(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】解析方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240521BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2021020091
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000231198
【氏名又は名称】日本国土開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】秋山 直樹
(72)【発明者】
【氏名】日高 陸生
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-090197(JP,A)
【文献】特開平05-154469(JP,A)
【文献】特開昭60-123614(JP,A)
【文献】特開平06-010323(JP,A)
【文献】特開2015-004245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲において地中に埋設される暗渠排水管の配置と、地表面と前記暗渠排水管とを接続し、地表側から前記暗渠排水管に水を送る集水管の配置と、を取得する処理と、
前記所定範囲の三次元地形データと前記集水管の配置とに基づいて、前記集水管が存在するくぼ地の貯水量を算出する処理と、
前記集水
管が存在するくぼ地の貯水量、前記暗渠排水管の排水量、及び前記集水
管が存在するくぼ地への水の予測流入量に基づいて、前記集水
管が存在するくぼ地を越流するまでの時間を算出する処理と、
を含む解析方法。
【請求項2】
前記集水
管が存在するくぼ地を越流するまでの時間を前記暗渠排水管の径に基づいて解析する処理を含む請求項1に記載の解析方法。
【請求項3】
前記取得する処理では、前記集水
管が存在するくぼ地の周りに設けられる仮設堤防の位置及び高さを取得し、
前記集水
管が存在するくぼ地の貯水量を算出する処理では、前記仮設堤防の位置及び高さに基づいて、前記集水
管が存在するくぼ地の貯水量を算出する、請求項1又は2に記載の解析方法。
【請求項4】
前記集水管は、重機が走行する予定の経路以外の箇所に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の解析方法。
【請求項5】
前記三次元地形データを多数のメッシュに分割し、隣接する前記メッシュの高低差から前記所定範囲における水の流れを示す流線を特定する処理と、
前記集水
管が存在するくぼ地に下流端を有する前記流線に対応するメッシュの面積に基づいて、前記集水
管が存在するくぼ地への水の予測流入量を算出する処理と、
を含む請求項1~4のいずれか一項に記載の解析方法。
【請求項6】
集水
管が存在しないくぼ地における水の流れを予測し、予測した前記水の流れに基づいて、前記集水
管が存在するくぼ地への水の予測流入量を算出する請求項5に記載の解析方法。
【請求項7】
前記流線を特定する処理では、特定した前記流線のうち、前記所定範囲の外形線と交差しない流線を抽出し、抽出した前記流線の下流端が位置するくぼ地メッシュと、該くぼ地メッシュに隣接するメッシュのうち前記くぼ地メッシュと最も標高が近いメッシュとを繋ぐ流線を更に特定する、請求項6に記載の解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、降雨量・地形・家屋・土地利用状況・下水道ネットワーク等のデータをもとに降雨による雨水の浸水・流出量を検出し、また浸水状況と浸水による家屋等の被害状況を検出して予測し、さらに強制排水等の管理を制御するようにしたリアル浸水マップシステムが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、例えば造成工事等を行う工事区域内に存在する集水管が存在するくぼ地(調整池とも呼ばれる)の越流について、精度よく解析できていない。また、工事区域内に複数の調整池が存在する場合に、各調整池の容量を効率的に管理できていないおそれがある。
【0005】
1つの側面では、本発明は、集水管が存在するくぼ地を越流するまでの時間を精度よく算出することができる解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、解析方法は、所定範囲において地中に埋設される暗渠排水管の配置と、地表面と前記暗渠排水管とを接続し、地表側から前記暗渠排水管に水を送る集水管の配置と、を取得する処理と、前記所定範囲の三次元地形データと前記集水管の配置とに基づいて、前記集水管が存在するくぼ地の貯水量を算出する処理と、前記集水管が存在するくぼ地の貯水量、前記暗渠排水管の排水量、及び前記集水管が存在するくぼ地への水の予測流入量に基づいて、前記集水管が存在するくぼ地を越流するまでの時間を算出する処理と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
