(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】傾注樋
(51)【国際特許分類】
C21B 7/14 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
C21B7/14 305
(21)【出願番号】P 2020065250
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】麻生 誠二
(72)【発明者】
【氏名】多恵馬 久幸
(72)【発明者】
【氏名】山部 寿美男
(72)【発明者】
【氏名】松井 豊
(72)【発明者】
【氏名】中谷 友彦
(72)【発明者】
【氏名】池内 康
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3197534(JP,U)
【文献】特開2007-217737(JP,A)
【文献】特開2007-154219(JP,A)
【文献】特開2005-076096(JP,A)
【文献】特開2005-076097(JP,A)
【文献】特開2002-069515(JP,A)
【文献】特開2016-150854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21B 7/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾動可能な浅底容器状の傾注樋本体部(2)と、
前記傾注樋本体部の内側表面に形成されたキャスタブル材よりなるキャスタブル層(5)と、
上面(30)が露出した状態で前記キャスタブル層に埋設された、注ぎ込まれる溶銑を前記上面で受ける湯当たり部(3)と、
を有する傾注樋(1)であって、
前記湯当たり部(3)は、注ぎ込まれる前記溶銑が当たるアルミナ-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系のいずれかの材料で構成された定形レンガよりなるレンガ本体部(31)と、
前記溶銑がその上面(36)に沿って流れるとともに前記レンガ本体部を内部に嵌合するアルミナ-スピネル-炭化珪素系,アルミナ-マグネシア-炭化珪素系の材料で構成された枠状のプレキャストブロックよりなる外周ブロック部(35)と、を有
し、
前記外周ブロック部の気孔率は、前記レンガ本体部の気孔率よりも高く前記キャスタブル材の気孔率よりも低い、傾注樋。
【請求項2】
前記レンガ本体部(31)と前記外周ブロック部(35)は、還元雰囲気下で1400℃×5時間での残存寸法変化率が0.1%以上であり、
前記レンガ本体部の前記残存寸法変化率と、前記外周ブロック部の前記残存寸法変化率の差の絶対値が0.5%以下である請求項1記載の傾注樋。
【請求項3】
前記レンガ本体部の前記残存寸法変化率は、0.1~1.0%であり、
前記外周ブロック部の前記残存寸法変化率は、0.1~1.0%である請求項2に記載の傾注樋。
【請求項4】
前記レンガ本体部(31)は、前記溶銑が当たる上面(32)が下面(33)よりも小さい錐台形状を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の傾注樋。
【請求項5】
前記外周ブロック部(35)は、前記上面(36)と、下面(37)と、外周面(39,40)と、を有し、
前記外周面(40)は、複数の段部を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の傾注樋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾注樋に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、高炉から延設した出銑樋を介して出銑した溶銑を受ける傾注樋が提案されている。傾注樋は、溶銑を受け入れた後に傾動することにより、受け入れた溶銑をトーピードカーや溶銑鍋等の搬送容器に投入する。
【0003】
傾注樋は、流動性を持つキャスタブル材を現場で流し込むことにより形成されている。
【0004】
傾注樋は、出銑樋の落ち口よりも低い位置に配置されている。したがって、溶銑が傾注樋に移行する際、出銑樋から落下した溶銑が着地する傾注樋の部分(以下、「湯当たり部」と称する)は、溶銑の熱や溶銑の落下による衝撃によりキャスタブル材の損傷が著しい。その結果、傾注樋の寿命が短くなるため、湯当たり部は耐食性だけでなく耐摩耗性も求められている。
【0005】
