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特許7491219被監視者監視支援システムのセンサ装置、監視画像保存方法および被監視者監視支援システム
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  • 特許-被監視者監視支援システムのセンサ装置、監視画像保存方法および被監視者監視支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】被監視者監視支援システムのセンサ装置、監視画像保存方法および被監視者監視支援システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240521BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20240521BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240521BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/00 510M
A61G12/00 Z
H04N7/18 D
H04N7/18 N
G08B25/04 K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020556693
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2019039341
(87)【国際公開番号】W WO2020100461
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2018214508
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】小島 和浩
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/186042(WO,A1)
【文献】特開2003-044956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/01
A61G9/00-15/12
99/00
G08B19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムの前記センサ装置であって、
動画を生成する撮像部と、
前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理部と、
前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部と、
前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を記憶するリングバッファの記憶部と
前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに前記リングバッファの記憶部に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として前記動画記憶部に記憶する動画記憶処理部とを備え、
前記動画送信処理部は、前記イベントを検知した場合に、前記リングバッファの記憶部に記憶された前記第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信する
センサ装置。
【請求項2】
前記動画記憶部は、リングバッファである、
請求項1記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記保存動画は、前記イベント動画の第1画質より低い第2画質である、
請求項1または請求項に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記イベントは、複数の種類を含み、
前記動画送信処理部は、前記複数の種類のうちの、予め設定された特定の種類のイベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信し、
前記複数の種類のうちの、前記特定の種類を除く残余の種類のイベントを検知した場合に、前記検知したイベントに関する所定のタグ情報を、前記動画記憶部に記憶されている前記保存動画に関連付けるタグ情報付与処理部をさらに備える、
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムの監視画像保存方法であって、
動画を生成する撮像工程と、
前記イベントを検知した場合に、前記撮像工程で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理工程と、
前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持つ動画記憶部に前記撮像工程で生成された動画を保存動画として記憶する第1動画記憶工程と、
前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持つリングバッファの記憶部に、前記撮像工程で生成された動画を記憶する第2動画記憶工程と
前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに前記リングバッファの記憶部に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として前記動画記憶部に記憶する第3動画記憶工程とを備え、
前記動画送信処理工程は、前記イベントを検知した場合に、前記リングバッファの記憶部に記憶された前記第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信する
監視画像保存方法。
【請求項6】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、
動画を生成する撮像部と、
前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理部と、
前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部と、
前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を記憶するリングバッファの記憶部と
前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに前記リングバッファの記憶部に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として前記動画記憶部に記憶する動画記憶処理部とを備え、
前記動画送信処理部は、前記イベントを検知した場合に、前記リングバッファの記憶部に記憶された前記第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信する
被監視者監視支援システム。
【請求項7】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、
前記センサ装置は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセンサ装置である、
被監視者監視支援システム。
【請求項8】
前記中央管理装置は、
前記センサ装置から受信した前記イベント動画を記憶するイベント動画記憶部と、
前記センサ装置から前記イベント動画を受信した受信時刻または前記イベント動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第5時間の経過後に、前記イベント動画をイベント動画記憶部から消去するイベント動画消去処理部とを備える、
請求項または請求項に記載の被監視者監視支援システム。
【請求項9】
前記動画送信処理部は、さらに、前記動画記憶部に記憶されている保存動画を前記中央管理装置へ送信し、
前記中央管理装置は、
前記センサ装置から受信した、前記保存動画を記憶する保存動画記憶部と、
前記センサ装置から前記保存動画を受信した受信時刻または前記保存動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第6時間の経過後に、前記保存動画記憶部に記憶されていた保存動画を前記保存動画記憶部から消去する保存動画消去処理部とを備える、
請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の被監視者監視支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムのセンサ装置、その監視画像を保存する監視画像保存方法、および、前記被監視者監視支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超高齢社会の突入に伴って、看護業界や介護業界等の業務を補完する技術が、研究、開発されており、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示されたナースコールシステムは、ベッドに設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有するナースコールシステムであって、ベッド上の患者をベッド上方から撮像するカメラと、前記カメラの撮像映像から、患者が上半身を起こした状態及び患者がベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断して注意状態発生信号を出力する状態判断手段とを有し、前記ナースコール親機は、前記注意状態発生信号を受けて報知動作する報知手段を有する。そして、このナースコール親機は、映像を表示するモニタ及び前記注意状態発生信号を受信したら前記モニタに前記カメラの撮像映像を表示させる映像制御部と、映像を保存する映像記憶部とを有し、この映像制御部は、前記モニタへのカメラ撮像映像の表示に合わせて、前記カメラの撮像映像を前記映像記憶部に保存する。
【0004】
前記特許文献1に開示されたナースコールシステムは、呼出操作した患者の映像が保存されるため、後から呼出時の患者の状態を把握でき、看護業務に役立つ(前記特許文献1の[0030]段落参照)。しかしながら、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムは、患者が上半身を起こした状態および患者がベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断した場合にのみ、撮像映像を保存する。このため、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムでは、前記発生の判断をミスした場合には、すなわち、前記発生を判断すべき場合に判断できなかった場合(失報の場合)には、本来保存されるべき撮像映像が保存されないという不都合がある。また、看護業界や介護業界等の業務では、失報ではないものの、後日、患者等の様子を確認した場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-90913号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、発生時の画像を保存しながら、失報時の画像も保存できる被監視者監視支援システムのセンサ装置、監視画像保存方法および前記被監視者監視支援システムを提供することである。
【0007】
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した、被監視者監視支援システム、そのセンサ装置および監視画像保存方法は、被監視者に関わる所定のイベントを、前記被監視者に対応して設けられたセンサ装置で検知して、前記イベントを管理する中央管理装置に通知し、前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントを端末装置に通知する被監視者監視支援システムにおいて、動画を生成し、前記イベントを検知した場合に、前記生成した、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信し、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持つ動画記憶部に、前記生成した動画を保存動画として記憶する。
【0008】
発明の1または複数の実施形態により与えられる利点および特徴は、以下に与えられる詳細な説明および添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
図2】前記被監視者監視支援システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。
