前記複数の遮光羽根105を集めたり、分離させたりする。前記複数の遮光羽根105が集められると、前記複数の遮光羽根105で取り囲まれた貫通孔の面積が小さくなり、前記レンズ1を遮蔽し、前記レンズ1への外界からの光入射量を減少させる。前記複数の遮光羽根105が分離すると、前記複数の遮光羽根105でで取り囲まれた貫通孔の面積が大きくなり、前記レンズ1を露出させ、前記レンズ1への外界からの光入射量を増加させる。
【0036】
前記摺動部1052は前記貫通溝1031を摺動できることを満たせばよいため、前記摺動部1052の形状は、特に制限されず、例えば、突起、角柱または円柱などであってもよい。実際の応用において、摩擦力の影響を配慮して、前記摺動部1052を円柱状に設定することが最適な方式である。前記摺動部1052は前記貫通溝1031内を滑らかに移動できるため、前記遮光羽根105は予め設定された範囲内で任意の大きさの光通過孔を形成でき、最適な遮光効果を形成し、前記撮像モジュール400の撮影性能を高めることができる。
【0037】
通常、前記遮光羽根105の数が多いほど、これらの前記遮光羽根105で取り囲まれた貫通孔は円形に近くなり、調光もより正確になる。しかし、カウンタウエイトを考慮すると、前記遮光羽根105の数を3~7枚に設定するのが多く、本実施例では5枚である。同様に、カウンタウエイトの問題を考慮して、1つの前記遮光羽根105の長さを前記支持リング部1021の周長の30%~60%の間に設定する。前記遮光羽根105の長さが前記支持リング部1021の周長の60%を超えると、前記遮光羽根105によって絞りを構成するカウンターウェイトの割合が大きいため、前記レンズ1を駆動する時の前記撮像モジュール400の重心が高くなる。前記遮光羽根105の長さが前記支持リング部1021の周長の30%より小さいと、前記遮光羽根105の運動中に、異なる前記遮光羽根105の端部間が干渉してしまうおそれがある。即ち、前記遮光羽根105の前記位置決め部1051が設けられた一端と、隣接する前記遮光羽根105の前記摺動部1052が設けられた一端とは、運動中に互いに干渉する。
【0038】
同様に、前記遮光羽根105で取り囲まれた貫通孔の面積は、前記遮光羽根105の外縁が被覆可能なパターン面積の30%~60%である。これにより、前記撮像モジュール400は全体の重量が小さく、組み立てが簡単であることを確保できるとともに、前記遮光羽根105同士間の干渉を避けることができる。
【0039】
図8に示すように、本実施例では、前記従動リング部1032の前記光軸LAに垂直な方向における位置を規制するために、前記支持リング部1021には、複数の規制部1024が周方向に沿って設けられており、前記規制部1024は、断面がL字状を呈する円弧セグメントであり、前記従動リング部1032が前記支持リング部1021に係合された時、前記複数の規制部1024が前記従動リング部1032の外縁に位置し、前記従動リング部1032が駆動された時または前記撮像モジュール400の振動時に前記光軸LAに垂直な方向に沿って移動することを防止する。
【0040】
図1及び図5に示すように、前記撮像モジュール400は、円環シートである羽根カバー1025をさらに含み、前記羽根カバー1025が前記従動リング部1032の物体側に設けられ、且つ前記複数の規制部1024が前記従動リング部1032の外縁に位置する。前記複数の規制部1024は、前記羽根カバー1025が光軸LAに垂直な方向に沿って移動することを防止できると同時に、前記複数の規制部1024は、前記羽根カバー1025と合わせて前記光軸LA方向において前記従動リング部1032の位置を制限し、前記従動リング部1032が支持リング部1021から脱出することを防止できる。
【0041】
図9及び図10に示すように、本実施例では、前記従動磁気部材アセンブリ104は、第1磁性部材1041と第2磁性部材1042とを含み、前記第1磁性部材1041の前記駆動コイルアセンブリ101に向かう磁極と前記第2磁性部材1042の前記駆動コイルアセンブリ101に向かう磁極とが異なり、前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042が前記光軸LAを取り囲んで周方向に間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリ101が複数の駆動コイル1011を含み、前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リング103を前記光軸LAを回転軸として回転させるように駆動するるように、異なる前記駆動コイル1011が通電時に方向の異なる磁場を生じさせる。
