(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】車両用フロア構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
B62D25/20 H
B62D25/20 G
(21)【出願番号】P 2020211433
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】本間 旬一
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-038482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロアパネルの下側にバッテリパックを搭載可能な車両用フロア構造において、
当該車両用フロア構造は、
前記フロアパネルの下側のうち前記バッテリパックの後方に設置されて左右のサイドメンバに車幅方向にかけ渡されるメインクロスメンバと、
前記バッテリパックと前記メインクロスメンバとを連結する1または複数のブラケットと、
前記メインクロスメンバの内部と前記フロアパネルとに接合されて該メインクロスメンバを介して前記ブラケットに結合される1または複数のバルクヘッドとを備え
、
前記1または複数のバルクヘッドそれぞれは、
前記フロアパネルに接合される接地部と、
前記接地部の車幅方向両端から屈曲して前記メインクロスメンバの底面部まで平行に延びる2つの隔壁部と、
前記隔壁部の先端から屈曲して前記底面部に接合され前記ブラケットに結合されるフランジとを有することを特徴とする車両用フロア構造。
【請求項2】
前記メインクロスメンバの底面部は、車両前方から車両後方に向かって前記フロアパネル側に傾斜していて、
前記ブラケットおよび前記バルクヘッドは、前記メインクロスメンバの底面部のうち車両前後方向にわたる範囲で結合されることを特徴とする請求項
1に記載の車両用フロア構造。
【請求項3】
前記バルクヘッドは、車幅方向に複数設けられ、
当該車両用フロア構造はさらに、隣り合うバルクヘッドの間に設けられて前記メインクロスメンバの内部と前記フロアパネルとに接合される補強壁部材を備えることを特徴とする請求項1
または2に記載の車両用フロア構造。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記メインクロスメンバの底面部のうち車両前側の縁に接続点を有することを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載の車両用フロア構造。
【請求項5】
当該車両用フロア構造はさらに、前記メインクロスメンバの後壁に接合される後側クロスメンバを備え、
前記バルクヘッドは、前記メインクロスメンバを介して前記後側クロスメンバに結合されることを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載の車両用フロア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用フロア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気自動車やハイブリッドカーは、フロアの下側にバッテリ等が搭載されている。バッテリは、相応の重量を有する精密部品であり、フロアに対してより高い剛性で設置することが望まれている。例えば、特許文献1の車両後部構造では、
図2等に開示されているように、バッテリを収容するバッテリケース8の後側が、ブラケット7によってリアクロスメンバ3に連結されている。ブラケット7はバッテリケース8の底面に接合されていて、リアクロスメンバ3は左右のリアサイドフレーム2に車幅方向にかけ渡されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記バッテリに関しては、走行中の振動やそれに伴う騒音を抑える対策が求められている。例えば、特許文献1の構成では、
図2のリアサブフレーム4にはリアサスペンション装置が取り付けられるため(段落0052)、ブラケット7は車両前後方向だけでなく車幅方向にも荷重を受けることになる。車両の操縦安定性の向上や振動等を抑えるためには、相応の重量を有するバッテリを各方向の荷重から十全に保護し、荷重を吸収する必要がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、バッテリパックをより高い剛性で設置可能な車両用フロア構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用フロア構造の代表的な構成は、車両のフロアパネルの下側にバッテリパックを搭載可能な車両用フロア構造において、当該車両用フロア構造は、フロアパネルの下側のうちバッテリパックの後方に設置されて左右のサイドメンバに車幅方向にかけ渡されるメインクロスメンバと、バッテリパックとメインクロスメンバとを連結する1または複数のブラケットと、メインクロスメンバの内部とフロアパネルとに接合されてメインクロスメンバを介してブラケットに結合される1または複数のバルクヘッドとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バッテリパックをより高い剛性で設置可能な車両用フロア構造を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係る車両用フロア構造の概要を示す図である。
