(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電子機器収納ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20240521BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240521BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20240521BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A45C11/00 E
H05K5/02 C
H04M1/11 Z
G06F1/16 313C
G06F1/16 312G
(21)【出願番号】P 2020129913
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】藤木 武史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 菜生
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-124172(JP,A)
【文献】特開2014-042199(JP,A)
【文献】特開2007-209706(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206946(JP,U)
【文献】登録実用新案第3185973(JP,U)
【文献】登録実用新案第3204814(JP,U)
【文献】登録実用新案第3105248(JP,U)
【文献】登録実用新案第3146051(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0271239(US,A1)
【文献】中国実用新案第204930620(CN,U)
【文献】中国実用新案第201048644(CN,Y)
【文献】中国実用新案第206776945(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00~15/08
H05K 5/00~ 5/06
H04M 1/02~ 1/23
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面上にケース本体を起立させ得る自立機構を設けてなる電子機器収納ケースであって、
電子機器の下縁部を装着可能な受け部が、前記ケース本体の外側に設けられているものであり、
前記ケース本体が、ベース体の外面にポケットを設けてなるものであり、
前記ベース体が、前壁と、後壁と、前記前壁及び前記後壁の周縁部間を繋ぐ周壁とを備え、
前記前壁、前記後壁、及び、前記周壁により囲まれてなる空間が、物品が収納されない物品非収納空間
となっているものであり、
前記受け部が、前記ポケットの外面に配設されている電子機器収納ケース。
【請求項2】
前記ポケットが、前記ベース体の表裏にそれぞれ設けられたものであり、
前記受け部が、前記表側のポケットの外面に設けられたものであり、
前記自立機構が、前記裏側のポケットの外面に設けられている請求項1記載の電子機器収納ケース。
【請求項3】
前記受け部が、内部に芯材を配してなるものである請求項1又は2記載の電子機器収納ケース。
【請求項4】
前記自立機構が、使用姿勢と不使用姿勢との間で動作可能な脚部を有してなるものであり、前記不使用姿勢における前記脚部の動作を抑制し得る動作抑制手段を設けたものである請求項1、2又は3記載の電子機器収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の電子機器を収納し得る電子機器収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートフォン等の電子機器を収納可能な透明ポケットを有し、自立可能な電子機器収納ケースが知られている(例えば、特許文献1を参照。)
従来のものは、電子機器をポケット内に完全に収納させた状態で、当該電子機器を自立させ得る構成をなしていた。
【0003】
ところが、かかる構成のものであると、咄嗟に収納された電子機器を使用しなければならない場面(例えば、スマートフォンや携帯電話機の場合であれば不意の着信があった場面など)に遭遇したときに、速やかな使用が難しいという問題が生じ得る。
【0004】
