(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】飼育装置
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
A01K67/033 502
(21)【出願番号】P 2020172185
(22)【出願日】2020-10-12
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】高里 明洋
(72)【発明者】
【氏名】河合 重和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崇人
(72)【発明者】
【氏名】三戸 太郎
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1970312(KR,B1)
【文献】特許第6746153(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0360014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0281799(US,A1)
【文献】米国特許第10448623(US,B1)
【文献】特開平10-191834(JP,A)
【文献】特表2018-509167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0146270(US,A1)
【文献】特開2002-142641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 67/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼育対象の生物を収容する空間を有する飼育ケースと、
前記飼育ケース内の前記空間の底部に配置されたベルトコンベアと、
前記飼育ケース内に上下方向に延びるように配置され、前記生物が止まることが可能な止まり部材と、
を備え、
前記止まり部材は、
下端が前記ベルトコンベアの上面から所定距離以上の高さに位置する高所部と、
下端が前記ベルトコンベアの上面から前記所定距離未満の高さに位置する低所部と、
を備える、飼育装置。
【請求項2】
前記止まり部材は、水平方向に対向して配列された複数の板部を含み、
前記複数の板部のそれぞれは、前記高所部及び前記低所部を有する、請求項1に記載の飼育装置。
【請求項3】
前記複数の板部のそれぞれは、前記ベルトコンベアの搬送方向に延在し、
前記複数の板部における前記高所部は、前記搬送方向において同一位置に位置し、
前記複数の板部における前記低所部は、前記搬送方向において前記高所部とは異なる位置であって前記搬送方向において同一位置に位置する、請求項2に記載の飼育装置。
【請求項4】
前記止まり部材は、水平方向に対向して配列された複数の板部を含み、
前記複数の板部の一部は、前記高所部を構成し、
前記複数の板部の残部は、前記低所部を構成する、請求項1に記載の飼育装置。
【請求項5】
前記止まり部材は、板部により構成され、前記ベルトコンベアの搬送方向に対するなす角度が0°-90°の範囲で変化して形成され、
前記なす角度が前記範囲のうち大きい角度の部位には、前記高所部のみが形成され、
前記なす角度が前記範囲のうち小さい角度の部位の少なくとも一部には、前記低所部が形成される、請求項1-4の何れか1項に記載の飼育装置。
【請求項6】
前記所定距離は、成長した前記生物の最大高さに設定される、請求項1-5の何れか1項に記載の飼育装置。
【請求項7】
前記生物は、昆虫であり、
前記所定距離は、10-30[mm]である、請求項1-6の何れか1項に記載の飼育装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼育装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コオロギの飼育装置が記載されている。この飼育装置においては、コオロギに水を与えるために、水を含んだ脱脂綿が置かれた容器を飼育ケース内に設け、コオロギが物陰に隠れることができるように、軽く丸められた多数の新聞紙を飼育ケース内に設けている。また、特許文献2には、昆虫を繁殖させるための設備として産卵構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-191834号公報
【文献】特表2018-509167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の飼育装置において、コオロギを収集するためには、丸められた新聞紙の表面や内部にいるコオロギを、新聞紙から引き離す必要がある。つまり、丸められた新聞紙を1つ1つ広げて、広げた新聞紙からコオロギを引き離す。このように、コオロギを収集することは手間がかかる。
【0005】