この問題に対して、特許文献1には、溶銑を受ける湯当たり部を定形レンガで構成し、他の部分をキャスタブル材とする傾注樋が開示されている。すなわち、特許文献1には、定形レンガがキャスタブル材に埋設されてなる傾注樋が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の傾注樋では、製造上の問題から定形レンガを大型化することが困難であった。つまり、湯当たり部の損傷範囲を定形レンガだけで形成し、傾注樋を保護することが困難となっていた。
その為、従来の傾注樋では湯当たり部周辺のキャスタブル材の先行損傷が発生する。定形レンガ周辺のキャスタブル材が損傷すると、定形レンガは溶銑によって多面からの加熱を受けることとなって割れやすくなり、損傷が加速して傾注樋の大幅な寿命向上には至らなかった。
それだけでなく、キャスタブル材と定形レンガの当接する部分(目地)に溶銑が差し込みやすくなり、定形レンガの下面側まで溶銑が回り込みやすくなる。
【0008】
具体的には、溶銑は、定形レンガ(湯当たり部)に当たった後、定形レンガの上面からキャスタブル材の上面に沿って流れる。溶銑が流れ続けると、定形レンガ及びキャスタブル材の上面が摩耗する。
摩耗量は気孔率の高い材料ほど大きい。キャスタブル材は、定形レンガより気孔率が高い為、キャスタブル材が定形レンガよりも大きな摩耗量で摩耗する。この摩耗により、キャスタブル材の上面がえぐれていく。キャスタブル材の摩耗が進行すると、定形レンガの側面が露出する。この状態で傾注樋に流れる溶銑は、定形レンガの表面(上面及び側面)に沿って流れ、定形レンガとキャスタブル材の目地に溶銑が浸入する。目地に入り込んだ溶銑は、定形レンガの側面に沿って流れ、定形レンガの下面側まで回り込む。そうすると、回り込んだ溶銑により定形レンガが浮き上がる。この結果、傾注樋から定形レンガが外れて、傾注樋の損傷に繋がる。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、定形レンガがキャスタブルに埋設された傾注樋において、溶銑を受ける定形レンガ近傍の耐久性に優れた傾注樋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の傾注樋は、 傾動可能な浅底容器状の傾注樋本体部と、傾注樋本体部の内側表面に形成されたキャスタブル材よりなるキャスタブル層と、上面が露出した状態でキャスタブル層に埋設された、注ぎ込まれる溶銑を上面で受ける湯当たり部と、を有する傾注樋であって、湯当たり部は、注ぎ込まれる溶銑が当たるアルミナ-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系のいずれかの材料で構成された定形レンガよりなるレンガ本体部と、溶銑がその上面に沿って流れるとともにレンガ本体部が内部に嵌合するアルミナ-スピネル-炭化珪素系の材料で構成された枠状のプレキャストブロックよりなる外周ブロック部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の傾注樋は、注ぎ込まれる溶銑が当たるレンガ本体部の外周に、レンガ本体部より気孔率が高いが、キャスタブル材よりも気孔率が低いプレキャストブロックよりなる外周ブロック部を有する。この構成により、レンガ本体部と外周ブロック部との目地の損傷が軽減できるとともに、溶銑の目地への差し込みも軽減でき、レンガ本体部の浮き上がりが抑えられる。この結果、湯当たり部の損傷が軽減され、傾注樋の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1中のII-II線での矢視断面図である。
【
図3】
図1中のIII-III線での矢視断面図である。
【
図4】実施形態1の傾注樋の湯当たり部を示す上面図である。
【
図6】
図4中のVI-VI線での矢視断面図である。
【
図7】実施形態の傾注樋を高炉に用いた場合の構成を示す図である。
【
図8】従来の傾注樋の湯当たり部近傍を示す拡大断面図である。
【
図9】従来の傾注樋の湯当たり部近傍を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を用いて本発明の傾注樋を具体的に説明する。なお、実施の形態は、本発明を具体的に説明するための1つの形態を示すものであり、本発明が実施の形態のみに限定されるものではない。
【0014】
[実施形態]
本形態の傾注樋1は、
図1~7に示した構成を有する。
図1は、本形態の傾注樋1の上面図である。
図2は、
図1中のII-II線での矢視断面図である。
図3は、
図1中のIII-III線での矢視断面図である。
図4は、湯当たり部の上面図である。
図5は、
図4中のV-V線での矢視断面図である。
図6は、
図4中のVI-VI線での矢視断面図である。
図7は、本形態の傾注樋1が高炉からの溶銑を受ける場合の概略構成図である。
【0015】
本実施形態1の傾注樋1は、
