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特許7490906レゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】レゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
G01D5/20 110Q
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024501739
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2022044505
【審査請求日】2024-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 康平
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-164450(JP,A)
【文献】特開2008-216130(JP,A)
【文献】特開2011-89780(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0097709(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00 - 5/252
G01D 5/39 - 5/62
G01B 7/00 - 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路であって、
前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する制御装置と、
前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、
前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、
前記制御装置は、
ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM(パルス密度変調)波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成部と、
前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形メモリと、
前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形メモリとを備える、
レゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項2】
前記第1波形メモリは、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として記憶し、
前記第2波形メモリは、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として記憶する、
請求項1に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項3】
前記制御装置は、
PDM波形を生成する処理を前記波形生成部に実行させる制御ロジックを備え、
前記制御ロジックは、
前記第1波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記SIN励磁コイル用の励磁信号を生成すると共に、
前記第2波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記COS励磁コイル用の励磁信号を生成する、
請求項1に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項4】
前記波形生成部は、
振幅変調波を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている振幅変調波を増幅する増幅器と、
前記増幅器によって増幅された振幅変調波に対するΔΣ変調を行うΔΣ変調部とを備え、
前記増幅器は、前記制御ロジックからの振幅値の指示に応じて振幅変調波を増幅する、
請求項3に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項5】
前記波形生成部は、
前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成とを個別に行い、
前記制御ロジックは、
前記波形生成部が前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形または前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、前記SIN励磁コイル用の励磁信号および前記COS励磁コイル用の励磁信号を生成する、
請求項3に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記制御ロジックから前記増幅器に送信される振幅値の指示を前記制御装置の外部から受信する通信部を備える、
請求項4に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項7】
前記ΔΣ変調部は、ΔΣ変調器によって構成される、
請求項4に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項8】
前記レゾルバセンサは、他のSIN励磁コイルと他のCOS励磁コイルと他の検出コイルとを備え
前記制御装置は、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号と前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号とを生成し、
前記レゾルバ/デジタル変換回路は、
前記制御装置によって生成される前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号から前記他のSIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号から前記他のCOS励磁コイル用の励磁波形を生成する他の励磁波形生成部と、
前記他の検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する他の検波部とを備え、
前記波形生成部は、ΔΣ変調を行うことによって前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成し、
前記制御装置は、
前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第3波形メモリと、
前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第4波形メモリとを備える、
請求項1に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項9】
PDM波形を生成する処理を前記波形生成部に実行させる制御ロジックは、
前記第3波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号を生成すると共に、
前記第4波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号を生成する、
請求項8に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項10】
前記波形生成部は、
前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成とを個別に行い、
前記制御ロジックは、
前記波形生成部が前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形または前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、前記SIN励磁コイル用の励磁信号、前記COS励磁コイル用の励磁信号、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号および前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号を生成する、
請求項9に記載のレゾルバ/デジタル変換回路。
【請求項11】
請求項1に記載のレゾルバ/デジタル変換回路と、
前記SIN励磁コイルと前記COS励磁コイルと前記検出コイルとを備える前記レゾルバセンサとを備えるレゾルバ信号処理装置。
【請求項12】
請求項8に記載のレゾルバ/デジタル変換回路と、
前記SIN励磁コイルと前記COS励磁コイルと前記検出コイルと前記他のSIN励磁コイルと前記他のCOS励磁コイルと前記他の検出コイルとを備える前記レゾルバセンサとを備えるレゾルバ信号処理装置。
【請求項13】
SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路に備えられる制御装置が、前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する励磁信号生成ステップを備えるレゾルバ信号処理方法であって、
前記レゾルバ/デジタル変換回路は、
前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、
前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、
前記制御装置が、ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成ステップと、
前記制御装置が、前記波形生成ステップにおいて生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形記憶ステップと、