図3】前記被監視者監視支援システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
図4】前記管理サーバ装置に記憶されるイベント動画情報テーブルの構成を示す図である。
図5】前記管理サーバ装置に記憶される保存動画情報テーブルの構成を示す図である。
図6】前記センサ装置における保存動画の記憶に関する動作を示すフローチャートである。
図7】前記センサ装置における保存動画の送信に関する動作を示すフローチャートである。
図8】前記被監視者監視支援システムにおけるイベントの通知に関する動作を示すシーケンス図である。
図9】前記センサ装置におけるイベント動画の送信に関する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0011】
実施形態における被監視者監視支援システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者、対象者)を監視する監視者(ユーザ)の前記監視を支援するものである。この被監視者監視支援システムは、本実施形態では、被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備える。そして、本実施形態では、被監視者監視支援システムは、動画を生成する撮像部と、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理部と、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部とを備える。前記端末装置は、1種類の装置であって良いが、本実施形態態では、前記端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用される一方、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様である。一例として、前記撮像部、前記動画送信処理部および前記動画記憶部が前記センサ装置に備えられる場合について、以下、より具体的に説明する。
【0012】
図1は、実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。図2は、前記被監視者監視支援システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。図3は、前記被監視者監視支援システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。図4は、前記管理サーバ装置に記憶されるイベント動画情報テーブルの構成を示す図である。図5は、前記管理サーバ装置に記憶される保存動画情報テーブルの構成を示す図である。
【0013】
実施形態における被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obの監視を支援するシステムであり、例えば、図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0014】
構内交換機(回線切換機)CXは、ネットワークNWに接続され、携帯端末装置TA同士における発信、着信および通話等の内線電話の制御を行って前記携帯端末装置TA同士の内線電話を実施し、そして、例えば固定電話網や携帯電話網等の公衆電話網PNを介して例えば固定電話機や携帯電話機等の外線電話機TLに接続され、外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における発信、着信および通話等の外線電話の制御を行って外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における外線電話を実施するものである。構内交換機CXは、例えば、デジタル交換機や、IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)等である。
【0015】
被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。図1に示す例では、被監視者監視支援システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
【0016】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を、管理サーバ装置SVへ通知し、後述のイベント動画を管理サーバ装置SVへ送信し、そして、後述の保存動画を記憶する装置である。前記所定のイベント(事象)は、好適には対処が必要な所定のイベントであり、例えば、本実施形態では、被監視者Obにおける予め設定された所定の行動およびナースコールである。このため、本実施形態では、センサ装置SUは、被監視者Obにおける所定の行動を検知して検知結果を前記所定のイベントの一例として管理サーバ装置SVへ通知(送信)し、ナースコールを受け付けて前記ナースコールを前記所定のイベントの他の一例として管理サーバ装置SVへ通知(送信)し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。このようなセンサ装置SUは、例えば、図2に示すように、撮像部11と、音入出力部12と、ナースコール受付操作部13と、センサ側制御処理部(SU制御処理部)14と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)15と、センサ側記憶部(SU記憶部)16とを備える。
【0017】
撮像部11は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、画像(画像データ)を生成する装置である。前記画像には、静止画(静止画データ)および動画(動画データ)が含まれる。撮像部11は、監視すべき監視対象である被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、図1に示す例では配設場所の居室(部屋)RM)を監視可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像(対象画像)をSU制御処理部14へ出力する。好ましくは、監視対象の被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部11は、例えば、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)における、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。あるいは、例えば、前記所在空間全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部11は、天井面の略中央位置に配設される。センサ装置SUは、この撮像部11によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上や前記天井面の略中央位置から撮像した画像、好ましくは動画を取得する。
【0018】
このような撮像部11は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部11は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データ、好ましくは動画データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部11の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
【0019】
音入出力部12は、音を入出力する回路である。すなわち、音入出力部12は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路であって、外部の音を取得してセンサ装置SUに入力するための回路である。音入出力部12は、例えば、音の電気信号(音データ)を音の機械振動信号(音響信号)に変換するスピーカ等と、可聴領域の音の機械振動信号を電気信号に変換するマイクロフォン等とを備えて構成される。音入出力部12は、外部の音を表す電気信号をSU制御処理部14へ出力し、また、SU制御処理部14から入力された電気信号を音の機械振動信号に変換して出力する。
【0020】
ナースコール受付操作部13は、SU制御処理部14に接続され、ナースコールを当該センサ装置SUに入力するための例えば押しボタン式スイッチ等のスイッチ回路である。なお、ナースコール受付操作部13は、有線でSU制御処理部14に接続されて良く、また、例えばBluetooth(登録商標)規格等の近距離無線通信でSU制御処理部14に接続されて良い。
【0021】
SU通信IF部15は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部15は、SU制御処理部14から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SU通信IF部15は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部14が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部14へ出力する。SU通信IF部15は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0022】
SU記憶部16は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、センサ装置SUの各部11~13、15、16を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSU制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSU監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記SU監視処理プログラムには、被監視者Obにおける所定の行動を検知して検知結果を前記所定のイベント(事象)の一例として管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ通知する行動検知処理プログラムや、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を前記所定のイベントの他の一例として管理サーバ装置SVへ通知し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うナースコール処理プログラムや、撮像部11で生成した動画を、その動画を要求した端末装置SP、TAへストリーミングで配信するストリーミング処理プログラムや、撮像部11で生成された動画をSU記憶部16に記憶するSU動画記憶処理プログラムや、前記イベント、本実施形態では前記複数の種類のうちの予め設定された特定の種類のイベントを検知した場合に、撮像部11で生成された、前記特定の種類のイベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として管理サーバ装置SVへ送信する動画送信処理プログラムや、前記複数の種類のうちの、前記特定の種類を除く残余の種類のイベントを検知した場合に、前記検知したイベントに関する所定のタグ情報を、SU記憶部に記憶されている後述の保存動画に関連付けるタグ情報付与処理プログラムや、年月日時分秒で計時するSU時計プログラム等が含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、センサ装置SUを特定し識別するための識別子であるセンサ装置識別子(センサID)、管理サーバ装置SVの通信アドレス、撮像部11で生成された動画等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SU記憶部16は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。SU記憶部16は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSU制御処理部14のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。そして、本実施形態では、SU記憶部16は、リングバッファの第1および第2リングバッファ記憶部161、162を機能的に備える。
【0023】