図7に示すように、溶鉱炉として機能する高炉60から出銑した溶銑が出銑樋としての大樋61及び中樋62を介して中樋62の先端出口63から注がれ、注がれた溶銑を受ける。この溶銑を受けた傾注樋1は、
図7の左右端を傾動することによって所望の溶銑鍋64やトーピードカー(図示しない)等に溶銑を移し替える。傾注樋1は、中樋62の先端出口63から注がれる溶銑を受けるように配置される。
【0016】
本形態の傾注樋1は、
図1~3に示すように、傾注樋本体部2と、湯当たり部3と、キャスタブル層5と、を備えている。
【0017】
傾注樋本体部2は、傾注樋1の外周形状を形成する。傾注樋本体部2は、底面をもつ浅底容器状をなす鉄製(耐熱性金属)の部材(鉄皮とも称される)よりなる。底面をもつ浅底容器状とは、上方が開口した略槽状の形状を示す。傾注樋本体部2は、長手方向(
図1の左右方向)にのびた形状を有する。
【0018】
傾注樋本体部2は、槽状の内側表面のほぼ全体域にキャスタブル層5が設けられる。傾注樋本体部2は、長手方向の先端に向かうにつれて表面が上昇して傾斜する傾斜面部20,21と、二つの傾斜面部20,21の間に位置して水平方向にのびる水平面部22と、が形成されている。傾注樋本体部2は、
図3に示すように、長手方向に垂直な面での断面が、キャスタブル層5を形成可能な略U字状(あるいは、略凹字状)にくぼんだ内周形状及び外周形状を有する。
【0019】
傾注樋本体部2は、
図2に示すように、長手方向の両端部23,24に溶銑吐出口25が形成される。傾注樋本体部2は、一方の端部23が矢印A1、A2方向に、他方の端部24が矢印B1、B2方向に、傾動可能に設けられている。
【0020】
傾注樋本体部2は、図示しない移動手段に接続・固定され、所定の位置に移動する。本形態の移動手段は、傾注樋本体部2の両端部23,24を傾動する傾動手段を兼ねる。
【0021】
キャスタブル層5は、傾注樋本体部2の内側表面に形成された、キャスタブル材よりなる部材である。キャスタブル層5は、耐火物を主要成分とする流動性をもつキャスタブル材を鋳込み成形して形成される。キャスタブル層5は、傾注樋1において溶銑が流れる流路50(略溝状の流路)を区画する。
【0022】
流路50は、
図2に示すように、長手方向の両端部側に傾注樋本体部2の傾斜面部20,21に対応して傾斜する傾斜面51,52により区画されている。傾斜面51,52は、溶銑吐出口25に向かって表面が上昇する面となっている。傾斜面51,52のそれぞれの先端側には、溶銑吐出口25に向かって表面が下降して傾斜する先端面54,55がそれぞれ形成されている。傾斜面51は先端面54につながり、傾斜面52は先端面55につながっている。長手方向の中央部には、傾注樋本体部2の水平面部22に対応して水平方向にのびる水平面53が形成されている。
流路50は、
図3に示すように、長手方向に垂直な断面において、上部が底部よりも広く開口した略凹字状をなすようにキャスタブル層5の内周面が形成されている。流路50は、底面及び一対の側面から区画され、各面がそれぞれ平面をなしている。
【0023】
湯当たり部3は、
図1~2に示すように、傾注樋本体部2の長手方向の中央の領域(具体的には、キャスタブル層5の水平面53に対応する領域)に、その上面30が露出した状態でキャスタブル層5に一体的に埋設されている。湯当たり部3は、傾斜面51,52の間に位置している。湯当たり部3の上面30は、キャスタブル層5の水平面53と同一の平面をなしている。
湯当たり部3は、
図4~6に示すように、レンガ本体部31と、外周ブロック部35と、を備えている。湯当たり部3の外周形状は、外周ブロック部35により形成される。
【0024】
レンガ本体部31は、定形レンガよりなる。定形レンガは、材料を圧縮成形・焼成して形成されたレンガである。レンガ本体部31を形成する定形レンガの形状は限定されない。本形態では、
図4~6に示すように、溶銑が当たる上面32が下面33よりも小さい錐台形状(全体として略方形状の板状、略四角錐台形状)を有する。レンガ本体部31は、注ぎ込まれる溶銑が当たる上面32、上面32に背向する下面33、上面32と下面33を接続する4つの側面34、により区画される。本形態では、上面32と下面33は、中心(重心)が重なり合う位置で、互いに平行な平面をなしている。また、下面33の面積が上面32の面積より広い。すなわち、レンガ本体部31は、板厚方向に沿った断面(
図5~6に示す断面形状)で、略台形形状をなすように形成されている。このとき、4つの側面34は、上面32と下面33をつなぐように、板厚方向に対して傾斜した傾斜面を形成している。
レンガ本体部31の具体的な寸法(例えば、上面32及び下面33の形状や面積、板状の板厚)については、限定されない。傾注樋1に注ぎ込まれる溶銑を受けることが可能な上面32を形成できる形状であればよい。