しかも、一般的に電子機器は発熱し易いものであるため、ポケット内に完全に収納された状態が長引くと、ポケット内における電子機器の熱が過剰に蓄積してしまい電子機器が適切に機能しなくなるという不具合も生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、電子機器を外部に露出させた態様で起立させることができる電子機器収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に係る発明は、載置面上にケース本体を起立させ得る自立機構を設けてなる電子機器収納ケースであって、電子機器の下縁部を装着可能な受け部が、前記ケース本体の外側に設けられているものであり、前記ケース本体が、ベース体の外面にポケットを設けてなるものであり、前記ベース体が、前壁と、後壁と、前記前壁及び前記後壁の周縁部間を繋ぐ周壁とを備え、前記前壁、前記後壁、及び、前記周壁により囲まれてなる空間が、物品が収納されない物品非収納空間となっているものであり、前記受け部が、前記ポケットの外面に配設されている電子機器収納ケースである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ポケットが、前記ベース体の表裏にそれぞれ設けられたものであり、前記受け部が、前記表側のポケットの外面に設けられたものであり、前記自立機構が、前記裏側のポケットの外面に設けられている請求項1記載の電子機器収納ケースである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記受け部が、内部に芯材を配してなるものである請求項1又は2記載の電子機器収納ケースである。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記自立機構が、使用姿勢と不使用姿勢との間で動作可能な脚部を有してなるものであり、前記不使用姿勢における前記脚部の動作を抑制し得る動作抑制手段を設けたものである請求項1、2又は3記載の電子機器収納ケースである。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、電子機器を外部に露出させた態様で起立させることができる電子機器収納ケースを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図8】同実施形態におけるベース体の内面を説明するための斜視図(同実施形態の内面と外面とを反転させた状態の斜視図)。
【
図9】
図4におけるX-X線端面図(模式的に示したもの)。
【
図10】
図4におけるY-Y線端面図(模式的に示したもの)。
【
図11】内部に電子機器を入れた状態を示す
図10対応の端面図(模式的に示したもの)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~11を参照して説明する。なお、
図9~11の端面図は、わかりやすさのために素材の厚み等を強調して模式的に示したものである。
【0016】
この実施形態は、本発明を、電子機器であるスマートフォンWを収納し得るように構成された電子機器収納ケースたるスマホポーチに適用したものである。
【0017】
スマホポーチは、表ポケットE、及び、裏ポケットFが設けられ内部にスマートフォンWを収容し得るケース本体であるポーチ本体Aと、天板等の載置面上にポーチ本体Aを起立させ得る自立機構Bと、ポーチ本体Aの外側に設けられスマートフォンWの下縁部w1を装着可能な受け部Cと、ポーチ本体Aに取り付けられ当該ポーチ本体Aを使用者等により懸吊支持し得る掛け部材たる掛けバンドDとを備えたものである。
【0018】
以下、本実施形態のスマホポーチの各構成について詳述する。
【0019】
<ポーチ本体A>
ポーチ本体Aは、ベース体1と、ベース体1の外面側である表面側に設けられたポケットたる表ポケットEと、ベース体1の外面側である裏面側に設けられたポケットたる裏ポケットFとを備えている。
【0020】
ベース体1は、縦長の略矩形状をなす前壁11と、縦長の略矩形状をなし前壁11と略同じ大きさをなす後壁12と、前壁11及び後壁12の周縁部間を繋ぐ周壁13とを備えたものである。前壁11及び後壁12の左右方向の幅寸法L1、L2は、周壁13の前後方向の幅寸法L3よりも大きく設定されている。
【0021】
ベース体1は、内部に前壁11、後壁12、及び、周壁13により囲まれてなる空間spが形成されたものとなっている。すなわち、ベース体1の空間spは、前壁11、後壁12、及び、周壁13により囲まれており、物品が収納されない物品非収納空間となっている。なお、周壁13は、前壁11及び後壁12よりも厚み方向に撓み難いようになっている。
