(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】健康支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240521BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2019127467
(22)【出願日】2019-07-09
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 大幸
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-237805(JP,A)
【文献】特開2015-022664(JP,A)
【文献】特開2018-206066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に紐づく利用者情報と、前記利用者が運動した時に測定される歩数、運動距離、又は消費カロリーの少なくともいずれかと前記利用者が運動した時に測定される心拍数とを含む健康指標と、前記健康指標を受信した測定日時と、を記憶し、前記健康指標を用いて図表を含むコンテンツ情報を生成し、前記コンテンツ情報を送信するサーバーと、
前記サーバーから送信される前記コンテンツ情報を受信し、前記コンテンツ情報を含むテキストメッセージを生成し、前記テキストメッセージを送信するサポーター端末と、
前記サポーター端末から送信される前記テキストメッセージを受信し、前記テキストメッセージを表示する利用者端末と、
を備え、
前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付け、
前記サポーター端末は、前記操作による操作信号に基づき、利用者の指定情報と、期間の指定情報と、前記健康指標の種別と、を含むリクエストを生成し、
前記サポーター端末は、前記リクエストを前記サーバーへ送信し、
前記サーバーは、前記リクエストを受信した場合に、前記利用者の前記期間における前記健康指標を用いて前記図表を含む前記コンテンツ情報を生成し、
前記図表は、前記利用者の最大心拍数に基づいて補正されることを特徴とする健康支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の健康支援システムにおいて、
前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付け、
前記サポーター端末は、前記操作による操作信号に基づき、前記テキストメッセージを生成することを特徴とする健康支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の健康支援システムにおいて、
前記歩数、前記運動距離、前記消費カロリー、及び前記心拍数の少なくともいずれかを測定する測定端末を備えることを特徴とする健康支援システム。
【請求項4】
利用者に紐づく利用者情報と、前記利用者が運動した時に測定される歩数、運動距離、又は消費カロリーの少なくともいずれかと前記利用者が運動した時に測定される心拍数とを含む健康指標と、前記健康指標を受信した測定日時と、を記憶する情報処理装置による制御方法であって、
サポーター端末から、利用者の指定情報と、期間の指定情報と、健康指標の種別と、を含むリクエストを受ける第1工程と、
前記利用者の前記期間における前記健康指標
を用いて図表が含まれるコンテンツ情報を生成する第2工程と、
前記サポーター端末に前記コンテンツ情報を送信する第3工程と、
前記サポーター端末から前記コンテンツ情報を含むテキストメッセージを受信する第4工程と、
利用者端末に前記テキストメッセージを送信する第5工程と、を備え、
前記第2工程は、前記リクエストを受信した場合に、前記利用者の前記期間における前記健康指標
を用いて前記図表を含む前記コンテンツ情報を生成し、
前記図表は、前記利用者の最大心拍数に基づいて補正されることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の健康管理手段として、スマホアプリやWebサービス等のIT技術を活用した健康支援システムが近年普及している。健康支援システムは、スマートフォン、あるいは、ウェアラブル端末等で測定された運動や活動量等のデータをアップロードする。システム利用者は、健康支援システムによって、これらデータを活用した健康改善に取り組むことができる。