【0025】
上面32及び下面33の形状は限定されず、全体として円形状、楕円形状、多角形状をあげることができ、方形状をなすことが好ましい。また、角部を有する形状の場合、それぞれの角部は丸められていることが好ましい。
【0026】
本形態では、上面32及び下面33が正方形状を有する。上面32の一辺の長さは、下面33の一辺の長さの90%である。上面32及び下面33の正方形状の角部は、熱膨張や収縮時の損傷を抑えるためにR形状をなしている(丸められている)。上面32と下面33の間隔(湯当たり部3の厚み)は、下面33の一辺の長さの50%である。下面33の正方形状は角部が丸められており、一辺の長さの10%の曲率半径でR形状を形成している。
【0027】
外周ブロック部35は、
図4~6に示すように、レンガ本体部31が内部に嵌合する枠状(環状)のプレキャストブロックよりなる。プレキャストブロックは、材料を圧縮成形して形成されたブロックである。外周ブロック部35の枠状の形状とは、全体として環状の形状(環が周方向で切れていない形状)であることを示す。外周ブロック部35は、流れる溶銑に当接する上面36と、上面36に背向する下面37と、上面36と下面37とをつなぐ外周面39,40と、上面36と下面37とをつなぐ内周面38と、を有する。
【0028】
外周ブロック部35は、
図5~6に示すように、枠状(環状)の内周面38がレンガ本体部31の側面34と一致する形状を有する。すなわち、外周ブロック部35は、レンガ本体部31の4つの側面34と密着する4つの内周面38を有する。外周ブロック部35の内周面38は、レンガ本体部31の側面34とすき間なく密着する。
【0029】
本形態の外周ブロック部35は、
図4に示すように、上方から上面36を見たときの形状が、全体として略方形状(傾注樋本体部2の長手方向が長辺となる略長方形状)の環状をなしている。
外周ブロック部35の枠状形状の上面36及び下面37(環状の軸方向の両端面)は、互いに平行な平面をなしている。外周ブロック部35の内部(環状の軸心)にレンガ本体部31が嵌合して湯当たり部3を形成したときに、湯当たり部3の上面30が平面をなすように上面36が形成されている。すなわち、外周ブロック部35の上面36は、内部に嵌合するレンガ本体部31の上面32と一致する平面上に位置する。外周ブロック部35の下面37は、レンガ本体部31の下面33と同一平面を形成しても、形成しなくても、いずれでもよい。二つの下面33,37が平面をなすことが好ましい。
【0030】
外周ブロック部35は、枠状形状の上面36と下面37とは、内周面38と、外周面とによりつながれる。外周面は、長方形状の長辺に相当する側面39と、短辺に対応する側面40と、からなる。
外周ブロック部35において、上面36と下面37をつなぐ側面39は、内周面38と同様に、上下方向に対して傾斜した傾斜面をなしている。側面39は、外周ブロック部35の内周面38と同じ方向に傾斜している。
【0031】
外周ブロック部35において、上面36と下面37をつなぐ側面40は、段部を備えている。段部とは、上下方向に沿った面での断面において、上面36及び下面37(あるいは、上面36と下面37の少なくとも一方の面、好ましくは上面36)と平行な表面41,42と、上下方向に沿って広がる側面43,44,45とが交わって角を形成した部分を示す。交差する面の少なくとも一方が湾曲している場合には、接線の交点を示す。
外周ブロック部35(すなわち、湯当たり部3)の側面40は、
図5に示すように、略階段状の断面形状を備えている。
図5中の破線は、略階段状をなしていない場合に想定される外周形状を示す。つまり、本形態の外周ブロック部35は、破線で示された想定形状から、欠損した形状をなしている。
本形態では2段の段部を有しているが、段部の数は、限定されない。1段であっても、3段以上であってもよい。界面に溶銑が浸入した場合に浸入をより抑えることができるため、2段以上が好ましい。
【0032】
段部が2段以上である場合に、上面36及び下面37に略平行な表面41,42同士の間隔や、それぞれの表面41,42の広さについても、同じであっても異なっていても、いずれでもよい。段部が1段以上である場合、それぞれの表面41,42と上面36及び下面37との間隔(上下方向の面の間隔)についても限定されない。
【0033】
段部の側面43,44,45の具体的な形状についても、限定されない。本形態では、段部の側面43,44,45のうち下面に接続する側面45は傾斜面を形成している。上面36と接続する側面43、及び表面41,42同士を接続する側面44は、上下方向に沿って広がる平面を形成している。
【0034】