第1リングバッファ記憶部161は、所定の第1時間の動画(第1時間長の動画)を記憶する記憶容量(第1記憶容量)を持ち、撮像部11で生成された動画を記憶する、いわゆるリングバッファである。このため、撮像部11で生成された動画における各フレーム(各フレームデータ)は、生成順に順次に、第1リングバッファ記憶部161の先頭アドレス(第1先頭アドレス)から最終アドレス(第1最終アドレス)まで記憶され、この第1最終アドレスに到達すると、前記第1先頭アドレスに戻って記憶される。したがって、第1リングバッファ記憶部161に記憶されてから第1時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で撮像部11により生成された動画のフレームで上書きされ、自動的に消去される。前記第1時間は、例えば、30秒、60秒(1分)、2分、3分等で予め適宜に設定される。
【0024】
第2リングバッファ記憶部162は、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画(第2時間長の動画)を記憶する記憶容量(第2記憶容量)を持ち、撮像部11で生成された動画を保存動画として記憶する、いわゆるリングバッファである。このため、撮像部11で生成された動画における各フレーム(各フレームデータ)は、生成順に順次に、第2リングバッファ記憶部162の先頭アドレス(第2先頭アドレス)から最終アドレス(第2最終アドレス)まで記憶され、この第2最終アドレスに到達すると、前記第2先頭アドレスに戻って記憶される。したがって、第2リングバッファ記憶部162に記憶されてから第2時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で記憶される動画のフレームで上書きされ、自動的に消去される。前記第2時間は、後日、患者等の様子を動画で確認できるように、例えば、1日、3日および6日等で予め適宜に設定される。そして、撮像部11で生成された動画が制御処理部14によって撮像部11から直接的に第2リングバッファ記憶部162に記憶されても良いが、本実施形態では、制御処理部14によって第1リングバッファ記憶部161に記憶された動画が第2リングバッファ記憶部162に記憶される。
【0025】
第1および第2リングバッファ記憶部161、162は、それぞれ、物理的に記憶素子をリング状に配置して構成されても良いが、現実的ではないので、第1リングバッファ記憶部161は、RAMに第1記憶容量で第1リングバッファ記憶部161用に記憶領域(第1記憶領域)が確保され、この第1記憶領域の第1先頭アドレスと第1最終アドレスとを繋げることで論理的に構成され、同様に、第2リングバッファ記憶部162は、RAMに第2記憶容量で第2リングバッファ記憶部162用に記憶領域(第2記憶領域)が確保され、この第2記憶領域の第2先頭アドレスと最終アドレスとを繋げることで論理的に構成される。
【0026】
SU制御処理部14は、センサ装置SUの各部11~13、15、16を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を、管理サーバ装置SVへ通知し、イベント動画を管理サーバ装置SVへ送信し、そして、保存動画を記憶するための回路である。より具体的には、本実施形態では、SU制御処理部14は、被監視者Obにおける所定の行動を検知してその検知結果を前記所定のイベントの一例として管理サーバ装置SVへ通知(報知、送信)し、ナースコールを受け付けてそのナースコールを前記所定のイベントの他の一例として管理サーバ装置SVへ通知(報知、送信)し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信し、特定の種類のイベントを検知するとイベント動画を管理サーバ装置SVへ送信し、そして、保存動画を記憶する。SU制御処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SU制御処理部14は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、センサ側制御部(SU制御部)141、行動検知処理部142、ナースコール処理部143、ストリーミング処理部144、センサ側動画記憶処理部(SU動画記憶処理部)145、動画送信処理部146、タグ情報付与処理部147およびセンサ側時計部(SU時計部)148を機能的に備える。
【0027】
SU制御部141は、センサ装置SUの各部11~13、15、16を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUの全体制御を司るものである。
【0028】
行動検知処理部142は、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を検知して検知結果を前記所定のイベントの一例として管理サーバ装置SVへ通知するものである。より具体的には、本実施形態では、前記所定の行動は、例えば、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、被監視者Obが寝具から落ちた転落、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つの行動である。そして、行動検知処理部142は、例えば、撮像部11で撮像した対象画像に基づいて被監視者Obの頭部を検出し、この検出した被監視者Obの頭部における大きさの時間変化に基づいて被監視者Obの起床、離床、転倒および転落を検知する。より詳しくは、まず、寝具BDの所在領域、第1閾値Th1、第2閾値Th2および第3閾値Th3が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16に記憶される。前記第1閾値Th1は、寝具BDの所在領域内における横臥姿勢の頭部の大きさと座位姿勢の頭部の大きさとを識別するための閾値である。前記第2閾値Th2は、寝具BDの所在領域を除く居室RM内における立位姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための閾値である。前記第3閾値Th3は、寝具BDの所在領域を除く居室RM内における横臥姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための閾値である。そして、行動検知処理部142は、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人物の領域として動体領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置および大きさから起床、離床、転倒および転落を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、起床と判定し、前記起床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域内から寝具の所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから立位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、離床と判定し、前記離床を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域内から寝具BDの所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転落と判定し、前記転落を検知する。例えば、行動検知処理部142は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域を除く居室RM内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転倒と判定し、前記転倒を検知する。
【0029】
このように前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)の内容を表すイベント情報(事象情報)を収容した、前記イベントを通知するための通信信号(第1イベント通知通信信号)をSU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ通知する。より詳しくは、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記所定の行動を検知した時刻(検知時刻)、前記所定の行動の検知に用いられた対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記イベント情報は、本実施形態では、起床、離床、転落、転倒およびナースコール(NC)のうちの1または複数であり、ここでは、行動検知処理部142は、検知した起床、離床、転落および転倒のうちの1または複数を前記イベント情報として第1イベント通知通信信号に収容する。前記画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方であって良く、本実施形態では、まず、静止画が報知され、ユーザの要求に応じて動画が配信される。なお、まず、動画が配信されても良く、また、静止画および動画が送信され、画面分割で静止画および動画が端末装置SP、TAに表示されても良い。
【0030】
ナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を前記所定のイベントの他の一例として収容した第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ通知し、音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、ナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13が入力操作されると、自機のセンサID、前記ナースコールを検知した時刻(検知時刻)、および、前記イベント情報としてナースコールを収容した第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。そして、ナースコール処理部143は、音入出力部12等を用い、端末装置SP、TAとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0031】
ストリーミング処理部144は、SU通信IF部15を介して固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAから動画の配信の要求があった場合に、この要求のあった固定端末装置SPまたは携帯端末装置TAへ、撮像部11で生成した動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生でSU通信IF部15を介して配信するものである。
【0032】
SU動画記憶処理部145は、撮像部11で生成された動画をSU記憶部16に記憶するものである。より具体的には、SU動画記憶処理部145は、撮像部11で生成された動画をSU記憶部16の第1リングバッファ記憶部161に記憶し、撮像部11で生成された動画を保存動画としてSU記憶部16の第2リングバッファ記憶部162に記憶する。より詳しくは、まず、SU動画記憶処理部145は、撮像部11で生成された動画における各フレーム(各フレームデータ)を、生成順に順次に、第1リングバッファ記憶部161の第1先頭アドレスから第1最終アドレスまで記憶し、この第1最終アドレスに到達すると、前記第1先頭アドレスに戻って記憶する。そして、SU動画記憶処理部145は、前記第1時間の経過ごとに第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画を読み出し、この読み出した前記第1時間の動画を前記保存動画として第2リングバッファ記憶部162に記憶する。すなわち、SU動画記憶処理部145は、撮像部11で生成された動画の各フレームを、生成順に順次に、第1リングバッファ記憶部161の第1先頭アドレスから第1最終アドレスまで記憶し、この第1最終アドレスに到達すると、第1リングバッファ記憶部161に記憶されている第1時間の動画を、前記保存動画として第2リングバッファ記憶部162に記憶する。したがって、第2リングバッファ記憶部162には、前記第1時間の経過ごとに第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画が、順次に、第2リングバッファ記憶部162の第2先頭アドレスから第2最終アドレスまで記憶され、この第2最終アドレスに到達すると、前記第2先頭アドレスに戻って記憶される。
【0033】
