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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】モニタースタンド、及び、モニター装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240521BHJP
   A47B 81/06 20060101ALI20240521BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240521BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240521BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240521BHJP
   A47B 97/08 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
G09F9/00 347Z
A47B81/06 D
G09F9/00 351
H02J7/00 302A
H02J7/34 J
H04N5/64 581A
A47B97/08 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019193162
(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公開番号】P2021067820
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】乾 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】永井 潤
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-148462(JP,A)
【文献】中国実用新案第208769159(CN,U)
【文献】特開2012-242466(JP,A)
【文献】米国特許第05452807(US,A)
【文献】特開2004-147022(JP,A)
【文献】特開2004-229051(JP,A)
【文献】特開平10-187299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
A47B 81/06
H02J 7/00
H02J 7/34
H04N 5/64
A47B 97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニター取付部及び電源コンセントを配したモニタースタンドであって、
前記モニター取付部に取り付けられたモニター及び前記電源コンセントに対して電源を供給可能なバッテリーを有する本体部を備え、
前記電源コンセントはコンセント孔部を有し、当該コンセント孔部が前方を向いた状態に配設されているものであり、
前記本体部が、前記バッテリーを着脱可能なバッテリースロットを備えているものであり、当該バッテリースロットは、後傾した姿勢で上下方向に延びてなる収容空間が形成されたものであり、
使用者の操作により、前記バッテリーが前記収容空間に対して後方から斜めに挿入されると、前記バッテリーが前記バッテリースロットに対して装着されるモニタースタンド。
【請求項2】
脚体に、前記電源コンセント及び前記バッテリーを有した前記本体部、並びに、前記モニター取付部がそれぞれ支持されており、
前記脚体は、下端部にキャスターを設けたものであり、
前記脚体は、先端部に前記キャスターが配された脚羽根と、この脚羽根の基端部に立設された支柱とを備えたものであり、
前記本体部が、前記支柱における前記モニター取付部と前記脚羽根の間に支持されている請求項1記載のモニタースタンド。
【請求項3】
前記本体部が、複数の前記バッテリースロットを備えたものである請求項1又は2記載のモニタースタンド。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載のモニタースタンドと、このモニタースタンドの前記モニター取付部に取り付けられたモニターとを備えてなるモニター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタースタンド、及び、モニター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや公共施設等の執務室や会議室等で使用されるモニタースタンドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種のモニタースタンドには、支柱に配した複数の取り付け部のいずれかにコンセントユニットを取り付けることができるように構成されたものが存在する。かかる構成により、モニターからの配線やパソコン等の配線を接続させ易い位置にコンセントユニットを配置することができ使用者の使い勝手を良好なものとさせている。
【0004】
しかしながら、従来のものは、電気を得るために、コンセントユニットをオフィス内に据え付けられた据付の電源コンセントに接続しなければならない。このため、従来のものは、オフィス内における利用エリアが電気が供給されている据付の電源コンセントの近くに制限されてしまうという不具合を有している。
【0005】
一方で、延長ケーブルを利用して、据付の電源コンセントから離れた位置においてモニタースタンドを使用することはできるが、延長ケーブルが床面に長く這わされるものとなるため、オフィスでの従業者等が躓き(つまづき)やすいだけでなく、オフィスの外観を損ねる原因となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-90653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、オフィス等に据付の電源コンセントに依存することなく柔軟に利用可能なモニタースタンド及びモニター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0009】