本形態では、レンガ本体部31が外周ブロック部35に嵌合した状態の湯当たり部3は、上面30及び下面がそれぞれ略長方形状を有する。具体的には、湯当たり部3の下面(下面33と下面37)は、
図6に示した形状において、レンガ本体部31よりも両側10%ずつ(全長で20%)大きい。
図5に示した形状において、両側30%ずつ(全長で60%)大きい。下面の角部はレンガ本体部31の下面の一辺の長さの20%の曲率半径で丸められたR形状をなしている。
【0035】
湯当たり部3の上面30(上面32と上面36)は、
図6に示した形状において、レンガ本体部31よりも両側10%ずつ(全長で20%)大きい。上面30は、
図5に示した形状において、レンガ本体部31よりも両側10%ずつ(全長で20%)大きい。
外周ブロック部35の上面36と下面37の間隔(上下方向の厚さ)は、レンガ本体部31と同じ厚さで形成されている。
【0036】
外周ブロック部35は、長手方向の両端部に、2つの段部(2段の段部)が設けられている。2段の段部を形成する略平行な面41,42は、それぞれ長手方向の長さが、レンガ本体部31の下面の一辺の10%で形成されている。略平行な面41,42は、湯当たり部3の厚みの1/3(上面32から1/3)、更に1/3(上面32から2/3)の位置に形成されている。
【0037】
本形態において段部は、上面36と下面37をつなぐ外周面のうち、側面40のみに形成されているが、側面39にも形成していてもよい。段部は、傾注樋1に溶銑が流れる場合、流れ方向の下流に位置する側面(流れ方向に交差する方向に沿って広がる側面)に形成されることが好ましい。
【0038】
本形態において湯当たり部3は、レンガ本体部31と外周ブロック部35の還元雰囲気下で1400℃×5時間での残存寸法変化率がいずれも0.1%以上であり、レンガ本体部31の残存寸法変化率と、外周ブロック部35の残存寸法変化率と、の差の絶対値が0.5%以下である。差の絶対値は、0.4%以下がより好ましく、0.3%以下が更に好ましい。
残存寸法変化率とは、所定の温度に加熱した後に放冷し、加熱前と放冷後の寸法の変化の割合を示す。残存寸法変化率は、30mm×30mm×100mmに加工した試料を炭素系粉末で充填した容器に入れて、電気炉を用いて毎分3℃で昇温して所定温度として、試験終了後は自然放冷する方法で試験を行い、試験前後の100mmの部位の寸法で測定する。
【0039】
残存寸法変化率がいずれも0.1%以上となることで、レンガ本体部31と外周ブロック部35のいずれもが受熱した後に放冷しても加熱前よりも膨張する。この結果、放冷後もレンガ本体部31と外周ブロック部35の間の目地の広がりが抑えられ、溶銑を再度受けても、溶銑の目地への浸入を抑えられる。
【0040】
そして、レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率に差があると、加熱・冷却後に両者31,35の膨張後の寸法に差が出て目地の広がりや、耐火物の押し割れによる損傷が生じる。外周ブロック部35の残存寸法変化率がレンガ本体部31よりも大きい場合、残存膨張変化率に差があると外周ブロック部35の方が加熱・冷却後に寸法が大きくなりレンガ本体部31との目地が広がる。その結果、溶銑が目地へ浸入し易くなる。逆に、外周ブロック部35の残存寸法変化率がレンガ本体部31よりも小さい場合、残存膨張変化率に差があるとレンガ本体部31の方が寸法が大きくなる為に外周ブロック部35が押し割れて損傷したり、レンガ本体部31が外周ブロック部35の拘束力に負けて割れて剥離したりする。その結果、期待する耐久性が得られない。この為、残存寸法変化率の差の絶対値は0.5%以下となることが好ましい。
【0041】
レンガ本体部31と外周ブロック部35のそれぞれの残存寸法変化率の具体的な値は限定されない。レンガ本体部31の残存寸法変化率は、0.1~1.0%であることが好ましく、0.4~0.6%であることがより好ましい。外周ブロック部35の残存寸法変化率は、0.1~1.0%であることが好ましく、0.4~0.7%であることがより好ましい。
【0042】
湯当たり部3のレンガ本体部31は、上記した残存寸法変化率の特性を備える材料よりなる。この材料は、アルミナ-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系,アルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系のいずれかの材料である。
湯当たり部3の外周ブロック部35は、上記した残存寸法変化率の特性を備える材料よりなる。この材料は、アルミナ-スピネル-炭化珪素系の材料である。
レンガ本体部31及び外周ブロック部35を構成するこれらの材料は、溶銑との反応性が低く、溶銑に対して高い耐食性を有する。その結果、レンガ本体部31と外周ブロック部35の腐食による損傷が抑えられる。