例えば、特許文献1に記載の健康支援システム(目標管理方法)では、システム利用者に対して、現実世界の健康指導者や人工知能がメンター(サポーター)として当てがわれ、サポーターとシステム利用者とがチャットや電子メール等でメッセージを交換することで、システム利用者の健康支援が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チャットや電子メール等のテキストベースのコミュニケーションだけでは、システム利用者は自身の健康改善活動の変遷を捉えにくく、サポーターからの支援内容が健康改善活動の継続性に大きく寄与するとは言い難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
健康支援システムは、利用者に紐づく利用者情報と、前記利用者が運動した時に測定さ
れる歩数、運動距離、又は消費カロリーの少なくともいずれかと前記利用者が運動した時
に測定される心拍数とを含む健康指標と、前記健康指標を受信した測定日時と、を記憶し
、前記健康指標を用いて図表を含むコンテンツ情報を生成し、前記コンテンツ情報を送信
するサーバーと、前記サーバーから送信される前記コンテンツ情報を受信し、前記コンテ
ンツ情報を含むテキストメッセージを生成し、前記テキストメッセージを送信するサポー
ター端末と、前記サポーター端末から送信される前記テキストメッセージを受信し、前記
テキストメッセージを表示する利用者端末と、を備え、前記サポーター端末は、サポータ
ーからの操作を受け付け、前記サポーター端末は、前記操作による操作信号に基づき、利
用者の指定情報と、期間の指定情報と、前記健康指標の種別と、を含むリクエストを生成
し、前記サポーター端末は、前記リクエストを前記サーバーへ送信し、前記サーバーは、
前記リクエストを受信した場合に、前記利用者の前記指定情報の前記期間における前記健
康指標を用いて前記図表を含む前記コンテンツ情報を生成し、前記図表は、前記利用者の
最大心拍数に基づいて補正されることを特徴とする健康支援システムことを特徴とする。
【0006】
上記健康支援システムにおいて、前記健康指標は、体重、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0007】
上記健康支援システムにおいて、前記第2処理部は、前記コンテンツ情報に基づいて前記テキストメッセージを生成するテキスト生成部を備えることが好ましい。
【0008】
上記健康支援システムにおいて、前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付ける操作部を備え、前記第2処理部は、前記操作部からの操作信号に基づき、前記テキストメッセージを生成することが好ましい。
【0009】
上記健康支援システムにおいて、前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付ける操作部を備え、前記サポーター端末は、前記操作部からの操作信号に基づき、前記リクエストを生成することが好ましい。
【0010】
上記健康支援システムにおいて、前記歩数、前記運動距離、前記消費カロリー、及び前記心拍数の少なくともいずれかを測定する測定端末をさらに有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施形態に係る健康支援システムの概略構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態に係る健康支援システムにおいて実施される処理のフロー図。
【
図5】テキストやコンテンツ情報を含むテキストメッセージ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
図1は、実施形態に係る健康支援システム1の概略図である。
図1に示すように、健康支援システム1は、測定端末10、利用者端末20、サポーター端末90、及びサーバー40等で構成されている。測定端末10と利用者端末20とは、通信3によって接続されている。サーバー40と利用者端末20とサポーター端末90とは、それぞれ通信5によって接続されている。
【0013】
測定端末10は、システム利用者Uの身体に装着され、システム利用者Uの健康指標を測定する。利用者端末20及びサポーター端末90は、一般的なスマートフォン、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等を使用することができる。