前記制御装置が、前記波形生成ステップにおいて生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形記憶ステップとを更に備えるレゾルバ信号処理方法。
【請求項14】
SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路に備えられる制御装置を構成するコンピュータに、前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する励磁信号生成ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記レゾルバ/デジタル変換回路は、
前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、
前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、
ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成ステップと、
前記波形生成ステップにおいて生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形記憶ステップと、
前記波形生成ステップにおいて生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形記憶ステップとを更に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、位相が90°異なる第1および第2のコイルを有する励磁コイルと、1相の検出コイルとを有するレゾルバの信号処理を行うレゾルバ信号処理装置について記載されており、段落0023には、パルス発生回路がサイン波信号をパルス幅変調(PWM)したパルス状の励磁信号を出力して励磁コイルに印加する旨が記載されている。
【0003】
特許文献2の図1図28図35等には、レゾルバの励磁コイルに励磁信号を出力する励磁回路、および、レゾルバのSIN検出コイルから出力される信号とレゾルバのCOS検出コイルから出力される信号とが入力されるレゾルバ/デジタル変換器について記載されており、段落0055には、励磁コイル用の励磁波形を生成する波形生成回路に、ΔΣ型のA/D変換器が適用される旨が記載されている。また、特許文献2の段落0086には、検出コイルから出力される信号が入力されるレゾルバ/デジタル変換器に、ΔΣ型波形生成回路が適用される旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4344991号公報
【文献】特開2007-52001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、後で詳細に説明するように、鋭意研究において、特許文献1に記載された技術のようにパルス幅変調(PWM)によって生成された励磁信号が適用される場合、励磁コイルを励磁する励磁波形の歪みが生じ、フィルタ回路によって解消困難であることを確認した。パルス幅変調(PWM)による場合に比べ、パルス密度変調(PDM)(詳細には、ΔΣ変調)によって生成された励磁信号が適用される場合の方が、励磁コイルを励磁する励磁波形の歪みを低減することができ、レゾルバセンサによって検出される回転角度の誤差を低減できることを見い出した。
また、本発明者は、鋭意研究において、例えば特許文献2に記載されているようなレゾルバにΔΣ変調が適用される場合は、パルス幅変調(PWM)が適用される場合に比べて高いサンプリング周波数が要求されるが、ΔΣ変調を行うことによって生成されるPDM(パルス密度変調)波形をメモリに記憶させる回路構成により、安価な波形生成回路でも高いサンプリング周波数を容易に達成できることを見い出した。
つまり、本発明は、励磁コイルを励磁する励磁波形の歪みを低減することができ、レゾルバセンサによって検出される回転角度の誤差を低減することができると共に、回路構成のコストダウンをすることができるレゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路であって、前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する制御装置と、前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、前記制御装置は、ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM(パルス密度変調)波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成部と、前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形メモリと、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形メモリとを備える、レゾルバ/デジタル変換回路である。
【0007】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記第1波形メモリは、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として記憶し、前記第2波形メモリは、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として記憶してもよい。
【0008】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記制御装置は、PDM波形を生成する処理を前記波形生成部に実行させる制御ロジックを備え、前記制御ロジックは、前記第1波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記SIN励磁コイル用の励磁信号を生成すると共に、前記第2波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記COS励磁コイル用の励磁信号を生成してもよい。
【0009】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記波形生成部は、振幅変調波を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている振幅変調波を増幅する増幅器と、前記増幅器によって増幅された振幅変調波に対するΔΣ変調を行うΔΣ変調部とを備え、前記増幅器は、前記制御ロジックからの振幅値の指示に応じて振幅変調波を増幅してもよい。
【0010】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記波形生成部は、前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成とを個別に行い、前記制御ロジックは、前記波形生成部が前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形または前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、前記SIN励磁コイル用の励磁信号および前記COS励磁コイル用の励磁信号を生成してもよい。
【0011】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記制御装置は、前記制御ロジックから前記増幅器に送信される振幅値の指示を前記制御装置の外部から受信する通信部を備えてもよい。
【0012】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記ΔΣ変調部は、ΔΣ変調器によって構成されてもよい。
【0013】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記レゾルバセンサは、他のSIN励磁コイルと他のCOS励磁コイルと他の検出コイルとを備え前記制御装置は、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号と前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号とを生成し、前記レゾルバ/デジタル変換回路は、前記制御装置によって生成される前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号から前記他のSIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号から前記他のCOS励磁コイル用の励磁波形を生成する他の励磁波形生成部と、前記他の検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する他の検波部とを備え、前記波形生成部は、ΔΣ変調を行うことによって前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成し、前記制御装置は、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第3波形メモリと、前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第4波形メモリとを備えてもよい。
【0014】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、PDM波形を生成する処理を前記波形生成部に実行させる制御ロジックは、前記第3波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号を生成すると共に、前記第4波形メモリに記憶されているPDM波形に対応する前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号を生成してもよい。
【0015】
