(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】配線部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240521BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H02G3/04 068
H02G3/04 062
H01R13/56
(21)【出願番号】P 2020096799
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕信
(72)【発明者】
【氏名】小林 利成
(72)【発明者】
【氏名】金 京佑
(72)【発明者】
【氏名】朝野 風太
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-023267(JP,A)
【文献】特開2008-153225(JP,A)
【文献】特開2019-216494(JP,A)
【文献】特開2019-196062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H01R 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を含む線状伝送部材と、
前記電線の長手方向に沿った端部が収容されたコネクタハウジングと、
前記電線の前記長手方向に沿った中間部に設けられて前記線状伝送部材の外周部に固定された外装部材と、
前記電線の前記長手方向に沿って前記コネクタハウジングと前記外装部材との間に設けられて前記線状伝送部材の外周部に装着されたカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材と前記線状伝送部材とは前記電線の前記長手方向に沿って相対移動可能でありつつ、前記コネクタハウジング及び前記外装部材が前記電線の前記長手方向に沿った前記カバー部材の移動を規制しており、
前記カバー部材は弾性部材であり、自身の長手方向に圧縮変形可能な弾性筒部を含
み、
前記カバー部材は前記弾性筒部よりも圧縮変形困難な保持筒部をさらに含み、
前記保持筒部が前記弾性筒部に対して前記外装部材側の隣の位置に設けられている、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記カバー部材が前記電線の前記長手方向に沿って前記コネクタハウジング側に移動しようとしたときに、前記カバー部材の一端部に設けられた第1接触部が前記コネクタハウジングのコネクタハウジング側接触部に接触してその移動が規制されると共に、前記電線の前記長手方向に沿って前記外装部材側に移動しようとしたときに、前記カバー部材の他端部に設けられた第2接触部が前記外装部材の外装部材側接触部に接触してその移動が規制され、
前記カバー部材における前記第1接触部から前記第2接触部までの自然長は、前記コネクタハウジング側接触部から前記外装部材側接触部までの長さと同じかそれよりも長い、配線部材。
【請求項3】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記カバー部材における前記第1接触部から前記第2接触部までの自然長は、前記コネクタハウジング側接触部から前記外装部材側接触部までの長さよりも長い、配線部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記弾性筒部は大径部と小径部とが長手方向に沿って交互に連続する蛇腹状に形成され、
前記弾性筒部には前記小径部と前記大径部との間に、前記小径部の側から前記大径部の側に行くにつれて径が徐々に大きくなる拡径部が設けられ、
前記弾性筒部が圧縮変形した状態において、前記拡径部の傾斜が大きくなって隣り合う前記大径部同士が接近する、配線部材。
【請求項5】
請求項
1から請求項4のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記カバー部材が自然長のとき、前記弾性筒部の長さが前記保持筒部の長さよりも長い、配線部材。
【請求項6】
請求項
1から請求項5のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記カバー部材は前記保持筒部の内面から前記線状伝送部材に向けて突出する環状凸部をさらに含み、
前記環状凸部が前記線状伝送部材の外周部に接触している、配線部材。
【請求項7】
請求項
6に記載の配線部材であって、
前記線状伝送部材は前記電線を複数含み、
前記環状凸部の位置において、複数の前記電線はその外面が環状とされた保護部に覆われ、
前記環状凸部は前記保護部の前記外面に接触している、配線部材。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記線状伝送部材は複数の前記電線と複数の前記電線を覆うシースとを含み、