本発明は、昆虫等の生物を飼育する飼育装置において、生物の生育環境を確保しつつ、生物を容易に収集することができる飼育装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
飼育装置は、飼育対象の生物を収容する空間を有する飼育ケースと、前記飼育ケース内の前記空間の底部に配置されたベルトコンベアと、前記飼育ケース内に上下方向に延びるように配置され、前記生物が止まることが可能な止まり部材とを備える。前記止まり部材は、下端が前記ベルトコンベアの上面から所定距離以上の高さに位置する高所部と、下端が前記ベルトコンベアの上面から前記所定距離未満の高さに位置する低所部とを備える。
【0007】
上述したように、飼育装置は、飼育ケース内に生物が止まることが可能な止まり部材を備える。止まり部材は、上下方向に延びるように配置されているため、丸められた新聞紙に比べて、飼育対象の生物の収集が容易である。また、ベルトコンベアが飼育ケース内の空間の底部に配置されている。ベルトコンベアは、飼育対象の生物の収集に用いることができる。従って、この点からも、飼育対象の生物の収集が容易となる。
【0008】
また、ベルトコンベアは、例えば、水や餌を供給するために用いることができ、空間の底面を清潔に保つために用いることができる。このように、止まり部材とベルトコンベアとを備えることによって、飼育対象の生物が生育する良好な環境が確保されている。
【0009】
ただし、ベルトコンベアの上面に止まり部材の下端が接触していると、ベルトコンベア上の餌やゴミが、止まり部材に引っかかり、ベルトコンベアを駆動したとしても搬送されない場合がある。そこで、止まり部材は、ベルトコンベアの上面から所定距離以上離れた高さに位置する高所部を備える。高所部を備えることによって、ベルトコンベアの上面と高所部の下端との間に空間が形成されるため、餌やゴミがベルトコンベアによって搬送される状態となる。
【0010】
しかし、止まり部材の全てを高所部としてしまうと、ベルトコンベアの上面にいる飼育対象の生物が止まり部材に移動することが容易ではなくなってしまう。そこで、止まり部材は、全てを高所部にするのではなく、下端がベルトコンベアの上面から所定距離未満の高さに位置する低所部を備えることとする。従って、飼育対象の生物は、ベルトコンベアの上面から低所部へ移動することは容易となり、止まり部材の任意の位置に止まった状態(隠れた状態)にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図2の飼育装置のIII-III断面図である。
【
図6】第一例の飼育装置を構成する引離部材の正面図である。
【
図7】
図6の引離部材のVII-VII断面図である。
【
図8】
図6の引離部材のVIII-VIII断面図である。
【
図9】
図6の引離部材のIX方向(下)から見た図である。
【
図10】第一例の飼育装置において引離部材を下方に移動させた状態を示す
図2のIII-III断面図である。
【
図11】第二例の飼育装置における水平断面図である。
【
図12】第二例の飼育装置を構成する止まり部材の正面図である。
【
図13】
図12の止まり部材のXIII方向(反搬送方向)から見た図である。
【
図14】
図12の止まり部材のXIV方向(下)から見た図である。
【
図15】第二例の飼育装置を構成する引離部材の正面図である。
【
図17】
図15の引離部材のXVII-XVII断面図である。
【
図18】
図15の引離部材のXVIII方向(下)から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1.飼育対象の生物)
飼育装置において飼育対象とする生物は、例えば、節足動物等の小生物である。飼育対象の生物は、例えば、食用や研究用に用いられる生物である。飼育対象の昆虫としては、コオロギ、イナゴ、バッタ等があげられる。特に、飼育対象の生物は、幼虫が直接成虫に変態する不完全変態の節足動物であって、さらには、不完全変態における幼虫が好適である。本例における飼育対象の生物は、昆虫のうち、バッタ目のコオロギやイナゴの幼虫を好適な例として説明する。ただし、成虫(羽化した不完全変態節足動物)を飼育対象の生物としても良い。また、飼育装置は、卵から飼育しても良いし、孵化後の生物を飼育しても良い。
【0013】
(2.第一例の飼育装置1)
(2-1.飼育装置1の概要)
飼育装置1の概要について、
図1を参照して説明する。飼育装置1は、ベース10、飼育ケース20、ベルトコンベア30、給水装置40等を備える。ベース10は、設置面上に配置される。
【0014】
飼育ケース20は、内部に飼育対象の生物を収容する空間を有しており、当該生物が生育するための環境を有している。飼育ケース20は、ベース10の上方に固定されている。飼育ケース20は、直方体状に形成したが、円筒形状、錐形状等、任意の形状とすることができる。
【0015】
飼育ケース20の内部には、飼育対象の生物が止まることができるように止まり部材(後述する)が設けられている。飼育ケース20内の構成によっては、生物にとって隠れ場として機能させることもできる。さらに、飼育ケース20内で生育した生物を収集することが容易な構成を有している。詳細は、後述する。
