(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】キー入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20240521BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240521BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20240521BHJP
【FI】
G06F3/02 400
G06F3/01 560
G06F3/0354 443
(21)【出願番号】P 2022067812
(22)【出願日】2022-04-15
(62)【分割の表示】P 2018216595の分割
【原出願日】2018-11-19
【審査請求日】2022-04-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】古澤 光一
(72)【発明者】
【氏名】高盛 智
(72)【発明者】
【氏名】杉原 賢紀
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-053778(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0211736(US,A1)
【文献】国際公開第2017/173386(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
G06F 3/01
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押下操作を受け付ける複数のキースイッチを備えるキー入力装置であって、
前記キースイッチを振動させる振動機構を備え、
前記振動機構は、
前記複数のキースイッチが配設される一の天板と、
前記天板を下方から支持する支持台と、
前記支持台上に、前記天板を振動可能に保持する保持部材と、
前記一の天板を振動させることにより、前記一の天板に配設された前記複数のキースイッチを振動させる、永久磁石及び電磁石を組とする複数の振動部と
を備え、
前記天板及び支持台のうちの一方には、前記永久磁石が配設されており、
前記天板及び支持台のうちの他方には、前記電磁石が配設されており、
前記振動部毎に振動又は停止の制御が可能であり、
前記一の天板に配設された前記複数のキースイッチを振動させる、複数の前記振動部毎の振動の制御により、前記複数のキースイッチが配設された前記位置の天板の、押下操作を受け付けた位置に振動を発生させる
ことを特徴とするキー入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキー入力装置であって、
前記振動部毎の振動の制御として、前記振動部毎に、振幅及び/又は周期を設定した振動パターンにて制御する
ことを特徴とするキー入力装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のキー入力装置であって、
前記振動部の振動は、押下操作の方向に対して、直交する方向への振動である
ことを特徴とするキー入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のキー入力装置であって、
押下操作の方向に対して、直交する方向に複数のキースイッチが配列されたキーボードであり、
押下操作の方向からの視点で長方形状をなし、
前記振動部は、長方形状の長辺方向及び/又は短辺方向に並べて配置されている
ことを特徴とするキー入力装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のキー入力装置であって、
押下操作の方向に対して、直交する方向に複数のキースイッチが配列されたキーボードであり、
押下操作の方向からの視点で長方形状をなし、
前記振動部は、長方形状の各角部に配置されている
ことを特徴とするキー入力装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のキー入力装置であって、
マウスであることを特徴とするキー入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押下操作を受け付けるキースイッチを備えるキー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の電子機器への入力装置として、複数のキースイッチが並べて配設されたキーボード等のキー入力装置が普及している。このようなキーボードに対して、操作者の指の長さ、操作の癖、力のかけ方等の特徴、また、使用用途に応じて、様々な特性を調整する機能が求められている。特に、昨今では、eスポーツと呼ばれるコンピュータゲームに使用するキーボードに対してそのような要求が高まっている。例えば、特許文献1では、キーを押下してからオン状態に切り替わる位置までの長さ、所謂、PT(Pre Travel)の長さを調整可能なキースイッチが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたキースイッチでは、オン状態に切り替わる位置を、操作者は触感にて感得することができないという問題がある。触感による感得ができない場合、例えば、eスポーツ等の即応性が求められる分野で使用する際に、反応の遅れに繋がる可能性がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、例えば、疑似的な触感を操作者に与えることが可能な振動を発生させるキー入力装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願記載のキー入力装置は、押下操作を受け付ける複数のキースイッチを備えるキー入力装置であって、前記キースイッチを振動させる振動機構を備え、前記振動機構は、前記キースイッチが配設される天板と、前記天板を下方から支持する支持台と、前記支持台上に、前記天板を振動可能に保持する保持部材と永久磁石及び電磁石を組とする複数の振動部とを備え、前記天板及び支持台のうちの一方には、前記永久磁石が配設されており、前記天板及び支持台のうちの他方には、前記電磁石が配設されており、前記振動部毎に振動又は停止の制御が可能であり、前記振動部毎の振動の制御により、押下操作を受け付けた位置に振動を発生させることを特徴とする。
【0007】
また、前記キー入力装置において、前記振動部毎の振動の制御として、前記振動部毎に、振幅及び/又は周期を設定した振動パターンにて制御することを特徴とする。
【0008】
また、前記キー入力装置において、前記振動部の振動は、押下操作の方向に対して、直交する方向への振動であることを特徴とする。
【0009】
また、前記キー入力装置において、押下操作の方向に対して、直交する方向に複数のキースイッチが配列されたキーボードであり、押下操作の方向からの視点で長方形状をなし、前記振動部は、長方形状の長辺方向及び/又は短辺方向に並べて配置されている。
【0010】
また、前記キー入力装置において、押下操作の方向に対して、直交する方向に複数のキースイッチが配列されたキーボードであり、押下操作の方向からの視点で長方形状をなし、前記振動部は、長方形状の各角部に配置されていることを特徴とする。
【0011】
更に、本願記載のキー入力装置は、押下操作を受け付けるキースイッチを備えるキー入力装置であって、前記キースイッチを振動させる振動機構を備え、前記振動機構は、前記キースイッチが配設される天板と、前記天板を下方から支持する支持台と、前記支持台上に、前記天板を振動可能に保持する保持部材と永久磁石及び電磁石を組とする振動部とを備え、前記天板及び支持台のうちの一方には、永久磁石が配設されており、前記天板及び支持台のうちの他方には、電磁石が配設されており、前記振動部の振動は、押下操作の方向に対して、直交する方向への振動であることを特徴とする。
【0012】
また、前記キー入力装置において、マウスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るキー入力装置は、キースイッチが配設された天板を振動させることが可能である。これにより、キースイッチの操作者に対し、例えば、回路の開閉状態の切り替わりを触感にて感得させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願記載のキー入力装置を適用したキーボードの外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図2】本願記載のキーボードが備えるキースイッチの特性の一例を示すグラフである。
