(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240521BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240521BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240521BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G03G21/00 500
G03G21/00 396
B41J29/38 301
H04N1/00 912
G06F3/12 310
G06F3/12 307
G06F3/12 318
G06F3/12 334
G06F3/12 385
(21)【出願番号】P 2020041585
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】中澤 俊哉
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110445(JP,A)
【文献】特開2006-211559(JP,A)
【文献】特開平10-177464(JP,A)
【文献】特開2005-243048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
B41J 29/00 -29/70
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、
前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する
、情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、
前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する
、情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、
前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する
、情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、
前記印刷装置から前記画像データとして印刷にエラーが生じたページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、
受信した前記画像データのイメージが、当該画像データから特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定
し、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、
情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、
前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定し、
特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、
情報処理装置であり、
前記プロセッサは、
エラーのために印刷が中断したユーザが操作する端末からのアクセスに対し、前記画像データの取得と送信をユーザに要求する情報を送信する
、情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、
前記印刷装置
から前記画像データ
として印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データ
に含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページ
に特定する機能と、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と
を実現させる
ためのプログラム
であり、
印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、
プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、
前記印刷装置
から前記画像データ
として印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データ
に含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページ
に特定する機能と、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と
を実現させる
ためのプログラム
であり、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、
プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、
前記印刷装置
から前記画像データ
として印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データ
に含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、
受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページ
に特定する機能と、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と
を実現させる
ためのプログラム
であり、
印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、
前記印刷装置
から前記画像データ
として印刷にエラーが生じたページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データ
に含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、
受信した前記画像データのイメージが、当該画像データから特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページ
に特定する機能と、
印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と、
を実現させる
ためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、
前記印刷装置
から前記画像データ
として印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定する機能と、
特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と、
を実現させる
ためのプログラム
であり、
