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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
H02M3/00 W
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022188760
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2019090043の分割
【原出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2023011026
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】竹本 大輝
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181943(JP,A)
【文献】特開2018-157737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧系統と補機系統との間に設けられた第1のDCDCコンバータから前記補機系統への第1出力電流を検知する第1検知部と、
前記高圧系統と前記補機系統との間に設けられた第2のDCDCコンバータから前記補機系統への第2出力電流を検知する第2検知部と、
前記補機系統に接続された補機電池からの第3出力電流を検知する第3検知部と、
前記第1検知部、前記第2検知部及び前記第3検知部による出力電流の検知結果に基づいて前記第2のDCDCコンバータの出力を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記第1出力電流、前記第2出力電流及び前記第3出力電流の和である負荷電流値に、0よりも大きく1よりも小さい係数αを乗じて求めた、前記第2のDCDCコンバータの目標電流値を前記第2のDCDCコンバータへ送信する給電装置。
【請求項2】
高圧系統と補機系統との間に設けられた第1のDCDCコンバータから前記補機系統への第1出力電流を検知する第1検知部と、
前記高圧系統と前記補機系統との間に設けられた第2のDCDCコンバータから前記補機系統への第2出力電流を検知する第2検知部と、
前記補機系統に接続された補機電池からの第3出力電流を検知する第3検知部と、
前記第1検知部、前記第2検知部及び前記第3検知部による出力電流の検知結果に基づいて前記第2のDCDCコンバータの出力を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記第1出力電流、前記第2出力電流及び前記第3出力電流の和である負荷電流値が第1のDCDCコンバータの最大電流値よりも小さい閾値電流以下の場合は、前記第2のDCDCコンバータの目標電流値として0を前記第2のDCDCコンバータへ送信し、前記負荷電流値が前記閾値電流を超える場合は、前記負荷電流値から前記閾値電流を減算し、0よりも大きく1よりも小さい係数βを乗じて求めた値を、前記目標電流値として前記第2のDCDCコンバータへ送信する給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数並列に接続されたDCDCコンバータによって所定の電力供給対象に電力を供給すべく、DCDCコンバータの出力電圧を目標電圧に制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-090517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のDCDCコンバータを並列に接続してそれぞれの出力電圧を目標電圧に制御する場合、図7に示すように、出力電圧が高い第1のDCDCコンバータから優先的に電流を出力させる制御になる。そして、第1のDCDCコンバータの出力が最大値に達した後も補機系統の負荷が更に増加した場合、補機系統の電圧が目標値を下回ったことを検知したことを契機として、第2のDCDCコンバータに対する電圧指示値を増加させて補機系統の電圧を回復させる制御になる。
【0005】
このように、複数のDCDCコンバータを並列に接続してそれぞれの出力電圧を目標電圧に制御する場合、図7に「電圧低下」と表記して示す領域において、補機系統の電圧の一時的な低下が生ずることがあり、これに伴い、補機系統の負荷であるランプの明るさが一時的に低下したり、ワイパの払拭速度が一時的に低下するなどの不具合が生ずることがあった。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、補機系統の電圧が変動することを抑制できる給電装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る給電装置は、高圧系統と補機系統との間に設けられた第1のDCDCコンバータからの第1出力電流を検知する第1検知部と、前記高圧系統と前記補機系統との間に設けられた第2のDCDCコンバータからの第2出力電流を検知する第2検知部と、前記補機系統に接続された補機電池からの第3出力電流を検知する第3検知部と、前記第1検知部、前記第2検知部及び前記第3検知部による出力電流の検知結果に基づいて前記第2のDCDCコンバータの出力を制御する制御部と、を含んでいる。
【0008】