【
図3】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を示す模式図である。
【
図4】本願記載のキーボードの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】本願記載のキーボードが備える波形決定部の振動記録部に記録された振動パターンの例を示す模式図である。
【
図6】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図ある。
【
図7】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図8】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図9】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図10】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図11】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略拡大図である。
【
図12】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図13】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図14】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図15】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図16】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図17】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図18】本願記載のキーボードが備える保持部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図19】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図20】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図21】本願記載のキーボードが備える保持部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図22】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図23】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図24】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図25】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図26】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図27】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略側面図である。
【
図28】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図29】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略側面図である。
【
図30】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略図である。
【
図31】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図32】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図33】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を模式的に示す概略側面図である。
【
図34】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を示す模式図である。
【
図35】本願記載のキーボードが備える振動機構の一例を示す模式図である。
【
図36】本願記載のキーボードが備える振動機構の配置例を模式的に示す概略図である。
【
図37】本願記載のキーボードが備える振動機構の配置例を模式的に示す概略図である。
【
図38】本願記載のキーボードが備える振動機構の配置例を模式的に示す概略図である。
【
図39】本願記載のキーボードが備える振動機構の配置例を模式的に示す概略図である。
【
図40】本願記載のキーボードが備える振動機構の配置例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<適用例>
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本願記載のキー入力装置は、例えば、コンピュータ等の電子機器へ文字、数字及び記号の他、各種命令等のデータの入力に用いられるキーボード1として用いられる。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本願記載のキー入力装置を適用したキーボード1の外観の一例を示す概略斜視図である。キーボード1には、文字キー、数字キー、その他ファンクションキー等の複数のキースイッチ2が並べて配列されている。また、キーボード1の前面(操作者に相対する側)には、音を出力するスピーカ等の音出力部3が左右に配設されている。そして、キーボード1内には、振動を発生させる振動機構4(
図3等参照)等の各種構成が収容されている。なお、例示したキーボード1は、構造を簡略化して技術内容を容易に認識できることを目的として、同形状のキースイッチ2を並べて配列しているが、実装に際してはこのような形状に限るものではない。例えば、QWERTY配列のキーボード1に適用して、文字キーのみを同形状とし、文字キーの周辺に配置されるスペースキー、エンターキー等の特定の機能を有するキースイッチ2は、文字キーと異なる形状に構成する等、適宜設計することが可能である。また、音出力部3は、前方に限らず、側方、後方、角部等の様々な場所に配設することが可能であり、配設個数についても、適宜設計することが可能である。
【0017】
キーボード1に配設されたキースイッチ2は、操作者の押下により、最上位となる上死点から最下位となる下死点まで押し込み可能である。また、キースイッチ2は、上死点から下死点への移動の過程で、回路の開閉状態がオフ状態からオン状態に切り替わる開閉位置が設定されている。
【0018】
図2は、本願記載のキーボード1が備えるキースイッチ2の特性の一例を示すグラフである。
図2に示すグラフは、キースイッチ2の押下によるストロークを示す移動距離を横軸にとり、押下に要する力となる押下負荷を縦軸にとって、その関係を示している。
図2に示すように、本願記載のキーボード1が備えるキースイッチ2として、移動距離に対し、押下負荷が単調に増加する関係、例えば、比例関係にあり、傾きが一定であるリニアスイッチを使用することが可能である。移動距離に対して押下負荷が単調に増加するリニアスイッチは、開閉状態が切り替わる切替位置で押下負荷の変化が生じないという特性がある。このため、操作者は、リニアスイッチを使用したキースイッチ2を押下した場合、開閉状態がオフ状態からオン状態に切り替わる際の触感、所謂クリック感を、キースイッチ2そのものから感得することができない。本願記載のキーボード1は、振動を発生させる振動機構(
図3等参照)4を備えており、キースイッチ2からは感得できないクリック感を、振動機構4が発生させる振動により疑似クリック感(疑似触感)として発生させる。即ち、キーボード1が備える振動機構4は、操作者に振動を与える触覚技術(tactile feedback technology)を用いた触覚発生アクチュエータとして機能する。
【0019】