複数の前記電線のうち前記コネクタハウジングに収容される端部を含む部分が前記シースの端部から延び出ており、
前記シースの端部が前記カバー部材の内部に位置する、配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コネクタハウジングの後端部及びコネクタハウジングから延び出る電線を覆うゴムブーツを開示している。特許文献1では、電線とゴムブーツとの周囲に粘着テープが巻かれて、ゴムブーツが所定の位置に取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テープ巻き作業は手間がかかり、また粘着テープの粘着力が経年劣化により弱まった際、ゴムブーツがずれる恐れがあるなどの理由により、テープ巻きをせずともゴムブーツを取付け可能であることが望まれている。さらに電線端部にコネクタハウジングが設けられた後にゴムブーツが取付けられる場合、コネクタハウジングをゴムブーツに通す作業が必要になるため、電線端部にコネクタハウジングが設けられるよりも先にゴムブーツに電線が通されることが望まれている。
【0005】
そこで、テープ巻きをせずともカバー部材を取付け可能にすると共に、カバー部材に電線が通された後に電線端部にコネクタハウジングが設けられることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線部材は、電線を含む線状伝送部材と、前記電線の長手方向に沿った端部が収容されたコネクタハウジングと、前記電線の前記長手方向に沿った中間部に設けられて前記線状伝送部材の外周部に固定された外装部材と、前記電線の前記長手方向に沿って前記コネクタハウジングと前記外装部材との間に設けられて前記線状伝送部材の外周部に装着されたカバー部材と、を備え、前記カバー部材と前記線状伝送部材とは前記電線の前記長手方向に沿って相対移動可能でありつつ、前記コネクタハウジング及び前記外装部材が前記電線の前記長手方向に沿った前記カバー部材の移動を規制しており、前記カバー部材は弾性部材であり、自身の長手方向に圧縮変形可能な弾性筒部を含む、配線部材である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、テープ巻きをせずともカバー部材が取付け可能になると共に、カバー部材に電線が通された後に電線端部にコネクタハウジングが設けられることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる配線部材を示す側面図である。
【
図3】
図3は実施形態1にかかる配線部材を製造する様子を示す説明図である。
【
図4】
図4は実施形態1にかかる配線部材を製造する様子を示す説明図である。
【
図5】
図5は実施形態1にかかる配線部材を製造する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の配線部材は、次の通りである。
【0011】
(1)電線を含む線状伝送部材と、前記電線の長手方向に沿った端部が収容されたコネクタハウジングと、前記電線の前記長手方向に沿った中間部に設けられて前記線状伝送部材の外周部に固定された外装部材と、前記電線の前記長手方向に沿って前記コネクタハウジングと前記外装部材との間に設けられて前記線状伝送部材の外周部に装着されたカバー部材と、を備え、前記カバー部材と前記線状伝送部材とは前記電線の前記長手方向に沿って相対移動可能でありつつ、前記コネクタハウジング及び前記外装部材が前記電線の前記長手方向に沿った前記カバー部材の移動を規制しており、前記カバー部材は弾性部材であり、自身の長手方向に圧縮変形可能な弾性筒部を含む、配線部材である。カバー部材と線状伝送部材とが電線の長手方向に沿って相対移動可能でありつつ、コネクタハウジング及び外装部材が電線の長手方向に沿ったカバー部材の移動を規制しているため、テープ巻きをせずともカバー部材が所定の位置に取付けられた状態に維持される。またカバー部材は弾性部材であり、自身の長手方向に圧縮変形可能な弾性筒部を含むため、カバー部材が電線に装着された後でも、弾性筒部が圧縮変形されることによって、電線の端部の加工が容易となる。
【0012】
(2)(1)の配線部材において、前記カバー部材が前記電線の前記長手方向に沿って前記コネクタハウジング側に移動しようとしたときに、前記カバー部材の一端部に設けられた第1接触部が前記コネクタハウジングのコネクタハウジング側接触部に接触してその移動が規制されると共に、前記電線の前記長手方向に沿って前記外装部材側に移動しようとしたときに、前記カバー部材の他端部に設けられた第2接触部が前記外装部材の外装部材側接触部に接触してその移動が規制され、前記カバー部材における前記第1接触部から前記第2接触部までの自然長は、前記コネクタハウジング側接触部から前記外装部材側接触部までの長さと同じかそれよりも長くてもよい。これにより、電線の長手方向に沿ってカバー部材がほとんど移動することがなくなる。
【0013】
