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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/19 20180101AFI20240521BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20240521BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240521BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20240521BHJP
   F21S 45/48 20180101ALI20240521BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240521BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240521BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20240521BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20240521BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20240521BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240521BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20240521BHJP
   B60Q 1/28 20060101ALI20240521BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240521BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240521BHJP
【FI】
F21S41/19
F21S41/143
F21S43/14
F21S43/19
F21S45/48
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21V23/00 150
F21V23/06
F21V23/00 140
F21V19/00 215
F21V31/00
F21V29/77
F21V29/503 100
B60Q1/04 E
B60Q1/28
F21W102:13
F21W103:55
F21W103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021048801
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022022963
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2020113111
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松岡 健二
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149373(JP,A)
【文献】特開2015-056232(JP,A)
【文献】特開2008-243476(JP,A)
【文献】特開2012-084280(JP,A)
【文献】特開2017-168274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 43/00
F21S 45/00
F21V 19/00
F21V 23/00
F21V 31/00
F21V 29/77
F21V 29/503
B60Q 1/04
B60Q 1/28
F21W 102/13
F21W 103/55
F21W 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具に取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられている基板と、
前記基板に電気的に接続されている半導体発光素子と、
前記取付部材および前記基板に取り付けられていて、前記半導体発光素子に電気的に接続されている給電部材と、
前記半導体発光素子の発光を制御する制御回路と、
前記給電部材と前記制御回路とを電気的に接続するコネクタと、
を備え、
前記取付部材、前記基板、前記半導体発光素子および前記給電部材は、一体の構造物であるソケットとして構成されていて、
前記制御回路は、前記ソケットと別個に構成されていて、
前記基板は、
前記半導体発光素子が実装されている第1基板と、
前記給電部材が取り付けられている第2基板と、
を有し、
前記第1基板と前記第2基板とは、電気的に接続されていて、
前記半導体発光素子と前記給電部材とは、前記第1基板および前記第2基板を介して、電気的に接続されていて、
前記取付部材は、放熱部材を有し、
前記放熱部材は、その正面側に設置面を有し、
前記設置面には、凸面部と凹面部が設けられていて、
前記凸面部は、前記凹面部に対して、前記半導体発光素子から光が放射される方向側に突出していて、
前記凸面部の一部は、前記設置面の辺に位置していて、
前記凸面部には、前記第1基板の背面が取り付けられていて、
前記凹面部には、前記第2基板の背面が取り付けられている、
ことを特徴とする車両用灯具の光源ユニット。
【請求項2】
前記第1基板の正面視形状は、矩形形状をなしていて、
前記第2基板の正面視形状は、凹形状をなしていて、
前記凸面部の正面視形状は、T形状をなしていて、
前記凹面部の正面視形状は、前記第2基板の正面視形状と同じように凹形状をなしていて、
前記凸面部のT形状の上端部は、前記設置面の辺に位置していて、
前記第1基板の背面は、前記凸面部のT形状の下端部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項3】
前記半導体発光素子および前記給電部材は、それぞれ、複数個を有し、
複数個の前記半導体発光素子は、前記第1基板に実装されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項4】
前記制御回路は、前記半導体発光素子の順方向電圧が所定の値の場合に動作する動作電圧を有していて、
前記車両用灯具の光源ユニットを複数個設置した場合には、前記制御回路の動作電圧が所定の値を超える、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項5】
前記第1基板または前記第2基板のうち少なくともいずれか一方には、抵抗が実装されていて、
複数個の前記給電部材は、
複数個の前記半導体発光素子に前記抵抗を介して給電する第1ターミナルと、
複数個の前記半導体発光素子に前記抵抗を介さずに給電する第2ターミナルと、
共通のグランドターミナルと、
からなり、
前記コネクタは、
前記第1ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する第1コネクタ、または、前記第2ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する第2コネクタから構成されている、
ことを特徴とする請求項またはに記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項6】
