(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240521BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240521BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240521BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G09G5/00 530M
G06F3/0484
G09G5/377 100
B41J21/00 Z
(21)【出願番号】P 2019235901
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】川野 葉
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0113871(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G06F 3/0484
B41J 21/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から提供された複数の画像と、オブジェクトと、を取得する取得部と、
複数の前記画像のなかから、前記オブジェクトが重畳される対象画像を選択する画像選択部と、
前記対象画像に前記オブジェクトを重畳して表示させる表示制御部と、を備え、
前記画像選択部は、複数の前記画像について、前記オブジェクトの重畳が許可された許可領域を特定し、複数の前記画像のうち、特定した前記許可領域に前記オブジェクトが収まる収容可能画像のなかから、前記対象画像を選択することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記画像選択部は、複数の前記画像のなかに前記収容可能画像が二つ以上含まれる場合、二つ以上の前記収容可能画像のうち、前記許可領域が最も小さい画像を、前記対象画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の画像と、オブジェクトと、を取得する取得部と、
複数の前記画像のなかから、前記オブジェクトが重畳される対象画像を選択する画像選択部と、
前記対象画像に前記オブジェクトを重畳して表示させる表示制御部と、を備え、
前記画像選択部は、複数の前記画像について、前記オブジェクトの重畳が許可された許可領域を特定し、複数の前記画像のうち、特定した前記許可領域に前記オブジェクトが収まる収容可能画像のなかから、前記対象画像を選択し、
前記画像選択部は、複数の前記画像のなかに前記収容可能画像が含まれない場合、複数の前記画像について、前記画像を縮小することにより前記画像を表示する画面領域に生じた余白を前記許可領域に含めた拡大許可領域を特定し、複数の前記画像のうち、特定した前記拡大許可領域に前記オブジェクトが収まる拡大収容可能画像のなかから、前記対象画像を選択することを特徴とする
表示装置。
【請求項4】
前記取得部は、複数の前記画像のなかに前記拡大収容可能画像が含まれない場合、前記オブジェクトよりも表示領域が小さい関連オブジェクトを取得し、
複数の前記画像及び前記関連オブジェクトのなかから、前記関連オブジェクトと、前記関連オブジェクトが前記許可領域に収まる関連収容可能画像との組を選択する関連選択部をさらに備え、
前記表示制御部は、選択された前記対象画像に選択された前記関連オブジェクトを重畳して表示させることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の画像と、オブジェクトと、を取得する取得部と、
複数の前記画像のなかから、前記オブジェクトが重畳される対象画像を選択する画像選択部と、
前記対象画像に前記オブジェクトを重畳して表示させる表示制御部と、を備え、
前記画像選択部は、複数の前記画像について、前記オブジェクトの重畳が許可された許可領域を特定し、複数の前記画像のうち、特定した前記許可領域に前記オブジェクトが収まる収容可能画像のなかから、前記対象画像を選択し、
前記取得部は、複数の前記画像のなかに前記収容可能画像が含まれない場合、前記オブジェクトよりも表示領域が小さい関連オブジェクトを取得し、
複数の前記画像及び前記関連オブジェクトのなかから、前記関連オブジェクトと、前記関連オブジェクトが前記許可領域に収まる関連収容可能画像との組を選択する関連選択部をさらに備え、
前記表示制御部は、選択された前記対象画像に選択された前記関連オブジェクトを重畳して表示させることを特徴とする
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像を複数の領域に分割し、分割した各領域を、配置領域または非配置領域として選択可能に画面に出力する第1出力部と、非配置領域よりも配置領域を優先して、画像の上にオブジェクトを重ねて出力する第2出力部と、を備える表示制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、用意された画像のなかの配置領域が十分な大きさを有していなければ、非配置領域にオブジェクトを配置せざるを得ないなど、表示技術になお一層の改良が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示装置は、複数の画像と、オブジェクトと、を取得する取得部と、複数の画像のなかから、オブジェクトが重畳される対象画像を選択する画像選択部と、対象画像にオブジェクトを重畳して表示させる表示制御部と、を備え、画像選択部は、複数の画像について、オブジェクトの重畳が許可された許可領域を特定し、複数の画像のうち、特定した許可領域にオブジェクトが収まる収容可能画像のなかから、対象画像を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】プリンターのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【
図2】プリンターの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】第2画像に優先オブジェクトを重畳させた場合の表示例を示す図である。