(3)(2)の配線部材において、前記カバー部材における前記第1接触部から前記第2接触部までの自然長は、前記コネクタハウジング側接触部から前記外装部材側接触部までの長さよりも長くてもよい。これにより、カバー部材の両端部がコネクタハウジング及び外装部材によって押さえられた状態となり、カバー部材ががたつきにくくなる。
【0014】
(4)(1)から(3)のいずれか1つの配線部材において、前記弾性筒部は大径部と小径部とが長手方向に沿って交互に連続する蛇腹状に形成され、前記弾性筒部には前記小径部と前記大径部との間に、前記小径部の側から前記大径部の側に行くにつれて径が徐々に大きくなる拡径部が設けられ、前記弾性筒部が圧縮変形した状態において、前記拡径部の傾斜が大きくなって隣り合う前記大径部同士が接近してもよい。これにより、弾性筒部が形状的に圧縮変形容易となる。
【0015】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの配線部材において、前記カバー部材は前記弾性筒部よりも圧縮変形困難な保持筒部をさらに含み、前記保持筒部が前記弾性筒部に対して前記外装部材側の隣の位置に設けられていてもよい。これにより、カバー部材と外装部材とが適切な姿勢で接触しやすい。
【0016】
(6)(5)の配線部材において、前記カバー部材が自然長のとき、前記弾性筒部の長さが前記保持筒部の長さよりも長くてもよい。これにより、弾性筒部が圧縮変形できる長さを長くできる。
【0017】
(7)(5)又は(6)の配線部材において、前記カバー部材は前記保持筒部の内面から前記線状伝送部材に向けて突出する環状凸部をさらに含み、前記環状凸部が前記線状伝送部材の外周部に接触していてもよい。これにより、保持筒部と線状伝送部材との間から水等が浸入することが抑制される。
【0018】
(8)(7)の配線部材において、前記線状伝送部材は前記電線を複数含み、前記環状凸部の位置において、複数の前記電線はその外面が環状とされた保護部に覆われ、前記環状凸部は前記保護部の前記外面に接触していてもよい。これにより環状凸部と外面が環状の保護部との間に隙間が生じにくくなる。
【0019】
(9)(1)から(8)のいずれか1つの配線部材において、前記線状伝送部材は複数の前記電線と複数の前記電線を覆うシースとを含み、複数の前記電線のうち前記コネクタハウジングに収容される端部を含む部分が前記シースの端部から延び出ており、前記シースの端部が前記カバー部材の内部に位置してもよい。これにより、複数の電線のうちシースに覆われない部分がカバー部材によって覆われる。またカバー部材のうち外装部材側の端部がシースのある部分に位置する。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる配線部材10について説明する。
図1は実施形態1にかかる配線部材10を示す側面図である。
図2は
図1の領域A1の拡大図である。なお
図2において、外装部材40の一部及びカバー部材50の一部が断面図とされている。
【0022】
配線部材10は車両において機器をつなぎ、電気又は光を伝送する。配線部材10は、車両において如何なる箇所に配置されてもよい。ここでは配線部材10は、車両において車体側の機器と足回りの機器とを接続する足回り用の配線部材10であるものとして説明される。
図1では配線部材10のうち足回りの機器に接続される側の端部を含む一部が示されている。配線部材10は、線状伝送部材20とコネクタハウジング30と外装部材40とカバー部材50とを備える。
【0023】
<線状伝送部材>
線状伝送部材20は、電気又は光を伝送する線状の部材である。ここでは、線状伝送部材20は、電線22を含む。電線22は、芯線23と、被覆24とを含む(
図4参照)。芯線23は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属線によって形成された線状の部材である。芯線23は、単線であってもよいし、複数の素線が撚合わされた撚合わせ線であってもよい。被覆24は、芯線23の周囲を覆う絶縁部分である。被覆24は、例えば、樹脂が芯線23の周囲に押出被覆されることによって形成される。線状伝送部材は、光信号を伝送する光ファイバを含んでいてもよい。
【0024】
線状伝送部材20は、単一の電線22のみを含んでいてもよいし、複数の電線22を含んでいてもよい。ここでは、線状伝送部材20は、複数(ここでは4本)の電線22を含む。線状伝送部材20は、複数の電線22の周囲を覆うシース26をさらに含む。シース26は、樹脂等によって形成されている。シース26は、例えば、複数の電線22の周囲に樹脂が押出被覆されることによって形成される。
【0025】