エラーのために印刷が中断したユーザが操作する端末からのアクセスに対し、前記画像データの取得と送信をユーザに要求する情報を送信する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紙詰まり等のエラーが印刷中に発生した場合、リカバリの対象となるページのイメージを印刷装置内のハードディスク装置に退避し、エラーが解消すると、ハードディスク装置に退避されたページのイメージから印刷を再開することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シェアオフィスや公共の場に設置される印刷装置では、セキュリティの観点から、印刷装置内のハードディスク装置に印刷データを残さない運用が求められる。実際、シェアオフィスや公共の場に設置される印刷装置には、ハードディスク等の記憶装置を有しない印刷装置も用いられる。記憶装置が設けられていない印刷装置では、エラー等で中断した印刷を再開する場合に、印刷装置内に印刷データが存在しないため、先頭ページから印刷が実行される。エラーが何度も再発する場合には、その都度、先頭ページから印刷が再開される。このため、用紙の無駄が発生する。また、料金が従量制で課金される印刷装置の場合、ユーザは、印刷が完了しているページについても印刷が実行されることで、本来不要な料金を支払う必要が生じる。
【0005】
本発明は、印刷を再開するページの番号をユーザが指定する場合に比して、印刷の再開後にページ抜けや重複が発生しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、情報処理装置であり、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、情報処理装置であり、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定し、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、情報処理装置であり、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、前記印刷装置から前記画像データとして印刷にエラーが生じたページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定し、受信した前記画像データのイメージが、当該画像データから特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定し、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの一部を含むが全体を含まない場合、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行し、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定し、特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する、情報処理装置であり、前記プロセッサは、エラーのために印刷が中断したユーザが操作する端末からのアクセスに対し、前記画像データの取得と送信をユーザに要求する情報を送信する、情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定する機能と、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能とを実現させるためのプログラムであり、印刷モードが、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、プログラムである。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定する機能と、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能とを実現させるためのプログラムであり、印刷モードが、1枚の用紙の両面にページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、プログラムである。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定された当該ページの次のページを、印刷を再開するページに特定する機能と、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能とを実現させるためのプログラムであり、印刷モードが、1枚の用紙の両面にそれぞれ複数のページを割り付ける印刷モードであって、受信した前記画像データのイメージが、特定されたページの全体を含む場合、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせに対応する印刷データから印刷データの送信を再開する、プログラムである。
請求項12に記載の発明は、コンピュータに、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、前記印刷装置から前記画像データとして印刷にエラーが生じたページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを特定する機能と、受信した前記画像データのイメージが、当該画像データから特定されたページの一部分を含むが全体を含まない場合、当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定する機能と、印刷を再開するページとして特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、印刷データの送信先である印刷装置におけるエラーの発生を検知した場合、印刷を再開するページを特定する画像データの受信を待機する状態に移行する機能と、前記印刷装置から前記画像データとして印刷が完了した最後のページに対応する画像データが受信された場合、受信された当該画像データに含まれる特徴と前記印刷データの各ページの特徴との照合により、受信された当該画像データに対応するページを、印刷を再開するページに特定する機能と、特定されたページ以降に対応する印刷データを、前記印刷装置に再送する機能と、を実現させるためのプログラムであり、エラーのために印刷が中断したユーザが操作する端末からのアクセスに対し、前記画像データの取得と送信をユーザに要求する情報を送信する、プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、複数のページを1枚の用紙に割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項2記載の発明によれば、両面印刷中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項3記載の発明によれば、1枚の用紙の両面のそれぞれに複数のページを割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項4記載の発明によれば、ユーザが送信ページを誤る可能性がある場合でも、重複や抜けなしに印刷を再開できる。
請求項5記載の発明によれば、複数のページを1枚の用紙に割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項6記載の発明によれば、両面印刷中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項7記載の発明によれば、1枚の用紙の両面のそれぞれに複数のページを割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項8記載の発明によれば、印刷装置にスキャナが接続されていない場合にも、重複や抜けなしに印刷を再開できる。