第1の態様では、第1のDCDCコンバータからの第1出力電流の検知結果、第2のDCDCコンバータからの第2出力電流の検知結果、及び、補機電池からの第3出力電流の検知結果に基づいて第2のDCDCコンバータの出力を制御する。これにより、補機系統の負荷の変動に伴って補機系統の電圧が変動するよりも前の段階で、出力電流の検知結果に基づいて第2のDCDCコンバータの出力を制御することができるので、補機系統の電圧が変動することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、補機系統の電圧が変動することを抑制できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る給電装置の概略構成図である。
図2】第1実施形態における制御フローを示すブロック図である。
図3】第1実施形態における各DDCの出力電流の関係を示す線図である。
図4】第2実施形態における制御フローを示すブロック図である。
図5】第2実施形態における各DDCの出力電流の関係を示す線図である。
図6】給電装置の他の構成を示す概略構成図である。
図7】従来技術における各DDCの出力電流の関係を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1に示す給電装置10は、車両に搭載されており、当該車両は、車両を走行させるモータとして動作したり発電機として動作する図示しないモータ・ジェネレータ(以下「MG」という)、高圧バッテリ12、及び、高圧バッテリ12よりも低電圧の補機バッテリ14が各々搭載されている。なお、車両はHV(Hybrid Vehicle)でもよいしEV(Electric Vehicle)でもよい。
【0013】
高圧バッテリ12は図示しないパワー・コントロール・ユニット(以下「PCU」という)に接続されており、PCUにはMGが接続されている。PCUは、交流電力の直流電力への変換及び直流電力の交流電力への変換が可能なインバータを含んでいる。MGがモータとして動作する場合には、高圧バッテリ12からPCUを経由してMGへ電力が供給され、MGが発電機として動作する場合には、MGで発電された電力がPCUを経由して高圧バッテリ12に供給されることで、高圧バッテリ12が充電される。
【0014】
給電装置10は、第1DCDCコンバータ(以下、DCDCコンバータを「DDC」という)16、第2DDC18及び制御部38を含んでいる。第1DDC16及び第2DDC18の高圧側は並列に接続されており、電気配線20、22を介して高圧バッテリ12に接続されている。高圧バッテリ12及び電気配線20、22は車両の高圧系統24を形成している。
【0015】
また、第1DDC16及び第2DDC18の低圧側は並列に接続されており、電気配線26を介して補機バッテリ14及び補機系統負荷28が各々接続されている。補機系統負荷28の一例は、高圧バッテリ12に送風して冷却するファン、PCUのインバータに冷却水を供給するウォータポンプ、ランプなどの照明機器、ワイパモータを含む各種のアクチュエータなどである。補機バッテリ14、補機系統負荷28及び電気配線26は車両の補機系統30を形成している。
【0016】
なお、本実施形態において、第1DDC16は車両の設計当初より設けられていたDDCであり、第2DDC18は第1DDC16の出力を補うために追加設置されたDDCである。第1DDC16の低圧側には、第1DDC16の出力電流を検知する第1電流センサ32が追加設置されている。第1電流センサ32は第2DDC18と信号線で接続されている。一方、第2DDC18には、第2DDC18の低圧側の出力電流を検知する第2電流センサ34が内蔵されている。また、補機バッテリ14と電気配線26との間には、補機バッテリ14の出力電流を検知する第3電流センサ36が設けられている。
【0017】
なお、第1電流センサ32は第1検知部の一例であり、第2電流センサ34は第2検知部の一例であり、第3電流センサ36は第3検知部の一例である。また、図示は省略するが、第1DDC16には、第1DDC16の低圧側の出力電圧を検知する電圧センサが内蔵されており、第2DDC18には、第2DDC18の低圧側の出力電圧を検知する電圧センサが内蔵されている。
【0018】
また、制御部38は、CPU(Central Processing Unit)40、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ42、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部44及び通信I/F(Inter Face)46を含んでいる。CPU40、メモリ42、記憶部44及び通信I/F46は内部バス48を介して互いに接続されている。
【0019】
制御部38は第1DDC16、第2DDC18及び第3電流センサ36と信号線を介して各々接続されている。本実施形態において、制御部38は、第1電流センサ32による第1DDC16の出力電流の検知結果及び第2電流センサ34による第2DDC18の出力電流の検知結果を第2DDC18から受信し、第3電流センサ36による補機バッテリ14の出力電流の検知結果を第3電流センサ36から直接受信する。
【0020】
次に本第1実施形態の作用を説明する。制御部38は、補機バッテリ14の温度や同一の車両に搭載された他のECU(Electronic Control Unit)からの要求などに基づいて、第1DDC16の目標電圧値を決定し、決定した目標電圧値を第1DDC16へ送信する。第1DDC16は、制御部38から受信した目標電圧値に対する、第1DDC16に内蔵された電圧センサによって検出された第1DDC16の出力電圧の検知結果の差に基づいて、第1DDC16に内蔵されたスイッチング素子のオンオフのデューティ比を制御することで、第1DDC16の出力電圧を制御する。
