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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】記録材搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/52 20060101AFI20240521BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20240521BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B65H3/52 320B
B65H3/08 310A
G03G15/00 405
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020016150
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021123435
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 政仁
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特表平04-504094(JP,A)
【文献】米国特許第06450493(US,B1)
【文献】特開2000-062978(JP,A)
【文献】特開平09-194062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/52
B65H 3/08
B65H 3/48
B65H 3/66
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を上方から吸着する吸着部と、
前記吸着部に吸着している記録材の縁部に対して空気を吹き付ける吹き付け手段と、
前記吹き付け手段により前記縁部に対して吹き付けられる空気が当該縁部に向かうように空気の案内を行う空気案内部と、
前記吸着部に吸着した記録材が押し当てられ前記縁部に波形形状を付与する凹凸部と、
を備え、
前記空気案内部は、前記凹凸部が設けられた部材に設けられている記録材搬送装置。
【請求項2】
前記吹き付け手段は、前記吸着部よりも上側から且つ前記縁部から離れた側から、斜め下方に向けて空気を送り、当該縁部に対して空気を吹き付ける請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
前記吸着部よりも下側からの空気が当該吸着部よりも上方へ向かった後に、当該空気が下方へ向かい、当該吸着部よりも上側から、前記縁部への空気の吹き付けが行われる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項4】
前記空気案内部により空気が案内されて、上方へ向かった空気が下方へ向かう請求項3に記載の記録材搬送装置。
【請求項5】
前記記録材搬送装置に設置された部材の下面が利用されて、前記吸着部よりも上方へ向かった空気の案内が行われ、当該空気が下方へ向かう請求項4に記載の記録材搬送装置。
【請求項6】
前記下面には、前記記録材の前記縁部から離れた側から当該縁部に近い側に接近するに従い下る傾斜面が形成され、当該傾斜面によって、下方へ向かう空気が当該縁部へ向かう請求項5に記載の記録材搬送装置。
【請求項7】
前記下面のうち、前記傾斜面よりも前記縁部から離れた側には、前記吸着部よりも上方に向かった前記空気を当該傾斜面側に案内する案内部が設けられている請求項6に記載の記録材搬送装置。
【請求項8】
前記空気案内部は、前記吸着部よりも上方へ向かった空気の案内を行い、
前記空気案内部には、上側に向かって凸となる凹部が形成され、
前記凹部の内面により、前記吸着部よりも上方に向かった空気が案内され、上方へ向かった当該空気が下方へ向かい、当該下方へ向かった空気が前記縁部に吹き付けられる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項9】
前記凹部の前記内面は、上側に向かって凸となるように形成され且つ曲率が付与されその断面形状が円弧を描くように形成されている請求項8に記載の記録材搬送装置。
【請求項10】
前記凹部の前記内面の対向位置には、当該内面との間に間隙を有して配置された対向部材が設けられている請求項8に記載の記録材搬送装置。
【請求項11】
前記縁部のうちの波形形状が付与されている部分に対して、前記吸着部よりも上側からの前記空気が吹き付けられる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項12】
前記空気案内部の前記凹部に向かう空気を排出する排出口がさらに設けられ、
前記縁部が延びる方向における、前記凹部の幅が、当該縁部が延びる方向における、前記排出口の幅以上となっている請求項8に記載の記録材搬送装置。
【請求項13】
記録材を上方から吸着する吸着部と、
前記吸着部に吸着している記録材の縁部の上側から、当該縁部に対して空気を吹き付ける吹き付け手段と、
前記吹き付け手段により前記縁部に対して吹き付けられる空気が当該縁部に向かうように空気の案内を行う空気案内部と、
前記吸着部に吸着した記録材が押し当てられ前記縁部に波形形状を付与する凹凸部と、
を備え、
前記空気案内部は、前記凹凸部が設けられた部材に設けられている記録材搬送装置。
【請求項14】
一方向へ搬送される記録材を上方から吸着する吸着部と、
前記一方向において前記吸着部よりも下流側に位置し、下方を向き、当該吸着部に吸着する記録材に対向する記録材対向面であって、一部が当該記録材に対向する記録材対向面と、
前記吸着部よりも下方に位置する、空気の送風手段と、
を備え、
前記記録材対向面は、凹凸面を有し、
前記記録材対向面と、前記送風手段による空気の送風方向の延長線とが交わることを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項15】
前記一方向における下流側から、前記凹凸面を見た場合に、当該凹凸面に設けられた凹凸が左右対称に設けられている請求項14に記載の記録材搬送装置。
【請求項16】
記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置と、を備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至15の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙スタックの用紙を吸引して空気プレナム及び封止機構に接触させるため、空気プレナム内に真空圧を生成する送風機を備えた用紙給送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-19978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材の搬送にあたり、記録材束のうちの最上位の記録材を吸着部に吸着させて、1枚の記録材の取り出しを行うことがある。
ここで、例えば、記録材間の付着力が大きい場合には、最上位の用紙に対して、下方の記録材が付着することがあり、吸着部に対して複数枚の記録材が吸着することにある。
複数枚の記録材の吸着を抑制するため、記録材の側方から空気の吹き付けを行うこともあるが、側方から空気を吹きつけると、逆に記録材が持ち上げられ、複数枚の記録材の吸着が解消されないことも生じうる。