【0042】
具体的には、図10に示すように、前記駆動コイルアセンブリ101は、3つの前記駆動コイル1011を含むことができる。各前記駆動コイル1011は、全体が楕円形またはカプセル形に巻き取られたコイルであってもよく、且つその環状平面が前記レンズ1に向かっている。より具体的には、左側に位置する前記駆動コイル1011は、反時計方向に巻き取られることができ、中部と右側に位置する前記駆動コイル1011は、時計方向に巻き取られる。前記取付ホルダ1033は、前記羽根従動リング103の周方向に沿って延びる部分を備え、前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042は、この部分の前記羽根従動リング103の周方向における対向する両端に固定設置され、且つ前記第1磁性部材1041のS極が前記レンズ1に向かい、前記第1磁性部材のN極が前記駆動コイル1011に向かい、前記第2磁性部材1042のS極が前記駆動コイル1011に向かい、前記第2磁性部材1042のN極が前記レンズ1に向かっている。
【0043】
前記駆動コイル1011に通電すると、例えば、左側に位置する前記駆動コイル1011の電流方向とコイルの巻き取り方向が同じで、反時計回りになり、中間に位置する前記駆動コイル1011と右側に位置する前記駆動コイル1011の電流方向とコイルの巻き取り方向が同じで、いずれも時計回りになる。この時、左側の前記駆動コイル1011に発生する磁場のS極は、前記レンズ1に向かい、即ち、左側に位置する前記駆動コイル1011の磁場のS極が前記第1磁性部材1041のN極に対向し、且つ中間に位置する前記駆動コイル1011の磁場のN極が前記第2磁性部材1042のS極に対向し、右側の前記駆動コイルに発生する磁場のN極が前記第2磁性部材1042のS極に対向する。これにより、左側の前記駆動コイル1011は、前記第1磁性部材1041を吸引し、中間に位置する前記駆動コイル1011は、前記第1磁性部材1041を反発すると同時に、前記第2磁性部材1042を吸引し、右側に位置する前記駆動コイル1011は、前記第2磁性部材1042を吸引し、最終的に前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042とが前記光軸LAを回転軸として反時計回りに回転する。前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042は、前記羽根従動リング103に固定されるため、前記羽根従動リング103が前記光軸LAを回転軸として反時計回りに回転するようになり、ひいては前記遮光羽根105を回動させるように駆動し、前記遮光羽根105が前記レンズ1を遮蔽するようになる。
【0044】
理解できるように、前記駆動コイル1011の電流方向を変えると、前記羽根従動リング103が前記光軸LAを回転軸として時計回りに回転するようになり、ひいては前記遮光羽根105を回動させるように駆動し、前記遮光羽根105が前記レンズ1を露出させるようになる。
【0045】
なお、前記遮光羽根105を、前記羽根従動リング103が時計回りに回転する時に、前記遮光羽根105を回転させて前記レンズ1を遮蔽するように駆動し、前記羽根従動リング103が反時計回りに回転する時に、前記遮光羽根105を回転させて前記レンズ1を露出させるように駆動するように設置することができる。また、異なる前記駆動コイル1011の巻き取り方向は、同じであってもよいし、異なってもよく、異なる前記駆動コイル1011を流れる電流の方向が異なるようになればよい。例えば、全ての前記駆動コイル1011の巻き取り方向が同じであれば、通電時に異なる前記駆動コイル1011にそれぞれ方向の異なる電流を流せばよく、あるいは、異なる前記駆動コイル1011の巻き取り方向が異なれば、同じ方向の電流を流すことができ、異なる巻き取り方向によって、電流が異なる前記駆動コイル1011に方向の異なる効果が現れる。前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042の磁極の向きも調整可能であり、具体的には実際のニーズに応じてローレンツ力の特性を組み合わせて調整することができるが、ここでは説明を割愛する。