【
図9】第4画像に優先オブジェクトを重畳させた場合の表示例を示す図である。
【
図10】第3画像に優先オブジェクトを重畳させた場合の表示例を示す図である。
【
図11】拡大第3画像に優先オブジェクトを重畳させた場合の表示例を示す図である。
【
図12】第3画像に関連オブジェクトを重畳させた場合の表示例を示す図である。
【
図13】表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図13に続く、表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図14に続く、表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態に係る表示装置について、添付図面を参照して説明する。本実施形態では、「表示装置」として、ディスプレー20付きのプリンター1を例示する。また、プリンター1は、企業等に設置されるものとする。
図1は、プリンター1のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。プリンター1は、制御部10と、ディスプレー20と、プリンターモジュール30と、を備える。
【0008】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、を含む。CPU11は、後述する制御プログラム12aをRAM13に展開して実行することにより、プリンター1の各部を制御する。
【0009】
ROM12は、不揮発性の記憶媒体であり、制御プログラム12aを記憶する他、画像記憶領域12bと、オブジェクト記憶領域12cと、を有する。
【0010】
制御プログラム12aは、CPU11が各種制御を行うためのプログラムである。画像記憶領域12bは、画像I(
図2等参照)を記憶する領域である。本実施形態では、画像記憶領域12bに、複数の画像Iが記憶されているものとする。オブジェクト記憶領域12cは、オブジェクトOJ(
図7等参照)を記憶する領域である。CPU11は、プリンター1の状態に応じて、プリンター1の状態を示すオブジェクトOJを選択し、画像記憶領域12bに記憶されている複数の画像Iのなかから、選択したオブジェクトOJを重畳可能な画像Iを選択する。画像Iは、例えば、プリンター1が設置される企業等のロゴを示す画像である。
図3等の例において、「ABCDE」の文字は、ロゴを示している。
【0011】
RAM13は、揮発性の記憶媒体であり、CPU11が各種制御を行うためのワークエリアとして用いられる。
【0012】
なお、制御部10は、CPU11以外のプロセッサーを用いてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路で構成されてもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0013】
ディスプレー20は、各種情報を表示する。CPU11は、プリンター1の状態に応じて、オブジェクトOJの表示が必要であると判断した場合、画像IにオブジェクトOJを重畳させて、ディスプレー20に表示させる。また、CPU11は、オブジェクトOJの表示が必要ではないと判断した場合、画像Iのみを、ディスプレー20に表示させる。例えば、CPU11は、プリンター1が通常動作中の場合やエラー発生中の場合、オブジェクトOJの表示が必要であると判断し、プリンター1が待機中の場合、オブジェクトOJの表示が必要ではないと判断する。なお、本願においてオブジェクトOJとは、画像Iの他に表示を行わせる任意の画像である。例えば、メッセージやアイコン、ボタンもオブジェクトOJに含まれる。
【0014】
プリンターモジュール30は、印刷媒体に印刷を行う印刷機構である。例えば、プリンター1がインクジェットプリンターの場合、プリンターモジュール30には、インクジェットヘッド、ヘッド駆動機構、印刷媒体搬送機構などが含まれる。なお、本実施形態に係るプリンター1の印刷媒体は、紙であるものとする。
【0015】
次に、
図2を参照し、プリンター1の機能構成について説明する。プリンター1は、機能構成として、取得部110と、画像選択部120と、オブジェクト選択部130と、表示制御部140と、を備える。これらは、CPU11が制御プログラム12aを実行することにより実現される機能である。
【0016】
取得部110は、画像記憶領域12bから複数の画像Iを取得すると共に、オブジェクト記憶領域12cからオブジェクトOJを取得する。画像選択部120は、取得した画像Iのなかから、オブジェクトOJが重畳される対象画像を選択する。オブジェクト選択部130は、取得したオブジェクトOJのなかから、表示するオブジェクトOJを選択する。詳細については後述するが、オブジェクト選択部130は、オブジェクトOJとして、優先オブジェクトOJ1および関連オブジェクトOJ2のいずれかを選択する。表示制御部140は、画像選択部120により選択された対象画像に、オブジェクト選択部130により選択されたオブジェクトOJを重畳して、ディスプレー20に表示させる。
【0017】
次に、
図3ないし
図6を参照し、画像記憶領域12bに記憶される画像Iについて説明する。画像Iは、プリンター1が設置される企業等、プリンター1のメーカーや販売店にとって、顧客となる立場の者から提供されるものである。以下、プリンター1が設置される企業等を、「顧客」と称する。
【0018】
顧客から提供される画像Iは、三つの種類に分類される。第1の種類は、画像Iの表示領域である画像領域E0の全てにおいて、オブジェクトOJの重畳が許可されていない画像Iである。第2の種類は、画像領域E0のうち、顧客が指定した一部の領域のみ、オブジェクトOJの重畳が許可されている画像Iである。第3の種類は、画像領域E0のうち、ロゴ以外の領域で、オブジェクトOJの重畳が許可されている画像Iである。画像記憶領域12bに記憶されている画像Iには、第1の種類、第2の種類および第3の種類のいずれかを示す情報が付加されているものとする。
【0019】
