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特許7491123画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム
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  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図1
  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図2
  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図3
  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図4
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  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図7
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  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図9
  • 特許-画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240521BHJP
【FI】
G06T19/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020127999
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025270
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 光平
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、
前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置であって、
前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、
前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、
仮想空間情報を取得する取得部と、
前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成部と、
を備え、
前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、
前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応
前記生成部は、
前記仮想空間情報に基づいて、
前記仮想空間において前記仮想吐出部から特定方向に延在する仮想線と、前記仮想画像との交点に関する交点情報を生成し、
前記交点情報に基づいて、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記記録装置は、
複数の色に対応する複数種類の液体を吐出するための複数の吐出部を備え、
前記生成部は、
前記仮想空間情報に基づいて、
前記仮想画像の色を、前記複数種類の液体に対応する前記複数の色で表現した、画像色情報を生成し、
前記画像色情報に基づいて、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記交点情報の示す前記交点における前記仮想画像の階調値を量子化することで量子化情報を生成し、
前記量子化情報に基づいて、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記録装置は、
前記吐出部が設けられたヘッドユニットと、
前記ヘッドユニット及び前記対象物の相対的位置関係を変化させる移動機構と、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記仮想空間における前記仮想画像及び前記仮想吐出部の相対的位置関係の変化に伴い、
前記仮想画像及び前記仮想吐出部の距離が変化する場合、
前記仮想空間における前記仮想画像及び前記仮想吐出部の相対的位置関係の変化に伴い、
前記仮想画像及び前記仮想吐出部の距離が変化しない場合と比較して、
前記吐出部からの液体の吐出量が多くなるように、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記仮想空間における前記仮想画像及び前記仮想吐出部の相対的位置関係の変化に伴う、
前記仮想画像及び前記仮想吐出部の距離の変化に基づいて、
前記吐出部からの液体の吐出間隔を指定する間隔指定情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項またはに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、
前記仮想空間における前記仮想画像及び前記仮想吐出部の相対的位置関係の変化に伴う、
前記仮想画像及び前記仮想吐出部の距離の変化に基づいて、
前記対象物に対する前記吐出部の移動速度を指定する速度指定情報を生成する、
ことを特徴とする、請求項乃至のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、
前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置の制御方法であって、
前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、
前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、
仮想空間情報を取得する取得工程と、
前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成工程と、
を備え、
前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、
前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応
前記生成工程は、
前記仮想空間情報に基づいて、
前記仮想空間において前記仮想吐出部から特定方向に延在する仮想線と、前記仮想画像との交点に関する交点情報を生成し、
前記交点情報に基づいて、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、
前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置のプログラムであって、
コンピュータを、
前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、
前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、
仮想空間情報を取得する取得部と、
前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成部と、
して機能させ、
前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、
前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応
前記生成部は、
前記仮想空間情報に基づいて、
前記仮想空間において前記仮想吐出部から特定方向に延在する仮想線と、前記仮想画像との交点に関する交点情報を生成し、
前記交点情報に基づいて、前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする、画像処理装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び、画像処理装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3に記載のように、従来から、2次元の印刷媒体に対してインク等の液体を吐出する記録装置に対して、当該記録装置が印刷媒体に形成すべき2次元の画像を示す2次元画像データを供給する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-046793号公報
【文献】特開2015-012357号公報