【0046】
本実施例では、前記従動磁気部材アセンブリ104は、複数あり、前記複数の従動磁気部材アセンブリ104が前記羽根従動リング103の周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記駆動コイルアセンブリ101は、複数あり、前記複数の駆動コイルアセンブリ101が前記円柱201の周方向に沿って間隔をあけて設置されている。具体的には、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104がいずれも複数ある場合、前記光軸LAを取り囲んで周方向に均一に間隔をあけて1対1に対応して設けることができる。例えば、4つ設定することができ、4つの前記駆動コイルアセンブリ101は、前記光軸LAを回転軸として回転して対称的に設置されることができる。4つの前記従動磁気部材アセンブリ104の場合も同様である。
【0047】
複数の前記駆動コイルアセンブリ101と複数の前記従動磁気部材アセンブリ104を設けることで、前記従動リング部1032の周方向において均一な力を加えることができ、前記従動リング部1032の回転をより安定させるとともに、より大きな駆動力を提供し、前記従動リング部1032の回転がより駆動されやすくなる。
【0048】
図5および図11に示すように、本実施例では、前記撮像モジュール400は、フレキシブル基板202をさらに含み、前記フレキシブル基板202が、前記円柱201の外周に外嵌され、かつ前記駆動コイルアセンブリ101と電気的に接続されている。
【0049】
具体的には、前記フレキシブル基板202は、前記円柱201の外周に外嵌された円周部2021と、前記円周部2021に接続され、かつ前記円周部2021を制御チップ(図示せず)に電気的に接続する接続部2022と、を含み、前記制御チップが前記フレキシブル基板202を介して前記駆動コイルアセンブリ101に電気エネルギーと制御信号を提供し、前記駆動コイルアセンブリ101が受信した電気エネルギーと制御信号に基づいて対応する磁場を生じさせて、これらの磁場を介して前記磁気モジュール104を駆動して前記羽根従動リング103を回転させる。
【0050】
図5に示すように、本実施例では、前記撮像モジュール400は、位置検出素子203をさらに含み、前記位置検出素子203が前記円柱201の内壁に固定され、かつ前記フレキシブル基板202と電気的に接続され、前記位置検出素子203が、前記遮光羽根105の位置を検出するように、前記従動磁気部材アセンブリ104の位置を検出するために使われる。
【0051】
具体的には、前記位置検出素子203は、ホール素子であってもよい。前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042が前記駆動コイル1011に駆動されて回転するときに、前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042の前記位置検出素子203が存在する位置での磁場が絶えず変化し、前記位置検出素子203がこれらの変化を検出することで前記第1磁性部材1041と前記第2磁性部材1042の位置またはそのうちのいずれか一方の位置を取得することができる。そして、前記羽根従動リング103の回転角度と前記羽根従動リング103で取り囲まれた貫通孔の面積変化との対応関係を予め設定しておき、即ち前記第1磁性部材1041及び/又は前記第2磁性部材1042の位置を検出することで、前記遮光羽根105で取り囲まれた貫通孔の面積を算出することができる。
【0052】
いくつかの取替可能な実施例では、前記フレキシブル基板202は、前記オートフォーカス機構200の内部に設けられ、さらに、前記オートフォーカス機構200の内部から延出して、前記駆動コイルアセンブリ101と前記位置検出素子203とに電気的に接続されてもよい。
