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特許7491276燃料注入口を備えている自動車および燃料注入口用のアタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】燃料注入口を備えている自動車および燃料注入口用のアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/04 20060101AFI20240521BHJP
   B60K 8/00 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
B60K15/04 E
B60K15/04 Z
B60K8/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021137084
(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公開番号】P2023031541
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長沼 良明
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-064836(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0116073(US,A1)
【文献】特開2009-070594(JP,A)
【文献】特開2009-070595(JP,A)
【文献】特開2001-105903(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007004590(DE,A1)
【文献】特開2012-149771(JP,A)
【文献】特開2005-294118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04 - 15/05
B60K 8/00
B60S 5/02
B60L 1/00 - 58/40
H01M 8/00 - 8/2495
F17C 1/00 - 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクと、
前記燃料タンクと連結されており、第1燃料供給ノズルが接続される第1燃料注入口と、
前記燃料タンクと連結されており、前記第1燃料供給ノズルよりも内径が小さい第2燃料供給ノズルが接続される第2燃料注入口と、
前記第1燃料注入口と前記第2燃料注入口と前記燃料タンクを連通する三方弁と、
を備えており、
前記三方弁は、前記第1燃料注入口を通じて燃料が供給されているときには前記第2燃料注入口側の流路を閉じ、前記第2燃料注入口を通じて燃料が供給されているときには前記第1燃料注入口側の流路を閉じる、自動車。
【請求項2】
第1燃料供給ノズルが接続可能な燃料注入口と、前記燃料注入口の隣に配置されており前記第1燃料供給ノズルが備えるノズル側通信器と通信する注入口側通信器が備えられている自動車の前記燃料注入口に脱着可能な筒状のアタッチメントであり、
前記燃料注入口に接続される側の開口とは反対側の開口に、前記第1燃料供給ノズルとは内径が異なる第2燃料供給ノズルであって前記ノズル側通信器と同じ通信器を備える第2燃料供給ノズルが接続可能であり、
前記注入口側通信器と、前記第2燃料供給ノズルの前記通信器との間の通信を中継する中継器を備えている、燃料注入口用のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、燃料注入口を備えている自動車と、燃料注入口用のアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、燃料タンクに燃料を供給するための燃料注入口を備えている。燃料電池車も、水素ガスを注入する燃料注入口を備えている(例えば、特許文献1)。燃料電池車の場合、燃料注入口をレセプタクルと称する場合がある。本明細書では、自動車に備えられている開口であって燃料(ガソリン、軽油、水素ガスなど)を注入するための開口を燃料注入口と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-118694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自動車は、燃料注入口を1個のみ備える。