サーバー40は、一般的なPCまたはサーバー装置である。サーバー40は、測定端末10及び利用者端末20から体重、消費カロリー、歩数、運動距離、及び心拍数を取得し、それらの情報を健康指標として蓄積する機能、利用者端末20またはサポーター端末90において表示されるWebページ画面等を生成する機能、等を備えている。
なお、サーバー40は、Webサーバー、データベースサーバー、及びアプリケーションサーバー等の複数のサーバー機能を有してもよく、複数台のPCやサーバー装置で構成されてもよい。
【0014】
サーバー40は、システム利用者Uの健康指標を測定端末10及び利用者端末20から取得し、利用者情報に紐づけられたデータとして管理する。サーバー40は、利用者情報に紐づけられたデータに基づきWebページ画面を作成し、サポーター(健康指導者)M及びシステム利用者Uの双方に閲覧権限を提供する。サポーターMは、Webページ上でシステム利用者の健康改善活動を閲覧し、健康指導を行う。また、システム利用者Uは、自身の健康改善活動をWebページより閲覧し、自身の健康改善活動の変遷を把握することができる。
また、健康支援システム1は、健康指導のコミュニケーション手段としてチャット、メール等のメッセージング機能をサポーターM及びシステム利用者Uの双方に提供する。
【0015】
図2は、健康支援システム1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバー40は、第1送受信部41、第1処理部42、記憶部44、及び計時部45等から構成される。サーバー40は、オンプレミス環境、あるいは、クラウド環境のいずれかが想定される。
なお、記憶部44は、本願における記憶部の一例である。
【0016】
第1処理部42はコンテンツ生成部43を有する。コンテンツ生成部43は、第1送受信部41で受信した健康指標に基づきHTML(登録商標)、画像ファイル、PDFのいずれのファイル形式で図表を含むコンテンツ情報を生成する。
計時部45は、リアルタイムクロックであり、時計機能等の計時機能を有している。計時部45は、第1送受信部41で受信した健康指標に、受信時刻を測定日時として付与する。
記憶部44には、利用者情報と健康指標とが格納される。健康指標は計時部45に付与された測定日時と関連付けて格納される。すなわち、記憶部44は、測定日時と関連付けられた健康指標、及び利用者情報を記憶する。
第1送受信部41は、外部端末からのリクエスト(例えば、サポーター端末90からのコンテンツ生成リクエスト50(
図3参照))、及び外部端末(測定端末10、利用者端末20、サポーター端末90など)から送信されるデータを受信する。詳細は後述するが、第1送受信部41は、第1処理部42で生成される図表を含むコンテンツ情報を外部端末(利用者端末20、サポーター端末90など)に送信する。
【0017】
利用者情報は健康支援システム1のシステム利用者Uと紐づく情報であり、一意なアカウントID等が該当する。
健康指標は、体重、歩数、運動距離、消費カロリー、心拍数(あるいは脈拍数)等であり、健康指標の測定結果が、利用者情報に紐づいて記憶部44に格納される。健康指標の測定結果は、利用者端末20からサーバー40へアップロードされる。詳しくは、健康指標のうち体重は体重計(図示省略)によって測定され、測定結果が利用者端末20に入力され、利用者端末20からサーバー40へアップロードされる。健康指標のうち運動距離と歩数と消費カロリーと心拍数とは測定端末10によって測定され、測定結果が時系列に測定端末10内部に保存され、測定端末10から利用者端末20を介してサーバー40へアップロードされる。
このように、健康指標は、体重、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを含む。なお、健康指標は、血圧、血糖値、及び睡眠時間の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0018】
本実施形態に係る健康支援システム1は、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを測定する測定端末10を有する。測定端末10の測定結果(健康指標)は、測定端末10から利用者端末20を介してサーバー40にアップロードされる。
なお、測定端末10の測定結果は、測定端末10からサーバー40に直接アップロードされてもよい。
【0019】
サポーター端末90は、第2送受信部92、第2処理部93、及び操作部91等で構成される。第2処理部93は、テキスト生成部94を有する。