集水管が存在するくぼ地を越流するまでの時間を精度よく算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】情報処理装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。
【
図3】計画作成部の処理を示すフローチャート(その1)である。
【
図4】計画作成部の処理を示すフローチャート(その2)である。
【
図5】
図5(a)は、計画領域を多数のメッシュで分割した状態を示す図であり、
図5(b)は、各メッシュにおいて流行を生成した状態を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、流線を生成した状態を示す図であり、
図6(b)は、流域を定義した状態を示す図である。
【
図7】
図7(a)は、くぼ地を示す図であり、
図7(b)は、くぼ地のメッシュと、隣接するメッシュの標高値を示す図である。
【
図8】
図8(a)は、くぼ地のメッシュと隣接するメッシュを流線で繋いだ状態を示す図であり、
図8(b)は、複合流域を生成した状態を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、計画領域内に3つの流域a~bが存在する状態を示す図であり、
図9(b)は、計画領域内に暗渠排水管と集水管を配置した状態を示す図である。
【
図10】暗渠排水管、集水管、仮設堤防の関係を示す模式図である。
【
図11】集水管及び仮設堤防と、調整池との関係を示す図である。
【
図12】
図12(a)、
図12(b)は、仮設堤防の配置に応じて流線の方向を変更することについて説明するための図である。
【
図13】
図12(b)の例において、調整池と集水域を特定した状態を示す図である。
【
図14】調整池の容量V
1、V
2について説明するための図である。
【
図15】防災判定部の処理を示すフローチャート(その1)である。
【
図16】防災判定部の処理を示すフローチャート(その2)である。
【
図17】
図5のステップS102において得られるデータを模式的に示す図である。
【
図18】
図18(a)、
図18(b)は、集水管近傍の仮設堤防の標高を特定する処理について説明するための図である。
【
図20】施工完了箇所を特定する処理を説明するための図である。
【
図21】重要調整池について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係る情報処理装置について、
図1~
図21に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1には、一実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成が概略的に示されている。
図1の情報処理装置100は、土地造成工事等を行う際の施工計画を策定する人や施工中に防災判定を行う人(以下、作業者と呼ぶ)が利用するPC(Personal Computer)等の端末である。
【0012】
図1に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、表示部93、入力部95、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これら情報処理装置100の構成各部は、バス98に接続されている。表示部93は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部95は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。情報処理装置100では、ROM92あるいは記憶部96に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、
図2に示す、各部の機能が実現される。なお、
図2の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0013】
図2には、情報処理装置100の機能ブロック図が示されている。情報処理装置100においては、CPU90がプログラムを実行することにより、計画作成部50、防災判定部52、としての機能が実現されている。なお、
図2には、記憶部96等に格納されている各種DB(三次元地形データDB60、地形画像データDB62、計画雨量DB64、三次元設計データDB66)も図示されている。
【0014】
計画作成部50は、土地造成工事等の施工前の段階において、工事施工範囲(計画領域)の三次元地形データから、集水管(縦排水)が存在するくぼ地(調整池)を特定して、当該調整池から雨水が越流までの所要時間を算出する。また、計画作成部50は、調整池から雨水が越流するまでの所要時間に基づいて、調整池が安全か否かを判定したり、工事施工範囲に敷設すべき暗渠排水管の径を決定し、処理結果を出力(表示)する。なお、計画作成部50は、上記処理の際に、集水管が存在しないくぼ地からの水の流れを特定し、その流れを考慮する。
【0015】