電線22は、信号線であってもよいし、電力線であってもよい。例えば、配線部材10が足回り用の配線部材である場合において、電線22はEPB(Electric Parking Brake:電動パーキングブレーキ)、或はEMB(Electro-Mechanical Brake:電子機械ブレーキシステム)に対して電力を供給する電源線であってもよい。例えば配線部材10が足回り用の配線部材である場合、電線22はABS(Anti-Lock Brake System:アンチロックブレーキシステム)において、車輪の速度を検出するためのセンサからの信号を伝達する信号線であってもよい。配線部材10は、複数種類の電線22を含む複合ハーネスとして使用されてもよい。上記のように、配線部材10が、電源線としての電線22と、信号線としての電線22とを含む場合、当該配線部材10は、複合ハーネスである。特に、配線部材10が電気ブレーキ用の電源線及び車速検出用の信号線を含む場合、配線部材10はブレーキ用の複合ハーネスである。
【0026】
4本の電線22のうち2本の電線22AはEPB用の電源線である。4本の電線22のうち他の2本の電線22BはABSセンサ用信号線である。線状伝送部材20における電線22の数はこれに限られず、如何なる数であってもよい。例えば線状伝送部材20は6本の電線を含んでいてもよい。6本の電線のうち4本は、EPB用電源線、ABSセンサ用信号線とされ、残りの2本は、EMBなど車両の足回りにおける他の機器用の電源線であってもよいし、車両の足回りにおける他のセンサ用又は他の機器の制御用の信号線であってもよい。
【0027】
複数の電線22の一端部は、すべて同じコネクタハウジング30に収容されている。複数の電線22のうちコネクタハウジング30に収容される一端部を含む部分がシース26の一端部から延び出ている。シース26の一端部とコネクタハウジング30とは線状伝送部材20の長手方向に離れている。
【0028】
<コネクタハウジング>
コネクタハウジング30には電線22の長手方向に沿った一端部が収容される。コネクタハウジング30の外形は例えば直方体状に形成される。コネクタハウジング30にはキャビティが形成される。キャビティはコネクタハウジング30を貫通する。キャビティの一方開口部がコネクタハウジング30の後端面31に形成される。後端面31は例えば長方形状又は正方形状などに形成される。電線22の一端部はキャビティの一方開口部からキャビティ内部に挿入される。電線22の一端部には例えば端子Tが設けられる(
図4参照)。端子Tと、電線22のうち端子Tに接続された部分とがキャビティ内に収められる。電線22のうち端子Tに接続された部分よりも他端側の部分がキャビティの外方に延び出る。端子Tはオス端子であってもよいし、メス端子であってもよい。
【0029】
<外装部材>
外装部材40は電線22の長手方向に沿った中間部に設けられている。外装部材40は線状伝送部材20の外周部に固定されている。外装部材40は如何なる用途で設けられてもよい。ここでは外装部材40は固定部材取付部40である。固定部材取付部40は、線状伝送部材20に固定部材Bが固定される際、線状伝送部材20と固定部材Bとの間に介在し、土台となる部分である。ここでは固定部材取付部40は本体部41とリブ42とを含む。本体部41及びリブ42は例えば環状に設けられる。リブ42は本体部41よりも外周側に張り出している。本体部41の外周部に固定部材Bが設けられる。リブ42は線状伝送部材20の長手方向に沿って本体部41の両隣の位置にそれぞれ設けられる。リブ42は、固定部材Bが線状伝送部材20の長手方向に沿って位置ずれしたり、本体部41から抜けたりすることを抑制している。
【0030】
もっとも外装部材40は、固定部材取付部40である必要はない。例えば外装部材40は、固定部材Bそのものでもよい。つまり、配線部材10において固定部材取付部40が省略されて、線状伝送部材20の外面に直接的に固定部材Bが固定されていてもよい。また例えば、外装部材は分岐維持部であってもよい。分岐維持部は、複数の電線22の分岐部分に設けられて分岐形状を維持する。
【0031】
外装部材40は如何なる態様で電線22の外周部に設けられてもよい。例えば、外装部材40は樹脂成形部であってもよい。また例えば、外装部材40は線状伝送部材20とは別に成形された別成形品であってもよい。外装部材40が別成形品である場合、外装部材40はプロテクタなどであってもよい。
【0032】
樹脂成形部は線状伝送部材20をインサート部品としてインサート成形される。外装部材40が樹脂成形部である場合、線状伝送部材20の長手方向中間部が樹脂成形部の内部に埋設されて、外装部材40が線状伝送部材20に固定される。外装部材40が樹脂成形部である場合、好ましくは樹脂成形部の樹脂と線状伝送部材20の外周部の樹脂とが直接的に接合される。
【0033】
外装部材40が別成形品である場合、外装部材40の材料は外装部材40の用途に応じて適宜設定される。例えば、外装部材40が固定部材取付部40又は分岐維持部である場合、外装部材40は樹脂又はゴムなどによる成形品であってもよい。例えば、外装部材40が固定部材Bである場合、外装部材40は金属又は樹脂などによる成形品であってもよい。
【0034】
外装部材40が別成形品である場合、配線部材10には外装部材40を線状伝送部材20の外周部に固定する固定部が設けられてもよい。かかる固定部は如何なるものであってもよいが、例えば、接着剤、粘着テープなどであってもよい。