【文献】特開2010-093617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術においては、2次元平面以外の形状の画像を形成することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の問題を解決するために、本発明の一態様に係る画像処理装置は、3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置であって、前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、仮想空間情報を取得する取得部と、前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成部と、を備え、前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応する、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の一態様に係る画像処理装置の制御方法は、3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置の制御方法であって、前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、仮想空間情報を取得する取得工程と、前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成工程と、を備え、前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様に係る画像処理装置のプログラムは、3次元形状の対象物に液体を吐出し前記対象物に3次元画像を形成する吐出部を具備する記録装置に対して、前記3次元画像を示す表示情報を供給する画像処理装置のプログラムであって、コンピュータを、前記3次元画像を3次元の仮想空間において表した仮想画像、及び、前記吐出部を前記仮想空間において表した仮想吐出部、を示す、仮想空間情報を取得する取得部と、前記仮想空間情報に基づいて前記表示情報を生成する生成部と、して機能させ、前記仮想空間情報の示す前記仮想画像及び前記仮想吐出部の前記仮想空間における相対的位置関係は、前記3次元画像及び前記吐出部の相対的位置関係と対応する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る記録システムSysの一例を示す説明図である。
図2】端末装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】記録装置5の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】記録ヘッド72の構成の一例を示す平面図である。
図5】仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
図6】表示情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例2に係る仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
図8】変形例3に係る仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
図9】変形例4に係る仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
図10】変形例5に係る仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。但し、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
<<A.実施形態>>
本実施形態に係る記録システムSysについて説明する。
なお、本実施形態において、記録システムSysは、3次元の形状を有する対象物Objの表面SFにおいて画像Gを形成するためのシステムである。なお、記録システムSysは、2次元の形状を有する対象物Objに対して画像Gを形成可能であってもよい。
【0011】
<<1.記録システムSysの概要>>
以下では、まず、図1乃至図4を参照しつつ、本実施形態に係る記録システムSysの構成の概略の一例について説明する。
【0012】
図1は、記録システムSysの概要の一例を示す説明図である。
【0013】
図1に例示するように、記録システムSysは、端末装置1と、記録装置5と、を備える。
このうち、端末装置1は、記録システムSysが対象物Objの表面SFに形成する画像Gを示す表示情報Imgを生成する。
また、記録装置5は、端末装置1が生成する表示情報Imgに基づいて、対象物Objの表面SFに対して、表示情報Imgの示す画像Gを形成する。なお、詳細は後述するが、記録装置5には、画像Gを形成するためにインクを吐出するヘッドユニット7が設けられている。
【0014】
なお、本実施形態において、端末装置1は、図1に例示するように、対象物Objが存在する3次元の現実空間SPにおいて、座標系Σwを設定する。ここで、座標系Σwとは、互いに直交するXw軸、Yw軸、及び、Zw軸を有する、3軸の座標系であって、現実空間SPの所定位置に固定された座標系である。以下では、座標系Σwの原点を、原点Owと称する。また、以下では、Xw軸に沿う一方向を+Xw方向と称し、+Xw方向とは反対の方向を-Xw方向と称し、Yw軸に沿う一方向を+Yw方向と称し、+Yw方向とは反対の方向を-Yw方向と称し、Zw軸に沿う一方向を+Zw方向と称し、+Zw方向とは反対の方向を-Zw方向と称する。また、以下では、+Xw方向及び-Xw方向をXw軸方向と総称し、+Yw方向及び-Yw方向をYw軸方向と総称し、+Zw方向及び-Zw方向をZw軸方向と総称する場合がある。なお、本実施形態では、Xw軸、Yw軸、及び、Zw軸が、互いに直交するように設定される場合を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、Xw軸、Yw軸、及び、Zw軸は、互いに交差するように設定されていればよい。
また、本実施形態において、端末装置1は、図1に例示するように、現実空間SPにおいて、座標系Σhを設定する。ここで、座標系Σhとは、互いに直交するXh軸、Yh軸、及び、Zh軸を有する、3次元の座標系であって、ヘッドユニット7に固定された座標系である。以下では、座標系Σhの原点を、原点Ohと称する。また、以下では、Xh軸に沿う一方向を+Xh方向と称し、+Xh方向とは反対の方向を-Xh方向と称し、Yh軸に沿う一方向を+Yh方向と称し、+Yh方向とは反対の方向を-Yh方向と称し、Zh軸に沿う一方向を+Zh方向と称し、+Zh方向とは反対の方向を-Zh方向と称する。また、以下では、+Xh方向及び-Xh方向をXh軸方向と総称し、+Yh方向及び-Yh方向をYh軸方向と総称し、+Zh方向及び-Zh方向をZh軸方向と総称する場合がある。なお、本実施形態では、Xh軸、Yh軸、及び、Zh軸が、互いに直交するように設定される場合を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、Xh軸、Yh軸、及び、Zh軸は、互いに交差するように設定されていればよい。
【0015】
図2は、端末装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0016】
図2に例示するように、端末装置1は、端末制御ユニット2と、記憶ユニット3を備える。
【0017】
記憶ユニット3は、仮想空間情報KKと、端末装置1の制御プログラムPgtと、を記憶している。
このうち、仮想空間情報KKは、現実空間SPを仮想的に表した仮想空間SKを示す情報である。詳細は後述するが、本実施形態において、仮想空間情報KKの示す仮想空間SKには、現実空間SPにおける画像Gを仮想空間SKにおいて仮想的に表した仮想画像GKと、現実空間SPにおけるヘッドユニット7を仮想空間SKにおいて仮想的に表した仮想ヘッドユニットHKと、が設けられている。
【0018】
端末制御ユニット2は、1または複数のCPUを含んで構成され、端末装置1の各部を制御する。ここで、CPUとは、Central Processing Unitの略称である。端末制御ユニット2に設けられた1または複数のCPUは、記憶ユニット3に記憶されている制御プログラムPgtを実行し、制御プログラムPgtに従って動作することで、仮想空間情報取得部21、及び、表示情報生成部22として機能することができる。
【0019】