第1の種類の画像Iは、オブジェクトOJの重畳が許可されていないため、CPU11が、オブジェクトOJの表示が必要ではないと判断したとき、すなわちプリンター1の待機中に表示される。
【0020】
第2の種類の画像Iおよび第3の種類の画像Iは、CPU11が、オブジェクトOJの表示が必要であると判断したとき、すなわちプリンター1が通常動作中の場合やエラー発生中の場合に表示される。画像Iの選択方法およびオブジェクトOJの選択方法については、後述する。なお、プリンター1の画像記憶領域12bに画像Iを記憶させる作業は、顧客側のスタッフが行ってもよいし、プリンター1のメーカーや販売店のスタッフが行ってもよい。
【0021】
ここで、画像Iについて具体例を挙げて説明する。
図3は、第1画像I1の一例を示す図である。第1画像I1は、第1の種類の画像Iの一例である。第1画像I1は、画像領域E0の全てが、オブジェクトOJの重畳が許可されていない非許可領域E1である。なお、第1画像I1の画像領域E0は、ディスプレー20の画面領域と一致するものとする。以下で説明する、第2画像I2、第3画像I3および第4画像I4についても同様である。
【0022】
図4は、第2画像I2の一例を示す図である。第2画像I2は、第2の種類の画像Iの一例である。第2画像I2は、画像領域E0のうち、+Y側の一部領域が、オブジェクトOJの重畳が許可されている許可領域E2であり、残りの領域が、非許可領域E1である。
【0023】
図5は、第3画像I3の一例を示す図である。第3画像I3は、第2の種類の画像Iの一例である。第3画像I3は、画像領域E0のうち、+X側の略半分の領域が、許可領域E2であり、残りの領域が、非許可領域E1である。
【0024】
図6は、第4画像I4の一例を示す図である。第4画像I4は、第3の種類の画像Iの一例である。CPU11は、第4画像I4のように第3の種類の画像Iが画像記憶領域12bに記憶されている場合、画像認識により、ロゴを検出し、検出したロゴを含む検出領域51を特定する。この場合、検出領域51の内側が、非許可領域E1となり、画像領域E0から非許可領域E1を除いた領域が許可領域E2となる。また、第3の種類の画像Iの場合、画像領域E0における非許可領域E1の配置は任意となっている。画像領域E0における非許可領域E1の配置を決定する方法については、後述する。
【0025】
なお、
図3ないし
図6に示した第1画像I1、第2画像I2、第3画像I3および第4画像I4は、顧客から提供された画像そのものでもよいし、顧客から提供された画像を、ディスプレー20のX方向およびY方向の少なくとも一方における画面サイズに合わせて自動加工したものであってもよい。
【0026】
次に、
図7を参照し、オブジェクト記憶領域12cに記憶されるオブジェクトOJについて説明する。オブジェクト記憶領域12cには、プリンター1の状態ごとに、一つ以上のオブジェクトOJが記憶されている。同図は、オブジェクト記憶領域12cに、プリンター1が通常動作中に表示される二つのオブジェクトOJと、紙ジャムエラー発生時に表示される三つのオブジェクトOJが記憶されている場合を示している。なお、紙ジャムエラーとは、プリンター1の印刷媒体搬送機構による紙の搬送によって発生する紙詰まりを意味する。
【0027】
また、オブジェクト記憶領域12cでは、プリンター1の状態に対応して、二つ以上のオブジェクトOJが記憶されている場合、各オブジェクトOJに優先順位が設定されている。以下では最も優先順位が高いオブジェクトOJを優先オブジェクトOJ1と呼ぶ。優先オブジェクトOJ1は、後述する表示処理(
図13ないし
図15参照)において、最初に選択されるオブジェクトOJである。例えば、通常動作中に表示される二つのオブジェクトOJについては、文字列「動作中です」が優先オブジェクトOJ1となり、紙ジャムエラー発生時に表示される三つのオブジェクトOJについては、文字列「紙ジャムが発生しています」が優先オブジェクトOJ1となる。
【0028】
なお、各状態における2行目以下のオブジェクトOJは、関連オブジェクトOJ2である。関連オブジェクトOJ2は、優先オブジェクトOJ1に比べて、オブジェクトOJの表示領域であるオブジェクト領域55(
図8等参照)が小さいオブジェクトOJである。
【0029】
また、紙ジャムエラー発生時に表示されるオブジェクトOJのように、関連オブジェクトOJ2が二つ以上存在する場合は、表示領域の大きい順に、関連オブジェクトOJ2の優先度が決定される。オブジェクトOJが文字列の場合であって、文字サイズが一律である場合、CPU11は、文字数の多い順に、関連オブジェクトOJ2の優先度を決定する。したがって、紙ジャムエラー発生時に表示される関連オブジェクトOJ2については、文字列「紙ジャム発生」より文字列「エラー」の優先度が低くなる。なお、関連オブジェクトOJ2は、文字や文字列の他、アイコンなどの画像であってもよい。
【0030】
ここで、オブジェクトOJの選択、および画像Iの選択の概要を説明する。上記のオブジェクト選択部130(
図2参照)は、プリンター1の状態が変化したとき、変化したプリンター1の状態に応じて優先オブジェクトOJ1を選択する。また、上記の画像選択部120は、画像記憶領域12bに記憶されている複数の画像Iについて、許可領域E2を特定し、特定した許可領域E2に、選択した優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iのなかから、表示対象となる画像である対象画像を選択する。以下、許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iを、「収容可能画像」と称する。但し、複数の画像Iのなかに収容可能画像が二つ以上含まれる場合、画像選択部120は、二つ以上の収容可能画像のうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを、対象画像として選択する。
【0031】
また、画像選択部120は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、複数の画像Iを縮小する。これによってディスプレー20の画面領域、すなわち画像領域E0に生じた余白は許可領域E2に含める。そのため、許可領域E2を拡大したとみることも可能であり、縮小された画像Iの許可領域E2を拡大許可領域E2´(