将来、燃料補給に要する時間を短縮するため、燃料ステーションには大径の燃料供給ノズルが準備されることが想定される。その場合、大径の燃料供給ノズルを備えた新しい燃料ステーションと、小径の燃料供給ノズルしか備えていない従来の燃料ステーションが混在する。本明細書は、大径の燃料供給ノズルと小径の燃料供給ノズルの両方に対応できる自動車を提供する。また、本明細書は、従来の1個の燃料注入口のみを備える自動車にサイズの合わない燃料供給ノズルを適合させるためのアタッチメントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する自動車は、燃料タンクと、第1燃料供給ノズルが接続される第1燃料注入口と、第1燃料供給ノズルよりも内径が小さい第2燃料供給ノズルが接続される第2燃料注入口を備える。第1燃料注入口と第2燃料注入口は、いずれも、燃料タンクと連結されている。本明細書が開示する自動車は、小径の燃料供給ノズルは第2燃料供給口に接続可能であり、大径の燃料供給ノズルは第1燃料供給口に接続可能である。本明細書が開示する自動車は、大径の燃料供給ノズルと小径の燃料供給ノズルの両方に対応可能である。
【0008】
また、本明細書が開示する自動車は、第1燃料注入口と第2燃料注入口と燃料タンクを連通する三方弁を備えている。三方弁は、第1燃料注入口を通じて燃料が供給されているときには第2燃料注入口側の流路を閉じ、第2燃料注入口を通じて燃料が供給されているときには第1燃料注入口側の流路を閉じるように構成されている。
【0009】
本明細書は、第1燃料供給ノズルが接続可能な燃料注入口と、燃料注入口の隣に配置されており第1燃料供給ノズルが備えるノズル側通信器と通信する注入口側通信器が備えられている自動車にサイズの合わない燃料供給ノズルを適合させるためのアタッチメントも提供する。燃料注入口用のアタッチメントは、自動車の燃料注入口に脱着可能な筒状である。アタッチメントは、燃料注入口側に接続される側の開口とは反対側の開口に、第1燃料供給ノズルとは内径が異なる第2燃料供給ノズルであって第1燃料供給ノズルのノズル側通信器と同じ通信器を備える第2燃料供給ノズルが接続可能である。アタッチメントには、注入口側通信器と、第2燃料供給ノズルの通信器との間の通信を中継する中継器が備えられている。このアタッチメントを用いれば、自動車が有する燃料注入口に適合しない燃料供給ノズルを接続することができる。
【0010】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例の自動車のシャシの平面図である。
図2図1の範囲IIの拡大図である。
図3】三方弁の断面図である(第1燃料注入口側から燃料が供給される場合)。
図4】三方弁の断面図である(第2燃料注入口側から燃料が供給される場合)。
図5】変形例の三方弁の断面図である。
図6】燃料注入口用のアタッチメントの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)図面を参照して実施例の自動車2を説明する。図1に、自動車2のシャシ10の平面図を示す。図中の座標系の+X方向が車の前方に相当し、+Z方向が車の上方に相当する。図1では、自動車2のボディ8は仮想線(2点鎖線)で描いてある。図1ではボディ8の輪郭のみを示してある。自動車2は、燃料電池3で発電し、電気モータ4で走行する。
【0013】
シャシ10のフレームは、一対のサイドメンバ11R、11Lと、一対のサイドメンバ11R、11Lを連結する複数のクロスメンバ12で構成される。燃料電池3、電気モータ4は、シャシ10に固定されている。シャシ10には、バッテリ5も搭載されている。なお、図1では、電気モータ4を示す矩形の中にインバータも含まれている。インバータは、燃料電池3の直流電力を、電気モータ4を駆動する交流電力に変換する。バッテリ5は、燃料電池3の出力を補う。自動車2は、減速時に電気モータ4で発電し、発電で得た電力でバッテリ5が充電される。
【0014】
シャシ10には、燃料タンク6も搭載されている。燃料タンク6は、2本のクロスメンバ12に固定されている。燃料タンク6には、水素ガスが蓄えらえる。良く知られているように、燃料電池3は、水素と酸素(空気中の酸素)を反応させて電力を得る。水素が燃料電池3(自動車2)の燃料に相当する。