防災判定部52は、工事施工範囲における工事を開始した後に、工事施工範囲に存在する複数の調整池を抽出し、抽出した複数の調整池の中から重要調整池(詳細後述)を特定する。また、防災判定部52は、重要調整池以外の調整池の容量は変更せず、かつ重要調整池は越流しないようにする、という条件の下、重要調整池のかさ上げ高をどのようにすべきかを算出し、出力(表示)する。
【0016】
(計画作成部50の処理について)
まず、土地造成工事等の施工前の段階において計画作成部50が実施する計画作成処理について、
図3、
図4のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
図3の処理は、ユーザが、工事施工範囲(計画領域2と呼ぶ)の情報を情報処理装置100に入力した段階から開始される。
【0017】
図3の処理が開始されると、まず、ステップS10において、計画作成部50は、三次元地形データDB60から、計画領域2の三次元地形データ1を読み込み、
図5(a)に示すように、計画領域2を多数のメッシュ3に分割する。ここで、計画作成部50は、計画領域2を例えば正方メッシュや不定形メッシュなどで分割する。
図5(a)のメッシュ3は、一辺が0.1m~10m程度の正方メッシュであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0018】
次いで、ステップS12では、計画作成部50は、
図5(b)に示すように、隣接するメッシュ3の中心位置の高低差を解析し、水の流れを示す流向4を生成する。
図5(b)においては、メッシュ3の中央に示す矢印が流向4である。また、計画作成部50は、
図6(a)に示すように、流向4の集合体である流線5(太破線にて示している)を生成する。更に、計画作成部50は、
図6(b)に示すように、一つの流末6に流出する流線5が通過するメッシュ3を特定し、特定したメッシュ3の集合体を流域8と定義する。
図6(b)において、流域8は、太実線枠で囲まれた4つの範囲である。
【0019】
次いで、ステップS14では、計画作成部50は、計画領域2内に下流側端部が存在する流線5(下流側端部が計画領域2の外縁部と交差しない流線5)を特定し、その最下流端部に位置するメッシュ3をくぼ地10とする。例えば、
図7(a)に示す流線5aの最下流端部は、計画領域2内に存在している。したがって、計画作成部50は、その最下流端部が位置するメッシュ3(
図7(a)において太実線枠で示すメッシュ)をくぼ地10とする。なお、計画領域2内に下流側端部が存在する流線5が無ければ、くぼ地10は特定しないものとする。
【0020】
次いで、ステップS16では、計画作成部50は、くぼ地10のメッシュに隣接し、かつくぼ地10を含む流域とは異なる流域のメッシュを抽出し、抽出したメッシュの中でくぼ地10のメッシュの標高値と最も近い標高値を持つメッシュを特定する。また、計画作成部50は、くぼ地10のメッシュと特定したメッシュを流線5で繋ぐ。例えば、
図7(b)に示すように、くぼ地10のメッシュの標高値が30(m)であったとし、くぼ地10のメッシュに隣接する他の流域のメッシュの標高値が35(m)、36(m)、30(m)、31(m)、31(m)であったとする。この場合、計画作成部50は、くぼ地10の左下のメッシュを特定するので、
図8(a)に示すように、くぼ地10のメッシュとくぼ地10の左下のメッシュを流線5で繋ぐ。
【0021】
更に、計画作成部50は、
図8(b)に示すように、新たな流線5を考慮して、新たな流域(複合流域14)を生成する。以上により、計画領域2内にくぼ地10が存在している場合でも、雨水がくぼ地10をあふれたときに流れる方向を考慮して、計画領域2を流域に分割することができる。
【0022】
次いで、ステップS18では、計画作成部50は、地形画像データDB62から各流域の地形画像データを取得し、取得した地形画像データから解析される植生状況や土地利用状況に基づく流出係数C1と、施工状況に基づく流出係数をC2を特定する。また、計画作成部50は、計画雨量DB64から降雨条件として計画雨量Bを取得する。そして、計画作成部50は、流出係数C1、C2、各流域の面積Ak、計画雨量Bを用いて、各流末6における現況の排水流量Q1と工事中の排水流量Q2を次式(1)、(2)から求める。
Q1(m3/秒)=1/360×C1×Ak(m2)×B(mm/hr) …(1)
Q2(m3/秒)=1/360×C2×Ak(m2)×B(mm/hr) …(2)
【0023】
なお、計画作成部50は、排水流量Q1、Q2の計算を、流域ごとに実施する。流出係数C1、C2は、例えば、道路であれば0.80~0.90であり、勾配の緩い山地であれば0.20~0.40、勾配の急な山地であれば、0.40~0.60であり、田畑や山林であれば0.10~0.30である。また、施工状況に基づく流出係数C2は、施工前の流出係数である流出係数C1に比べて大きくなる傾向にある。このため、工事中の排水流量Q2は現況の排水流量Q1よりも大きくなる傾向にある。
【0024】