図11参照)として特定する。そして、画像選択部120は、複数の画像Iのうち、特定した拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iのなかから、対象画像を選択する。以下、拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iを、「拡大収容可能画像」と称する。この「拡大収容可能画像」は1の画像Iを縮小した画像である。なお、この縮小については、小さくしすぎると画像Iが読めなくなるため、画像I毎か一律に予め限界となる倍率を決めておくことが望ましいが、画像Iの内容を解析して、画像Iが読める程度に自動で限界となる倍率を決めてもよい。
【0032】
また、取得部110は、複数の画像Iのなかに拡大収容可能画像が含まれない場合、優先オブジェクトOJ1に関連する関連オブジェクトOJ2を、優先度にしたがって取得する。そして、オブジェクト選択部130は、複数の画像Iのなかに、許可領域E2に関連オブジェクトOJ2が収まる画像Iが含まれる場合、優先オブジェクトOJ1に代えて関連オブジェクトOJ2を選択する。以下、許可領域E2に関連オブジェクトOJ2が収まる画像を、「関連収容可能画像」と称する。この場合、関連オブジェクトOJ2を選択するオブジェクト選択部130と関連収容可能画像を選択する画像選択部120とを、関連選択部125と総称する。つまり、関連選択部125は、複数の画像Iおよび関連オブジェクトOJ2のなかから、関連オブジェクトOJ2と、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像と、の組を選択する。
【0033】
次に、
図8ないし
図12を参照し、画像IにオブジェクトOJを重畳させた場合の表示例について、具体例を挙げて説明する。ここでは、紙ジャムエラー発生時の表示例を示す。例えば、CPU11は、画像記憶領域12bに、第1画像I1(
図3参照)、第2画像I2(
図4参照)、第3画像I3(
図5参照)および第4画像I4(
図6参照)が記憶されており、これらの画像Iのうち、許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iが、第2画像I2と、第4画像I4と、であった場合、非許可領域E1が大きい方の第2画像I2を、対象画像として選択する。許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iとは、優先オブジェクトOJ1を含むオブジェクト領域55の全体が、許可領域E2に収まる画像を指す。つまり、CPU11は、優先オブジェクトOJ1が許可領域E2に重畳しないことを条件として、対象画像を選択する。さらに、CPU11は、オブジェクト領域55と非許可領域E1とが、所定距離以上離れている場合に「重畳しない」と判断し、所定距離以上離れていない場合は「重畳する」と判断してもよい。
【0034】
図8は、第2画像I2に優先オブジェクトOJ1を重畳させた場合の表示例を示す図である。CPU11は、プリンター1の状態に応じて選択した優先オブジェクトOJ1を、許可領域E2の所定位置に配置する。同図の例では、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を、許可領域E2の略中央に配置している。但し、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を許可領域E2からはみ出さずに配置できていれば配置のさせ方は任意である。
【0035】
また、CPU11は、例えば、画像記憶領域12bに記憶されている画像Iのうち、収容可能画像が第4画像I4のみであった場合、第4画像I4を、対象画像として選択する。なお、いずれの関連オブジェクトOJ2も全ての画像Iの許可領域E2に収まらない場合には、拡大収容可能画像の中からいずれかの関連オブジェクトOJ2を拡大許可領域E2´に収めることができる画像Iを選択する。そして、CPU11は、選択された拡大収容可能画像の拡大許可領域E2´に関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させる。
【0036】
図9は、第4画像I4に優先オブジェクトOJ1を重畳させた場合の表示例を示す図である。CPU11は、対象画像が、第4画像I4のように、第3の種類の画像Iの場合、ロゴの検出領域51である非許可領域E1を、画像領域E0の所定位置に配置する。同図の例では、CPU11は、非許可領域E1を、画像領域E0の略中央に配置している。また、CPU11は、プリンター1の状態に応じて選択した優先オブジェクトOJ1を、許可領域E2の所定位置に配置する。同図の例では、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を、許可領域E2の+Y方向端部且つX方向略中央に配置している。但し、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を許可領域E2の所定位置に配置できない場合、優先オブジェクトOJ1および非許可領域E1の少なくとも一方の位置をずらす。
【0037】
なお、対象画像が、第3の種類の画像Iの場合、画像領域E0における優先オブジェクトOJ1と非許可領域E1の配置は、種々のパターンが考えられるが、優先オブジェクトOJ1のオブジェクト領域55のサイズと、非許可領域E1のサイズと、に応じて、見栄えよく配置されることが好ましい。
【0038】
また、CPU11は、例えば、画像記憶領域12bに、第1画像I1と第3画像I3の二つの画像Iが記憶されている場合、第1画像I1は重畳が許可されていないため、第3画像I3の許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まるか否かを判断する。
図10は、第3画像I3に優先オブジェクトOJ1を重畳させた場合の表示例を示す図である。このように、第3画像I3の許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まらない場合、許可領域E2を拡大する拡大処理を行う。