次に、本願記載のキーボード1の機能構成の例について説明する。
図3は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を示す模式図である。
図3は、キーボード1内に収容された振動機構4の構成例を模式的な断面図として示している。キーボード1の筐体内には、振動機構4として、支持台40と、電磁石として機能するコイル41と、永久磁石42と、保持部材43と、天板44とが収容されている。収容されている各種構成のうち、コイル41及び永久磁石42は振動発生用のアクチュエータとなる振動部として機能する。なお、本願では、キーボード1の筐体内に別体として支持台40が配設された構成を示しているが、筐体と支持台40とを一体化して構成することも可能である。
【0020】
キースイッチ2は、基板20上に実装されており、基板20は、振動機構4の天板44の上面に、螺子止め等の取付方法で配設されている。即ち、キースイッチ2は、基板20により、天板44の上面に配設されている。天板44は、保持部材43を介して支持台40に支持されている。支持台40の底部を構成する底板400上には、電磁石として機能するコイル41が配設されている。コイル41としては、例えば、水平方向に巻回され内側に垂直方向の磁界を発生させる平面型VCM(Voice Coil Motor)が用いられる。なお、本願において、水平方向とは、支持台40の底面に平行な面を示す説明のための便宜上の方向であり、キーボード1の構成及び配設方向によっては、必ずしも重力方向と直交する方向に一致する訳ではない。
図3(a)では、上方にS極、下方にN極を生じさせる磁界を発生させた例を示しており、
図3(b)では、上方にN極、下方にS極を生じさせる磁界を発生させた例を示している。支持台40に配設されたコイル41の上方には、永久磁石42が下面に配設された天板44が配設されており、永久磁石42が、コイル41に対向するように配置されている。
図3では、キーボード1の前方側(図に向かって左)の下面がN極となり、後方側(図に向かって右)の下面がS極となるように永久磁石42が配置された例を示している。
【0021】
支持台40の側部(
図3の例では前部及び後部)には、底板400上に側板401がそれぞれ立設されており、側板401の上部は、天板44の側方近傍に位置している。側板401には、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、圧縮コイルバネ等の弾性体が架橋されて取り付けられている。そして、支持台40の側板401から天板44の側部にかけて架橋する弾性体を用いた保持部材43により、天板44は、前後に移動可能に保持される。また、前後の側板401には、天板44が振動により接した場合の衝撃を吸収すべくゴム等の緩衝部材45が配設されている。
【0022】
以上のように、操作者から押下操作を受け付けるキースイッチ2は、天板44上に複数配設されており、天板44は、保持部材43により、支持台40上に振動可能に保持されている。天板44の下部には、永久磁石42が配設されており、支持台40に配設された電磁石として用いられるコイル41に対向している。
【0023】
図3(a)に示すように、コイル41の上方にS極が生じるように通電すると、図中矢印で示すように後方へ天板44が移動し、
図3(b)に示すようにコイル41の上方にN極が生じるように通電すると、図中矢印で示すように前方へ天板44が移動する。従って、通電方向の反転を繰り返すことにより、
図3(a)及び
図3(b)に示す状態が繰り返し発生し、天板44が振動する。以上のように、キーボード1が備えるコイル41及び永久磁石42は振動を発生させる振動部(アクチュエータ)として機能する。
【0024】
次に、本願記載のキーボード1の回路構成の例について説明する。
図4は、本願記載のキーボード1の構成の一例を概略的に示すブロック図である。キーボード1は、キースイッチ2の押下操作に伴い各種処理を実行する構成として、前述の音出力部3及び振動機構4の他に、操作検出部5、振動制御部6、音制御部7、波形決定部8等の各種機構を備えている。
【0025】
キースイッチ2が押下されると、キースイッチ2に内蔵された回路の開閉状態が変化、例えば開状態から閉状態に変化する。操作検出部5は、回路の開閉状態の変化を押下操作として検出する。回路の開閉状態の変化は、キースイッチ2の移動に対する機械的な検出、移動により開閉する電気回路の通電状況の変化の検出、更には、キースイッチ2の位置の変化に伴う静電容量、磁界、電界変化の検出等の物理状態の変化により検出される。開閉状態の変化を検出した操作検出部5は、キースイッチ2が押下されたことを示すオン信号を、図中実線矢印で示すように波形決定部8へ出力する。
【0026】
波形決定部8は、ハードウェア回路、ソフトウェアプログラム、ハードウェア及びソフトウェアが協働する回路等として構成されている。波形決定部8は、振動波形を設定するユーザインタフェースとして機能する波形設定部80、各種情報を記録する記録部81、振動を選択する波形選択部82等の構成を備えている。記録部81の記録領域の一部は、振動の設定を記録する設定記録部810、様々な振動パターンを示す複数の振動情報を記録する振動記録部811、及び様々な音パターンを示す複数の音情報を記録する音記録部812として用いられている。
【0027】
図5は、本願記載のキーボード1が備える波形決定部8の振動記録部811に記録された振動パターンの例を示す模式図である。
図5は、振動記録部811に記録されている振動パターンを模式的に示している。振動パターンは、振動波形、電流波形等の波形を示す情報として記録されている。振動記録部811には、このような振動パターンが複数記録されている。コイル41及び永久磁石42を用いた振動機構4は、振動により疑似クリック感を発生させるが、振動パターンにより、操作者が感得する疑似クリック感が異なる。即ち、振動パターンを選択することにより、高級なクリック感、ソフトなクリック感、メカニカルなクリック感等、様々なクリック感を演出することができる。
【0028】
音記録部812に記録された音パターンも同様であり、疑似音となる波形を示す音情報として記録されている。即ち、振動パターンによるクリック感と対応するように、高級なクリック音、ソフトなクリック音、メカニカルなクリック音等、様々なクリック音を演出することができる。本願記載のキーボード1は、操作者のキー操作に基づいて、振動によるクリック感と共に、クリック音を出力することにより、操作者は、触覚及び聴覚からクリック感を感得することができる。
【0029】
図4に戻り、波形決定部8が備える波形設定部80は、操作者から振動パターン及び音パターンの指定を受け付け、又は操作者の設定操作を受け付けたキーボード1或いはキーボード1が接続された電子機器からの命令を受け付け、指定された振動パターン及び音パターンの設定並びに変更処理を実行する。設定された振動パターン及び音パターンの指定は、設定記録部810に記録される。
【0030】
波形選択部82は、設定記録部810に記録されている設定を読み取り、読み取った設定に係る振動パターンを振動記録部811から読み取り、また、読み取った設定に係る音パターンを音記録部812から読み取る。そして、波形選択部82は、操作検出部5からキースイッチ2が押下されたことを示すオン信号を受け付けた場合、図中実線矢印で示すように、読み取った振動パターンを振動制御部6へ出力し、読み取った音パターンを音制御部7へ出力する。
【0031】
振動制御部6は、入力を受け付けた振動パターンに基づいて振動機構4を振動させる。また、音出力部3は、入力を受け付けた音パターンに基づく音を音出力部3から出力させる。
【0032】
なお、振動及び音の制御は適宜設計することが可能であり、上述した例に限るものではない。例えば、図中破線矢印で示すように、操作検出部5は、オン信号を振動制御部6及び音制御部7へ出力し、振動制御部6及び音制御部7が波形選択部82から振動パターン及び音パターンを読み取る等、適宜設計することが可能である。また、振動パターン及び音パターンは1種類に固定しても良く、その場合、波形決定部8は、不要となり、操作検出部5からオン信号が振動制御部6及び音制御部7へ出力されることになる。
【0033】