【0016】
ベルトコンベア30は、ベース10内部に収容されており、飼育ケース20の空間における底部に配置されている。つまり、ベルトコンベア30の上面が、飼育ケース20の空間の底面を形成する。なお、本例では、ベルトコンベア30を備える構成を例示するが、ベルトコンベア30に代えて、可動しない底面を配置しても良い。
【0017】
ベルトコンベア30は、一対のローラ31に掛けられた無端状のベルト32を備えており、ローラ31を駆動することでベルト32は連続して移動することが可能である。ここで、ベルトコンベア30の搬送方向は、ベルト32の上面の移動方向を意味する。
図1においては、ベルトコンベア30の搬送方向は、右奥から手前に向かう方向となる。
【0018】
ベルトコンベア30は、飼育対象の生物を、搬送方向の上流側から飼育ケース20の空間に、搬入するために用いられる。また、ベルトコンベア30は、飼育対象の生物の卵を搬入しても良い。さらに、ベルトコンベア30は、飼育対象の生物が生育した後において、飼育ケース20の空間から搬送方向の下流側に、搬出するために用いられる。つまり、ベルトコンベア30を駆動することによって、飼育対象の生物を収集することができる。
【0019】
また、ベルトコンベア30は、ベルト32に巻き付けられた給水帯33を備える。給水帯33に水分を吸収させた状態とし、ベルトコンベア30を駆動することにより、飼育ケース20内に水分を供給することができる。なお、本例では、給水帯33は、ベルト32の幅方向の一端に巻き付けたが、複数箇所に巻き付けても良い。また、給水帯33は、ベルト32に巻き付けることの他に、飼育ケース20の任意の位置に配置しても良い。また、ベルト32の表面を、給水機能を有する材料により形成しても良い。また、ベルトコンベア30は、例えば、飼育対象の生物に餌を供給するために用いても良い。
【0020】
給水装置40は、ベース10の上面に設置され、飼育ケース20の外部に位置する。給水装置40は、給水帯33に水を供給する。
【0021】
(2-2.飼育装置1の構成)
飼育装置1の構成について、
図2-
図5を参照して説明する。上述したように、飼育装置1は、ベース10、飼育ケース20、ベルトコンベア30、給水装置40及び棒状部材60を備える。
【0022】
飼育ケース20は、直方体状に形成されている。例えば、飼育ケース20は、高さ400[mm]、左右方向幅400[mm]、搬送方向長さ700[mm]である。飼育ケース20は、天井部21及び側壁部22を備え、底側が開放されている。
【0023】
飼育ケース20の天井部21は、着脱可能な2枚の天井板211を備える。それぞれの天井板211には、対辺付近に配置されたU字状の2つの取手212、対角の位置に形成された2つの棒状部材挿通孔213、L字状の2つの棒状部材保持部214を備える。
【0024】
飼育ケース20の側壁部22は、搬送方向の両側下部に、上端を中心に回転して開閉する扉221を備える。扉221が閉じられた状態で、扉221の下面には、ブラシ222が設けられている。
【0025】
ベルトコンベア30の2つのローラ31間は、飼育ケース20の搬送方向長さよりも長く形成されている。ベルト32は、飼育ケース20の左右幅よりも僅かに短い幅を有する。そして、ベルト32の上面が、飼育ケース20の天井部21及び側壁部22により形成される空間の底面を構成する。また、ベルト32の上面は、側壁部22の扉221に設けられているブラシ222に接触しており、飼育対象の生物が逃げだすことが抑制されている。
【0026】
飼育装置1は、さらに、洗浄装置50を備える。洗浄装置50は、ベルト32の下側を巡回する部分に設けられている。洗浄装置50は、下側のベルト32に接触するスクレーパ51、ベルト32をさらに下側に押し下げる洗浄用ローラ52、洗浄用ローラ52によって押し下げられたベルト32を液洗浄する洗浄液タンク53を備える。
【0027】
飼育装置1は、さらに、飼育ケース20内に、止まり部材70を備える。止まり部材70は、飼育ケース20内に上下方向に延びるように配置され、飼育対象の生物が止まることが可能である。止まり部材70は、飼育ケース20の2枚の天井板211のそれぞれに固定されている。止まり部材70は、ベルトコンベア30のベルト32の上面からは僅かに離れた位置に位置する。ベルト32が移動する際に、ベルト32が止まり部材70に接触しない。
【0028】
止まり部材70は、水平方向に対向して配列された複数の板部71,71を含む。板部71,71は、平板状に形成しても良いし、波形に形成しても良い。本例では、板部71は、平板状に形成されている。
【0029】
また、本例では、止まり部材70を構成する複数の板部71,71のそれぞれは、ベルトコンベア30の搬送方向に延在している。つまり、複数の板部71,71が、左右方向に対向して配列されている。なお、止まり部材70を構成する複数の板部71,71は、搬送方向に対向して配列しても良いし、搬送方向に対して傾斜する方向に対向して配列しても良い。