【
図2】
図1(b)の車両用フロア構造の斜視図である。
【
図3】
図2(b)のバルクヘッドおよび補強壁部材をそれぞれ単独で例示した図である。
【
図5】
図4(a)の車両用フロア構造の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る車両用フロア構造は、車両のフロアパネルの下側にバッテリパックを搭載可能な車両用フロア構造において、当該車両用フロア構造は、フロアパネルの下側のうちバッテリパックの後方に設置されて左右のサイドメンバに車幅方向にかけ渡されるメインクロスメンバと、バッテリパックとメインクロスメンバとを連結する1または複数のブラケットと、メインクロスメンバの内部とフロアパネルとに接合されてメインクロスメンバを介してブラケットに結合される1または複数のバルクヘッドとを備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、ブラケットとメインクロスメンバ、さらにはバルクヘッドが重なって互いに結合されることで、バッテリパックから吸収した荷重を各部材に好適に伝達し分散することができる。よって、上記構成によれば、バッテリパックを高い剛性で支えることが可能であり、これによって走行中においてバッテリパックおよびフロアの振動を抑え、操縦安定性の向上および異音の抑制を図ることが可能となる。
【0011】
上記の1または複数のバルクヘッドそれぞれは、フロアパネルに接合される接地部と、接地部の車幅方向両端から屈曲してメインクロスメンバの底面部まで平行に延びる2つの隔壁部と、隔壁部の先端から屈曲して底面部に接合されブラケットに結合されるフランジとを有してもよい。
【0012】
上記構成によれば、バルクヘッドおよびブラケットのねじり剛性を高め、バッテリパックおよびフロアの振動をより抑えることが可能となる。
【0013】
上記のメインクロスメンバの底面部は、車両前方から車両後方に向かってフロアパネル側に傾斜していて、ブラケットおよびバルクヘッドは、メインクロスメンバの底面部のうち車両前後方向にわたる範囲で結合されてもよい。
【0014】
上記構成によれば、メインクロスメンバの曲げ剛性が向上し、ブラケットからメインクロスメンバおよびバルクヘッドへ荷重を好適に分散させて吸収することが可能になる。
【0015】
上記のバルクヘッドは、車幅方向に複数設けられ、当該車両用フロア構造はさらに、隣り合うバルクヘッドの間に設けられてメインクロスメンバの内部とフロアパネルとに接合される補強壁部材を備えてもよい。
【0016】
上記構成によれば、補強壁部材を備えることで、メインクロスメンバの剛性を高め、ブラケットからメインクロスメンバに荷重を好適に分散せて吸収することが可能になる。
【0017】
上記のブラケットは、メインクロスメンバの底面部のうち車両前側の縁に接続点を有してもよい。
【0018】
上記構成によれば、メインクロスメンバのうちより剛性の高い部位にブラケットからの荷重を伝達して分散させることが可能になる。
【0019】
当該車両用フロア構造はさらに、メインクロスメンバの後壁に接合される後側クロスメンバを備え、バルクヘッドは、メインクロスメンバを介して後側クロスメンバに結合されてもよい。
【0020】
上記構成によれば、後側クロスメンバをも利用してバルクヘッドの設置剛性を高め、ブラケットからの荷重を好適に分散させることが可能になる。
【実施例】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係る車両用フロア構造100の概要を示す図である。
図1(a)は、当該車両用フロア構造100を実施した車両を下方から示している。以下、
図1その他の本願のすべての図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Backward)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Leftward)、R(Rightward)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(upward)、D(downward)で例示する。
【0023】
車両用フロア構造100は、フロアパネル102の下側にバッテリパック104を搭載することが可能になっている。バッテリパック104は、車幅方向に延びる複数の支持部材106によって下方から支えられている。
【0024】
図1(b)は、
図1(a)のバッテリパック104の後方を拡大した図である。バッテリパック104の後方にはメインクロスメンバ108が設置されていて、バッテリパック104はメインクロスメンバ108と複数のブラケット110a、110bで連結されている。本実施例では、これら構成によって、バッテリパック104を十全に支えると共に、フロアパネル102を中心としたフロア全体の剛性の向上も図ることが可能になっている。
【0025】
図2は、
図1(b)の車両用フロア構造100の斜視図である。
図2(a)は、
図1(b)のメインクロスメンバ108付近を車両後方から示している。メインクロスメンバ108は、左右のサイドメンバ112a、112bに車幅方向にかけ渡される。サイドメンバ112a、112bは、フロアパネル102の車幅方向両端に一対設けられていて、車両前後方向に沿って延びている。
【0026】
