(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20240521BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240521BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240521BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240521BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/625
H01M50/227
H01M50/244 A
H01M50/249
(21)【出願番号】P 2020008886
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183689
【氏名又は名称】諏訪 華子
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】閔 紅弼
(72)【発明者】
【氏名】平岩 義雄
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-288527(JP,A)
【文献】特開2014-216248(JP,A)
【文献】特開2006-339048(JP,A)
【文献】特開2012-234795(JP,A)
【文献】特開2018-129138(JP,A)
【文献】特開2018-098074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 50/227
H01M 50/244
H01M 50/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される二次電池のバッテリーパックにおいて、
発泡性樹脂で前記二次電池の周囲を被覆する形状に形成された容器を備え、
前記容器が、前記二次電池に嵌合する嵌合部と、前記二次電池の表面に対し冷媒が流れる隙間をあけて、前記二次電池の表面に沿った形状に型取られた型取り部と
、前記二次電池の表面に接触する複数の突条が列をなして設けられたリブ部とを有する
ことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記型取り部が、前記二次電池に嵌合する形状を外側に拡大した形状に形成される
ことを特徴とする、請求項1記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記嵌合部が、前記二次電池の底面を囲む辺に嵌合し、
前記型取り部が、前記二次電池の底面に対して所定の間隔をあけて設けられる
ことを特徴とする、請求項1または2記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記突条が、前記冷媒の流通方向に沿って延設される
ことを特徴とする、請求項
1~3のいずれか1項に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記容器を介して前記二次電池を間接的に支持するとともに、車体に固定されるフレームを備える
ことを特徴とする、請求項1~
4のいずれか1項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記容器が、前記二次電池の下部を支持する下部トレイと、前記下部トレイの上部に取り付けられる上部カバーとを有し、
前記型取り部が、前記下部トレイと前記上部カバーとの境界をまたいで形成される
ことを特徴とする、請求項1~
5のいずれか1項に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される二次電池のバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるバッテリーパックにおいて、容器を発泡性樹脂で形成することで周囲からの輻射熱を遮断できるようにしたものが提案されている。すなわち、断熱性能の高い材料で二次電池を囲み、外気温の影響を受けにくくしたものである。発泡性樹脂の素材としては、発泡ポリプロピレン,発泡ポリエチレン,発泡ポリスチレンなどが挙げられる。これらの発泡性樹脂は鋼材と比較してクッション性が高く、例えば二次電池に作用する外力を減少させるのに有用である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリーパック内に収容される二次電池は、充放電に伴い発熱し、温度が徐々に上昇する。また、バッテリーパック内にインバーターやコンバーターなどの変換回路が内蔵されている場合には、これらの変換回路も作動中に発熱する。一方、容器を断熱性能の高い材料形成すると、バッテリーパック内で発生した熱が放熱されにくくなる。したがって、バッテリーパック内で発生した熱が効率よく排出される構造にすることが望ましい。
【0005】
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、緩衝性能を向上させつつ冷却効率を改善できるようにしたバッテリーパックを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のバッテリーパックは、車両に搭載される二次電池のバッテリーパックにおいて、発泡性樹脂で二次電池の周囲を被覆する形状に形成された容器を備える。容器は、二次電池に嵌合する嵌合部と、二次電池の表面に対し冷媒が流れる隙間をあけて、二次電池の表面に沿った形状に型取られた型取り部と、二次電池の表面に接触する複数の突条が列をなして設けられたリブ部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