また、必ずしもキーボード1に波形決定部8の構成を全て備えさせる必要はなく、波形決定部8を構成するハードウェア及び/又はソフトウェアの一部又は全部を、キーボード1が接続されたコンピュータ等の電子機器に備えさせるように適宜設計することが可能である。具体的には、波形決定部8の構成のうち、波形設定部80、振動記録部811及び音記録部812を電子機器側が備えるように構成してもよい。このように構成した場合、操作者は、電子機器を操作して、振動記録部811及び音記録部812に記録されている振動パターン、音パターン等の波形から選択した波形を、電子機器からキーボード1へ出力させる。キーボード1は、入力された波形に基づく振動パターン及び音パターンを記録部81に記録し、振動制御部6及び音制御部7へ出力し、振動制御部6による振動及び音制御部7による音の出力を実行させる。
【0034】
さらに、キーボード1は、音出力部3による音の出力及び振動機構4による振動の発生のいずれか一方のみを実施するように構成してもよく、その場合、音の出力を電子機器が行い、振動の発生をキーボード1がする等、適宜設計することが可能である。
【0035】
以上のように、本願記載のキーボード(キー入力装置)1は、キースイッチ2に対する操作を受け付け、平面型コイルを用いた平面型VCM等の電磁石と、永久磁石42とを有する振動機構4を備え、キースイッチ2に対する操作を受け付けた場合に、振動機構4により振動を発生させる。これにより、操作者は、キー操作に伴うクリック感となる疑似触感を感得することができる。また、本願記載のキーボード1は、振動に伴うクリック音を出力することにより、操作者にクリック感を強く感得させることが可能である。更に、本願記載のキーボード1は、振動パターン及び音パターンを適宜選択することにより、様々なクリック感を演出することが可能となる。
【0036】
次に、振動機構4を様々な形態で構成する実施形態の例について説明する。
【0037】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し、第1実施形態を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0038】
図6及び
図7は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図8は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図である。
図6は、キーボード1の振動機構4を斜め上からの視点で示しており、
図7は、
図6から天板44及び永久磁石42を外した状態を示している。
図8は、振動機構4の構成例を模式的な断面図として示しており、
図8(a)が
図6に示すA-A方向の断面であり、
図8(b)がB-B方向の断面である。
【0039】
第2実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、シャフトタイプの軸状体を用いている。保持部材43となる軸状体は、例えば、断面が円形状のシャフトとして、天板44の左右端付近から前後に向けて軸方向が突出するように形成されている。支持台40の前後に立設された側板401には、保持部材43を挿通可能な挿通孔が開設されており、保持部材43は、支持台40の側板401に開設された挿通孔に移動可能に挿通された状態で、天板44を移動可能に保持している。
【0040】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が軸方向に移動し、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。なお、第2実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、軸状体を支持台40側に形成し、天板44側に挿通孔を開設する等、適宜設計することが可能である。更に、第2実施形態では、保持部材43及び天板44を一体化した構成を例示したが、例示した形態に限らず、保持部材43及び天板44を別体として構成することも可能である。保持部材43及び天板44を別体として構成した場合、例えば、天板44に挿通孔を開設し、シャフトタイプの軸状体を天板44の挿通孔に挿通する構成となる。即ち、振動機構4は、軸状体を用いた保持部材43が、支持台40における側板401の挿通孔、及び天板44の挿通孔を貫通するように構成し、支持台40上で、保持部材43により、天板44を振動可能に保持する等、適宜設計することが可能である。
【0041】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0042】
図9は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図10は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図11は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略拡大図である。
図9(a)は、平面図であり、
図9(b)は、C-C方向の断面であり、
図9(c)は、D-D方向の断面である。
図10は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
図11は、
図9(c)に示した振動機構4の断面のうち前端近傍を拡大して示している。
【0043】
第3実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、ボールベアリングとして使用される球状体を用いている。保持部材43となる球状体は鉄球等の剛体であり、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視略長方形状をなす支持台40の各角部近傍には、それぞれ略球冠状に窪んだ支持台側受部402が形成されており、各支持台側受部402には、保持部材43として球状体が載置され、球状体は、支持台側受部402に対して上方から回転可能に遊嵌している。平面視長方形状をなす天板44の下面の各角部近傍には、それぞれ略球冠状に窪んだ天板側受部440が形成されている。天板44は、支持台40に載置された球状体の上方から、球状体が天板側受部440に遊嵌するように載置されている。保持部材43として用いられる球状体は、支持台40及び天板44の間に介装され、回転可能に遊嵌している。即ち、保持部材43は、天板44を移動可能に保持している。
【0044】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が回転し、天板44は保持部材43に保持された状態で振動する。なお、第3実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、例えば、支持台40の側板401に支持台側受部402を凹設し、天板44の側面における支持台側受部402に対向する位置に天板側受部440を凹設し、球状体を横方向から挟み込むように配置する等、適宜設計することが可能である。
【0045】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0046】
図12は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図13は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図12(a)は、平面図であり、
図12(b)は、E-E方向の断面であり、
図12(c)は、F-F方向の断面である。
図13は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0047】
第4実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、シャフトベアリングとして使用される軸状体を用いている。保持部材43となる軸状体は、円柱状をなす剛体であり、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視略長方形状をなす支持台40の前後の長辺の近傍には、長辺に平行な直線状に窪んだ支持台側受部402が形成されており、各支持台側受部402には、保持部材43として軸状体が載置され、支持台側受部402に対して上方から周方向に回転可能に遊嵌している。平面視長方形状をなす天板44の下面の前後の長辺の近傍には、長辺に平行な直線状に窪んだ天板側受部440が形成されている。天板44は、支持台40に載置された軸状体の上方から、軸状体が天板側受部440に遊嵌するように載置されている。保持部材43として用いられる軸状体は、支持台40及び天板44の間に介装され、周方向に回転可能に遊嵌している。即ち、保持部材43は、天板44を移動可能に保持している。