本発明の一態様のレゾルバ/デジタル変換回路では、前記波形生成部は、前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成と、前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形の生成とを個別に行い、前記制御ロジックは、前記波形生成部が前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形、前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形または前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、前記SIN励磁コイル用の励磁信号、前記COS励磁コイル用の励磁信号、前記他のSIN励磁コイル用の励磁信号および前記他のCOS励磁コイル用の励磁信号を生成してもよい。
【0016】
本発明の一態様は、レゾルバ/デジタル変換回路と、前記SIN励磁コイルと前記COS励磁コイルと前記検出コイルとを備える前記レゾルバセンサとを備えるレゾルバ信号処理装置である。
【0017】
本発明の一態様は、レゾルバ/デジタル変換回路と、前記SIN励磁コイルと前記COS励磁コイルと前記検出コイルと前記他のSIN励磁コイルと前記他のCOS励磁コイルと前記他の検出コイルとを備える前記レゾルバセンサとを備えるレゾルバ信号処理装置である。
【0018】
本発明の一態様は、SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路に備えられる制御装置が、前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する励磁信号生成ステップを備えるレゾルバ信号処理方法であって、前記レゾルバ/デジタル変換回路は、前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、前記制御装置が、ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成ステップと、前記制御装置が、前記波形生成ステップにおいて生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形記憶ステップと、前記制御装置が、前記波形生成ステップにおいて生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形記憶ステップとを更に備えるレゾルバ信号処理方法である。
【0019】
本発明の一態様は、SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路に備えられる制御装置を構成するコンピュータに、前記SIN励磁コイル用の励磁信号と前記COS励磁コイル用の励磁信号とを生成する励磁信号生成ステップを実行させるためのプログラムであって、前記レゾルバ/デジタル変換回路は、前記制御装置によって生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号から前記SIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共に、前記制御装置によって生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号から前記COS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、前記検出コイルから出力される検出信号に基づいて、前記レゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、ΔΣ変調を行うことによって前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形と前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形とを生成する波形生成ステップと、前記波形生成ステップにおいて生成される前記SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第1波形記憶ステップと、前記波形生成ステップにおいて生成される前記COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する第2波形記憶ステップとを更に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、励磁コイルを励磁する励磁波形の歪みを低減することができ、レゾルバセンサによって検出される回転角度の誤差を低減することができると共に、回路構成のコストダウンすることができるレゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の一例を示す図である。
図2】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの制御ロジック11G41と波形生成部11G42とSPI通信部11G44と波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454との関係の一例を示す図である。
図4】第1変形例の波形生成部R42、R42-2、R42-3、R42-4の構成を示す図である。
図5】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの波形生成部11G42のΔΣ変調部11G423の構成の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係るPDM波形を生成するためのSinテーブルについて説明するための図である。
図7】第1実施形態に係るPDM波形を生成するためのSinテーブルの詳細について説明するための図である。
図8】第1実施形態に係るPDM波形の生成について説明するための図である。
図9】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の励磁波形生成部11Aのバンドパスフィルタ11A1の具体例などを示す図である。
図10】第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gによって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図11】周波数と信号強度との関係(スペクトル)をPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置とPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1とで比較した図である。
図12】250kHz±16kHzの波形をデジタル変調した場合に包絡線に発生する歪みの有無をPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置とPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1とで比較した図などである。
図13】励磁波形を生成するためにPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置の課題を説明するための図である。
図14】励磁波形を生成するためにPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の効果を説明するための図である。
図15】第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1の一例を示す図である。
図16】第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gによって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のレゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0023】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の一例を示す図である。
図1に示す例では、レゾルバ信号処理装置1が、レゾルバ/デジタル変換回路(RDC回路)11と、レゾルバセンサ1Aと、外部通信部1Bとを備えている。
レゾルバセンサ1Aは、例えば国際公開公報WO2022/124413に記載されているような軸倍角がnXのシートコイル型レゾルバである。レゾルバセンサ1Aは、1X用のSIN励磁コイル12と、1X用のCOS励磁コイル13と、1X用の検出コイル14とを備えている。また、レゾルバセンサ1Aは、nX用のSIN励磁コイル15と、nX用のCOS励磁コイル16と、nX用の検出コイル17とを備えている。1X用の検出コイル12~14とnX用の検出コイル15~17は同一の軸の回転位置を検出しており、同軸に配置されている。
レゾルバ/デジタル変換回路11は、レゾルバセンサ1Aに入力される信号及びレゾルバセンサ1Aから出力される信号の信号処理を行う。外部通信部1Bは、レゾルバ信号処理装置1と接続される他の装置(例えばモータ制御装置等)とのユーザインタフェース等である。
図1に示す例では、レゾルバ信号処理装置1が外部通信部1Bを備えているが、他の例では、レゾルバ信号処理装置1が外部通信部1Bを備えていなくてもよい。つまり、外部通信部1Bに相当する機能が、レゾルバ信号処理装置1とは別個に設けられてもよい。
【0024】
図1に示す例では、レゾルバ/デジタル変換回路11が、励磁波形生成部11Aと、増幅器11B1、11B2と、検波部11Cと、励磁波形生成部11Dと、増幅器11E1、11E2と、検波部11Fと、制御装置11Gとを備えている。
図1に示す例では、制御装置11GがFPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成されているが、他の例では、制御装置11GがFPGA以外の部品(例えばDSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のLSI(Large Scale Integration))によって構成されていてもよい。