本発明の目的は、記録材への空気の吹き付けを記録材の側方のみから行う場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材を上方から吸着する吸着部と、前記吸着部に吸着している記録材の縁部に対して空気を吹き付ける吹き付け手段と、前記吹き付け手段により前記縁部に対して吹き付けられる空気が当該縁部に向かうように空気の案内を行う空気案内部と、前記吸着部に吸着した記録材が押し当てられ前記縁部に波形形状を付与する凹凸部と、を備え、前記空気案内部は、前記凹凸部が設けられた部材に設けられている記録材搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記吹き付け手段は、前記吸着部よりも上側から且つ前記縁部から離れた側から、斜め下方に向けて空気を送り、当該縁部に対して空気を吹き付ける請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記吸着部よりも下側からの空気が当該吸着部よりも上方へ向かった後に、当該空気が下方へ向かい、当該吸着部よりも上側から、前記縁部への空気の吹き付けが行われる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項4に記載の発明は、前記空気案内部により空気が案内されて、上方へ向かった空気が下方へ向かう請求項3に記載の記録材搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記記録材搬送装置に設置された部材の下面が利用されて、前記吸着部よりも上方へ向かった空気の案内が行われ、当該空気が下方へ向かう請求項4に記載の記録材搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、前記下面には、前記記録材の前記縁部から離れた側から当該縁部に近い側に接近するに従い下る傾斜面が形成され、当該傾斜面によって、下方へ向かう空気が当該縁部へ向かう請求項5に記載の記録材搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記下面のうち、前記傾斜面よりも前記縁部から離れた側には、前記吸着部よりも上方に向かった前記空気を当該傾斜面側に案内する案内部が設けられている請求項6に記載の記録材搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、前記空気案内部は、前記吸着部よりも上方へ向かった空気の案内を行い、前記空気案内部には、上側に向かって凸となる凹部が形成され、前記凹部の内面により、前記吸着部よりも上方に向かった空気が案内され、上方へ向かった当該空気が下方へ向かい、当該下方へ向かった空気が前記縁部に吹き付けられる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項9に記載の発明は、前記凹部の前記内面は、上側に向かって凸となるように形成され且つ曲率が付与されその断面形状が円弧を描くように形成されている請求項8に記載の記録材搬送装置である。
請求項10に記載の発明は、前記凹部の前記内面の対向位置には、当該内面との間に間隙を有して配置された対向部材が設けられている請求項8に記載の記録材搬送装置である。
請求項11に記載の発明は、前記縁部のうちの波形形状が付与されている部分に対して、前記吸着部よりも上側からの前記空気が吹き付けられる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項12に記載の発明は、前記空気案内部の前記凹部に向かう空気を排出する排出口がさらに設けられ、前記縁部が延びる方向における、前記凹部の幅が、当該縁部が延びる方向における、前記排出口の幅以上となっている請求項8に記載の記録材搬送装置である。
請求項13に記載の発明は、記録材を上方から吸着する吸着部と、前記吸着部に吸着している記録材の縁部の上側から、当該縁部に対して空気を吹き付ける吹き付け手段と、前記吹き付け手段により前記縁部に対して吹き付けられる空気が当該縁部に向かうように空気の案内を行う空気案内部と、前記吸着部に吸着した記録材が押し当てられ前記縁部に波形形状を付与する凹凸部と、を備え、前記空気案内部は、前記凹凸部が設けられた部材に設けられている記録材搬送装置である。
請求項14に記載の発明は、一方向へ搬送される記録材を上方から吸着する吸着部と、前記一方向において前記吸着部よりも下流側に位置し、下方を向き、当該吸着部に吸着する記録材に対向する記録材対向面であって、一部が当該記録材に対向する記録材対向面と、前記吸着部よりも下方に位置する、空気の送風手段と、を備え、前記記録材対向面は、凹凸面を有し、前記記録材対向面と、前記送風手段による空気の送風方向の延長線とが交わることを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項15に記載の発明は、前記一方向における下流側から、前記凹凸面を見た場合に、当該凹凸面に設けられた凹凸が左右対称に設けられている請求項14に記載の記録材搬送装置である。
請求項16に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置と、を備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至15の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録材への空気の吹き付けを記録材の側方のみから行う場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減でき、また、凹凸部が設けられた部材と空気案内部が設けられた部材とが個別に設けられる場合に比べ、部品点数の削減を図れる。
請求項2の発明によれば、記録材の縁部の真上からこの縁部に対して空気を吹き付ける場合に比べ、吸着部に吸着している記録材間に空気が入りやすくなる。
請求項3の発明によれば、記録材が吸着する吸着部よりも下方に、空気の供給源がある構成であっても、吸着部よりも上方から、縁部への空気の吹き付けを行える。
請求項4の発明によれば、吸着部よりも上方へ向かった空気を、吸着部よりも下方側へ向かわせることができる。
請求項の発明によれば、記録材搬送装置に設置された部材の下面を利用して、吸着部よりも上方へ向かった空気を、吸着部よりも下方側へ向かわせることができる。
請求項の発明によれば、ダクトを利用して空気を下方へ向かわせる場合に比べ、簡易な構成で、空気を下方へ向かわせることができる。
請求項の発明によれば、上方へ向かった空気を傾斜面へ向かわせることができる。
請求項の発明によれば、ダクトなどの管状の部材を利用して、空気を下方へ向かわせる場合に比べ、簡易な構成で、空気を下方へ向かわせることができる。
請求項の発明によれば、凹部の内面に曲率が付与されていない場合に比べ、空気の流れをより円滑なものにできる。
請求項10の発明によれば、対向部材が設けられていない場合に比べ、空気の流れをより円滑なものにできる。
請求項11の発明によれば、記録材の縁部のうちの波形の形状が付与されていない部分に対して、空気が吹き付けられる場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減できる。
請求項12の発明によれば、縁部が延びる方向における、凹部の幅が、縁部が延びる方向における、排出口の幅よりも小さい場合に比べ、縁部に対して吹き付けられる空気の量を増すことができる。
請求項13の発明によれば、記録材への空気の吹き付けを記録材の側方のみから行う場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減でき、また、凹凸部が設けられた部材と空気案内部が設けられた部材とが個別に設けられる場合に比べ、部品点数の削減を図れる。
請求項14の発明によれば、記録材への空気の吹き付けを記録材の側方のみから行う場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減できる。