【0035】
ここで固定部材Bは、配線部材10を車両に固定するための部材である。固定部材Bは例えばブラケットBである。ブラケットBは樹脂又は金属によって板状に形成されている。ブラケットBには貫通孔BHが形成されている。当該貫通孔BHに通されたボルトが車両側の被着部に締められることによって、ブラケットBが車両に固定される。ブラケットBは固定部材取付部40にカシメ固定されてもよい。線状伝送部材20をインサート部品として固定部材取付部40がインサート成形される際、ブラケットBもインサート部品とされてもよい。この場合、ブラケットBの一部が固定部材取付部40に埋設される。
【0036】
外装部材40のうちコネクタハウジング30側の前端面43にカバー部材50の他端側の端面61が接触する。前端面43は、平坦面とされている。また前端面43の内縁形状は円形状であり、その径(前端面43における外装部材40の内径)は線状伝送部材20の外径(ここではシース26の外径)と同じである。また前端面43の外縁形状は円形状であり、その径(前端面43における外装部材40の外径)はカバー部材50の外径よりも大きい。前端面43における外装部材40の外径は、カバー部材50と線状伝送部材20との隙間(カバー部材50の内径と線状伝送部材20の外径との差)と、カバー部材50の端面61の外径との和よりも大きい。
【0037】
<カバー部材>
カバー部材50は電線22の長手方向に沿ってコネクタハウジング30と外装部材40との間に設けられている。カバー部材50は線状伝送部材20の外周部に装着されている。カバー部材50と線状伝送部材20とは長手方向に沿って相対移動可能である。カバー部材50は線状伝送部材20に粘着テープなどによって固定されていない。コネクタハウジング30及び外装部材40が線状伝送部材20の長手方向に沿ったカバー部材50の移動を規制している。これにより、配線部材10においてカバー部材50は所定の位置に位置決めされる。カバー部材50はゴムなどのエラストマを材料に形成された弾性部材である。カバー部材50は弾性筒部51を含む。ここではカバー部材50は保持筒部55、環状凸部57及びコネクタカバー部58をさらに含む。
【0038】
弾性筒部51は自身の長手方向に圧縮変形可能である。以下、弾性筒部51が自然長である状態のときを単に自然長と言うことがある。弾性筒部51は大径部52と小径部53とが長手方向に沿って交互に連続する蛇腹状に形成される。大径部52は弾性筒部51のうち径が最大の部分である。小径部53は弾性筒部51のうち径が最小の部分である。弾性筒部51には小径部53と大径部52との間に拡径部54が設けられる。拡径部54は、小径部53の側から大径部52の側に行くにつれて径が徐々に大きくなる部分である。弾性筒部51において、大径部52、小径部53及び拡径部54の肉厚は同程度である。弾性筒部51が圧縮変形した状態において、拡径部54の傾斜が自然長の時よりも大きくなって隣り合う大径筒部同士が接近する。
【0039】
ここでは自然長において大径部52と小径部53との間は、長手方向に沿って全体にわたって拡径部54が続いている。つまり大径部52と小径部53との間に、その中間の径で連続する部分がない。ここでは拡径部54において、小径部53の側から大径部52の側に向けて一次関数的に径が大きくなっている。例えば拡径部54の傾き(軸方向からの傾き)は、自然長において45度よりも小さく、圧縮変形状態において45度よりも大きくなることができる。またここでは自然長において大径部52及び小径部53よりも拡径部54の方が長い。大径部52は、同一径で長手方向にほとんど連続していない。同様に小径部53は、同一径で長手方向にほとんど連続していない。
【0040】
弾性筒部51の長さ寸法及び圧縮変形量は、カバー部材50の他端部が外装部材40に接触しつつ弾性筒部51が圧縮変形した状態で、電線22の一端部がカバー部材50の一端部から所定量延び出ることが可能な長さ寸法とされる。かかる電線22の延び出る所定量は、カバー部材50の装着後に電線22の一端部に施される加工に応じて適宜設定可能である。カバー部材50の装着後に電線22の一端部に施される加工が電線22への端子Tの圧着及びコネクタハウジング30への端子Tの挿入を含む場合、例えば、かかる電線22の延び出る所定量は40ミリメートルから60ミリメートル程度とされてもよい。このとき、自然長のカバー部材50の他端部が外装部材40に接触しつつ、電線22の先端とカバー部材50の先端とが同じ位置に位置する場合に、弾性筒部51が少なくとも40ミリメートルから60ミリメートル程度圧縮変形可能である必要がある。
【0041】
