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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】頭部装着型表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20240521BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20240521BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G02C11/00
G02B27/02 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020055575
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021158476
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 和也
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/126583(WO,A1)
【文献】特開2019-129484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G02C 11/00
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1テンプル部材及び第2テンプル部材が、表示部の少なくとも一部を格納するケース部材の内側面の前記表示部寄りに設けられるとともに、
前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材に、第1支持部材及び第2支持部材が設けられ
前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材は、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材の中央部に前記ケース部材に向かって延びる弾性部を備えることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、導光部材と表示素子とを備え、
前記ケース部材は、前記表示部の水平方向の両端で前記表示部の一部を格納することを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項3】
前記第1支持部材は、前記ケース部材の前記表示部側に設けられる前記第1テンプル部材に設けられ、
前記第2支持部材は、前記ケース部材の前記表示部側に設けられる前記第2テンプル部材に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項4】
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、画像光の射出方向からみて前記表示部と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項5】
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材の幅方向の中心側に設けられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項6】
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材の互いに対向する側に延びる第1の位置と、前記第1テンプル部材または前記第2テンプル部材に沿って伸びる第2の位置との間で回転移動可能な第1回動機構及び第2回動機構を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項7】
前記弾性部に前記第1回動機構と前記第2回動機構とは、前記弾性部に設けられることを特徴とする請求項6に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項8】
前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、前記ケース部材側に延びる第3の位置に回動可能であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項9】
前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、本体部と、前記本体部の上側に利用者のメガネフレームと当接して前記表示部を支持する当接面と、を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの頭部に装着されて利用され、ユーザーによって視認可能に画像を表示する頭部装着型表示装置が知られている。このような頭部装着型表示装置として、ユーザーの左右の耳に懸架される一対のテンプルを備えた頭部装着型表示装置が知られている。
この場合に、使用者がメガネを使用している場合には、頭部装着型表示装置を使用しているメガネの上から装着する必要がある。
従来、使用者のメガネフレームに取り付け可能な保護メガネが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-108798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、単にメガネにリム、レンズ、ブリッジからなる保護メガネ本体を装着する技術に過ぎず、表示部とテンプル部材とを備えた頭部装着型表示装置には、適用できない。
また、出願人は、表示ユニットの一部を格納するケース部材の後側の端部に、テンプル部材を設け、ケース部材の側面にメガネフレームと当接して頭部装着型表示装置のずれを防止する支持部材を取り外し可能に設ける技術を開発している。