前記車両用灯具の光源ユニットの前記ソケットおよび前記制御回路は、共通の前記ソケットおよび前記制御回路であって、
前記半導体発光素子の順方向電圧が前記制御回路の所定の動作電圧未満の場合においては、前記第1コネクタにより、前記第1ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続し、
前記半導体発光素子の順方向電圧が前記制御回路の所定の動作電圧以上の場合においては、前記第2コネクタにより、前記第2ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項7】
前記制御回路は、ロービームランプユニットおよびハイビームランプユニットを制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項8】
前記第1基板の一部分は、前記設置面の中央部分に位置していて、
複数個の前記半導体発光素子は、前記第1基板の前記一部分に実装されていて、
複数個の前記給電部材は、前記基板の下側縁部分に取り付けられていて、
前記抵抗は、前記第1基板または前記第2基板のうち少なくともいずれか一方の上側縁部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項9】
車両用灯具に取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられている基板と、
前記基板に電気的に接続されている半導体発光素子と、
前記取付部材および前記基板に取り付けられていて、前記半導体発光素子に電気的に接続されている給電部材と、
前記半導体発光素子の発光を制御する制御回路と、
前記給電部材と前記制御回路とを電気的に接続するコネクタと、
を備え、
前記取付部材、前記基板、前記半導体発光素子および前記給電部材は、一体の構造物であるソケットとして構成されていて、
前記制御回路は、前記ソケットと別個に構成されていて、
前記半導体発光素子および前記給電部材は、それぞれ、複数個を有し、
複数個の前記半導体発光素子は、前記基板に実装されていて、
前記基板には、抵抗が実装されていて、
複数個の前記給電部材は、
複数個の前記半導体発光素子に前記抵抗を介して給電する第1ターミナルと、
複数個の前記半導体発光素子に前記抵抗を介さずに給電する第2ターミナルと、
共通のグランドターミナルと、
からなり、
前記コネクタは、
前記第1ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する第1コネクタ、または、前記第2ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する第2コネクタから構成されている、
ことを特徴とする車両用灯具の光源ユニット。
【請求項10】
前記制御回路は、前記半導体発光素子の順方向電圧が所定の値の場合に動作する動作電圧を有していて、
前記車両用灯具の光源ユニットを複数個設置した場合には、前記制御回路の動作電圧が所定の値を超える、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項11】
前記車両用灯具の光源ユニットの前記ソケットおよび前記制御回路は、共通の前記ソケットおよび前記制御回路であって、
前記半導体発光素子の順方向電圧が前記制御回路の所定の動作電圧未満の場合においては、前記第1コネクタにより、前記第1ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続し、
前記半導体発光素子の順方向電圧が前記制御回路の所定の動作電圧以上の場合においては、前記第2コネクタにより、前記第2ターミナルおよび前記グランドターミナルと前記制御回路とを電気的に接続する、
ことを特徴とする請求項9または10に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項12】
前記制御回路は、ロービームランプユニットおよびハイビームランプユニットを制御する、
ことを特徴とする請求項11に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項13】
複数個の前記半導体発光素子は、前記基板の中央部分に実装されていて、
複数個の前記給電部材は、前記基板の下側縁部分に取り付けられていて、
前記抵抗は、前記基板の上側縁部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項から12のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニット。
【請求項14】
灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記の請求項1から13のいずれか1項に記載の車両用灯具の光源ユニットと、
を備え、
前記車両用灯具の光源ユニットのソケットは、半導体発光素子側の部分が前記灯室の内側に配置され、かつ、給電部材側の部分が前記灯室の外側に配置されていて、または、全ての部分が前記灯室の内側に配置されていて、
前記車両用灯具の光源ユニットの制御回路は、前記ソケットと別個に、前記灯室の内側または外側に配置されていて、バッテリに電気的に接続されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子と制御回路とを別個に構成した車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具として、たとえば、特許文献1に示すものがある。以下、特許文献1について説明する。
【0003】
特許文献1の車両用灯具用光源モジュール及び車両用灯具(以下、「特許文献1の光源モジュール」と称する)は、発光素子を第1の基板に設け、駆動回路を第2の基板に設け、第1の基板を第1の筐体に取り付け、第2の基板を第2の筐体に取り付けたものである。
【0004】
特許文献1の光源モジュールは、発光素子側の第1の基板と駆動回路側の第2の基板とを分割し、発光素子を駆動回路の熱から離し、発光素子の発光効率の向上を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-67451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の光源モジュールは、発光素子側の第1の基板と駆動回路側の第2の基板とを分割したものの、発光素子側の第1の基板と駆動回路側の第2の基板とをソケットに一体に組み込んでなるものである。この結果、特許文献1の光源モジュールは、発光素子が駆動回路の熱の影響を受けるので、発光素子の発光効率のさらなる向上が阻害される場合がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、半導体発光素子の発光効率のさらなる向上を図ることができる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車両用灯具の光源ユニットは、車両用灯具に取り付けられる取付部材と、取付部材に取り付けられている基板と、基板に電気的に接続されている半導体発光素子と、取付部材および基板に取り付けられていて、半導体発光素子に電気的に接続されている給電部材と、半導体発光素子の発光を制御する制御回路と、給電部材と制御回路とを電気的に接続するコネクタと、を備え、取付部材、基板、半導体発光素子および給電部材が、一体の構造物であるソケットとして構成されていて、制御回路が、ソケットと別個に構成されている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、半導体発光素子および給電部材は、それぞれ、複数個を有し、複数個の半導体発光素子は、基板に実装されている、ことが好ましい。