【0022】
ベース体1は、全体として物品非収納空間たる空間spが形成されてなる収縮可能なエアバッグのようなものである。ベース体1は、エアバッグに近似した形態に基づいて、表ポケットEとベース体1との間、及び、裏ポケットFとベース体1との間に収納されたスマートフォンWに対して一定のクッション性を発揮し得るものとなっている。
【0023】
前壁11は、軟質素材である生地を主体に作られたものである。前壁11は、縦長の長方形状をなし四つ角部分が部分円弧状に形成されている。
【0024】
前壁11における一方の縁部たる左の側縁部には、上下方向に延びた棒状の芯材である前の第一芯材J1が配設されている。前壁11における他方の縁部たる右の側縁部には、上下方向に延びた棒状の芯材である前の第二芯材J2が配設されている。前壁11は、前の第一芯材J1と前の第二芯材J2との間に芯材を有しない軟質領域N1が設けられている。
【0025】
後壁12は、軟質素材である生地を主体に作られたものである。後壁12は、縦長の長方形状をなし四つ角部分が部分円弧状に形成されている。
【0026】
後壁12における一方の縁部たる左の側縁部(背面視における右側)には、上下方向に延びた棒状の芯材である後の第一芯材R1が配設されている。後壁12における他方の縁部たる右の側縁部(背面視における左側)には、上下方向に延びた棒状の芯材である後の第二芯材R2が配設されている。後壁12は、後の第一芯材R1と後の第二芯材R2との間に芯材を有しない軟質領域N2が設けられている。
【0027】
周壁13は、空間spを介して前壁11及び後壁12の内面同士が対向するように当該前壁11及び後壁12の周縁部間を繋ぐものである。周壁13は、左右の周壁部13a、13bと、左右の周壁部13a、13bの上端部間に設けられた上周壁部13cと、左右の周壁部13a、13bの下端部間に設けられた下周壁部13dとを備えている。
【0028】
周壁13は、上部(上周壁部13c、左周壁部13aの上部、及び、右周壁部13bの上部)が芯材を有しない生地を主体に作られている。周壁13は、下部(左の周壁部13aの下部、右の周壁部13bの下部、及び、下周壁部13d)がファスナーVを主体に作られている。
【0029】
左右の周壁部13a、13bの上部には、帯状をなす掛けバンドDの基端部d1が縫着されている。周壁13における掛けバンドDの基端部d1よりも下に位置する部位はファスナーVを主体に作られている。
【0030】
周壁13の下部を形成するファスナーVは、布製の帯状部材v11の先端部たる後端部に第一の務歯v12を設けてなる前側のファスナー構成部材v1と、布製の帯状部材v21の先端部たる前端部に第二の務歯v22を設けてなる後側のファスナー構成部材v2と、第一の務歯v12と第二の務歯v22とを接離させ得る図示しないスライダーを備えたものである。
【0031】
換言すれば、ベース体1には、内部に設けられた空間spに開通し得るファスナーVが設けられている。ファスナーVによる開通状態(
図8に示すような第一、第二の務歯v12、v22が離れている状態)は、スマホポーチを製造する過程においてのみ採られるものとなっている。つまり、スマホポーチの製造が完了した後は、基本的にファスナーVは使用者等により開成されず、第一、第二の務歯v12、v22が噛み合って閉止された状態が維持されるようになっている。
【0032】
ポーチ本体Aは、ファスナーVを主体にして周壁13の一部である下部を構成している。このため、スマホポーチの製造過程において、
図8に示すように、ポーチ本体Aを形成するための縫製作業を実施し得るべくファスナーVを開通状態にして内面側と外面側とを反転させた状態にし易いものとなっている。さらに、ポーチ本体Aを、
図8に示される内外面の反転状態から正規の状態に反転させた後は、開通状態の周壁13を、スライダーを利用して迅速且つ容易に閉じることができるものとなっている。
【0033】
なお、第一の務歯v12と第二の務歯v22とを接離し得るスライダーは、スマホポーチが完成した段階では掛けバンドDの基端部d1の下に隠されており、使用者等によって簡単にスライド操作できないように構成されている。
【0034】