しかしながら、このような技術では、テンプル部材がケース部材の後側の端部に設けられているため、頭部の形状によってはテンプル部材の先の部分だけ当接することになってしまうことがあった。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、メガネを使用した場合でも装着性を高めることができる頭部装着型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る頭部装着型表示装置は、第1テンプル部材及び第2テンプル部材が、表示部の少なくとも一部を格納するケース部材の内側面の前記表示部寄りに設けられるとともに、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材に、第1支持部材及び第2支持部材が設けられ、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材は、前記第1テンプル部材及び前記第2テンプル部材の中央部に前記ケース部材に向かって延びる弾性部を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の第2の位置状態の斜視図。
図2】第1実施形態の第1の位置状態の斜視図。
図3】第1実施形態の平面図。
図4】第1実施形態の左ケース部材部分の分解斜視図。
図5】第1実施形態のテンプル部材を示す正面図。
図6】第1実施形態の支持部材を示す正面図。
図7】第1実施形態の支持部材を示す平面図。
図8】第2実施形態の第2の位置状態の斜視図。
図9】第2実施形態の第1の位置状態の斜視図。
図10】第2実施形態の平面図。
図11】第2実施形態の支持部材を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0008】
図1は、本発明を適用した第1実施形態の第2の一状態の頭部装着型表示装置(以下、HMD:Head Mounted Displayという)を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の第1の一状態の斜視図である。図3は、第1実施形態を示す平面図である。図4は、第1実施形態のテンプル部材を示す正面図である。図5は、第1実施形態の支持部材を示す正面図である。図6は、第1実施形態の支持部材を示す平面図である。
【0009】
HMD1は、使用者の頭部に装着された状態で使用者に虚像を視認させる表示部10を備える。
表示部10は、使用者の頭部に装着されるメガネ形状の装着体であり、外光を透過可能に構成される。表示部10は、第1テンプル部材としての右テンプル部材20と、第2テンプル部材としての左テンプル部材21と、前部フレーム11とを有する本体に、表示ユニットを構成する右ケース部材12、左ケース部材13、右導光板14及び左導光板15を備える。
【0010】
右テンプル部材20及び左テンプル部材21は、それぞれ、前部フレーム11の両端部から後方に延び、メガネのテンプルのように、使用者の頭部に表示部10を保持する。
右テンプル部材20は、前部フレーム11の右端部から、表示部10の装着状態において使用者の右側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。左テンプル部材21は、前部フレーム11の左端部から、表示部10の装着状態において使用者の左側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。
【0011】
右導光板14及び左導光板15は、前部フレーム11に設けられる。右導光板14は、表示部10の装着状態において使用者の右眼の眼前に位置し、右眼に画像を視認させる。左導光板15は、表示部10の装着状態において使用者の左眼の眼前に位置し、左眼に画像を視認させる。
【0012】
前部フレーム11は、右導光板14の一端と左導光板15の一端とを互いに連結したブリッジ16を備える。ブリッジ16は、使用者が表示部10を装着する装着状態において、使用者の眉間に位置する。前部フレーム11は、右導光板14と左導光板15との連結位置において、表示部10の装着状態で使用者の鼻に当接する鼻当て部17が設けられる。
これにより、鼻当て部17と右テンプル部材20及び左テンプル部材21とにより表示部10を使用者の頭部に保持できる。また、右テンプル部材20及び左テンプル部材21に、表示部10の装着状態において使用者の後頭部に接するベルト(図示略)を連結してもよく、この場合、ベルトによって表示部10を使用者の頭部に保持できる。
【0013】
右ケース部材12は、右導光板14による画像の表示に係る表示ユニットであり、右テンプル部材20に設けられ、装着状態において使用者の右側頭部の近傍に位置する。左ケース部材13は、左導光板15による画像の表示に係るユニットであり、左テンプル部材21に設けられ、装着状態において使用者の左側頭部の近傍に位置する。
表示部10は、図示しない導光部材と表示素子とを備え、右ケース部材12及び左ケース部材13は、表示部10の水平方向の両端で表示部10の一部を格納し、表示ユニットの一部を構成する。
【0014】
本実施形態の右導光板14及び左導光板15は、光透過性の樹脂等によって形成される光学部であり、例えばプリズムによって構成される。右導光板14及び左導光板15は、右ケース部材12及び左ケース部材13が出力する画像光を使用者の眼に導く。
【0015】
表示部10は、右ケース部材12及び左ケース部材13の後述する画像出射装置がそれぞれ生成する画像光を、右導光板14及び左導光板15に導き、この画像光により虚像を使用者に視認させる。すなわち、使用者の前方から、右導光板14及び左導光板15を透過して外光が使用者の眼に入射される。
【0016】
ここで、左ケース部材13について説明する。図4は、左ケース部材13部分の分解斜視図である。なお、右ケース部材12は、左ケース部材13と対称に設けられるため、ここでは、左ケース部材13のみについて説明する。