【0015】
図1の太線は燃料管を表している。燃料タンク6と燃料電池3は燃料管7dで連結されている。燃料タンク6と三方弁30が燃料管7cで連結されており、三方弁30と第1燃料注入口21が燃料管7aで連結されており、三方弁30と第2燃料注入口22が燃料管7bで連結されている。以下では、第1燃料注入口21と第2燃料注入口22を合わせて単純に燃料注入口21、22と称する場合がある。
【0016】
燃料注入口21、22には、外部の燃料ステーションから延びている燃料供給ノズルが接続される。自動車2は、2タイプの燃料注入口(第1燃料注入口21と第2燃料注入口22)を有している。燃料注入口21、22は、ボディ8に固定されている。燃料注入口21、22は、いずれも、三方弁30を介して燃料タンク6に連結されている。水素ガス(燃料ガス)は、第1燃料注入口21または第2燃料注入口22から、三方弁30を通じて燃料タンク6に供給される。
【0017】
図1にて破線IIで囲んだ範囲の拡大図を図2に示す。図2には、燃料供給装置50(燃料ステーション)と燃料供給ノズル51、52も示してある。図2でも、ボディ8は簡略化して輪郭の一部のみを示してある。先に述べたように、ボディ8に、燃料注入口21、22が固定されている。第1燃料注入口21の隣に注入口側通信器23が配置されており、第2燃料注入口22の隣にも注入口側通信器24が配置されている。注入口側通信器23、24は、自動車2の制御器9に接続されている。図2では、破線が通信線を表している。注入口側通信器23、24については後述する。
【0018】
第1燃料注入口21と第2燃料注入口22は、内径が異なる。第1燃料注入口21と第2燃料注入口22は、外径も異なる。第1燃料注入口21の内径はD1であり、第2燃料注入口22の内径はD2である。第2燃料注入口22の内径(D2)は、第1燃料注入口21の内径(D1)よりも小さい。また、第2燃料注入口22の外径は、第1燃料注入口21の外径よりも小さい。これらは、内径(および外径)の異なる2種類の燃料供給ノズルに対応するためである。
【0019】
図2には、燃料供給装置50が描かれており、燃料供給装置50からは、2種類の燃料供給ノズル51、52が延びている。第1燃料供給ノズル51の内径(燃料が通過する流路の内径)はD1である。また、第1燃料供給ノズル51の開口部の内径は、第1燃料注入口21の外径に等しい。これらの構造により、第1燃料注入口21は第1燃料供給ノズル51を接続することができる。
【0020】
第2燃料供給ノズル52の内径(燃料が通過する流路の内径)はD2である。また、第2燃料供給ノズル52の開口部の内径は、第2燃料注入口22の外径に等しい。これらの構造により、第2燃料注入口22は第2燃料供給ノズル52を接続することができる。
【0021】
第1燃料供給ノズル51は、第2燃料供給ノズル52よりも流路の内径が大きくため、第1燃料供給ノズル51の流量は第2燃料供給ノズル52の流量よりも大きい。すなわち、第1燃料供給ノズル51を用いた方が、第2燃料供給ノズル52を用いるよりも燃料補給に要する時間が短くなる。この利点は、特に、大容量の燃料タンクを搭載した自動車の燃料補給で特に有利になる。燃料タンクが小さくでも燃料補給時間が短くなることは利点である。
【0022】
燃料ステーションによっては、大径の燃料供給ノズル(内径=D1)のみを備えているステーションや、小径の燃料供給ノズル(内径=D2)のみを備えているステーションもある。実施例の自動車2は、大径の燃料供給ノズル(内径=D1)と小径の燃料供給ノズル(内径=D2)のどちらにも対応可能である。
【0023】
燃料供給ノズル(燃料供給装置50)は、自動車2の制御器9と通信可能である場合がある。通信は、燃料供給ノズルが燃料注入口に連結されたことを燃料供給装置50が確認するため、および/または、燃料タンク6の充填量を燃料供給装置50へ伝えるために行われる。燃料供給装置50の側のノズル側通信器53(54)は、第1燃料供給ノズル51(第2燃料供給ノズル52)に備えられている。第1燃料注入口21(第2燃料注入口22)の隣には、注入口側通信器23(24)が配置されている。ノズル側通信器53(54)と注入口側通信器23(24)は、赤外線で通信する。第1燃料供給ノズル51(第2燃料供給ノズル52)が第1燃料注入口21(第2燃料注入口22)に接続されると、ノズル側通信器53(54)と注入口側通信器23(24)が近接対向し、相互に通信可能となる。燃料供給装置50と自動車2の制御器9は、注入口側通信器23とノズル側通信器53(または注入口側通信器24とノズル側通信器54)を介して相互に通信する。