【0043】
レンガ本体部31は、アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物であることがより好ましい。アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物は、マグネシア-カーボン系の耐火物より高い強度を有しており、高い耐摩耗性を発揮できる。アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物は、質量比でアルミナを70~80%、炭化珪素を5.0~7.5%、炭素を7.5~10.5%、マグネシアを4~10%で含むことが好ましい。アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物の組成物の組成例を表1に示す。なお、表1に示した配合例では、更に従来知られた添加材を含んでいる。表1中の加熱還元後とは、残存寸法変化率の測定にかかる還元雰囲気下での加熱処理(1400℃×5時間)後の状態を示す。気孔率、嵩比重、圧縮強度のそれぞれは、従来公知の測定装置を用いて測定した。
表1に示すように、アルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物であって、アルミナ,炭化珪素,マグネシア,カーボンのそれぞれの割合が上記の範囲内となっている配合例2~4,配合例10~12では、残存寸法変化率が0.1~1.0%の好ましい範囲内となる。なお、配合例1,9は、上記の範囲や配合から外れた例である。
【0044】
【0045】
レンガ本体部31がアルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系の耐火物の場合、質量比でアルミナを65~74%、炭化珪素を5.0~7.5%、シリカ(SiO2)を5~15%、炭素を7.5~10.5%で含むことが好ましい。アルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系の耐火物の組成物の組成例を表1に合わせて示す。なお、ろう石は、ケイ酸塩鉱物を含む化合物であり、表1においては化学成分比で示している。表1に示した配合例では、更に従来知られた添加材を含んでいる。
表1に示すように、アルミナ-炭化珪素-ろう石-カーボン系の耐火物であって、アルミナ,炭化珪素,ろう石,カーボンのそれぞれの割合が上記の範囲内となっている配合例5~8では、残存寸法変化率が0.1~1.0%の好ましい範囲内となる。なお、配合例1,9は、上記の範囲や配合から外れた例である。
【0046】
レンガ本体部31がアルミナ-マグネシア-カーボン系の耐火物の場合、質量比でアルミナを75~81%、マグネシアを4~10%、炭素を7.5~10.5%で含むことが好ましい。アルミナ-マグネシア-カーボン系の耐火物の組成物の組成例を表1に合わせて示す。表1に示した配合例では、更に従来知られた添加材を含んでいる。
表1に示すように、アルミナ-マグネシア-カーボン系の耐火物であって、アルミナ,マグネシア,カーボンのそれぞれの割合が上記の範囲内となっている配合例13~14では、残存寸法変化率が0.1~1.0%の好ましい範囲内となる。なお、配合例1,9は、上記の範囲や配合から外れた例である。
【0047】
外周ブロック部35は、アルミナ-スピネル-炭化珪素系の材料よりなる。外周ブロック部35は、質量比でアルミナを5.0~35%、炭化珪素を5.0~25%、スピネルを40~80%で含むことが好ましい。アルミナ-スピネル-炭化珪素系の耐火物の代表的な組成例を表2に示す。なお、スピネル(MgAl2O4)は、アルミナ(Al2O3)とマグネシア(MgO)の化合物であり、表2においては化学成分比で示している。表2に示した配合例では、更に従来知られた添加材を含んでいる。
表2に示すように、アルミナ-スピネル-炭化珪素系の耐火物であって、アルミナ,スピネル(マグネシア),炭化珪素のそれぞれの割合が上記の範囲内となっている配合例16では、残存寸法変化率が0.1~1.0%の好ましい範囲内となる。なお、配合例15は、上記の範囲から外れた例である。
【0048】
【0049】
レンガ本体部31がアルミナ-炭化珪素-マグネシア-カーボン系の耐火物(定形レンガ)よりなり、外周ブロック部35がアルミナ-スピネル-炭化珪素系の耐火物(プレキャストブロック)よりなることがより好ましい。レンガ本体部31と外周ブロック部35がこれらの材料よりなることで、上記した残存寸法変化率を有するものとなる。
湯当たり部3は、その製造方法が限定されない。所定の形状の定形レンガを製造し、製造した定形レンガを型内に配置した状態でプレキャストブロックを成型して製造することができる。