左ケース部材13は、図4に示すように、上部筐体50と、表示部10の端部に一体に取付けられる内部筐体51と、下部筐体52と、を備える。
上部筐体50は、内部筐体51の上面を覆う上面部53と、内部筐体51の内側を覆う内側面部54とを備える。下部筐体52は、内部筐体51の下面を覆う下面部55を備える。
【0017】
上部筐体50の内側面部54であって表示部10寄りの端部には、テンプル支持部56が設けられる。
テンプル支持部56は、表示部10の左ケース部材13の前後方向における中途部であって表示部10寄りに設けられる。すなわち、テンプル支持部56より後方にも、左ケース部材13の一部が存在している。
内部筐体51には、表示ユニットの一部を構成する画像出射装置18が収容される。
【0018】
右テンプル部材20は、その表示部10側端部にテンプル支持部56に取付けるための支持部28が設けられる。右テンプル部材20は、支持部をテンプル支持部56に係合させることで、右ケース部材12のテンプル支持部56に回動自在に取付けられる。すなわち、右テンプル部材20は、右ケース部材12の内側の表示部10寄りに、右ケース部材12に沿うように設けられる。
右テンプル部材20は、前部フレーム11に連結される上下に幅広な基部22を備え、基部22から後方に向けて先細り状に形成される。基部22は、略四角形状の開口部23と、開口部23に位置し前部フレーム11側端が基部22に連結された弾性部24とを備える。
弾性部24は、上部辺25と下部辺26とを備えた略U字状に形成され、その後端部が基部22の外側に突出する形状を有する。弾性部24の後端は、右ケース部材12の内側面に当接される。
【0019】
本体部31の上部には、周方向に延びる当接アーム34が設けられる。当接アーム34の下面は、使用者のメガネフレームに当接する当接面35とされる。
右支持部材30は、係合溝を突起27に係合させることで、本体部31は、突起27を中心として回動自在に保持され、これにより第1回動機構としての右回動機構36が構成される。
すなわち、本体部31の回動により、当接アーム34が、図2に示す右テンプル部材20及び左テンプル部材21の互いに対向する側に延びる第1の位置と、図1に示す右テンプル部材20に沿って伸びる第2の位置との間で回動可能に構成される。このとき、本体部31の外周面に凹凸面32を形成しているので、回動操作を行う際の滑りを防止できる。第1の位置は、使用者のメガネフレームを支持する位置とされる。
右支持部材30は、第1の位置において画像光の射出方向からみて表示部10と重なる位置に配置される。すなわち、右支持部材30は、第1の位置で当接アーム34が右テンプル部材20の内側に突出するように構成される。
【0020】
次に、支持部材について説明する。
図5に示すように、弾性部24の上部辺25および下部辺26の内側には、回転軸となる上下一対の突起27が形成されている。突起27は、弾性部24の前後方向に複数対設けられる。
図6に示すように、第1支持部材としての右支持部材30は、円筒の周面の一部を切欠いた形状に形成された本体部31を備える。本体部31の外周面には、上下方向の延びる複数の凹凸面32が形成される。図7に示すように、本体部31の上下面には、突起27に係合される係合凹部33がそれぞれ形成される。
【0021】
本体部31の上部には、周方向に延びる当接アーム34が設けられる。当接アーム34の下面は、使用者のメガネフレームに当接する当接面35とされる。
右支持部材30は、係合溝を突起27に係合させることで、本体部31は、突起27を中心として回動自在に保持され、これにより第1回動機構としての右回動機構36が構成される。
すなわち、本体部31の回動により、当接アーム34が、図2に示す使用者のメガネフレームを支持する第1の位置と、図1に示す右テンプル部材20に沿って伸びる第2の位置との間で回動可能に構成される。このとき、本体部31の外周面に凹凸面32を形成しているので、回動操作を行う際の滑りを防止できる。
右支持部材30は、第1の位置において画像光の射出方向からみて表示部10と重なる位置に配置される。すなわち、右支持部材30は、第1の位置で当接アーム34が右テンプル部材20の内側に突出するように構成される。
【0022】
また、右支持部材30は、当接アーム34を右ケース部材12側に延びるように回動させた第3の位置にも回動可能とされる。右支持部材30を第3の位置に回動させることで、当接アーム34を右ケース部材12に向かって延びる状態に保持することができ、これにより、弾性部24の弾性力を可変させることができる。
【0023】
さらに、右支持部材30は、係合凹部33が係合する突起27の位置を変更することで、右支持部材30の前後位置を変更することができる。
これにより、例えば、右支持部材30を最も前方に位置させた場合は、右支持部材30と右ケース部材12とは接触せず、弾性部24は、本来の弾性力を有する。そして、右支持部材30を後方に位置させると、右支持部材30の本体部31が右ケース部材12の側面に当接することになり、弾性部24に負荷をかけることができる。そのため、右支持部材30を後方に位置させることで、前方に位置させる場合と比較して、弾性部24による弾性力を強くすることができる。
【0024】
第2支持部材としての左支持部材37は、右支持部材30と同様に、構成される。
すなわち、左支持部材37は、本体部31と、係合凹部33と、当接アーム34とを備え、左支持部材37は、係合溝を弾性部24の突起27に係合させることで、第2回動機構としての左回動機構38が構成される。
その他の構成は、右支持部材30と左右対称で同様であるためその説明を省略する。
【0025】
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、利用者がメガネを使用しない場合は、右支持部材30及び左支持部材37を、図1に示す第2の位置に位置させる。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37の当接アーム34は、右テンプル部材20及び左テンプル部材21に沿って延び、内側に突出しない状態に保持される。