【0024】
通信器は、特にガスの燃料を補給するのに好適である。ガスの燃料の場合、燃料管に逆止弁が備えられているため、燃料タンクに蓄えられている燃料ガスの量が燃料注入口からは不明であるからである。実施例の自動車2は水素ガスを燃料とする燃料電池車であり、燃料タンク6には水素ガスが蓄えられる。燃料注入口21(22)と三方弁30を連結する燃料管7a(7b)には逆止弁25が備えられており、燃料タンク6から燃料注入口21(22)へ燃料ガス(水素ガス)が戻らないようになっている。
【0025】
三方弁30の構造の一例を、図3、4を参照して説明する。図3、4は、三方弁30の断面図である。三方弁30は互いに連通している3個の流路を有している。第1流路31は、燃料管7aを介して第1燃料注入口21に連結されており、第2流路32は、燃料管7bを介して第2燃料注入口22に連結されており、第3流路33は燃料管7cを介して燃料タンク6に連結されている。図3は、第1燃料注入口21から燃料が送られている場合を示している。三方弁30の内部には、第1流路31と第2流路32のどちらかを閉じる揺動弁体34が備えられている。揺動弁体34は、ピボット34aの周りに揺動可能である。第1燃料注入口21(第1流路31)から燃料が供給されると、揺動弁体34は、燃料の圧力に押され、反対側の第2流路32を閉じる。第2流路32が閉じられるので、第1燃料注入口21を通じて燃料が供給されている間、第2燃料注入口22から燃料が漏れることはない。
【0026】
図4は、第2燃料注入口22から燃料が送られている場合を示している。第2燃料注入口22(第2流路32)から燃料が供給されると、揺動弁体34は、燃料の圧力に押され、反対側の第1流路31を閉じる。第1流路31が閉じられるので、第2燃料注入口22を通じて燃料が供給されている間、第1燃料注入口21から燃料が漏れることはない。
【0027】
図5に変形例の三方弁130の断面図を示す。三方弁130の揺動弁体34は、アクチュエータ131によって揺動する。アクチュエータ131は、通信線で制御器9と接続されている。先に述べたように、制御器9は、燃料注入口21、22に備えられた注入口側通信器23、24とも通信可能である。制御器9は、第1燃料注入口21または第2燃料注入口22に燃料供給ノズルが接続されたことを検知することができる。制御器9は、第1燃料注入口21に第1燃料供給ノズル51が接続されたことを検知すると、揺動弁体34が第2流路32を閉じるようにアクチュエータ131を制御する。制御器9は、逆に、第2燃料注入口22に第2燃料供給ノズル52が接続されたことを検知すると、揺動弁体34が第1流路31を閉じるようにアクチュエータ131を制御する。揺動弁体34がアクチュエータ131と制御器9によって動く三方弁130を用いても、燃料供給ノズルが接続されていない燃料注入口から燃料が漏れることを防止することができる。
【0028】
(第2実施例)図6は、自動車2aの部分平面図である。自動車2aは、燃料タンク6と燃料注入口121を有しており、図6は、燃料タンク6の一部と、燃料注入口121の付近の平面を描いてある。
【0029】
自動車2aは、1個の燃料注入口121のみを備える。燃料注入口121の内径はD1であり、第1実施例の自動車2の第1燃料注入口21の内径と同じである。燃料注入口121と燃料タンク6は、燃料管7eで連結されており、燃料管7eには逆止弁25が備えられている。燃料注入口121の内径はD1であり、第1実施例の自動車2の第1燃料注入口21の内径と同じである。燃料注入口121の外径は、第1燃料注入口21の外径と同じである。従って燃料注入口121は、図1の第1燃料供給ノズル51を接続することができる。
【0030】
自動車2aあるいは燃料ステーションには、燃料注入口用のアタッチメント40が備えられている。アタッチメント40は、両端に開口を有する筒である。一方の開口40aが、自動車2aの燃料注入口121に連結することができる。開口40aの内径は、燃料注入口121の内径と同じD1である。他方の開口40bの内径はD2である。他方の開口40bは、第2燃料供給ノズル52(内径D2)を接続することができる構造を有している。
