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  • 特許-フロア構造及び住宅 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】フロア構造及び住宅
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
E04H1/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020130226
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026656
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-05-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)2019年10月5日に関東住まいの夢工場 くらしのアイデア館「小林さんち。」(茨城県古河市北利根2)において展示にて公開 (2)2020年6月21日発行の月間ハウジング8月号にて、2020年5月15日発行の住まいの設計6月号にて、2020年4月15日発行のひよこクラブ5月号にて、2020年3月21日発行の月間ハウジング5月号にて、2020年3月20日発行のハッピーノート春号、2019年12月13日発行のひよこクラブ1月号、それぞれの刊行物にて公開 (3)2020年5月15日に株式会社扶桑社のホームページにて公開 (4)2020年6月21日にインスタグラム(登録商標)にて、2020年5月15日に自社ホームページにて公開 (5-1)2019年11月2日~同年11月22日にテレビ大分、テレビ岩手などにおけるテレビコマーシャル(ファミリースイート「孫のスペース」篇)にて公開 (5-2)2020年4月24日~同年5月4日にテレビ北海道、テレビ東京などにおけるテレビコマーシャル(ファミリースイート「コドモイドコロ」篇)にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】紀伊 陽子
(72)【発明者】
【氏名】梶 彩子
(72)【発明者】
【氏名】江本 馨
(72)【発明者】
【氏名】服部 正子
(72)【発明者】
【氏名】串田 哲也
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-046925(JP,A)
【文献】特開2002-317564(JP,A)
【文献】特開2018-197473(JP,A)
【文献】特開2014-190029(JP,A)
【文献】特開平08-035340(JP,A)
【文献】特開2020-105698(JP,A)
【文献】特開平07-034680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅のフロア構造であって、
前記住宅の玄関フロアとピットリビングとダイニングとが相互に隣接し、
前記玄関フロアは、前記ピットリビングの床面よりも高く設定される一方で前記ダイニングの床面よりも低く設定されることを特徴とするフロア構造。
【請求項2】
前記ピットリビングの床面と前記ダイニングの床面との段差には収納空間を有すること
を特徴とする請求項1に記載のフロア構造。
【請求項3】
前記玄関フロアは、前記ダイニングの床面よりも180mm低く設定される一方で前記ピットリビングの床面よりも180mm高く設定されること
を特徴とする請求項1または2に記載のフロア構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のフロア構造を有することを特徴とする住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家族や来客のコミュニケーション形成に配慮したフロア構造及びこの構造を有する住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、居住空間の快適さを向上させるためにダイニングとの間に段差を設けたダウンフロア構造のピットリビングを有する住宅が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-46925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピットリビングは、居住空間にメリハリや開放感さらには家族や来客に安心感をもたらすが、ピットリビング内に階段を要する場合にはそのリビング空間が狭くなることがある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑み、ピットリビングの有効利用を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の一態様は、住宅のフロア構造であって、前記住宅の玄関フロアとピットリビングとダイニングとが隣接し、前記玄関フロアは、前記ピットリビングの床面よりも高く設定される一方で前記ダイニングの床面よりも低く設定される。
【0007】
本発明の一態様は、前記フロア構造において、前記ピットリビングの床面と前記ダイニングの床面との段差には収納空間を有する。
【0008】
本発明の一態様は、前記フロア構造において、前記玄関フロアは、前記ダイニングの床面よりも180mm低く設定される一方で前記ピットリビングの床面よりも180mm高く設定される。
【0009】
本発明の一態様は、前記フロア構造を有する住宅である。
【発明の効果】
【0010】
以上の本発明によれば、ピットリビングの有効利用が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一態様であるピットリビングが適用された住宅の一階フロアの間取り図。
図2】(a)図1の住宅の玄関に面したピットリビングの縦断面図、(b)当該玄関から観た当該ピットリビングの縦断面図。
図3】(a)図1の住宅のダイニングから観たピットリビングの縦断面図、(b)当該ダイニングに面した当該ピットリビングの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1に例示の本発明の一態様が適用された住宅1の一階フロア2は、エントランス3、ピットリビング4、ダイニングキッチン5、書斎6、サニタリー7、浴室8、トイレ9、リビングクローゼット10、靴収納兼更衣室11及びアウトドアダイニングデッキ12を有する。
【0014】