【0048】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が周方向に回転し、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。なお、第4実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、例えば、支持台40の側板401に支持台側受部402を凹設し、天板44の側面の支持台側受部402に対向する位置に天板側受部440を凹設し、軸状体を横方向から挟み込むように配置する等、適宜設計することが可能である。
【0049】
<第5実施形態>
第5実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0050】
図14は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図15は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図14(a)は、平面図であり、
図14(b)は、G-G方向の断面であり、
図14(c)は、H-H方向の断面である。
図15は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0051】
第5実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、ゴム柱等の弾性体を用いている。保持部材43となる弾性体は、円柱状をなすゴム柱であり、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視長方形状をなす支持台40の各角部近傍には、それぞれ保持部材43として弾性体の下底面が取り付けられている。弾性体の上底面には、天板44の下面が取り付けられている。このように、弾性体は、支持台40上に配設されており、弾性体上に天板44が配設されている。よって、支持台40上の天板44は、保持部材43により、振動可能に保持されている。
【0052】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43である弾性体が撓み、天板44は保持部材43に保持された状態で振動する。なお、第5実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、例えば、各角部以外の位置に弾性体を配置する等、適宜設計することが可能である。
【0053】
<第6実施形態>
第6実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0054】
図16は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図17は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図18は、本願記載のキーボード1が備える保持部材43の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図16(a)は、平面図であり、
図16(b)は、I-I方向の断面であり、
図16(c)は、J-J方向の断面である。
図17は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
図18は、保持部材43を斜め上からの視点で示している。
【0055】
第6実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、ゴム柱等の弾性体を用いている。保持部材43として用いられる弾性体は全体として円柱状をなし、中軸部分に貫通孔が開設された円筒状をなすゴム製の弾性部430と、貫通孔に貫通する金属棒等の剛体で形成された円柱状をなす剛体部431とを備えている。保持部材43となる弾性体は、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視長方形状をなす支持台40の各角部近傍には、それぞれ保持部材43として弾性体の下底面が取り付けられている。弾性体の上底面には、天板44の下面が取り付けられている。弾性部430及び剛体部431は、軸方向の長さが同じであるため、弾性部430及び剛体部431の両方が、保持部材43及び天板44の間に介装され、保持部材43及び天板44に取り付けられている。このように、弾性体は、支持台40上に配設されており、弾性体上に天板44が配設されている。よって、保持部材43は、弾性部430を有する弾性体であるため、支持台40上の天板44は、保持部材43により、水平方向に振動可能に保持されているが、保持部材43の剛体部431に支持台40及び天板44が固定されているため、垂直方向の振動は抑制される。垂直方向の振動が抑制されることにより、例えば、キースイッチ2が押下された場合、コイル41及び永久磁石42間に磁力による引力が発生した場合等の底板400と天板44との間が接近する方向の応力が発生した場合でも、底板400と天板44との間の距離を一定に保つことが可能である。
【0056】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43である弾性体の弾性部430が撓み、天板44は保持部材43に保持された状態で水平方向に振動する。なお、第6実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、例えば、各角部以外の位置に弾性体を配置する等、適宜設計することが可能である。
【0057】
<第7実施形態>
第7実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0058】
図19は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図20は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図21は、本願記載のキーボード1が備える保持部材43の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図19(a)は、平面図であり、
図19(b)は、K-K方向の断面であり、
図19(c)は、L-L方向の断面である。
図20は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
図21は、保持部材43を斜め上からの視点で示している。
【0059】
第7実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、ゴム柱等の弾性体を用いている。保持部材43として用いられる弾性体は全体として四角柱状をなし、長方形の板状をなす金属板等の剛体部431と、剛体部431の両面にそれぞれ貼着された直方体状をなすゴム製の弾性部430とを備えている。天板44は、キーボード1の前後方向に振動するように形成されており、保持部材43は、金属板の両面が振動方向となる前後方向に向かうように配設されている。即ち、弾性体自体は四角柱状をなし、弾性体の剛体部431は、板状をなし、振動方向が面方向となる配設方向で、弾性部430に両面を挟持されて配設されている。保持部材43となる弾性体は、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視長方形状をなす支持台40の各角部近傍には、それぞれ保持部材43として弾性体の下底面が取り付けられている。弾性体の上底面には、天板44の下面が取り付けられている。弾性部430及び剛体部431は、軸方向の長さが同じであり、弾性部430及び剛体部431の両方が、保持部材43及び天板44の間に介装され、保持部材43及び天板44に固定して取り付けられている。このように、弾性体は、支持台40上に配設されており、弾性体上に天板44が配設されている。よって、保持部材43は、弾性部430を有する弾性体であるため、支持台40上の天板44は、保持部材43により、前後方向に振動可能に保持されているが、保持部材43の剛体部431に支持台40及び天板44が接しているため、支持台40と天板44との距離が一定に保たれる。従って、例えば、キースイッチ2が押下された場合、コイル41及び永久磁石42間に磁力による引力が発生した場合等の底板400と天板44との間が接近する方向の応力が発生した場合でも、底板400と天板44との間の距離を一定に保つことが可能である。