【0026】
利用者がメガネを使用する場合は、右支持部材30及び左支持部材37を、図2に示す第1の位置に位置させる。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37の当接アーム34は、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の内側に突出した状態に保持される。そして、利用者がHMD1を装着することで、右支持部材30の当接アーム34の当接面35が利用者のメガネフレームに当接し、左支持部材37の当接アーム34の当接面35が利用者のメガネフレームに当接する。
HMD1は、当接面35を介して利用者のメガネフレームに支持され、利用者がメガネを使用する場合でも、HMD1の装着性を高めることができる。
【0027】
以上述べたように、本実施形態は、右テンプル部材20(第1テンプル部材)及び左テンプル部材21(第2テンプル部材)が、表示部10の少なくとも一部を格納する右ケース部材12及び左ケース部材13(ケース部材)の内側面の表示部寄りに設けられる。右テンプル部材20及び左テンプル部材21に、右支持部材30(第1支持部材)及び左支持部材37(第2支持部材)が設けられる。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37を設けることで、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の開き具合、内側への反発力を調整することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態においては、表示部10は、導光部材と表示素子とを備え、右ケース部材12及び左ケース部材13は、表示部10の水平方向の両端で表示部10の一部を格納する。
【0029】
また、本実施形態においては、右支持部材30は、右ケース部材12の表示部10側に設けられる右テンプル部材20に設けられ、左支持部材37は、左ケース部材13の表示部10側に設けられる左テンプル部材21に設けられる。
これにより、メガネを使用する利用者がHMD1を装着することで、右テンプル部材20に設けられた右支持部材30及び左テンプル部材21に設けられた左支持部材37が利用者のメガネフレームに支持される。その結果、利用者がメガネを使用する場合でも、HMD1の装着性を高めることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、右支持部材30及び左支持部材37は、画像光の射出方向からみて表示部10と重なる位置に配置されている。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37が右テンプル部材20及び左テンプル部材21の内側に突出することで、HMD1を利用者のメガネフレームで支持することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、右支持部材30と左支持部材37とは、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の幅方向の中心側に設けられる。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37により、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の幅方向の中心付近においてHMD1を利用者のメガネフレームで支持することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、右テンプル部材20及び左テンプル部材21は、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の中央部に右ケース部材12及び左ケース部材13に向かって延びる弾性部24を備える。
これにより、弾性部24が右支持部材30または左支持部材37に当接することで、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の開き具合、内側への反発力を調整することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態においては、右支持部材30と左支持部材37とは、第1の位置と、第2の位置との間で回転移動可能な右回動機構36(第1回動機構)及び左回動機構38(第2回動機構)を有する。
これにより、右回動機構36及び左回動機構38により右支持部材30及び左支持部材37を第1の位置または第2の位置に位置させることで、右支持部材30及び左支持部材37を突出状態または収納状態にすることができる。
【0034】
また、本実施形態においては、右回動機構36及び左回動機構38は、弾性部24に設けられる。
これにより、弾性部24に設けた右回動機構36及び左回動機構38により、右支持部材30及び左支持部材37を第2の位置または第1の位置に位置させることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、右支持部材30と左支持部材37とは、右ケース部材12及び左ケース部材13側に延びる第3の位置に回動可能である。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37を第3の位置に回動させることで、右支持部材30及び左支持部材37を右ケース部材12及び左ケース部材13に向かって延びる状態に保持することができ、弾性部24の弾性力を可変させることができる。
【0036】
また、本実施形態においては、右支持部材30と左支持部材37とは、本体部31と、本体部31の上側に利用者のメガネフレームと当接して表示部10を支持する当接面35と、を有する。