【0010】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、制御回路は、半導体発光素子の順方向電圧が所定の値の場合に動作する動作電圧を有していて、車両用灯具の光源ユニットを複数個設置した場合には、制御回路の動作電圧が所定の値を超える、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、基板には、抵抗が実装されていて、複数個の給電部材は、複数個の半導体発光素子に抵抗を介して給電する第1ターミナルと、複数個の半導体発光素子に抵抗を介さずに給電する第2ターミナルと、共通のグランドターミナルと、からなり、コネクタは、第1ターミナルおよびグランドターミナルと制御回路とを電気的に接続する第1コネクタ、または、第2ターミナルおよびグランドターミナルと制御回路とを電気的に接続する第2コネクタから構成されている、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、車両用灯具の光源ユニットのソケットおよび制御回路は、共通のソケットおよび制御回路であって、半導体発光素子の順方向電圧が制御回路の所定の動作電圧未満の場合においては、第1コネクタにより、第1ターミナルおよびグランドターミナルと制御回路とを電気的に接続し、半導体発光素子の順方向電圧が制御回路の所定の動作電圧以上の場合においては、第2コネクタにより、第2ターミナルおよびグランドターミナルと制御回路とを電気的に接続する、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、制御回路は、ロービームランプユニットおよびハイビームランプユニットを制御する、ことが好ましい。
【0014】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、複数個の半導体発光素子は、基板の中央部分に実装されていて、複数個の給電部材は、基板の下側縁部分に取り付けられていて、抵抗は、基板の上側縁部分に設けられている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、半導体発光素子は、取付部材に取り付けられている、ことが好ましい。
【0016】
この発明の車両用灯具の光源ユニットにおいて、基板は、半導体発光素子が実装されている第1基板と、給電部材が取り付けられている第2基板と、を有し、第1基板と第2基板とは、電気的に接続されていて、半導体発光素子と給電部材とは、第1基板および第2基板を介して、電気的に接続されている、ことが好ましい。
【0017】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、この発明の車両用灯具の光源ユニットと、を備え、車両用灯具の光源ユニットのソケットが、半導体発光素子側の部分が灯室の内側に配置され、かつ、給電部材側の部分が灯室の外側に配置されていて、または、全ての部分が灯室の内側に配置されていて、車両用灯具の光源ユニットの制御回路が、ソケットと別個に、灯室の内側または外側に配置されていて、バッテリに電気的に接続されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明の車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具は、半導体発光素子の発光効率のさらなる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態1を示す使用状態の概略縦断面図である。
図2図2は、ソケットを示す正面図(図1におけるII矢視図)である。
図3図3は、第1コネクタを介して第1ターミナルとグランドターミナルとを電気的に接続している状態を示す電気回路図である。
図4図4は、第2コネクタを介して第2ターミナルとグランドターミナルとを電気的に接続している状態を示す電気回路図である。
図5図5は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態2を示す使用状態の概略縦断面図(図1に対応する概略縦断面図)である。
図6図6は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態3を示すソケットの正面図(図2に対応する正面図)である。
図7図7は、ソケットを示す斜視図である。
図8図8は、ソケットを示す分解斜視図である。
図9図9は、コネクタを介して電源ターミナルとグランドターミナルとを電気的に接続している状態を示す電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態(実施例)の3例および変形例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
なお、この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具を車両(図示せず)に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0022】
なお、図面は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の詳細な部分は、図面においては省略されている。また、一部のハッチングが省略されている。
【0023】
(実施形態1の構成の説明)
図1から図4は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用灯具の光源ユニット1(以下、「光源ユニット1」と称する)およびこの実施形態1にかかる車両用灯具100(以下、「車両用灯具100」と称する)の構成について説明する。
【0024】
(車両用灯具100の説明)
車両用灯具100は、この例では、フロントコンビネーションランプである。車両用灯具100は、車両(図示せず)の前部の左右にそれぞれ装備される。図1に示すように、車両用灯具100は、ランプハウジング102およびランプレンズ101と、光源ユニット1と、を備えるものである。
【0025】
ランプハウジング102は、たとえば、光不透過性の樹脂部材から構成されている。ランプハウジング102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。ランプハウジング102の閉塞部には、取付孔103が設けられている。
【0026】
ランプレンズ101は、たとえば、光透過性の樹脂部材やガラス部材から構成されている。ランプレンズ101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。ランプレンズ101の開口部の周縁部と前記ランプハウジング102の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。ランプハウジング102およびランプレンズ101により、灯室104が形成されている。
【0027】
(光源ユニット1の説明)
光源ユニット1は、この例では、デイタイムランニングランプとクリアランスランプとの併用(兼用)の光源ユニット、あるいは、ハイビームランプとロービームランプとの併用の光源ユニットである。ここで、デイタイムランニングランプの光量(光束。ルーメン:lm)は、クリアランスランプの光量よりも大きい。また、ハイビームランプの光量は、ロービームランプの光量よりも大きい。