【0030】
ここで、本例では、止まり部材70を構成する複数の板部71,71が、それぞれ独立した部材、すなわち一体的ではない構成としている。ただし、複数の板部71,71は、一体化された部材としても良い。例えば、複数の板部71,71が搬送方向の前後端において連結されるようにしても良い。
【0031】
また、板部71は、鉄、アルミニウム等の金属、樹脂、木材、紙等により形成されている。さらに、板部71は、昆虫等の生物が足場となるように、多数の細孔が全面に亘って形成されている。例えば、板部71は、パンチングメタル等の金網により形成されている。板部71は、例えば、1-5[mm]の厚みを有し、直径約1[mm]の細孔を有している。また、隣り合う板部71,71の間隔は、例えば、10-30[mm]である。
【0032】
飼育装置1は、さらに、飼育ケース20内に、引離部材80を備える。引離部材80は、止まり部材70に止まっている生物を止まり部材70から引き離す部材である。引離部材80は、鉄、アルミニウム等の金属、樹脂、木材等により形成されている。引離部材80は、止まり部材70を挿通可能なスリット81aが形成され、止まり部材70に沿って上下方向に移動可能である。本例では、引離部材80は、板状に形成されており、止まり部材70を構成する複数の板部71,71を挿通可能な複数のスリット81aが形成されている。
【0033】
引離部材80が、止まり部材70の上端に位置している状態から下方へ移動することにより、止まり部材70に止まっている生物をベルト32の上面に落下させることができる。引離部材80を止まり部材70の下端まで移動することで、全ての生物がベルト32の上面に移動する。
【0034】
飼育装置1は、さらに、棒状部材60を備える。棒状部材60は、
図1、
図3-
図5に示すように、下端が引離部材80に固定されている。棒状部材60は、飼育ケース20の天井部21の棒状部材挿通孔213に挿通されており、飼育ケース20に対して上下移動可能となる。つまり、棒状部材60を上下移動することにより、引離部材80を飼育ケース20内において上下移動させることができる。また、棒状部材60は、折れ曲がり可能なヒンジを有しており、
図1に示すように、棒状部材保持部214に引っ掛けられた状態で保持される。
【0035】
(2-3.止まり部材70の詳細構成)
止まり部材70の詳細構成について、
図3-
図5を参照して説明する。止まり部材70は、複数の板部71,71により構成しており、複数の板部71,71は、平板状に形成されており、ベルトコンベア30の搬送方向に延在するように配置されている。
【0036】
複数の板部71,71のそれぞれは、下端がベルトコンベア30の上面から離れた位置に位置する。詳細には、
図3に示すように、複数の板部71,71のそれぞれにおいて、下端が異なる高さに形成されている。つまり、複数の板部71,71のそれぞれは、下端がベルトコンベア30の上面から高さH1だけ離れた高さに位置する高所部71aと、下端がベルトコンベア30の上面から高さH2だけ離れた高さに位置する低所部71bとを備える。
【0037】
高所部71aの下端高さH1は、生物(昆虫)がベルト32上にいる状態において、ベルト32から乗り移ることが容易ではない高さに設定されている。例えば、成長した飼育対象の生物(昆虫)の最大高さである所定距離を10-30[mm]の範囲で設定する。そして、高所部71aの下端高さH1は、設定された所定距離以上である。つまり、高所部71aの下端とベルトコンベア30の上面との離間距離は、成長した飼育対象の生物(昆虫)の最大高さより高く設定されている。例えば、飼育対象の生物を不完全変態昆虫の幼虫とする場合、高所部71aとベルトコンベア30との離間距離は、当該幼虫の最大高さよりも高く設定されている。
【0038】
一方、低所部71bの下端高さH2は、生物(昆虫)がベルト32上にいる状態において、ベルト32から容易に乗り移ることができる高さに設定されている。低所部71bの下端高さH2は、成長した飼育対象の生物(昆虫)の最大高さとして設定された所定距離(10-30[mm]の範囲)未満である。つまり、低所部71bの下端とベルトコンベア30の上面との離間距離は、成長した飼育対象の生物(昆虫)の最大高さよりも低く設定されている。例えば、飼育対象の生物を不完全変態昆虫の幼虫とする場合、低所部71bとベルトコンベア30との離間距離は、当該幼虫の最大高さよりも低く設定されている。
【0039】
図3及び
図4に示すように、高所部71aは、板部71において、ベルトコンベア30の搬送方向のうちの下流側に位置する。幅方向に対向して配列されている複数の板部71において、それぞれの高所部71aは、ベルトコンベア30の搬送方向において同一位置に位置する。従って、複数の高所部71aが配列される位置において、高所部71aの下端とベルトコンベア30の上面との間には、高さH1の空間が形成されている。高さH1の空間は、飼育対象の生物(昆虫)が存在できる空間である。
【0040】