開示のバッテリーパックによれば、緩衝性能を向上させつつ冷却効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例としてのバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図2】
図1に示す上部カバーを裏返した斜視図である。
【
図4】
図1に示すバッテリーパック(二次電池)の断面図である。
【
図5】
図1に示すバッテリーパック(電装品)の断面図である
【
図6】変形例としてのバッテリーパック(二次電池)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.構成]
図1~
図6を参照して、実施例及び変形例としてのバッテリーパック10を説明する。図中に示す上下方向は、車両に搭載された状態を基準とした方向を表す。バッテリーパック10は、車両に搭載される二次電池3のバッテリーパック10であり、少なくとも発泡性樹脂で二次電池3の周囲を被覆する形状に形成された容器1,2を備える。発泡性樹脂の素材としては、発泡ポリプロピレン(EPP),発泡ポリエチレン(EPE),発泡ポリスチレン(EPS)などが挙げられる。
【0010】
図1に示すバッテリーパック10の容器1,2の内部には、二次電池3と電装品4とが内蔵されているが、電装品4は省略可能である。これらの二次電池3及び電装品4は、バッテリーパック10の内部において、図示しない電線で互いに接続される。また、二次電池3及び電装品4は、図示しないワイヤーハーネスやバスバーなどを介して、バッテリーパック10の外部に設けられる各種車載装置に接続される。
【0011】
二次電池3は、例えばリチウムイオン二次電池,リチウムイオンポリマー電池,ニッケル水素二次電池,鉛蓄電池などである。ここでいう二次電池3には、単電池(電池セル)だけでなく組電池(電池モジュール)が含まれる。また、電装品4は、例えばインバーターやコンバーターなどの変換回路を含む電力変換装置である。二次電池3に蓄えられている電力の一部は、電力変換装置で変換された後に各種車載装置へと給電される。
図1に示す電装品4はDC-DCコンバーターであり、多数のトランジスタ(半導体素子)が実装された基板5とこれを冷却するための放熱器6とを有する。
【0012】
図1に示すバッテリーパック10の容器1,2は、下部トレイ1と上部カバー2とを組み合わせて形成される。下部トレイ1は、二次電池3の下部を支持する容器であり、上部カバー2は、下部トレイ1の上部に取り付けられる容器である。上部カバー2は、その下面21が下部トレイ1の上面11に面接触するように取り付けられる。また、これらの容器1,2の下方にはフレーム30が設けられる。フレーム30は、車体に固定される部材であり、バッテリーパック10の容器1,2を介して二次電池3を間接的に支持する機能を持つ。
図1中の梁フレーム31は、例えば車両のサイドメンバーやクロスメンバーに固定される水平材である。また、
図1中の面フレーム32は、下部トレイ1の下方を支持する面状のフレームである。
【0013】
図2に示すように、下部トレイ1には、下部トレイ1の上面11から下方に向かって凹んだ形状に設けられた嵌合部12及び型取り部13が設けられる。嵌合部12は、二次電池3に嵌合する部位である。嵌合部12は、例えば二次電池3の底面を囲む四辺のうち、互いに対向する二辺に嵌合するように形成される。また、型取り部13は、二次電池3の表面に対して冷媒が流れる隙間をあけて形成される部位であって、二次電池3の表面に沿った形状に型取られた部位である。
【0014】
型取り部13の形状は、二次電池3に嵌合する形状を外側に拡大した形状とされる。
図4に示すように、型取り部13は、二次電池3が下部トレイ1に収容された状態において、二次電池3の底面に対して所定の間隔をあけて設けられる。二次電池3の底面から型取り部13の表面までの距離(隙間寸法)は、例えば数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲内で設定され、好ましくはほぼ一定の値に設定される。
【0015】
下部トレイ1には、外気導入部14,載せ部15,穴部16,第二型取り部17,通路部18が設けられる。外気導入部14は、バッテリーパック10の外部と型取り部13とを連通接続する通路になる部位である。外気導入部14には、例えば
図1に示すダクト7が接続され、空調装置で冷却された空気がバッテリーパック10の内部へと導入される。載せ部15は、電装品4が載せられる部位であり、下部トレイ1の上面11よりも下方において平面状に形成される。載せ部15には、後述する上部カバー2の係合部26と係合する複数の穴部16が設けられる。穴部16の形状は、例えば円筒穴状に形成され、あるいは下方側が縮径された円錐台穴状に形成される。穴部16に係合部26を係合させることで、下部トレイ1と上部カバー2との間に電装品4の基板5が固定されるようになっている。
【0016】