エントランス3は、本発明に係る玄関の一態様であり、玄関ドア31及びピットリビング4に面した玄関フロアの一態様として土間30を有する。土間30のレベルは、ピットリビング4の床面40よりも高く設定される一方でダイニングキッチン5の床面50よりも低く設定される。尚、玄関フロアの一態様として、土間30に対してさらにフローリングを施したものを採用してもよい。
【0015】
土間30には、玄関ドア31の近辺にて土間30を玄関ドア31側の土間30とピットリビング4側の土間30とに仕切るガラスドア32が立設される。そして、ピットリビング4側の土間30には、ラウンジチェア33及びミニテーブル34が適宜に配置される。
【0016】
ダイニングキッチン5は、本発明に係るダイニングの一態様であり、ダイニングとキッチンの機能を有し、土間30とピットリビング4とに面して配置される。
【0017】
ダイニングキッチン5には、セパレートキッチン51、テーブル52及び作業机53が配置されている。セパレートキッチン51は、並列に配置されるアイランド型のキッチン本体部51a,51bから成る。一方のキッチン本体部51aの天板部は、シンク511を備える。他方のキッチン本体部51bの真上には、図3(b)に例示の吊り戸棚512が配置される。吊り戸棚512とキッチン本体部51bとの間には、図1のキッチン本体部51bのキッチンバックヤード54を介して掃き出し窓55から住宅1の外を見通すことが可能な空間が確保される。テーブル52は、例えば、ピットリビング4とキッチン本体部51aとの間に配置される。作業机53は、立って使用されるデスク53aと、座って使用されるデスク53bとから成る。作業机53は、一階フロア2から図示省略の二階フロアに繋がる階段56の側面部にドラフトウォール57を介して壁付けされる。
【0018】
書斎6は、ピットリビング4と離間してダイニングキッチン5に面して配置される。書斎6には、書斎6の床面60の長手方向に沿う長デスク61と、床面60の短手方向に沿う短デスク62とが配置される。また、短デスク62と反対する長デスク61の一端側には書籍類や貴重品の収納ボックス63が書斎6に壁付けされる。さらに、長デスク61、短デスク62が壁付けされた書斎6の壁面には窓部64,65が各々設けられる。
【0019】
サニタリー7は、キッチンバックヤード54を介して書斎6と連絡可能にダイニングキッチン5に面して配置される。さらに、サニタリー7に面するダイニングキッチン5と反対する位置には浴室8が配置される。そして、この浴室8とサニタリー7とに隣接してトイレ9が配置される。
【0020】
靴収納兼更衣室11は、ダイニングキッチン5から階段56、サニタリー7、リビングクローゼット10及びトイレ9に繋がる動線13を介して、トイレ9に面すると共に、エントランス3と連絡可能に配置される。
【0021】
アウトドアダイニングデッキ12は、ダイニングキッチン5の掃き出し窓58を介してダイニングキッチン5に連通すると共に書斎6と隣接して配置される。
【0022】
図1~3を参照してピットリビング4の具体的な態様について説明する。
【0023】
ピットリビング4は、図1に示したように、土間30に面する一階フロア2のコーナー部21に配置される。コーナー部21には、ガラス窓22が備えられる。土間30のレベルは、図2に示したように、ダイニングキッチン5のレベル(床面レベル)よりも180mm低く設定される一方でピットリビング4の床面40のレベルよりも180mm高く設定される。
【0024】
ピットリビング4は、ソファ41及び収納棚42を有する。
【0025】
ソファ41は、ダイニングキッチン5に背を向けてピットリビング4の床面40の一辺に沿って配置され、ダイニングキッチン5及び土間30に面して設置された横断面L字の支持部43により支持される。そして、図1,3に示したようにソファ41と対向する一階フロア2の壁部23には、壁掛けテレビ46が設置されている。
【0026】
収納棚42は、土間30と対向する床面40の一辺に沿って配置される。図2(b)に示したように収納棚42の高さはソファ41の座面高さと略同等に設定される。収納棚42と床面40との間の収納空間44は、仕切り板45により適宜複数例えば三つに区画される。個々の収納空間44には、例えば、おもちゃ箱やリビング周辺で使用するもの(リモコン、ブランケット等)が収納される。また、収納棚42には、置物やおもちゃが置かれる。さらに、収納棚42は、テーブル若しくはデスクまたは、家族や来客が腰掛可能なベンチとしても機能する。
【0027】
以上の住宅1によれば、エントランス3とピットリビング4とダイニングキッチン5が隣接し、さらに、エントランス3の土間30のレベルがピットリビング4の床面40よりも高く設定される一方でダイニングキッチン5よりも低く設定されている。
【0028】
すなわち、ピットリビング4の床面40のレベルとダイニングキッチン5の床面50のレベルとの間に、土間30のレベルが介在する。これにより、ダイニングキッチン5からピットリビング4に至る階段が不要となり、ピットリビング4の省スペース化が実現し、ピットリビング4の空間を有効利用できる。さらには、ピットリビング4とダイニングキッチン5との間に収納空間44も確保される。
【0029】
特に、ピットリビング4の床面40が土間30よりも180mm低く設定される一方で土間30がダイニングキッチン5の床面50よりも180mm低く設定されることで、ダイニングキッチン5から土間30を介してピットリビング4にスムーズに移動できる。
【0030】
ダイニングキッチン5からピットリビング4に到る直接段差は一般的に本来2段要する。これに対し、本実施形態のように、ダイニングキッチン5とピットリビング4と土間30とのレベル差を上記設定とすることで、土間30からピットリビング4に直接到る段差が1段で済むので、転落リスクの軽減が図れる。また、ピットリビング4においては、上記のレベル設定により、ピットリビング4とダイニングキッチン5の床面レベルの差が少なくとも360mmとなるので、収納空間44が十分に確保される。
【0031】
以上のように、本実施形態のフロア構造によれば、ピットリビングの有効利用を図ることができる。そして、このことにより、住宅1の生活拠点(例えば、ダイニングキッチン5)の領域を損なうことなくピットリビング4を配置できる。
【符号の説明】
【0032】
1…住宅
2…一階フロア
3…エントランス、30…土間
4…ピットリビング、40…床面、41…ソファ、42…収納棚、44…収納空間
5…ダイニングキッチン、50…床面
6…書斎
7…サニタリー
8…浴室
9…トイレ
10…リビングクローゼット
11…靴収納兼更衣室
12…アウトドアダイニングデッキ
図1
図2
図3