仮想空間情報取得部21は、記憶ユニット3に記憶されている仮想空間情報KKを取得する。なお、本実施形態では、仮想空間情報KKが、記憶ユニット3に記憶されている場合を一例として想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、仮想空間情報KKは、端末装置1の外部に存在する外部装置に記憶されていてもよい。この場合、仮想空間情報取得部21は、当該外部装置から、仮想空間情報KKを取得すればよい。
表示情報生成部22は、仮想空間情報KKに基づいて表示情報Imgを生成する。なお、以下では、仮想空間情報KKに基づいて表示情報Imgを生成する処理を、表示情報生成処理と称する。
【0020】
図3は、記録装置5の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0021】
図3に例示するように、記録装置5は、記録制御ユニット6、ヘッドユニット7、インク供給ユニット8、及び、ロボットハンド9を備える。
【0022】
記録制御ユニット6は、CPUまたはFPGA等の処理回路と、半導体メモリ等の記憶回路とを含み、記録装置5の各要素を制御する。ここで、FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。記録制御ユニット6に設けられた処理回路は、ヘッド制御部61、及び、ハンド制御部62として機能することができる。
ヘッド制御部61は、表示情報Imgに基づいて、ヘッドユニット7の駆動を制御するための駆動制御信号SIを生成する。また、ヘッド制御部61は、ヘッドユニット7を駆動するための駆動信号Comと、ヘッドユニット7を駆動するタイミングを規定するラッチ信号LATと、インク供給ユニット8を制御するための制御信号Ctr-Lと、を生成する。
ハンド制御部62は、表示情報Imgに基づいて、現実空間SPにおけるロボットハンド9の位置及び姿勢を制御するための制御信号Ctr-Rを生成する。
【0023】
ヘッドユニット7は、駆動信号供給部71と、記録ヘッド72と、を備える。
記録ヘッド72は、複数の吐出部Dを備える。各吐出部Dは、駆動信号Comにより駆動されることで、吐出部Dの内部に充填されたインクを吐出し、対象物Objの表面SFにドットを形成する。
駆動信号供給部71は、駆動制御信号SIに基づいて、複数の吐出部Dの各々に対して、駆動信号Comを供給するか否かを切り替える。
なお、本実施形態では、ヘッドユニット7が、ロボットハンド9の先端に取り付けられている場合を、一例として想定する。
【0024】
ロボットハンド9は、制御信号Ctr-Rに基づいて、現実空間SPにおけるロボットハンド9の先端の位置及び姿勢を変化させる。これにより、ロボットハンド9は、ロボットハンド9の先端に取り付けられたヘッドユニット7が、対象物Objの表面SFに対して画像Gを形成するのに好適な位置及び姿勢となるように、現実空間SPにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢を変化させる。
【0025】
インク供給ユニット8は、制御信号Ctr-Lに基づいて、インク供給ユニット8の内部に貯留されているインクを、ヘッドユニット7に対して供給する。本実施形態では、インク供給ユニット8の内部に、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4色のインクが貯留されている場合を想定する。
【0026】
また、本実施形態では、ヘッドユニット7に設けられる複数の吐出部Dが、シアンのインクを吐出する複数の吐出部D-Cyと、マゼンタのインクを吐出する複数の吐出部D-Mgと、イエローのインクを吐出する複数の吐出部D-Ylと、ブラックのインクを吐出する複数の吐出部D-Bkと、から構成されている場合を、一例として想定する。より具体的には、本実施形態では、ヘッドユニット7において、M個の吐出部D-Cyと、M個の吐出部D-Mgと、M個の吐出部D-Ylと、M個の吐出部D-Bkと、が設けられている場合を、一例として想定する。ここで、値Mは、M≧1を満たす自然数である。
なお、以下では、M個の吐出部D-Cyのうち、m番目の吐出部D-Cyを、吐出部D-Cy[m]と称し、M個の吐出部D-Mgのうち、m番目の吐出部D-Mgを、吐出部D-Mg[m]と称し、M個の吐出部D-Ylのうち、m番目の吐出部D-Ylを、吐出部D-Yl[m]と称し、M個の吐出部D-Bkのうち、m番目の吐出部D-Bkを、吐出部D-Bk[m]と称する。ここで、変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数である。また、以下では、吐出部D-Cy[m]、吐出部D-Mg[m]、吐出部D-Yl[m]、及び、吐出部D-Bk[m]を、吐出部D-S[m]と総称する場合がある。吐出部D-S[m]は、吐出部D-S[m]の内部に充填したインクを、吐出部D-S[m]に設けられたノズルNから吐出する。
【0027】
以上のように、記録制御ユニット6は、表示情報Imgが供給されると、表示情報Imgに基づいて生成した駆動制御信号SIにより、ヘッドユニット7に設けられた複数の吐出部Dからのインクの吐出を制御する。また、記録制御ユニット6は、表示情報Imgに基づいて生成された制御信号Ctr-Rにより、ロボットハンド9の先端に取り付けられたヘッドユニット7の現実空間SPにおける位置及び姿勢を制御する。このため、記録装置5は、現実空間SPに配置された対象物Objの表面SFに対して、表示情報Imgに応じた画像Gを形成することができる。以下では、記録装置5が、対象物Objの表面SFに対して、表示情報Imgに応じた画像Gを形成する処理を、印刷処理と称する場合がある。
【0028】
図4は、-Zh方向から記録ヘッド72を平面視した場合の、記録ヘッド72に設けられた(4*M)個の吐出部Dに対応する、(4*M)個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。図4に示すように、記録ヘッド72には、ノズル列NL-Cy、ノズル列NL-Mg、ノズル列NL-Yl、及び、ノズル列NL-Bk、を含む、複数のノズル列NLが設けられている。ここで、ノズル列NLとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列NLが、Xh軸方向に延在するように配置されたM個のノズルNから構成される場合を、一例として想定する。
このうち、ノズル列NL-Cyは、M個の吐出部D-Cyに対応するM個のノズルNから構成されるノズル列NLであり、ノズル列NL-Mgは、M個の吐出部D-Mgに対応するM個のノズルNから構成されるノズル列NLであり、ノズル列NL-Ylは、M個の吐出部D-Ylに対応するM個のノズルNから構成されるノズル列NLであり、ノズル列NL-Bkは、M個の吐出部D-Bkに対応するM個のノズルNから構成されるノズル列NLである。
【0029】
<<2.仮想空間情報>>
以下では、図5を参照しつつ、仮想空間情報KKについて説明する。
【0030】
図5は、仮想空間情報KKの一例を示す説明図である。
【0031】
図5に例示するように、仮想空間情報KKは、上述のとおり、仮想画像GKと仮想ヘッドユニットHKとが設けられた仮想空間SKを示す情報である。なお、本実施形態では、仮想空間SKにおいても、仮想空間SKの所定位置に固定された座標系Σwと、仮想ヘッドユニットHKに固定された座標系Σhと、が設けられていることとする。
【0032】
上述のとおり、仮想画像GKは、現実空間SPにおいて形成すべき画像Gを、仮想空間SKにおいて仮想的に表した画像である。具体的には、仮想画像GKは、現実空間SPにおける画像Gの位置、形状、大きさ、及び、彩色を、仮想空間SKにおいて表した仮想的な画像である。より具体的には、仮想画像GKは、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける仮想画像GKの各部分の座標が、現実空間SPに設けられた座標系Σwにおける画像Gの各部分の座標と、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。ここで、「略等しい」とは、完全に等しい場合の他に、誤差が存在しないと仮定したときに等しいと看做せる場合を含む概念である。また、仮想画像GKは、仮想画像GKの各部分の彩色が、画像Gの各部分の彩色と、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。
なお、仮想画像GKは、ビットマップ型データとして表される画像であってもよいし、または、ベクター型データとして表される画像であってもよい。
【0033】