【0025】
図1に示す例では、制御装置11Gが、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X(図3参照)およびCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X(図3参照)を生成する。励磁信号Sin_1Xおよび励磁信号Cos_1Xは、それぞれSIN励磁コイル12およびCOS励磁コイル13に出力するためのアナログ信号を生成するためのデジタル信号である。
励磁波形生成部11Aは、制御装置11Gから出力されたデジタル信号をなまらせることによりアナログ信号を生成する。励磁波形生成部11Aは、バンドパスフィルタ11A1と、バンドパスフィルタ11A2とを備えている。バンドパスフィルタ11A1は、制御装置11Gによって生成されるSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1XからSIN励磁コイル12用の励磁波形Sinを生成する。バンドパスフィルタ11A2は、制御装置11Gによって生成されるCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1XからCOS励磁コイル13用の励磁波形Cosを生成する。
【0026】
増幅器11B1は、バンドパスフィルタ11A1によって生成されるSIN励磁コイル12用の励磁波形Sinを増幅してSIN励磁コイル12に供給する。増幅器11B2は、バンドパスフィルタ11A2によって生成されるCOS励磁コイル13用の励磁波形Cosを増幅してCOS励磁コイル13に供給する。
検波部11Cは、検波回路11C1と、位相検出部11C2とを備えている。検波回路11C1は、検出コイル14から出力される検出信号(変調波)の復調を行う。なお、具体的な復調方式としては、同期検波方式を用いてもよい。検波回路11C1は、同期検波を行うことにより検出コイル14から出力される変調波から、レゾルバセンサ1Aの回転角度を示す信号を取り出す処理を行う。位相検出部11C2は、検波回路11C1によって取り出される信号から、レゾルバセンサ1Aの回転角度を示す回転位相を検出する。すなわち、検波部11Cは、検出コイル14から出力される検出信号に基づいて、レゾルバセンサ1Aの回転角度を示す信号を生成する。
【0027】
また、図示する一例では、1X用の検出コイル12~14とnX用の検出コイル15~17が備えられるため、レゾルバ/デジタル変換回路11は、上述した1X用の回路と同様の回路をnX用の回路として備える。同図には、nX用の回路として励磁波形生成部11Dと、増幅器11E1と、増幅器11E2と、検波部11Fとを備える場合について示す。なお、励磁波形生成部11D、増幅器11E1、増幅器11E2及び検波部11Fの構成については、励磁波形生成部11A、増幅器11B1、増幅器11B2及び検波部11Cと同様であるため、説明を省略する。
【0028】
図2は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの構成の一例を示す図である。
図2に示す例では、制御装置11Gが、位相計測部11G1、11G2と、PLL(位相同期回路)11G3と、制御部11G4と、波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454とを備えている。
位相計測部11G1は、検波部11Cの位相検出部11C2から出力される信号に基づいて、レゾルバセンサ1Aの回転角度を計測する。位相計測部11G2は、検波部11Fの位相検出部11F2から出力される信号に基づいて、レゾルバセンサ1Aの回転角度を計測する。PLL11G3は、位相計測部11G1、制御部11G4および波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454にクロックを出力する。
図2に示す例では、PLL11G3が、位相計測部11G1に200MHzのクロックを出力し、制御部11G4に20MHzのクロックを出力し、波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454に100MHzのクロックを出力する。他の例では、PLL11G3から位相計測部11G1、制御部11G4および波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454に出力されるクロックの周波数が、図2に示す例とは異なっていてもよい。
【0029】
図2に示す例では、制御部11G4が、制御ロジック11G41と、波形生成部11G42と、統計処理部11G43と、SPI(Serial Peripheral Interface)通信部11G44とを備えている。制御ロジック11G41は、PDM波形を生成する処理を波形生成部11G42に実行させる。波形生成部11G42は、ΔΣ変調を行うことによって、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X(図3参照)に対応するPDM波形と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X(図3参照)に対応するPDM波形と、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nX(図3参照)に対応するPDM波形と、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nX(図3参照)に対応するPDM波形とを生成する。
統計処理部11G43は、位相計測部11G2によって計測されるレゾルバセンサ1Aの回転角度の統計処理を行う(例えば複数の値を定量化する処理などを行う)。SPI通信部11G44は、例えば通信ポート等であり、外部通信部1Bとの通信を行う。通信方法はSPI通信に限らず、RS485、I2Cなどのシリアル通信や、その他の通信方式が用いられてもよい。SPI通信部を、単に通信部と記載する場合がある。
波形メモリ11G451は、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。波形メモリ11G451は、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として記憶してもよい。波形メモリ11G452は、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。波形メモリ11G452は、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として含む情報を記憶してもよい。波形メモリ11G453は、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。波形メモリ11G453は、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として含む情報を記憶してもよい。波形メモリ11G454は、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。波形メモリ11G454は、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として含む情報を記憶してもよい。
【0030】
図2示す例では、制御ロジック11G41が、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成する処理を波形生成部11G42に実行させる。波形メモリ11G451は、波形生成部11G42によって生成されるSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。
更に、制御ロジック11G41は、波形メモリ11G451に記憶されているPDM波形を生成するための情報に対応するSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xを生成する。
【0031】
制御ロジック11G41は、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成する処理を波形生成部11G42に実行させる。波形メモリ11G452は、波形生成部11G42によって生成されるCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶する。
更に、制御ロジック11G41は、波形メモリ11G452に記憶されているPDM波形を生成するための情報に対応するCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xを生成する。
【0032】
なお、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXについてもSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xと同様に、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXについてもCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xと同様に生成されるため、励磁信号Sin_nXと励磁信号Cos_nXについての記載を省略する。
【0033】
図3は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの制御ロジック11G41と波形生成部11G42とSPI通信部11G44と波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454との関係の一例を示す図である。
図3に示す例では、波形生成部11G42が、記憶部11G421と、増幅器11G422と、ΔΣ変調部11G423とを備えている。