一方、
図3及び
図5に示すように、低所部71bは、板部71において、ベルトコンベア30の搬送方向のうちの上流側に位置する。幅方向に対向して配列されている複数の板部71において、それぞれの低所部71bは、ベルトコンベア30の搬送方向において同一位置に位置する。従って、複数の低所部71bが配列される位置において、低所部71bの下端とベルトコンベア30の上面との間には、高さH2の空間が形成されている。高さH2の空間は、飼育対象の生物(昆虫)のほとんどが存在できない空間である。従って、低所部71bが配列される位置においては、飼育対象の生物は、幅方向に隣り合う板部71の間のみに存在できる。
【0041】
つまり、飼育対象の生物がベルトコンベア30の上面にいる場合に、生物は、低所部71bに触れることが可能である。従って、生物は、ベルトコンベア30の上面から低所部71bへ乗り移ることが容易である。一旦、生物が低所部71bに乗り移ることができれば、生物は、板部71の任意の位置に移動することができる。
【0042】
ここで、低所部71bの存在によって、ベルトコンベア30の上面と低所部71bとの間に、餌やゴミが溜まるおそれがある。低所部71bの下端をベルトコンベア30の上面に接近させるほど、餌やゴミが溜まるおそれがある。ただし、ベルトコンベア30の搬送方向と低所部71bの延在方向との関係から、餌やゴミが溜まることを抑制できる。
【0043】
ベルトコンベア30を駆動することにより、ベルトコンベア30の上面に存在する餌やゴミは、ベルトコンベア30の搬送方向に移動し、洗浄装置50によって洗浄される。ここで、低所部71bは、ベルトコンベア30の搬送方向に延在している。従って、ベルトコンベア30の駆動によって、ベルトコンベア30の上面に存在する餌やゴミが移動する際に、低所部71bが餌やゴミの移動を止めるように作用することはない。
【0044】
ここで、低所部71bの延在方向は、ベルトコンベア30の搬送方向に対して平行であるのが、餌やゴミが溜まることを最も効果的に抑制できる。低所部71bの延在方向は、ベルトコンベア30の搬送方向に対して傾斜していても良い。例えば、ベルトコンベア30の搬送方向に対する低所部71bの傾斜角度が、45°以下であれば、餌やゴミを移動させることができる。
【0045】
なお、低所部71bは、それぞれの板部71において、ベルトコンベア30の搬送方向の上流側の1箇所に位置する。この他に、低所部71bは、それぞれの板部71において、ベルトコンベア30の搬送方向において、複数箇所に位置するようにしても良い。
【0046】
(2-4.引離部材80の詳細構成)
引離部材80の詳細構成について、
図3、
図6-
図9を参照して説明する。引離部材80は、引離本体部81と、先行引離部82とを備える。
【0047】
引離本体部81は、板状に形成されている。引離本体部81は、飼育ケース20の天井板211と同程度の大きさに形成されている。引離本体部81には、
図7-
図9に示すように、止まり部材70を構成する複数の板部71を挿通可能な複数のスリット81aが形成されている。
図9に示すように、複数のスリット81aは、ベルトコンベア30の搬送方向に平行な直線状に形成され、左右方向に配列されている。
【0048】
先行引離部82は、
図7及び
図9に示すように、引離本体部81のスリット81aの一部又は全部の縁に設けられ、引離本体部81から下方に延在する。本例では、先行引離部82は、複数のスリット81aの縁において、ベルトコンベア30の搬送方向の上流側の一部に設けられている。つまり、
図3に示すように、先行引離部82は、ベルトコンベア30の搬送方向において、低所部71bに対応する位置に位置する。さらに、先行引離部82は、それぞれのスリット81aの幅方向両側に設けられている。
【0049】
先行引離部82は、
図7に示すように、引離本体部81側の基端よりも下端が薄くなるように形成されている。本例では、先行引離部82において、スリット81a側とは反対側の面が、法線が下方向の成分を有する傾斜面である。この傾斜面が、止まり部材70の低所部71bに止まっている生物を引き離す面として作用する。ただし、先行引離部82において、スリット81a側とは反対側の面が、法線が水平方向となる鉛直面としても良い。この場合、例えば、先行引離部82は、逆L字形状(L字を上下反転させた形状)に形成することにより、基端よりも下端が薄くなるように形成しても良い。また、先行引離部82の上下方向の長さは、止まり部材70において高所部71aの下端と低所部71bの下端との差にほぼ等しい。
【0050】
先行引離部82の表面は、止まり部材70の板部71の表面よりも平滑な面に形成されている。例えば、先行引離部82の表面は、凹凸を有しない面、又は、飼育対象の生物(昆虫)の足場にならない程度の凹凸を有する面に形成されている。つまり、先行引離部82の表面には、生物(昆虫)が止まることができないように形成されている。
【0051】
(2-5.飼育装置1の作用)
飼育装置1の作用について、
図3及び