請求項9記載の発明によれば、複数のページを1枚の用紙に割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項10記載の発明によれば、両面印刷中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項11記載の発明によれば、1枚の用紙の両面のそれぞれに複数のページを割り付ける印刷モードの実行中にエラーが発生した場合に、元のレイアウトのまま印刷を再開できる。
請求項12記載の発明によれば、ユーザが送信ページを誤る可能性がある場合でも、重複や抜けなしに印刷を再開できる。
請求項13記載の発明によれば、印刷装置にスキャナが接続されていない場合にも、重複や抜けなしに印刷を再開できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1で使用する情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1で使用する印刷装置の構成例を説明する図である。
【
図3】実施の形態1で使用する印刷サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図4】実施の形態1で使用する印刷サーバの機能構成の一例を説明する図である。
【
図5】エラーの発生時にユーザに提示される画面の例を示す図である。(A)は印刷を再開するページとして印刷が完了した最後のページのイメージを用いる場合に提示される画面の例を示し、(B)は印刷を再開するページとしてエラーが発生したページのイメージを用いる場合に提示される画面の例を示す。
【
図6】1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モードが選択された場合に実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図7】1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードや1枚の用紙の両面に1又は複数のページを割り付ける印刷モードが選択された場合に実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図8】1枚の用紙の片面に1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の処理の流れを説明する図である。
【
図9】1枚の用紙の片面に1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、印刷が完了した最後のページのイメージが印刷サーバに送信される場合の処理の流れを説明する図である。
【
図10】1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
【
図11】1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の4ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)はエラーが発生した4ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降、又は、印刷が完了した最後のページである3ページ目の次のページである4ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降から印刷が再開される様子を示す。
【
図12】1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)はエラーが発生した3ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降、又は、印刷が完了した最後のページである2ページ目の次のページである3ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降から印刷が再開される様子を示す。
【
図13】1枚の用紙の片面に2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
【
図14】1枚の用紙の片面に2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は2枚目の用紙の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
【
図15】1枚の用紙の両面のそれぞれに2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバに送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(D)は原稿の4ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(E)は原稿の5ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示す。
【
図16】実施の形態2で使用する情報処理システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1で使用する情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、印刷機能を有する印刷装置10と、印刷装置10による印刷を管理する印刷サーバ20と、印刷サーバ20に画像データを送信する情報端末30とを有している。これらの端末は、いずれもネットワーク40に接続されている。ネットワーク40は、例えばインターネットである。もっとも、ネットワーク40の一部は、LAN(=Local Area Network)でもよい。
【0010】
本実施の形態における印刷装置10は、シェアオフィスや公共の場所等に設置され、不特定のユーザにより使用される。
本実施の形態で使用する印刷装置10は、原稿の複製物を生成するコピー機能、用紙に文書や画像を印刷する印刷機能、原稿のイメージを光学的に読み取るスキャナ機能、ユーザの認証に必要な情報を取得する機能等を備えている。本実施の形態における印刷装置10の場合、印刷機能とスキャナ機能は必須の機能である。
情報処理システム1を構成する全ての印刷装置10は、いずれも同じ機能と同じ能力を備える必要はない。ただし、セキュリティを確保する観点から、少なくとも1台の印刷装置10は、印刷データを記憶するハードディスク装置を有しておらず、印刷が終了した印刷データを即座に消去する。
本実施の形態における印刷装置10は、画像形成装置の一例である。
【0011】
本実施の形態における印刷サーバ20は、印刷データの受け付けと印刷データの出力とを別々に管理する。印刷サーバ20は、印刷データの出力の要求を受信するまで、情報端末30から受け付けた印刷データを不図示のデータベースに保存する。印刷サーバ20は、印刷データの出力の要求を受信すると、要求元である印刷装置10に対して印刷データを送信する。
本実施の形態における印刷サーバ20は、情報処理装置の一例である。
本実施の形態の場合、情報端末30は、例えばデスクトップ型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、タブレット型のコンピュータ、スマートフォンである。情報端末30は、印刷サーバ20への印刷データのアップロードに用いられる。
【0012】
<印刷装置の構成>
図2は、実施の形態1で使用する印刷装置10の構成例を説明する図である。