記憶部11G421は、振幅変調波(図3参照)を記憶する。記憶部11G421は、振幅変調波を生成するための情報として、変調波成分と搬送波成分とを別個独立した情報として含む情報を記憶してもよい。記憶部11G421は、波形メモリ11G451に含まれていてもよい。
増幅器11G422は、記憶部11G421に記憶されている振幅変調波を増幅する。つまり、増幅器11G422は、図3の増幅器11G422の左側に示す振幅変調波を増幅し、図3の増幅器11G422の右側に示す振幅変調波を生成する。詳細には、増幅器11G422は、制御ロジック11G41からの振幅値の指示に応じて振幅変調波を増幅する。更に詳細には、制御ロジック11G41は、SPI通信部11G44からの指示に応じて、振幅変調波を増幅する処理を増幅器11G422に実行させる。SPI通信部11G44は、制御装置11Gの外部の外部通信部1Bから振幅値の指示を受信する。
ΔΣ変調部11G423は、増幅器11G422によって増幅された振幅変調波に対するΔΣ変調を行う。
【0034】
記憶部11G421に記憶される振幅変調波を生成するための情報としては、例えば正弦波テーブルであってもよい。波形生成部11G42は、使用データ量を節約するため、一つのテーブルデータを用いて乗算を行うことにより変調波形を生成する。すなわち、図3に示す例では、記憶部11G421に記憶される振幅変調波として、正弦波テーブルから変調波が生成され、電子部品の素子数が抑制されている。変調波の生成の詳細については後述する。また、波形生成部11G42は、アナログ波形を元波形として、増幅器11G422によって振幅調整が行われる。また、ΔΣ変調の途中計算値の最大値が10bitに抑制されている。
【0035】
また、図3に示す例では、波形生成部11G42が、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形の生成と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形の生成と、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形の生成と、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形の生成とを個別に行う。
制御ロジック11G41は、波形生成部11G42がSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形またはCOS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXおよびCOS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXを生成して制御装置11Gから出力する。
そのため、図3に示す例では、後述する図4に示す第1変形例のようにSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-2と、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-3と、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-4とを別個に(並列に)設ける必要性を排除することができる。
【0036】
図3に示す例では、上述したように、波形メモリ11G451が、波形生成部11G42によって生成されたSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶し、波形メモリ11G452が、波形生成部11G42によって生成されたCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶し、波形メモリ11G453が、波形生成部11G42によって生成されたSIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を生成するための情報を記憶し、波形メモリ11G454が、波形生成部11G42によって生成されたCOS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を記憶する。
制御ロジック11G41は、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xを生成するために、波形メモリ11G451に記憶されているPDM波形を生成するための情報を読み出せばよい。PDM波形を生成するための情報とは、具体的には、変調波成分と搬送波成分とを含む情報である。したがって、本実施形態によれば、変調波成分と搬送波成分とに基づきPDM波形を容易に得ることができる。また、制御ロジック11G41は、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xを生成するために、波形メモリ11G452に記憶されているPDM波形を生成するための情報を読み出せばよい。PDM波形を生成するための情報とは、具体的には、変調波成分と搬送波成分とを含む情報である。したがって、本実施形態によれば、変調波成分と搬送波成分とに基づきPDM波形を容易に得ることができる。更に、制御ロジック11G41は、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXを生成するために、波形メモリ11G453に記憶されているPDM波形を生成するための情報を読み出せばよい。PDM波形を生成するための情報とは、具体的には、変調波成分と搬送波成分とを含む情報である。したがって、本実施形態によれば、変調波成分と搬送波成分とに基づきPDM波形を容易に得ることができる。また、制御ロジック11G41は、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXを生成するために、波形メモリ11G454に記憶されているPDM波形を生成するための情報を読み出せばよい。PDM波形を生成するための情報とは、具体的には、変調波成分と搬送波成分とを含む情報である。したがって、本実施形態によれば、変調波成分と搬送波成分とに基づきPDM波形を容易に得ることができる。
そのため、図3に示す例では、制御装置11Gの最大動作周波数は波形生成のための信号処理で律速せず、制御装置11Gの内蔵メモリ部の動作限界まで動作可能となる。
【0037】
図3に示す例では、波形生成部11G42を低速で動作させてもよいため、上述したように、振幅変調波の振幅値を変数に設定し、外部からの通信によって振幅変調波の振幅値を変更することができる。
【0038】
図4は第1変形例の波形生成部R42、R42-2、R42-3、R42-4の構成を示す図である。
図4に示す第1変形例では、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-2と、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-3と、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を生成する波形生成部R42-4とが別個に(並列に)設けられている。
波形生成部R42、R42-2、R42-3、R42-4のそれぞれは、記憶部R42Aと、デジタルフィルタR42Bと、増幅器R42Cと、ΔΣ変調部R42Dとを備えている。記憶部R42Aは、PDM波形(PDMデータ)を記憶する。デジタルフィルタR42Bは、記憶部R42Aから出力されたPDM波形(PDMデータ)を振幅変調波(アナログ波形)に変換する。増幅器R42Cは、デジタルフィルタR42Bによって生成された振幅変調波(アナログ波形)を増幅する。ΔΣ変調部R42Dは、増幅器R42Cによって増幅された振幅変調波のΔΣ変調を行う。
【0039】
つまり、図4に示す第1変形例では、変調波波形をそのまま保持するとメモリが不足する点に鑑み、PDMデータとして波形が保持され(記憶部R42Aに記憶され)、デジタルフィルタR42BによってPDMデータがアナログ波形に一旦戻され、ΔΣ変調部R42Dによって改めてPDM波形が生成される。その結果、図4に示す波形生成部R42、R42-2、R42-3、R42-4のそれぞれは、デジタルフィルタR42Bを備える必要があり、図3に示す波形生成部11G42よりも構成が冗長になってしまう。
【0040】
また、図4に示す第1変形例では、波形生成部R42、R42-2、R42-3、R42-4を別個に(並列に)設ける必要があるため、1つの波形生成部11G42のみが備えられる図3に示す例よりも構成が冗長になってしまう。
【0041】
更に、図4に示す第1変形例の構成が採用される場合には、ΔΣ変調部R42DによるΔΣ変調処理の数値の最大値が大きく、17bit(信号17本)が必要になるため、制御装置(FPGA)の最大動作周波数が低くなる。振幅値によっては、66MHzの動作を満足することができず、波形乱れが発生してしまう。
【0042】
そのため、図4に示す第1変形例では、上述した最大動作周波数の問題から振幅値を固定記述にせざるを得ず、振幅値の変更が必要な場合には、制御装置(FPGA)のソフトの書き換えが必要になってしまう。
【0043】
第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、例えば図3に示す構成を採用することによって、図4に示す第1変形例の問題点を解消することができる。
【0044】
図5は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gの波形生成部11G42のΔΣ変調部11G423の構成の一例を示す図である。
図5に示す例では、ΔΣ変調部11G423が、加算部423Aと、増幅器423Bと、加算部423Cと、Z変換部423Dと、帰還部423Eと、加算部423Fと、増幅器423Gと、加算部423Hと、Z変換部423Iと、帰還部423Jと、比較器423Kと、帰還部423Lと、増幅器423Mと、増幅器423Nとを備えている。