また、上述のとおり、仮想ヘッドユニットHKは、現実空間SPにおけるヘッドユニット7を、仮想空間SKにおいて表した仮想的オブジェクトである。具体的には、仮想ヘッドユニットHKは、現実空間SPにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢を、仮想空間SKにおいて表した仮想的オブジェクトである。より具体的には、仮想ヘッドユニットHKは、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける仮想ヘッドユニットHKの位置及び姿勢が、現実空間SPに設けられた座標系Σwにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢と、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。
【0034】
本実施形態において、仮想ヘッドユニットHKは、ヘッドユニット7が備える(4*M)個の吐出部D-S[m]と1対1に対応する、(4*M)個の仮想吐出部DK-S[m]を備える。
ここで、仮想吐出部DK-S[m]とは、現実空間SPにおける吐出部D-S[m]の位置及び姿勢を、仮想空間SKにおいて表した仮想的オブジェクトである。具体的には、仮想吐出部DK-S[m]は、現実空間SPに設けられた座標系Σwにおける吐出部D-S[m]からのインクの吐出方向と、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける仮想吐出部DK-S[m]からの仮想的なインクの吐出方向とが、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。以下では、仮想空間SKにおいて仮想吐出部DK-S[m]と交差し、仮想吐出部DK-S[m]からの仮想的なインクの吐出方向に延在する仮想的な直線を、仮想線L-S[m]と称する。すなわち、本実施形態において、仮想吐出部DK-S[m]は、現実空間SPに設けられた座標系Σwにおける吐出部D-S[m]からのインクの吐出方向と、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける仮想線L-S[m]の延在方向とが、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。また、仮想吐出部DK-S[m]は、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける仮想吐出部DK-S[m]の座標が、現実空間SPに設けられた座標系Σwにおける吐出部D-S[m]の座標と、略等しくなるように、仮想空間SKにおいて設けられている。
このように、本実施形態において、仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の相対的位置関係は、現実空間SPにおける画像G及び吐出部D-S[m]の相対的位置関係と対応する。
【0035】
なお、本実施形態では、ヘッドユニット7が、時刻T(1)から時刻T(N)までの期間において、現実空間SPにおける位置を変化させつつ、また、時刻T(1)から時刻T(N)までのN個の時刻T(n)の各々において、(4*M)個の吐出部D-S[m]の一部または全部から、インクを吐出させることで、印刷処理が実行されることととする。ここで、値Nは、2以上の自然数である。また、変数nは、1≦n≦Nを満たす自然数である。なお、本実施形態では、時刻T(n+1)が、時刻T(n)よりも所定時間ΔTだけ経過した時刻であることとする。
【0036】
また、本実施形態において、仮想空間情報KKの示す仮想ヘッドユニットHKは、現実空間SPにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢の変化に対応するように、仮想空間SKにおける位置及び姿勢を変化させる。具体的には、ヘッドユニット7が印刷処理を実行する時刻T(1)から時刻T(N)までのN個の時刻T(n)の各々において、仮想空間SKにおける仮想ヘッドユニットHKの位置及び姿勢は、現実空間SPにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢に対応する。すなわち、ヘッドユニット7が印刷処理を実行する時刻T(1)から時刻T(N)までのN個の時刻T(n)の各々において、仮想空間SKにおける仮想吐出部DK-S[m]の位置及び姿勢は、現実空間SPにおける吐出部D-S[m]の位置及び姿勢に対応する。
以下では、時刻T(n)における仮想吐出部DK-S[m]に応じた仮想線L-S[m]を、仮想線L-S[m][T(n)]と称する。また、以下では、仮想線L-S[m][T(n)]と、仮想画像GKとの交点を、交点Px-S[m][T(n)]と称する。
【0037】
なお、図5では、仮想画像GKが、平面PL1に描かれた部分画像GK1と、平面PL2に描かれた部分画像GK2と、平面PL3に描かれた部分画像GK3と、を含む場合を例示している。また、図5では、時刻T(n)から時刻T(n+1)までの間に、仮想ヘッドユニットHKが、+Yh方向に移動する場合を例示している。また、図5では、交点Px-S[m][T(n)]が、平面PL1に位置し、交点Px-S[m][T(n+1)]が、平面PL2に位置する場合を、例示している。
【0038】
本実施形態において、仮想空間情報KKは、仮想画像GKの色を示す、仮想画像色情報CKを含む。仮想画像色情報CKは、仮想画像GKの色を、赤色、緑色、及び、青色により表す情報である。具体的には、仮想画像色情報CKは、仮想画像GKのうち、赤色成分の画像である赤色仮想画像GK-Rを示す、赤色仮想画像情報CK-Rと、仮想画像GKのうち、緑色成分の画像である緑色仮想画像GK-Gを示す、緑色仮想画像情報CK-Gと、仮想画像GKのうち、青色成分の画像である青色仮想画像GK-Bを示す、青色仮想画像情報CK-Bと、を含む。
このうち、赤色仮想画像情報CK-Rは、仮想画像GKの各部分の色のうち、赤色成分の階調値WK-Rを示す。また、緑色仮想画像情報CK-Gは、仮想画像GKの各部分の色のうち、緑色成分の階調値WK-Gを示す。また、青色仮想画像情報CK-Bは、仮想画像GKの各部分の色のうち、青色成分の階調値WK-Bを示す。本実施形態では、階調値WK-Rが、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となり、階調値WK-Gが、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となり、階調値WK-Bが、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となる場合を、一例として想定する。
【0039】
なお、以下では、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、赤色成分の階調値WK-Rを、階調値WK-R-S[m][T(n)]と称し、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、緑色成分の階調値WK-Gを、階調値WK-G-S[m][T(n)]と称し、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、青色成分の階調値WK-Bを、階調値WK-B-S[m][T(n)]と称する。また、以下では、仮想画像色情報CKのうち、交点Px-S[m][T(n)]の色を示す情報を、仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]と称する。すなわち、仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]は、階調値WK-R-S[m][T(n)]と、階調値WK-G-S[m][T(n)]と、階調値WK-B-S[m][T(n)]と、を示す情報である。
【0040】
<<3.記録システムの動作>>
以下では、図6を参照しつつ、本実施形態に係る記録システムSysの動作の一例について説明する。
【0041】
図6は、記録システムSysが、表示情報生成処理を実行する場合における、記録システムSysの動作の一例を示すフローチャートである。上述のとおり、表示情報生成処理とは、仮想空間情報KKに基づいて表示情報Imgを生成する処理である。なお、本実施形態では、印刷処理が実行される時刻T(1)から時刻T(N)までの期間に含まれるN個の時刻T(n)の各々に対応して、N回の表示情報生成処理が実行される場合を想定する。そして、図6では、時刻T(n)に対応して実行される、表示情報生成処理について例示する。
【0042】
図6に例示するように、表示情報生成部22は、表示情報生成処理が開始されると、まず、記録装置5が吐出可能なインクの色、すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの中から、1つの色を選択する(S10)。なお、以下では、ステップS10、または、後述するステップS19において選択したインクの色のことを、「選択色」と称する場合がある。