【0021】
一方、制御部38は、第2DDC18に対して以下の制御を行う。すなわち、図2に示すように、制御部38は、第1電流センサ32によって検知された第1DDC16の出力電流値及び第2電流センサ34によって検知された第2DDC18の出力電流値を第2DDC18から取得すると共に、第3電流センサ36によって検知された補機バッテリ14の出力電流値を第3電流センサ36から取得する。
【0022】
次に、制御部38は、図2に加算部50として示すように、第1DDC16の出力電流値、第2DDC18の出力電流値及び補機バッテリ14の出力電流値の和を負荷電流値として演算する。
【0023】
続いて、制御部38は、図2に乗算部52として示すように、負荷電流値に所定の係数αを乗算する。なお、係数αは0よりも大きく1よりも小さい値であり、一例としては、第2DDC18の最大電流値を、第1DDC16の最大電流値と第2DDC18の最大電流値との和で除算した値を用いることができる。
【0024】
そして、制御部38は、図2に示すように、負荷電流値に係数αを乗じた値を、第2DDC18の目標電流値として第2DDC18へ送信する。
【0025】
第2DDC18は、図2に減算部60として示すように、第2電流センサ34によって検知された第2DDC18の出力電流値と、制御部38から受信した第2DDC18の目標電流値と、の差を電流値偏差として演算する。次に、第2DDC18は、図2にDUTY変換部62として示すように、電流値偏差をデューティ比(第1のデューティ比)へ変換する。
【0026】
続いて、第2DDC18は、図2に減算部64として示すように、第1のデューティ比と、図2に示すPID演算部66から保護機能部68を経由して出力される第2のデューティ比と、の偏差を演算する。また、第2DDC18は、PID演算部66として示すように、デューティ比の偏差に基づきPID制御(Proportional Integral Differential Controller)を行うことでデューティ比の操作量(第2のデューティ比)を演算する。
【0027】
また、第2DDC18は、第2DDC18の出力電圧値が電圧上限値を超えた場合及び第2DDC18の出力電流値が電流上限値を越えた場合にデューティ比を制限する保護機能処理(保護機能部68)を行う。そして第2DDC18は、保護機能処理を経て得られたデューティ比に基づいて、第2DDC18に内蔵されたスイッチング素子のオンオフのデューティ比を制御することで、第2DDC18の出力電流を制御する。これにより、第1のデューティ比と第2のデューティ比との偏差が0になるように出力電流のフィードバック制御が行われる。
【0028】
上述した制御により得られる、第1DDC16の出力電流と第2DDC18の出力電流との関係を図3に示す。図3に示すように、第1実施形態では、第2DDC18の出力電流が、第1DDC16の出力電流値、第2DDC18の出力電流値及び補機バッテリ14の出力電流値の和である負荷電流値に比例するように、第2DDC18の出力が制御される。
【0029】
第1実施形態に係る給電装置10は、高圧系統24と補機系統30との間に設けられた第1DDC16からの出力電流を第1電流センサ32が検知し、高圧系統24と補機系統30との間に設けられた第2DDC18からの出力電流を第2電流センサ34が検知する。また、補機系統30に接続された補機バッテリ14からの出力電流を第3電流センサ36が検知し、制御部38は、第1電流センサ32、第2電流センサ34及び第3電流センサ36による出力電流の検知結果に基づいて第2DDC18の出力を制御する。これにより、補機系統負荷28の変動に伴って補機系統30の電圧が変動するよりも前の段階で、出力電流の検知結果に基づいて第2DDC18の出力を制御することができるので、補機系統30の電圧が変動することを抑制することができる。
【0030】
また、第1実施形態において、制御部38は、第1DDC16の出力が最大値に達するよりも前の段階で第2DDC18から電流が出力されるように、第2DDC18の出力を制御する。これにより、第1DDC16の出力が最大値に達した後に補機系統の負荷が変動したことに起因して補機系統30の電圧が変動することを回避することができる。
【0031】
また、第1実施形態において、制御部38は、第2DDC18からの出力電流の大きさが、第1DDC16からの出力電流、第2DDC18からの出力電流及び補機バッテリ14からの出力電流の和である負荷電流値に比例するように、第2DDC18の出力を制御する。これにより、全ての負荷領域に亘って第1DDC16及び第2DDC18から一定の割合で電流が出力されることになり、第1DDC16及び第2DDC18を均等に動作させることができるので、第1DDC16の発熱量と第2DDC18の発熱量との差を小さくすることができる。
【0032】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略する。
【0033】
第2実施形態において、制御部38は、第2DDC18に対して以下の制御を行う。すなわち、図4に示すように、制御部38は、第1電流センサ32によって検知された第1DDC16の出力電流値及び第2電流センサ34によって検知された第2DDC18の出力電流値を第2DDC18から取得すると共に、第3電流センサ36によって検知された補機バッテリ14の出力電流値を第3電流センサ36から取得する。