【0050】
例えば、アルミナ、炭化珪素、マグネシア、カーボンのそれぞれの粒子及び粉末、その他の従来知られた添加材を加えてはい土を混練する。はい土をプレス機に投入し、加圧成形して得た成形体を乾燥処理(100~500℃での低温での熱処理)して強度発現した後加工することで定形レンガ(レンガ本体部31)が製造される。得られた定形レンガを所定のキャビティを備えた型内に配置し、アルミナ、スピネル、炭化珪素のそれぞれの粒子及び粉末、その他の従来知られた添加材を加えて混練し、型に流し込んで外周ブロック部35を成形する。得られた成形体を乾燥処理(100~500℃の低温での熱処理)することで、湯当たり部3が製造できる。
湯当たり部3は、上面30が露出した状態でキャスタブル層5に埋設される。湯当たり部3がキャスタブル層5に埋設されることで、湯当たり部3とキャスタブル層5とが界面にすき間なく密着する。
【0051】
キャスタブル層5は、キャスタブル材の材料が限定されるものではなく、例えば、アルミナ-炭化珪素系の耐火物より形成される。キャスタブル層5は、アルミナ-炭化珪素-シリカ系の耐火物であることがより好ましく、アルミナ-炭化珪素-シリカ-カーボン系の耐火物であることが更に好ましい。この耐火物において各成分の質量割合は限定されるものではなく、質量比で、アルミナを65~80%、炭化珪素を10~30%、シリカを3~7%、炭素を1~5%を含むことが好ましい。
【0052】
(本形態の作用効果)
本形態の傾注樋1は、次のように使用される。
図7に示すように、傾注樋1よりも高所に位置する高炉60から溶銑が出銑する。高炉60から出銑した溶銑は、大樋61及び中樋62を介して先端出口63から傾注樋1に流れ落ち、注ぎ込まれる。
先端出口63から流れ落ちた溶銑は、傾注樋1の湯当たり部3の上面30に当たる。詳しくは、レンガ本体部31の上面32に当たる。
【0053】
そして、図示しない傾動手段の稼働により、傾注樋1が傾動する。傾注樋1は、一方の端部23が矢印A1方向に傾動する。すなわち、一方の端部23が下方に下がり、他方の端部24が上方に上がるように傾動することで、レンガ本体部31の上面32に当たった溶銑は、外周ブロック部35の上面36を経由して、キャスタブル層5の流路50の水平面53から鉛直方向の下方に下がった一方の端部23に向かって、流路50内を流れる。一方の端部23まで流れた溶銑は、一方の端部23(先端面54)から流れ落ち、傾注樋1(の一方の端部23)よりも低い位置に配された溶銑鍋64又はトーピードカーに流れ落ちて移送される。
【0054】
他方の端部24が矢印B2方向に、下がるように傾動すると、他方の端部24から溶銑が流れ落ちる。この場合、上記の一方の端部23をA1方向に傾動した場合と逆に作動する。
【0055】
本形態の傾注樋1は、湯当たり部3のうち、注ぎ込まれる溶銑が当たる部分が、気孔率の低い定形レンガよりなるレンガ本体部31にて形成されている。このため、湯当たり部3のレンガ本体部31に落下する溶銑が衝突することによる物理的な損傷(えぐれや欠損)を抑えることができる。
【0056】
本形態の傾注樋1は、上面30を露出した状態でキャスタブル層5に埋設された湯当たり部3が、レンガ本体部31及び外周ブロック部35を備えている。レンガ本体部31(定形レンガ),外周ブロック部35(プレキャストブロック),キャスタブル層5(キャスタブル)のそれぞれの気孔率は、レンガ本体部31<外周ブロック部35<キャスタブル層5の関係を有する。また、レンガ本体部31<<キャスタブル層5の関係を有する。
【0057】
このため、溶銑を受けた時の外周ブロック部35の損傷量はレンガ本体部31とキャスタブル層5の中間の損傷量となり、湯当たり部3とキャスタブル層5の間はなだらかな損傷形態を示す。
【0058】
対して、
図8の部分拡大断面図で示すように、レンガ本体部31とキャスタブル層5とが当接して形成されている場合(すなわち、湯当たり部3が外周ブロック部35を備えず、六面体形状の定形レンガのみから形成される場合)、レンガ本体部31とキャスタブル層5の気孔率の差が大きいため、キャスタブル層5が先行して摩耗が進行する。この摩耗は、溶銑が流れるにつれて増大し、
図9に示すように、湯当たり部3のレンガ本体部31の側面34が露出するようになる。そうすると、レンガ本体部31とキャスタブル層5との界面から溶銑が浸入し、レンガ本体部31の下面33側に浸入する。レンガ本体部31の下面33側に溶銑が浸入すると、レンガ本体部31に対して下面33から上面32に向かう力が働き、レンガ本体部31がキャスタブル層5から浮き上がって傾注樋1が損傷する。
【0059】
以上のように、本形態の傾注樋1は、溶銑に対する耐摩耗性が向上したものとなる。この結果、より耐久性に優れた傾注樋1(長寿命な傾注樋)となっている。