【0039】
図11は、第3画像I3の許可領域E2を拡大した拡大第3画像I3´に優先オブジェクトOJ1を重畳させた場合の表示例を示す図である。CPU11は、画像記憶領域12bに収容可能画像が存在しない場合、第3画像I3を所定の割合で縮小することにより、非許可領域E1を縮小した縮小非許可領域E1´を特定する。このとき、CPU11は、非許可領域E1を縮小した縮小非許可領域E1´を、画像領域E0の所定位置に配置し、所定位置に配置された縮小非許可領域E1´を画像領域E0から除いた領域を、拡大許可領域E2´として特定する。同図の例では、CPU11は、縮小非許可領域E1´を、画像領域E0の-X方向端部且つ-Y方向端部に配置している。
【0040】
また、CPU11は、プリンター1の状態に応じて選択した優先オブジェクトOJ1を、特定した拡大許可領域E2´の所定位置に配置する。同図の例では、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を、拡大許可領域E2´の+Y方向端部且つX方向略中央に配置している。但し、CPU11は、優先オブジェクトOJ1を拡大許可領域E2´の所定位置に配置できない場合、優先オブジェクトOJ1および縮小非許可領域E1´の少なくとも一方の位置をずらす。
【0041】
また、CPU11は、例えば、画像記憶領域12bに、第1画像I1と第3画像I3の二つの画像Iが記憶されている場合であって、拡大第3画像I3´の拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まらない場合、優先オブジェクトOJ1に代えて、関連オブジェクトOJ2を選択する。
【0042】
図12は、第3画像I3に関連オブジェクトOJ2を重畳させた場合の表示例を示す図である。CPU11は、拡大処理を行っても、画像記憶領域12bに記憶されている複数の画像Iのなかから、優先オブジェクトOJ1を重畳可能な画像Iが見つからない場合、オブジェクト記憶領域12cから優先オブジェクトOJ1に関連するオブジェクトOJであって、優先オブジェクトOJ1よりも表示領域が小さい関連オブジェクトOJ2を取得する。CPU11は、複数の画像Iのなかから、関連収容可能画像を選択する。なお、CPU11は、複数の画像Iのなかに関連収容可能画像が二つ以上含まれる場合、二つ以上の関連収容可能画像のうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを、対象画像として選択する。
【0043】
CPU11は、対象画像として第3画像I3を選択した場合、第3画像I3の許可領域E2の所定位置に関連オブジェクトOJ2を配置する。同図の例では、CPU11は、関連オブジェクトOJ2を、許可領域E2の略中央に配置している。但し、CPU11は、関連オブジェクトOJ2を許可領域E2の所定位置に配置できない場合、関連オブジェクトOJ2の位置をずらす。
【0044】
次に、
図13ないし
図15のフローチャートを参照し、プリンター1による表示処理の流れを説明する。表示処理は、CPU11が制御プログラム12aを実行することにより実現される処理である。また、表示処理は、プリンター1の状態が変更したとき、すなわちオブジェクトOJの表示または切り替えが必要となったことをトリガーとして実行される処理である。
【0045】
図13に示すように、S01において、CPU11は、オブジェクト記憶領域12cから、プリンター1の状態に応じた優先オブジェクトOJ1を取得する。
【0046】
S02において、CPU11は、取得した優先オブジェクトOJ1のオブジェクト領域55を求める。優先オブジェクトOJ1が文字の場合、CPU11は、文字数、文字サイズおよびフォントに応じて、オブジェクト領域55のX方向およびY方向におけるサイズを求める。また、優先オブジェクトOJ1が画像の場合、CPU11は、画像サイズに応じて、オブジェクト領域55を求める。
【0047】
S03において、CPU11は、画像記憶領域12bに記憶されている複数の画像Iを取得する。
【0048】
S04において、CPU11は、取得した複数の画像Iについて、それぞれ許可領域E2を特定し、特定した許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iである収容可能画像を探す。ここで、画像Iのヘッダに記載されている許可領域E2の位置を読み込むことで許可領域E2を特定する。ただし、画像Iに対応する別ファイルなどの他の場所に記載されている許可領域E2の位置を読み込むことで許可領域E2を特定してもよいし、画像Iの内容を解析して許可領域E2を自動的に特定してもよい。
【0049】
S05において、CPU11は、収容可能画像が見つかったか否かを判断する。CPU11は、収容可能画像が見つかったと判断した場合、S06に進む。また、CPU11は、収容可能画像が見つからなかったと判断した場合、
図14のS11に進む。
【0050】
S06において、CPU11は、収容可能画像が二つ以上見つかったか否かを判断する。CPU11は、収容可能画像が二つ以上見つかったと判断した場合、S07に進む。また、CPU11は、収容可能画像が二つ以上見つからなかったと判断した場合、すなわち、収容可能画像が一つしか見つからなかった場合、S08に進む。
【0051】
S07において、CPU11は、見つかった二つ以上の収容可能画像のうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを対象画像として選択し、選択した対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S07の後、表示処理を終了する。
【0052】
S08において、CPU11は、見つかった収容可能画像を対象画像として選択し、選択した対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S08の後、表示処理を終了する。
【0053】