請求項1に記載の発明は、モニター取付部及び電源コンセントを配したモニタースタンドであって、前記モニター取付部に取り付けられたモニター及び前記電源コンセントに対して電源を供給可能なバッテリーを有する本体部を備え、前記電源コンセントはコンセント孔部を有し、当該コンセント孔部が前方を向いた状態に配設されているものであり、前記本体部が、前記バッテリーを着脱可能なバッテリースロットを備えているものであり、当該バッテリースロットは、後傾した姿勢で上下方向に延びてなる収容空間が形成されたものであり、使用者の操作により、前記バッテリーが前記収容空間に対して後方から斜めに挿入されると、前記バッテリーが前記バッテリースロットに対して装着されるモニタースタンドである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、脚体に、前記電源コンセント及び前記バッテリーを有した前記本体部、並びに、前記モニター取付部がそれぞれ支持されており、前記脚体は、下端部にキャスターを設けたものであり、前記脚体は、先端部に前記キャスターが配された脚羽根と、この脚羽根の基端部に立設された支柱とを備えたものであり、前記本体部が、前記支柱における前記モニター取付部と前記脚羽根の間に支持されている請求項1記載のモニタースタンドである。
【0012】
請求項に記載の発明は、前記本体部が、複数の前記バッテリースロットを備えたものである請求項1又は2記載のモニタースタンドである。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1~の何れか1項に記載のモニタースタンドと、このモニタースタンドの前記モニター取付部に取り付けられたモニターとを備えてなるモニター装置である。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、オフィスに据付の電源コンセントに依存することなく柔軟に利用可能なモニタースタンド及びモニター装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示す正面図。
図2】同実施形態における背面図。
図3】同実施形態における右側面図。
図4】同実施形態における底面図。
図5】同実施形態における構成概要図。
図6】他の実施形態を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1~5を参照して説明する。
【0017】
この実施形態は、本発明を、モニタースタンドBにモニターCを取り付けてなるモニター装置Aに適用したものである。
【0018】
モニタースタンドBは、脚体1と、脚体1に支持された本体部2と、本体部2の上に位置しており脚体1に支持されたモニター取付部3とを備えたものである。
【0019】
脚体1は、先端部にキャスターDが配された脚羽根11と、脚羽根11の基端部に立設された支柱12とを備えたものである。
【0020】
脚羽根11は、支柱12の下端部から前方に二本延設されているとともに後方に二本延設されている。この実施形態では、キャスターDは、車輪d11を有し脚羽根11の先端部に対して回転可能に設けられたキャスター本体d1と、使用者による操作によりキャスター本体d1の動きをロックし得る図示しないロック機構とを備えた既知の構成のものである。
【0021】
支柱12は、上下方向に延びてなる円柱状をなしている。支柱12は、電源コンセントJを配した本体部2、及び、モニター取付部3をそれぞれ支持している。
【0022】
本体部2は、支柱12に支持された基体21と、基体21に対して着脱可能に構成されたバッテリー22とを備えている。
【0023】
基体21は、内部に電圧変換器Hが設けられた基体本体Eと、基体本体Eの後部に設けられバッテリー22を着脱可能に支持し得るバッテリースロットFと、基体本体Eの上に配されモニターCと接続し得る電子計算機Gとを備えたものである。
【0024】
基体本体Eは、矩形状をなす底壁e1と、底壁e1の左右の縁部から立ち上がる略五角形状をなす左右の側壁e2と、左右の側壁e2の後縁部間に配された矩形状をなす後壁e3と、左右の側壁e2の前縁部間に配された矩形状をなす前壁e4と、左右の側壁e2における上縁部の前部間に配された矩形状をなす上壁e5とを備えている。
【0025】
基体本体Eは、全体として、後傾した姿勢で支柱12に支持されている。基体本体Eを支持する脚体1の支柱12は、基体本体Eにおける底壁e1の後端部と上壁e5における前端部との間を貫くように配設されている。基体本体Eは、装着されるバッテリー22の重量も考慮して、所定の姿勢で脚体1の支柱12に取り付けられている。
【0026】
右の側壁e2の下部には、バッテリー22から供給される電気を使用可能な状態又は使用不能な状態に選択し得るスイッチswが設けられている。
【0027】
前壁e4には、上下方向中間部に電源コンセントJが配設されている。電源コンセントJは、横長矩形状の外表面を備えたものである。電源コンセントJは、配線の端部に設けた差し込みプラグを挿入可能な複数のコンセント孔部j1を有している。この実施形態のコンセント孔部j1は、パソコンやスマートフォンを使用する執務形態に好適に対応し得るように、USB形状の差し込みプラグやAC100ボルト電源用の差し込みプラグを挿入可能な形態のものが採用されている。電源コンセントJから提供可能な電気はバッテリー22から供給され得るものとなっている。
【0028】
バッテリースロットFは、後傾した姿勢で上下方向に延びてなる収容空間spが形成されたものである。バッテリースロットFの収容空間spが後傾しているので、使用者はバッテリー22を挿入し易いものとなっている。バッテリースロットFは、前壁e4の後に設けられた開口部Kを通じてバッテリー22を出し入れ可能に構成されている。バッテリースロットFは、収容空間spを構成する内底部f1にバッテリー接続端子f2が配設されている。
【0029】