メインクロスメンバ108の付近には、他のクロスメンバも設けられている。例えば、メインクロスメンバ108の後方には、後側クロスメンバ114がサイドメンバ112a、112bにかけ渡されている。メインクロスメンバ108の前方にも、前側クロスメンバ116(
図4(a)参照)がサイドメンバ112a、112bにかけ渡されている。
【0027】
サイドメンバ112a、112bには、後輪のリアサスペンション(図示省略)が取り付けられる。メインクロスメンバ108と後側クロスメンバ114は、サイドメンバ112a、112bのうちリアサスペンションの取付部付近を車幅方向につなぎ、これによって車体剛性を高めてリアサスペンションからの荷重を吸収する。また、前側クロスメンバ116も、サイドメンバ112a、112bを介してリアサスペンションからの荷重を吸収すると共に、バッテリパック104からの荷重や振動を吸収する。
【0028】
図2(b)は、
図2(a)のメインクロスメンバ108を透過して内部を示した図である。本実施例では、メインクロスメンバ108の内部にはバルクヘッド118a、118bと補強壁部材120が設置されている。バルクヘッド118a、118bは、同じ構成であり、車幅方向に計二つ設置されていて、メインクロスメンバ108を内部から補強しつつブラケット110a、110bそれぞれと結合する。補強壁部材120もまた、メインクロスメンバ108を内部から補強する部材であり、バルクヘッド118a、118bの間に設置されている。
【0029】
図3は、
図2(b)のバルクヘッド118aおよび補強壁部材120をそれぞれ単独で例示した図である。
図3(a)は、
図2(b)のバルクヘッド118aの斜視図である。以下、同じ構成のバルクヘッド118a、118bを代表し、バルクヘッド118aを例に挙げて説明を行う。
【0030】
上記バルクヘッド118aは、下方に向かって二股に開いた形状になっている。詳しくは、バルクヘッド118aは、基礎となる接地部122と、二つの隔壁部124a、124bとを有している。接地部122は、平面状で、フロアパネル102に接合される。隔壁部124a、124bは、接地部122の車幅方向両端から屈曲して、メインクロスメンバ108(
図4(b)参照)の底面部128に向かって平行に延びる。
【0031】
隔壁部124a、124bは、メインクロスメンバ108(
図4(a)参照)の断面内側の空間を埋めるように平面的に広がった形状を有している。隔壁部124a、124bの縁には、フランジ126が設けられている。隔壁部124a、124bそれぞれのフランジ126は、互いに離れる方向へ屈曲している。以下、
隔壁部124aのフランジ126を例に挙げて説明する。
【0032】
下側フランジ126aは、隔壁部124aの先端側から屈曲して、メインクロスメンバ108(
図4(a)参照)の底面部128の内側に接合される。後側フランジ126bは、隔壁部124aの後側から屈曲して、メインクロスメンバ108の後壁130の内側に接合される。前側フランジ126cは、隔壁部124aの前側から屈曲して、メインクロスメンバ108の前壁132の内側に接合される。これら構成によって、バルクヘッド118aは、メインクロスメンバ108とフロアパネル102との接続剛性を高め、フロア全体の剛性向上やフロアパネル102の振動抑制等を行っている。
【0033】
図3(b)は、
図2(b)の補強壁部材120の斜視図である。補強壁部材120は、バルクヘッド118aの隔壁部124aを独立させたような構成の部材である。補強壁部材120は、フロアパネル102に接合されるフロア接合部134と、メインクロスメンバ108の内部に広がる平面部136を有している。平面部136の縁には、フランジ状の各接合部が屈曲して形成されている。底面接合部138aは、メインクロスメンバ108(
図4(a)参照)の底面部128の内側に接合される。後壁接合部138bおよび前壁接合部138cは、メインクロスメンバ108の後壁130および前壁132の内側それぞれに接合される。
【0034】
図4は、
図2(b)の各断面図である。
図4(a)は、
図2(b)の車両用フロア構造100のA-A断面図である。以下、同じ構成のブラケット110a、110bを代表し、ブラケット110aを例に挙げて説明を行う。
【0035】
ブラケット110aは、バッテリパック104とメインクロスメンバ108とを連結する。このとき、バルクヘッド118aの下側フランジ126aは、メインクロスメンバ108の底面部128の内側に接合していて、メインクロスメンバ108を介してブラケット110aと結合する。したがって、ブラケット110aは、バッテリパック104に加えられた荷重や振動を、メインクロスメンバ108およびバルクヘッド118aに分散させて吸収することが可能になっている。
【0036】
図3(a)を参照して説明したように、バルクヘッド118aは、メインクロスメンバ108の底面部128、前壁132、後壁130およびフロアパネル102に接合している。そのため、バルクヘッド118aは、車両前後方向および上下方向の各方向に荷重を好適に分散させることができる。よって、ブラケット110aがバルクヘッド118aに上下方向に重なって結合することで、バッテリパック104の設置剛性を効率よく高めることが可能になっている。
【0037】