次いで、ステップS20では、計画作成部50は、作業者の入力に基づいて、各流域に対して、地中に埋められ、工事中に雨水を排水する暗渠排水管15と工事中の地表面と暗渠排水管15を接続する集水管(縦排水管)16を配置する。例えば、これまでの処理において、計画領域2内に、
図9(a)に示すような3つの流域が生成されたとする(なお、説明の便宜上、
図9(a)の計画領域2は、
図5~
図8(b)とは異なる計画領域である)。
図9(a)のように計画領域2に3つの流域a~cが存在する場合、
図9(b)に示すように、暗渠排水管15及び集水管16は、流域a~cのそれぞれに対して一つもしくは複数配置することができる。作業者は、例えば、ステップS14で定めたくぼ地10の位置を参考にして、集水管16を配置することができる。ただし、これに限らず、計画作成部50が、機械学習等を用いて、くぼ地10の位置から、集水管16を自動的に配置することとしてもよい。ここで、集水管16は、重機が走行する予定の経路以外の箇所に配置してもよい。これにより、集水管16が重機の走行を邪魔しないように集水管16の位置を予め定めておくことができる。なお、集水管16は、
図10において模式的に示すように、設置されている箇所の現地盤高さh1に対してΔh
1高い箇所に流入口を有する縦排水管であり、下端側は暗渠排水管15に接続される。
【0025】
次いで、ステップS22では、計画作成部50は、集水管16相互間および集水管16と流末6の間の暗渠排水勾配iを算定する。具体的には、集水管16と集水管16(又は流末)との間における暗渠排水管15の延長Lと、集水管16と集水管16(又は流末)との間の標高差Δheを用いて、次式(3)より算出する。
i=Δhe/L …(3)
【0026】
次いで、ステップS24では、計画作成部50は、作業者の入力に基づいて、集水管16に付帯して設けられる仮設堤防18の位置及び高さを特定し、調整池20を定義する。作業者は、ステップS20で配置した集水管16の位置の下流側近傍に仮設堤防18を配置することができる。ただし、これに限らず、計画作成部50が、機械学習等を用いて、集水管16の位置や三次元地形データから、仮設堤防18の位置や高さを自動的に決定することとしてもよい。
【0027】
ここで、
図10に示すように、集水管16の流入口は、設置箇所の現地盤高さh1に対してΔh
1高い箇所にあり、集水管16に付帯する仮設堤防18の高さは、集水管16の流入口よりも高く(例えばΔh
2高く)設定される。したがって、計画作成部50は、調整池20として、集水管16を取り囲む範囲のうち、標高がh1+Δh
1+Δh
2以下の範囲を定義する。この調整池20に流れ込んだ水は、集水管16に流入し、暗渠排水管15を通じて下流側に排水される。例えば、
図11の集水管16a及び集水管16a近傍の仮設堤防18については、グレーで示す範囲が調整池20aとして定義される。なお、計画作成部50は、調整池20を、集水管16ごとに定義する。
【0028】
次いで、ステップS26では、計画作成部50は、定義した調整池20の集水域を特定する。原則としては、調整池20の上流側の流域がその調整池20の集水域となるが、仮設堤防18の配置によっては、集水域がそのようにならない場合もある。例えば、計画領域2内に、
図12(a)に示すように流線5が存在していた場合に、
図12(b)に示すように、集水管16と仮設堤防18が配置されたとする。この場合、計画作成部50は、
図12(a)において太線で示す流線5の方向を、
図12(b)に示すように仮設堤防18に沿って変更する。また、仮設堤防18により太線で示す流線5は仮設堤防18の上流側と下流側に分割される。このような場合、計画作成部50は、
図13において太破線で示すように、調整池20に流れ込む流域を、調整池20の集水域と特定する。なお、計画作成部50は、上記集水域の特定処理を調整池20ごとに行う。ステップS26の後は、
図4のステップS28に移行する。
【0029】
図4のステップS28に移行すると、計画作成部50は、計画雨量DB64から、計画領域2における計画雨量Bと降雨時間Tのデータを取得し、計画雨量Bの降雨が時間Tだけ降った場合における、調整池20それぞれへの雨水の流入量Q
j(m
3/秒)を算出する。計画作成部50は、流入量Q
jを、調整池20の集水域の面積A
j(m
2)と施工状況に基づく流出係数C
2と計画雨量B(mm/hr)と降雨時間Tを用いて、次式(4)から算出する。
Q
j(m
3/秒)=1/360×C
2×A
j(m
2)×B(mm/hr) …(4)
【0030】
なお、計画作成部50は、雨水の流入量の算定を調整池20ごとに行う。
【0031】
次いで、ステップS30では、計画作成部50は、調整池20にある調整池20の容量(貯水量)を算出する。具体的には、計画作成部50は、
図14に示すように、調整池20の水位が集水管16の流入口(上端)に到達したときの容量V
1と、調整池20の水位が仮設堤防18に到達したときの調整池20全体の容量V
2の2通りを算出する。これら調整池20の容量V
1、V