【0028】
図1から図4に示すように、光源ユニット1は、取付部材2と、基板3と、複数個この例では2個の半導体発光素子LED1、LED2と、複数個この例では3個の給電部材(3本のターミナルT1、T2、T3)と、制御回路4と、コネクタ51または52と、を備えるものである。
【0029】
取付部材2、基板3、2個の半導体発光素子LED1、LED2および3個の給電部材T1、T2、T3は、一体の構造物であるソケットSとして構成されている。制御回路4は、ソケットSと別個にたとえばLDM(LED Driver Module)として構成されている。
【0030】
(取付部材2の説明)
図1および図2に示すように、取付部材2は、ソケットSの本体部分を構成する。取付部材2は、ランプハウジング102の取付孔103の縁にパッキン(Oリ ング)105を介して着脱可能に取り付けられている。
【0031】
取付部材2の大部分は、放熱部材から構成されていて、一端部分側の円筒部分20と、中央部分の鍔部分21と、他端部分側のフィン部分22と、を有する。円筒部分20は、灯室104の内側に配置されている。鍔部分21およびフィン部分22は、灯室104の外側に配置されている。鍔部分21は、ランプハウジング102の取付孔103の縁と共に、パッキン105を挟み込んで灯室104の内側を水密に密封する。
【0032】
(基板3の説明)
図2および図3および図4に示すように、基板3は、この例では、正面視正方形の板形状をなし、セラミック基板から構成されている。基板3は、取付部材2の円筒部分の内側に、直接または金属板を介して取り付けられている。
【0033】
基板3の正面には、複数個この例では2個の半導体発光素子LED1、LED2と、複数個この例では3個の抵抗R1、R2、R3と、複数個この例では2個のコンデンサC1、C2とが、それぞれ、実装されている。また、基板3の正面には、配線パターンが形成されている。
【0034】
(半導体発光素子LED1、LED2の説明)
図2および図3および図4に示すように、2個の半導体発光素子LED1、LED2は、たとえば、LEDチップであって、基板3の正面の中央部分に実装されている。
【0035】
(3個の給電部材T1、T2、T3の説明)
図2および図3および図4に示すように、3個の給電部材T1、T2、T3の一端部分は、取付部材2および基板3に取り付けられていて、2個の半導体発光素子LED1、LED2に、3個の抵抗R1、R2、R3、2個のコンデンサC1、C2および配線パターンを介して、電気的に接続されている。
【0036】
3個の給電部材T1、T2、T3は、第1ターミナルT1と、第2ターミナルT2と、第3ターミナルT3と、からなる。以下、3個の給電部材T1、T2、T3を、3本のターミナルT1、T2、T3と称する。
【0037】
第1ターミナルT1は、後記するように、3個の抵抗R1、R2、R3を介して、2個の半導体発光素子LED1、LED2に給電する。第2ターミナルT2は、後記するように、3個の抵抗R1、R2、R3を介さずに直接、2個の半導体発光素子LED1、LED2に給電する。第3ターミナルT3は、共通のグランドターミナルである。
【0038】
3本のターミナルT1、T2、T3と取付部材2との間には、絶縁部材が介在されていて、3本のターミナルT1、T2、T3と取付部材2とは、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。3本のターミナルT1、T2、T3の他端部分と、取付部材2のフィン部分22の一部分とは、ソケットSのコネクタ部50を形成する。コネクタ部50は、灯室104の外側に配置されている。
【0039】
(制御回路4の説明)
制御回路4は、図1に示すように、ソケットSのコネクタ部50、コネクタ51または52、および、ハーネス61、62を介して、光源ユニット1に、電気的に接続されている。制御回路4は、光源ユニット1に、一定の電流を供給している。制御回路4は、所定の動作電圧(この例では、約7V)以上において、動作し、所定の動作電圧未満では、動作しない。すなわち、制御回路4が、デイタイムランニングランプやクリアランスランプを制御すると共に、ハイビームランプやロービームランプも併せて制御するため、前記の所定の動作電圧の制約が発生する。
【0040】
ここで、前記の光源ユニット1において、1個の半導体発光素子の順方向電圧が3Vの場合、2個の半導体発光素子LED1、LED2では、順方向電圧が6Vとなる。このままでは、制御回路4が動作せず、光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2は、点灯しない。そこで、光源ユニット1において、2個の半導体発光素子LED1、LED2を3個の抵抗R1、R2、R3に接続する必要がある(図3を参照)。一方、車両用灯具100に光源ユニット1を2個以上配置すれば、6V×2=12V以上となるため、2個の半導体発光素子LED1、LED2を3個の抵抗R1、R2、R3に接続する必要がない(図4を参照)。
【0041】
制御回路4は、図1に示すように、灯室104の内側に配置されている。灯室104の内側に配置されている制御回路4は、ハーネス60を介して、バッテリBに電気的に接続されている。バッテリBは、灯室104の外側に配置されている。ハーネス60は、ランプハウジング102に取り付けられているグロメットGを介して、灯室104の内側と外側との間を水密に配線されている。バッテリBは、12Vの電源である。
【0042】
(コネクタ51または52の説明)
図1図3および図4に示すように、コネクタ51または52は、ソケットSのコネクタ部50を介して、3本のターミナルT1、T2、T3と制御回路4とを電気的に接続する。コネクタ51または52とソケットSのコネクタ部50とは、防水構造をなす。
【0043】
コネクタ51または52は、灯室104の外側に配置されているコネクタ部50の3本のターミナルT1、T2、T3と、灯室104の内側に配置されている制御回路4と、をハーネス61、62を介して、電気的に接続する。このハーネス61、62は、前記のハーネス60と同様に、ランプハウジング102に取り付けられているグロメットGを介して、灯室104の内側と外側との間を水密に配線されている。また、ハーネス61、62は、給電側ハーネス61と、グランド側ハーネス62と、からなる。
【0044】
コネクタ51または52は、第1コネクタ51または第2コネクタ52から構成されている。
【0045】
第1コネクタ51は、図3に示すように、給電側ターミナル511と、グランド側ターミナル512と、を有する。給電側ターミナル511は、給電側ハーネス61に接続されていて、第1ターミナルT1に着脱可能に接続されている。グランド側ターミナル512は、グランド側ハーネス62に接続されていて、グランドターミナルT3に着脱可能に接続されている。これにより、第1コネクタ51は、第1ターミナルT1およびグランドターミナルT3と制御回路4とを電気的に接続する。
【0046】
第2コネクタ52は、図4に示すように、給電側ターミナル521と、グランド側ターミナル522と、を有する。給電側ターミナル521は、給電側ハーネス61に接続されていて、第2ターミナルT2に着脱可能に接続されている。グランド側ターミナル522は、グランド側ハーネス62に接続されていて、グランドターミナルT3に着脱可能に接続されている。これにより、第2コネクタ52は、第2ターミナルT2およびグランドターミナルT3と制御回路4とを電気的に接続する。
【0047】
(基板3の電気回路の説明)