図2に示す印刷装置10は、システム全体の動作を制御するシステム制御部101と、原稿のイメージを光学的に読み取るスキャナ102と、記録媒体の一例である用紙の表面に画像を形成する印刷エンジン103と、印刷データに色補正や階調補正等の処理を加える画像処理部104と、印刷データ等を記憶する揮発性メモリ105と、ユーザの指示の受け付けや情報の表示に使用される操作表示部106と、外部との通信に用いる通信部107と、これらを接続するバス108や不図示の信号線を有している。
【0013】
システム制御部101は、CPU(=Central Processing Unit)と、ファームウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)等を有している。システム制御部101は、いわゆるコンピュータであり、プログラムの実行を通じて各種の機能を提供する。CPUはプロセッサの一例である。
【0014】
スキャナ102は、光学的に原稿のイメージを読み取るデバイスであり、画像読取部の一例である。本実施の形態におけるスキャナ102には、読み取り位置に原稿を1枚ずつ搬送する機構も取り付けられている。この種の機構は、例えばADF(=Auto Document Feeder)と呼ばれる。本実施の形態におけるスキャナ102は、印刷中に発生したエラーの位置の特定に用いるイメージの取得に使用される。スキャナ102で取得されたイメージは画像データとして印刷サーバ20に送信される。
印刷エンジン103は、電子写真方式やインクジェット方式等により用紙の表面に画像を印刷するデバイスである。用紙は、記録媒体の一例である。印刷エンジン103には、用紙を1枚ずつ搬送する機構も取り付けられている。印刷エンジン103は、画像形成部の一例である。
【0015】
画像処理部104は、印刷データを印刷等に適したデータに処理するための専用のプロセッサや処理回路等で構成される。
揮発性メモリ105は、印刷サーバ20からダウンロードされた印刷データその他のデータの記録に使用される記憶媒体である。揮発性メモリ105には、例えばDRAM(=Dynamic Random Access Memory)やSRAM(=Static RAM)を用いる。揮発性メモリ105は、電源が供給されている間に限り、データの保持が可能である。揮発性メモリ105に記憶された印刷データは、印刷の実行後、揮発性メモリ105から削除される。電源断等のエラーが印刷中に発生すると、印刷が終わっていなくても印刷データは揮発性メモリ105から消去される。
【0016】
操作表示部106は、ユーザに対する情報の提示及びユーザによる指示の入力に用いられるデバイスである。操作表示部106は、例えばタッチパネルで構成される。
通信部107は、各種の通信規格に準拠したモジュールで構成される。通信部107は、例えばLAN、4Gや5Gと略称される移動通信システムを通じてネットワーク40に接続する。
【0017】
<印刷サーバの構成>
図3は、実施の形態1で使用する印刷サーバ20のハードウェア構成の一例を説明する図である。
図3に示す印刷サーバ20は、演算ユニット201と、情報端末30からアップロードされた印刷データを記憶するハードディスク駆動装置202と、外部との通信に用いられる通信部203とを有している。演算ユニット201と各部は、バス204や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0018】
本実施の形態における演算ユニット201は、プロセッサ201Aと、BIOS等が記憶された不図示のROMと、ワークエリアとして用いられる不図示のRAMとを有している。演算ユニット201は、いわゆるコンピュータとして機能する。後述する印刷サーバ20の機能は、プロセッサ201Aによるプログラムの実行を通じて実現される。
ハードディスク駆動装置202は、磁気ディスクに印刷データ等を記憶する。磁気ディスクは、不揮発性の記憶媒体である。ハードディスク駆動装置202には、基本ソフトウェアやアプリケーションプログラムが記憶される。
通信部203は、各種の通信規格に準拠したモジュールで構成される。通信部203は、LAN、4Gや5Gと略称される移動通信システムを通じてネットワーク40に接続する。
【0019】
図4は、実施の形態1で使用する印刷サーバ20の機能構成の一例を説明する図である。
図4に示す印刷サーバ20は、情報端末30から印刷ジョブを受け付けるジョブ受信部211の機能を有する。印刷ジョブは、ユーザからの印刷の指示と、対応する印刷データを含んでいる。
また、印刷サーバ20は、ジョブ受信部211により受信された印刷データと、この印刷データに関連する情報その他のデータを、データベース213に蓄積するジョブ蓄積部212の機能を有する。データベース213は、ハードディスク駆動装置202(
図3参照)を構成する記憶領域の一部である。印刷データに関連する情報には、例えばジョブ名、印刷データを受け付けた日時、ユーザ名が含まれる。
この他、データベース213には、印刷サーバ20に関する情報、管理の対象である印刷装置10の情報、印刷装置10の動作の状態を管理する情報が記憶される。
【0020】
印刷サーバ20は、印刷装置10からの印刷開始の要求を受信する要求受信部214の機能を有する。印刷開始の要求は、印刷の対象を特定する情報を含んでいる。なお、印刷の対象を特定するために必要な情報は、印刷サーバ20から印刷装置10に与えられ、印刷装置10の操作表示部106(
図2参照)に表示される。例えば印刷装置10の認証機能を用いて認証されたユーザが印刷サーバ20に蓄積している印刷データの一覧が操作表示部106に表示される。この一覧は、データ送信部215を通じて印刷装置10に送信される。
印刷サーバ20は、要求受信部214が受け付けた要求に従って特定された印刷データを印刷装置10に送信するデータ送信部215の機能を有する。ユーザからの要求に基づき、印刷データを初めて印刷装置10に送信する場合、先頭ページから順番に対応する印刷データが送信される。これに対し、エラー後に実行される印刷データの再送の場合、データ送信部215は、イメージ作成部218で作成された印刷データが印刷装置10に送信される。
【0021】
印刷サーバ20は、印刷装置10の印刷中にエラーが発生した場合に、印刷を再開するページを特定するために用いるイメージに対応する画像データを印刷装置10から受信するイメージ受信部216の機能を有する。ここでのイメージは、印刷装置10から出力される印刷物のうち印刷が完了した最後のページ又は印刷にエラーが生じたページのイメージである。イメージ受信部216は、印刷が完了した最後のページ又は印刷にエラーが生じたページのイメージに対応する画像データを印刷装置10から受信する。印刷を再開するページを特定するために用いるイメージに対応する画像データは、スキャナ102から出力される。なお、スキャナ102を用いたイメージの読み取りはユーザが行う。後述するように、印刷装置10の操作表示部106(
図2参照)には、該当するページのスキャナ102による読み取りと送信をユーザに要求する情報が表示される。
【0022】
印刷サーバ20は、イメージ受信部216で受信したイメージを解析し、受信したイメージが印刷データの何ページ目のイメージであるかを特定するイメージ解析部217の機能を有する。