【0053】
図11に示すように、本実施例では、前記撮像モジュール400は、手振れ補正機構300をさらに含み、前記手振れ補正機構300は、前記オートフォーカス機構200の像側に設けられ、前記撮像モジュール400の手振れ補正を実現するために使われる。
【0054】
具体的には、前記撮像モジュール400は、センサー301を含み、前記センサー301が前記手振れ補正機構300の物体側に設けられ、前記センサー301が結像に使われ、前記手振れ補正機構300は、前記センサー301を運動させるように駆動することで手振れ補正を実現する。
【0055】
本実施例では、撮像モジュールケース(図示せず)をさらに含み、少なくとも前記羽根カバー1025、前記羽根従動リング103および前記遮光羽根105が前記撮像モジュールケース内に収容され、前記撮像モジュールケースが前記羽根カバー1025を押圧保持し、前記羽根カバー1025の物体側で前記光軸LAの延在方向に沿って前記羽根カバー1025を固定する。
【0056】
本発明の第2実施例には、撮像モジュールが提供され、本実施例は実施例1とほぼ同じであり、その主な相違点は、図12に示すように、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104の配置を簡素化したことである。具体的には、前記駆動コイルアセンブリ101は、柱状コイル1012を含み、前記従動磁気部材アセンブリ104は、従動磁石鋼1043を含み、前記柱状コイル1012は、通電時に、前記従動磁石鋼1043を前記柱状コイル1012から遠ざけたり、前記柱状コイル1012に近づけたりするように駆動し、前記従動磁石鋼1043は、前記遮光羽根105を前記レンズ1を遮蔽したり露出させたりするように駆動するように、前記羽根従動リング103を回転させる。
【0057】
ここで、前記駆動コイルアセンブリ101は1つの前記柱状コイル1012を含み、前記柱状コイル1012の軸線が前記光軸LAに対して垂直であり、前記柱状コイル1012が通電されると、発生した磁場が前記従動磁石鋼1043に磁気力を与え、前記従動磁石鋼1043を、前記柱状コイル1012から遠ざけたり、前記柱状コイル1012に近づけたりさせ、ひいては前記羽根従動リング103を回転させ、前記羽根従動リング103を回転させることで前記遮光羽根105が集まったり、離れたりするようになる。このように設置することで、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104の構造を簡素化し、部品点数を減らし、前記撮像モジュールの組み立ての難易度と製造コストを下げることができる。
【0058】
本実施例では、前記柱状コイル1012は複数あり、且つ前記円柱201の周方向に沿って間隔をあけて設置され、前記従動磁石鋼1043は複数あり、且つ前記羽根従動リング103の周方向に沿って間隔をあけて設置され、任意の隣接する2つの前記従動磁石鋼1043の磁極が前記羽根従動リング103の周方向において逆向きであり、2つの前記柱状コイル1012間に位置する前記従動磁石鋼1043が同じ方向の力を受けて、前記羽根従動リング103を回転させるように、任意の隣接する2つの前記柱状コイル1012が通電時に方向の異なる磁場を生じさせる。
【0059】
すべての前記柱状コイル1012の巻き取り方向が同じで、且つ時計回り方向が正方向である場合を例として説明する。具体的には、上方に位置する前記従動磁石鋼1043のN極は、自体のS極に対して正方向に沿って配置され、左側に位置する前記従動磁石鋼1043のN極は、自体のS極に対して逆方向に配置される。右上側に位置する前記柱状コイル1012は、上方に位置する前記従動磁石鋼1043に対して正方向にあり、右上側に位置する前記柱状コイル1012と左側に位置する前記柱状コイル1012に、それぞれ、例えば図中の前記柱状コイル1012の横の矢印で示すような、方向の異なる電流が提供される。この場合、右上側に位置する前記柱状コイル1012は、N極が逆方向に向かう磁場を生じさせ、左側に位置する前記柱状コイル1012は、N極が正方向に向かう磁場を生じさせる。