操作部91は、サポーター端末90の操作インターフェイスであり、タッチパネル、キーボード、音声入力インターフェイス等が想定される。本実施形態では、操作部91は、タッチパネルを有する液晶表示装置であり、リクエストに対応する情報を入力する機能と、受信された情報を表示する機能とを有する。
操作部91は、サポーターMからシステム利用者Uの選択(利用者指定情報)と期間(期間指定情報)の入力と健康指標種別の選択とを受け付け、テキスト生成部94に送信する。また、操作部91は、サポーターMからテキストの入力とコンテンツ情報の選択とを受け付け、テキスト生成部94に送信する。
このように、操作部91は、サポーターMからの操作を受け付ける。
【0020】
第2処理部93では、テキスト生成部94が、利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とに基づき、リクエスト(コンテンツ生成リクエスト50)を生成する。さらに、第2処理部93は、第2送受信部92がリクエストをサーバー40に送信するように、第2送受信部92を制御する。すなわち、第2送受信部92は、第2処理部93が生成したリクエストをサーバー40に送信する。
サーバー40の第1処理部42は、利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とを含むリクエストに基づいて、利用者指定情報及び期間指定情報に対応する健康指標を記憶部44から抽出し、抽出した健康指標を用いて図表を含むコンテンツ情報を生成する。さらに、サーバー40の第1送受信部41は、図表を含むコンテンツ情報を外部端末(サポーター端末90、利用者端末20など)に送信する。
【0021】
さらに、第2処理部93では、テキスト生成部94が、サーバー40より受信した図表を含むコンテンツ情報と、操作部91が受け付けたテキストとに基づき、テキストメッセージを生成する。すなわち、テキスト生成部94は、コンテンツ情報に関連するテキストメッセージを生成する。
なお、テキスト生成部94は、操作部91が受け付けたテキストだけに基づき、テキストメッセージを生成可能である。
第2処理部93は、第2送受信部92がコンテンツ情報に関連するテキストメッセージをサーバー40に送信するように、第2送受信部92を制御する。すなわち、第2送受信部92は、第2処理部93が生成したテキストメッセージをサーバー40に送信する。このように、第2処理部93は、コンテンツ情報に関連するテキストメッセージを生成するテキスト生成部94を有し、当該テキストメッセージを第2送受信部92に送信させる。
【0022】
第2送受信部92は、第2処理部93が生成したリクエスト及びコンテンツ情報に関連するテキストメッセージをサーバー40に送信し、図表を含むコンテンツ情報をサーバー40から受信する。
【0023】
利用者端末20は、第3送受信部22や表示部21等で構成される。
第3送受信部22は、サポーター端末90が作成したコンテンツ情報に関連するテキストメッセージ、及びサーバー40が作成した図表を含むコンテンツ情報を、サーバー40から受信する。さらに、第3送受信部22は、利用者端末20の内部で生成される処理実行リクエストや測定端末10から受信したデータを、サーバー40に送信する。
なお、第3送受信部22は、サポーター端末90が作成したコンテンツ情報に関連するテキストメッセージを、サポーター端末90から直接受信する構成であってもよい。
【0024】
表示部21は、例えばタッチパネルを有する液晶表示装置で構成され、図表を含むコンテンツ情報、及びコンテンツ情報に関連するテキストメッセージを表示する。さらに、表示部21は、テキストやリクエスト等の入力操作を受け付ける。
また、表示部21で受け付けられたテキストやリクエストは、第3送受信部22を介してサーバー40に送信される。
【0025】
測定端末10は、第4送受信部14、記憶部12、及び測定部11等で構成される。測定端末10としては、心拍計(あるいは脈拍計)、GPS(Global Positioning System)スポーツウォッチ、スマートウォッチ等のウェアラブル端末が想定される。
第4送受信部14は、処理実行リクエストやデータを外部端末(サーバー40、利用者端末20など)から受信する。また、第4送受信部14は、測定端末10内部で生成される処理実行リクエストやデータを外部端末(サーバー40、利用者端末20など)に送信する。