印刷サーバ20は、イメージ解析部217による解析の結果に基づいて特定されたページに応じて再送する印刷データを作成するイメージ作成部218の機能を有する。再送する印刷データを特定する手法は、ユーザが選択している印刷モードにより異なる。ここでの印刷モードには、1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モード、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モード、1枚の用紙の表面と裏面のそれぞれに1ページを割り付ける印刷モード、1枚の用紙の表面と裏面のそれぞれに複数のページを割り付ける印刷モード等がある。
なお、印刷サーバ20は、印刷装置10との通信を通じ、管理している印刷装置10の動作の状態を把握している。なお、印刷サーバ20は、エラーの発生を検知すると、印刷を再開するページの特定に用いるイメージの受信を待ち受ける状態に移行する。
【0023】
<エラーの発生時にユーザに提示される画面の例>
図5は、エラーの発生時にユーザに提示される画面の例を示す図である。(A)は印刷を再開するページとして印刷が完了した最後のページのイメージを用いる場合に提示される画面110の例を示し、(B)は印刷を再開するページとしてエラーが発生したページのイメージを用いる場合に提示される画面120の例を示す。
画面110及び120は、印刷装置10(
図2参照)の操作表示部106(
図2参照)に表示される。
画面110及び120は、エラーの発生の通知を受けた印刷サーバ20(
図1参照)から印刷装置10(
図1参照)に送信されてもよいし、エラーの発生を検知した印刷装置10の機能として操作表示部106に表示してもよい。
【0024】
図5に示す画面110は、ユーザに求める操作の説明文111と、スキャンの開始の指示に用いるボタン112と、スキャンにより取り込まれたイメージの送信の指示に用いるボタン113を有している。
図5の場合、説明文111には、「印刷中にエラーが発生しました。印刷が完了した最後のページをスキャンして、印刷サーバに送信してください。」と記載されている。
図5に示す画面120は、ユーザに求める操作の説明文121と、スキャンの開始の指示に用いるボタン122と、スキャンにより取り込まれたイメージの送信の指示に用いるボタン123を有している。
図5の場合、説明文121には、「印刷中にエラーが発生しました。エラーが発生したページをスキャンして、印刷サーバに送信してください。」と記載されている。
【0025】
実際には、画面110及び120のいずれか一方が、印刷装置10の操作表示部106に表示される。いずれの画面を表示するかは、印刷装置10や印刷サーバ20の初期設定により定められていてもよいし、管理者により設定されてもよい。また、表示する画面は、ユーザが個別に設定してもよい。
もっとも、ユーザがエラー時に行うべき操作の内容を知っている場合には表示がなくてもよいし、ユーザが表示を無効にしている場合には、画面110及び120のいずれも表示されない。
【0026】
<処理の内容>
以下では、ユーザが要求した印刷の実行中にエラーが発生した場合に実行される処理の内容を説明する。印刷サーバ20のプロセッサ201A(
図3参照)は、印刷装置10から印刷中にエラーが発生した旨の通知を受けた時点で、該当する印刷装置10から印刷を再開するページの特定に用いるイメージの受信を待ち受ける状態になる。
図6は、1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モードが選択された場合に実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
図7は、1枚の用紙の片面に複数のページを割り付ける印刷モードや1枚の用紙の両面に1又は複数のページを割り付ける印刷モードが選択された場合に実行される処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図中に示すSは、ステップを意味する。
図6及び
図7に示す処理動作は、印刷サーバ20のプロセッサ201Aによるアプリケーションプログラムの実行を通じて実現される。
【0027】
プロセッサ201Aは、エラーが発生した印刷装置10から画像データが受信されるまでの間、印刷ジョブで選択された印刷モードを確認する処理を実行する。具体的には、プロセッサ201Aは、1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モードか否かを判定する(ステップ1)。
該当する印刷ジョブの印刷モードが、1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モードであった場合、プロセッサ201Aは、ステップ1で肯定結果を得る。
【0028】
ステップ1で肯定結果が得られた場合、プロセッサ201Aは、受信したイメージに対応するページを特定する(ステップ2)。
この際、印刷サーバ20が印刷装置10から受信するイメージの内容は、エラーが発生したページが1ページ目か2ページ目以降かで異なる。
例えば1ページ目の印刷中に用紙詰まりや電源断等のエラーが発生した場合、全体が正しく印刷されたページが存在しない。この場合、印刷サーバ20は、例えば途中まで印刷された1ページ目のイメージを印刷装置10から受信する。
【0029】
一方、2ページ目以降の印刷中にエラーが発生した場合には、正しく印刷されたページも存在するし、印刷が不完全なページも存在する。この場合、印刷サーバ20は、ユーザが画面110又は120に従ってスキャンしたページのイメージを受信する。
プロセッサ201Aは、受信したイメージに含まれる特徴と、対応する印刷ジョブについて保管している印刷データの各ページの特徴とを照合し、印刷装置10から受信したイメージが対応するページを特定する。この特定には、画像を認識する技術が用いられる。本実施の形態では、エラーが発生したページにも、ページが何ページ目であるかを特定できる程度の情報が含まれる場合を想定する。
【0030】
印刷装置10から受信したイメージに対応するページが特定されると、プロセッサ201Aは、受信したイメージは特定されたページのイメージの全体を含むか否かを判定する(ステップ3)。
受信したイメージが、特定されたページのイメージの全体を含む場合、プロセッサ201Aは、ステップ3で肯定結果を得る。この場合は、印刷が完了した最後のページのイメージが受信されたことを意味する。
この場合、プロセッサ201Aは、特定されたページの次のページ以降の印刷データを再送の対象に設定する(ステップ4)。
【0031】
一方、受信したイメージが、特定されたページのイメージの全体を含まない場合、プロセッサ201Aは、ステップ3で否定結果を得る。この場合は、印刷中にエラーが発生したページのイメージが受信されたことを意味する。
この場合、プロセッサ201Aは、特定されたページ以降の印刷データを再送の対象に設定する(ステップ5)。
ステップ4の実行後、又は、ステップ5の実行後、プロセッサ201Aは、再送の対象である印刷データを、再送の要求元である特定の印刷装置10に送信する(ステップ6)。印刷データを受信した印刷装置10は、受信した印刷データによる印刷を再開する。この場合、印刷装置10が受信する印刷データは、印刷が失敗したページ以降の印刷データであるので、毎回、1ページ目から印刷を再開する場合のように、印刷が完了したページが複数生じることがない。また、印刷装置10から出力された枚数に応じて課金が行われる場合にも、重複して出力されるページが生じないため、無駄な課金が生じない。
【0032】
次に、ステップ1で否定結果が得られる場合について説明する。否定結果は、エラーが発生した印刷ジョブで指定されている印刷モードが、1枚の用紙の片面に1ページを割り付ける印刷モードでない場合に得られる。この場合の動作は