図10を参照して説明する。飼育装置1の初期状態は、
図3に示すように、引離部材80が飼育ケース20内の空間における上端付近に位置する。初期状態において、棒状部材60は、飼育ケース20の天井部21の棒状部材保持部214に引っ掛けられた状態である。
【0052】
そして、飼育ケース20の上流側の扉221を開き、飼育対象の生物を飼育ケース20内に供給する。このとき、ベルトコンベア30を駆動すると良い。飼育対象の生物全てを飼育ケース20内に供給した後には、上流側の扉221を閉じ、生物が、飼育ケース20内の空間から外部へ逃げ出すことを防止する。
【0053】
続いて、給水装置40を駆動して、ベルトコンベア30を駆動することにより、給水帯33に水を供給する。また、飼育ケース20の上流側から適宜餌を供給することもできる。なお、ベルトコンベア30は、常時駆動しても良いし、断続的に駆動しても良い。
【0054】
この状態で、飼育ケース20内の飼育対象の生物は、ベルトコンベア30の上面に存在する。そして、生物は、ベルトコンベア30の上面から低所部71bへ乗り移り、止まり部材70の任意の位置に移動することができる。従って、生物は、止まり部材70を隠れ場所として利用できる。また、生物は、必要に応じて、止まり部材70からベルトコンベア30の上面へ降り、給水帯33にて水分を得る。
【0055】
このように、飼育ケース20内に生物が止まることができる止まり部材70を備えることで、飼育対象の生物が生育する良好な環境が確保できる。また、ベルトコンベア30を駆動することにより、水や餌を供給することができ、飼育ケース20内の空間の底面を清潔に保つことができる。このように、ベルトコンベア30を備えることで、飼育対象の生物が生育する良好な環境が確保できる。
【0056】
ただし、ベルトコンベア30の上面に止まり部材70の下端が接触していると、ベルトコンベア30上の餌やゴミが、止まり部材70に引っかかり、ベルトコンベア30を駆動したとしても搬送されない場合がある。そこで、止まり部材70は、ベルトコンベア30の上面から離れた位置に位置する。
【0057】
特に、止まり部材70は、ベルトコンベア30の上面から所定距離以上離れた高さに位置する高所部71aを備える。高所部71aを備えることによって、ベルトコンベア30の上面と高所部71aの下端との間に空間が形成されるため、餌やゴミがベルトコンベア30によって搬送される状態となる。
【0058】
しかし、止まり部材70の全てを高所部71aとしてしまうと、ベルトコンベア30の上面にいる飼育対象の生物が止まり部材70に移動することが容易ではなくなってしまう。そこで、止まり部材70は、全てを高所部71aにするのではなく、下端がベルトコンベアの上面から所定距離未満の高さに位置する低所部71bを備えている。従って、飼育対象の生物は、ベルトコンベア30の上面から低所部71bへ移動することは容易となり、止まり部材70の任意の位置に止まった状態(隠れた状態)にできる。
【0059】
そして、成長した生物を収集する際には、
図10に示すように、引離部材80を下方へ移動させる。そのために、まずは、作業者は、棒状部材60を天井部21の棒状部材保持部214から外して、直線状にする。続いて、作業者は、棒状部材60を保持した状態で、棒状部材60を下げる。棒状部材60の下方への移動に伴い、引離部材80が下方に移動する。
【0060】
引離部材80が、止まり部材70に沿って下方へ移動する。ここで、引離部材80は、引離本体部81と、先行引離部82とを備える。先行引離部82は、止まり部材70の低所部71bに位置する。従って、止まり部材70の高所部71aには、引離本体部81のみが位置する。
【0061】
つまり、引離本体部81のうち先行引離部82が存在しない部分において、スリット81aの縁が止まり部材70の高所部71a表面に沿って下方へ移動する。特に、引離本体部81は、高所部71aの下端付近まで移動する。従って、引離本体部81は、高所部71aに止まっている生物を高所部71aから引き離すことができる。そして、引離本体部81は、高所部71aに止まっている生物を、ベルトコンベア30の上面(飼育ケース20の空間の底面)に落下させることができる。
【0062】
ここで、高所部71aの下端とベルトコンベア30の上面との距離H1は、成長した生物の最大高さよりも高く設定されている。従って、引離本体部81が高所部71aの下端付近に移動した状態において、引離本体部81は、ベルトコンベア30の上面から十分に離れた位置に位置する状態となる。すなわち、当該状態において、ベルトコンベア30の上面と引離本体部81との空間は、落下した生物が存在できる十分な大きさの空間となる。従って、引離本体部81は、ベルトコンベア30の上面に落下した生物を挟むことを抑制できる。
【0063】
止まり部材70の低所部71bは、高所部71aよりも下方に延在している。従って、引離本体部81のみでは、低所部71bに止まっている生物を低所部71bから引き離すことはできない。ただし、低所部71bに対応する位置には、先行引離部82が存在する。先行引離部82は、引離本体部81から下方へ延在し、止まり部材70において引離本体部81よりも低い位置に止まっている生物を止まり部材70から引き離すことができる。