保持筒部55は弾性筒部51よりも圧縮変形困難な部分である。保持筒部55は弾性筒部51に対して外装部材40側の隣の位置に設けられている。保持筒部55のうち弾性筒部51側の基端部は同じ径が連続している。保持筒部55の基端部における外径及び内径は小径部53の径と同程度である。保持筒部55の先端部の外面にはリブ56が形成されている。リブ56は保持筒部55の外周側に環状に膨出している。これにより保持筒部55の先端部の外径が大きくなっている。保持筒部55の先端部の内径は保持筒部55の基端部の内径と同じである。これにより、保持筒部55の先端部は保持筒部55の基端部よりも肉厚とされ、剛性が高められている。ここではリブ56の外径はリブ42の外径と同じかそれよりも小さい。これにより、保持筒部55の後端面61が全面的に外装部材40の前端面43に接触可能となる。
【0042】
保持筒部55の長さ寸法は、如何なる長さ寸法であってもよい。ここではカバー部材50が自然長のとき、弾性筒部51の長さ(
図3の寸法D1)が保持筒部55の長さ(
図3の寸法D2)よりも長い。これにより、弾性筒部51の圧縮変形量を大きくすることができる。例えば、自然長において、保持筒部55は、長手方向に連続する2つの大径部52の間隔より長い。また例えば、自然長において、保持筒部55は、長手方向に連続する3つの大径部52のうち外側の2つの大径部52の間隔よりも短い。また例えば、作業者が圧縮可能な範囲で弾性筒部51が最大限圧縮された状態でも、弾性筒部51の長さが保持筒部55の長さよりも長い。
【0043】
環状凸部57は、保持筒部55の内面から線状伝送部材20に向けて突出する。環状凸部57は保持筒部55の軸方向に沿った中間部に設けられる。環状凸部57は保持筒部55の軸方向に沿って互いに間隔をあけて複数(ここでは2つ)設けられている。環状凸部57は1つのみ設けられていてもよい。環状凸部57は線状伝送部材20の外周部に接触している。環状凸部57と線状伝送部材20とは周方向に沿って全体にわたって接触している。環状凸部57の内面は横断面が環状(ここでは円形状)とされている。
【0044】
環状凸部57の位置において、複数の電線22はその外面が環状(ここでは円形状)とされた保護部26に覆われている。これにより複数の電線22がむき出しの部分と比べて保護部26の外面がなだらかとされ、環状凸部57との間に隙間が生じにくくなる。ここではシース26が保護部26として機能する。もっとも保護部26はシース26に限られない。例えば固定部材取付部40の一部がコネクタハウジング30側に延長し、当該延長部分が保護部26とされてもよい。
【0045】
保護部26の外径は保持筒部55の内径よりも小さくされる。このため保護部26の外面と保持筒部55の内面とは周方向に沿った少なくとも一部で隙間をあけて対向する。環状凸部57は保護部26の外面に接触している。環状凸部57の内面は保護部26の外面に周方向に沿って全体にわたって接触している。環状凸部57の内径は保護部26の外径と同じかそれよりも小さい。環状凸部57の内径が保護部26の外径よりも小さい場合、環状凸部57は保護部26によって外周側に広がるように弾性変形した状態とされる。これにより、環状凸部57と保護部26との間に隙間が生じにくい。
【0046】
コネクタカバー部58は弾性筒部51に対してコネクタハウジング30側の隣の位置に設けられている。コネクタカバー部58はコネクタハウジング30の後端部を含む部分を覆っている。ここではコネクタカバー部58はコネクタハウジング30の後端部から中間部まで覆っている。コネクタカバー部58はコネクタハウジング30の後端部から先端部まで覆っていてもよい。コネクタカバー部58は例えばコネクタハウジング30の外形に応じた角筒状に形成される。コネクタカバー部58のうち弾性筒部51側の基端部59には貫通孔が形成されている。これによりコネクタカバー部58と弾性筒部51とが連通している。貫通孔は、コネクタハウジング30の後端面31よりも小さく形成される。例えば弾性筒部51のうち小径部53又はその近傍の部分がコネクタカバー部58とつながっている。貫通孔の径は、弾性筒部51のうち小径部53又はその近傍の内径と同程度の径とされる。
【0047】
カバー部材50の一端部には第1接触部60が設けられている(
図3参照)。コネクタハウジング30にはコネクタハウジング側接触部31が設けられる。カバー部材50が電線22の長手方向に沿ってコネクタハウジング30側に移動しようとしたときに、第1接触部60がコネクタハウジング側接触部31に接触してその移動が規制される。ここでは第1接触部60はコネクタカバー部58の基端部59において、コネクタハウジング30の前端部を向く面である。第1接触部60はコネクタカバー部58の基端部59に形成された貫通孔の周縁部であり、コネクタカバー部58の内部に位置する。またコネクタハウジング側接触部31はコネクタハウジング30の後端面31である。
【0048】
カバー部材50の他端部には第2接触部61が設けられている。外装部材40には外装部材側接触部43が設けられる。カバー部材50が電線22の長手方向に沿って外装部材40側に移動しようとしたときに、第2接触部61が外装部材側接触部43に接触してその移動が規制される。ここでは第2接触部61は保持筒部55の後端面61であって、外装部材40を向く面である。また外装部材側接触部43は外装部材40の前端面43であって、カバー部材50を向く面である。