次に、表示情報生成部22は、変数mに「1」を設定する(S11)。
次に、表示情報生成部22は、仮想空間情報KKの示す仮想空間SKにおいて、選択色に係る仮想吐出部DK-S[m]に対応する仮想線L-S[m][T(n)]を設定する(S12)。
そして、表示情報生成部22は、仮想空間情報KKの示す仮想空間SKにおいて、ステップS12において設定した仮想線L-S[m][T(n)]と、仮想画像GKとの交点Px-S[m][T(n)]の位置を特定する(S13)。ここで、交点Px-S[m][T(n)]の位置とは、例えば、仮想空間SKに設けられた座標系Σwにおける交点Px-S[m][T(n)]の座標であってもよい。
次に、表示情報生成部22は、仮想画像色情報CKに基づいて、ステップS13において特定した交点Px-S[m][T(n)]の位置に対応する仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]を求める(S14)。なお、以下では、仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]と、交点Px-S[m][T(n)]の位置に関する情報とを、含む情報を、交点情報JPx-S[m][T(n)]と称する。
【0043】
次に、表示情報生成部22は、仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]の示す、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色を、記録装置5が吐出可能なインクの色である、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックで表した、交点色情報CP-S[m][T(n)]を生成する(S15)。具体的には、交点色情報CP-S[m][T(n)]は、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、シアンの成分の階調値WK-Cy-S[m][T(n)]と、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、マゼンタの成分の階調値WK-Mg-S[m][T(n)]と、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、イエローの成分の階調値WK-Yl-S[m][T(n)]と、仮想画像GKの交点Px-S[m][T(n)]の色のうち、ブラックの成分の階調値WK-Bk-S[m][T(n)]と、を示す情報である。
本実施形態では、階調値WK-Cy-S[m][T(n)]が、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となり、階調値WK-Mg-S[m][T(n)]が、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となり、階調値WK-Yl-S[m][T(n)]が、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となり、階調値WK-Bk-S[m][T(n)]が、「0」から「255」までの256値のうち、何れかの値となりる場合を、一例として想定する。
【0044】
その後、表示情報生成部22は、交点色情報CP-S[m][T(n)]の示す階調値を、記録装置5により表現可能な階調値に量子化した、吐出色情報CT-S[m][T(n)]を生成する(S16)。ここで、吐出色情報CT-S[m][T(n)]は、画像Gの交点Px-S[m][T(n)]に対応する部分の色のうち、シアンの成分の階調値WT-Cy-S[m][T(n)]と、画像Gの交点Px-S[m][T(n)]に対応する部分の色のうち、マゼンタの成分の階調値WT-Mg-S[m][T(n)]と、画像Gの交点Px-S[m][T(n)]に対応する部分の色のうち、イエローの成分の階調値WT-Yl-S[m][T(n)]と、画像Gの交点Px-S[m][T(n)]に対応する部分の色のうち、ブラックの成分の階調値WT-Bk-S[m][T(n)]とのうち、吐出部D-S[m]に対応するインク色に対応する階調値である、階調値WT-S[m][T(n)]を示す情報である。
なお、本実施形態では、記録装置5が、各吐出部D-S[m]から、大ドット、中ドット、及び、小ドットの3種類の大きさのインク滴を吐出可能な場合を、一例として想定する。このため、本実施形態では、階調値WT-S[m][T(n)]が、吐出部D-S[m]がインクを吐出しない場合に対応する階調値「0」と、吐出部D-S[m]が小ドットに相当する量のインクを吐出する場合に対応する階調値「1」と、吐出部D-S[m]が中ドットに相当する量のインクを吐出する場合に対応する階調値「2」と、吐出部D-S[m]が大ドットに相当する量のインクを吐出する場合に対応する階調値「3」との、4値のうち、何れかの値となり得る場合を、一例として想定する。
【0045】
次に、表示情報生成部22は、変数mが、「m=M」を満たすか否かを判定する(S17)。
そして、表示情報生成部22は、ステップS17における判定結果が否定の場合、処理をステップS12に進める。
他方、表示情報生成部22は、ステップS17における判定結果が肯定の場合、表示情報生成処理において、記録装置5が吐出可能なインクの色の全てが選択されたか否かを判定する(S18)。
そして、表示情報生成部22は、ステップS18における判定結果が否定の場合、記録装置5が吐出可能なインクの色のうち、表示情報生成処理において未選択の色を選択し(S19)、処理をステップS11に進める。
他方、表示情報生成部22は、ステップS18における判定結果が肯定の場合、表示情報生成処理を終了させる。
【0046】
以上のようにして、表示情報生成部22は、各時刻T(n)において、表示情報生成処理を実行することで、ヘッドユニット7が備える(4*M)個の吐出部D-S[m]に対応する、(4*M)個の吐出色情報CT-S[m][T(n)]を生成する。そして、表示情報生成部22は、印刷処理が実行される時刻T(1)から時刻T(N)までの期間に含まれるN個の時刻T(n)において、表示情報生成処理を繰り返し実行することで生成された、(N*4*M)個の吐出色情報CT-S[m][T(n)]を、表示情報Imgとして出力する。
【0047】
<<4.実施形態の纏め>>
以上において説明したように、本実施形態に係る端末装置1は、3次元形状の対象物Objにインクを吐出し対象物Objに画像Gを形成する吐出部D-S[m]を具備する記録装置5に対して、画像Gを示す表示情報Imgを供給する端末装置1であって、画像Gを3次元の仮想空間SKにおいて表した仮想画像GK、及び、吐出部D-S[m]を仮想空間SKにおいて表した仮想吐出部DK-S[m]、を示す、仮想空間情報KKを取得する仮想空間情報取得部21と、仮想空間情報KKに基づいて表示情報Imgを生成する表示情報生成部22と、を備え、仮想空間情報KKの示す仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の仮想空間SKにおける相対的位置関係は、画像G及び吐出部D-S[m]の相対的位置関係と対応する、ことを特徴とする。
すなわち、本実施形態において、表示情報生成部22は、仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]を含む3次元の仮想空間SKを示す仮想空間情報KKに基づいて、表示情報Imgを生成する。このため、本実施形態によれば、端末装置1は、記録装置5が、3次元形状の対象物Objに対して画像Gを形成するために好適な表示情報Imgを生成することができる。
なお、本実施形態において、端末装置1は「画像処理装置」の一例であり、仮想空間情報取得部21は「取得部」の一例であり、表示情報生成部22は「生成部」の一例であり、画像Gは「3次元画像」の一例であり、インクは「液体」の一例である。
【0048】
また、本実施形態に係る端末装置1において、表示情報生成部22は、仮想空間情報KKに基づいて、仮想空間SKにおいて仮想吐出部DK-S[m]から仮想的なインクの吐出方向に延在する仮想線L-S[m]と、仮想画像GKとの交点Px-S[m]に関する交点情報JPx-S[m]を生成し、交点情報JPx-S[m]に基づいて、表示情報Imgを生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本実施形態によれば、画像Gが形成される対象物Objが3次元形状を有する場合であっても、仮想吐出部DK-S[m]に対応する吐出部D-S[m]により形成すべきドットの色を、交点情報JPx-S[m]に基づいて特定することが可能となる。