図2図3および図4に示すように、基板3には、2個の半導体発光素子LED1、LED2と、3本のターミナルT1、T2、T3と、3個の抵抗R1、R2、R3と、2個のコンデンサC1、C2と、配線パターンと、から構成されている電気回路が、形成されている。
【0048】
2個の半導体発光素子LED1、LED2は、基板3の正面の中央部分に配置されている。3本のターミナルT1、T2、T3は、基板3の下側の縁部分に取り付けられている。3個の抵抗R1、R2、R3は、基板3の上側の縁部分に設けられている。この結果、3本のターミナルT1、T2、T3と3個の抵抗R1、R2、R3とは、基板3において、2個の半導体発光素子LED1、LED2を挟んで上下に配置されている。
【0049】
3個の抵抗R1、R2、R3は、第1ターミナルT1に接続されている。3個の抵抗R1、R2、R3は、第1ターミナルT1とグランドターミナルT3との間の電圧を、第2ターミナルT2とグランドターミナルT3との間の電圧よりも降下(減少)させる。
【0050】
2個のコンデンサC1、C2は、基板3の中央部分よりも下側の部分に設けられている。2個のコンデンサC1、C2は、電源ラインからのノイズにより2個の半導体発光素子LED1、LED2が誤発光するのを防止する。電源ラインは、ハーネス60、61、62などである。
【0051】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0052】
図3に示すように、第1コネクタ51をソケットSのコネクタ部50に着脱可能に取り付ける。すると、第1コネクタ51の給電側ターミナル511とコネクタ部50の第1ターミナルT1とが電気的に接続し、かつ、第1コネクタ51のグランド側ターミナル512とコネクタ部50のグランドターミナルT3とが電気的に接続する。
【0053】
この結果、電流は、制御回路4→給電側ハーネス61→給電側ターミナル511→第1ターミナルT1→3個の抵抗R1、R2、R3→2個の半導体発光素子LED1、LED2→グランドターミナルT3→グランド側ターミナル512→グランド側ハーネス62→制御回路4と、流れる。これにより、2個の半導体発光素子LED1、LED2は、発光する。
【0054】
また、図4に示すように、第2コネクタ52をソケットSのコネクタ部50に着脱可能に取り付ける。すると、第2コネクタ52の給電側ターミナル521とコネクタ部50の第2ターミナルT2とが電気的に接続し、かつ、第2コネクタ52のグランド側ターミナル522とコネクタ部50のグランドターミナルT3とが電気的に接続する。
【0055】
この結果、電流は、制御回路4→給電側ハーネス61→給電側ターミナル521→第2ターミナルT2→2個の半導体発光素子LED1、LED2→グランドターミナルT3→グランド側ターミナル522→グランド側ハーネス62→制御回路4と、流れる。これにより、2個の半導体発光素子LED1、LED2は、発光する。
【0056】
ここで、光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧が制御回路4の動作電圧未満の場合、たとえば、車両用灯具100に光源ユニット1が1個配置されている場合においては、図3に示すように、第1コネクタ51をソケットSのコネクタ部50に接続する。すると、電流が、3個の抵抗R1、R2、R3を介して、2個の半導体発光素子LED1、LED2に供給される。この結果、2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧では所定の動作電圧以下であるが、1個の光源ユニット1の電圧が所定の動作電圧以上となるので、制御回路4が動作して、1個の光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2が発光する。
【0057】
一方、光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧が制御回路4の動作電圧以上の場合、たとえば、車両用灯具100に光源ユニット1が2個配置されている場合は、図4に示すように、第2コネクタ52をソケットSのコネクタ部50に接続する。すると、電流が、3個の抵抗R1、R2、R3を介さずに直接、2個の半導体発光素子LED1、LED2に供給される。この結果、2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧では所定の動作電圧以下であっても、2個の光源ユニット1の電圧が所定の動作電圧以上となるので、制御回路4が動作して、2個以上の光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2がそれぞれ発光する。
【0058】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0059】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、取付部材2、基板3、2個の半導体発光素子LED1、LED2および3本のターミナルT1、T2、T3が、一体の構造物であるソケットSとして構成されていて、一方、制御回路4が、ソケットSと別個に構成されているものである。
【0060】
この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、制御回路4と別個のソケットS側の半導体発光素子LED1、LED2を、制御回路4の熱の影響から遮ることができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2に供給する電流値を大きくすることができ、その分、ランプの明るさを明るくすることができる。たとえば、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2の光量を、特許文献1の光源モジュールと比較して、約20%以上大きくすることができる。このように、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2の発光効率のさらなる向上を図ることができる。
【0061】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケットSの基板3から制御回路4を分離させたものであるから、ソケットSとして、半導体発光素子LED1、LED2の熱を外部に放出するソケットSであれば良いので、ソケットSを小型にすることができる。すなわち、半導体発光素子の熱および制御回路の熱を外部に放出するソケットの場合は、大型化する。特に、半導体発光素子の光量が増加すると、半導体発光素子の熱が高温となり、さらに大型化する傾向にある。これに対して、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2の熱を外部に放出するソケットSであるから、ソケットSの小型化を図ることができる。
【0062】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケットSの基板3から制御回路4を分離させたものであるから、基板3において、部品を取り付ける面積および電気回路を形成する面積を、制御回路4を分離させた分広げることができる。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3に、ターミナルT1、T2、T3を増設して取り付けることができ、かつ、電気回路を増設して形成することができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、1個の光源ユニット1を、ランプ機能が異なる2個のランプに、併用することができる。