動画送信処理部146は、前記イベント、本実施形態では前記複数の種類のうちの予め設定された特定の種類のイベントを検知した場合に、撮像部11で生成された、前記特定の種類のイベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として管理サーバ装置SVへ送信するものである。前記イベントにおける複数の種類は、上述したように、本実施形態では、起床、離床、転落、転倒およびナースコールである。前記特定の種類は、この中から適宜に予め設定される。本実施形態では、イベントの重要性が考慮さされ、前記特定の種類として転落および転倒が設定される。前記イベント動画は、前記特定の種類のイベントを検知した時点(検知時刻)から第1時間だけ遡った(過去の)動画であって良いが、本実施形態では、前記イベントを検知した時点より前に撮像部11で生成された動画(検知前動画)と、前記イベントを検知した時点以後に前記撮像部11で生成された動画(検知後動画)とを含む。これら検知前動画および検知後動画の各時間長は、同一であっても異なっても良い。一例では、前記第1時間が60秒である場合に、各時間長は、30秒であり、あるいは、イベントに至る過程を重視する観点から、検知前動画の時間長が45秒であり検知後動画の時間長が15秒であり、あるいは、イベント後の被監視者Obや監視者の様子の確認を重視する観点から、検知前動画の時間長が15秒であり検知後動画の時間長が45秒である。したがって、本実施形態では、動画送信処理部146は、転落が行動検知処理部142で検知されると、この検知した時点から前記第1時間より短い所定の第7時間(上述の例では30秒や45秒や15秒)の経過後に、第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画を読み出し、この読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として管理サーバ装置SVへ送信する。そして、動画送信処理部146は、転倒が行動検知処理部142で検知されると、この検知した時点から前記第7時間の経過後に、第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画を読み出し、この読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として管理サーバ装置SVへ送信する。このイベント動画の送信では、自機のセンサID、イベント動画の送信に起因したイベントのイベント情報、前記イベントの検知時刻、および、前記イベント動画を収容する通信信号(イベント動画通知通信信号)が管理サーバ装置SVへ送信される。
【0034】
さらに、本実施形態では、動画送信処理部146は、第2リングバッファ記憶部162に記憶されている保存動画を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、動画送信処理部146は、前記第2時間の経過ごとに第2リングバッファ記憶部162に記憶された第2時間の保存動画を読み出し、この読み出した前記第2時間の保存動画を管理サーバ装置SVへ送信する。すなわち、前記第1時間の経過ごとに第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画が、順次に、第2リングバッファ記憶部162の第2先頭アドレスから第2最終アドレスまで記憶され、この第2最終アドレスに到達すると、動画送信処理部146は、第2リングバッファ記憶部162に記憶された第2時間の保存動画を読み出し、この読み出した前記第2時間の保存動画を管理サーバ装置SVへ送信する。この保存動画の送信では、自機のセンサIDおよび前記第2時間の保存動画を収容する通信信号(保存動画通知通信信号)が管理サーバ装置SVへ送信される。
【0035】
タグ情報付与処理部147は、前記複数の種類のうちの、前記特定の種類を除く残余の種類のイベントを検知した場合に、前記検知したイベントに関する所定のタグ情報を、SU記憶部16に記憶されている保存動画に関連付けるものである。上述のように、本実施形態では、前記特定の種類は、転落および転倒であるので、前記残余の種類は、起床、離床およびナースコールである。前記タグ情報は、予め適宜に設定され、例えば、本実施形態では、前記検知したイベントのイベント情報および検知時刻である。したがって、タグ情報付与処理部147は、起床が行動検知処理部142で検知されると、前記タグ情報として起床およびその検知時刻を保存動画に関連付け、離床が行動検知処理部142で検知されると、前記タグ情報として離床およびその検知時刻を保存動画に関連付け、ナースコールがナースコール処理部143で検知されると、前記タグ情報としてナースコールおよびその検知時刻を保存動画に関連付ける。前記タグ情報の関連付けでは、例えば、タグ情報を記憶した電子ファイルがSU記憶部16に記憶され、第2リングバッファ記憶部162に記憶された第2時間の保存動画が上述のように管理サーバ装置SVへ送信される際に、前記保存動画通知通信信号にタグ情報の前記電子ファイルもさらに収容され、前記保存動画通知通信信号の送信後に、タグ情報の前記電子ファイルがSU記憶部16から消去される。あるいは、例えば、タグ情報が保存動画のデータに組み込まれて収容される。このようなメタデータ(本実施形態ではタグ情報)を収容できる動画データは、例えば、mp4形式である。
【0036】
SU時計部148は、年月日時分秒で計時するものである。
【0037】
図1には、一例として、第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0038】
なお、本実施形態は、第1時間と、前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間と、前記第3時間以下の所定の第4時間とが、同一の前記第1時間である場合の実施形態であり、第1リングバッファ記憶部161は、前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を記憶するリングバッファの記憶部の一例に相当する。第2リングバッファ記憶部162は、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部の一例に相当する。SU動画記憶処理部145は、前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに前記リングバッファの記憶部に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として前記動画記憶部に記憶する動画記憶処理部の一例に相当する。
【0039】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報(本実施形態では例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像(静止画および動画)、および、前記検知時刻等))を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMS全体を管理する装置である。そして、本実施形態では、管理サーバ装置SVは、センサ装置SUから受信したイベント動画や保存動画も管理する。このような管理サーバ装置SVは、例えば、図3に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22と、サーバ側記憶部(SV記憶部)23とを備える。
【0040】
SV通信IF部21は、SU通信IF部15と同様に、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0041】
SV記憶部23は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVの各部21、23を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行する監視処理プログラムや、センサ装置SUから受信したイベント動画や保存動画に対する記憶(記録)に関する所定の記憶処理を実行するSV動画記憶処理プログラムや、年月日時分秒で計時を行うSV時計プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、管理サーバ装置SVを特定し管理サーバ装置SVを識別するためのサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obの前記監視情報や、前記所定のイベント(事象)の通知先等の装置SU、SP、TA間の情報を表す装置間情報や、センサ装置SUに関するセンサ情報や、端末装置SP、TAに関する端末情報や前記イベント動画や前記保存動画等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。これら監視情報、装置間情報、センサ情報、端末情報、イベント動画および保存動画それぞれを記憶するために、SV記憶部23は、監視情報記憶部231、装置間情報記憶部232、センサ情報記憶部233、端末情報記憶部234、イベント動画記憶部235および保存動画記憶部236を機能的に備える。
【0042】
SV監視情報記憶部231は、各装置SU、SP、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶するものである。より具体的には、SV監視情報記憶部231には、本実施形態では、前記監視情報として、第1イベント通知通信信号等の通信信号に収容された各情報に基づいて、センサID、イベント情報(事象情報、本実施形態では起床、離床、転落、転倒およびナースコール)、検知時刻、対象画像、ライブ動画の取得先としてセンサ装置SUの通信アドレスおよび対処の有無(対応の受付の有無)が互いに対応付けて記憶される。前記対処の有無は、端末装置SP、TAで受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対処(対応、処置、措置)する意思が前記端末装置SP、TAを扱う監視者にある旨を、前記端末装置SP、TAで受け付けたか否かを表す情報である。
【0043】
装置間情報記憶部232は、前記装置間情報として、本実施形態では、センサ装置SUから送信された第1イベント通知通信信号等の通知先(再通知先、再報知先、送信先)を示す、送信元であるセンサIDと通知先(再通知先)である端末IDとの対応関係(通知先対応関係)、および、各装置SU、SP、TAのID(センサID、端末ID)とその通信アドレスとの対応関係(通信アドレス対応関係)等を記憶するものである。前記端末IDは、端末装置SP、TAを特定し端末装置SP、TAを識別するための端末識別子である。
【0044】
なお、センサID、サーバIDおよび端末IDそれぞれは、例えば所定の記号列から成るシリアル番号等であって良く、また例えば通信アドレスであって良い(この場合通信アドレス対応関係は省略できる)。
【0045】
センサ情報記憶部233は、前記センサ情報を記憶するものである。本実施形態では、前記センサ情報は、センサ装置SUに関する情報であり、センサ装置SUのセンサIDと被監視者Obの被監視者名とを互いに対応付けた情報である。
【0046】
端末情報記憶部234は、前記端末情報として、本実施形態では、端末装置SP、TAにログインしている監視者(ユーザ)(端末装置SP、TAを扱っている監視者)を示すログイン監視者情報、および、監視者の勤務状況(勤務シフト、勤務時間)を示す監視者勤務情報等を記憶するものである。
【0047】
イベント動画記憶部235は、イベント動画を記憶するものである。本実施形態では、イベント動画記憶部235は、イベント動画の電子ファイルと前記イベント動画における所定の属性情報(イベント動画属性情報)と記憶する。前記イベント動画属性情報は、本実施形態では、例えば、図4に示すようにテーブル形式でイベント動画記憶部235に記憶される。図4に示すイベント動画属性情報テーブルITは、イベント動画通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および検知時刻、ならびに、イベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画のファイル名(イベント動画ファイル名)それぞれを登録するセンサIDフィールド2351、イベントフィールド2352、検知時刻フィールド2353およびイベント動画ファイル名フィールド2354を備え、イベント動画(イベント動画ファイル名)ごとにレコードを持つ。イベント動画属性情報を参照することで、イベント動画に関わる被監視者(センサID)、検知されたイベントの種類(イベント情報)および検知時刻が認識できる(だれが、どんなイベントを、いつ起こしたかが認識できる)。なお、検知時刻フィールド2353には、前記検知時刻に代え、前記受信したイベント動画通知通信信号の受信時刻が登録されても良い。
【0048】