請求項15の発明によれば、凹凸面に設けられた凹凸が左右非対称に設けられている場合に比べ、記録材対向面への凹凸の付与をより簡易に行える。
請求項16の発明によれば、記録材への空気の吹き付けを記録材の側方のみから行う場合に比べ、複数枚の記録材が吸着部に吸着された状態となることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置を示した概略構成図である。
図2】(A)~(D)は、用紙送り出し部を説明する図である。
図3図2(A)の矢印III方向から吸引部を見た場合の斜視図である。
図4図2(A)の矢印IV方向から用紙積載部等を見た場合の図である。
図5】吸引部の側方から吸引部を見た場合の図である。
図6】凹部を説明する図である。
図7図2(B)における矢印VII方向から吸引部を眺めた場合の図である。
図8図5のVIII-VIII線における吸引部、空気供給部の断面図である。
図9】(A)、(B)は、凹部の他の構成例を示した図である。
図10】用紙送り出し部の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置1を示した概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置1である。この画像形成装置1には、記録材の一例である用紙Pへの画像の形成を行う画像形成部1Aが設けられている。さらに、用紙積載部53に積載されている用紙Pを順次送り出して搬送する用紙搬送装置1Bが設けられている。
【0009】
画像形成手段の一例としての画像形成部1Aには、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが設けられている。
また、画像形成部1Aには、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10が設けられている。また、画像形成部1Aには、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20が設けられている。
【0010】
また、画像形成装置1には、用紙P上に二次転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置60が設けられている。
さらに、各装置(各部)の動作を制御する制御部40、表示パネルなどにより構成されユーザからの情報を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するUI(User Interface)70が設けられている。
【0011】
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、次の装置が設置されている。
まず、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電器12が設けられている。また、感光体ドラム11上に静電潜像を書込む露光装置13が設けられている。さらに、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより現像する現像器14が設けられている。
【0012】
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、感光体ドラム11上の残留トナー等を除去するドラムクリーナ17が設けられている。
【0013】
中間転写ベルト15は、図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置される一次転写ロール16を含んで構成されている。
本実施形態では、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に、重畳されたトナー像が形成される。
【0014】
二次転写部20は、中間転写ベルト15の外周面に対向配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接される。さらに、二次転写ロール22とバックアップロール25との間には電圧が印加され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像が二次転写される。
【0015】
本実施形態では、図示しない画像読み取り装置や、パーソナルコンピュータ(PC)等から画像形成装置1へ画像データが出力される。
そして、この画像データに対して、図示しない画像処理装置により画像処理が施され、Y、M、C、Kの4色の画像データが生成され、この画像データが、Y、M、C、Kの各色毎に設けられた露光装置13に出力される。
【0016】
露光装置13では、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。
各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、この露光装置13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
【0017】
そして、現像器14により感光体ドラム11上にトナー像が形成された後、このトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15の移動により、トナー像が二次転写部20に搬送される。
【0018】
二次転写部20では、二次転写ロール22が中間転写ベルト15を介してバックアップロール25に押圧されている。用紙積載部53から搬送されてきた用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
これにより、中間転写ベルト15上に保持された未定着のトナー像が、二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着装置60を経て、不図示の用紙排出部に排出される。
【0019】
ここで、用紙積載部53から、二次転写部20、定着装置60を経て、用紙排出部に向かう用紙Pの搬送は、記録材搬送装置の一例としての用紙搬送装置1Bにより行われる。
用紙搬送装置1Bには、用紙積載部53に積載されている用紙Pのうちの最上位の用紙Pを送り出す用紙送り出し部1Cが設けられている。
【0020】
さらに、用紙搬送装置1Bには、用紙送り出し部1Cにより送り出された用紙Pを搬送する複数の搬送ロール52が設けられている。
搬送ロール52の各々は、不図示のモータからの駆動力を受けて回転する駆動ロール52Aと、この駆動ロール52Aに接触配置されこの駆動ロール52Aから駆動力を受けて回転する従動ロール52Bとにより構成されている。
【0021】
本実施形態では、用紙送り出し部1Cにより送り出された用紙Pは、まず、複数の搬送ロール52のうち、用紙Pの搬送方向において最も上流側に位置する搬送ロール52(以下、「最上流搬送ロール52E」と称する)により搬送される。
そして、この用紙Pは、最上流搬送ロール52Eよりも下流側に位置する他の搬送ロール52によりさらに搬送され、二次転写部20、定着装置60へ向かう。
【0022】
なお、用紙搬送装置1Bには、搬送ベルト55がさらに設けられている。
この搬送ベルト55は、二次転写ロール22よりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、二次転写がなされた用紙Pを定着装置60へ搬送する。
【0023】
図2(A)~(D)は、用紙送り出し部1Cを説明する図である。図3は、図2(A)の矢印III方向から吸引部100(後述)を見た場合の斜視図である。
図2(A)に示すように、用紙送り出し部1Cには、用紙積載部53に積載された用紙Pを吸引する吸引部100が設けられている。さらに、この吸引部100を、図中矢印2Aで示す方向へ移動させる移動機構(不図示)が設けられている。