【0064】
つまり、引離部材80を下方へ移動していくことで、先行引離部82が低所部71bに止まっている生物を低所部71bから引き離すことができる。そして、先行引離部82は、低所部71bに止まっている生物を、ベルトコンベア30の上面(飼育ケース20の空間の底面)に落下させることができる。
【0065】
引離本体部81が高所部71aの下端付近に位置する状態において、先行引離部82は、低所部71bの下端付近に位置する。従って、引離本体部81が高所部71aの下端付近まで移動することで、先行引離部82は、低所部71bに止まっている生物すべてを、低所部71bから引き離すことができる。
【0066】
特に、先行引離部82において生物を引き離す面は、法線が下方向の成分を有する傾斜面であるため、低所部71bに止まっている生物を容易に引き離すことができる。また、先行引離部82において生物を引き離す面は、止まり部材70の表面よりも平滑な面により形成されている。従って、生物を、低所部71bから先行引離部82に移動させずに、確実に、ベルトコンベア30の上面に落下させることができる。
【0067】
ここで、低所部71bの下端とベルトコンベア30の上面との距離H2は、成長した生物の最大高さよりも低く設定されている。従って、先行引離部82が低所部71bの下端付近に移動した状態において、先行引離部82とベルトコンベア30の上面との間で、落下した生物を挟み込むおそれがある。ただし、先行引離部82は、飼育ケース20の空間においてごく一部に存在するのみであって、下降した先行引離部82の近傍には、引離本体部81とベルトコンベア30の上面とにより形成される広い空間が存在する。従って、落下した生物は、直ちに、当該広い空間へ移動することができ、先行引離部82によって挟まれることを抑制できる。
【0068】
さらに、先行引離部82において生物を引き離す面が傾斜面であることにより、先行引離部82の下端の幅が小さく形成されている。このことにより、低所部71bから落下した生物が、先行引離部82によって挟まれることをより抑制できる。
【0069】
生物をベルトコンベア30の上面に落下させると同時に、又は、落下させた後に、飼育ケース20の下流側の扉221を開き、ベルトコンベア30を駆動することで、成長した生物を飼育ケース20の外部に搬送することができる。そして、作業者は、例えば、収集袋を用意して、ベルトコンベア30の下流側において、成長した生物(例えば、成長した不完全変態昆虫の幼虫)を収集することができる。
【0070】
従って、飼育装置1が、止まり部材70及び引離部材80を備えることにより、従来のような丸められた新聞紙に比べて、飼育対象の生物の収集が容易である。また、ベルトコンベア30を備えることにより、飼育対象の生物の収集が容易となる。
【0071】
(3.第一例の飼育装置1の変形例)
上記の飼育装置1において、止まり部材70は、複数の板部71,71を備えており、それぞれの板部71が、高所部71aと低所部71bとを有する構成とした。この他に、複数の板部71,71のうち一部は、高所部71aを構成し、複数の板部71,71のうち残部は、低所部71bを構成するようにしても良い。この場合、引離部材80において、先行引離部82は、低所部71bに対応する位置に設けられると良い。
【0072】
図2において、11枚の板部71,71が左右方向(幅方向)に配列されている。例えば、左右方向の両端に位置する2枚の板部71のみが、低所部71bを構成し、残りの9枚の板部71が、高所部71aを構成する。この場合、左右方向の両端に位置する2枚の板部71は、搬送方向の全長に亘って低所部71bを構成し、残りの9枚の板部71は、搬送方向の全長に亘って高所部71aを構成する。もちろん、左右方向の両端に位置する2枚の板部71は、搬送方向の一部が低所部71bを構成し、搬送方向の残部が高所部71aを構成するようにしても良い。
【0073】
(4.第二例の飼育装置2)
(4-1.飼育装置2の概要)
飼育装置2の概要について、
図11を参照して説明する。第二例の飼育装置2において、第一例の飼育装置1の構成と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。第二例の飼育装置2は、第一例の飼育装置1に対して、止まり部材170及び引離部材180が相違する。
【0074】
止まり部材170は、複数の板部171を備える。板部171,171は、平板状ではなく、例えば、波形に形成されている。本例では、板部171,171は、方形波形に形成されている。引離部材180は、止まり部材170に対応する形状のスリット181aが形成されている。
【0075】
(4-2.止まり部材170の詳細構成)
止まり部材170の各板部171の詳細構成について、
図12-
図14を参照して説明する。止まり部材170を構成する板部171は、