2は、計画領域2の三次元地形データと、集水管16の位置及び流入口の高さ、仮設堤防18の位置及び高さ等を用いて算出することができる。なお、計画作成部50は、貯水容量の算出は調整池20ごとに行う。
【0032】
次いで、ステップS32では、計画作成部50が、計画雨量DB64から計画雨量B及び降雨時間Tを取得するとともに、予め入力されている暗渠排水管径rとステップS22で算出した暗渠排水勾配iを取得する。そして、計画作成部50は、取得した情報を用いて、降雨開始後、集水管16へ水が流入するまでの所要時間t1と仮設堤防18を越流するまでの所要時間t2を算定する。
【0033】
ここで、調整池20への水の流入と集水管16からの水の流出を降雨開始からの時系列でとらえると、調整池20の水位がΔh1以下の状態であり集水管16から流出がない第一段階と、調整池20の水位がΔh1を超え、集水管16からの流出がある第二段階と、調整池20の水位がΔh1+Δh2の状態で、仮設堤防18より越流する第三段階に分類される。本実施形態では、第一段階から第二段階に移行するまでの所要時間をt1、第二段階から第三段階に移行するまでの所要時間をt2としている。なお、t1とt2の算定は調整池ごとに行う。ここで、集水管16からの流出量Q’は、次式(5)にて求めることができる。
Q’=πr2×(1/n×R2/3×i1/2) …(5)
【0034】
上式(5)において、径深Rは、r/2である。また、粗度係数nは、暗渠排水管15の種類により決まる定数である。そして、計画作成部50は、次式(6)、(7)を用いて、所要時間t1、t2を求める。
t1=V1/Qj …(6)
t2=(V2-V1)/(Qj-Q’) …(7)
【0035】
次いで、ステップS34では、計画作成部50は、1つの調整池20を特定する。
【0036】
次いで、ステップS36では、特定した調整池20において降雨開始から仮設堤防18を越流するまでの所要時間t2と、降雨時間Tとを比較する。
【0037】
次いで、ステップS38では、計画作成部50は、所要時間t2≧降雨時間Tであるか否かを判断する。このステップS38の判断が肯定された場合には、ステップS40に移行して、計画作成部50は、調整池20が安全であると判断する。一方、ステップS38の判断が否定された場合(t2<T)には、調整池20の容量不足であるため、ステップS42に移行し、計画作成部50は、暗渠排水管径rを所定値だけ大きくするとともに、所要時間t2を再計算する。その後は、計画作成部50は、ステップS36、S38、S42を、ステップS38の判断が肯定されるまで繰り返し、ステップS38の判断が肯定された段階で、ステップS40に移行する。
【0038】
ステップS40において安全と判断された後は、計画作成部50は、ステップS44に移行し、全ての調整池20を特定済みか否かを判断する。このステップS44の判断が否定された場合には、計画作成部50は、ステップS34に戻り、次の調整池20を特定した後、上述したステップS36以降の処理を実行する。一方、ステップS44の判断が肯定された場合には、ステップS46に移行し、計画作成部50は、これまでの処理結果を表示部93上に出力する。これにより、作業者は、各調整池が安全であるかどうか、暗渠排水管15の径rをどの程度にすべきかなどを確認することができる。ステップS46の処理の後は、
図3、
図4の全処理を終了する。
【0039】
なお、各流線5において計画領域2の最下流に位置している調整池20など、暗渠排水管径rを大きくすることでは調整池20が安全にならない場合もある。このような場合には、計画作成部50は、仮設堤防18と集水管16の流入口の高低差Δh2を増加させることにより調整するようにすればよい。
【0040】
なお、本実施形態においては、調整池20の所要時間t
1、t
2を算出する際に、調整池20の上流側にあるくぼ地10(集水
管16が存在しないくぼ地10)の貯水量を考慮してもよい。例えば、
図11に示すように、調整池20aの上流に集水
管16が存在しないくぼ地10がある場合には、降雨開始後、くぼ地10に雨水が溜まっている間は、くぼ地10から下流側に雨水が流れないと仮定し、その時間を考慮して、所要時間t
1、t
2を算出するようにしてもよい。
【0041】
(防災判定部52の処理について)
次に、計画領域2の施工を実施している間に行う防災判定処理について、
図15、
図16のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。例えば、台風が接近してくる場合など、大雨が予測される場合において、本処理を実行することで、施工中の現場内に存在する複数の仮設堤防18のどの仮設堤防18をかさ上げすべきかや、現場が安全であるかなどを作業者に通知することができる。
【0042】
図15の処理が開始されると、まず、ステップS102において、防災判定部52は、三次元地形データDB60から施工中の計画領域の三次元地形データを取得するとともに、集水管16及び暗渠排水管15の位置情報、暗渠排水勾配i、暗渠排水管径rを取得する。集水管16及び暗渠排水管15の位置情報、暗渠排水勾配i、暗渠排水管径rは、上述した計画作成部50の処理により得られる位置情報や値であってもよいし、実際の施工実績値であってもよい。