ここで、この移動機構は、モータ、ギア、ラック、ピニオン、ベルトドライブなどの公知の機構により構成すればよく、特定の機構に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態では、移動機構によって、吸引部100が、矢印2Aで示すように、最上流搬送ロール52Eに向かう方向および最上流搬送ロール52Eから離れる方向へ移動する。
付言すると、本実施形態では、移動機構によって、吸引部100が、用紙束54の上方から、最上流搬送ロール52Eへ向かう方向へ移動する。さらに、本実施形態では、移動機構によって、最上流搬送ロール52E側へ移動した吸引部100が、用紙束54側へ移動し、用紙束54の上方へ戻る。
【0025】
図2(A)に示すように、吸引部100には、直方体状の装置本体101と、この装置本体101から垂れ下がった状態で設けられた複数の移動部材102が設けられている。
装置本体101には、吸引用の管(不図示)が接続され、後述するように、本実施形態では、装置本体101によって用紙Pが吸引される。
移動部材102は、板状に形成され、上下方向に移動可能に設けられている。
【0026】
図3に示すように、本実施形態では、移動部材102として、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102B、第1後端側移動部材102C、第2後端側移動部材102D、第1右側移動部材102E、第2右側移動部材102F、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが設けられている。
【0027】
本実施形態では、これら8個の移動部材102により、装置本体101の下方に位置する直方体状の減圧空間105と、この減圧空間105の周囲に位置する大気圧空間106とが仕切られた形となる。
本実施形態では、8個の移動部材102により囲まれた直方体状の空間が、減圧空間105となる。また、この減圧空間105の外側に位置する空間が、大気圧となる大気圧空間106となる。
【0028】
より具体的には、本実施形態では、装置本体101の下面101Xに、複数の孔101Yが形成されており、この孔101Yを通じて、減圧空間105内の空気が吸引される。これにより、減圧空間105内の圧力が、大気圧よりも小さくなる。
本実施形態では、減圧空間105内の空気が吸引され、減圧空間105の圧力が小さくなると、図2(A)、(B)に示すように、この減圧空間105の下方に位置する用紙Pが吸引され、この用紙Pが、装置本体101の下面101X(図2(B)参照)に向かって移動する。
【0029】
そして、この用紙Pは、吸着部の一例としてのこの下面101Xに付着する。言い換えると、本実施形態では、この下面101Xに用紙Pが吸着する。より具体的には、本実施形態では、下面101Xに対して用紙Pが下方から吸着する。
ここで、吸着部の一例としての下面101Xは、平面となっており、本実施形態では、吸着部は、面状の吸着部であり、この面状の吸着部に対して用紙Pが吸着する。言い換えると、本実施形態では、吸着面に対して用紙Pが吸着する。
【0030】
本実施形態では、装置本体101の下面101Xに用紙Pが吸着する際には、図3にて示した8個の移動部材102が、図2(A)に示した状態から上方へ移動し、8個の移動部材102は、図2(B)に示した状態となる。
付言すると、本実施形態では、図3にて示す下面101Xに用紙Pが吸着する際には、8個の移動部材102が、下方に位置する用紙Pにより下方から押圧され、上方へ向かって移動する。そして、8個の移動部材102が上方へ移動すると、装置本体101の下面101Xに用紙Pが吸着する。
【0031】
また、本実施形態では、下面101Xに用紙Pが吸着している状態にて、図2(B)の矢印2Fで示すように、この下面101Xよりも上側から、下面101Xに吸着している用紙Pの縁部2Gに対して空気の吹き付けが行われる。
付言すると、本実施形態では、下面101Xに吸着している用紙Pの縁部2Gの上側から、この縁部2Gに対して空気の吹き付けが行われる。
【0032】
より具体的には、本実施形態では、図2(B)にて示す縁部2Gは、用紙Pが搬送される際に用紙Pの先端に位置する縁部2G(以下、「先端縁部2G」と称する)であり、本実施形態では、この先端縁部2Gに対して、上方からの空気の吹き付けが行われる。
なお、本実施形態では、先端縁部2Gに対して、空気の吹き付けを行う場合を一例に説明するが、先端縁部2G以外の縁部に対して、上方からの空気の吹き付けを行ってもよい。
【0033】
その後、本実施形態では、図2(C)に示すように、吸引部100が、最上流搬送ロール52Eに向かって移動し、装置本体101の下面101Xに吸着している用紙Pが、この最上流搬送ロール52Eへ供給される。
これにより、最上流搬送ロール52Eによるこの用紙Pの搬送が開始される。
【0034】
付言すると、本実施形態では、吸引部100は、鉛直方向と交差する方向へ且つ最上流搬送ロール52E側へ移動する。
これにより、装置本体101の下面101Xに付着している用紙Pが、この最上流搬送ロール52Eへ供給され、この最上流搬送ロール52Eによる用紙Pの搬送が開始される。
【0035】
なお、本実施形態では、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動すると、図2(C)に示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達するようになる。
付言すると、本実施形態では、吸引部100、用紙束54を上方から見た場合に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達する。
【0036】
より具体的には、本実施形態では、用紙束54の外周縁104には、後述するように、先端側外周縁104Aが存在する。
本実施形態では、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動すると、図2(C)に示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、この先端側外周縁104Aを超えた箇所に達するようになる。
その後、本実施形態では、図2(D)に示すように、吸引部100が、用紙束54側へ戻り、用紙束54の上方に、吸引部100が再び位置する状態となる。
【0037】
図4は、図2(A)の矢印IV方向から用紙積載部53等を見た場合の図である。付言すると、図4は、用紙積載部53等を上方から見た場合の図である。
図4に示すように、本実施形態では、用紙積載部53に、複数枚の用紙Pが用紙Pの厚み方向に並んだ用紙束54が置かれる。この用紙束54およびこの用紙束54に含まれる各用紙Pは、矩形状の外周縁104を有する。
【0038】
この矩形状の外周縁104は、先端側外周縁104A、後端側外周縁104B、第1側方外周縁104C、および、第2側方外周縁104Dより成る。
先端側外周縁104Aは、用紙Pの搬送方向において最も下流側に位置する外周縁104である。この先端側外周縁104Aは、用紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向に沿って延びる。
後端側外周縁104Bは、用紙Pの搬送方向において最も上流側に位置する外周縁104である。この後端側外周縁104Bも、用紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向に沿って延びる。
【0039】
第1側方外周縁104Cは、先端側外周縁104Aの一端部と後端側外周縁104Bの一端部とを結ぶ外周縁104である。この第1側方外周縁104Cは、用紙Pの搬送方向に沿って延びる。
第2側方外周縁104Dは、先端側外周縁104Aの他端部と後端側外周縁104Bの他端部とを結ぶ外周縁104である。この第2側方外周縁104Dも、用紙Pの搬送方向に沿って延びる。