【0049】
弾性筒部51は第1接触部60と第2接触部61との間に設けられる。カバー部材50は第1接触部60と第2接触部61との間で圧縮変形可能である。弾性筒部51が圧縮変形することによって第1接触部60から第2接触部61までの長さは短くなる。カバー部材50において第1接触部60から第2接触部61までの長さは可変である。カバー部材50における第1接触部60から第2接触部61までの自然長(
図3の寸法D3)は、コネクタハウジング側接触部31から外装部材側接触部43までの長さ(
図5の寸法D4)と同じかそれよりも長い。ここで、カバーの第1接触部60から第2接触部61までの自然長がコネクタハウジング側接触部31から外装部材側接触部43までの長さと同じ長さとは、まったく同じ長さである場合のほか、わずかに短い場合も含む。つまり、カバー部材50における第1接触部60及びコネクタハウジング側接触部31の組と、第2接触部61及び外装部材側接触部43の組との両方の組が接触する場合のほか、いずれか一方の組が接触した状態で他方の組が接触せずにわずかに離れた位置に位置する場合も含む。
【0050】
ここではカバー部材50における第1接触部60から第2接触部61までの自然長(
図3の寸法D3)は、コネクタハウジング側接触部31から外装部材側接触部43までの長さ(
図5の寸法D4)よりも長い。このため、弾性筒部51が圧縮変形しつつ、第1接触部60とコネクタハウジング側接触部31とが接触するとともに第2接触部61と外装部材側接触部43とが接触して、弾性筒部51の復元を規制している。このとき、コネクタハウジング側接触部31及び外装部材側接触部43には、カバー部材50から復元しようとする力がかかり、カバー部材50にはその反力がかかる。
【0051】
シース26の端部はカバー部材50の内部に位置する。カバー部材50が自然長のとき、シース26の端部がカバー部材50の内部に位置していればよく、カバー部材50の内部のいずれの位置であってもよい。例えば、カバー部材50が自然長のとき、シース26の端部は弾性筒部51の内部に位置してもよい。この場合、
図4に示すようにカバー部材50のうち第2接触部61が外装部材側接触部43に接触した状態で圧縮変形されたとき、シース26の端部は弾性筒部51の内部に位置したままであってもよいし、コネクタカバー部58の内部に位置することが可能であってもよいし、シース26の端部がカバー部材50の端部から延び出てもよい。好ましくは、カバー部材50が自然長のとき、シース26の端部は環状凸部57よりもコネクタハウジング30側に位置するとよい。これにより環状凸部57がシース26に接触することができる。
【0052】
<製造方法>
図3から
図5を参照しつつ、配線部材10の製造方法の一例について説明する。
図3から
図5は実施形態1にかかる配線部材10を製造する様子を示す説明図である。
【0053】
まず、カバー部材50に線状伝送部材20を通す。この際、
図3に示すように、外装部材40が予め固定された線状伝送部材20の先端部がカバー部材50に通されるとよい。ここでは外装部材40として固定部材取付部40がシース26の外周部に固定される。例えば、線状伝送部材20をインサート部品としてインサート成形されて、固定部材取付部40がシース26の外周部に固定される。そして、カバー部材50に線状伝送部材20が通される。この際、カバー部材50が挿入されていくと、カバー部材50の第2接触部61がやがて外装部材40の外装部材側接触部43に突き当たるため、カバー部材50が挿入過多となることは抑制される。なお、
図3に示す例では、シース26の先端部がはぎ取られた状態で、カバー部材50に線状伝送部材20が通されているが、カバー部材50に線状伝送部材20が通された後、シース26の先端部がはぎ取られてもよい。
【0054】
次に、電線22の端部を加工する。このとき
図4に示すように、カバー部材50は圧縮変形されて、電線22の端部が所定長、カバー部材50から延び出る。カバー部材50は圧縮変形された状態に維持され、カバー部材50から延び出る電線22の端部が加工される。電線22の端部の加工としては、端子Tの装着及び端子Tの挿入が想定される。端子Tの装着は電線22の端部に端子Tを設けるものである。例えば、端子Tは電線22の端部に圧着されてもよいし、圧接又は溶接されてもよい。端子Tが圧着される場合、電線22の端部において被覆24がはぎ取られてから、端子Tが圧着されるとよい。端子Tの挿入は、電線22の端部に接続された端子Tをコネクタハウジング30のキャビティに挿入するものである。
【0055】
全ての電線22の端子Tがコネクタハウジング30のキャビティに挿入されると、
図5の状態となる。この後、カバー部材50の圧縮変形が解除されて、弾性筒部51が弾性復帰して伸長する。これにより、コネクタカバー部58がコネクタハウジング30の後端部を覆い、
図1に示す配線部材10とされる。このときカバー部材50の第1接触部60がコネクタハウジング側接触部31と接触する。