第二型取り部17は、下部トレイ1の上面11から下方に向かって凹んだ形状に設けられた部位であって、電装品4が下部トレイ1に収容された状態において、電装品4の底面に対して所定の間隔をあけて設けられる部位である。言い換えれば、第二型取り部17は電装品4の表面に対して冷媒が流れる隙間をあけて形成され、電装品4の表面に沿った形状に型取られた部位である。
図5に示すように、第二型取り部17の形状は、電装品4に嵌合する形状を外側に拡大した形状とされる。電装品4の底面から第二型取り部17の表面までの距離(隙間寸法)は、例えば数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲内で設定され、好ましくはほぼ一定の値に設定される。
【0017】
通路部18は、型取り部13と第二型取り部17とを連通接続する通路になる部位である。外気導入部14から型取り部13の中へ導入された空気は、二次電池3を冷却した後に通路部18を通過し、基板5の下面側を冷却するように機能する。また、基板5を冷却した空気は、基板5と第二型取り部17との隙間から上方へと移動し、放熱器6を冷却するように機能する。このように、バッテリーパック10の外部から導入された空気によって電装品4の全体が冷却される。
【0018】
図3に示すように、上部カバー2には、上部カバー2の下面21から上方に向かって凹んだ形状に設けられた嵌合部22及び型取り部23が設けられる。嵌合部22は、下部トレイ1の嵌合部12と同様に、二次電池3に嵌合する部位である。嵌合部22は、例えば二次電池3の頂面を囲む四辺のうち、互いに対向する二辺に嵌合するように形成される。また、型取り部23は、下部トレイ1の型取り部13と同様に、二次電池3の表面に対して冷媒が流れる隙間をあけて形成される部位であって、二次電池3の表面に沿った形状に型取られた部位である。
【0019】
型取り部23の形状は、二次電池3に嵌合する形状を外側に拡大した形状とされる。型取り部23は、二次電池3が上部カバー2に収容された状態において、二次電池3の頂面に対して所定の間隔をあけて設けられる。二次電池3の頂面から型取り部23の表面までの距離(隙間寸法)は、例えば数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲内で設定され、好ましくはほぼ一定の値に設定される。
【0020】
上部カバー2には、外気導入部24,押さえ部25,係合部26,通気孔27,リブ部28が設けられる。外気導入部24は、外気導入部14とともに、バッテリーパック10の外部と型取り部23とを連通接続する通路になる部位である。外気導入部24には、例えば
図1に示すダクト7が接続される。押さえ部25は、電装品4を載せ部15に押し付ける部位であり、上部カバー2の下面21よりも下方において平面状に形成される。押さえ部25には、穴部16に係合する形状を持つ複数の係合部26が突設される。係合部26の形状は、穴部16に対応する形状(例えば下方側が縮径された円錐台状や円筒状)に形成される。
【0021】
通気孔27は、バッテリーパック10の外部と第二型取り部17とを連通接続する通路になる部位である。通気孔27は、
図5に示すように、電装品4が下部トレイ1に収容された状態において、電装品4の上方からバッテリーパック10の上面に向かって上部カバー2を上下に貫通するように形成される。また、通気孔27の上にはファン8が取り付けられる。ファン8は、
図1に示すように、バッテリーパック10の内部から空気を吸引して遠心方向へ吹き出すように機能する。
【0022】
リブ部28は、
図4に示すように、二次電池3の表面に接触する複数の突条(リブ)が列をなして設けられた部位である。各リブの下端面は、二次電池3の上面に接触し、わずかに圧縮変形した状態で二次電池3を弾性的に支持するように機能する。また、各リブに挟まれた空間は、バッテリーパック10の内部へ導入された空気の流路として機能する。したがって、二次電池3の下面だけでなく上面も、冷たい空気によって効率的に冷却される。
【0023】
[2.作用,効果]
(1)上記の実施例では、バッテリーパック10の容器1,2が発泡性樹脂で形成され、嵌合部12,22と型取り部13,23とが設けられる。型取り部13,23の形状が二次電池3の表面に沿った形状であることから、冷却用の空気が容器1,2の内部で滞留(あるいは循環)することがなくなり、空気を効率よく二次電池3に接触させることができる。したがって、二次電池3の外力に対する保護性能(緩衝性能)を向上させつつ、二次電池3の冷却効率を改善することができる。また、二次電池3の誤組み付けを抑制することができ、製造時の作業効率を向上させることができる。
【0024】
(2)上記の実施例では、型取り部13,23が二次電池3に嵌合する形状を外側に拡大した形状に形成される。例えば、
図4に示す断面における型取り部13,23の形状は、二次電池3の輪郭形状を拡大した形状に対応するように設定される。このような設定により、例えば特許文献1に記載の箱状ケースを使用した場合と比較して、冷却用の空気が流れる空間の体積を減少させることができる。したがって、二次電池3の冷却効率を向上させることができる。また、発泡性樹脂の厚み(容器1,2の外表面から内表面までの寸法)を増加させることができ、外力に対する二次電池3の保護性能を向上させることができる。さらに、容器1,2の内表面から二次電池3の表面までの寸法(隙間寸法)がほぼ一定の値になるため、冷却用の空気の流れを均一にでき、二次電池3の冷却効率をさらに向上させることができる。
【0025】