前の第一、第二芯材J1、J2、及び、後の第一、第二芯材R1、R2は、合成樹脂製の棒状の部材からなるものであり、ベース体1の内面側に配設されている。前の第一、第二芯材J1、J2は、ベース体1の内面側に設けられた前の縁巻き部分M1に挿入されたものである。後の第一、第二芯材R1、R2は、ベース体1の内面側に設けられた後の縁巻き部分M2に挿入されたものである。前後の縁巻き部分M1、M2は、帯状の生地によって構成されている。
【0035】
前の縁巻き部分M1は、前壁11における内面側の周縁部に沿って設けられたものであり、全体として矩形環状をなしている。前の縁巻き部分M1は、前壁11、周壁13、表ポケットE、及び、受け部Cの端部を縫着する際にこれらと共に縫着され、縫着される複数の生地の端を覆うことにより外部に露出しないようにしている。前の縁巻き部分M1は筒状をなし内部に生地の端部を収容し得る中空部ckが形成されている。
【0036】
前の第一芯材J1は、前壁11における左側縁部に形成された筒状をなす前の縁巻き部分M1の内部に配設されている。前の第二芯材J2は、前壁11における右側縁部に形成された筒状をなす前の縁巻き部分M1の内部に配設されている。
【0037】
換言すれば、前の第一芯材J1及び前の第二芯材J2は、前の縁巻き部分M1に形成された中空部ckを利用して、前壁11の両側縁部に上下方向に延びる姿勢をなして配設されたものとなっている。なお、前の第一芯材J1及び前の第二芯材J2は、前の縁巻き部分M1の中空部ckに収容された状態で当該前の縁巻き部分M1に対して縫着されている。
【0038】
後の縁巻き部分M2は、後壁12における内面側の周縁部に沿って設けられたものであり、全体として矩形環状をなしている。後の縁巻き部分M2は、後壁12、周壁13、及び、裏ポケットFの端部を縫着する際にこれらと共に縫着され、縫着される複数の生地の端を覆うことにより外部に露出しないようにしている。後の縁巻き部分M2は筒状をなし内部に生地の端部を収容し得る中空部ckが形成されている。
【0039】
後の第一芯材R1は、後壁12における左側縁部(背面視における右側)に形成された筒状をなす後の縁巻き部分M2の内部に配設されている。後の第二芯材R2は、後壁12における右側縁部(背面視における左側)に形成された筒状をなす後の縁巻き部分M2の内部に配設されている。
【0040】
換言すれば、後の第一芯材R1及び後の第二芯材R2は、後の縁巻き部分M2に形成された中空部ckを利用して、後壁12の両側縁部に上下方向に延びる姿勢をなして配設されたものとなっている。なお、後の第一芯材R1及び後の第二芯材R2は、後の縁巻き部分M2の中空部ckに収容された状態で当該後の縁巻き部分M2に対して縫着されている。
【0041】
表ポケットEは、ベース体1の外面すなわち表側に設けられたものである。表ポケットEは、軟質素材である生地を主体に作られたものである。表ポケットEにおける左右の両側縁部及び下縁部は、ベース体1を構成する前壁11の側縁部及び下縁部に接続している。
【0042】
表ポケットEは、ベース体1の前壁11と協働して、表ポケットEと前壁11との間に、スマートフォンWを収容し得る収納空間である前収納空間S1を形成し得るものとなっている。表ポケットEの上縁部と前壁11の上縁部との間には、外部空間と前収納空間S1との間を連通し得る開口部たる前開口部K1が形成されている。前開口部K1は、ファスナーやスナップボタン等の閉止手段が設けられていない構成をなしている。そのため、使用者は、前収納空間S1に対するスマートフォンWの出し入れをスムーズに実行できるようになっている。
【0043】
表ポケットEの内面すなわち裏面には、IDカード等のカードを収容し得る大きさの小型ポケットGが設けられている。
【0044】
裏ポケットFは、ベース体1の外面すなわち裏側に設けられたものである。裏ポケットFは、軟質素材である生地及び板状をなす芯材p1を主体に作られたものである。すなわち、裏ポケットFにおける上端部の領域は生地のみで作られており、上端部領域よりも下の領域は生地の内部に板状の芯材p1が設けられている。裏ポケットFにおける下の領域には、外面側である背面に後述する自立機構Bを設けられるため、板状の芯材p1を配設することによって強度を向上させている。
【0045】
裏ポケットFにおける左右の両側縁部及び下縁部は、ベース体1を構成する後壁12の側縁部及び下縁部に接続している。裏ポケットFは、ベース体1の後壁12と協働して、裏ポケットFと後壁12との間に、スマートフォンWを収容し得る収納空間である後収納空間S2を形成し得るものとなっている。
【0046】