この場合、右上側に位置する前記柱状コイル1012の磁場のN極と上方に位置する前記従動磁石鋼1043のN極とが対向するようになり、これによって、当該従動磁石鋼1043を逆方向に回転させ、同時に、左側に位置する前記柱状コイル1012の磁場のN極と上方に位置する前記従動磁石鋼1043のS極とが対向するようになり、さらに当該従動磁石鋼1043を逆方向に回転させるように駆動し、また、左側に位置する前記柱状コイル1012の磁場のS極と左側に位置する前記従動磁石鋼1043のS極とが対向し、左側に位置する前記従動磁石鋼1043を逆方向に回転させるように駆動する。つまり、一方の前記柱状コイル1012は、等方性磁場の反発力を利用して一方の前記従動磁石鋼1043を逆方向に沿って回転させ、他方の前記柱状コイル1012は、異方性磁場の吸引力を利用して当該従動磁石鋼1043を逆方向に沿って回転させ続けるように駆動する。
【0060】
理解できるように、本実施例では、主に隣接する2つの前記柱状コイル1012が当該2つの前記柱状コイル1012間に位置する前記従動磁石鋼1043の両磁極に同じ方向の力を与えることで、前記従動磁石鋼1043が前記羽根従動リング103を回転させるように駆動する。前記柱状コイル1012の具体的な巻き取り方向、具体的な電流供給方式および前記従動磁石鋼1043の具体的な設置方式については、実際の状況に応じて適応的に調整することができる。本実施例では、これについて具体的に限定しない。
【0061】
本発明の第3実施例は、撮像モジュールを提供する。本実施例は実施例1とほぼ同じで、主な相違点は、図13及び図14に示すように、前記遮光羽根105の数を減らすことである。本実施例では、前記遮光羽根105は、2つあり、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104もいずれも2つあり、前記遮光羽根105は前記駆動コイルアセンブリ101および前記従動磁気部材アセンブリ104と前記光軸LAに沿って間隔をあけて配置されている。本実施例は、前記駆動コイルアセンブリ101、前記従動磁気部材アセンブリ104および前記遮光羽根105の数を減らし、前記撮像モジュールの構造を簡素化し、前記撮像モジュールの組み立ての難易度を下げることができる。
【0062】
本実施例における前記遮光羽根105が2つあるため、前記支持リング部1021における前記位置決め穴1023は、適応的に2つに設置されることができ、前記従動リング部1032における前記貫通溝1031も2つに設置される。また、前記撮像モジュールのカウンターウェイトをより合理的にするために、前記光軸LAを対称軸として、2つの前記位置決め穴1023を前記支持リング部1021に対称的に設置し、2つの前記貫通溝1031を前記従動リング部1032に対称的に設置することができ、このように、前記遮光羽根105を組み立てた後、2つの前記遮光羽根105の位置が回転可能に対称的に設置されている。
【0063】
本実施例では、前記遮光羽根105の形状は、J字状であってもよく、前記位置決め部1051と前記摺動部1052には、いずれも前記遮光羽根105のストレート部分の折り曲げ部分から離れた端部に設けられているが、両者は前記光軸LAに垂直な平面上においてずらして設けられている。ここで、前記遮光羽根105の折り曲げ部分の内縁が円弧セグメントであり、2つの前記遮光羽根105が完全に集まった時、2つの前記遮光羽根105の折り曲げ部分の内縁は、円形穴を形成し、且つこの円形穴の円心は、ほぼ前記光軸LA上にあり、即ち、当該円心は前記光軸LA上にあってもよいし、前記光軸LAの近所にあってもよい。前記遮光羽根105が前記駆動コイルアセンブリ101及び前記従動磁気部材アセンブリ104と前記光軸LAに沿って間隔をあけて配置され、即ち、前記遮光羽根105が前記駆動コイルアセンブリ101及び前記従動磁気部材アセンブリ104の物体側に位置しているため、前記遮光羽根105が回転した時、前記駆動コイルアセンブリ101及び前記従動磁気部材アセンブリ104は、いずれも前記遮光羽根105に干渉しないとともに、前記撮像モジュール全体の重量を前記光軸LAに沿って分布させることができる。
【0064】