【0063】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、制御回路4が、半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧が所定の値の場合に動作する動作電圧を有していて、光源ユニット1を複数個設置した場合には、制御回路4の動作電圧が所定の値を超えるものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、制御回路4として、既存の制御回路を使用することができるので、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0064】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、基板3に増設して取り付けた3本のターミナルT1、T2、T3が、半導体発光素子LED1、LED2に抵抗R1、R2、R3を介して給電する第1ターミナルT1と、半導体発光素子LED1、LED2に抵抗R1、R2、R3を介さずに直接給電する第2ターミナルT2と、共通のグランドターミナルT3と、からなる。また、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、コネクタ51、52が、第1ターミナルT1およびグランドターミナルT3と制御回路4とを接続する第1コネクタ51、または、第2ターミナルT2およびグランドターミナルT3と制御回路4とを接続する第2コネクタ52から構成されている。
【0065】
この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、前記の通り、ソケットSの基板3から制御回路4を分離させたものであるから、基板3を制御回路4の熱の影響から遮ることができるので、半導体発光素子LED1、LED2に供給する電流を大きくすることができ、その分、ランプの明るさを明るくすることができる。
【0066】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧が制御回路4の所定の動作電圧未満の場合、たとえば、車両用灯具100に光源ユニット1が1個配置されている場合においては、図3に示すように、第1コネクタ51をソケットSのコネクタ部50に接続する。すると、電流が、3個の抵抗R1、R2、R3を介して、2個の半導体発光素子LED1、LED2に供給されるので、2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧では所定の動作電圧以下であるが、1個の光源ユニット1の電圧が所定の動作電圧以上となるので、制御回路4が動作して、1個の光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2が発光する。
【0067】
また、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧が制御回路4の所定の動作電圧以上の場合、たとえば、車両用灯具100に光源ユニット1が2個以上配置されている場合においては、図4に示すように、第2コネクタ52をソケットSのコネクタ部50に接続する。すると、電流が、3個の抵抗R1、R2、R3を介さずに直接、2個の半導体発光素子LED1、LED2に供給されるので、2個の半導体発光素子LED1、LED2の順方向電圧では所定の動作電圧以下であっても、2個の光源ユニット1の電圧が所定の動作電圧以上となるので、制御回路4が動作して、2個以上の光源ユニット1の2個の半導体発光素子LED1、LED2がそれぞれ発光する。
【0068】
この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケットSおよび制御回路4を、それぞれ、共通のソケットSおよび制御回路4を使用することができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、製造コストの低減化を図ることができる。
【0069】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、制御回路4がロービームランプユニットおよびハイビームランプユニットを制御するものである。この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、制御回路4を、ロービームランプユニットおよびハイビームランプユニットの制御回路と、兼用することができ、かつ、共通化することができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、製造コストの低減化を図ることができる。
【0070】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2が基板3の中央部分に実装されていて、ターミナルT1、T2、T3が基板3の下側縁部分に取り付けられていて、抵抗R1、R2、R3が基板3の上側縁部分に設けられているものである。すなわち、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、ターミナルT1、T2、T3と抵抗R1、R2、R3とを、半導体発光素子LED1、LED2を挟んで上下に配置されているものである。
【0071】
この結果、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2と、ターミナルT1、T2、T3および抵抗R1、R2、R3との間を、広く開けることができる。これにより、この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2と、ターミナルT1、T2、T3および抵抗R1、R2、R3との間に、複雑な電気回路を形成することができる。
【0072】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、半導体発光素子LED1、LED2が基板3の中央部分に実装されているので、半導体発光素子LED1、LED2を基板3の縁部分に実装した場合と比較して、半導体発光素子LED1、LED2からの光を容易にかつ精度良く制御することができる。半導体発光素子LED1、LED2は、白色光もしくはアンバー色光または白色光とアンバー色光とを放射するものである。
【0073】
この実施形態1にかかる光源ユニット1、車両用灯具100は、抵抗R1、R2、R3が基板3の上側縁部分すなわち半導体発光素子LED1、LED2よりも上側の部分に設けられているものであるから、上昇気流の作用で、半導体発光素子LED1、LED2を抵抗R1、R2、R3の熱の影響から遮ることができ、半導体発光素子LED1、LED2の発光効率の向上を図ることができる。
【0074】
この実施形態1にかかる車両用灯具100は、光源ユニット1のソケットSの鍔部分21およびフィン部分22が灯室104の外側に配置されているので、光源ユニット1の放熱効果が向上される。
【0075】
この実施形態1にかかる車両用灯具100は、制御回路4が灯室104の内側に配置されているので、制御回路4を灯室104の外側環境から保護することができ、制御回路4の性能が向上される。
【0076】
(実施形態2の構成、作用、効果の説明)
図5は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用灯具の光源ユニット1A、車両用灯具100Aの構成、作用、効果について説明する。図中、図1図4と同符号は、同一物を示す。