保存動画記憶部236は、保存動画を記憶するものである。本実施形態では、保存動画記憶部236は、保存動画の電子ファイルと前記保存動画における所定の属性情報(保存動画属性情報)と記憶する。前記保存動画属性情報は、本実施形態では、例えば、図5に示すようにテーブル形式で保存動画記憶部236に記憶される。図5に示す保存動画属性情報テーブルLTは、保存動画通知通信信号に収容されたセンサID、および、保存動画通知通信信号に収容された保存動画のファイル名(保存動画ファイル名)それぞれを登録するセンサIDフィールド2361および保存動画ファイル名フィールド2364を備え、保存動画(保存動画ファイル名)ごとにレコードを持つ。そして、本実施形態では、保存動画通知通信信号にタグ情報が収容されている場合が考慮され、保存動画属性情報テーブルLTは、さらに、保存動画通知通信信号に収容されたタグ情報におけるイベント情報および検知時刻それぞれを登録するイベントフィールド2362および検知時刻フィールド2363を備える。なお、本実施形態では、所定の時間の経過後に保存動画を消去するために、保存動画通知通信信号にタグ情報が収容されていない場合、検知時刻フィールド2363には、前記保存動画通知通信信号の受信時刻が登録される。また、保存動画通知通信信号にタグ情報が収容されている場合でも、検知時刻フィールド2363には、前記検知時刻に代え、前記保存動画通知通信信号の受信時刻が登録されても良い。保存動画属性情報を参照することで、保存動画に関わる被監視者(センサID)および受信時刻が認識でき、保存動画通知通信信号にタグ情報が収容されていた場合には、さらに、前記保存動画に関わる、検知されたイベントの種類(イベント情報)および検知時刻が認識できる。
【0049】
SV制御処理部22は、管理サーバ装置SVの各部21、23を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMS全体を管理するための回路である。そして、本実施形態では、SV制御処理部22は、センサ装置SUから受信したイベント動画や保存動画も管理する。SV制御処理部22は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221、監視処理部222、サーバ側動画記憶処理部(SV動画記憶処理部)223およびサーバ側時計部(SV時計部)224を機能的に備える。
【0050】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVの各部21、23を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVの全体制御を司るものである。
【0051】
監視処理部222は、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知するものである。より具体的には、監視処理部222は、センサ装置SUから前記第1イベント通知通信信号を受信すると、この受信した第1イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。監視処理部222は、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先(再通知先、転送先、送信先)を、装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から選定(検索)し、これら選定結果に基づいて第2イベント通知通信信号を生成し、この生成した第2イベント通知通信信号をSV通信IF部21で送信する。この通知先の端末装置SP、TAの選定(検索処理)は、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて実施される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記所定の行動(起床、離床、転落および転倒のうちの1または複数)である場合には、前記第2イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対象画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記ナースコールである場合には、前記第2イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報が収容される。
【0052】
SV動画記憶処理部223は、センサ装置SUから受信したイベント動画や保存動画に対する記憶(記録)に関する所定の記憶処理を実行するものである。
【0053】
より具体的には、まず、イベント動画通知通信信号が受信されると、SV動画記憶処理部223は、この受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画をSV記憶部23のイベント動画記憶部235に記憶する。なお、イベント動画の電子ファイルにファイル名(イベント動画ファイル名)が無い場合には、SV動画記憶処理部223は、所定のファイル名(例えば、イベント動画であることを表す符号列と最初に受信したイベント動画から順に割り振られた通し番号とから成るファイル名等)を付して前記イベント動画をイベント動画記憶部235に記憶する。そして、SV動画記憶処理部223は、イベント動画記憶部235に記憶されているイベント動画属性情報テーブルITにレコードを新たに追加し、この追加したレコードにおけるセンサIDフィールド2351、イベントフィールド2352および検知時刻フィールド2353それぞれに、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および検知時刻それぞれを登録し、この追加したレコードにおけるイベント動画ファイル名フィールド2354に、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画のイベント動画ファイル名を登録する。
【0054】
一方、保存動画通知通信信号が受信されると、SV動画記憶処理部223は、この受信した保存動画通知通信信号に収容された保存動画をSV記憶部23の保存動画記憶部236に記憶する。なお、保存動画の電子ファイルにファイル名(保存動画ファイル名)が無い場合には、SV動画記憶処理部223は、所定のファイル名(例えば、保存動画であることを表す符号列と最初に受信したイベント動画から順に割り振られた通し番号とから成るファイル名等)を付して前記保存動画を保存動画記憶部236に記憶する。そして、SV動画記憶処理部223は、保存動画記憶部236に記憶されている保存動画属性情報テーブルLTにレコードを新たに追加し、この追加したレコードにおけるセンサIDフィールド2351に、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたセンサIDを登録し、この追加したレコードにおける保存動画ファイル名フィールド2364に、前記受信した保存動画通知通信信号に収容された保存動画の保存動画ファイル名を登録する。そして、前記受信したイベント動画通知通信信号にタグ情報が収容されている場合には、SV動画記憶処理部223は、前記新たに追加したレコードにおけるイベントフィールド2362および検知時刻フィールド2363それぞれに、前記受信した保存動画通知通信信号に収容されたタグ情報におけるイベント情報および検知時刻それぞれを登録し、前記受信したイベント動画通知通信信号にタグ情報が収容されていない場合には、SV動画記憶処理部223は、前記新たに追加したレコードにおける検知時刻フィールド2363に、前記受信した保存動画通知通信信号の受信時刻を登録する。
【0055】
さらに、本実施形態では、SV動画記憶処理部223は、センサ装置SUからイベント動画を受信した受信時刻または前記イベント動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第5時間の経過後に、前記イベント動画をイベント動画記憶部235から消去する。より具体的には、SV動画記憶処理部223は、例えば日付が切り替わる午前0時等の、1日のうちで予め設定された時刻になると、イベント動画属性情報テーブルITにおける検知時刻フィールド2353に登録されている検知時刻または受信時刻を参照し、この参照結果、検知時刻フィールド2353に登録されている検知時刻または受信時刻から前記第5時間を経過している場合には、このレコードにおけるイベント動画ファイル名フィールド2354に登録されているイベント動画ファイル名を持つイベント動画の電子ファイルをイベント動画記憶部235から消去し、このレコードをイベント動画属性情報テーブルITから削除(消去)する。前記第5時間は、イベント動画の保存期間等を考慮することによって、例えば1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月等で予め適宜に設定される。そして、SV動画記憶処理部223は、センサ装置SUから保存動画を受信した受信時刻または前記保存動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第6時間の経過後に、保存動画記憶部236に記憶されていた保存動画を保存動画記憶部236から消去する。より具体的には、SV動画記憶処理部223は、例えば日付が切り替わる午前0時等の、1日のうちで予め設定された時刻になると、保存動画属性情報テーブルLTにおける検知時刻フィールド2363に登録されている検知時刻または受信時刻を参照し、この参照結果、検知時刻フィールド2363に登録されている検知時刻または受信時刻から前記第6時間を経過している場合には、このレコードにおける保存動画ファイル名フィールド2364に登録されている保存動画ファイル名を持つ保存動画の電子ファイルを保存動画記憶部236から消去し、このレコードを保存動画属性情報テーブルLTから削除(消去)する。前記第6時間は、保存動画の保存期間等を考慮することによって、例えば1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月等で予め適宜に設定される。なお、前記第5時間と前記第6時間とは、互いに同じであって良く、また、互いに異なっていても良い。
【0056】
SV時計部224は、年月日時分秒で計時を行うものである。
【0057】
なお、管理サーバ装置SVは、図3に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。
【0058】
このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0059】
この管理サーバ装置SVは、中央処理装置の一例に相当する。SV動画記憶処理部223は、前記センサ装置から前記イベント動画を受信した受信時刻または前記イベント動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第5時間の経過後に、前記イベント動画をイベント動画記憶部から消去するイベント動画消去処理部の一例に相当する。そして、SV動画記憶処理部223は、前記センサ装置から前記保存動画を受信した受信時刻または前記保存動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第6時間の経過後に、前記保存動画記憶部に記憶されていた保存動画を前記保存動画記憶部から消去する保存動画消去処理部の一例にも相当する。
【0060】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視支援システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。本実施形態では、固定端末装置SPは、ユーザによって指定されたイベント動画や保存動画も表示する。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0061】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。本実施形態では、携帯端末装置TAは、ユーザによって指定されたイベント動画や保存動画も表示する。このような携帯端末装置TAは、例えば、通信機能付きのタブレット型コンピュータや、いわゆるスマートフォンによって構成可能である。
【0062】
次に、本実施形態における被監視者監視支援システムMSの動作について説明する。図6は、前記センサ装置における保存動画の記憶に関する動作を示すフローチャートである。図7は、前記センサ装置における保存動画の送信に関する動作を示すフローチャートである。図8は、前記被監視者監視支援システムにおけるイベントの通知に関する動作を示すシーケンス図である。図9は、前記センサ装置におけるイベント動画の送信に関する動作を示すフローチャートである。
【0063】