裏ポケットFの上縁部と後壁12の上縁部との間には、外部空間と後収納空間S2との間を連通し得る開口部たる後開口部K2が形成されている。後開口部K2は、ファスナーやスナップボタン等の閉止手段が設けられていない構成をなしている。そのため、使用者は、後収納空間S2に対するスマートフォンWの出し入れをスムーズに実行できるようになっている。
【0047】
図11に示すように、表ポケットEの前収納空間S1や裏ポケットFの後収納空間S2にスマートフォンWが収納されると、当該スマートフォンWの形状に対応して、前の第一、第二芯材J1、J2及び後の第一、第二芯材R1、R2が配されておらず、且つ、空間spに隣接した前壁11及び後壁12の左右方向及び上下方向中央部が、周壁13、表ポケットE、及び、裏ポケットFよりも優先的に空間sp方向に凹むように変形し得るものとなっている。
【0048】
このため、表ポケットEや裏ポケットFにスマートフォンWを収納した場合であっても、当該スマートフォンWの厚みに比例してポーチ本体Aの全体的な厚み寸法が増大し難いものとなっている。
【0049】
<自立機構B>
自立機構Bは、天板等の載置面上にポーチ本体Aを起立した姿勢に保持し得るものである。自立機構Bは、裏ポケットFの外面に設けられている。
【0050】
自立機構Bは、使用姿勢(U)と不使用姿勢(T)との間で動作可能な脚部2を有してなるものである。自立機構Bには、不使用姿勢(T)における脚部2の動作を抑制し得る動作抑制手段たる面ファスナーHが設けられている。
【0051】
脚部2は、上端部が裏ポケットFに接続するとともに下端部が使用姿勢(U)において載置面に当接し得る主脚部分21と、主脚部分21の上下方向中間部と裏ポケットFの間を繋ぎ、使用姿勢(U)における主脚部分21の姿勢を保持し得る変形可能な中間連結部分22とを備えている。
【0052】
主脚部分21は、略矩形板状をなす芯材p2に生地を被覆させてなるものである。主脚部分21は、上端縁から延設された縫着代部分i1を裏ポケットFに縫着することにより、裏ポケットFに対して回転可能に接続されている。
【0053】
中間連結部分22は、使用姿勢(U)では前後方向に延びた姿勢をなし、不使用姿勢(T)では、側面視において上向きに凸をなすように二つ折り状態で主脚部分21と裏ポケットFとの間に挟まれた姿勢をなしたものである。
【0054】
中間連結部分22は、内部に矩形状の芯材p3を設けた前部22aと内部に芯材を有しない後部22bと、前部22aと後部22bとの間に設けられたヒンジ部22cとを有したものである。
【0055】
前部22aには、裏ポケットFに縫着される縫着代部分i2を有している。後部22bには、主脚部分21に縫着される縫着代部分i3を有している。
【0056】
面ファスナーHは、主脚部分21の下端部と裏ポケットFの下端部とを接離可能に構成し得るものである。面ファスナーHは、主脚部分21における下端部に設けられた第一の面ファスナー要素h1と、裏ポケットFの下端部に設けられ第一の面ファスナー部分h1が着脱し得る第二の面ファスナー要素h2とを備えたものである。
【0057】
自立機構Bは、
図3、及び、
図4に示すように、脚部2を使用姿勢(U)にすることによって、天板等の載置面に対して、ポーチ本体Aを後傾した状態で起立させることができるようになっている。
【0058】
<受け部C>
受け部Cは、スマートフォンWの下縁部w1を支持し得るものである。すなわち、受け部Cは、
図3に示すように、自立機構Bにより起立姿勢をなしたポーチ本体Aと協働して、スマートフォンWを、当該スマートフォンWの下縁部w1以外の部位を外部に露出させた状態で起立姿勢に保持し得るものである。
【0059】
受け部Cは、表ポケットEの下端部における外面たる前面に配設されている。なお、受け部Cは、スマートフォンWに限られず、他の電子機器の下縁部も支持することが可能である。すなわち、受け部Cは、他の電子機器を、当該他の電子機器における下縁部以外の部位を外部に露出させた状態で起立姿勢に保持し得るものである。他の電子機器としては、例えば、携帯電話機、タブレットPC、小型ラップトップPC、ハンディーターミナル(携帯端末)等を挙げることができる。
【0060】
受け部Cは、内部に芯材p5を配してなるものである。すなわち、受け部Cは、芯材p5に生地を被覆してなるものである。
【0061】
受け部Cの上端縁は、左右方向に略直線状に延びている。受け部Cの側端縁及び下端縁は、表ポケットEに接続する部位であり、表ポケットEにおける縁部の形状に対応させてある。
【0062】