【0034】
次に、制御部38は、図4に加算部50として示すように、第1DDC16の出力電流値、第2DDC18の出力電流値及び補機バッテリ14の出力電流値の和を負荷電流値として演算する。
【0035】
次に、制御部38は、図4に減算部54として示すように、負荷電流値から閾値電流Athを減算し、図4に乗算部56として示すように、負荷電流値から閾値電流Athを減算した電流値に所定の係数βを乗算する。なお、係数βは0よりも大きく1よりも小さい値であり、一例としては、第2DDC18の最大電流値を、第1DDC16の最大電流値と第2DDC18の最大電流値との和で除算した値を用いることができる。また、閾値電流Athは第1DDC16の最大電流値よりも小さい値である。
【0036】
そして、制御部38は、図4に切替部58として示すように、負荷電流値が閾値電流Ath以下の場合は、第2DDC18の目標電流値として第2DDC18へ0を送信し、負荷電流値が閾値電流Athを超える場合は、第2DDC18の目標電流値として、負荷電流値から閾値電流Athを減算した電流値に所定の係数βを乗算した値を第2DDC18へ送信する。なお、第2DDC18の動作は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0037】
上述した制御により得られる、第1DDC16の出力電流と第2DDC18の出力電流との関係を図5に示す。図5に示すように、第2実施形態では、負荷電流値が閾値電流Ath以下の負荷領域においては、第2DDC18の出力電流が0になり、負荷電流値が閾値電流Athを超える負荷領域においては、負荷電流値から閾値電流Athを減算した値に比例するように、第2DDC18の出力が制御される。
【0038】
これにより、負荷電流値が閾値電流Ath以下の第1の負荷領域では第1DDC16のみから電流が出力され、負荷電流値が閾値電流Athを超える第2の負荷領域では第1DDC16及び第2DDC18から電流が出力されることになる。従って、例えば第1DDC16の方が第2DDC18よりも効率が高いなどの場合に、補機系統30の電圧が変動することを抑制しつつ、第1DDC16を優先的に動作させることができる。
【0039】
すなわち、第1DDC16は、車両の設計当初より設けられているDDCであり、冷却方式として水冷が採用されることが多い。一方、第2DDC18は、追加設置されたDDCであるので、冷却方式として空冷が採用されることが多く、また、車両毎の専用設計ではない汎用のDDCが採用されることがあるため、これらの場合、第1DDC16よりも効率が低くなる。これに対して第2実施形態では、負荷電流値が閾値電流Ath以下の低負荷領域において、効率の低い第2DDC18の出力を0としているので、低負荷領域における給電装置10の効率を向上させることができる。
【0040】
また、第2実施形態においても、負荷電流値が閾値電流Athを超える高負荷領域において、制御部38は、第1DDC16の出力が最大値に達するよりも前の段階で第2DDC18から電流が出力されるように、第2DDC18の出力を制御する。これにより、第1DDC16の出力が最大値に達した後に補機系統の負荷が変動したことに起因して補機系統30の電圧が変動することを回避することができる。
【0041】
なお、上記では、図3及び図5に示すように、第2DDC18の最大出力電流が第1DDC16の最大出力電流よりも小さい場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2DDC18の最大出力電流は第1DDC16の最大出力電流と同じでもよいし、第2DDC18の最大出力電流が第1DDC16の最大出力電流よりも大きくてもよい。
【0042】
また、上記では第1電流センサ32が第1DDC16の低圧側に追加設置され、第1電流センサ32による第1DDC16の低圧側の出力電流の検知結果が、第2DDC18を経由して制御部38に出力される態様を説明した。しかし、これに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、第1電流センサ32が第1DDC16に内蔵されており、第1電流センサ32による第1DDC16の出力電流の検知結果が、第1DDC16を経由して制御部38に出力される構成であってもよい。また、第1電流センサ32及び第2電流センサ34による出力電流の検知結果が、第3電流センサ36と同様に、センサ32、34から直接制御部38へ出力される構成であってもよい。
【0043】
また、上記では第2DDC18に対しては出力電流を制御する一方で、第1DDC16に対しては出力電圧を制御する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、第1DDC16に対しても出力電流を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 給電装置
14 補機バッテリ(補機電池)
16 第1DDC(第1のDCDCコンバータ)
18 第2DDC(第2のDCDCコンバータ)
24 高圧系統
28 補機系統負荷
30 補機系統
32 第1電流センサ(第1検知部)
34 第2電流センサ(第2検知部)
36 第3電流センサ(第3検知部)
38 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7