電子計算機Gは、電圧変換器Hを介してバッテリー22から供給された電源を利用して稼働し得るボックス形状のものである。電子計算機Gは、モニター取付部3に取り付けられるモニターCとケーブルを介して接続し得るものとなっている。電子計算機Gは、汎用的なオペレーティングシステムにより制御されたものである。電子計算機Gには、外部の電子機器と接続し得る複数の接続端子g1が設けられている。
【0030】
電子計算機Gには、HDMI(登録商標)端子等のディスプレイケーブル接続端子が設けられており、図示しないディスプレイケーブルを介してモニター取付部3に取り付けられたモニターCと接続し得るものとなっている。
【0031】
この実施形態では、執務者のパソコンは、HDMI(登録商標)ケーブルを介してモニターCと直接的に接続することができるようになっている。また、この実施形態では、電子計算機Gは、外部の電気通信器具との間で無線による通信ができるようになっている。電子計算機Gは、内部アプリケーションを利用して電気通信器具である執務者のパソコンと無線により通信し、執務者のパソコンに表示される情報をモニターCにワイヤレスで(無線にて)表示させることができるようになっている。
【0032】
バッテリー22は、モニター取付部3に取り付けられたモニターCと、基体本体Eの上に設けられた電子計算機Gと、基体本体Eの前壁e4に設けられた電源コンセントJに対して電源を供給可能なものである。
【0033】
バッテリー22は、リチウムイオン充電式電池である。バッテリー22は、充電器Mを用いて充電可能なものである。バッテリー22の下端部には、バッテリースロットF内の接続端子f2に接続し得る端子221が設けられている。バッテリー22の上端部には、使用者が把持し得るハンドル222が設けられている。すなわち、バッテリー22は、使用者によって持ち運びし易いように構成されている。
【0034】
使用者の操作により、バッテリー22がバッテリースロットFに対して後方から斜めに挿入されると、当該バッテリー22の端子221とバッテリースロットF内のバッテリー接続端子f2とが接触し、電圧変換器Hを介してモニターC、電子計算機G、及び、電源コンセントJに給電可能な状態が構成される。なお、側壁e2に設けたスイッチswにより、バッテリースロットFに装着されたバッテリー22からの給電ON/OFFの設定ができるようになっている。
【0035】
モニターCは、矩形状の液晶表示部c1を有し、前後方向の厚みが比較的薄型に設定された汎用のものが適用されている。モニターCは、モニタースタンドBのモニター取付部3に取り付けられている。
【0036】
モニター取付部3は、基板31の所定箇所に図示しないねじ挿通孔を有しており、ねじ挿通孔に挿入されたねじv1をモニターCの背面部に設けられた図示しないナットに螺着することによりモニターCと接続することができるようになっている。なお、基板31の背面側は化粧板32により覆われている。また、モニター取付部3の下には、モニターCのリモコン等を載置し得るトレー4が配されている。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係るモニタースタンドBは、モニター取付部3及び電源コンセントJを配したものであり、モニター取付部3に取り付けられたモニターC及び電源コンセントJに対して電源を供給可能なバッテリー22を備えている。
【0038】
このため、オフィス内における据付の電源コンセントの場所を考慮することなく、任意の場所で利用可能なモニタースタンドBを提供し得るものとなっている。しかも、使用者のノートパソコンやスマートフォン等の電子機器にも、モニタースタンドBに設けた電源コンセントJから電気を得ることができ、その電気もバッテリー22から供給されたものを使用しているため、使用者の利便性を飛躍的に向上させることができるものとなっている。
【0039】
脚体1に、電源コンセントJ及びバッテリー22を有した本体部2、並びに、モニター取付部3がそれぞれ支持されており、脚体1は、下端部にキャスターDを設けたものである。
【0040】
このため、オフィス内においてモニタースタンドBを簡単に移動させることができ、使用者が望む任意の場所において無理なく使用し得るものとなっている。
【0041】
本体部2が、バッテリー22を着脱可能なバッテリースロットFを備えている。このため、バッテリー22に対する充電を外部の充電器Mを利用して好適に行えるだけでなく、バッテリー22の交換も円滑に行えるものとなっている。
【0042】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0043】
例えば、本体部が、二以上の複数のバッテリースロットを備えたものであってもよい。
【0044】
図6では、本体部2に二つのバッテリースロットFを配し、各バッテリースロットFにバッテリー22を配したものを概略的に示している。このようなものであれば、二つのバッテリー22によって、モニターCや電子計算機Gや電源コンセントJに対して給電可能な時間を好適に延ばすことができるため、バッテリー22の蓄電残量を気にすることなく執務を実行することができるものとなる。
【0045】
しかも、二つのバッテリー22の内、何れか一方側のみを使用可能に設定すれば、一方のバッテリー22を使用しつつ他方のバッテリー22を外部の充電器によって充電することも可能となる。一方のバッテリー22の蓄電残量が少なくなってきたときに充電済みの他方のバッテリー22をバッテリースロットFに装着するように運用すれば、バッテリー22の交換時に給電が途切れないものとすることが可能となる。
【0046】
脚羽根の先端部に設けられたキャスターは種々のものが適用可能であり、上述した実施形態のものに限られないのはもちろんのことである。
【0047】
モニターは、必ずしも給電が必要なものには限られない。例えば、モニターはホワイトボードであってもよい。
【0048】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0049】
A…モニター装置
B…モニタースタンド
1…脚体
2…本体部
3…モニター取付部
C…モニター
図1
図2
図3
図4
図5
図6