加算部423Aには、増幅器11G422(図3参照)によって増幅された振幅変調波(アナログ信号)等が入力される。増幅器423Bには、加算部423Aからの出力信号が入力される。増幅器423Bは、加算部423Aから入力される信号を増幅する。
加算部423Cには、増幅器423Bからの出力信号と、帰還部423Eによって帰還させられる信号とが入力される。加算部423Cは、増幅器423Bからの出力信号と、帰還部423Eによって帰還させられる信号とを加算して出力する。
Z変換部423Dには、加算部423Cからの出力信号が入力される。Z変換部423Dは、加算部423Cから入力される信号のZ変換を行う。Z変換部423Dからの出力信号は、帰還部423Eと加算部423Fとに入力される。
帰還部423Eは、Z変換部423Dからの出力信号を加算部423Cに帰還させる。
【0045】
加算部423Fには、Z変換部423Dからの出力信号などが入力される。増幅器423Gには、加算部423Fからの出力信号が入力される。増幅器423Gは、加算部423Fから入力される信号を増幅する。
加算部423Hには、増幅器423Gからの出力信号と、帰還部423Jによって帰還させられる信号とが入力される。加算部423Hは、増幅器423Gからの出力信号と、帰還部423Jによって帰還させられる信号とを加算して出力する。
Z変換部423Iには、加算部423Hからの出力信号が入力される。Z変換部423Iは、加算部423Hから入力される信号のZ変換を行う。Z変換部423Iからの出力信号は、帰還部423Jと比較器423Kとに入力される。
帰還部423Jは、Z変換部423Iからの出力信号を加算部423Hに帰還させる。
【0046】
比較器423Kには、Z変換部423Iからの出力信号が入力される。比較器423Kは、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X(図3参照)に対応するPDM波形を波形メモリ11G451に出力する。また、比較器423Kは、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X(図3参照)に対応するPDM波形を波形メモリ11G452に出力する。更に、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nX(図3参照)に対応するPDM波形を波形メモリ11G453に出力し、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nX(図3参照)に対応するPDM波形を波形メモリ11G454に出力する。
帰還部423Lは、比較器423Kからの出力信号を増幅器423Mと増幅器423Nとに帰還させる。つまり、増幅器423Mには、帰還部423Lによって帰還させられる比較器423Kからの出力信号が入力される。また、増幅器423Nにも、帰還部423Lによって帰還させられる比較器423Kからの出力信号が入力される。
【0047】
増幅器423Mは、帰還部423Lによって帰還させられる比較器423Kからの出力信号を増幅する。増幅器423Mからの出力信号は、加算部423Aに入力される。加算部423Aは、増幅器11G422(図3参照)からの出力信号(振幅変調波)と、増幅器423Mからの出力信号とを加算する。
増幅器423Nは、帰還部423Lによって帰還させられる比較器423Kからの出力信号を増幅する。増幅器423Nからの出力信号は、加算部423Fに入力される。加算部423Fは、Z変換部423Dからの出力信号と、増幅器423Nからの出力信号とを加算する。
つまり、図5に示す例では、ΔΣ変調部11G423が、2次のΔΣ変調器であって、フィードバック型のΔΣ変調器によって構成される。
【0048】
デジタル動作、サンプリング周波数はアナログ信号帯域と比較して十分に高い周波数帯域が必要となる。例えば100倍程度必要である。搬送波の周波数として250kHzが使用される場合には、25MHz以上での信号処理が必要になる。
図2および図5に示す例では、PLL11G3によって出力される100MHzのクロックが用いられる。
【0049】
次に、図6から図8を参照しながら、PDM波形生成の一例について説明する。本実施形態において、PDM信号の元となる変調波波形を生成する際、正弦波データをテーブルとして保持していてもよい。使用データ量を節約するため、テーブルとして保持される正弦波データは一つのテーブルデータであってもよく、当該正弦波データに基づいた乗算を行うことにより変調波形を生成してもよい。
【0050】
図6は、第1実施形態に係るPDM波形を生成するためのSinテーブルについて説明するための図である。同図を参照しながら、PDM信号の元となる変調波波形を生成するためのSinテーブル(一つのテーブルデータ)について説明する。同図の左辺には、基本波(Sin(θ))と、基本波の振動数を32倍とした波形(Sin(32θ))(波長が32分の1となっているということもできる。)を示す。本実施形態によれば、これらの波形を乗算することにより、右辺に示したような波形(Sin(θ)×Sin(32θ)=Sin(32θ+θ)+Sin(32θ-θ))を得ることができる。
なお、図示したグラフの一例は、イメージであり、振幅や周波数等は、実際の波形とは異なる場合がある。
【0051】
図7は、第1実施形態に係るPDM波形を生成するためのSinテーブルの詳細について説明するための図である。同図を参照しながら、PDM信号の元となる変調波波形を生成するためのSinテーブル(一つのテーブルデータ)の詳細について説明する。ここで、Sin関数は対称性があるため、入力θの値に応じて場合分けすることにより、記憶されデータ量を1/4とすることができる。図7(A)には、基本波となるSinテーブルの一例を示す。図7(B)には、記憶されるデータの一例を示す。図7(A)及び図7(B)に示す図の横軸は角度であり、縦軸は振幅である。図7(B)に示すように、実際に記憶されるデータは、基本波の一部(具体的には0度から90度の区間)である。8ビットのデータとした場合、図7(B)に示す波形のデータ量は、8[bit]×2^(12-2)=8192[bit]となり、1ブロックのブロックメモリ(ブロックRAM)に収まるデータ量となる。
【0052】
なお、変調波を直接テーブル化する場合、変調波には対称性がないためデータ量の低減をすることは困難である。変調波を直接テーブル化する場合のデータ量は、8[bit]×2^12=32[Kbit]となり、4ブロックのEBRが必要なデータ量となる。すなわち、基本波の一部(具体的には0度から90度の区間)を記憶することにより、データ量を4分の1とすることができる。
【0053】
PDM波形の生成処理は低速により処理可能なため、Sin関数テーブル一つを使用し、入力θと32θを順に読み出した後に乗算を行うことにより変調波を生成してもよい。この場合、処理に用いられるEBRは1ブロックで足りる。なお、2ブロック用いる場合は、記憶領域を広げることが可能であるため、分解能を2^13とすることにより、より精度の高い変調波を生成することが可能である。
【0054】
図8は、第1実施形態に係るPDM波形の生成について説明するための図である。同図を参照しながら、PDM波形の生成について説明する。構成R8は、図6を参照しながら説明したようなPDM波形生成処理を行うための具体的な態様の一例である。構成R8は、構成要素R81から構成要素R89を含んで構成される。構成要素R81は、増幅器である。構成要素R81は、θを32倍に増幅し、増幅した結果を出力する。構成要素R82はセレクタである。構成要素R82には、θ及び32θが入力され、セレクタである構成要素R82は、θ又は32θのいずれかを出力する。構成要素R83には、構成要素R82の出力結果が入力される。構成要素R83は、入力されたθまたは32θの角度に応じた出力を行う。構成要素R84は記憶部(例えばブロックメモリ)である。構成要素R84には、基本波となるSinテーブルの一部(例えば1波長の4分の1)が記憶される。構成要素R84は、記憶されたデータを構成要素R85または構成要素R86に出力する。構成要素R85は増幅器である。増幅器である構成要素R85は、構成要素R84の出力値を-1倍して構成要素R86に出力される。構成要素R86はセレクタである。構成要素R86には、基本波となるSinテーブルの一部(例えば1波長の4分の1)又は、当該一部を-1倍したデータが入力される。セレクタである構成要素R86の出力は、構成要素R83により制御される。構成要素R86の出力は、構成要素R87又は構成要素R88に記憶される。構成要素R87及び構成要素R88は、値を記憶するためのレジスタである。構成要素R87にはSin(θ)の波形が記憶され、構成要素R88にはSin(32θ)の波形が記憶される。構成要素R89には、構成要素R87に記憶されたSin(θ)と、構成要素R88に記憶されたSin(32θ)とが入力される。構成要素R89は、入力されたSin(θ)とSin(32θ)とを乗算した結果であるSin(θ)×Sin(32θ)を出力する。
【0055】
図9は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の励磁波形生成部11Aのバンドパスフィルタ11A1の具体例などを示す図である。詳細には、図9(A)は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の励磁波形生成部11Aのバンドパスフィルタ11A1の具体例を示しており、図9(B)は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の励磁波形生成部11Aおよび増幅器11B1の変形例を示している。
図9(A)に示す例では、第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の励磁波形生成部11Aのバンドパスフィルタ11A1が、π形のLCフィルタによって構成される。
図9(B)に示す変形例(直接スイッチング方式の例)では、図1に示す励磁波形生成部11Aおよび増幅器11B1の代わりに、FET(電界効果トランジスタ)が用いられる。