図14に示すように、S11において、CPU11は、S03にて取得した複数の画像Iについて、非許可領域E1を縮小することにより拡大許可領域E2´を特定し、特定した拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる画像Iである拡大収容可能画像を探す。
【0054】
S12において、CPU11は、拡大収容可能画像が見つかったか否かを判断する。CPU11は、拡大収容可能画像が見つかったと判断した場合、S13に進む。また、CPU11は、拡大収容可能画像が見つからなかったと判断した場合、
図15のS21に進む。
【0055】
S13において、CPU11は、拡大収容可能画像が二つ以上見つかったか否かを判断する。CPU11は、拡大収容可能画像が二つ以上見つかったと判断した場合、S14に進む。また、CPU11は、拡大収容可能画像が二つ以上見つからなかったと判断した場合、すなわち、拡大収容可能画像が一つしか見つからなかった場合、S15に進む。
【0056】
S14において、CPU11は、見つかった二つ以上の拡大収容可能画像のうち、拡大許可領域E2´が最も小さい画像Iを対象画像として選択し、選択した対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S14の後、表示処理を終了する。
【0057】
S15において、CPU11は、見つかった拡大収容可能画像を対象画像として選択し、選択した対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S15の後、表示処理を終了する。
【0058】
図15に示すように、S21において、CPU11は、オブジェクト記憶領域12cから、
図13のS01で取得した優先オブジェクトOJ1に関連する関連オブジェクトOJ2を取得する。つまり、CPU11は、S01で取得した優先オブジェクトOJ1と、プリンター1の同じ状態を示す関連オブジェクトOJ2を取得する。
【0059】
S22において、CPU11は、複数の画像Iのなかから、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる画像Iである関連収容可能画像を探す。関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まるか否かは、優先オブジェクトOJ1と同様に、関連オブジェクトOJ2を含むオブジェクト領域55の全体が許可領域E2に収まるか否かに応じて判断される。CPU11は、S21において複数の関連オブジェクトOJ2を取得した場合、まず優先度の高い関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像を探し、見つからなかった場合、次に優先度の高い関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像を探す。CPU11は、関連収容可能画像が見つかったとき、または、全ての関連オブジェクトOJ2について許可領域E2に収まるか否かの判断を終えたとき、S23に進む。
【0060】
S23において、CPU11は、関連収容可能画像が見つかったか否かを判断する。CPU11は、関連収容可能画像が見つかったと判断した場合、S25に進む。また、CPU11は、関連収容可能画像が見つからなかったと判断した場合、S24に進む。
【0061】
S24において、CPU11は、画像Iを表示させず、優先オブジェクトOJ1のみをディスプレー20に表示させる。この優先オブジェクトOJ1は、
図13のS01で取得したものである。CPU11は、S24の後、表示処理を終了する。
【0062】
S25において、CPU11は、関連収容可能画像が収まる関連オブジェクトOJ2を選択する。ここでは、CPU11は、S22で関連収容可能画像を見つけたときに、許可領域E2に収まるか否かを判断した関連オブジェクトOJ2を取得する。
【0063】
S26において、CPU11は、関連収容可能画像が二つ以上見つかったか否かを判断する。CPU11は、関連収容可能画像が二つ以上見つかったと判断した場合、S27に進む。また、CPU11は、関連収容可能画像が二つ以上見つからなかったと判断した場合、すなわち、関連収容可能画像が一つしか見つからなかった場合、S28に進む。
【0064】
S27において、CPU11は、見つかった二つ以上の関連収容可能画像のうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを対象画像として選択し、選択した対象画像に関連オブジェクトOJ2を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S27の後、表示処理を終了する。
【0065】
S28において、CPU11は、見つかった関連収容可能画像を対象画像として選択し、選択した対象画像に関連オブジェクトOJ2を重畳してディスプレー20に表示させる。CPU11は、S28の後、表示処理を終了する。
【0066】
以上説明したとおり、本実施形態に係るプリンター1は、画像記憶領域12bに記憶されている複数の画像Iについて許可領域E2を特定し、特定した許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる収容画像のなかから、優先オブジェクトOJ1が重畳される対象画像を選択するため、非許可領域E1に優先オブジェクトOJ1が重なってしまうことを抑制できる。
【0067】
また、プリンター1は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が二つ以上含まれる場合、これらのうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを、対象画像として選択するため、できるだけ非許可領域E1が大きい画像Iを対象画像として選択できる。これにより、画像Iに含まれるロゴをできるだけ強調することができる。特に、ディスプレー20のサイズが小さい場合、画面を有効活用することが望まれるため、できるだけ非許可領域E1が大きい画像Iを選択することで、ロゴの視認性を確保できる。
【0068】