図7に示している。
ステップ1で否定結果が得られた場合、プロセッサ201Aは、受信したイメージに対応するページを特定する(ステップ11)。
例えば1枚の用紙の両面に1ページを印刷する場合、該当するページが表面に印刷されたページか裏面に印刷されたページかを一旦無視して、受信したイメージに対応するページが特定される。本実施の形態の場合、用紙に対するイメージの印刷が先に始める側の面を表面といい、その反対側の面を裏面という。ページの特定は、イメージに含まれる特徴と、対応する印刷ジョブについて保管されている印刷データの各ページの特徴との照合により行われる。
【0033】
なお、1枚の用紙の片面に複数ページを印刷する場合、用紙上のレイアウトと印刷の向きなどにより、受信したイメージから特定されるページが1ページの場合と複数ページの場合が考えられる。この場合も、イメージに含まれているページが特定される。
また、1枚の用紙の両面のそれぞれに複数ページを印刷する場合も、該当するページが表面に印刷されたページか裏面に印刷されたページかは一旦無視して、イメージに含まれているページが特定される。
【0034】
印刷装置10から受信したイメージに対応するページが特定されると、プロセッサ201Aは、受信したイメージは特定されたページのイメージの全体を含むか否かを判定する(ステップ12)。なお、受信したイメージに複数のページの情報が含まれる場合、各ページについてイメージの全体を含むか否かが判定される。
イメージの全体を含むページが1つでも存在する場合、プロセッサ201Aは、ステップ12で肯定結果を得る。
この場合、プロセッサ201Aは、特定されたページの次のページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせ以降の印刷データを再送の対象に設定する(ステップ13)。
【0035】
ここでは、組み合わせ単位で再送の対象を設定する。例えば1つの用紙に割り付けられる最終ページのイメージの全体が印刷装置10から受信したイメージに含まれる場合には、次の用紙に割り付ける複数ページを対象とした印刷データが再送の対象に設定される。
これに対し、あるページに対応するイメージの全体が印刷装置10から受信したイメージに含まれていても、そのページが1枚の用紙に割り付けられる最終ページでない場合は、同じ用紙に割り付けられる複数ページを対象とした印刷データが再送の対象に設定される。
【0036】
一方、イメージの全体を含むページが1つも存在しない場合、プロセッサ201Aは、ステップ12で否定結果を得る。
この場合、プロセッサ201Aは、特定されたページと同じ用紙に割り付けられる組み合わせ以降の印刷データを再送の対象に設定する(ステップ14)。
ステップ13の実行後、又は、ステップ14の実行後、プロセッサ201Aは、再送の対象である印刷データを、再送の要求元である特定の印刷装置10に送信する(ステップ15)。
この場合も、印刷中にエラーが発生したページと同じ用紙に割り付けられるページを対象として印刷が再開されるので、レイアウトの崩れや印刷が完了している用紙と同じ印刷が重複することもない。
【0037】
<具体例>
以下では、個々の印刷モードとエラーが発生したページに応じた処理の違いを具体的に説明する。
【0038】
<例1>
図8は、1枚の用紙の片面に1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の処理の流れを説明する図である。
まず、ユーザは、情報端末30から印刷サーバ20に印刷データを送信する(時点T1)。ここでの印刷データは、ユーザが印刷装置10から印刷を要求するまで、印刷サーバ20に蓄積される。
【0039】
次に、ユーザは、シェアオフィス等に設置されている印刷装置10を操作して印刷サーバ20にアクセスし、印刷サーバ20に蓄積されている自身に関連する印刷ジョブの一覧の中から印刷を実行したい印刷ジョブを選択する。すなわち、ユーザは、印刷の実行を指示する(時点T2)。
指示を受け付けた印刷サーバ20は、対応する印刷データを要求元である印刷装置10に送信する(時点T3)。印刷データを受信した印刷装置10は、受信した印刷データを用いて印刷を開始する。
【0040】
図8の例では、1ページ目の印刷は完了しているが、2ページ目の印刷中にエラーが発生している(時点T4)。本実施の形態の場合、2ページ目の途中までは印刷が完了している。エラーの原因には、例えば紙詰まりや電源断がある。
本実施の形態で使用する印刷装置10の場合、印刷データは揮発性メモリ105(
図2参照)に記憶され、印刷が中断しても印刷データが残らない。このため、印刷装置10は、印刷データを印刷サーバ20から再取得する必要がある。
この例の場合、ユーザは、2ページ目の用紙に対応するイメージをスキャナ102(
図2参照)で取り込み、印刷サーバ20に送信する(時点T5)。
【0041】
印刷装置10からイメージを受信した印刷サーバ20は、受信したイメージのページが2ページ目であり、印刷が完了していないことを特定する。
この後、印刷サーバ20は、エラーが解消された印刷装置10から再印刷の指示を受信すると、2ページ目以降の印刷データを印刷装置10に送信する(時点T6)。ここでの処理は、
図6のステップ5の処理に対応する。印刷が完了している1ページ目に対応する印刷データは再送されない。
この後、印刷装置10では、2ページ目から印刷が再開され(時点T7)、結果的に、全ページの印刷結果が得られる(時点T8)。印刷結果の1ページ目は、時点T4で出力されている。
【0042】
<例2>
図9は、1枚の用紙の片面に1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、印刷が完了した最後のページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の処理の流れを説明する図である。
図9には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
時点T1~T4までの処理の流れは、
図8と同じであるので説明を省略する。
この例の場合、印刷サーバ20への送信が要求されるイメージは、印刷が完了している最後のページである。このため、ユーザは、1枚目の用紙に対応するイメージをスキャナ102(
図2参照)で取り込み、印刷サーバ20に送信する(時点T5)。
【0043】
続く、時点T6において、印刷装置10からイメージを受信した印刷サーバ20は、受信したイメージのページが1ページ目であり、印刷が完了していることを特定する。
この例の場合、受信したイメージに対応するページが
図8に示す例と異なっているが、再送が必要なページが2ページ目以降と判定される点は、
図8に示す例と同じである。
従って、印刷サーバ20は、エラーが解消された印刷装置10から再印刷の指示を受信すると、2ページ目以降の印刷データを印刷装置10に送信する。ここでの処理は、
図6のステップ4の処理に対応する。
この後、印刷装置10では、2ページ目から印刷が再開され(時点T7)、結果的に、全ページの印刷結果が得られる(時点T8)。印刷結果の1ページ目は、時点T4で出力されている。
【0044】
<例3>
図10は、1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