【0056】
<実施形態1の効果等>
以上のように構成された配線部材10によると、カバー部材50と線状伝送部材20とが電線22の長手方向に沿って相対移動可能でありつつ、コネクタハウジング30及び外装部材40が電線22の長手方向に沿ったカバー部材50の移動を規制しているため、テープ巻きをせずともカバー部材50が所定の位置に取付けられた状態に維持される。またカバー部材50は弾性部材であり、長手方向に圧縮変形可能な弾性筒部51を含むため、カバー部材50が電線22に装着された後でも、弾性筒部51が圧縮変形されることによって、電線22の端部の加工が容易となる。
【0057】
またカバー部材50における第1接触部60から第2接触部61までの自然長(
図3の寸法D3)は、コネクタハウジング側接触部31から外装部材側接触部43までの長さ(
図5の寸法D4)と同じかそれよりも長い。これにより、電線22の長手方向に沿ってカバー部材50がほとんど移動することがなくなる。特にカバー部材50における第1接触部60から第2接触部61までの自然長(
図3の寸法D3)は、コネクタハウジング側接触部31から外装部材側接触部43までの長さ(
図5の寸法D4)よりも長い。これにより、カバー部材50の両端部がコネクタハウジング30及び外装部材40によって押さえられた状態となり、カバー部材50ががたつきにくくなる。
【0058】
また弾性筒部51が圧縮変形した状態において、拡径部54の傾斜が大きくなって隣り合う大径部52同士が接近する。これにより、弾性筒部51が形状的に圧縮変形容易となる。
【0059】
また保持筒部55が弾性筒部51に対して外装部材40側の隣の位置に設けられている。これにより、カバー部材50と外装部材40とが適切な姿勢で接触しやすい。
【0060】
またカバー部材50が自然長のとき、弾性筒部51の長さ(
図3の寸法D1)が保持筒部55の長さ(
図3の寸法D2)よりも長い。これにより、弾性筒部51が圧縮変形できる長さを長くできる。
【0061】
また環状凸部57が線状伝送部材20の外周部に接触している。これにより、保持筒部55と線状伝送部材20との間から水等が浸入することが抑制される。また環状凸部57は保護部26の外面に接触している。これにより環状凸部57と外面が環状の保護部26との間に隙間が生じにくくなる。
【0062】
またシース26の端部がカバー部材50の内部に位置する。これにより、複数の電線22のうちシース26に覆われない部分がカバー部材50によって覆われる。またカバー部材50のうち外装部材40側の端部がシース26のある部分に位置する。
【0063】
[変形例]
これまで、カバー部材50が保持筒部55を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、カバー部材50において保持筒部55が省略されて、弾性筒部51がカバー部材50の他端部まで延びていてもよい。
【0064】
またこれまで、カバー部材50は環状凸部57を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、カバー部材50は環状凸部57を含んでいなくてもよい。この場合、保持筒部55と線状伝送部材20との間に隙間が生じていてもよい。また、保持筒部55自体が全周にわたって線状伝送部材20と接触していてもよい。
【0065】
またこれまで環状凸部57が保護部26と接触するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、環状凸部57が複数の電線22と接触していてもよい。
【0066】
またこれまで線状伝送部材20が複数の電線22を覆うシース26を含むものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。線状伝送部材20がシース26を含んでいなくてもよい。この場合、複数の電線22は粘着テープなどによってまとめられていてもよいし、複数の電線22はまとめられていなくてもよい。また線状伝送部材20が複数の電線22を覆うシース26を含む場合でも、シース26の端部がカバー部材50の内部に位置することは必須の構成ではない。例えば、シース26の端部が外装部材としての分岐維持部の内部に位置していてもよい。
【0067】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0068】
10 配線部材
20 線状伝送部材
22、22A、22B 電線
23 芯線
24 被覆
26 シース(保護部)
30 コネクタハウジング
31 後端面(コネクタハウジング側接触部)
40 外装部材(固定部材取付部)
41 本体部
42 リブ
43 前端面(外装部材側接触部)
50 カバー部材
51 弾性筒部
52 大径部
53 小径部
54 拡径部
55 保持筒部
56 リブ
57 環状凸部
58 コネクタカバー部
59 基端部
60 第1接触部
61 第2接触部
B ブラケット(固定部材)
T 端子