測定部11は、複数のセンサー類を有し、装着者の健康指標、運動情報、周囲環境情報を取得する。健康指標は、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを含む。運動情報は、装着者の運動時に計測される時系列の位置情報である。周囲環境情報は、気圧等の装着者の周囲環境から取得される情報である。測定部11が有するセンサー類は、心拍センサー(あるいは脈拍センサー)、GPSセンサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧センサー、血糖値センサー、血圧センサー等が想定される。
測定部11は、これらセンサー類を通して取得された情報を、記憶部12に送信する。記憶部12は、測定部11から受信した情報をデータとして内部に蓄積する。測定部11から受信した情報(データ)は、第4送受信部14によって、利用者端末20に送信される。
【0026】
図3は、健康支援システム1において実施される処理のフロー図である。
図3に示すように、サポーター端末90では、サポーターMが、操作部91を介して、システム利用者U(利用者指定情報)と期間(期間指定情報)と健康指標種別とを入力または選択する。第2処理部93は、利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とに基づき、リクエスト(コンテンツ生成リクエスト50)を生成する。第2送受信部92は、コンテンツ生成リクエスト50をサーバー40に送信する。
このように、サポーター端末90は、サポーターMからの操作を受け付ける操作部91を備える。第2処理部93は、操作部91からの操作信号に基づき、リクエスト(コンテンツ生成リクエスト50)を生成する。なお、操作部91からの操作信号とは、操作部91から入力または選択された利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とに対応する信号である。
【0027】
サーバー40では、第1処理部42が、コンテンツ生成リクエスト50に基づき、記憶部44より利用者情報に紐づく健康指標へアクセスし、期間指定情報で指定された期間の健康指標を集計する。さらに、第1処理部42は、指定された健康指標の集計結果に基づき、図表を含むコンテンツ情報を生成する。すなわち、第1処理部42は、指定された健康指標の集計結果のビジュアライズ52を実施する。コンテンツ情報は、第1送受信部41によってサポーター端末90に送信される。すなわち、第1送受信部41は、コンテンツ情報をサポーター端末90に送信するコンテンツ送信を実施する。
図表を含むコンテンツ情報は、サポーター端末90の操作部91に表示される。
【0028】
サポーターMは、操作部91に表示される図表を含むコンテンツ情報を確認し、システム利用者Uに送信するテキストを検討する。サポーターMは、検討したテキストを、操作部91を介して入力する。さらに、サポーターMは、操作部91を介して、対応するコンテンツ情報を選択する。
第2処理部93は、サポーターMが入力または選択したテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージを生成する。第2送受信部92は、利用者情報と共にテキストメッセージをサーバー40に送信する。
このように、サポーター端末90は、サポーターMからの操作を受け付ける操作部91を備える。第2処理部93は、操作部91からの操作信号に基づき、テキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージを生成する。
【0029】
サーバー40は、テキストやコンテンツ情報を含むテキストメッセージを、利用者情報に紐づくシステム利用者Uの利用者端末20に送信する。テキストやコンテンツ情報を含むテキストメッセージは、システム利用者Uの利用者端末20の表示部21に表示される。
詳細は後述するが、システム利用者Uは、テキストメッセージから自身の問題点を把握し、自身の健康改善活動が実りあるもとなるように、自身の健康改善活動を改善する。
【0030】
図4は、図表を含むコンテンツ情報の一例であり、心拍数の経時変化を示す図である。
図4の縦軸はシステム利用者Uの心拍数であり、
図4の横軸は時間である。
図5は、コンテンツ情報に基づいて生成されるテキストメッセージの一例であり、テキストやコンテンツ情報を含むテキストメッセージである。
【0031】
例えば、サポーターMが、サポーター端末90の操作部91を介して、利用者指定情報としてシステム利用者Uを選択し、期間指定情報として2019年6月11日~6月12日の期間を入力し、健康指標種別として心拍数を選択する。すると、サーバー40は、図表を含むコンテンツ情報として、
図4に示すシステム利用者Uの心拍数の経時変化を示す図を生成する。さらに、