【0077】
前記の実施形態1にかかる車両用灯具の光源ユニット1、車両用灯具100は、ソケットSの半導体発光素子LED1、LED2側の円筒部分20が灯室104の内側に配置され、かつ、ソケットSのターミナルT1、T2、T3側の鍔部分21およびフィン部分22が灯室104の外側に配置されているものである。これに対して、この実施形態2にかかる車両用灯具の光源ユニット1A、車両用灯具100Aは、ソケットSの全部分が灯室104の内側に配置されているものである。
【0078】
この実施形態2にかかる車両用灯具の光源ユニット1A、車両用灯具100Aは、以上のごとき構成からなるものであるから、前記の実施形態1にかかる車両用灯具の光源ユニット1、車両用灯具100と、同様の作用効果を達成することができる。
【0079】
特に、この実施形態2にかかる車両用灯具100Aは、光源ユニット1AのソケットSの全部分が灯室104の内側に配置されているので、光源ユニット1Aを灯室104の外側環境から保護することができ、光源ユニット1Aの性能が向上される。
【0080】
(実施形態3の構成の説明)
図6から図9は、この発明にかかる車両用灯具の光源ユニットの実施形態3を示す。以下、この実施形態3にかかる車両用灯具の光源ユニット1Bの構成について説明する。図中、図1図5と同符号は、同一物を示す。
【0081】
この実施形態3にかかる車両用灯具の光源ユニット1Bは、図6から図9に示すように、前記の実施形態1、2にかかる車両用灯具の光源ユニット1、1Aと、ほぼ同様に、取付部材2Bと、2枚の基板31、32と、半導体発光素子(発光チップ)LEDと、複数個この例では2個の給電部材すなわち、2本のターミナルT4、T5と、制御回路4と、コネクタ54と、を備えるものである。半導体発光素子LEDは、この例では、多数個の発光チップを有する。2本のターミナルT4、T5は、給電ターミナルT4と、グランドターミナルT5と、からなる。
【0082】
取付部材2B、2枚の基板31、32、半導体発光素子LEDおよび2本のターミナルT4、T5は、一体の構造物であるソケットSBとして構成されている。制御回路4は、ソケットSBと別個にたとえばLDM(LED Driver Module)として構成されている。
【0083】
前記の実施形態1、2にかかる車両用灯具の光源ユニット1、1Aは、1枚の基板3に、半導体発光素子LED1、LED2を実装し、かつ、給電部材のターミナルT1、T2、T3を取り付け、半導体発光素子LED1、LED2とターミナルT1、T2、T3とを、1枚の基板3を介して、相互に電気的に接続したものである。
【0084】
これに対して、この実施形態3にかかる車両用灯具の光源ユニット1Bは、基板を、半導体発光素子LEDが実装されている第1基板としてのサブマウント基板31と、給電部材の2本のターミナルT4、T5が取り付けられている第2基板としての回路基板32との2枚の基板に、分割し、半導体発光素子LEDとターミナルT4、T5とを、2枚の基板31、32を介して、相互に電気的に接続したものである。
【0085】
(サブマウント基板31、回路基板32の説明)
図8に示すように、1枚の基板を2つに分割して、一方の基板を第1基板としてのサブマウント基板31とし、他方の基板を第2基板としての回路基板32とする。サブマウント基板31の正面視形状は、横長の小さな長方形形状をなしていて、回路基板32の正面視形状は、凹形状をなしている。
【0086】
サブマウント基板31の正面(前面)の取付面の上半分には、半導体発光素子(発光チップ)LEDが、取り付けられている(実装されている)。サブマウント基板31の取付面の下側の2つの角部には、2個の接続端子310が、設けられている。半導体発光素子LEDと2個の接続端子310とは、サブマウント基板31の配線を介して相互に電気的に接続されている。これにより、半導体発光素子LEDは、第1基板としてのサブマウント基板31に、実装されていて、かつ、電気的に接続されている。サブマウント基板31の背面(後面)は、取付部材2Bの後記の凸面部240に、接着層242を介して取り付けられている。
【0087】
回路基板32には、2本のターミナルT4、T5、2個の接続端子320および2個のコンデンサC1、C2が、取り付けられている(実装されている)。2本のターミナルT4、T5、2個の接続端子320および2個のコンデンサC1、C2は、回路基板32の配線を介して相互に電気的に接続されている。
【0088】
これにより、2個のコンデンサC1、C2は、第2基板としての回路基板32の下部の中央に、取り付けられていて、かつ、電気的に接続されている。また、2本のターミナルT4、T5は、第2基板としての回路基板32の下部の2個のコンデンサC1、C2の左右両側に、取り付けられていて、かつ、電気的に接続されている。回路基板32の背面(後面)は、取付部材2Bの後記の凹面部241に、接着層243を介して取り付けられている。
【0089】
サブマウント基板31の2個の接続端子310と回路基板32の2個の接続端子320とは、ボンディングワイヤ33により、電気的に接続されている。これにより、半導体発光素子LEDとターミナルT4、T5とは、サブマウント基板31および回路基板32を介して、電気的に接続されている。
【0090】
(取付部材2Bの説明)
取付部材2Bは、図8に示すように、ソケット部材23と、放熱部材(ヒートシンク部材)24と、から構成されている。ソケット部材23は、熱伝導性を有する部材、この例では、樹脂部材から構成されている。放熱部材24は、熱伝導率が高い金属部材や樹脂部材から構成されている。ソケット部材23のフィン溝部と放熱部材24の放熱フィン部とは、熱伝導グリースを介して相互に嵌め込まれて取り付けられている。
【0091】
ソケット部材23は、一端部分側の円筒部分20と、中央部分の鍔部分21と、他端部分側のフィン部分22と、円筒部分20に設けられている取付凸部(バヨネット)25と、を有する。鍔部分21と取付凸部25とは、ランプハウジング102の取付孔103の縁を、パッキン105と共に、挟み込んで灯室104の内側を水密に密封する。
【0092】
ソケット部材23には、2本のターミナルT4、T5が、絶縁状態で取り付けられている。2本のターミナルT4、T5の一端部分と、ソケット部材23の一部分とは、ソケットSBのコネクタ部53を形成する。
【0093】
放熱部材24の正面(前面)の設置面には、凸面部240と凹面部241とが、設けられている。凸面部240の正面視形状は、T形状をなしていて、凹面部241の正面視形状は、回路基板32の正面視形状と同じように凹形状をなしている。
【0094】
凸面部240の下端部には、サブマウント基板31の背面(後面)が、接着層242を介して取り付けられている。これにより、サブマウント基板31の半導体発光素子LEDは、放熱部材24の設置面の中央部分に配置される。凹面部241の全体には、回路基板32の背面(後面)が、接着層243を介して取り付けられている。これにより、2本のターミナルT4、T5および2個のコンデンサC1、C2は、放熱部材24の設置面の下側部分に配置される。
【0095】
2本のターミナルT4、T5の他端部分は、放熱部材24および回路基板32を挿通して、回路基板32加締め付けられている。これにより、回路基板32は、放熱部材24に確実に取り付けられる。
【0096】
(コネクタ54の説明)
コネクタ54は、図9に示すように、ソケットSBのコネクタ部53を介して、2本のターミナルT4、T5と制御回路4とを電気的に接続する。また、コネクタ54は、ハーネス61、62を介して、2本のターミナルT4、T5と制御回路4とを電気的に接続する。