このような被監視者監視支援システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。センサ装置SUでは、その制御処理プログラムの実行によって、SU制御処理部14には、SU制御部141、行動検知処理部142、ナースコール処理部143、SUストリーミング処理部144、SU動画記憶処理部145、動画送信処理部146、タグ情報付与処理部147およびSU時計部148が機能的に構成される。管理サーバ装置SVでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部22には、SV制御部221、監視処理部222、SV動画記憶処理部223およびSV時計部224が機能的に構成される。
【0064】
まず、センサ装置SUにおける、撮像部11で生成される動画に対する処理について説明する。センサ装置SUでは、その稼働を始めると、センサ装置SUは、SU制御処理部14のSU動画記憶処理部145によって、撮像部11で生成された動画における各フレーム(各フレームデータ)を、生成順に順次に、第1リングバッファ記憶部161の第1先頭アドレスから第1最終アドレスまで記憶し、この第1最終アドレスに到達すると、前記第1先頭アドレスに戻って記憶し、以後、これを繰り返す。
【0065】
このような第1リングバッファ記憶部161に撮像部11で生成された動画の各フレームを記憶している際に、SU動画記憶処理部145は、図6において、第1リングバッファ記憶部161に対する記憶処理が一巡したか否かを判定する(S11)。すなわち、フレームの記憶処理が第1最終アドレスに到達したか否かが判定される。この判定の結果、一巡していない場合(第1最終アドレスに到達していない場合、No)には、SU動画記憶処理部145は、処理を処理S11に戻す。すなわち、一巡するまで処理S11が繰り返される。一方、前記判定の結果、一巡している場合(第1最終アドレスに到達している場合、Yes)には、SU動画記憶処理部145は、第1リングバッファ記憶部161に記憶されている第1時間の動画を、保存動画として第2リングバッファ記憶部162に記憶し(S12)、次に、処理S13を実行する。
【0066】
この処理S13では、センサ装置SUは、SU制御処理部14によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、センサ装置SUは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、センサ装置SUは、処理を処理S11に戻す。
【0067】
そして、第2リングバッファ記憶部162に、第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画を保存動画として記憶している際に、SU動画記憶処理部145は、図7において、第2リングバッファ記憶部162に対する記憶処理が一巡したか否かを判定する(S21)。すなわち、第1時間の動画に対する記憶処理が第2最終アドレスに到達したか否かが判定される。この判定の結果、一巡していない場合(第2最終アドレスに到達していない場合、No)には、SU動画記憶処理部145は、処理を処理S21に戻す。すなわち、一巡するまで処理S21が繰り返される。一方、前記判定の結果、一巡している場合(第2最終アドレスに到達している場合、Yes)には、SU制御処理部14の動画送信処理部146によって、第2リングバッファ記憶部162に記憶されている第2時間の保存動画を保存動画通知通信信号で管理サーバ装置SVへ送信し(S22)、次に、処理S23を実行する。
【0068】
この処理S23では、センサ装置SUは、SU制御処理部14によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、センサ装置SUは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、センサ装置SUは、処理を処理S21に戻す。
【0069】
このように撮像部11で生成された動画の各フレームは、第1リングバッファ記憶部161に記憶され、第1リングバッファ記憶部161に対する記憶処理が第1先頭アドレスから第1最終アドレスに到達して一巡すると、第1リングバッファ記憶部161に記憶されている第1時間の動画(第1時間長の動画)が保存動画として第2リングバッファ記憶部162に記憶される。そして、第2リングバッファ記憶部162に対する記憶処理が第2先頭アドレスから第2最終アドレスに到達して一巡すると、第2リングバッファ記憶部162に記憶されている第2時間の保存動画(第2時間長の保存動画)が保存動画通知通信信号で管理サーバ装置SVへ送信される。
【0070】
次に、被監視者監視支援システムMSにおけるイベントの通知に関する動作について説明する。図8において、センサ装置SUは、イベントを検知すると(C1)、この検知したイベントを通知するために、第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する(C2)。より具体的には、センサ装置SUは、その稼働を始めると、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、次のように動作することで、前記所定のイベントを検知し、前記所定のイベントを検知した場合に第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。センサ装置SUは、撮像部11から1フレーム分の画像(画像データ)を対象画像として取得し、この取得した対象画像に基づいて被監視者Obにおける所定の行動を検知し、前記所定の行動を検知すると、その検知結果を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、前記イベント情報として検知した前記所定の行動を収容した、行動検知の第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ送信する。このように動作している間に、センサ装置SUは、ナースコールを受け付けているか否かを判定し、ナースコールを受け付けると、そのナースコールの受付を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、前記イベント情報として前記受け付けたナースコールを収容した、ナースコール検知の第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ送信する。
【0071】
続いて、センサ装置SUから第1イベント通知通信信号を受信すると(C3)、管理サーバ装置SVは、監視処理部222によって、この受信した第1イベント通知通信信号による監視情報を記録(記憶)し(C4)、前記受信した第1イベント通知通信信号に応じた第2イベント通知通信信号を所定の端末装置SP、TAへ送信する(C5)。より具体的には、監視処理部222は、第1イベント通知通信信号をネットワークNWを介してセンサ装置SUから受信すると、この受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報としてSV記憶部23に記憶(記録)する。そして、監視処理部222は、前記受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDに対応する端末IDを持つ端末装置SP、TA宛に第2イベント通知通信信号を生成し、この生成した第2イベント通知通信信号をSV通信IF部21で送信する。
【0072】
続いて、管理サーバ装置SVから第2イベント通知通信信号を受信すると(C6)、この第2イベント通知通信信号を受信した端末装置SP、TAは、この第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶し、前記監視情報を表示する(C7)。これによってセンサ装置SUで検知されたイベントが管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAに表示される。
【0073】
前記監視情報を参照した看護師や介護士等の監視者NSは、例えば通話するために、通話要求を端末装置SP、TAに入力する。この入力を受け付けると、端末装置SP、TAは、表示中の監視情報にかかるセンサIDを持つセンサ装置SUに通話を要求するための通信信号(通話要求通信信号)を送信する。この通話の要求に応じて端末装置SP、TAとセンサ装置SUとは、VoIPで通話可能に接続され、監視者NSは、被監視者Obと通話する。
【0074】
また例えば、動画をライブで参照するために、監視者NSは、動画要求を端末装置SP、TAに入力する。この入力を受け付けると、端末装置SP、TAは、表示中の監視情報にかかるセンサIDを持つセンサ装置SUに動画を要求するための通信信号(動画要求通信信号)を送信する。この動画の要求に応じて端末装置SP、TAとセンサ装置SUとは、ストリーミングで動画を再生可能に接続され、監視者NSは、端末装置SP、TAに表示された動画を参照する。
【0075】
次に、センサ装置SUにおけるイベント動画の送信に関する処理について説明する。上述のようにイベントの検知よってイベントを通知する一方で、センサ装置SUは、次のように動作することでイベント動画を送信している。
【0076】
図9において、図8を用いて説明したようにイベントを検知すると(S31、図8に示す処理C1)、センサ装置SUは、SU制御処理部14の動画送信処理146によって、前記検知したイベントの種類が特定の種類であるか否かを判定する(S32)。この判定の結果、前記特定の種類である場合(Yes)には、センサ装置SUは、SU制御処理部14の動画送信処理146によって、処理S34、処理S35および処理S36の各処理を順次に実行した後に、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、前記特定の種類ではない場合(No、前記残余の種類である場合)には、センサ装置SUは、SU制御処理部14のタグ情報付与処理部147によって、処理S33を実行した後に、本処理を終了する。
【0077】
処理S34では、前記検知前動画と前記検知後動画とを含むイベント動画を生成するために、動画送信処理146は、第7時間にセットしたタイマーをSU制御処理部14に機能的に生成し、この生成したタイマーを稼働させる。
【0078】
処理S34に続く処理S35では、動画送信処理146は、前記タイマーがタイムアップしたか否かを判定する。この判定の結果、タイムアップしていない場合(No)には、動画送信処理146は、処理を処理S35に戻す。すなわち、タイムアップするまで、処理S35が繰り返される。一方、前記判定の結果、タイムアップしている場合(Yes)には、動画送信処理146は、処理S36を実行する。
【0079】
この処理S36では、動画送信処理146は、イベント動画を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、動画送信処理146は、第1リングバッファ記憶部161に記憶された第1時間の動画を読み出し、この読み出した前記第1時間の動画をイベント動画としてイベント動画通知通信信号で管理サーバ装置SVへ送信する。したがって、第1リングバッファ記憶部161に記憶された動画は、上述のように、第2リングバッファ記憶部162に保存動画として記憶するために、読み出される一方、特定の種類のイベントが検知された場合には、管理サーバ装置SVへイベント動画として送信するために読み出される。なお、一致することも有り得るが、通常、第2リングバッファ記憶部162に保存動画として記憶するために、読み出される前記動画と、管理サーバ装置SVへイベント動画として送信するために読み出される動画とは、一致しない。
【0080】
一方、処理S33では、タグ情報付与処理部147は、前記検知したイベントに関する所定のタグ情報を、SU記憶部16に記憶されている保存動画に関連付ける。例えば、タグ情報(本実施形態ではイベント情報および検知時刻)が保存動画のデータに組み込まれて収容される。
【0081】
このようにイベントが検知されると、この検知されたイベントの種類が前記特定の種類(本実施形態では転落および転倒)である場合には、イベント動画がイベント動画通知通信信号で管理サーバ装置SVへ送信され、前記検知されたイベントの種類が前記残余の種類(本実施形態では起床、離床およびナースコール)である場合には、タグ情報が保存動画に関連付けられる。
【0082】
次に、管理サーバ装置SVにおける、イベント動画および保存動画に関する処理について説明する。
【0083】