図4に示すシステム利用者Uの心拍数の経時変化を示す図は、サポーター端末90の操作部91に表示される。
【0032】
心拍数は運動強度の指標となり、心拍数から運動強度を推定することができる。運動強度を高めると、エネルギー消費量が増加し、体内の脂肪を燃焼させ、体重を減少させることができる。運動強度をさらに高めると、体内の脂肪を燃焼させることに加えて、体力(心肺機能)を向上させることができる。
サーバー40の第1処理部42は、測定端末10で取得される心拍数を、脂肪燃焼及び体力向上の双方に寄与するトレーニングゾーンAと、脂肪燃焼に寄与する脂肪燃焼ゾーンBと、脂肪燃焼に寄与しにくいウォーミングアップゾーンCとに区分して、指定された期間における運動強度の状態が一目で分かるよう、
図4に示す図を作成する。
なお、心拍数と運動強度との関係は年齢や最大心拍数等によって変化するので、上述したゾーンA,B,Cがより実際の状態に近くなるように、システム利用者Uの年齢や最大心拍数等から補正が加えられている。
以降の説明では、
図4に示すシステム利用者Uの心拍数の経時変化を示す図を、
図4に示すコンテンツ情報と称す。
【0033】
図4に示すコンテンツ情報において、トレーニングゾーンAは、ランニングなどの息が切れる程度の運動をしている状態である。脂肪燃焼ゾーンBは、早歩きや階段の上り下りなどの少し息が切れる程度の運動をしている状態である。ウォーミングアップゾーンCは、通常速度以下の歩行速度で歩行しているように、息が切れない軽い運動をしている状態である。
さらに、第1処理部42は、GPSから取得される時系列の位置情報から運動の有無を判断し、非運動時の心拍数と運動時の心拍数とに区分する。
図4の実線は、運動時の心拍数であり、システム利用者Uが運動している状態を示す。
図4の破線は、非運動時の心拍数であり、システム利用者Uが運動していない状態である。
さらに、
図4に示すコンテンツ情報では、各ゾーンA,B,Cの滞在時間が集計され、各ゾーンA,B,Cの実績が一目で分かるようになっている。
【0034】
図4に示すコンテンツ情報は、サポーター端末90の操作部91に表示され、サポーターMは、サポーター端末90から自身が要求したコンテンツ情報を確認することができる。
サポーターMは、
図4に示すコンテンツ情報から、システム利用者Uの健康指標の時系列な変遷を把握することができる。そして、サポーターMは、
図4に示すコンテンツ情報からシステム利用者Uの運動改善活動の問題点を確認し、システム利用者Uの運動改善活動の問題点を改善するためのメッセージを検討し、サポーター端末90の操作部91を介して検討したメッセージをテキストとして入力する。
【0035】
すると、
図3に示すフローに従って、サポーター端末90の第2処理部93は、
図5に示すテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージを生成する。以降の説明では、
図5に示すテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージを、
図5に示すテキストメッセージと称す。
図5に示すテキストメッセージは、サポーター端末90の第2送受信部92からサーバー40に送信され、さらにサーバー40からシステム利用者Uの利用者端末20に送信され、システム利用者Uの利用者端末20の表示部21に表示される。
システム利用者Uは、
図5に示すテキストメッセージを利用者端末20によって確認し、自身の健康改善活動の問題点を把握し、自身の健康改善活動を是正する。そして、システム利用者Uは是正された健康改善活動に取り組むようになり、システム利用者Uの健康改善活動がより実りあるものとなる。例えば、システム利用者Uは、是正された健康改善活動によって、自身の体重を減少させ、自身の体重を目標値に近づけることができる。
【0036】
また、
図4に示すコンテンツ情報は、利用者端末20の表示部21にも表示される。
システム利用者Uは、
図4に示すコンテンツ情報から自身の健康改善活動を振り返り、自身の健康改善活動の問題点に気づくことができる。
例えば、
図4に示すコンテンツ情報が目標を下回る内容である場合、システム利用者Uは、現状の健康改善活動を反省し、より適正な健康改善活動に取り組むようになる。例えば、
図4に示すコンテンツ情報が目標を上回る内容である場合、システム利用者Uは、現状の健康改善活動に自信を得て、より充実した健康改善活動に取り組むようになる。すなわち、健康改善活動に対するやる気が高められる。
【0037】