【0056】
図10は第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gによって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図10に示す例では、ステップS1Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS1Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G451が、ステップS1Aにおいて生成されたSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を記憶する。
【0057】
また、ステップS2Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS2Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G452が、ステップS2Aにおいて生成されたCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を記憶する。
【0058】
また、ステップS3Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS3Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G453が、ステップS3Aにおいて生成されたSIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXに対応するPDM波形を記憶する。
【0059】
また、ステップS4Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、COS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS4Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G454が、ステップS4Aにおいて生成されたCOS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXに対応するPDM波形を記憶する。
【0060】
次いで、ステップS5では、制御装置11Gの制御ロジック11G41が、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X、SIN励磁コイル15用の励磁信号Sin_nXおよびCOS励磁コイル16用の励磁信号Cos_nXを生成して制御装置11Gから出力する。
【0061】
[実施例]
本発明者は、SIN励磁コイル12、COS励磁コイル13、SIN励磁コイル15およびCOS励磁コイル16用の励磁波形を生成するためにPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1における励磁波形の歪みおよびそれに伴うレゾルバセンサ1Aの角度誤差と、励磁波形を生成するためにPWM(パルス幅変調)波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置における励磁波形の歪みおよびそれに伴うレゾルバセンサの角度誤差とを比較する解析を行った。
PWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置では、レゾルバセンサの角度誤差が±2.34°になったのに対し、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、レゾルバセンサ1Aの角度誤差が±0.12°になり、1/20に低減することができた。
【0062】
図11は周波数と信号強度との関係(スペクトル)をPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置とPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1とで比較した図である。詳細には、図11(B)は図11(A)の横軸の周波数1000(kHz)付近を拡大して示した図である。
図11(B)に2つの矢印で示すように、PWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置では、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1よりも信号強度が高くなる箇所が生じた。
【0063】
図12は250kHz±16kHzの波形をデジタル変調した場合に包絡線に発生する歪みの有無をPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置とPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1とで比較した図などである。詳細には、図12(A)は250kHz±16kHzの波形をデジタル変調した場合に包絡線に発生する歪みの有無をPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置とPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1とで比較して示しており、図12(B)は包絡線に発生する歪みがある場合のゼロクロス時刻と包絡線に発生する歪みがない場合とのゼロクロス時刻とを比較して示している。
図12(A)に示すように、PWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置およびPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のそれぞれにおいて250kHz±16kHzの波形をデジタル変調した場合、PWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置では、250kHz±32kHzと±16kHz×2倍の高調波が発生し、包絡線に歪みが発生したのに対し、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、包絡線に歪みが発生しなかった。
第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のレゾルバセンサ1Aのような変調波型レゾルバでは、Sin/Cos信号の合成信号を検出し、合成信号のゼロクロス時刻からレゾルバの回転角度が算出される。
図12(B)に示すように、包絡線に発生する歪みがある場合には、合成信号のゼロクロス時刻が変化してしまい、レゾルバの検出角度の誤差となる。PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、包絡線に歪みが発生しないため、レゾルバセンサ1Aの角度誤差を低減することができた。
【0064】
図13は励磁波形を生成するためにPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置の課題を説明するための図である。詳細には、図13は励磁波形を生成するためにPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置のスペクトルを示している。
図13に「波形歪み」で示すように、励磁波形を生成するためにPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置では、変調波成分の高調波±16kHz×n(±16kHz、±48kHz、±80kHz、…)が、復調した際の16kHzの歪み(図12(A)に示す包絡線の歪み)となり、レゾルバセンサの絶対角度誤差となってしまう。
図13に「遷移領域」で示すように、励磁波形を生成するためにPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置では、離散化ノイズを減衰させるためフィルタのカットオフ周波数Fcを搬送波周波数に極力近づけたいものの、遷移領域があり、更にフィルタ定数Lのばらつき(=フィルタのカットオフ周波数Fcのばらつき)もあるため、近づけすぎると主信号まで減衰してしまうという課題がある。
【0065】
図14は励磁波形を生成するためにPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1の効果を説明するための図である。詳細には、図11は励磁波形を生成するためにPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のスペクトルを示している。
図14に「波形歪み」および「スペクトル特性」で示すように、図10に示すPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置のスペクトル特性に見られる変調波成分の高調波±16kHz×n(±16kHz、±48kHz、±80kHz、…)が、図14に示すPDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のスペクトル特性では存在しなくなる。
図14に「遷移領域」で示すように、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、主成分と離散化ノイズスペクトルとが離れているため、フィルタのカットオフ周波数Fcを主成分から離すことができ、フィルタ定数ばらつきの影響を受けづらくすることができる。
更に、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のスペクトル特性では、図13に示すPWM波形が用いられる第1比較例のレゾルバ信号処理装置のスペクトル特性に見られる搬送波成分250kHz±16kHzの高調波成分500kHz、750kHz、1000kHz、…が存在しなくなる。PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1のスペクトル特性では、離散化ノイズが高周波側に寄るため、PDM波形が用いられる第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、フィルタによる減衰が効きやすく、フィルタの段数を削減することができる。