【0040】
ここで、用紙Pの吸引が行われる際には、図4の符号4Aで示すように、用紙束54の外周縁104よりも内側に、吸引部100の装置本体101が位置する。そして、最上流搬送ロール52Eへの用紙Pの供給を行う際には、矢印2Bで示すように、最上流搬送ロール52Eに向かって吸引部100が移動する。
このとき、本実施形態では、上記のとおり、第1先端側移動部材102A(図3参照)、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の先端側外周縁104Aを超えた箇所に達するようになる。
【0041】
さらに、本実施形態では、図4に示すように、用紙束54の側方に、複数の開口4Xが設けられており、本実施形態では、この開口4Xから、用紙束54に向けて空気が送られ、用紙束54の側方からも空気の吹き付けが行われる。
さらに、本実施形態では、最上流搬送ロール52Eに設けられた駆動ロール52A、従動ロール52Bの各々は、回転軸52Xと、回転軸52Xの周囲に取り付けられた複数の円筒状部材52Yとを備える。
本実施形態では、吸引部100が最上流搬送ロール52E側へ移動すると、2つの円筒状部材52Yの間に、吸引部100が入る構成となっており、吸引部100と最上流搬送ロール52Eとの干渉が生じないようになっている。
【0042】
図3を再度参照し、吸引部100の構成を更に説明する。
吸引部100には、上記のとおり、装置本体101が設けられている。この装置本体101には、空気の案内を行う空気案内部材120が取り付けられている。
この空気案内部材120には、用紙Pの先端縁部2G(図2(B)参照)に波形の形状を付与するための凹凸部121が設けられている。
【0043】
この凹凸部121は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に延びるように配置されている。付言すると、凹凸部121は、用紙Pの先端縁部2Gに沿って延びるように配置されている。
本実施形態では、装置本体101の下面101Xに対して用紙Pが吸着した状態となると、用紙Pの先端縁部2Gがこの凹凸部121に押し当てられ、この先端縁部2Gに波形の形状が付与される。
【0044】
さらに、空気案内部材120には、凹凸部121より下面101X側に、下面101Xに付着した用紙Pの吸引をさらに行うための吸引用開口122が設けられている。
さらに、空気案内部材120には、先端縁部2Gに吹き付けられる空気の案内を行う空気案内部123が設けられている。
【0045】
本実施形態では、後述するように、吸着部である下面101Xよりも下方にファンなどの空気供給源が設けられており、本実施形態では、この下面101Xよりも下方から、この下面101Xよりも上方へ向けて空気が一旦供給される。
そして、本実施形態では、この上方へ向けて供給されたこの空気が、空気案内部123により案内され、この空気が下方に向かう。
【0046】
本実施形態では、1つの空気案内部材120に、凹凸部121と空気案内部123とが設けられている。付言すると、本実施形態では、空気案内部123は、凹凸部121が設けられた部材である空気案内部材120に設けられている。
付言すると、本実施形態では、凹凸部121および空気案内部123は、共通の1つの部材である空気案内部材120に設けられている。
【0047】
空気案内部123には、上側に向かって凸となる凹部124が形成されている。
より具体的には、空気案内部123の下面123Aには、上側に向かって凸となる凹部124が形成されている。この凹部124は、溝状に形成されている。さらに、この凹部124は、図4に示すように、用紙Pの先端縁部2Gが延びる方向に沿って設けられている。
【0048】
より具体的には、本実施形態では、空気案内部123の下面123A(図3参照)に、図4に示すように、矩形状の開口125が形成され、この開口125よりも上方に(鉛直方向における上方に)、図3に示すように、上方に向かって凸となる凹部124が設けられている。
本実施形態では、図4に示すように、開口125の周囲には、この開口125を取り囲む開口縁126が存在する。この開口縁126は、矩形状に形成される。
【0049】
図4に示すように、開口縁126は、用紙側開口縁126Aと、反対側開口縁126Bと、2つの接続開口縁126Cとにより構成されている。
用紙側開口縁126Aは、用紙Pの先端縁部2Gに沿うように配置されている。
反対側開口縁126Bは、用紙側開口縁126Aを挟み、用紙Pの先端縁部2G側とは反対側に位置する。この反対側開口縁126Bも、用紙Pの先端縁部2Gに沿うように配置されている。
【0050】
2つの接続開口縁126Cの一方の接続開口縁126Cは、用紙側開口縁126Aの一端部と反対側開口縁126Bの一端部とを接続する。
他方の接続開口縁126Cは、用紙側開口縁126Aの他端部と反対側開口縁126Bの他端部とを接続する。
【0051】
図5は、吸引部100の側方から吸引部100を見た場合の図である。
上記では説明を省略したが、本実施形態では、図5に示すように、先端縁部2Gに吹き付けられる空気を供給する空気供給部150が設けられている。
この空気供給部150には、ファンなどの空気供給源151、この空気供給源151により送り出された空気を斜め上方へ案内する管152が設けられている。
空気供給源151および管152は、装置本体101の下面101Xよりも下方に位置する。
【0052】
管152の先端部には、空気案内部材120に設けられた上記の凹部124に向かう空気を排出する排出口152Aが設けられている。
また、管152には、互いに対向配置された第1内壁面152Cおよび第2内壁面152Dが設けられている。さらに、第1内壁面152Cと第2内壁面152Dとを接続する第3内壁面152Eおよび第4内壁面(不図示)が設けられている。本実施形態では、第1内壁面152Cの方が、第2内壁面152Dよりも、用紙P側に位置する。
【0053】
本実施形態では、矢印5Aで示すように、装置本体101の下面101Xよりも下側からの空気が、この下面101Xよりも上方へ向かった後に、この空気が下方へ向かい、下面101Xよりも上側から、先端縁部2Gへこの空気が吹き付けられる。
付言すると、本実施形態では、下面101Xの延長面5Xよりも下側からの空気が、この延長面5Xよりも上方へ向かった後、この空気が延長面5Xよりも下方へ向かい、先端縁部2Gに対してこの空気が吹き付けられる。
【0054】
言い換えると、本実施形態では、管152により空気が案内されて上方へ空気が一旦向かい、その後、この空気は、下方へ向かう。そして、本実施形態では、下方へ向かったこの空気が、用紙Pの先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0055】
付言すると、本実施形態では、用紙搬送装置1B(図1参照)に設置された部材である空気案内部材120の下面123Aが利用されて、装置本体101の下面101Xよりも下方から来た空気が、下方へ向かう。そして、下方へ向かったこの空気が、用紙Pの先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0056】
なお、本実施形態では、最上流搬送ロール52Eに設けられた駆動ロール52Aと従動ロール52Bとの接触部52Sよりも下方に、排出口152Aが設けられている。
付言すると、本実施形態では、管152を通った空気は、管152の先端に位置する排出口152Aから排出されるが、この排出口152Aは、駆動ロール52Aと従動ロール52Bとの接触部52Sよりも下方に位置する。
【0057】
また、本実施形態では、上方へ向かう空気を案内する管152が、用紙Pの搬送経路R100を横断しない構成となっている。付言すると、本実施形態では、管152の排出口152Aが、用紙Pの搬送経路R100よりも下方に位置している。