なお、本実施形態において、仮想的なインクの吐出方向は「特定方向」の一例である。
【0049】
また、本実施形態において、記録装置5は、複数の色に対応する複数種類のインクを吐出するための複数の吐出部D-S[m]を備え、交点情報JPx-S[m]は、交点Px-S[m]における仮想画像GKの色に関する仮想交点色情報CKP-S[m]を含み、表示情報生成部22は、交点情報JPx-S[m]に基づいて、交点情報JPx-S[m]の示す交点Px-S[m]における仮想画像GKの色を、複数種類のインクに対応する複数の色で表現した、交点色情報CP-S[m]を生成し、交点色情報CP-S[m]に基づいて、表示情報Imgを生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本実施形態によれば、画像Gが形成される対象物Objが3次元形状を有する場合であっても、仮想吐出部DK-S[m]に対応する吐出部D-S[m]により形成すべきドットの色を、交点色情報CP-S[m]に基づいて特定することが可能となる。
すなわち、本実施形態において、前記記録装置は、複数の色に対応する複数種類の液体を吐出するための複数の吐出部を備え、記交点情報は、前記交点における前記仮想画像の色に関する情報を含み、前記生成部は、前記交点情報に基づいて、前記交点情報の示す前記交点における前記仮想画像の色を、前記複数種類の液体に対応する前記複数の色で表現した、交点色情報を生成し、前記交点色情報に基づいて、前記表示情報を生成する、ことを特徴としてもよい。
【0050】
また、本実施形態に係る端末装置1において、表示情報生成部22は、交点情報JPx-S[m]の示す、交点Px-S[m]における仮想画像GKの階調値を量子化することで、吐出色情報CT-S[m]を生成し、吐出色情報CT-S[m]に基づいて、表示情報Imgを生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本実施形態によれば、記録装置5が表現可能な階調値を有する表示情報Imgを生成することが可能となる。
なお、本実施形態において、吐出色情報CT-S[m]は「量子化情報」の一例である。
【0051】
また、本実施形態において、記録装置5は、吐出部D-S[m]が設けられるヘッドユニット7と、ヘッドユニット7及び対象物Objの相対的位置関係を変化させるロボットハンド9と、を備える、ことを特徴としてもよい。
このため、本実施形態によれば、ヘッドユニット7を、ヘッドユニット7が対象物Objに対して画像Gを形成するために好適な位置及び姿勢に、移動させることができる。
なお、本実施形態において、ロボットハンド9は「移動機構」の一例である。
【0052】
<<B.変形例>>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0053】
<変形例1>
上述した実施形態において、表示情報生成部22は、仮想画像GKと仮想線L-S[m]との交点Px-S[m][T(n)]を特定した後に、交点Px-S[m][T(n)]に対応する仮想交点色情報CKP-S[m][T(n)]の示す交点Px-S[m][T(n)]の色を、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックで表した交点色情報CP-S[m][T(n)]に変換したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、表示情報生成部22は、第1に、仮想画像色情報CKの示す仮想画像GKの色を、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックで表した、変換色情報CKHを生成し、第2に、交点Px-S[m][T(n)]の位置を特定し、第3に、変換色情報CKHに基づいて、交点色情報CP-S[m][T(n)]を生成し、第4に、交点色情報CP-S[m][T(n)]に基づいて、吐出色情報CT-S[m][T(n)]を生成してもよい。
【0054】
このように、本変形例において、記録装置5は、複数の色に対応する複数種類のインクを吐出するための複数の吐出部D-S[m]を備え、表示情報生成部22は、仮想空間情報KKに基づいて、仮想画像GKの色を、複数種類の液体に対応する複数の色で表現した、変換色情報CKHを生成し、変換色情報CKHに基づいて、表示情報Imgを生成する、ことを特徴とする。
このため、本変形例によれば、画像Gが形成される対象物Objが3次元形状を有する場合であっても、仮想吐出部DK-S[m]に対応する吐出部D-S[m]により形成すべきドットの色を、変換色情報CKHに基づいて特定することが可能となる。
なお、本実施形態において、変換色情報CKHは「画像色情報」の一例である。
【0055】
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例1において、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、階調値WT-S[m][T(n)]を定めてもよい。
【0056】
図7は、本変形例における仮想空間情報KKの示す、仮想吐出部DK-S[m]及び仮想画像GKの一例を表した図である。なお、図7に示す例では、時刻T(1)から時刻T(6)にかけて、仮想吐出部DK-S[m]が、+Xw方向に速度V0で移動する場合を想定する。
【0057】
以下では、時刻T(n)における、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離を、距離E-S[m][T(n)]と称する。図7に示す例では、距離E-S[m][T(1)]~E-S[m][T(6)]の間に、以下の式(1)に示す関係が成立する場合を、一例として想定する。
E-S[m][T(1)] = E-S[m][T(2)]
= E-S[m][T(3)] < E-S[m][T(4)]
< E-S[m][T(5)] < E-S[m][T(6)] …… 式(1)
また、図7に示す例では、交点色情報CP-S[m][T(1)]~CP-S[m][T(6)]の示す値が、互いに等しい場合を想定する。
【0058】
本変形例において、表示情報生成部22は、距離E-S[m][T(n)]及び距離E-S[m][T(n-1)]に対して、以下の式(2)が成立する場合に、成立しない場合と比較して、吐出色情報CT-S[m][T(n)]の示す階調値WT-S[m][T(n)]を大きい値に設定する。なお、式(2)において、値αは、「0」よりも大きい自然数である。
|E-S[m][T(n)] - E-S[m][T(n-1)]|
> α*V0 …… 式(2)
【0059】
例えば、図7に示す例では、以下の式(3)~式(7)の関係が成立する場合を想定する。
|E-S[m][T(2)] - E-S[m][T(1)]| ≒ 0
< α*V0 …… 式(3)
|E-S[m][T(3)] - E-S[m][T(2)]| ≒ 0
< α*V0 …… 式(4)
|E-S[m][T(4)] - E-S[m][T(3)]|
> α*V0 …… 式(5)
|E-S[m][T(5)] - E-S[m][T(4)]|
> α*V0 …… 式(6)
|E-S[m][T(6)] - E-S[m][T(5)]|
> α*V0 …… 式(7)
このため、図7に示す例において、表示情報生成部22は、階調値WT-S[m][T(4)]~WT-S[m][T(6)]を、階調値WT-S[m][T(2)]~WT-S[m][T(3)]よりも大きい値に設定する。例えば、図7に示す例において、表示情報生成部22は、階調値WT-S[m][T(2)]~WT-S[m][T(3)]を、吐出部D-S[m]が中ドットに相当する量のインクを吐出する場合に対応する階調値「2」に設定し、階調値WT-S[m][T(4)]~WT-S[m][T(6)]を、吐出部D-S[m]が大ドットに相当する量のインクを吐出する場合に対応する階調値「3」に設定する。
【0060】
以上のように、本変形例では、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、階調値WT-S[m][T(n)]を定める。このため、本変形例では、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