受け部Cにおける左右の両側縁部及び下縁部は、表ポケットEの側縁部及び下縁部に接続している。受け部Cは、ポーチ本体Aに縫着されたものである。受け部Cは、表ポケットEと協働して、受け部Cと表ポケットEとの間に、スマートフォンWの下縁部w1を収容し得る下縁部受け入れ空間c2を形成し得るものとなっている。受け部Cの上縁部と表ポケットEとの間には、スマートフォンWの下端部を出し入れ可能な開口部c1が形成されている。
【0063】
受け部Cが、板状の芯材p5を含んでなるものとなっているため、スマートフォンWの下縁部w1が下縁部受け入れ空間c2に挿入されると、受け部CがスマートフォンWを表ポケットE及びベース体1方向に押し付け得るものとなっている。
【0064】
そのため、スマートフォンWの荷重を受けた表ポケットE及び前壁11の左右方向及び上下方向中央部は、それらの各周縁部よりも優先して後方に凹むように変形し易いものとなっている。
【0065】
換言すれば、板状の芯材p5を含んだ受け部Cは、下縁部受け入れ空間c2に配されたスマートフォンWを、表ポケットEの左右方向及び上下方向中央部及び前壁11の左右方向及び上下方向中央部に沈み込ませるように好適に押圧し得るものとなっている。
【0066】
<掛けバンドD>
掛けバンドDは、長さ調整可能であり、使用者の首や肩に掛けて使用し得る既知の構成のものである。掛けバンドDは、基端部d1がポーチ本体Aの周壁13における左周壁部13a及び右周壁部13bに縫着されている。なお、この実施形態では、左周壁部13aに縫着された掛けバンドDの基端部d1の裏面側にはファスナーVのスライダーが隠されている。
【0067】
上述した構成を備えたスマホポーチは、天板等の載置面上にケース本体たるポーチ本体Aを起立させ得る自立機構Bを設けてなるものである。スマートフォンWの下縁部w1を装着可能な受け部Cが、ポーチ本体Aの外側に設けられている。このため、本実施形態に係るスマホポーチであれば、スマートフォンWを外部に露出させた放熱に好適な態様で起立状態に保持させることができるものとなっている。
【0068】
このスマホポーチであれば、執務中における使用者の近傍の天板上に、スマートフォンWの下縁部w1以外の部位を外部に露出させた状態で当該スマートフォンWを起立した状態に保持させておくことができるものとなる。
【0069】
つまり、スマホポーチは、掛けバンドDを利用してスマートフォンWを好適に保護しつつ持ち運びし得るポーチ機能だけでなく、いわゆるスマートフォンスタンドの機能をも発揮し得るものとなっている。このため、専用的なスマートフォンスタンドを用意する必要なく、スマートフォンWを利用したWeb会議やハンズフリーの通話にも、極めて柔軟に対応することができるものとなっている。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る電子機器収納ケースたるスマホポーチは、天板等の載置面上にケース本体たるポーチ本体Aを起立させ得る自立機構Bを設けてなるものである。
【0071】
そして、電子機器であるスマートフォンWの下縁部w1を装着可能な受け部Cが、ポーチ本体Aの外側に設けられている。
【0072】
このため、本実施形態に係るスマホポーチであれば、スマートフォンWを外部に露出させた態様で起立状態に保持させることができるものとなっている。
【0073】
例えば、このスマホポーチであれば、執務中における使用者の近傍の天板上に、スマートフォンWの下縁部w1以外の部位を外部に露出させた状態で当該スマートフォンWを起立した状態に保持させておくことができるものとなる。
【0074】
つまり、スマホポーチは、スマートフォンWを好適に保護しつつ持ち運びし得るポーチ機能だけでなく、スマートフォンスタンドの機能をも発揮し得るものとなっている。換言すれば、スマホポーチは、ポーチの機能とスマートフォンスタンドの機能を兼ねたものとなっている。
【0075】
このため、専用的なスマートフォンスタンドを用意する必要なく、スマートフォンWを利用したWeb会議やハンズフリーの通話にも、極めて柔軟に対応することができるものとなっている。
【0076】
ケース本体Aが、ベース体1の外面にポケットたる表ポケットE及び裏ポケットFを設けてなるものである。そして、受け部Cが、表ポケットEの外面に配設されている。
【0077】
このため、表ポケットEの機能を損ねることなく、表ポケットEと受け部Cとの協働によりスマートフォンWを起立姿勢に支持し得るものとなっている。
【0078】