図17は、本ステップS102において得られるデータを模式的に示した図である。防災判定部52は、得られた計画領域2の三次元地形データと、取得した集水管16や暗渠排水管15の情報とを重ね合わせ、上述したステップS10と同様にして、メッシュ3に分割する。
【0043】
次いで、ステップS104では、防災判定部52は、上述したステップS12と同様、隣接するメッシュ3の高低差を解析し、水の流れである流向4を生成し、流向4の集合体である流線5を生成する(
図5(b)、
図6(a)参照)。
【0044】
次いで、ステップS106では、防災判定部52は、仮設堤防18の標高、調整池20、各調整池20に対応する集水域を特定する。具体的には、防災判定部52は、集水管16の周辺のメッシュから、集水管16の流入口より高い標高を持ち、かつ集水管16に向かわない流線5の端部に位置するメッシュを特定する。例えば、
図18(a)において矢印で示すような流線5が計画領域内に存在する場合には、防災判定部52は、
図18(b)において太枠で示すメッシュを特定する。そして、防災判定部52は、特定したメッシュのうち、最も標高が低いメッシュ(例えば、
図18(b)においてグレーで示すメッシュ)を集水管16に付帯する仮設堤防18の標高とする。また、防災判定部52は、集水管16の周辺で、仮設堤防18の標高以下の範囲(
図18(b)において太破線で示す範囲)を調整池20とする。更に、防災判定部52は、調整池20の範囲内に含まれる流線5が通過するメッシュの範囲を、調整池20の集水域とする。
【0045】
なお、防災判定部52は、いずれの調整池20の集水域に含まれず、かつ流線5が計画領域2と交差しないメッシュ3について、ステップS14、S16と同様に処理をして、他の集水域に含める。このようにすることで、防災判定部52は、計画領域2を集水管16ごとの集水域19に分割する。
【0046】
次いで、ステップS108では、防災判定部52は、流線5及び暗渠排水管15、集水管16により一つの流末6に対し、一つもしくは複数の系統として整理し、水系として定義する。
図19には、水系の一例が模式的に示されている。
【0047】
次いで、ステップS110では、防災判定部52は、上述したステップS30と同様、調整池20それぞれについて、調整池20の水位が集水管16の流入口に到達したときの容量V
1と、仮設堤防18の標高に到達したときの容量V
2を算定する(
図14参照)。
【0048】
次いで、ステップS112では、防災判定部52は、三次元地形データDB60から施工中の計画領域の三次元地形データを取得するとともに、三次元設計データDB66から計画領域の三次元設計データを取得する。また、防災判定部52は、地形画像データDB62から計画領域の地形画像データを取得する。そして、防災判定部52は、
図20に示すように、取得した3つのデータを座標値を用いて重ね合わせる。
【0049】
更に、防災判定部52は、地形画像データを参照することで、
図20に示すように、植生が存在している箇所を解析する。また、防災判定部52は、三次元地形データのうち、三次元設計データと標高が一致する範囲を解析する。そして、防災判定部52は、三次元設計データと標高が一致し、かつ、植生が存在している範囲を、施工完了箇所とする。植生が存在している範囲を施工完了箇所とするのは、施工完了後の法面等においては、法面の保護のため等に植生を設けるのが一般的だからである。なお、本ステップS112では、防災判定部52は、植生の有無にかかわらず、三次元設計データと標高が一致する範囲を施工完了箇所として特定してもよい。また、防災判定部52は、三次元設計データと標高が一致する範囲のうち、コンクリートやアスファルトなどで覆われた箇所を施工完了範囲として特定してもよい。
【0050】
次いで、ステップS114では、防災判定部52は、
図21に模式的に示すように、施工完了箇所の上流側に位置する調整池(第2調整池)と、各水系において最下流に位置する調整池(第1調整池)を重要調整池として設定する。重要調整池は、越流を許容しない調整池である。施工完了箇所の上流側に位置する調整池を重要調整池としているのは、越流すると施工完了箇所を再度施工する必要が生じ、手間や施工費が余計にかかるからである。また、水系の最下流の調整池を重要調整池としているのは、越流すると計画領域2以外に被害が生じる可能性があるからである。なお、防災判定部52は、施工完了箇所以外の箇所(例えば、作業者が選択した箇所や、予め定めた箇所)の上流側に位置する調整池を重要調整池として設定してもよい。ステップS114の後は、
図16のステップS116に移行する。
【0051】
図16のステップS116に移行すると、防災判定部52は、未特定の1つの水系を特定する。次いで、ステップS118では、防災判定部52は、特定した水系のうち、未特定の最上流の調整池を特定する。
【0052】