【0058】
これにより、本実施形態では、用紙Pの搬送経路R100を、空気のみが横断する。付言すると、本実施形態では、管152は、用紙Pの搬送経路R100を横断しておらず、先端縁部2Gに吹き付けられる空気のみが、用紙の搬送経路R100を横断する。
そして、本実施形態では、搬送経路R100を横断した空気は、凹部124に向かう。そして、凹部124によるこの空気の案内が行われ、案内が行われた後の空気が、先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0059】
ここで、本実施形態では、上側からの先端縁部2Gへの空気の吹き付けにあたり、矢印5Hで示すように、斜め下方に向けて空気が送られ、斜め下方に向けて送られた空気が、先端縁部2Gに吹き付けられる。
より具体的には、本実施形態では、下面101Xに吸着している用紙Pの先端縁部2Gよりも上側から且つこの先端縁部2Gから離れた側から、斜め下方向に向けて空気が送られ、この空気が先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0060】
より具体的には、本実施形態では、最上位の用紙Pの先端縁部2Gを挟み、下面101Xが設けられている側とは反対側から、且つ、下面101Xよりも上方から、斜め下方へ且つ先端縁部2G側へ空気を送り、下面101Xに吸着している用紙Pの先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける。
このように、斜め下方に向けて空気を送ると、真下方向に向けて空気を送る場合に比べ、矢印5Hで示すように、用紙P間に空気が入りやすくなり、下面101Xに吸着している最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pからより離脱しやすくなる。
【0061】
付言すると、斜め下方に向けて空気を送ると、先端縁部2Gの真上から先端縁部2Gに向けて空気の吹き付けを行う場合に比べ、下面101Xに吸着している複数の用紙Pの間に空気が入り込みやすくなる。
この場合、下面101Xに付着している最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pから離脱しやすくなる。
【0062】
ここで、本実施形態では、用紙積載部53に積載されている用紙Pの搬送にあたっては、まず、図2(A)、(B)に示したように、積載されている用紙Pのうちの最上位の用紙Pを吸引部100に吸着させて、1枚の用紙Pの取り出しを行う。
付言すると、用紙束54の最も上に位置する用紙Pを吸引部100に吸着させて、1枚の用紙Pの取り出しを行う。
【0063】
その後、本実施形態では、用紙Pが吸着した状態の吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動し、吸引部100に吸着した用紙Pが最上流搬送ロール52Eへ供給される。
なお、本実施形態では、用紙Pの取り出しにあたり(吸引部100による用紙Pの吸着にあたり)、吸引部100の上下動は行わない。但し、これに限らず、用紙Pの取り出しのときに、吸引部100を下降させ、吸引部100に用紙Pが付着したら、吸引部100を上昇させるようにしてもよい。
【0064】
ここで、例えば、用紙P間の付着力が大きい場合には、吸引部100に吸着した最上位の用紙Pに対して、下方に位置する2枚目以降の用紙Pが付着することがある。この場合、最上流搬送ロール52Eに対して複数枚の用紙Pが供給され、いわゆる重送が発生してしまう。
本実施形態では、この重送の発生を抑制するため、上記のように、先端縁部2Gに対して、上側から空気を吹き付ける。これにより、最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pから離脱しやすくなる。
【0065】
付言すると、本実施形態では、空気供給部150および空気案内部材120により吹き付け手段が構成され、この吹き付け手段を用いて、装置本体101の下面101Xよりも上側から、先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける。
これにより、最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pから離脱しやすくなり、重送の発生が抑制される。
【0066】
なお、「装置本体101の下面101Xよりも上側から、先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける」態様には、装置本体101の下面101Xの延長面よりも上側から、先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける態様を含む。
【0067】
ここで、本実施形態では、用紙P間における用紙Pの吸着を抑制するため、図4にて示した通り、用紙束54の側方からも、この用紙束54に対し、空気の吹き付けを行っている。
ここで、用紙束54の側方から空気を吹き付けると、用紙Pが浮遊して上方へ移動し、吸引部100に吸着している最上位の用紙Pに対して、2枚目以降の用紙Pが付着しやすくなる。
これに対し、本実施形態のように、上側からの空気の吹き付けを行うと、最上位の用紙Pと、2枚目以降の用紙Pとの間に空気が入りやすくなり、最上位の用紙Pから2枚目以降の用紙Pが離脱しやすくなる。
付言すると、本実施形態のように、側方からの空気の吹き付けに加え、上側からの空気の吹き付けを行うと、側方からの空気の吹き付けのみを行う場合に比べ、最上位の用紙Pから2枚目以降の用紙Pが離脱しやすくなる。
なお、本実施形態では、側方からの空気の吹き付け、上側からの空気の吹き付けの両者を行う場合を説明したが、これに限らず、例えば、側方からの空気の吹き付けを行わず又は側方からの空気の吹き付けを中断し、上側からの空気の吹き付けのみを行うようにしてもよい。
【0068】
ここで、本実施形態では、吸引部100が最上流搬送ロール52Eへ向けて移動する際にも、空気供給部150による空気の供給が行われる。
付言すると、本実施形態では、空気供給部150による空気の供給が常時行われる構成となっており、吸引部100の移動が行われる際にも、空気供給部150による空気の供給が行われる。
なお、これに限らず、吸引部100が最上流搬送ロール52Eへ向けて移動する際、空気供給部150による空気の供給を停止し、あるいは、空気供給部150により供給される空気の風量を低下させてもよい。
【0069】
さらに説明すると、本実施形態では、図5に示すように、吸着部の一例としての下面101Xよりも、一方向における下流側に、用紙Pに対向する用紙対向面700が設けられている。
より具体的には、本実施形態では、下面101Xに吸着した用紙Pが、図5における矢印5Tに示す一方向へ搬送されるが、この一方向において、下面101Xよりも下流側に、下方を向く用紙対向面700が設けられている。
本実施形態では、下方を向くこの用紙対向面700の一部に、用紙Pが接触する。より具体的には、本実施形態では、用紙対向面700に、凹凸部121および凹部124が設けられているが、この用紙対向面700のうちの、凹凸部121が設けられている箇所に(凹凸面が設けられている箇所に)、用紙Pが接触する。
また、本実施形態では、下方を向くこの用紙対向面700の一部が、下面101Xに吸着した用紙Pに対向する。より具体的には、用紙対向面700のうちの、凹凸部121が設けられている箇所が(凹凸面が設けられている箇所が)、用紙Pに対向する。
【0070】
さらに、本実施形態では、下面101Xよりも下方に、空気の送風手段の一例である空気供給部150が設けられ、この空気供給部150により、斜め上方に向けての空気の送風が行われる。
さらに、本実施形態では、用紙対向面700と、空気供給部150による空気の送風方向の延長線と交わる構成となっている。