(3)上記の実施例では、下部トレイ1の嵌合部12が二次電池3の底面を囲む辺に嵌合する形状に形成される。また、下部トレイ1の型取り部13は、二次電池3の底面に対して所定の間隔をあけて設けられる。このような構造により、二次電池3の支持状態を安定させつつ冷却性能を確保することができる。また、二次電池3の下方に隙間を設けておくことで、例えば容器1,2の内部で結露が発生した場合に、結露水を二次電池3から離隔させることができ、二次電池3の表面の汚損や腐食の発生を防止することができる。
【0026】
(4)上記の実施例の上部カバー2には、二次電池3の表面に接触する複数の突条が列をなして設けられたリブ部28が設けられる。このような構造により、上部カバー2から二次電池3へと適度な圧力を付与することができ、二次電池3の支持状態をさらに安定させることができる。また、二次電池3が弾性的に支持されることから、二次電池3の外力に対する保護性能(緩衝性能)をさらに向上させることができる。加えて、リブ部28の各リブに挟まれた空間を利用して二次電池3を冷却することができ、二次電池3の冷却効率をさらに改善することができる。
【0027】
(5)上記の実施例では、リブ部28の各リブが冷媒の流通方向に沿って延設される。例えば
図3に示すように、各リブの延在方向は、外気導入部24から導入される空気の流通方向と平行に設定される。このような設定により、各リブに沿った空気の流れを形成しやすくすることができ、空気をよどみなくスムーズに流通させることができる。したがって、二次電池3の冷却効率をさらに改善することができる。
【0028】
(6)上記の実施例では、容器1,2の下方にフレーム30が設けられる。フレーム30は車体に固定される部材であり、容器1,2を介して二次電池3を間接的に支持する機能を持つ。このようなフレーム30を設けることで、車両に対するバッテリーパック10の取付強度を確保しつつ、二次電池3の保護性能を高めることができる。なお、金属製のフレーム30を用いれば、バッテリーパック10の取付強度を高めることが容易である。また、
図4,
図5に示すように、バッテリーパック10の下方をフレーム30で支える構造にすることで、バッテリーパック10の取付強度を確保しつつ、二次電池3の保護性能を高めることができる。
【0029】
[3.変形例]
上記の実施例はあくまでも例示に過ぎず、本実施例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施例の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0030】
例えば、フレーム30は金属製であってもよいし樹脂製であってもよい。二次電池3や電装品4についても同様である。また、上述の実施例では下部トレイ1,上部カバー2の各々に嵌合部12,22や型取り部13,23が設けられているが、嵌合部12,22を下部トレイ1,上部カバー2のいずれか一方に設けるとともに、型取り部13,23を下部トレイ1,上部カバー2のいずれか一方に設けてもよい。少なくとも、発泡性樹脂で形成された容器1,2に嵌合部12,22及び型取り部13,23を設けることで、上記の実施例と同様の効果を奏するものとなる。
【0031】
図6は、変形例としてのバッテリーパック10の断面図である。このバッテリーパック10のフレーム30には、金属製の上フレーム33と下フレーム34とが含まれる。上フレーム33は、上部カバー2の内部を通過するように装入される部材であり、下フレーム34は、下部トレイ1の内部を通過するように装入される部材である。これらのフレーム33,34は、締結具35で締結固定される。このように、二つのフレーム33,34で二次電池3を挟み込む構造にすることで、リブ部28の圧縮代を一定にすることができ、二次電池3の支持状態を安定させることができる。
【0032】
また、
図6に示すように、二次電池3の上方だけでなく下方にも第二リブ部19を設けてもよい。第二リブ部19の上端面は、二次電池3の下面に接触し、わずかに圧縮変形した状態で二次電池3を弾性的に支持するように機能する。したがって、二次電池3の外力に対する保護性能(緩衝性能)をさらに向上させることができる。また、第二リブ部19の各リブに挟まれた空間を利用して二次電池3を冷却することができ、二次電池3の冷却効率をさらに改善することができる。
【0033】
また、二次電池の3の上方や下方だけでなく側方に型取り部13,23を配置してもよい。すなわち、冷却用の空気を二次電池の3の側方に流通させてもよい。この場合、
図6に示すように、下部トレイ1と上部カバー2との境界をまたぐように型取り部13,23を形成することで、二次電池3の周囲に構造的な余裕を持たせることができ、二次電池3を容器1,2の内部に収容する作業が容易となる。したがって、バッテリーパック10の生産性を向上させることができる。また、二次電池3の冷却効率をさらに改善することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 下部トレイ(容器)
2 上部カバー(容器)
3 二次電池
4 電装品
5 基板
6 放熱器
7 ダクト
8 ファン
10 バッテリーパック
11 上面
12 嵌合部
13 型取り部
14 外気導入部
15 載せ部
16 穴部
17 第二型取り部
18 通路部
19 第二リブ部
21 下面
22 嵌合部
23 型取り部
24 外気導入部
25 押さえ部
26 係合部
27 通気孔
28 リブ部
30 フレーム