次いで、ステップS120では、防災判定部52は、特定した調整池の水位が集水管16の流入口に到達するまでの所要時間t1を算出し、予測降雨時間T’と比較する。具体的には、防災判定部52は、予測される雨量B’と、地形画像データより得られる流出係数Ckと、特定した調整池の集水域の面積Akを用いて、特定した調整池への水の流入量Qkを算出する。このとき、防災判定部52は、次式(8)を用いて、流入量Qkを算出する。
Qk(m3/秒)=1/360×Ck×Ak(m2)×B’(mm/hr) …(8)
【0053】
また、防災判定部52は、特定した調整池の水位が集水管16の流入口に到達するまでの所要時間t1を次式(9)から算定する。
t1=V1/Qk …(9)
【0054】
そして、防災判定部52は、所要時間t1と予測降雨時間T’とを比較する。
【0055】
次いで、ステップS122では、防災判定部52は、t1>T’であるか否かを判断する。このステップS122の判断が肯定された場合には、防災判定部52は、ステップS124に移行し、特定した調整池は安全であると判定する。すなわち、特定した調整池は、予測した雨量では越流する可能性が低いと判定する。その後は、ステップS136に移行する。一方、ステップS122の判断が否定された場合には、防災判定部52は、ステップS126に移行する。
【0056】
ステップS126に移行すると、防災判定部52は、特定した調整池の水位が仮設堤防18の最上部に到達するまでの所要時間t2を算出し、時間t1+t2と予測降雨時間T’とを比較する。ここで、所要時間t2は、次式(10)から求めることができる。なお、Q’は、前述のように上式(5)から算出でき、値r、n、Rは、実際の暗渠排水管15の半径、粗度係数、径深の値である。
t2=(V2-V1)/(Qk-Q’) …(10)
【0057】
次いで、ステップS128では、防災判定部52は、t1+t2>T’であるか否かを判断する。このステップS128の判断が肯定された場合には、防災判定部52は、ステップS124に移行し、特定した調整池は安全であると判定する。その後は、ステップS136に移行する。一方、ステップS128の判断が否定された場合には、防災判定部52は、ステップS130に移行する。
【0058】
ステップS130に移行すると、防災判定部52は、特定した調整池が重要調整池か否かを判断する。このステップS130の判断が肯定された場合には、ステップS132に移行し、防災判定部52は、特定した調整池(重要調整池)において、水位が仮設堤防18の高さを超えた後、雨が止むまでの時間(T’-t1-t2)における調整池への流入量V3を算出する。そして、防災判定部52は、三次元地形データに基づいて解析を行い、流入量V3があっても越流しないようにするための仮設堤防18のかさ上げ高h3を算出する。その後は、ステップS136に移行する。
【0059】
一方、ステップS130の判断が否定された場合、すなわち特定した調整池が重要調整池でなかった場合には、防災判定部52は、ステップS134に移行する。このステップS134では、防災判定部52は、特定した調整池において、水位が仮設堤防18の高さを超えた後、雨が止むまでの時間(T’-t1-t2)における調整池への流入量V3が、一つ下流側の調整池に流れ込むと仮定する。本実施形態においては、重要調整池以外の調整池は、越流を許容しているためである。ステップS134の後は、ステップS136に移行する。
【0060】
ステップS136に移行すると、防災判定部52は、特定した水系の全調整池を特定済みか否かを判断する。このステップS136の判断が否定された場合には、ステップS118に戻り、以降の処理を上記と同様に実行する。なお、ステップS118以降の処理を実行する直前にステップS134を経た場合には、防災判定部52は、ステップS134で下流側に流れ込むと仮定した水量が、新たにステップS118で特定される調整池に流れ込むものとして、所要時間t1、t2を算出する(S120、S126)。
【0061】
そして、ステップS136の判断が肯定されると、ステップS138に移行し、防災判定部52は、計画領域2内の全水系を特定済みか否かを判断する。このステップS138の判断が否定された場合には、防災判定部52は、ステップS116に戻り、上記処理を繰り返し実行するが、ステップS138の判断が肯定された場合には、防災判定部52は、ステップS140に移行する。
【0062】
ステップS140に移行すると、防災判定部52は、これまでの処理で得られた判定結果や、かさ上げ高h3、重要調整池以外の調整池が越流するか否か、などを表示部93上に出力する。これにより、作業者は、各調整池が予測降雨量に耐えうるか否かや、降雨前にかさ上げすべき仮設堤防18がどこで、かさ上げ高h3がどのくらいかを認識することができる。これにより、大雨が降る前に事前に越流対策を行うことが可能となる。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、計画作成部50は、計画領域2において地中に埋設される暗渠排水管15の配置と、地表面と暗渠排水管15とを接続し、地表側から暗渠排水管15に水を送る集水管16の配置と、を取得する(S20)。また、計画作成部50は、計画領域2の三次元地形データと集水管16の配置とに基づいて、集水管16が存在するくぼ地(調整池20)の容量を算出する(S30)。そして、計画作成部50は、調整池の容量V2、暗渠排水管15の排水量(流出量Q’)、及び調整池への水の予測流入量(A×B)に基づいて、調整池を越流するまでの時間t2を算出する(S32)。これにより、本実施形態では、計画雨量が実際に降ったときに調整池を越流するまでの時間を精度よく算出することができる。