ここで、用紙対向面700と、空気供給部150による空気の送風方向の延長線と交わるとは、用紙対向面700と、管152の軸方向に沿って延びる、管152の中心軸152Xの延長線とが交わっている状態を言う。
【0071】
さらに、本実施形態では、図7に示すように、上記の一方向における下流側から、凹凸部(凹凸面)121を見た場合に、凹凸が左右対称に設けられている。
付言すると、用紙Pの幅方向における中央部を通り且つ鉛直方向に沿って延びる対象軸PCを想定した場合に、本実施形態では、凹凸部(凹凸面)121が、この対象軸PCを中心として、線対称となる関係で形成されている。
【0072】
また、本実施形態では、図3に示すように、1つの空気案内部材120に、凹凸部121と空気案内部123とが設けられ、さらに、この空気案内部材120が、装置本体101に取り付けられ、凹凸部121および空気案内部123が、装置本体101と一体となった構成を説明した。
ところで、これに限られず、空気案内部材120を、装置本体101とは別体として設けてもよい。付言すると、空気案内部材120を装置本体101から分離した状態で設けてもよい。
また、空気案内部123の部分を、凹凸部121とは別体として設けてもよい。付言すると、空気案内部123の部分を、装置本体101、凹凸部121から分離した状態で設けてもよい。
【0073】
図5を参照し、空気案内部材120についてさらに説明する。
図5に示すように、空気案内部材120には、凹凸部121よりも下面101X側に、下面101Xに用紙Pが付着した後のこの用紙Pの吸引をさらに行う吸引用開口122が設けられている。
本実施形態では、下面101Xに用紙Pが吸着した状態となると、この吸引用開口122による用紙Pの吸引が開始される。
【0074】
本実施形態では、図5に示すように、吸引用開口122と装置本体101の内部とを接続する接続路129が設けられおり、この接続路129の内部が減圧される。なお、この接続路129は、図3に示すように、下方に向かうに従いその幅(先端部縁2Gが延びる方向における幅)が次第に拡がるように形成されている。
本実施形態では、下面101Xに用紙Pが付着するまでの間は、この用紙Pと吸引用開口122との間に隙間が形成され、吸引用開口122による用紙Pの吸引は行われない。
【0075】
そして、下面101Xに対して用紙Pが吸着すると、用紙Pと吸引用開口122との間の隙間が無くなり、吸引用開口122により用紙Pが吸引される。
そして、吸引用開口122により用紙Pが吸引されると、この用紙Pの先端縁部2Gが凹凸部121に付勢され、先端縁部2Gが凹凸部121に押し当てられる。これにより、先端縁部2Gに、凹凸の形状が付与される。言い換えると、先端縁部2Gに波形の形状(後述)が付与される。
【0076】
図6は、凹部124を説明する図である。
本実施形態では、上記のとおり、空気案内部123に、上側に向かって凸となる凹部124が形成されている。この凹部124は、上記のとおり、溝状に形成され、用紙Pの先端縁部2Gが延びる方向に沿って配置されている。
本実施形態では、この凹部124の内面124Aによって、空気の案内が行われ、この空気が先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0077】
ここで、凹部124の内面124Aは、上側に向かって凸となるように形成され且つ曲率が付与されその断面形状が円弧を描くように形成されている。
付言すると、先端縁部2Gが延びる方向と直交する面における断面において、本実施形態では、凹部124の内面124Aが、上側に向かって凸となるように形成され且つ曲率が付与されその断面形状が円弧を描くように形成されている。
なお、本実施形態では、凹部124の内面124Aの断面形状が、図6に示すように、楕円を構成する線分が有する形状と同じとなっているが、これに限らず、正円を構成する線分が有する形状と同じとしてもよいし、後述するように、V字状としてもよい。
【0078】
ここで、本実施形態では、凹部124の内面124Aに、用紙Pの先端縁部2Gから離れた側からこの先端縁部2Gに近い側に接近するに従い下る傾斜面142が設けられている。
付言すると、本実施形態では、凹部124の内面124Aに、最上位の用紙Pの外周縁104(図4参照)よりも外側から且つこの外周縁104よりも離れた側から、この外周縁104側に向かって進むに従い下る傾斜面142が設けられている。
【0079】
付言すると、本実施形態では、空気案内部材120の下面123Aの一部に、外周縁104側に向かって進むに従い下る傾斜面142が形成されている。
本実施形態では、この傾斜面142によって、下方へ向かう空気が案内され、下方へ向かうこの空気が、先端縁部2Gへ吹き付けられる。
【0080】
さらに、本実施形態では、図6に示すように、凹部124の内面124Aの一部が、案内部143として機能する。
案内部143は、傾斜面142を挟み、先端縁部2Gが位置する側とは反対側に位置する。付言すると、案内部143は、傾斜面142よりも、先端縁部2Gから離れた側に位置する。
【0081】
案内部143は、装置本体101の下面101Xよりも上方に向かった空気を傾斜面142側に案内する。付言すると、案内部143は、下方から送られてきた空気を傾斜面142側に案内する。
この案内部143は、上方に向かうに従い傾斜面142側に接近するように傾斜し、案内部143は、自身に付与されたこの傾斜を利用して、下方からの空気を傾斜面142側へ案内する。
【0082】
なお、本実施形態では、管152の第2内壁面152Dを通る仮想面(以下、「第2仮想面6X」と称する)を想定した場合に、この第2仮想面6Xが、反対側開口縁126Bを通過する。
なお、これに限らず、反対側開口縁126Bと凹部124の底部124S(凹部124の内面124Aのうちの最も底に位置する部分)との間を、この第2仮想面6Xが通るように、第2内壁面152Dを設けるようにしてもよい。
第2仮想面6Xが、反対側開口縁126Bを通過するように、あるいは、反対側開口縁126Bと底部124Sとの間を通るようにすることで、第2仮想面6Xが例えば符号6Zで示す箇所を通る場合に比べ、凹部124以外の箇所へ向かう空気の量を減らせる。
【0083】
さらに、本実施形態では、管152の第1内壁面152Cを通る仮想面(以下、「第1仮想面6Y」と称する)を想定した場合に、この第1仮想面6Yが、凹部124の底部124Sを通過する。
なお、これに限らず、底部124Sと反対側開口縁126Bとの間を、且つ、第2仮想面6Xよりも底部124S側を、この第1仮想面6Yが通るように、第1内壁面152Cを設けてもよい。
【0084】
図7は、図2(B)における矢印VII方向から吸引部100を眺めた場合の図である。
本実施形態では、矢印7Aで示すように、先端縁部2Gの上側からこの先端縁部2Gへの空気の吹き付けが行われるが、この空気は、先端縁部2Gのうちの、波形の形状が付与されている部分に対して吹き付けられる。
より具体的には、本実施形態では、凹凸部121に対して用紙Pの先端縁部2Gが押し当てられ、これにより、用紙Pの先端縁部2Gに波形の形状が付与される。
本実施形態では、この波形の形状が付与される部分に対して、上側からの空気が吹き付けられる。
【0085】
これにより、用紙Pのうちの、波形の形状が付与されない部分に対して空気が吹き付けられる場合に比べ、吸引部100に吸着している最上位の用紙Pと、この最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pとの間に空気が入りやすくなる。
そして、この場合、この2枚目以降の用紙Pが、1枚目の用紙Pである最上位の用紙Pから離脱しやすくなる。
【0086】