【0060】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43である弾性体の弾性部430が撓み、天板44は保持部材43に保持された状態で前後方向に振動する。なお、第7実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、例えば、各角部以外の位置に弾性体を配置する等、適宜設計することが可能である。
【0061】
<第8実施形態>
第8実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0062】
図22は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図23は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図22(a)は、平面図であり、
図22(b)は、M-M方向の断面であり、
図22(c)は、N-N方向の断面である。
図23は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0063】
第8実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、可撓性を有する板バネを用いている。保持部材43となる板バネは、長尺薄板状をなしており、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視略長方形状をなす支持台40の前後の長辺の近傍には、長辺に平行な方向が長手方向となるように、板バネを用いた保持部材43がそれぞれ配設されており、保持部材43上には、天板44が配設されている。保持部材43となる複数の板バネは、振動方向となる前後方向が可撓方向となるように、面側が前後を向くようにして平行に配設されている。即ち、板バネを用いた保持部材43は、長尺状をなす板バネの長手方向が振動方向に直交する左右方向となる向きで、振動方向となる前後方向に並べて複数配設されている。そして、保持部材43は、天板44を前後方向に移動可能に保持している。
【0064】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が面方向に撓み、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。
【0065】
<第9実施形態>
第9実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0066】
図24は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図25は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図24(a)は、平面図であり、
図24(b)は、O-O方向の断面であり、
図24(c)は、P-P方向の断面である。
図25は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0067】
第9実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、可撓性を有する板バネを用いている。保持部材43となる板バネは、長方形の板状をなしており、支持台40の底板400と天板44との間に介装される。平面視長方形状をなす支持台40の各角部近傍には、板バネを用いた保持部材43がそれぞれ配設されており、保持部材43上には、天板44が配設されている。保持部材43となる複数の板バネは、振動方向となる前後方向が可撓方向となるように、面側が前後を向くようにして配設されている。即ち、板バネを用いた保持部材43は、支持台40の四隅に配置されているため、振動方向となる前後方向に複数並べて配設されており、振動方向と直交する左右方向に複数並べて配設されている。そして、保持部材43は、天板44を前後方向に移動可能に保持している。
【0068】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が面方向に撓み、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。なお、第9実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、左右方向に、板バネを3枚並べて配設する等、適宜設計することが可能である。
【0069】
<第10実施形態>
第10実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0070】
図26は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図27は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略側面図である。
図26は、キーボード1の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0071】
第10実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、上方から吊り下げるタイプのリンク機構を用いている。支持台40は、左右の側部が側面視(
図26では右側方からの視点)で略長方形の枠状に形成されており、上側の枠が、天板44より上方に位置する架橋部403となっている。保持部材43は、支持台40の架橋部403から下方の天板44を前後方向に揺動自在に支持するリンク部材として形成されている。リンク部材は、左右前後に4本配設されている。各リンク部材の上端側は、支持台40の架橋部403の側面に形成された揺動軸に軸支され、回転対偶にて揺動自在に支持されている。各リンク部材の下端側は、天板44の左右の側面に形成された揺動軸に軸支され、回転対偶にて天板44を揺動自在に支持している。
【0072】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43を用いたリンク機構が前後に揺動し、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。なお、第10実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、リンク部材を左右3本ずつ形成する等、適宜設計することが可能である。
【0073】
<第11実施形態>
第11実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0074】
図28は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図29は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略側面図である。
図28は、キーボード1の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0075】
第11実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、支持台40に下方から支持されるタイプのリンク機構を用いている。保持部材43は、支持台40の底板400から上方の天板44を前後方向に揺動自在に支持するリンク部材として形成されている。リンク部材は、左右前後に4本配設されている。各リンク部材の下端側は、支持台40の底板400の側面に形成された揺動軸に軸支され、回転対偶にて揺動自在に支持されている。各リンク部材の上端側は、天板44の左右の側面に形成された揺動軸に軸支され、回転対偶にて天板44を揺動自在に支持している。
【0076】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43を用いたリンク機構が前後に揺動し、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。なお、第11実施形態に係る振動機構4は、上述した例に限らず、リンク部材を左右3本ずつ形成する等、適宜設計することが可能である。
【0077】
<第12実施形態>
第12実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0078】