図10(A)に示すように、1枚の用紙の表面に割り付けられた原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合、ユーザは、原稿の1ページ目のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージを、原稿の1ページ目と特定される。この処理は、
図7のステップ14の処理に対応する。
【0045】
これに対し、
図10(B)に示すように、1枚の用紙の裏面に割り付けられた2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合、印刷サーバ20に1ページ目のイメージが送信される場合と2ページ目のイメージが送信される場合が想定される。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージを、原稿の2ページ目と特定する。この処理も、
図7のステップ14の処理に対応する。
基本的には、印刷サーバ20に送信するイメージのページは画面110又は120において指定されている。ユーザが誤ったページを読み取る可能性もあるが、その場合でも、本実施の形態における印刷サーバ20は、受信したイメージに対応するページの全体が含まれるか否かを判定しているため、再送するページを正しく判定することが可能である。
この例の場合、表面側の印刷中にエラーが発生した場合でも裏面側の印刷中にエラーが発生した場合にも、同じ用紙に割り付けられるページに対応する印刷データが印刷装置10に再送される。従って、
図10(C)に示すように、原稿の1ページ目を表面に割り付け、2ページ目を裏面に割り付けた用紙の再印刷が実現される。
【0046】
図11は、1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の4ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)はエラーが発生した4ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降、又は、印刷が完了した最後のページである3ページ目の次のページである4ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降から印刷が再開される様子を示す。
【0047】
ユーザがエラーを含む4ページ目のイメージを送信した場合、印刷サーバ20は、ステップ14の処理を実行し、受信したイメージに対応する原稿の4ページ目だけでなく、同じ用紙に割り付けられる原稿の3ページ目を含む組み合わせ以降の印刷データから再送を開始する。
一方、ユーザが、印刷が完了した最後のページである3ページ目のイメージを送信した場合、印刷サーバ20は、ステップ13の処理を実行し、受信したイメージの次のページである4ページ目と同じ用紙に割り付けられる原稿の3ページ目を含む組み合わせ以降の印刷データから再送を開始する。
【0048】
図12は、1枚の用紙の両面にそれぞれ1ページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)はエラーが発生した3ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降、又は、印刷が完了した最後のページである2ページ目の次のページである3ページ目と同じ用紙に割り付けられる3ページ目以降から印刷が再開される様子を示す。
【0049】
ユーザがエラーを含む3ページ目のイメージを送信した場合、印刷サーバ20は、ステップ14の処理を実行し、受信したイメージに対応する原稿の3ページ目だけでなく、同じ用紙に割り付けられる原稿の4ページ目を含む組み合わせ以降の印刷データから再送を開始する。
一方、ユーザが、印刷が完了した最後のページである2ページ目のイメージを送信した場合、印刷サーバ20は、ステップ13の処理を実行し、受信したイメージの次のページである3ページ目と同じ用紙に割り付けられる原稿の4ページ目を含む組み合わせ以降の印刷データから再送を開始する。
【0050】
<例4>
図13は、1枚の用紙の片面に2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
図13(A)に示すように、原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合、ユーザは、1枚目の用紙のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から原稿の1ページ目を特定する。この処理は、
図7のステップ14の処理に対応する。
【0051】
これに対し、
図13(B)に示すように、原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合も、ユーザは、1枚目の用紙のイメージを印刷サーバ20に送信する。
この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージに、原稿の1ページ目のイメージの全体が含まれること、原稿の2ページ目のイメージの全体が含まれないことを特定する。この例の場合、原稿の1ページ目は、印刷が完了した最後のページとして特定される。
いずれのページが特定された場合でも、同じ用紙に割り付けられるページは、原稿の1ページ目と2ページ目の組み合わせである。従って、
図13(C)に示すように、原稿の1ページ目以降の印刷データから印刷が再開される。
【0052】
図14は、1枚の用紙の片面に2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の他の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は2枚目の用紙の1ページ目から印刷が再開される様子を示す。
図14(A)に示すように、原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合、ユーザは、印刷が完了した最後のページを含む1枚目の用紙のイメージ、又は、エラーが発生したページを含む2枚目の用紙のイメージを印刷サーバ20に送信する。
【0053】
例えば1枚目の用紙のイメージが受信された場合、印刷サーバ20は、印刷が完了した最後のページとして原稿の2ページ目を特定し、特定されたページの次のページである原稿の3ページ目と同じ用紙に割り付けられる4ページ目の組み合わせから印刷を再開する。この処理は、
図7のステップ13に対応する。
一方、2枚目の用紙のイメージが受信された場合、印刷サーバ20は、エラーが発生した原稿の3ページ目を特定する。受信したイメージは、原稿の3ページ目のイメージの全体を含まないので、印刷サーバ20は、特定されたページである原稿の3ページ目と同じ用紙に割り付けられる4ページ目の組み合わせから印刷を再開する。この処理は、
図7のステップ14に対応する。
【0054】
<例5>
図15は、1枚の用紙の両面のそれぞれに2つのページが割り付けられる印刷モードによる印刷中にエラーが発生した際に、エラーが発生したページのイメージが印刷サーバ20(
図1参照)に送信される場合の処理の流れを説明する図である。(A)は原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(B)は原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(C)は原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(D)は原稿の4ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示し、(E)は原稿の5ページ目の印刷中にエラーが発生した場合を示す。