以上述べたように、本実施形態では以下の効果を得ることができる。
サポーターMは、健康支援システム1上を使用した健康指導において、自身が担当するシステム利用者Uの期間や健康指標種別を選択することで、健康指標の変遷が可視化されたコンテンツ情報(例えば、
図4に示すコンテンツ情報)を取得できる。サポーターMは、健康指標の変遷が可視化されたコンテンツ情報から、システム利用者Uがより効果的な健康改善活動に取り組むように支援(例えば、
図5に示すテキストメッセージの提供)を実施することができる。システム利用者Uは、サポーターMの支援に基づき自身の健康改善活動をより適正化できる。さらに、システム利用者Uは、健康指標の変遷が可視化されたコンテンツ情報から、自身の健康改善活動を振り返ることができる。これにより、システム利用者Uのモチベーションが高められ、システム利用者Uの健康改善活動の継続性が高められる。
【0038】
2.変形例1
上述した実施形態では、サポーターMが利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とを入力または選択し、サーバー40の第1処理部42が利用者指定情報と期間指定情報と健康指標種別とに基づき、図表を含むコンテンツ情報(
図4参照)を生成する。さらに、サポーターMは、図表を含むコンテンツ情報からシステム利用者Uの問題点を把握し、問題点を改善するためのメッセージをテキストとして入力し、サポーター端末90の第2処理部93がテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージ(
図5参照)を生成する。さらに、システム利用者Uは、図表を含むコンテンツ情報やテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージから、自身の健康改善運動の問題点を把握し、効果的な健康改善運動に取り組むことができる。
【0039】
サポーターMは、現実世界の人間でなく、人工知能を用いたバーチャルサポーターであってもよい。すなわち、人工知能を用いたバーチャルサポーターが、健康指標の変動を読み取って、自動で問題点を改善するためのメッセージをテキストとして入力し、サポーター端末90の第2処理部93がテキスト及びコンテンツ情報を含むテキストメッセージを生成する構成であってもよい。
【0040】
さらに、システム利用者Uが、利用者端末20の表示部21を介して、期間指定情報と健康指標種別とを入力または選択し、サーバー40の第1処理部42が、期間指定情報と健康指標種別とに基づき、システム利用者Uのコンテンツ情報(
図4参照)を生成する構成であってもよい。かかる構成によって、システム利用者Uは、積極的に自身の健康改善活動を振り返り、積極的に自身の健康改善活動を改善することができる。
【0041】
3.変形例2
上述した実施形態では、図表を含むコンテンツ情報は、システム利用者Uの心拍数の経時変化が可視化されたグラフ(図)であった。
図表を含むコンテンツ情報は、システム利用者Uの心拍数の経時変化が可視化された表であってもよい。詳しくは、図表を含むコンテンツ情報は、システム利用者Uの心拍数と測定時間との関係がまとめられた表であってもよい。図表を含むコンテンツ情報が、システム利用者Uの心拍数と測定時間との関係がまとめられた表である場合、システム利用者Uの心拍数と測定時間との関係がまとめられたグラフ(図)である場合と同様に、サポーターMは、コンテンツ情報からシステム利用者Uの問題点を把握し、システム利用者Uがより効果的な健康改善活動に取り組むように支援することができる。
【0042】
さらに、上述した実施形態では、心拍数がコンテンツ情報として可視化されていた。心拍数でなく、歩数、運動距離、及び消費カロリーがコンテンツ情報として可視化されてもよい。歩数、運動距離、及び消費カロリーは、心拍数と同様に運動強度に紐づけることができ、システム利用者Uは、心拍数をコンテンツ情報として可視化する場合と同様に、サポーターMからコンテンツ情報に基づいた的確な指導を受けることができる。
さらに、コンテンツ情報として体重を可視化してもよい。コンテンツ情報として体重を可視化すると、健康改善活動の効果を把握でき、システム利用者Uの反省またはやる気に結び付く。
【0043】
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
【0044】