図14に示すように、方形波形に形成されている。つまり、板部171は、ベルトコンベア30の搬送方向に対するなす角度θが、0°の部位と90°の部位とが連続して変化するように形成されている。ただし、板部171は、なす角度θが、0°-90°の範囲で任意に変化して形成されるようにしても良い。
【0076】
板部171において、なす角度θが0°の部位における搬送方向の長さは、なす角度θが90°の部位における左右方向の長さよりも長く形成されている。従って、板部171は、全体として、搬送方向に延びるように形成されている。
【0077】
詳細には、板部171は、搬送方向の上流側から下流側に向かって、順に、第一高所部171a、低所部171b、第二高所部171c、第三高所部171d、第四高所部171e、第五高所部171f、第六高所部171gにより構成される。第一高所部171a、第二高所部171c、第四高所部171e、第六高所部171gは、なす角度θが90°に形成されている。一方、低所部171b、第三高所部171d、第五高所部171fは、なす角度θが0°に形成されている。
【0078】
つまり、なす角度θが大きい角度の部位には、高所部のみ、すなわち第一高所部171a、第二高所部171c、第四高所部171e、第六高所部171gが形成されている。一方、なす角度θが小さい角度の部位の少なくとも一部には、低所部171bが形成されている。また、なす角度θの小さい角度の部位の残部には、高所部の一部である第三高所部171d、第五高所部171fが形成されている。
【0079】
仮に、板部171が、なす角度θが0°と90°以外の角度含む場合には、なす角度θが0°-90°の範囲のうち所定角度より大きい角度の部位には、高所部のみが形成されると良い。この場合、なす角度θが0°-90°の範囲のうち所定角度より小さい角度の部位の少なくとも一部に、低所部が形成される。なお、なす角度θが0°-90°の範囲のうち所定角度より小さい角度の部位は、低所部のみにより形成しても良いし、低所部と高所部とが混在するようにしても良い。所定角度は、例えば、45°にすると良い。
【0080】
上記のように、板部171を波形に形成することにより、飼育対象の生物にとって隠れ場所としてより良い環境となる。そして、なす角度θが大きい角度(例えば、45°-90°の範囲)の部位では、ベルトコンベア30を駆動したとしても、餌やゴミを搬送できない可能性がある。しかし、なす角度θが大きい角度の部位には、高所部(171a,171c,171e,171g)のみが形成され、低所部が形成されていない。従って、当該高所部(171a,171c,171e,171g)に餌やゴミが止まることを抑制できる。
【0081】
一方、低所部171bは、なす角度θが小さい角度(例えば、0°-45°の範囲)の部位に形成されている。従って、当該低所部171bには、ベルトコンベア30の駆動によって、餌やゴミが止まることを抑制できる。そして、低所部171bが存在することにより、飼育対象の生物は、ベルトコンベア30の上面から低所部171bへ乗り移ることが容易となる。
【0082】
なお、なす角度θが小さい角度の部位は、全てを低所部により形成するのではなく、一部を高所部171d,171fにより形成することとした。これにより、飼育対象の生物が止まり部材170へ乗り移ることを可能とし、且つ、ベルトコンベア30の上面の空間を大きく確保することを可能としている。ただし、なす角度θが小さい角度の部位は、全てを低所部により形成しても良い。
【0083】
(4-3.引離部材180の詳細構成)
引離部材180の詳細構成について、
図15-
図18を参照して説明する。引離部材180は、引離本体部181と、先行引離部182とを備える。引離本体部181は、板状に形成されており、止まり部材170の位置及び形状に対応するスリット181aが形成されている。先行引離部182は、止まり部材170の低所部171bに対応する位置に設けられている。つまり、第二例における引離部材180は、第一例における引離部材80に対して、スリット181aの位置及び形状、先行引離部182の位置を相違するのみである。
【0084】
(4-4.飼育装置2の作用)
第二例の飼育装置2は、第一例の飼育装置1と同様に用いられる。ただし、止まり部材170及び引離部材180の位置及び形状が異なるが、同様の機能及び効果を奏する。
【符号の説明】
【0085】
1,2:飼育装置、 10:ベース、 20:飼育ケース、 30:ベルトコンベア、 31:ローラ、 32:ベルト、 33:給水帯、 40:給水装置、 50:洗浄装置、 60:棒状部材、 70:止まり部材、 71:板部、 71a:高所部、 71b:低所部、 80:引離部材、 81:引離本体部、 81a:スリット、 82:先行引離部、 170:止まり部材、 171:板部、 171a,171c,171d,171e,171f,171g:高所部、 171b:低所部、 180:引離部材、 181:引離本体部、 181a:スリット、 182:先行引離部、 H1:高所部とベルトコンベアとの距離、 H2:低所部とベルトコンベアとの距離