図30は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略図であり、
図31は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図30(a)は、平面図であり、
図30(b)は、Q-Q方向の断面であり、
図30(c)は、R-R方向の断面である。
図31は、天板44及び永久磁石42を外した状態の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0079】
第12実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43として、板リンク機構を用いている。保持部材43となる板リンクは、長尺状をなす板状体である。平面視略長方形状をなす支持台40の前後の長辺の近傍には、長辺に平行な方向が長手方向となるように、板リンクを用いた保持部材43が配設されている。支持台40には、板リンクを用いた保持部材43の下端がそれぞれ支持されており、保持部材43の上端に、天板44が支持されている。保持部材43となる複数の板リンクは、長尺状をなす板リンクの長手方向が振動方向に直交する左右方向となる向きで、振動方向となる前後方向に並べて複数配設されている。そして、支持台40の底板400、前後の保持部材43、及び天板44により、板リンク機構を構成し、保持部材43は、天板44を揺動自在に支持する。
【0080】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43を用いた板リンク機構が前後に揺動し、天板44は保持部材43に保持された状態で前後に振動する。
【0081】
<第13実施形態>
第13実施形態は、第1実施形態において、振動機構4を異なる構成とした形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0082】
図32は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略斜視図であり、
図33は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を模式的に示す概略側面図である。
図32は、キーボード1の振動機構4を斜め上からの視点で示している。
【0083】
第13実施形態に係る振動機構4は、天板44を振動可能に保持する保持部材43が揺動軸となり、支持台40に下方から支持された天板44がシーソーのように揺動する形態である。保持部材43は、支持台40の底板400に形成された揺動軸に軸支される支点部432を有し、支点部432を揺動支点として揺動するように形成されている。保持部材43が備える支点部432の上方には、天板44が支持されており、保持部材43の揺動に伴い天板44も揺動する。即ち、支持台40に支点部432が軸支された保持部材43は、天板44を揺動自在に支持している。
【0084】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、保持部材43が揺動支点に軸支された支点部432を揺動中心として揺動し、天板44は保持部材43に保持された状態で揺動を繰り返して振動する。
【0085】
<第14実施形態>
第14実施形態は、第1実施形態において、永久磁石42を上下から挟むようにコイル41を配設する形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0086】
図34は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を示す模式図である。
図34は、キーボード内に収容された振動機構4の構成例を模式的な断面図として示している。第14実施形態に係る振動機構4は、コイル41として、支持台40の底板400上に固定され永久磁石42の下方に位置する下部コイル(下部電磁石)41aと、永久磁石42の上方に位置する上部コイル(上部電磁石)41bとを備えている。
【0087】
永久磁石42は、天板44の下方に空隙を設け、吊り下げられるようにして天板44に配設されている。上部コイル41bは、支持台40の底板400から立設された上部磁石保持具46により、永久磁石42と、天板44との間の空隙に固定されている。即ち、支持台40に固定された下部コイル41aの上方に、下部コイル41aから間隙を空けて永久磁石42が配設されており、永久磁石42の上方に、永久磁石42から間隙を空けて上部コイル41bが上部磁石保持具46にて固定されている。キースイッチ2が配設された天板44及び永久磁石42は、支持台40に固定された下部コイル41a及び上部コイル41bと分離されており、保持部材43により振動可能に保持されている。
【0088】
下部コイル41a及び上部コイル41bに対しては、永久磁石42に対して作用する力の方向が安定するように、永久磁石42に対する引力又は斥力が同方向となるように通電される。例えば、
図34に例示するように、永久磁石42の前方側(図に向かって左)が、上側がS極、下側がN極となるように配置されている場合、永久磁石42の前方側に対して下部コイル41aの上側がS極となって引力が働き、上部コイル41bの下側がN極となって引力が働くように通電される。また、永久磁石42に対して下部コイル41aから斥力が働くように通電される場合、上部コイル41bからも斥力が働くように通電される。
【0089】
以上のように構成された振動機構4は、下部コイル41a及び上部コイル41bに通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、固定された下部コイル41a及び上部コイル41bの間で、永久磁石42が配設された天板44は保持部材43に保持された状態で振動する。下部コイル41a及び上部コイル41bは、永久磁石42に対して同方向の引力又は斥力が働くように通電されるため、永久磁石42の振動が安定する。永久磁石42の振動が安定することにより、永久磁石42が配設された天板44及びキースイッチ2の振動が安定する。
【0090】
第14実施形態では、第1実施形態に例示した振動機構4において、永久磁石42を上下から挟むように下部コイル41a及び上部コイル41bを配設する形態を示したが、他の実施形態の振動機構4に対しても、永久磁石42を上下から挟むように下部コイル41a及び上部コイル41bを配設する形態に展開することが可能である。
【0091】
<第15実施形態>
第15実施形態は、第1実施形態において、コイル41を上下から挟むように永久磁石42を配設する形態である。以降の説明において、第1実施形態等と同様の構成については、第1実施形態等と同様の符号を付し、第1実施形態等を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
【0092】
図35は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の一例を示す模式図である。
図35は、キーボード内に収容された振動機構4の構成例を模式的な断面図として示している。第15実施形態に係る振動機構4は、永久磁石42として、支持台40の底板400上に固定されコイル41の下方に位置する下部永久磁石42aと、コイル41の上方に位置する上部永久磁石42bとを備えている。
【0093】
コイル41は、板状をなす上下の電磁石保持板47により保持された状態で、天板44の下方に空隙を空けて、天板44から吊り下げられるようにして天板44に配設されている。上部永久磁石42bは、支持台40の底板400から立設された上部磁石保持具46により、コイル41と、天板44との間の空隙に固定されている。即ち、支持台40に固定された下部永久磁石42aの上方に、下部永久磁石42aから間隙を空けてコイル41が配設されており、コイル41の上方に、コイル41から間隙を空けて上部永久磁石42bが上部磁石保持具46にて固定されている。キースイッチ2が配設された天板44及びコイル41は、支持台40に固定された下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bと分離されており、保持部材43により振動可能に保持されている。
【0094】
下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bは、コイル41に対する電磁力の方向が安定するように、コイル41に対する引力又は斥力が同方向となるように配設されている。例えば、