ここで、「波形の形状」とは、用紙Pの一方の面側から他方の面側に且つ用紙Pの厚み方向に向かって突出した一の凸部と、用紙Pの他方の面側から一方の面側に且つ用紙Pの厚み方向に向かって突出した他の凸部とが、先端縁部2Gが延びる方向に交互に並んでいる形状をいう。
ここで、一の凸部と他の凸部の数は、特に限定されず、一の凸部と他の凸部とがそれぞれ1つ設けられ、この一の凸部とこの他の凸部とが互いに隣り合っている場合も、波形の形状が付与された状態と言える。
【0087】
図8は、図5のVIII-VIII線における吸引部100、空気供給部150の断面図である。
本実施形態では、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1と、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2と等しくなっている。
付言すると、先端縁部2G(図4参照)が延びる方向における幅を比べた場合に、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1と、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2と等しくなっている。
【0088】
なお、本実施形態では、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1と、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2がと等しい場合を説明したが、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1を、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2よりも大きくしてもよい。
ここで、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1が、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2以上である場合、空気案内部123に形成された凹部124の幅L1が、管152の先端に設けられた排出口152Aの幅L2よりも小さい場合に比べ、先端縁部2Gに対してより多くの空気が向かい、先端縁部2Gに対してより多くの空気が吹き付けられるようになる。
【0089】
なお、本実施形態では、第1内壁面152Cに、空気の流れ方向に沿う3本のリブRBが設けられている。
この3本のリブRBのうちの両端に位置するリブRBは、何れも、空気の流れ方向における下流側に向うに従い、凹部124の幅方向における中央部側に近づく。
これにより、本実施形態では、リブRBが設けられていない場合に比べ、凹部124に対してより多くの空気が向かうようになる。
【0090】
図9(A)、(B)は、凹部124の他の構成例を示した図である。
上記では、内面124Aに曲率が付与された場合を説明した。ところで、これに限らず、図9(A)に示すように、凹部124の内面124AをV字状としてもよい。
図9(A)に示すこの構成例では、凹部124の内面124Aに、上記と同様、先端縁部2G側に向かうに従い下る傾斜面142が設けられている。ここで、この傾斜面142には、曲率が付与されておらず平面となっている。
【0091】
また、この構成例でも、上記と同様、傾斜面142を挟み、先端縁部2Gが位置する側とは反対側に、傾斜面142側へ空気が向かうように空気を案内する案内部143が設けられている。
この案内部143は、先端縁部2G側に向かうに従い上るように形成されている。また、案内部143には曲率が付与されておらず、案内部143は平面により構成されている。
【0092】
また、図9(B)に示す構成例では、凹部124の内面124Aの対向位置に、対向部材180が設けられている。この対向部材180は、先端縁部2Gが延びる方向に沿って配置されている。
この対向部材180は、図4の符号4Zで示す箇所に固定される。付言すると、対向部材180は、空気案内部123のうちの凹部124の両脇の位置する部分に対して固定される。
【0093】
また、図9(B)に示すように、対向部材180は、内面124Aとの間に間隙を有して配置されているとともに、凹部124の底部124Sの対向位置に配置されている。
さらに、対向部材180は、用紙側開口縁126Aと反対側開口縁126Bとの間に位置する。
【0094】
この構成例では、反対側開口縁126Bと対向部材180の間が、空気の入口部9ENとなっている。また、用紙側開口縁126Aと対向部材180との間が空気の出口部9EXとなっている。
この構成例では、空気供給部150(図9(B)では不図示)により供給された空気は、入口部9ENを通って、内面124Aに向かう。その後、この空気は、この内面124Aにより案内されて出口部9EXへ向かう。そして、出口部9EXから出た空気が、先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0095】
(その他)
上記では、吸引部100を移動させて、最上流搬送ロール52E側へ用紙Pを移動させたが、これに限らず、図10(用紙送り出し部1Cの他の構成例を示した図)に示すように、吸引部100を移動させずに、最上流搬送ロール52E側への用紙Pの移動を行ってもよい。
【0096】
図10に示すこの構成例では、吸引部100に、下面101Xを有する装置本体101と、循環移動するベルト部材190とが設けられている。
装置本体101は、ベルト部材190の内部に配置され、さらに、ベルト部材190には、ベルト部材190の内側と外側とを繋ぐ貫通孔(不図示)が複数設けられている。
【0097】
この構成例では、装置本体101によって、用紙Pが吸引されると、この用紙Pが、ベルト部材190の外周面に付着する。ここで、この構成例では、ベルト部材190の外周面のうちの下方を向く面が、用紙Pが吸着する吸着部となる。ここで、この吸着部は、平面状に構成される。
ベルト部材190の外周面に用紙Pが付着すると、この用紙Pの先端縁部2Gに対して、上記と同様、空気が吹き付けられる。その後、ベルト部材190の回転が開始される。これにより、用紙Pが、最上流搬送ロール52Eへ供給される。
【0098】
なお、この構成例では、先端縁部2Gへの空気の吹き付けを停止し、あるいは、先端縁部2Gへ吹き付けられる空気の風量を低下させた後に、ベルト部材190の回転を開始する。
付言すると、この構成例では、図5にて示した空気案内部材120のような、上方から先端縁部2Gを支持する機能部が存在せず、排出口152A(図10参照)の対向位置を用紙Pが通過する際に、吹き付けられる空気によって用紙Pがばたつきやすい。
このため、この構成例では、用紙Pを最上流搬送ロール52Eへ移動させる際には、空気の吹き付けを停止し、あるいは、吹き付ける空気の風量を低下させる。
【0099】
また、他の形態として、上方から直接、先端縁部2Gに対して空気を吹き付けるようにしてもよい。
上記では、下方に位置する空気供給源151からの空気を一旦上方へ移動させた後に、下方に向けて空気を移動させ、上方から、先端縁部2Gに対して空気を吹き付けた。ところで、吹き付けの形態はこれに限られない。
例えば、装置本体101の下面101Xよりも上方に、ファンなどの空気供給源を設け、上方から直接、先端縁部2Gに対して空気を供給してもよい。この場合、上記の凹部124の省略が可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1…画像形成装置、1A…画像形成部、1B…用紙搬送装置、2G…先端縁部、101X…下面、120…空気案内部材、121…凹凸部、123…空気案内部、124…凹部、124A…内面、142…傾斜面、143…案内部、150…空気供給部、152A…排出口、180…対向部材、P…用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10