なお、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、階調値WT-S[m][T(n)]を定めるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、表示情報生成部22は、ヘッドユニット7から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、階調値WT-S[m][T(n)]を定めてもよいし、または、(4*M)個の仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の平均値の経時的な変化に応じて、階調値WT-S[m][T(n)]を定めてもよい。
【0061】
このように、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の相対的位置関係の変化に伴い、仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の距離が変化する場合、距離が変化しない場合と比較して、吐出部D-S[m]からのインクの吐出量が多くなるように、表示情報Imgを生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本変形例によれば、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
【0062】
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、仮想空間SKにおける仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を定めてもよい。
【0063】
図8は、本変形例における仮想空間情報KKの示す、仮想吐出部DK-S[m]及び仮想画像GKの一例を表した図である。なお、図8に示す例では、時刻T(1)から時刻T(6)にかけて、仮想吐出部DK-S[m]が、+Xw方向に移動する場合を想定する。また、図8に示す例では、上述した図7に示す例と同様に、距離E-S[m][T(1)]~E-S[m][T(6)]の間に、上述した式(1)に示す関係が成立する場合を、一例として想定する。また、図8に示す例では、交点色情報CP-S[m][T(1)]~CP-S[m][T(6)]の示す値が、互いに等しい場合を想定する。
【0064】
本変形例において、表示情報生成部22は、距離E-S[m][T(n)]及び距離E-S[m][T(n-1)]に対して、上述した式(2)が成立する場合に、成立しない場合と比較して、仮想空間SKにおける仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を、遅くする。
例えば、図8に示す例では、上述した式(2)が成立しない場合、仮想空間SKにおいて仮想吐出部DK-S[m]を、+Xw方向に速度V0で移動させ、上述した式(2)が成立する場合、仮想空間SKにおいて仮想吐出部DK-S[m]を、+Xw方向に、速度V0よりも遅い速度V1で移動させる。
なお、図8に示す例では、上述した式(3)~式(7)が成立する場合を想定する。このため、図8に示す例において、表示情報生成部22は、時刻T(1)~T(3)における仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を、速度V0に設定し、時刻T(4)~T(6)における仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を、速度V1に設定する。
【0065】
なお、本変形例において、表示情報生成部22は、各時刻T(n)において、仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を示す速度指定情報を出力する。そして、本変形例において、ハンド制御部62は、各時刻T(n)において、速度指定情報に応じた速度で、ヘッドユニット7が移動するように、ロボットハンド9を制御する。
【0066】
以上のように、本変形例では、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を定める。このため、本変形例では、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
なお、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を定めるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、表示情報生成部22は、ヘッドユニット7から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を定めてもよいし、または、(4*M)個の仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の平均値の経時的な変化に応じて、仮想吐出部DK-S[m]の移動速度を定めてもよい。
【0067】
このように、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の相対的位置関係の変化に伴う、仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の距離の変化に基づいて、対象物Objに対する吐出部D-S[m]の移動速度を指定する速度指定情報を生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本変形例によれば、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
【0068】
<変形例4>
上述した実施形態並びに変形例1乃至3では、時刻T(n)から時刻T(n+1)までの時間長が一定の時間ΔTである場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの間隔を定めてもよい。
【0069】
図9は、本変形例における仮想空間情報KKの示す、仮想吐出部DK-S[m]及び仮想画像GKの一例を表した図である。なお、図9に示す例では、時刻T(1)から時刻T(6)にかけて、仮想吐出部DK-S[m]が、+Xw方向に速度V0で移動する場合を想定する。また、図9に示す例では、上述した図7に示す例と同様に、距離E-S[m][T(1)]~E-S[m][T(6)]の間に、上述した式(1)に示す関係が成立する場合を、一例として想定する。また、図9に示す例では、交点色情報CP-S[m][T(1)]~CP-S[m][T(6)]の示す値が、互いに等しい場合を想定する。
【0070】
本変形例において、表示情報生成部22は、距離E-S[m][T(n)]及び距離E-S[m][T(n-1)]に対して、上述した式(2)が成立する場合に、成立しない場合と比較して、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの時間長を、短くする。
なお、図9に示す例では、上述した式(3)~式(7)が成立する場合を想定する。このため、図9に示す例において、表示情報生成部22は、時刻T(6)から時刻T(5)までの時間長、時刻T(5)から時刻T(4)までの時間長、及び、時刻T(4)から時刻T(3)までの時間長を、時刻T(3)から時刻T(2)までの時間長、及び、時刻T(2)から時刻T(1)までの時間長よりも短くする。
【0071】
なお、本変形例において、表示情報生成部22は、時刻T(n)から時刻T(n)までの時間長を示す間隔指定情報を出力する。そして、本変形例において、ヘッド制御部61は、各時刻T(n)において、間隔指定情報に応じた時間長で、ヘッドユニット7が駆動される間隔が指定されるようにラッチ信号LATを生成する。
【0072】
以上のように、本変形例では、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの間隔を定める。このため、本変形例では、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
なお、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの間隔を定めるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、表示情報生成部22は、ヘッドユニット7から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の経時的な変化に応じて、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの間隔を定めてもよいし、または、(4*M)個の仮想吐出部DK-S[m]から交点Px-S[m][T(n)]までの仮想線L-S[m][T(n)]に沿った距離の平均値の経時的な変化に応じて、時刻T(n-1)から時刻T(n)までの間隔を定めてもよい。
【0073】