また、プリンター1は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、複数の画像Iについて、非許可領域E1を縮小することにより許可領域E2を拡大した拡大許可領域E2´を特定し、特定した拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる拡大収容可能画像のなかから対象画像を選択するため、対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳できない可能性を低くすることができる。
【0069】
また、プリンター1は、複数の画像Iのなかに拡大収容可能画像が含まれない場合、優先オブジェクトOJ1よりも表示領域が小さい関連オブジェクトOJ2を取得し、複数の画像Iのなかに、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像が含まれる場合、優先オブジェクトOJ1に代えて関連オブジェクトOJ2を選択するため、拡大収容可能画像のなかから優先オブジェクトOJ1を重畳可能な対象画像を選択できない場合でも、関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させることができる。
【0070】
なお、上記の実施形態によらず、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
画像Iは、非許可領域E1と許可領域E2とからなる。そのため、許可領域E2の特定とは、非許可領域E1の特定と同じことである。例えば、画像Iのヘッダや画像Iに対応する別ファイルに記載されている非許可領域E1の位置を読み込むことで許可領域E2を特定してもよい。
【0071】
[変形例2]
プリンター1は、表示処理において、取得した複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、許可領域E2を拡大する拡大処理を行ったが、拡大処理を行うことなく、優先オブジェクトOJ1のみをディスプレー20に表示させて、表示処理を終了してもよい。つまり、
図13のS05:Noと判断した場合、
図15のS24に進んでもよい。
【0072】
[変形例3]
同様に、プリンター1は、表示処理において、取得した複数の画像Iのなかに拡大収容可能画像が含まれない場合、関連収容可能画像を探す処理を行ったが、関連収容可能画像を探す処理を行うことなく、優先オブジェクトOJ1のみをディスプレー20に表示させて、表示処理を終了してもよい。つまり、
図14のS12:Noと判断した場合、
図15のS24に進んでもよい。
【0073】
[変形例4]
プリンター1は、表示処理において、取得した複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、許可領域E2を拡大する拡大処理を行ったが、拡大処理を行うことなく、関連収容可能画像を探す処理を行ってもよい。つまり、
図13のS05:Noと判断した場合、
図15のS21に進んでもよい。
【0074】
[変形例5]
また、プリンター1は、表示処理において、関連収容可能画像を探す処理を行った後に、拡大処理を行ってもよい。つまり、
図13のS05:Noと判断した場合、
図15のS21に進み、
図15のS23:Noと判断した場合、
図14のS11に進み、
図14のS12:Noと判断した場合、
図15のS24に進んでもよい。
【0075】
[変形例6]
画像Iは、顧客、すなわちプリンター1が設置される企業等のロゴを示すものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、画像Iは、写真やイラストであってもよい。例えば、複数の画像Iは、企業等のロゴを示す画像が1つと企業等のイメージキャラクターのイラスト画像が2つと企業の外観写真が3つ、なども考えられる。
【0076】
[変形例7]
画像記憶領域12bには、複数の画像Iが記憶されているものとしたが、必ずしも三つの種類の画像Iを記憶させておく必要はない。例えば、画像記憶領域12bに、第1の種類の画像Iが含まれない場合、プリンター1は、待機中のときであっても、第2の種類または第3の種類に分類される画像Iを表示させてもよい。
【0077】
[変形例8]
プリンター1は、表示対象となるオブジェクトOJを、一つのみ選択したが、複数選択する構成でもよい。つまり、プリンター1は、優先オブジェクトOJ1および関連オブジェクトOJ2を、それぞれ複数選択して、対象画像に重畳表示させてもよい。この場合、プリンター1は、画像Iの許可領域E2または拡大許可領域E2´に、複数のオブジェクトOJが収まるか否かを判断すればよい。
【0078】
[変形例9]
第2画像I2や第3画像I3など、第2の種類の画像Iは、画像領域E0に、非許可領域E1と、許可領域E2とを、それぞれ一つずつ含む例を示したが、それぞれ複数ずつ含む画像Iであってもよい。プリンター1は、画像領域E0に複数の許可領域E2が含まれる場合、且つ、複数のオブジェクトOJが選択される場合、複数の許可領域E2に、複数のオブジェクトOJを分散配置してもよい。
【0079】
[変形例10]
関連オブジェクトOJ2は、優先オブジェクトOJ1を編集したものであってもよい。例えば、関連オブジェクトOJ2は、優先オブジェクトOJ1を縮小させたものでもよい。また、優先オブジェクトOJ1が文字列の場合、文字列を改行させたものを関連オブジェクトOJ2としてもよい。この場合、プリンター1は、配置判断を行うタイミングで予め設定された改行候補位置の中から改行位置を決定することが好ましい。ただし、プリンター1の出荷時から改行済みの文字列を関連オブジェクトOJ2として記憶していてもよい。
【0080】
[変形例11]
プリンター1は、画像記憶領域12bおよびオブジェクト記憶領域12cを有していたが、画像IおよびオブジェクトOJの少なくとも一方を、Webサーバー等の外部装置や、挿入されているメモリーカード等の外部記憶媒体から取得する構成でもよい。
【0081】
[変形例12]