これにより、右支持部材30及び左支持部材37の当接面35が利用者のメガネフレームに当接し、HMD1を当接面35を介して利用者のメガネフレームで支持することができる。
これにより、メガネを使用する利用者がHMD1を装着することで、右支持部材30及び左支持部材37の当接面35が利用者のメガネフレームに当接し、HMD1を当接面35を介して利用者のメガネフレームで支持することができる。その結果、利用者がメガネを使用する場合でも、HMD1の装着性を高めることができる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態を示す第2の位置状態の斜視図である。図9は、第2実施形態を示す第1の位置状態の斜視図である。図10は、第2実施形態を示す平面図である。図11は、第2実施形態の支持部材を示す正面図である。
【0038】
図8から図10に示すように、本実施形態の第1支持部材としての右支持部材40は、平板状の本体部41と、本体部41の上端部に一体に設けられた略U字状の係止部42とを備える。
弾性部24の上部辺25は、断面形状略正方形に形成される。係止部42の内側には、弾性部24の上部辺25に係合される係止溝43が形成される。係止溝43は、弾性部24の上部辺25の断面形状と略同様の断面形状に形成される。
【0039】
右支持部材40は、係止部42の係止溝43を弾性部24の上部辺25に係止させることで、図9に示す使用者のメガネフレームを支持する第1の位置と、図8に示す右テンプル部材20に沿って伸びる第2の位置との間で回動可能に構成される。右支持部材40は、第1の位置に位置した状態で、本体部41の下面が当接面44として機能する。
【0040】
すなわち、第1実施形態が突起27を軸とした横方向の回転動作を行う右回動機構36であるのに対して、第2実施形態は、本体部41が上下方向の回動動作を行う第1回動機構としての右回動機構45で構成される。
この場合に、第2実施形態では、係止溝43の断面形状を弾性部24の上部辺25の断面形状と略同等に構成しているので、第1の位置および第2の位置において、右支持部材40を保持することができる。そして、少なくとも右支持部材40を樹脂などの可撓性材料で構成することで、第1の位置と第2の位置との間の移動は、右支持部材40が変形して弾性部24の上部辺25の角部を乗り越えることで可能となる。
【0041】
左支持部材46は、右支持部材40の構成と同様であり、本体部41と、係止部42と、係止溝43と、当接面44と、を備え、左回動機構47が構成される。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、利用者がメガネを使用しない場合は、右支持部材40及び左支持部材46を、図8に示す第2の位置に位置させる。
これにより、右支持部材40及び左支持部材46の本体部41は、右テンプル部材20及び左テンプル部材21に沿って延び、内側に突出しない状態に保持される。
【0043】
利用者がメガネを使用する場合は、右支持部材40及び左支持部材46を、図9に示す第1の位置に位置させる。
これにより、右支持部材40及び左支持部材46の本体部41は、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の内側に突出した状態に保持される。そして、利用者がHMD1を装着することで、右支持部材40の当接面が利用者のメガネフレームに当接し、左支持部材46の当接面が利用者のメガネフレームに当接する。
HMD1は、当接面を介して利用者のメガネフレームに支持され、利用者がメガネを使用する場合でも、HMD1の装着性を高めることができる。
【0044】
以上述べたように、本実施の形態は、右テンプル部材20(第1テンプル部材)及び左テンプル部材21(第2テンプル部材)が、表示部10と右ケース部材12及び左ケース部材13(ケース部材)の内側面の表示部10寄りに設けられる。右テンプル部材20及び左テンプル部材21に、右支持部材40(第1支持部材)及び左支持部材46(第2支持部材)が設けられる。
また、右支持部材40と左支持部材46とは、第1の位置と、第2の位置との間で回転移動可能な右回動機構36(第1回動機構)及び左回動機構47(第2回動機構)を有する。
【0045】
これにより、右支持部材40及び左支持部材46を設けることで、右テンプル部材20及び左テンプル部材21の開き具合、内側への反発力を調整することが可能となる。
また、利用者がメガネを使用しない場合は、右回動機構36及び左回動機構47により右支持部材40及び左支持部材46を第2の位置に位置させる。また、利用者がメガネを使用する場合は、右回動機構36及び左回動機構47により右支持部材40及び左支持部材46を第1の位置に位置させることで、右支持部材40及び左支持部材46が利用者のメガネフレームに当接し、HMD1を支持することができる。その結果、利用者がメガネを使用する場合でも、HMD1の装着性を高めることができる。
【符号の説明】
【0046】
1…HMD(頭部装着型表示装置)、10…表示部、11…前部フレーム、12…右ケース部材、13…左ケース部材、20…右テンプル部材、21…左テンプル部材、24…弾性部、25…上部辺、26…下部辺、27…突起、30…右支持部材、31…本体部、33…係合凹部、34…当接アーム、35…当接面、36…右回動機構、37…左支持部材、38…左回動機構、40…右支持部材、41…本体部、42…係止部、43…係止溝、44…当接面、45…右回動機構、46…左支持部材、47…左回動機構。
図1
図2
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図5
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図8
図9
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図11