図35に例示するように、下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bの前方側(図に向かって左)は、上側がS極、下側がN極となり、下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bの後方側(図に向かって右)は、上側がN極、下側がS極となるように配設されている。
【0095】
以上のように構成された振動機構4は、コイル41に通電方向の反転を繰り返す交流電流を通電することにより、固定された下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bの間で、コイル41が配設された天板44は保持部材43に保持された状態で振動する。
【0096】
第15実施形態では、第2実施形態に例示した振動機構4において、コイル41を上下から挟むように下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bを配設する形態を示した。このような形態は、他の実施形態の振動機構4に対しても適用可能であり、他の実施形態に対し、永久磁石42を支持台40上に配設すること、また、他の実施形態に対し、コイル41を上下から挟むように下部永久磁石42a及び上部永久磁石42bを配設することが可能である。
【0097】
以上、第2実施形態乃至第15実施形態にて例示したように、振動機構4は、様々な形態に展開することが可能である。
【0098】
<振動機構配置形態>
次に、上述した振動機構4を様々な形態で配置する実施形態の例について説明する。
図36は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の配置例を模式的に示す概略図である。
図36は、キーボード1が備える振動機構4の配置を上方からの視点で示しており、両矢印が振動方向を示している。
図36に示す形態は、平面視長方形状をなすキーボード1の略中央に振動機構4を配置した形態であり、
図36(a)が短辺に平行な方向となる前後方向に振動する形態を示し、
図36(b)が長辺に平行な方向となる左右方向に振動する形態を示している。前述の実施形態では、
図36(a)に例示するように振動機構4が、前後方向に振動する形態を示したが、本願記載のキーボード1は、
図36(b)に例示する様に振動機構4が左右方向に振動するように構成することも可能である。
【0099】
図37は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の配置例を模式的に示す概略図である。
図37は、キーボード1が備える振動機構4の配置を上方からの視点で示しており、両矢印が振動方向を示している。
図37に示す形態は、キーボード1内の左右方向に並べて振動機構4を2つ配置した形態であり、
図37(a)が前後方向に振動する形態を示し、
図37(b)が左右方向に振動する形態を示している。
図37に例示するように、本願記載のキーボード1は、振動機構4を複数配設することも可能である。振動機構4を複数配設する場合、必ずしも振動機構4を構成する支持台40、コイル41、永久磁石42、保持部材43、天板44等の部材をそれぞれ独立して使用する必要はなく、一部の部材については共用することも可能である。例えば、支持台40を複数の振動機構4で共用し、コイル41及び永久磁石42を一組の振動部(アクチュエータ)として構成し、複数の振動機構4間で共用する支持台40上に、アクチュエータとなる振動部をそれぞれ
図37に例示するように配置することも可能である。更に、天板44の上面に配設する基板20は、複数の天板44のそれぞれに配設してもよく、複数の天板44に一つの基板20を配設してもよい等、適宜設計することが可能である。なお、振動機構4を構成する各部材の共用形態は、振動機構4の構成によって、それぞれ異なったものとなる。
【0100】
図38は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の配置例を模式的に示す概略図である。
図38は、キーボード1が備える振動機構4の配置を上方からの視点で示しており、両矢印が振動方向を示している。
図38に示す形態は、キーボード1内の左右方向に並べて振動機構4を3つ配置した形態であり、
図38(a)が前後方向に振動する形態を示し、
図38(b)が左右方向に振動する形態を示している。本願記載のキーボード1は、
図38に例示するように、振動機構4を3以上配設することも可能である。
【0101】
図39は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の配置例を模式的に示す概略図である。
図39は、キーボード1が備える振動機構4の配置を上方からの視点で示しており、両矢印が振動方向を示している。
図39に示す形態は、平面視長方形状をなすキーボード1内の各角部に振動機構4をそれぞれ配置した形態であり、
図39(a)が前後方向に振動する形態を示し、
図39(b)が左右方向に振動する形態を示している。本願記載のキーボード1は、
図39に例示するように、振動機構4を各角部に配設し、また、前後方向及び左右方向に並べて配設することも可能である。
【0102】
図40は、本願記載のキーボード1が備える振動機構4の配置例を模式的に示す説明図である。
図40では、
図36(a)として例示した配置において、各振動機構4を個別に制御する形態を示している。キーボード1は、左右に並べて2つの振動機構4を備えているが、右側の振動機構4のみを振動させ、左側の振動機構4を停止した状態を示している。本願記載のキーボード1は、複数の振動機構(振動部)4を配設した場合、振動機構(振動部)4毎に、振動又は停止の制御を行うことができる。
図40に示す例では、左側の振動機構4を停止して、右側の振動機構4のみを前後に振動させることにより、黒の両矢印で示すように、右側が円弧状に揺動するような振動を発生させることが可能である。キーボード1に振動機構4を複数配設し、それぞれ個別に振動及び停止の制御を行い、更には振幅、周期等の振動パターンも個別に制御することにより、押下されたキースイッチ2に応じた位置に様々な振動を発生させることが可能となる。
【0103】
以上詳述したように、本願記載のキー入力装置は、例えば、キーボード1として提供され、コイル41を用いた電磁石及び永久磁石42にて振動を発生させることにより、キースイッチ2の操作者に対し、例えば、回路の開閉状態の切り替わりをクリック感として感得させる疑似触感を発生させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0104】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術範囲は、請求の範囲によって説明するものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0105】
例えば、前記実施形態では、複数のキースイッチ2が配設されたキーボード1として本願記載のキー入力装置を提供する形態を示したが、本発明は、これに限るものではない。例えば、キースイッチ2が一つの押しボタン、キースイッチ2が数個のマウス、デジタイザその他の入力デバイス等、様々なキー入力装置に適用することが可能である。
【0106】
また、例えば、前記実施形態では、主として、支持台40側に電磁石となるコイル41を配置し、天板44側に永久磁石42を配置する形態を示したが、本発明はこれに限らず、第15実施形態でも示したように、支持台40側に永久磁石42を配置し、天板44側に電磁石となるコイル41を配置する等、適宜、設計することが可能である。
【0107】
更に、第1乃至第15実施形態並びに振動機構配置形態は、それぞれ独立した形態ではなく、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 キーボード(キー入力装置)
2 キースイッチ
3 音出力部
4 振動機構
40 支持台
400 底板
401 側板
402 支持台側受部
403 架橋部
41 コイル(電磁石・振動部;アクチュエータ)
41a 下部コイル(下部電磁石)
41b 上部コイル(上部電磁石)
42 永久磁石(振動部:アクチュエータ)
42a 下部永久磁石
42b 上部永久磁石
43 保持部材
430 弾性部
431 剛体部
432 支点部
44 天板
440 天板側受部
45 緩衝部材
5 操作検出部
6 振動制御部
7 音制御部