【0066】
上述したように、第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、パルス幅変調によって生成された励磁信号が適用される場合に比べ、励磁コイル(1X用のSIN励磁コイル12、1X用のCOS励磁コイル13、nX用のSIN励磁コイル15、nX用のCOS励磁コイル16)を励磁する励磁波形の歪みを低減することができ、レゾルバセンサ1Aによって検出される回転角度の誤差を低減することができる。
更に、第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、ΔΣ変調を行うことによって生成されるPDM波形を波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454に記憶させる回路製作手法を採用することによって、「1相励磁2相出力レゾルバ」にΔΣ変調が適用される場合に比べて回路構成をコストダウンすることができる。
【0067】
<第2実施形態>
以下、本発明のレゾルバ/デジタル変換回路、レゾルバ信号処理装置、レゾルバ信号処理方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1と同様に構成されている。従って、第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1と同様の効果を奏することができる。
【0068】
図15は第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1の一例を示す図である。
図15に示す例では、レゾルバ信号処理装置1が、レゾルバ/デジタル変換回路11と、レゾルバセンサ1Aと、外部通信部1Bとを備えている。
図1に示す例では、レゾルバセンサ1Aが、1X用のSIN励磁コイル12と、1X用のCOS励磁コイル13と、1X用の検出コイル14と、nX用のSIN励磁コイル15と、nX用のCOS励磁コイル16と、nX用の検出コイル17とを備えているが、図15に示す例では、レゾルバセンサ1Aが、1X用のSIN励磁コイル12と、1X用のCOS励磁コイル13と、1X用の検出コイル14とを備えており、nX用のSIN励磁コイル15(図1参照)と、nX用のCOS励磁コイル16(図1参照)と、nX用の検出コイル17(図1参照)とを備えていない。
【0069】
図1に示す例では、レゾルバ/デジタル変換回路11が、励磁波形生成部11Aと、増幅器11B1、11B2と、検波部11Cと、励磁波形生成部11Dと、増幅器11E1、11E2と、検波部11Fと、制御装置11Gとを備えているが、図12に示す例では、レゾルバ/デジタル変換回路11が、励磁波形生成部11Aと、増幅器11B1、11B2と、検波部11Cと、制御装置11Gとを備えており、励磁波形生成部11D(図1参照)と、増幅器11E1、11E2(図1参照)と、検波部11F(図1参照)とを備えていない。
【0070】
第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、制御装置11Gが、波形メモリ11G451、11G452、11G453、11G454を備えているが、第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、制御装置11Gが、波形メモリ11G451、11G452を備えており、波形メモリ11G453、11G454(図2および図3参照)を備えていない。
また、第1実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、制御装置11Gが、位相計測部11G1、11G2と、統計処理部11G43とを備えているが、第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、制御装置11Gが、位相計測部11G1を備えており、位相計測部11G2(図2参照)と、統計処理部11G43(図2参照)とを備えていない。
【0071】
第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1では、波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1X(図3参照)に対応するPDM波形と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1X(図3参照)に対応するPDM波形とを生成する。詳細には、波形生成部11G42が、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形の生成と、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形の生成とを個別に行う。
制御ロジック11G41は、波形生成部11G42がSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形またはCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成するタイミングとは異なるタイミングで、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1XおよびCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xを生成して制御装置11Gから出力する。
【0072】
図13は第2実施形態のレゾルバ信号処理装置1の制御装置11Gによって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図13に示す例では、ステップS6Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS6Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G451が、ステップS6Aにおいて生成されたSIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1Xに対応するPDM波形を記憶する。
【0073】
また、ステップS7Aにおいて、制御装置11Gの波形生成部11G42が、ΔΣ変調を行うことによって、COS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を生成する。
次いで、ステップS7Bでは、制御装置11Gの波形メモリ11G452が、ステップS7Aにおいて生成されたCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xに対応するPDM波形を記憶する。
【0074】
次いで、ステップS8では、制御装置11Gの制御ロジック11G41が、SIN励磁コイル12用の励磁信号Sin_1XおよびCOS励磁コイル13用の励磁信号Cos_1Xを生成して制御装置11Gから出力する。
【0075】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0076】
なお、上述した実施形態におけるレゾルバ信号処理装置1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0077】
1…レゾルバ信号処理装置、11…レゾルバ/デジタル変換回路、11A…励磁波形生成部、11A1…バンドパスフィルタ、11A2…バンドパスフィルタ、11B1…増幅器、11B2…増幅器、11C…検波部、11C1…検波回路、11C2…位相検出部、11D…励磁波形生成部、11D1…バンドパスフィルタ、11D2…バンドパスフィルタ、11E1…増幅器、11E2…増幅器、11F…検波部、11F1…検波回路、11F2…位相検出部、11G…制御装置、11G1…位相計測部、11G2…位相計測部、11G3…PLL、11G4…制御部、11G41…制御ロジック、11G42…波形生成部、11G421…記憶部、11G422…増幅器、11G423…ΔΣ変調部、423A…加算部、423B…増幅器、423C…加算部、423D…Z変換部、423E…帰還部、423F…加算部、423G…増幅器、423H…加算部、423I…Z変換部、423J…帰還部、423K…比較器、423L…帰還部、423M…増幅器、423N…増幅器、11G43…統計処理部、11G44…SPI通信部、11G451…波形メモリ、11G452…波形メモリ、11G453…波形メモリ、11G454…波形メモリ、12…SIN励磁コイル、13…COS励磁コイル、14…検出コイル、15…SIN励磁コイル、16…COS励磁コイル、17…検出コイル、1A…レゾルバセンサ、1B…外部通信部
【要約】
SIN励磁コイルとCOS励磁コイルと検出コイルとを備えるレゾルバセンサの信号処理を行うレゾルバ/デジタル変換回路は、SIN励磁コイル用の励磁信号とCOS励磁コイル用の励磁信号とを生成する制御装置と、SIN励磁コイル用の励磁信号からSIN励磁コイル用の励磁波形を生成すると共にCOS励磁コイル用の励磁信号からCOS励磁コイル用の励磁波形を生成する励磁波形生成部と、検出コイルから出力される検出信号に基づいてレゾルバセンサの回転角度を示す信号を生成する検波部とを備え、制御装置は、ΔΣ変調を行うことによってPDM波形を生成する波形生成部と、SIN励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を記憶する第1波形メモリと、COS励磁コイル用の励磁信号に対応するPDM波形を記憶する第2波形メモリとを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16