上記の実施形態および各変形例に示したプリンター1の各処理を実行する方法、各処理を実行するためのプログラム、またそのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体も、発明の権利範囲に含まれる。また、プリンター1に代えて、表示機能を有する電子機器を、表示装置として用いてもよい。また、複数の機器が連携することで上記の実施形態および各変形例に示したプリンター1として各処理を実行してもよい。その他、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0082】
[付記]
以下、表示装置について付記する。
表示装置の一例であるプリンター1は、複数の画像Iと、優先オブジェクトOJ1と、を取得し、複数の画像Iのなかから、優先オブジェクトOJ1が重畳される対象画像を選択し、対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳して表示させるCPU11を備え、CPU11は、複数の画像Iについて、優先オブジェクトOJ1の重畳が許可された許可領域E2を特定し、複数の画像Iのうち、特定した許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる収容可能画像のなかから、対象画像を選択する。
【0083】
この構成によれば、プリンター1は、複数の画像Iについて、優先オブジェクトOJ1の重畳が許可された許可領域E2を特定し、特定した許可領域E2に優先オブジェクトOJ1が収まる収容画像のなかから、優先オブジェクトOJ1が重畳される対象画像を選択する。このため、ある画像では優先オブジェクトOJ1の重畳が許可されていない非許可領域E1に優先オブジェクトOJ1が重なってしまうとしても他の画像を用いることで非許可領域E1に優先オブジェクトOJ1が重なることを抑制できる。
【0084】
上記のプリンター1において、CPU11は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が二つ以上含まれる場合、二つ以上の収容可能画像のうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを、対象画像として選択することが好ましい。
【0085】
この構成によれば、プリンター1は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が二つ以上含まれる場合、これらのうち、許可領域E2が最も小さい画像Iを、対象画像として選択するため、できるだけ非許可領域E1が大きい画像Iを対象画像として選択できる。
【0086】
上記のプリンター1において、CPU11は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、複数の画像Iについて、画像Iを縮小することにより画像Iを表示する画面領域に生じた余白を許可領域E2に含めた拡大許可領域E2´を特定し、複数の画像Iのうち、特定した拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる拡大収容可能画像のなかから、対象画像を選択することが好ましい。
【0087】
この構成によれば、プリンター1は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、複数の画像Iについて、拡大許可領域E2´を特定し、特定した拡大許可領域E2´に優先オブジェクトOJ1が収まる拡大収容可能画像のなかから対象画像を選択する。このため、対象画像に優先オブジェクトOJ1を重畳できない可能性を低くすることができる。
【0088】
上記のプリンター1において、CPU11は、複数の画像Iのなかに拡大収容可能画像が含まれない場合、優先オブジェクトOJ1よりも表示領域が小さい関連オブジェクトOJ2を取得し、複数の画像I及び関連オブジェクトOJ2のなかから、関連オブジェクトOJ2と、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像との組を選択し、選択された対象画像に選択された関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させることが好ましい。
【0089】
この構成によれば、プリンター1は、複数の画像Iのなかに拡大収容可能画像が含まれない場合、且つ、複数の画像Iのなかに、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像が含まれる場合、関連オブジェクトOJ2と、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像との組を選択する。このため、拡大収容可能画像のなかから優先オブジェクトOJ1を重畳可能な対象画像を選択できない場合でも、関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させることができる。
【0090】
上記のプリンター1において、CPU11は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、優先オブジェクトOJ1よりも表示領域が小さい関連オブジェクトOJ2を取得し、複数の画像I及び関連オブジェクトOJ2のなかから、関連オブジェクトOJ2と、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像との組を選択し、選択された対象画像に選択された関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させることが好ましい。
【0091】
この構成によれば、プリンター1は、複数の画像Iのなかに収容可能画像が含まれない場合、且つ、複数の画像Iのなかに、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像が含まれる場合、関連オブジェクトOJ2と、関連オブジェクトOJ2が許可領域E2に収まる関連収容可能画像との組を選択する。このため、収容可能画像のなかから優先オブジェクトOJ1を重畳可能な対象画像を選択できない場合でも、関連オブジェクトOJ2を重畳して表示させることができる。
【符号の説明】
【0092】
20…ディスプレー、55…オブジェクト領域、E0…画像領域、E1…非許可領域、E2…許可領域、I2…第2画像、OJ1…優先オブジェクト