本形態の傾注樋1は、レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率が0.1%以上であり、レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率の差の絶対値が0.5%以下である。
具体的には、本形態の傾注樋1の湯当たり部3のレンガ本体部31の材料として残存寸法変化率が0.5%である表1中の配合例10を用い、外周ブロック部35の材料として残存膨張率が0.5%である表2中の配合例16を用いた場合、溶銑処理量は、
図8~9に示した従来の傾注樋1の溶銑処理量を100%としたときに、150%となっており、溶銑処理量が50%も向上している。
【0060】
湯当たり部3のレンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率が0.1%以上であることから、レンガ本体部31と外周ブロック部35は、いずれも高温にさらされた後に冷却しても加熱前より収縮しない。この残存熱膨張により、溶銑が流れるときにレンガ本体部31と外周ブロック部35の界面に目地開きの発生が抑えられ、目地からの溶銑の浸入(差し込み)が抑えられる。また、湯当たり部3とキャスタブル層5との界面においても、同様にすき間の発生が抑えられる。
【0061】
さらに、湯当たり部3のレンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率が0.1%以上であることから、傾注樋1の繰り返しの使用においても、目地からの溶銑の浸入(差し込み)が抑えられる。より具体的には、傾注樋1は、溶銑を流した後、次の溶銑を流すまでの間に、放冷して全体の温度が低下する場合がある。このような場合、放冷したレンガ本体部31と外周ブロック部35の間に目地開きが生じるおそれがある。そして、目地開きが存在した状態で、次の溶銑を流すと、目地から溶銑が浸入する可能性がある。レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率が0.1%以上となると、この放冷時の目地開きの発生が抑えられる。
【0062】
また、レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率の差の絶対値が0.5%以下であることで、レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率の差が過剰に大きくならなくなり、湯当たり部3の損傷が抑えられる。残存寸法変化率に差があると、加熱・冷却後に両者31,35の膨張後の寸法に差が出て目地が広がる。その結果、溶銑が目地へ浸入し易くなり、傾注樋1の損傷に繋がる。
【0063】
本形態の傾注樋1は、レンガ本体部31の残存寸法変化率が0.1~1.0%であり、外周ブロック部35の残存寸法変化率が、0.1~1.0%である。レンガ本体部31と外周ブロック部35の残存寸法変化率が、この範囲となることで、湯当たり部3の残存寸法変化率が過剰に大きくなることが抑えられる。
【0064】
本形態の傾注樋1は、レンガ本体部31が、溶銑が当たる上面32が下面33よりも小さい錐台形状を有し、外周ブロック部35がレンガ本体部31が嵌合する枠状を有する。この構成によると、レンガ本体部31と外周ブロック部35が目地開きを生じることなく密着しており、湯当たり部3のレンガ本体部31に落下した溶銑による損傷(えぐれや溶損)を抑えることができる。
【0065】
本形態の傾注樋1は、外周ブロック部35が、溶銑が当たる上面36と、上面36に背向する下面37と、上面36と下面37とをつなぐ側面のうち径方向外方に面した外周面40と、を有し、外周面40が、枠状形状の上面36又は下面37に平行な面と、枠状形状の軸方向に沿った面とが交差する段部を複数段で有する。この構成によると、上面36側から、外周ブロック部36の外周面40に沿って溶銑が仮に浸入したとしても、溶銑は外周面39に沿って流れることとなる。複数の段部を有することで、溶銑が流れる距離が長くなり、溶銑が湯当たり部3の下面に流れ込みにくくなる。この結果、溶銑による湯当たり部3の浮き上がりが抑えられ、傾注樋1の損傷が抑えられる。
【符号の説明】
【0066】
1:傾注樋
2:傾注樋本体部 20,21傾斜面部 22:水平面部
23,24:端部 25:溶銑吐出口
3:湯当たり部 30:上面 31:レンガ本体部
32:上面 33:下面 34:側面
35:外周ブロック部 36:上面 37:下面
38:内周面 39,40:側面
5:キャスタブル層 50:流路 51,52:傾斜面
53:水平面 54,55:先端面
60:高炉 61:大樋 62:中樋
63:中樋先端出口 64:溶銑鍋