【0097】
コネクタ54は、給電側ターミナル541と、グランド側ターミナル542と、を有する。給電側ターミナル541は、給電側ハーネス61に接続されていて、給電ターミナルT4に着脱可能に接続されている。グランド側ターミナル542は、グランド側ハーネス62に接続されていて、グランドターミナルT5に着脱可能に接続されている。これにより、コネクタ54は、給電ターミナルT4およびグランドターミナルT5と制御回路4とを電気的に接続する。
【0098】
(実施形態3の作用の説明)
この実施形態3にかかる光源ユニット1Bは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0099】
図9に示すように、コネクタ54をソケットSBのコネクタ部53に着脱可能に取り付ける。すると、コネクタ54の給電側ターミナル541とコネクタ部53の給電ターミナルT4とが電気的に接続し、かつ、コネクタ54のグランド側ターミナル542とコネクタ部53のグランドターミナルT5とが電気的に接続する。
【0100】
この結果、電流は、制御回路4→給電側ハーネス61→給電側ターミナル541→給電ターミナルT4→半導体発光素子LED→グランドターミナルT5→グランド側ターミナル542→グランド側ハーネス62→制御回路4と、流れる。これにより、半導体発光素子LEDの多数個の発光チップは、発光する。
【0101】
この実施形態3は、サブマウント基板31に実装されている半導体発光素子LEDは、多数個の発光チップを有するものである。この結果、半導体発光素子LEDの1個の発光チップの順方向電圧が所定の動作電圧以下であっても、電流を抵抗を介さずに直接、半導体発光素子LEDの多数個の発光チップに供給すると、半導体発光素子LEDの多数個の発光チップの順方向電圧が所定の動作電圧以上となる。これにより、制御回路4が動作して、サブマウント基板31に実装されている半導体発光素子LEDの多数個の発光チップが発光する。この時、半導体発光素子LEDの多数個の発光チップは、白色光もしくはアンバー色光または白色光とアンバー色光とを放射するものである。
【0102】
(実施形態3の効果の説明)
この実施形態3にかかる光源ユニット1Bは、以上のごとき構成および作用からなるものであるから、前記の実施形態1にかかる光源ユニット1の効果と同様の効果を達成することができる。
【0103】
特に、この実施形態3にかかる光源ユニット1Bは、1枚の基板を2つに分割して、一方の基板のサブマウント基板31に半導体発光素子LEDを実装し、他方の基板の回路基板32に給電部材のターミナルT4、T5を取り付けたものであるから、放熱効果が向上される。
【0104】
(変形例の説明)
前記の実施形態1、2は、1枚の基板3に半導体発光素子LED1、LED2を実装して電気的に接続した例について説明するものである。また、前記の実施形態3は、2枚に分割した一方のサブマウント基板31に半導体発光素子LEDを実装して電気的に接続した例について説明するものである。以下、前記のような実施形態1から3とは異なる例である変形例について説明する。
【0105】
変形例は、前記の実施形態1、2のように、半導体発光素子LED1、LED2を、1枚の基板3に実装せずに、取付部材(放熱部材)2に、直接取り付けた例である。また、変形例は、前記の実施形態3のように、半導体発光素子LEDを、2枚に分割した一方のサブマウント基板31に実装せずに、取付部材2Bの放熱部材24に、直接取り付けた例である。
【0106】
この変形例の場合においては、前記の実施形態1、2に対して、半導体発光素子LED1、LED2と取付部材(放熱部材)2との間を絶縁部材を介して絶縁し、かつ、半導体発光素子LED1、LED2と取付部材(放熱部材)2に取り付けられている基板3とを電気的に接続する必要がある。また、この変形例の場合においては、前記の実施形態3に対して、半導体発光素子LEDと取付部材2Bの放熱部材24との間を絶縁部材を介して絶縁し、かつ、半導体発光素子LEDと取付部材2Bの放熱部材24に取り付けられている2枚に分割した他方の回路基板32とを電気的に接続する必要がある。
【0107】
この変形例は、半導体発光素子LED1、LED2を取付部材(放熱部材)2に、また、半導体発光素子LEDを取付部材2Bの放熱部材24に、直接取り付けるものであるから、放熱効果が向上される。
【0108】
(実施形態1、2、3および変形例以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2、3においては、光源ユニット1、1A、1B、車両用灯具100、100Aを、クリアランスランプとデイタイムランニングランプとに併用し、または、ロービームランプとハイビームランプとに併用するものである。しかしながら、この発明においては、車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具を、前記の組み合わせのランプ以外の組み合わせのランプにも使用できる。
【0109】
また、前記の実施形態1、2、3においては、制御回路4を灯室104の内側に配置した例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、制御回路4を灯室104の外側に配置したものであっても良い。
【0110】
さらに、前記の実施形態1、2、3においては、1個のソケットS、SBと1個の制御回路4とをコネクタ51または52、54およびハーネス61、62を介して、電気的に接続されている例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、複数個のソケットS、SBと1個の制御回路4とコネクタ51または52、54およびハーネス61、62を介して、電気的に接続されているものであっても良い。
【0111】
なお、この発明は、前記の実施形態1、2、3および変形例により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0112】
1、1A、1B 光源ユニット(車両用灯具の光源ユニット)
2、2B 取付部材
20 円筒部分
21 鍔部分
22 フィン部分
23 ソケット部材
24 放熱部材(ヒートシンク部材)
240 凸面部
241 凹面部
242、243 接着層
25 取付凸部(バヨネット)
3 基板
31 サブマウント基板(第1基板、2枚に分割した一方の基板)
32 回路基板(第2基板、2枚に分割した他方の基板)
4 制御回路(LDM)
50 コネクタ部
51 第1コネクタ
511 給電側ターミナル
512 グランド側ターミナル
52 第2コネクタ
521 給電側ターミナル
522 グランド側ターミナル
53 コネクタ部
54 コネクタ
541 給電側ターミナル
542 グランド側ターミナル
60 ハーネス
61 給電側ハーネス
62 グランド側ハーネス
100、100A 車両用灯具
101 ランプレンズ
102 ランプハウジング
103 取付孔
104 灯室
105 パッキン
B バッテリ
C1、C2 コンデンサ
G グロメット
LED1、LED2 半導体発光素子
LED 半導体発光素子(発光チップ)
R1、R2、R3 抵抗
S、SB ソケット
T1 第1ターミナル(給電部材)
T2 第2ターミナル(給電部材)
T3 グランドターミナル(給電部材)
T4 給電ターミナル(給電部材)
T5 グランドターミナル(給電部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9