【0055】
図15(A)に示すように、1枚目の用紙の表面に割り付けられた原稿の1ページ目の印刷中にエラーが発生した場合、ユーザは、1枚目の用紙の表面のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から原稿の1ページ目を特定する。この処理は、
図7のステップ14の処理に対応する。
図15(B)に示すように、1枚目の用紙の表面に割り付けられた原稿の2ページ目の印刷中にエラーが発生した場合も、ユーザは、1枚目の用紙の表面のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から、印刷が完了した最後のページが原稿の1ページ目であること、又は、エラーが発生したページが原稿の2ページ目であることを特定する。
【0056】
特定されたページが原稿の1ページ目の場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ13の処理を実行する。この場合、次のページである原稿の2ページ目と同じ用紙に割り付けられる、すなわち1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データが再開の対象に設定される。
一方、特定されたページが原稿の2ページ目の場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ14の処理を実行する。この場合、原稿の2ページ目と同じ用紙に割り付けられる、すなわち1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データが再開の対象に設定される。
【0057】
図15(C)に示すように、1枚目の用紙の裏面に割り付けられた原稿の3ページ目の印刷中にエラーが発生した場合も、ユーザは、1枚目の用紙の裏面のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から、エラーが発生したページが原稿の3ページ目であることを特定する。
特定されたページが原稿の3ページ目の場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ14の処理を実行する。この場合、印刷サーバ20は、原稿の3ページ目と同じ用紙に割り付けられる、すなわち1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データを再開の対象に設定する。
なお、印刷が完了した最後のページである原稿の2ページ目を含む1枚目の用紙の表面のイメージが印刷サーバ20に送信された場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ13を実行する。この場合も、印刷サーバ20は、1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データを再開の対象に設定する。
【0058】
図15(D)に示すように、1枚目の用紙の裏面に割り付けられた原稿の4ページ目の印刷中にエラーが発生した場合も、ユーザは、1枚目の用紙の裏面のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から、エラーが発生したページが原稿の4ページ目であることを特定する。
特定されたページが原稿の4ページ目の場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ14の処理を実行する。この場合、原稿の4ページ目と同じ用紙に割り付けられる、すなわち1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データを再開の対象に設定する。
なお、1枚目の用紙の裏面のイメージからは、印刷が完了した最後のページである原稿の3ページ目も特定される。この場合、印刷サーバ20は、原稿の3ページ目を特定されたページとして、
図7のステップ13を実行する。この場合も、1枚目の用紙に割り付けられる原稿の1ページ目以降の印刷データを再開の対象に設定する。
【0059】
図15(E)に示すように、2枚目の用紙の表面に割り付けられた原稿の5ページ目の印刷中にエラーが発生した場合も、ユーザは、2枚目の用紙の表面のイメージを印刷サーバ20に送信する。この場合、印刷サーバ20は、受信したイメージの特徴から、エラーが発生したページが原稿の5ページ目であることを特定する。特定されたページが原稿の5ページ目の場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ14の処理を実行する。この場合、原稿の5ページ目と同じ用紙に割り付けられる、すなわち2枚目の用紙に割り付けられる原稿の5ページ目以降の印刷データを再開の対象に設定する。
なお、印刷が完了した最後のページである原稿の4ページ目を含む1枚目の用紙の裏面のイメージが印刷サーバ20に送信された場合、印刷サーバ20は、
図7のステップ13を実行する。この場合、印刷サーバ20は、4ページ目の次のページである5ページ目と同じ用紙に割り付けられるページの印刷データを再開の対象に設定する。すなわち、印刷サーバ20は、原稿の5ページ目以降の印刷データを再送する。
【0060】
<実施の形態2>
図16は、実施の形態2で使用する情報処理システム1Aの構成例を示す図である。
図16には、
図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
実施の形態1においては、原稿のイメージを光学的に読み取るスキャナ102(
図2参照)を有する印刷装置10で構成される情報処理システム1(
図1参照)を想定していたが、本実施の形態では、原稿のイメージを光学的に読み取るスキャナ102を有しない印刷装置10Aで構成される情報処理システム1Aを想定する。
本実施の形態の場合、印刷中にエラーが発生したページ又は印刷が完了した最後のページのイメージの読み取りと印刷サーバ20への送信にスマートフォン50を使用する。
【0061】
スマートフォン50に代えて、タブレット型のコンピュータやデジタルカメラを用いてもよい。なお、デジタルカメラがネットワーク40と通信する機能を有しない場合、デジタルカメラで撮像された画像データをスマートフォン50や印刷装置10A経由で印刷サーバ20に送信する。
印刷装置10Aの表示部が設けられていない場合、又は、表示部のサイズが画面110又は120(
図5参照)に対して小さい場合、スマートフォン50等の表示部に、画面110(
図5参照)又は画面120(
図5参照)を表示してもよい。
本実施の形態の場合のその他の動作は、実施の形態1と同じである。
【0062】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(=Central Processing Unit)等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、1A…情報処理システム、20…印刷サーバ、30…情報端末、40…ネットワーク、50…スマートフォン、201…演算ユニット、201A…プロセッサ、202…ハードディスク駆動装置、203…通信部、204…バス、211…ジョブ受信部、212…ジョブ蓄積部、213…データベース、214…要求受信部、215…データ送信部、216…イメージ受信部、217…イメージ解析部、218…イメージ作成部