このように、本変形例において、表示情報生成部22は、仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の相対的位置関係の変化に伴う、仮想画像GK及び仮想吐出部DK-S[m]の距離の変化に基づいて、吐出部D-S[m]からのインクの吐出間隔を指定する、間隔指定情報を生成する、ことを特徴としてもよい。
このため、本変形例によれば、吐出部D-S[m]の移動方向に対して、対象物Objの表面SFが傾斜している場合においても、当該傾斜面に対する画像Gの階調値が小さくなることを防止することが可能となる。
【0074】
<変形例5>
上述した実施形態並びに変形例1乃至4では、印刷処理が実行される期間において、仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]が、仮想空間SKにおいて、一定の姿勢を保ちつつ一定方向に進行し、且つ、ヘッドユニット7及び吐出部D-S[m]が、現実空間SPにおいて、一定の姿勢を保ちつつ一定方向に進行する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]は、印刷処理が実行される期間において、仮想空間SKにおける進行方向及び姿勢を変化させてもよい。この場合、ヘッドユニット7及び吐出部D-S[m]は、印刷処理が実行される期間において、仮想空間SKにおける仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]の進行方向及び姿勢の変化に応じて、現実空間SPにおけるヘッドユニット7及び吐出部D-S[m]の進行方向及び姿勢を変化させてもよい。すなわち、仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]は、仮想空間SKにおいて、3次元的に進行方向及び姿勢を変化させ、また、ヘッドユニット7及び吐出部D-S[m]は、現実空間SPにおいて、3次元的に進行方向及び姿勢を変化させてもよい。
【0075】
例えば、本変形例において、仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]は、仮想空間SKにおいて、仮想画像GKに沿うように、進行方向及び姿勢を変化させてもよい。具体的には、仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]は、仮想線L-S[m]が仮想画像GKに対して垂直となるような姿勢を維持するように、仮想空間SKを進行してもよい。また、仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]は、距離E-S[m][T(n)]が略一定となる位置を維持するように、仮想空間SKを進行してもよい。
【0076】
図10は、本変形例における仮想空間情報KKの示す、仮想吐出部DK-S[m]及び仮想画像GKの一例を表した図である。
なお、図10に示す例では、仮想画像GKを+Yw方向に見たときに、仮想画像GKが、+Xw方向に延在する平面PL1と、Bw方向に延在する平面PL2と、を含む場合を想定する。ここで、Bw方向とは、Yw軸方向に垂直な方向であって、Xw軸方向及びZw軸方向と交差する方向である。
また、図10に示す例では、仮想吐出部DK-S[m]が、時刻T(1)から時刻T(3)にかけて、平面PL1に沿って、+Xw方向に速度V0で移動し、時刻T(4)から時刻T(6)にかけて、平面PL2に沿って、Bw方向に速度V0で移動する場合を想定する。また、図10に示す例では、距離E-S[m][T(1)]~E-S[m][T(6)]が、互いに略同じ距離である場合を想定する。また、図10に示す例では、仮想空間SKを+Yw方向に見たときに、仮想線L-S[m][T(1)]~L-S[m][T(3)]が、平面PL1の法線方向と略平行となり、また、仮想線L-S[m][T(4)]~L-S[m][T(6)]が、平面PL2の法線方向と略平行となるように、時刻T(1)~T(6)において、仮想吐出部DK-S[m]が姿勢を変化させる場合を想定する。
なお、図10に示す例では、時刻T(3)及び時刻T(4)の時間間隔は、時刻T(1)及び時刻T(2)の時間間隔、時刻T(2)及び時刻T(3)の時間間隔、時刻T(4)及び時刻T(5)の時間間隔、並びに、時刻T(5)及び時刻T(6)の時間間隔とは異なっていてもよい。例えば、平面PL1及び平面PL2の境界の形状が、仮想吐出部DK-S[m]から見て凸形状となる場合には、時刻T(3)及び時刻T(4)の時間間隔を、時刻T(1)及び時刻T(2)の時間間隔、時刻T(2)及び時刻T(3)の時間間隔、時刻T(4)及び時刻T(5)の時間間隔、並びに、時刻T(5)及び時刻T(6)の時間間隔よりも長くしてもよい。逆に、平面PL1及び平面PL2の境界の形状が、仮想吐出部DK-S[m]から見て凹形状となる場合には、時刻T(3)及び時刻T(4)の時間間隔を、時刻T(1)及び時刻T(2)の時間間隔、時刻T(2)及び時刻T(3)の時間間隔、時刻T(4)及び時刻T(5)の時間間隔、並びに、時刻T(5)及び時刻T(6)の時間間隔よりも短くしてもよい。
【0077】
以上のように、本変形例では、仮想吐出部DK-S[m]が、仮想画像GKに沿うような経路を進行する。また、本変形例では、仮想吐出部DK-S[m]が、仮想線L-S[m]及び仮想画像GKが略垂直となるような姿勢を維持する。このため、本変形例によれば、吐出部D-S[m]が、対象物Objの表面SFに対して、ドットを均一に形成することが容易となる。
【0078】
<変形例6>
上述した実施形態並びに変形例1乃至5において、仮想空間情報KKは、仮想空間SKにおける仮想ヘッドユニットHK及び仮想吐出部DK-S[m]の進行経路及び経時的な姿勢変化を示す仮想経路情報を含んでもよい。この場合、表示情報生成部22は、表示情報Imgに仮想経路情報を含めてもよい。そして、この場合、ハンド制御部62は、表示情報Imgに含まれる仮想経路情報に基づいて、現実空間SPにおけるヘッドユニット7及び吐出部D-S[m]の進行経路及び経時的な姿勢変化を示す経路情報を生成し、当該経路情報に基づいて、制御信号Ctr-Rを生成してもよい。
【0079】
<変形例7>
上述した実施形態並びに変形例1乃至6では、仮想空間情報KKの示す仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想ヘッドユニットHKの大きさが、現実空間SPにおける画像G及びヘッドユニット7の大きさと等しい場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。仮想空間情報KKの示す仮想空間SKにおける仮想画像GK及び仮想ヘッドユニットHKの大きさは、現実空間SPにおける画像G及びヘッドユニット7とは異なる大きさを有していてもよい。
例えば、仮想空間情報KKは、画像G及びヘッドユニット7を含む現実空間SPを、所定の位置を中心として拡大または縮小することで、当該拡大または縮小された画像G及びヘッドユニット7を、仮想空間SKにおいて、仮想画像GK及び仮想ヘッドユニットHKとして表す情報であってもよい。この場合においても、仮想画像GK及び仮想ヘッドユニットHKの仮想空間SKにおける相対的な位置関係は、画像G及びヘッドユニット7の現実空間SPにおける相対的な位置関係と対応することになる。
【0080】
<変形例8>
上述した実施形態並びに変形例1乃至7において、端末制御ユニット2、及び、記憶ユニット3は、記録装置5に搭載されていてもよい。
また、上述した実施形態並びに変形例1乃至5において、端末装置1は、記録制御ユニット6と、ヘッドユニット7と、インク供給ユニット8と、ロボットハンド9とを具備してもよい。
【0081】
<変形例9>
上述した実施形態並びに変形例1乃至8において、ロボットハンド9は、現実空間SPにおけるヘッドユニット7の位置及び姿勢を変化させるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。ロボットハンド9は、現実空間SPにおける対象物Objの位置及び姿勢を変化させることが可能であってもよい。この場合、ヘッドユニット7は、現実空間SPにおいて位置及び姿勢が固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…端末装置、2…端末制御ユニット、3…記憶ユニット、5…記録装置、6…記録制御ユニット、7…ヘッドユニット、8…インク供給ユニット、9…ロボットハンド、21…仮想空間情報取得部、22…表示情報生成部、61…ヘッド制御部、62…ハンド制御部、71…駆動信号供給部、72…記録ヘッド、D…吐出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10