【0064】
また、本実施形態では、調整池を越流するまでの時間を暗渠排水管15の径rに基づいて解析する。これにより、暗渠排水管15の径に応じた時間を算出することができる。また、暗渠排水管15の径をどのような大きさにすればよいかを解析することもできる。
【0065】
また、本実施形態では、計画作成部50は、調整池に設けられる仮設堤防18の位置及び高さを取得し(S24)、仮設堤防18の位置及び高さに基づいて、調整池の容量V2を算出する(S30)。これにより、調整池の容量V2を精度よく求めることができる。
【0066】
また、本実施形態では、集水管16を、重機が走行する予定の経路以外の箇所に配置することで、集水管16が重機の走行の邪魔になるのを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態では、計画作成部50は、三次元地形データを多数のメッシュに分割し(S10)、隣接するメッシュの高低差から計画領域2における水の流れを示す流線5を生成する(S12)。また、計画作成部50は、調整池に下流端を有する流線5に対応するメッシュの面積(流域の面積A)に基づいて、調整池への水の予測流入量(流域の面積A×計画雨量B)を算出する。これにより、調整池に流れ込む雨水の量を精度よく算出することができる。
【0068】
また、本実施形態では、計画作成部50は、流線5のうち、計画領域2の外形線と交差しない流線5を抽出し、抽出した流線5の下流端が位置するメッシュ(くぼ地10)と、くぼ地10のメッシュに隣接するメッシュのうち最も標高が近いメッシュとを繋ぐ流線5を更に生成する。これにより、くぼ地10を越流した水がどちらの方向に流れるかを考慮して、複合流域を生成することができる。
【0069】
また、本実施形態では、計画作成部50は、調整池20の所要時間t1、t2を算出する際に、集水管16が存在しないくぼ地10からの水の流れを考慮するので、所要時間t1、t2を精度よく算出することができる。
【0070】
また、本実施形態では、防災判定部52は、三次元地形データを用いて、計画領域2内に存在する複数の調整池の容量V2と排水能力(集水管16からの流出量Q’)を算出する(S110、S120)。また、防災判定部52は、水系のうち、最下流に位置する調整池と、施工完了箇所の上流側の直近に位置する調整池とを重要調整池として特定する(S114)。そして、防災判定部52は、予測降雨量に基づいて、重要調整池以外の調整池の容量は変更せず、重要調整池が越流しないようにする重要調整池の容量(かさ上げ高h3)を算出する(S132、S134)。このように重要調整池以外の調整池の越流を許容することで、調整対象の調整池をすべての調整池とする場合と比べて、管理や工事に要する労力やコストを抑えることができる。また、本実施形態では、重要調整池以外の調整池の容量を過剰に大きくしなくてもよいため、効率的である。
【0071】
また、本実施形態では、防災判定部52は、重要調整池以外の調整池が越流するか否かの情報を提示する(S140)。これにより、作業者は、どの調整池から越流するかを事前に確認することができる。
【0072】
また、本実施形態では、防災判定部52は、
図20に示すように、三次元地形データと三次元設計データと地形画像データ、に基づいて、施工完了箇所を特定するので、作業者が施工完了箇所を入力しなくても、自動的に施工管理箇所を特定することができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、防災判定部52は、重要調整池の容量を増やすために、仮設堤防をかさ上げする場合(S132)について説明したが、これに限らず、重要調整池を掘削して深くすることで、容量を増やすようにしてもよい。
【0074】
なお、上記実施形態では、情報処理装置100が、計画作成部50と防災判定部52の両機能を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、情報処理装置100は、計画作成部50と防災判定部52の少なくとも一方の機能のみを有していてもよい。また、計画作成部50と防災判定部52の少なくとも一方の機能をサーバに持たせ、当該サーバと、作業者が利用するクライアント端末とをネットワークにより接続してもよい。
【0075】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 三次元地形データ
2 計画領域
5 流線
7 メッシュ
15 暗渠排水管
16 集水管
18 仮設堤防
50 計画作成部
52 防災判定部
60 三次元地形データDB
62 地形画像データDB
64 計画雨量DB
66 三次元設計データDB
100 情報処理装置