このように設置することで、ダイナミック撮影中でも前記撮像モジュールの任意の光入射量の変化を実現することができ、前記撮像モジュールの光学性能を高め、エクスポージャーを正確に制御することで、撮影時の画像のドット抜けを効果的に抑制することができる。
【0065】
さらに、本実施例では、前記遮光羽根105の自由端(即ち、折り曲げ部分)の運動幅が大きいため、前記遮光羽根105が脱出することを回避するとともに、回転幅が大きすぎることに起因する前記撮像モジュールの破損を避けるために、前記従動リング部1032の像側にスピンドル状の規制枠1034を設けることにより、前記規制枠1034の先端の内縁の輪郭と前記遮光羽根105の外縁の輪郭とが一致する。なお、本実施例の前記「先端」とは、前記スピンドル状の規制枠1034の曲率半径が小さい部分を指す。
【0066】
本発明の第4実施例は、撮像モジュールを提供する。本実施例は実施例3とほぼ同じで、主な相違点は、図15及び図16に示すように、前記遮光羽根105の数をさらに減らすことである。本実施例では、前記遮光羽根105は、1つあり、前記駆動コイルアセンブリ101と前記従動磁気部材アセンブリ104は、いずれも1つある。
【0067】
本実施例では、前記遮光羽根105は、全体として水滴状であり、前記位置決め部1051と前記摺動部1052は、いずれも前記遮光羽根105の曲率半径が小さい端部に設けられ、且つ前記光軸LAに垂直な平面上でずらして設けられている。前記遮光羽根105の曲率半径が大きい部分には円形穴が設けられ、前記遮光羽根105が前記レンズ1に対して最大遮蔽面積に達した時、当該円形穴の円心は、ほぼ前記光軸LA上にあり、即ち、当該円心は、前記光軸LA上にあってもよいし、前記光軸LAの近所にあってもよい。
【0068】
さらに、前記規制枠1034も前記遮光羽根105の形状に合わせた水滴状の制限枠に調整されている。
【0069】
本実施例は、前記駆動コイルアセンブリ101、前記従動磁気部材アセンブリ104および前記遮光羽根105の数をさらに減らすことで、前記撮像モジュールの構造を簡素化し、前記撮像モジュールの組み立ての難易度を下げることができる。
【0070】
図17に示すように、本発明の第5実施例は、機器本体510と、上記のいずれかの実施例に記載の撮像モジュール400と、を備え、前記撮像モジュール400が前記機器本体510に設けられている電子機器500を提供する。
【0071】
本実施例では、前記電子機器500は、スマホ、タブレット、スマートウォッチ、カメラまたは本発明に係る前記撮像モジュールを搭載した他の電子機器であってもよく、本発明ではこれについて特に限定しない。
【0072】
以上は、本発明の実施形態に係る撮像モジュール及び電子機器を詳細に説明した。本明細書では、具体例を利用して本発明の原理及び実施形態を説明したが、上記実施形態の説明は、本発明の思想を理解するのを助けるためにのみ使用されるものであり、具体的な実施形態及び適用範囲のいずれにも変更がある。要するに、本明細書の内容は、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。

【要約】
【課題】本発明の実施例は、撮像装置の技術分野に関し、撮像モジュールを開示する。
【解決手段】駆動コイルアセンブリと従動磁気部材アセンブリとの間の磁気力により、羽根駆動用機構の遮光羽根に対する非接触式駆動を実現し、羽根駆動用機構とオートフォーカス機構が互いに干渉せずに独立して動作するようになる。また、円柱、レンズ、駆動コイルアセンブリ及び羽根支持部材がいずれも光軸の方向に沿って組み立てられているため、撮像モジュールの構造上の多方向における突出を避けることができる。本発明によって提供された前記撮像モジュールの構造は、よりシンプルで、使用された部品点数がより少なくなり、撮像モジュールの組み立ての難易度及び製造コストを下げることができる。本発明には、電子機器が開示され、機器本体と、上記の撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記機器本体に設けられている。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16
図17