上述のようにセンサ装置SUから送信された保存動画通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV動画記憶処理部223によって、この受信した保存動画通知通信信号に収容された保存動画をSV記憶部23の保存動画記憶部236に記憶する。そして、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV動画記憶処理部223によって、保存動画記憶部236に記憶されている保存動画属性情報テーブルLTにレコードを新たに追加し、この追加したレコードにおけるセンサIDフィールド2351に、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたセンサIDを登録し、この追加したレコードにおける保存動画ファイル名フィールド2364に、前記受信した保存動画通知通信信号に収容された保存動画の保存動画ファイル名を登録する。そして、前記受信したイベント動画通知通信信号にタグ情報が収容されている場合には、SV動画記憶処理部223は、前記新たに追加したレコードにおけるイベントフィールド2362および検知時刻フィールド2363それぞれに、前記受信した保存動画通知通信信号に収容されたタグ情報におけるイベント情報および検知時刻それぞれを登録し、前記受信したイベント動画通知通信信号にタグ情報が収容されていない場合には、SV動画記憶処理部223は、前記新たに追加したレコードにおける検知時刻フィールド2363に、前記受信した保存動画通知通信信号の受信時刻を登録する。
【0084】
一方、SV動画記憶処理部223は、保存動画の受信時刻または前記保存動画に関わるイベントの検知時刻から前記第6時間の経過後に、保存動画記憶部236に記憶されていた保存動画を保存動画記憶部236から消去する。より具体的には、SV動画記憶処理部223は、例えば1日のうちで予め設定された時刻になると、保存動画属性情報テーブルLTにおける検知時刻フィールド2363に登録されている検知時刻または受信時刻を参照し、この参照結果、検知時刻フィールド2363に登録されている検知時刻または受信時刻から前記第6時間を経過している場合には、このレコードにおける保存動画ファイル名フィールド2364に登録されている保存動画ファイル名を持つ保存動画の電子ファイルを保存動画記憶部236から消去し、このレコードを保存動画属性情報テーブルLTから削除する。
【0085】
また、上述のように、センサ装置SUから送信されたイベント動画通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV動画記憶処理部223によって、この受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画をSV記憶部23のイベント動画記憶部235に記憶する。そして、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV動画記憶処理部223によって、イベント動画記憶部235に記憶されているイベント動画属性情報テーブルITにレコードを新たに追加し、この追加したレコードにおけるセンサIDフィールド2351、イベントフィールド2352および検知時刻フィールド2353それぞれに、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および検知時刻それぞれを登録し、この追加したレコードにおけるイベント動画ファイル名フィールド2354に、前記受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画のイベント動画ファイル名を登録する。
【0086】
一方、SV動画記憶処理部223は、イベント動画の受信時刻または前記イベント動画に関わるイベントの検知時刻から前記第5時間の経過後に、前記イベント動画をイベント動画記憶部235から消去する。より具体的には、SV動画記憶処理部223は、例えば1日のうちで予め設定された時刻になると、イベント動画属性情報テーブルITにおける検知時刻フィールド2353に登録されている検知時刻または受信時刻を参照し、この参照結果、検知時刻フィールド2353に登録されている検知時刻または受信時刻から前記第5時間を経過している場合には、このレコードにおけるイベント動画ファイル名フィールド2354に登録されているイベント動画ファイル名を持つイベント動画の電子ファイルをイベント動画記憶部235から消去し、このレコードをイベント動画属性情報テーブルITから削除する。
【0087】
このようにイベント動画が管理サーバ装置SVに記憶され、第5時間の経過後に消去され、保存動画が管理サーバ装置SVに記憶され、第6時間の経過後に消去される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態における被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびこれに実装された監視画像保存方法は、イベントを検知した場合に、撮像部11で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として管理サーバ装置SVへ送信する一方で、前記撮像部11で生成された動画を保存動画として第2リングバッファ記憶部162に記憶する。したがって、管理サーバ装置SVで前記イベント動画の保存が可能となり、上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法は、発生時の画像を保存しながら、前記保存動画として失報時の画像も保存できる。したがって、イベント発生後直ちにイベント動画を用いたイベントの検証が可能となり、後日、発覚したイベントに対する保存動画を用いた検証も可能となり、これら両者の検証が効率よく実施できる。
【0089】
上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法は、撮像部11で生成された動画を第1リングバッファ記憶部161に記憶し、この第1リングバッファ記憶部161に記憶された動画から、前記イベント動画を管理サーバ装置SVへ送信する一方、前記保存動画を第2リングバッファ記憶部162に記憶する。このため、上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法は、構成が簡単化され、また、後日、患者等の様子を確認する場合に、前記イベント動画の内容と前記保存動画の内容とを同等の価値で扱うことができる。例えば、エビデンスとして前記イベント動画の内容と前記保存動画の内容とを同等に扱うことができる。また、第1リングバッファ記憶部161がリングバッファであるので、第1時間の動画を記憶する最小の記憶容量のメモリ素子で上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法が構成でき、第1リングバッファ記憶部161に記憶されてから第1時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で撮像部により生成された動画のフレームで上書きされ、自動的に消去できる。
【0090】
上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法は、第2リングバッファ記憶部162がリングバッファであるので、第2時間の動画を記憶する最小の記憶容量のメモリ素子で上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法が構成でき、第2リングバッファ記憶部162に記憶されてから第2時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で記憶される動画のフレームで上書きされ、自動的に消去できる。
【0091】
上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよび監視画像保存方法は、特定の種類のイベントにかかるイベント動画が管理サーバ装置SVで保存することで、管理サーバ装置SVで参照でき、前記残余の種類のイベントにかかる動画は、タグ情報に基づいて保存動画で参照できる。
【0092】
なお、上述の実施形態では、第1リングバッファ記憶部161から第1時間の動画を保存動画として第2リングバッファ記憶部162へ記憶する際に、第1時間の動画は、そのままの画質で記憶されたが、画質を変更してから記憶されても良い。例えば、前記保存動画は、第1時間の動画(例えばイベント動画)の第1画質よりも低い第2画質で第1リングバッファ記憶部161から第2リングバッファ記憶部162へ記憶される。より具体的には、例えば、SU動画記憶処理部145は、第1リングバッファ記憶部161に記憶されている第1時間の動画を、その第1解像度からより低い第2解像度となるように画像処理することによって保存動画を生成し、この第2解像度の保存動画を第2リングバッファ記憶部162に記憶する。一例では、解像度が1920×1080から1280×720へ変更される。あるいは、例えば、SU動画記憶処理部145は、第1リングバッファ記憶部161に記憶されている第1時間の動画を、その第1フレームレートからより低い第2フレームレートとなるように画像処理することによって保存動画を生成し、この第2フレームレートの保存動画を第2リングバッファ記憶部162に記憶する。一例では、フレームレートが30fpsから15fpsへ変更される。これによれば、保存動画が第1時間の動画(例えばイベント動画)の第1画質より低い第2画質であるので、第2リングバッファ記憶部162が、より少ない記憶容量のメモリ素子で構成できる。
【0093】
また、上述の実施形態では、撮像部11で生成された画像から、被監視者Obにおける所定の行動をイベントの一つとして検出したが、これに限定されるものではなく、撮像部11に代え、あるいは、撮像部11に追加して、他のセンサから被監視者Obにおける所定の行動が検出されてもよい。例えば、レーダ(またはアクティブソナー)が撮像部11に代え、あるいは、撮像部11に追加して、用いられても良い。レーダ(またはアクティブソナー)を用いた所定の行動の検出方法は、例えば、WO2018/186042(PCT/JP2018/006492)に開示されている。撮像部11およびレーダ(またはアクティブソナー)が用いられる場合では、例えば、撮像部11での第1検出結果とレーダ(またはアクティブソナー)での第2検出結果とをOR演算によって最終的な検出結果が決定される。なお、撮像部11での第1検出結果とレーダ(またはアクティブソナー)での第2検出結果とが互いに同一で所定時間以内である場合には、1つに統合されても良い。
【0094】
また、上述の実施形態では、イベント動画の時間長と第1リングバッファ記憶部161から第2リングバッファ記憶部162に記憶される保存動画の時間長は、同一の第1時間であるが、異なっても良い。すなわち、第1リングバッファ記憶部161は、上述の実施形態ではイベント動画の時間長と同一の第1時間の動画を記憶できる記憶容量であるが、前記第1時間以上の動画を記憶できる記憶容量であっても良い。また、上述の実施形態では、第1リングバッファ記憶部161に対する記憶処理が一巡した場合に、第1先頭アドレスから第1最終アドレスまでの第1時間の動画が保存動画として第1リングバッファ記憶部161から第2リングバッファ記憶部162に記憶されたが、第1リングバッファ記憶部161の一部の記憶領域に記憶されている動画が順次に第2リングバッファ記憶部162に記憶されても良い。すなわち、第1リングバッファ記憶部161は、前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部11で生成された動画を記憶するリングバッファの記憶部であり、SU動画記憶処理部145は、前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに第1リングバッファ記憶部161(前記リングバッファの記憶部の一例)に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として第2リングバッファ記憶部162(前記動画記憶部の一例)に記憶し、そして、動画送信処理部146は、前記イベントを検知した場合に、第1リングバッファ記憶部161に記憶された前記第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として管理サーバ装置SVへ送信する。好ましくは、前記第3時間は、前記第4時間の複数倍である。一例では、前記第3時間は、10分であり、前記第4時間は、2分である。この例では、第1リングバッファ記憶部161は、10分ごとに一巡し、この10分で一巡している間に、2分ごとに2分の動画が保存動画として第1リングバッファ記憶部161から順次に読み出されて第2リングバッファ記憶部162に順次に記憶される。また、この場合において、時系列で隣接する2個の保存動画間において、所定時間(数フレーム)だけオーバラップがあって良く、前記オーバラップが無くても良い。
【0095】