メインクロスメンバ108の底面部128は、車両前方から車両後方に向かってフロアパネル102側に傾斜している。そして、ブラケット110aおよびバルクヘッド118aの下側フランジ126aは、メインクロスメンバ108の底面部128のうち車両前後方向にわたる範囲で結合している。これら構成によって、メインクロスメンバ108の曲げ剛性が向上するうえ、ブラケット110aからメインクロスメンバ108およびバルクヘッド118aへ荷重をより好適に分散させて吸収することが可能になる。
【0038】
図3(a)のバルクヘッド118aは、下側フランジ126aの車両前側の端部に接続点142を有している。この接続点142は、ボルト等の締結孔やスポット溶接部などとして実現することができる。当該接続点142は、
図4(a)に当てはめた場合は、メインクロスメンバ108の底面部128のうち車両前側の縁部分、すなわちメインクロスメンバ108の前側の角部140の付近に重なることができる。この角部140の付近でブラケット110aとバルクヘッド118aが接続されることで、ブラケット110aからの荷重をメインクロスメンバ108のうちより剛性の高い部位を介してバルクヘッド118aへと荷重を伝達して分散させることが可能になる。
【0039】
図4(b)は、
図2(b)の車両用フロア構造100のB-B断面図である。バルクヘッド118aは、接地部122と二つの隔壁部124a、1124bとを有することで、車幅方向の縦断面が下方に開口した断面コ字の形状になっている。隔壁部124a、124bは、メインクロスメンバ108の底面部128まで平行に延び、先端の下側フランジ126aで底面部128およびブラケット110aと結合する。これらによって、バルクヘッド118aはねじり剛性に強くなっている。この構成はバルクヘッド118bも同様である。
【0040】
本実施例では、二つのバルクヘッド118a、118bに加えて、バルクヘッド118a、118bの中間の位置に補強壁部材120が設けられている。これらバルクヘッド118a、118bおよび補強壁部材120によって、メインクロスメンバ108の剛性が向上すると共に、メインクロスメンバ108とフロアパネル102とが強固に結合し、そこにブラケット110a、110bによってバッテリパック104が連結されることで、フロア全体の剛性を高めて振動や異音をより抑えることが可能になっている。
【0041】
上記のように、当該車両用フロア構造100では、ブラケット110a、110bとメインクロスメンバ108、さらにはバルクヘッド118a、118bがそれぞれ重なって互いに結合されることで、バッテリパック104から吸収した荷重を好適に伝達し分散することができる。よって、本実施例によれば、バッテリパック104を高い剛性で支えることが可能であり、これによって走行中においてバッテリパック104の振動やフロアの変形などを抑え、操縦安定性の向上および異音の抑制を図ることが可能となる。
【0042】
また本実施例では、バルクヘッド118a、118bに加えて補強壁部材120を備えることで、メインクロスメンバ108の剛性をさらに高め、ブラケット110a、110bからメインクロスメンバ108に荷重を好適に分散せて吸収することが可能になっている。
【0043】
なお、バルクヘッド118a、118bや補強壁部材120を設ける数に制限はなく、さらにバルクヘッドを増やしたうえ、隣接するバルクヘッドの間それぞれに補強壁部材を設けることも可能である。
【0044】
(変形例)
図5は、
図4(a)の車両用フロア構造100の変形例(車両用フロア構造200)を示した図である。
図5では、上記実施例にて既に説明した構成要素と同じものには同じ符号を付していて、これによって既出の構成要素については説明を省略する。また、以下の説明において、既に説明した構成要素と同じ名称のものについては、例え異なる符号を付していても、特に明記しない場合は同じ機能を有しているものとする。
【0045】
図5の車両用フロア構造200は、メインクロスメンバ108の後壁130に後側クロスメンバ202が接合されている点で、
図4(a)の車両用フロア構造100と構成が異なっている。
【0046】
当該車両用フロア構造200では、バルクヘッド118aは、メインクロスメンバ108の後壁130を介して後側クロスメンバ202にも結合されている。このときの結合は、ボルト等の締結具やスポット溶接などで行うことができる。この構成によれば、後側クロスメンバ202をも利用してバルクヘッド118aの設置剛性を高め、ブラケット110aからの荷重をさらに好適に分散させて吸収することができる。よって、バッテリパック104の振動やフロアパネル102の変形等をより効率よく抑えることが可能になる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、車両用フロア構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
100…車両用フロア構造、102…フロアパネル、104…バッテリパック、106…支持部材、108…メインクロスメンバ、110a、110b…ブラケット、112a、112b…サイドメンバ、114…後側クロスメンバ、116…前側クロスメンバ、118a、118b…バルクヘッド、120…補強壁部材、122…接地部、124a、124b…隔壁部、126…フランジ、126a…下側フランジ、126b…後側フランジ、126c…前側フランジ、128…底面部、130…後壁、132…前壁、134…フロア接合部、136…平面部、138a…底面接合部、138b…後壁接合部、138c…前壁接合部、140…角部、142…接続点、200…変形例の車両用フロア構造、202…後側クロスメンバ