また、表ポケットEは、芯材を有しない生地により構成されたものであるため、スマートフォンWを受け部Cと表ポケットEの間に挟んで支持させた際に当該スマートフォンWに追従して後方に凹みやすくなっている。
【0079】
そのため、軟質な表ポケットEに裏当てされたスマートフォンWは、硬質な受け部Cによって後方に押さえつけられることにより、ベース体1の方向に沈み込んで左右方向にずれ動き難いものとなる。つまり、ポーチ本体Aは、軟質の表ポケットEと硬質の受け部Cとが協働してスマートフォンWを安定的に保持し得るものとなっている。
【0080】
ベース体1の表に表ポケットEが設けられており、ベース体1の裏に裏ポケットFが設けられたものである。そして、受け部Cが、表側のポケットである表ポケットEの外面に設けられたものであり、自立機構Bが、裏側のポケットである裏ポケットFの外面に設けられている。
【0081】
このため、表ポケットE及び裏ポケットFの収納機能を損ねることなく、受け部C及び自立機構Bにより、スマートフォンWを起立姿勢に支持し得るものとなっている。
【0082】
受け部Cが、内部に芯材p5を配してなるものである。このため、受け部Cは、剛性に優れたものとなりスマートフォンWを好適に支持し得るものとなっている。
【0083】
自立機構Bが、使用姿勢(U)と不使用姿勢(T)との間で動作可能な脚部2を有してなるものであり、不使用姿勢(T)における脚部2の動作を抑制し得る動作抑制手段たる面ファスナーHを設けたものである。
【0084】
このため、不使用姿勢(T)における脚部2のばたつきを面ファスナーHによって好適に抑制し得るものとなっている。
【0085】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0086】
電子機器収納ケースに収容される電子機器はスマートフォンに限られるものではないのはもちろんのことである。電子機器は、スマートフォンの他、ポケットに収容可能な他の電子機器であってもよい。なお、他の電子機器としては、例えば、携帯電話機、タブレットPC、小型ラップトップPC、ハンディーターミナル(携帯端末)等を挙げることができる。
【0087】
受け部の形状は、電子機器の下縁部を装着可能なものであればよく、上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。
【0088】
受け部が設けられる位置は、ケース本体の下端部に限られるものではなく、スマートフォン等の電子機器の背部をケース本体により支持し得る位置であればよい。
【0089】
ポケットは、ベース体に対して一つだけ設けられたものであってもよい。換言すれば、自立機構がポケットの外面に設けられていないものであってもよい。
【0090】
受け部は、内部に芯材を配していないものであってもよい。
【0091】
受け部の内部に配された芯材は、板状をなしたものでなくてもよい。
【0092】
自立機構は、ケース本体を天板等の載置面に対して自立させ得るものであれば、どのような構成のものであってもよい。
【0093】
また、自立機構の動作抑制手段は、面ファスナーを利用したものに限られるものではなく、例えば、マグネットを用いたものであってもよい。
【0094】
ベース体は、ポケットを外面側に配したものであればよく、上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。例えば、ベース体は、スポンジ状のものであってもよい。
【0095】
ベース体に設けられる芯材は、ベース体の内面側に配設されたものに限られるものではなく、ベース体の外面側に配設されたものであってもよい。
【0096】
ベース体に設けられる芯材は、ベース体の縁巻き部分に挿入されたものでなくてもよい。
【0097】
ベース体は、ファスナーを設けていない構成のものであってもよいのはもちろんのことである。
【0098】
ベース体における一方の縁部と他方の縁部に配される芯材は、棒状の部材に限られるものではなく、板状の部材からなるものであってもよい。
【0099】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0100】
A…ポーチ本体(ケース本体)
B…自立機構
C…受け部
D…掛けバンド(掛け部材)
1…ベース体
2…脚部
E…表ポケット(ポケット)
F…裏ポケット(ポケット)
J1、J2…前の第一芯材(芯材)、前の第二芯材(芯材)
R1、R2…後の第一芯材(芯材)、後の第二芯材(芯材)
W…スマートフォン(電子機器)