また、上述の実施形態では、第2リングバッファ記憶部162に対する記憶処理が一巡した場合には、第2リングバッファ記憶部162に記憶されている第2時間の保存動画が保存動画通知通信信号で管理サーバ装置SVへ送信されたが、前記第2時間の保存動画は、管理サーバ装置SVへ送信されずに、第2リングバッファ記憶部162の第2先頭アドレスから順次に上書きされることにより消去されても良い。後日の確認のために必要な日数の記憶容量が第2リングバッファ記憶部162に確保されることで、前記後日の確認に十分対応でき、前記第2時間の保存動画の記憶に、管理サーバ装置SVの記憶容量を確保しなくて済む。
【0096】
また、上述の実施形態では、管理サーバ装置SVは、保存動画を第6時間の経過後に消去したが、保存動画記憶部236が第3先頭アドレスから第3最終アドレスまでのリングバッファで構成され、管理サーバ装置SVは、センサ装置SUから受信した保存動画を前記受信ごとに前記第3先頭アドレスから前記第3最終アドレスまで順次に記憶し、この第3最終アドレスに到達すると、前記第3先頭アドレスに戻って上書きで記憶することで、前記保存動画を順次に消去しても良い。
【0097】
また、上述の実施形態では、前記検知したイベントの種類が特定の種類ではない場合に、タグ情報が付与されたが、前記検知したイベントの種類にかかわらず、全ての種類に対しタグ情報が付与されても良い。
【0098】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0099】
一態様にかかるセンサ装置は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムの前記センサ装置であって、動画を生成する撮像部と、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理部と、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部とを備える。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記イベント動画は、前記イベントを検知した時点より前に前記撮像部で生成された動画(検知前動画)と、前記イベントを検知した時点以後に前記撮像部で生成された動画(検知後動画)とを含む。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記イベントは、複数の種類を含み、前記動画送信処理部は、前記複数の種類のうちの、予め設定された特定の種類のイベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する。好ましくは、前記イベントの種類は、起床、離床、転落、転倒およびナースコールであり、前記特定の種類は、前記転落および前記転倒である。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記動画送信部は、さらに、前記動画記憶部に記憶されている保存動画を前記中央管理装置へ送信する。
【0100】
このようなセンサ装置は、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する一方で、前記撮像部で生成された動画を保存動画として動画記憶部に記憶する。したがって、前記中央管理装置で前記イベント動画の保存が可能となり、上記センサ装置は、発生時の画像を保存しながら、前記保存動画として失報時の画像も保存できる。
【0101】
他の一態様では、上述のセンサ装置において、前記第1時間以上であって前記第2時間未満である所定の第3時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を記憶するリングバッファの記憶部と、前記第3時間以下の所定の第4時間の経過ごとに前記リングバッファの記憶部に記憶された第4時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第4時間の動画を前記保存動画として前記動画記憶部に記憶する動画記憶処理部とをさらに備え、前記動画送信部は、前記イベントを検知した場合に、前記リングバッファの記憶部に記憶された前記第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信する。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記動画送信部は、前記イベントを検知した場合に、前記イベントを検知した時点から前記第1時間より短い所定の第7時間の経過後に、前記リングバッファに記憶された第1時間の動画を読み出し、前記読み出した前記第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信する。
【0102】
このようなセンサ装置は、撮像部で生成された動画をリングバッファの記憶部に記憶し、このリングバッファの記憶部に記憶された動画から、前記イベント動画を中央管理装置へ送信する一方、前記保存動画を動画記憶部に記憶する。このため、前記センサ装置では、構成が簡単化され、また、後日、患者等の様子を確認する場合に、前記イベント動画の内容と前記保存動画の内容とを同等の価値で扱うことができる。また、前記記憶部がリングバッファであるので、前記リングバッファの記憶部に記憶されてから第3時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で撮像部により生成された動画のフレームで上書きされ、自動的に消去できる。
【0103】
他の一態様では、上述のセンサ装置において、前記動画記憶部は、リングバッファである。
【0104】
このようなセンサ装置では、前記動画記憶部がリングバッファであるので、第2時間の動画を記憶する最小の記憶容量のメモリ素子で上記センサ装置が構成でき、前記動画記憶部に記憶されてから第2時間経過後に、最も古く(最も過去に)記憶された動画のフレームが、この時点で記憶される動画のフレームで上書きされ、自動的に消去できる。
【0105】
他の一態様では、上述のセンサ装置において、前記保存動画は、前記イベント動画の第1画質より低い第2画質である。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記保存動画は、前記イベント動画の第1解像度より低い第2解像度である、好ましくは、上述のセンサ装置において、前記保存動画は、前記イベント動画の第1フレームレートより低い第2フレームレートである。
【0106】
このようなセンサ装置は、前記保存動画が前記イベント動画の第1画質より低い第2画質であるので、前記動画記憶部が、より少ない記憶容量のメモリ素子で構成できる。
【0107】
他の一態様では、上述のセンサ装置において、前記イベントは、複数の種類を含み、前記動画送信処理部は、前記複数の種類のうちの、予め設定された特定の種類のイベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画を前記イベント動画として前記中央管理装置へ送信し、前記複数の種類のうちの、前記特定の種類を除く残余の種類のイベントを検知した場合に、前記検知したイベントに関する所定のタグ情報を、前記動画記憶部に記憶されている前記保存動画に関連付けるタグ情報付与処理部をさらに備える。好ましくは、上述のセンサ装置において、前記イベントの種類は、起床、離床、転落、転倒およびナースコールであり、前記特定の種類は、前記転落および前記転倒であり、前記残余の種類は、起床、離床およびナースコールである。
【0108】
このようなセンサ装置では、特定の種類のイベントにかかるイベント動画は、中央管理装置で保存することで、中央管理装置で参照でき、前記残余の種類のイベントにかかる動画は、タグ情報に基づいて保存動画で参照できる。
【0109】
他の一態様にかかる監視画像保存方法は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムの監視画像保存方法であって、動画を生成する撮像工程と、前記イベントを検知した場合に、前記撮像工程で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理工程と、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持つ動画記憶部に前記撮像工程で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶工程とを備える。
【0110】
このような監視画像保存方法は、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する一方で、前記撮像部で生成された動画を保存動画として動画記憶部に記憶する。したがって、前記中央管理装置で前記イベント動画の保存が可能となり、上記監視画像保存方法は、発生時の画像を保存しながら、前記保存動画として失報時の画像も保存できる。
【0111】
他の一態様にかかる被監視者監視支援システムは、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、動画を生成する撮像部と、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する動画送信処理部と、前記第1時間より長い所定の第2時間の動画を記憶する記憶容量を持ち、前記撮像部で生成された動画を保存動画として記憶する動画記憶部とを備える。他の一態様にかかる被監視者監視支援システムは、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受けて前記イベントを管理する中央管理装置、および、前記中央管理装置と通信可能に接続され前記中央管理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、前記センサ装置は、これら上述のいずれかのセンサ装置である。
【0112】
このような被監視者監視支援システムは、前記イベントを検知した場合に、前記撮像部で生成された、前記イベントを検知した時点を含む所定の第1時間の動画をイベント動画として前記中央管理装置へ送信する一方で、前記撮像部で生成された動画を保存動画として動画記憶部に記憶する。したがって、前記中央管理装置で前記イベント動画の保存が可能となり、上記被監視者監視支援システムは、発生時の画像を保存しながら、前記保存動画として失報時の画像も保存できる。
【0113】
他の一態様では、上述の被監視者監視支援システムにおいて、前記中央管理装置は、前記センサ装置から受信した前記イベント動画を記憶するイベント動画記憶部と、前記センサ装置から前記イベント動画を受信した受信時刻または前記イベント動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第5時間の経過後に、前記イベント動画をイベント動画記憶部から消去するイベント動画消去処理部とを備える。
【0114】
このような被監視者監視支援システムは、イベント動画をその受信時刻またはそのイベントの検知時刻から第5時間の経過後に自動的に消去するので、イベント動画を必要な時間だけ記憶でき、イベント動画記憶部の記憶容量を必要最小限にできる。
【0115】
他の一態様では、これら上述の被監視者監視支援システムにおいて、前記動画送信部は、さらに、前記動画記憶部に記憶されている保存動画を前記中央管理装置へ送信し、前記中央管理装置は、前記センサ装置から受信した、前記保存動画を記憶する保存動画記憶部と、前記センサ装置から前記保存動画を受信した受信時刻または前記保存動画に関わるイベントの検知時刻から、前記第2時間より長い所定の第6時間の経過後に、前記保存動画記憶部に記憶されていた保存動画を前記保存動画記憶部から消去する保存動画消去処理部とを備える。
【0116】
このような被監視者監視支援システムは、保存動画を中央管理装置で保存でき、また、この保存動画をその受信時刻またはそのイベントの検知時刻から第6時間の経過後に自動的に消去するので、保存動画を必要な時間だけ記憶でき、保存動画記憶部の記憶容量を必要最小限にできる。
【0117】
この出願は、2018年11月15日に出願された日本国特許出願特願2018-214508を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0118】
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
【0119】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明によれば、被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムのセンサ装置、その監視画像を保存する監視画像保存方法、および、前記被監視者監視支援システムが提供できる。
図1
図2
図3
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図5
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図9