健康支援システムは、測定日時と関連付けられた健康指標、及び利用者情報を記憶する記憶部と、利用者指定情報と期間指定情報とを含むリクエストに基づいて、前記利用者指定情報及び前記期間指定情報に対応する前記健康指標を前記記憶部から抽出し、抽出した前記健康指標を用いて図表を含むコンテンツ情報を生成する第1処理部と、前記リクエストの受信、及び前記コンテンツ情報の送信を行う第1送受信部と、を有するサーバーと、前記リクエストの前記サーバーへの送信、前記サーバーからの前記コンテンツ情報の受信を行う第2送受信部と、前記コンテンツ情報に関連するテキストメッセージを生成し、前記テキストメッセージを前記第2送受信部に送信させる第2処理部と、を有するサポーター端末と、前記サーバーから前記コンテンツ情報及び前記テキストメッセージを受信する第3送受信部と、前記コンテンツ情報及び前記テキストメッセージを表示する表示部と、を有する利用者端末と、を備えることを特徴とする。
【0045】
コンテンツ情報は、図表を含み、図表によって健康指標が可視化されている。サポーター(健康指導者)は、図表を含むコンテンツ情報から、システム利用者の健康指標の変遷を把握し、システム利用者の課題や改善点を把握することができるので、システム利用者に対して的確な指導を行うことができる。さらに、システム利用者は、図表を含むコンテンツ情報から、自身の健康改善活動の変遷を捉えることができる。
コンテンツ情報に関連するテキストメッセージは、サポーターのアドバイス(テキスト)と図表を含むコンテンツ情報とを含む。システム利用者は、コンテンツ情報に関連するテキストメッセージから、自身の健康改善運動の問題点を把握し、効果的な健康改善運動に取り組むことができる。
従って、健康支援システムによって、システム利用者が自身の健康改善活動の変遷を捉えることができ、サポーターからの支援内容が健康改善活動の継続性に大きく寄与するようになる。
【0046】
上記健康支援システムにおいて、前記健康指標は、体重、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0047】
健康指標が、体重、歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかであると、これら健康指標をコンテンツ情報として可視化することによって、サポーターは的確な健康指導を実施でき、システム利用者は継続して効果的な健康改善活動に取り組むことができる。
【0048】
上記健康支援システムにおいて、前記第2処理部は、前記コンテンツ情報に基づいて前記テキストメッセージを生成するテキスト生成部を備えることが好ましい。
【0049】
テキスト生成部がコンテンツ情報に基づいてテキストメッセージを生成すると、システム利用者は、テキストメッセージによって自身の問題点に気づき、効果的な健康改善運動に取り組むことができる。
【0050】
上記健康支援システムにおいて、前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付ける操作部を備え、前記第2処理部は、前記操作部からの操作信号に基づき、前記テキストメッセージを生成することが好ましい。
【0051】
システム利用者は、テキストメッセージによって自身の問題点に気づき、効果的な健康改善プログラムに取り組むことができる。
【0052】
上記健康支援システムにおいて、前記サポーター端末は、サポーターからの操作を受け付ける操作部を備え、前記サポーター端末は、前記操作部からの操作信号に基づき、前記リクエストを生成することが好ましい。
【0053】
サポーターの操作に基づくリクエストによって、サーバーの第1処理部はサポーターが要求するコンテンツ情報を生成するので、サポーターは自身が必要とする情報を取得することができる。
【0054】
上記健康支援システムにおいて、前記歩数、前記運動距離、前記消費カロリー、及び前記心拍数の少なくともいずれかを測定する測定端末をさらに有することが好ましい。
【0055】
測定端末によって測定される歩数、運動距離、消費カロリー、及び心拍数の少なくともいずれかを、コンテンツ情報として可視化することによって、サポーターは的確な健康指導を実施でき、システム利用者は継続して効果的な健康改善活動に取り組むことができる。
【符号の説明】
【0056】
1…健康支援システム、3,5…通信、10…測定端末、11…測定部、12…記憶部、14…第4送受信部、20…利用者端末、21…表示部、22…第3送受信部、40…サーバー、41…第1送受信部、42…第1処理部、43…コンテンツ生成部、44…記憶部、45…計時部、50…コンテンツ生成リクエスト、90…サポーター端末、91…操作部、92…第2送受信部、93…第2処理部、94…テキスト生成部。