【0031】
アタッチメント40には、通信中継器41が備えられている。通信中継器41には、第1サブ中継器41aと、第2サブ中継器41bが含まれている。図6の右側に、アタッチメント40を燃料注入口121に取り付けた状態を示す。アタッチメント40を燃料注入口121に接続すると、自動車2aの注入口側通信器23とアタッチメント40の通信中継器41の第1サブ中継器41aが対向する。注入口側通信器23と第1サブ中継器41aは赤外線通信タイプであり、近接して対向することで相互に通信が可能になる。
【0032】
アタッチメント40の他方の開口40bに第2燃料供給ノズル52が接続されると、ノズル側通信器54とアタッチメント40の通信中継器41の第2サブ中継器41bが対向する。ノズル側通信器54と第2サブ中継器41bも赤外線通信タイプであり、近接して対向することで相互に通信が可能になる。
【0033】
第1サブ中継器41aは、注入口側通信器23から受けた信号を第2サブ中継器41bへ送る。第2サブ中継器41bは第1サブ中継器41aから受けた信号をノズル側通信器54へ発信する。逆に、第2サブ中継器41bは、ノズル側通信器54から受けた信号を第1サブ中継器41aへ送る。第1サブ中継器41aは第2サブ中継器41bから受けた信号を注入口側通信器23へ発信する。
【0034】
通信中継器41は、燃料注入口121の側の注入口側通信器23とノズル側の通信器54との間の通信を中継する。注入口側通信器23とノズル側の通信器54の間に通信中継器41が位置することで、注入口側通信器23(すなわち自動車2aの制御器9)と通信器54(すなわち燃料供給装置50)が通信可能となる。自動車2aまたは燃料ステーションがアタッチメント40を備えることで、自動車2aは、口径の異なる2種類の燃料供給ノズル(第1燃料供給ノズル51と第2燃料供給ノズル52)のどちらも接続することができるようになる。
【0035】
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。第1燃料注入口21は、大径の第1燃料供給ノズル51が接続できる構造を有している。具体的には、第1燃料注入口21の内径は、第1燃料供給ノズル51の内部の流路の内径と同じであり、第1燃料注入口21の外径は、第1燃料供給ノズル51の開口部の内径と同じでる。第1燃料注入口21の側面には、第1燃料供給ノズル51の内側面に設けられた突起あるいはツメと嵌合する窪みが設けられている。
【0036】
同様に、第2燃料注入口22は、小径の第2燃料供給ノズル52が接続できる構造を有している。第2燃料注入口22の内径は、第2燃料供給ノズル52の内部の流路の内径と同じであり、第2燃料注入口22の外径は、第2燃料供給ノズル52の開口部の内径と同じでる。第2燃料注入口22の側面には、第2燃料供給ノズル52の内側面に設けられた突起あるいはツメと嵌合する窪みが設けられている。
【0037】
アタッチメント40は、燃料注入口121の側の内径が、反対側の内径よりも大きい。すなわち、燃料注入口121は、大径の第1燃料供給ノズル51を接続することできる。アタッチメント40を取り付けた燃料注入口121は、小径の第2燃料供給ノズル52を接続することができるようになる。燃料注入口121は、大流量の燃料を受け入れることが可能に作られているから、小径の第2燃料供給ノズル52を接続して燃料補給を行っても、燃料があふれることはない。
【0038】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0039】
2、2a:自動車 3:燃料電池 4:電気モータ 5:バッテリ 6:燃料タンク 7a-7e:燃料管 8:ボディ 9:制御器 10:シャシ 11L、11R:サイドメンバ 12:クロスメンバ 21、22、121:燃料注入口 23、24:注入口側通信器 53、54:ノズル側通信器 25:逆止弁 30、130:三方弁 31-33:流路 34:揺動弁体 34a:ピボット 40:アタッチメント 40a、40b:開口 41:通信中継器 41a:第1サブ中継器 41b:第2サブ中継器 50:燃料供給装置 51、52:燃料供給ノズル 131:アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6